JP4437394B2 - 真空処理装置 - Google Patents
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Description
以上のような請求項1記載の発明では、遮蔽部である載置台を構成する容器内に導入されたパージガスは、低流量であっても容器内に充満する。このため、高温に加熱された加熱装置及びその周りの部品は、反応ガスとの接触が遮られ、腐食されることが防止される。また、遮蔽部が存在するとともに、パージガス排気部が、処理室と反対側の離隔した位置である容器の下部に設けられているので、パージガスの処理室への混入が防止され、反応が低下することがない。さらに、真空容器内に構成される小型の載置台内に不活性ガスを充満させることによって、反応ガスと加熱装置との接触が防止されるので、パージガス流量の増大や装置の大型化によるコスト高を抑制できる。
以上のような請求項2記載の発明では、パージガス排気部が、反応ガス排気部の近傍に設けられているので、反応ガスとともにパージガスの排気が促進され、処理室へのパージガスの混入がより一層防止される。
以上のような請求項3記載の発明では、延長部によって、パージガスの排気経路が長くなるので、装置の排気コンダクタンスの低下と加熱装置への反応ガス流入が効果的に防止される。
以上のような請求項4記載の発明は、延長部を複数の筒状体により簡単に構成できるとともに、加熱装置からの熱量の損出を防ぐことができる。
以上のような請求項5記載の発明では、反応ガスは反応ガス排気管により排気させ、パージガスはパージガス排気管により排気させ、両ガスを真空容器外において合流させるので、加熱装置の周囲への反応ガスの流入と処理室への不活性ガスの流入を、より確実に防止することができる。
[第1の実施形態]
[構成]
まず、第1の実施形態の構成を、図1を参照して説明する。なお、図1は、本実施形態の縦断面の概略を示した構成図である。すなわち、本実施形態は、反応ガスが供給される処理室2が内部に形成された真空容器1を備えている。この真空容器1には、処理室2に連通する反応ガス導入口3が設けられている。反応ガス導入口3は、例えば、成膜やドライエッチング等の処理を行う反応ガスを処理室2内に導入するために、図示しない反応ガス供給源に接続されている。また、真空容器1内には、被処理物4が載置される載置台5が設けられている。この載置台5は、カーボンにSiCコートを施した容器であり、その上面が被処理物4を載置可能な載置面となっている。
以上のような本実施形態の作用は、以下の通りである。すなわち、図示しない機構によって被処理物4が載置台5に載置されると、真空排気装置によって真空容器1内が真空引きされる。そして、ヒーター6によって加熱される被処理物4が、反応ガス導入口3から処理室2内に導入される反応ガス(図中、一点鎖線で示す)によって処理(成膜、エッチング等)される。これと同時に、不活性ガス導入口5aから載置台5内に、パージガスとしての不活性ガス(図中、点線で示す)が導入されるので、ヒーター6の周辺部が不活性ガスで覆われ、反応ガスの流入が妨げられる。従って、ヒーター6の腐食が完全に防止される。載置台5内に導入された不活性ガスは、不活性ガス排気口5bから真空容器1内に排気される。反応ガスは、連通孔7aを通って、排気口1bから排気される。不活性ガスも、載置台5の外面と真空容器1の内面との間を通って、排気口1bから排気される。
以上のような本実施形態によれば、載置台5の容器内に導入された不活性ガスは、低流量であっても容器内に充満するので、高温に加熱されたヒーター6の周りの部品が、反応ガスによって腐食されることが防止される。そして、不活性ガスは、載置台5の容器の下部にある不活性ガス排気口5bから、真空容器1内に排出され、その近傍にある排気口1bから反応ガスと一緒に排気される。従って、不活性ガスは、処理室2の内部に混入することがなく、反応が低下しない。さらに、真空容器1内に構成される小型の載置台5内に不活性ガスを充満させることによって、反応ガスとヒーター6との接触が防止されるので、不活性ガス流量の増大や装置の大型化によるコスト高を抑制できる。
[構成]
次に、第2の実施形態の構成を、図2を参照して説明する。なお、図2は、本実施形態の縦断面の概略を示した構成図である。すなわち、本実施形態は、真空容器1内における整流板7の下部領域であって、載置台5の外部側面の周囲に、円筒状の構造物である一対の遮熱リング8が配設されている。一対の遮熱リング8は、真空容器1内底側(排気口1b近傍)が不活性ガスの排気位置となるように、真空容器1側に固定されたもの(内側)と整流板7側に固定されたもの(外側)とによって構成されている。その他の構成は、図1に示した第1の実施形態と同様である。これにより、遮熱リング8は、不活性ガス排気口5bからの不活性ガスの排気経路を延長する延長部の役割を果たす。
以上のような本実施形態の作用は、以下の通りである。すなわち、上記の第1の実施形態と同様に、反応ガス(一点鎖線)による処理が行われる。これと同時に、載置台5内に導入された不活性ガス(点線)によって、ヒーター6の周辺部への反応ガスの流入が妨げられ、ヒーター6の腐食が完全に防止される。載置台5内に導入された不活性ガスは、不活性ガス排気口5bから真空容器1内に排気されるが、遮熱リング8によって、排気経路が大きく迂回若しくは蛇行するので、実質的に排気経路が延長される。反応ガスは、連通孔7aを通って、排気口1bから排気される。遮熱リング8を経由して来た不活性ガスも、排気口1bから排気される。
以上のような本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、上記のように、遮熱リング8によって、不活性ガスの排気経路が延長されているので、装置の排気コンダクタンスの低下とヒーター6周辺への反応ガス流入が効果的に防止される。また、遮熱リング8を抜けた不活性ガスは、排気口1bから即座に排気されるので、処理室2の内部に混入することがなく、反応が低下することがない。さらに、筒状の遮熱リング8は、載置台5の周囲を二重に覆うので、ヒーター6からの熱量の損出を防ぐことができる。
本発明は、上記のような実施形態には限定されない。例えば、図3に示すように、真空排気装置に接続された排気管9を、排気口1bに接続するとともに、不活性ガス排気口5bに不活性ガス排気管10を接続し、不活性ガス排気管10を真空容器1外に導出して、排気管9に連通させた構成とすることも可能である。かかる構成とすることにより、ヒーター6の周囲への反応ガスの流入と、処理室2への不活性ガスの流入を、より一層確実に防止することができる。
1a…不活性ガス供給口
1b…排気口
2…処理室
3…反応ガス導入口
4…被処理物
5…載置台
5a…不活性ガス導入口
5b…不活性ガス排気口
6…ヒーター
6a…ヒーター用通電棒
7…整流板
7a…連通孔
8…遮熱リング
9…排気管
10,11…不活性ガス排気管
Claims (5)
- 真空引き可能な真空容器と、前記真空容器内に設けられ、反応ガスにより被処理物を処理する処理室と、前記処理室内の被処理物を加熱する加熱装置と、反応ガスを前記処理室内に導入する反応ガス導入部と、反応ガスを前記真空容器外へ排出する反応ガス排気部とを有する真空処理装置において、
前記加熱装置の周囲を覆うことにより、前記加熱装置と前記反応ガスとの接触を遮る容器である遮蔽部を備え、
前記遮蔽部は、その上面に被処理物を載置可能な載置面を有する載置台であり、
前記遮蔽部には、その下部に前記反応ガスとは異なるパージガスを前記加熱装置の周囲に導入するパージガス導入部と、前記処理室から離隔した位置にパージガスを排出するパージガス排気部とが設けられ、
前記パージガス排気部は、前記処理室とは反対側に設けられていることを特徴とする真空処理装置。 - 前記パージガスが前記反応ガスとともに排気されるように、前記パージガス排気部は、前記反応ガス排気部の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1記載の真空処理装置。
- 真空引き可能な真空容器と、前記真空容器内に設けられ、反応ガスにより被処理物を処理する処理室と、前記処理室内の被処理物を加熱する加熱装置と、反応ガスを前記処理室内に導入する反応ガス導入部と、反応ガスを前記真空容器外へ排出する反応ガス排気部とを有する真空処理装置において、
前記加熱装置の周囲を覆うことにより、前記加熱装置と前記反応ガスとの接触を遮る遮蔽部を備え、
前記遮蔽部には、前記反応ガスとは異なるパージガスを前記加熱装置の周囲に導入するパージガス導入部と、前記処理室から離隔した位置にパージガスを排出するパージガス排気部とが設けられ、
前記パージガス排気部は、前記処理室とは反対側に設けられ、
前記遮蔽部の近傍には、パージガスの排気経路を延長する延長部が設けられていることを特徴とする真空処理装置。 - 前記延長部は、複数の筒状体により構成され、
前記複数の筒状体は、前記反応ガス排気部近傍がパージガスの排気位置となるように、前記真空容器内の対向する位置に固定された内側の筒状体と外側の筒状体を含むことを特徴とする請求項3記載の真空処理装置。 - 前記反応ガス排気部には反応ガス排気管が接続され、前記パージガス排気部にはパージガス排気管が接続され、前記反応ガス排気管と前記パージガス排気管とは、前記真空容器の外部において連通していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の真空処理装置。
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