JPH11102871A - 半導体単結晶薄膜の製造方法 - Google Patents

半導体単結晶薄膜の製造方法

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JPH11102871A
JPH11102871A JP28131097A JP28131097A JPH11102871A JP H11102871 A JPH11102871 A JP H11102871A JP 28131097 A JP28131097 A JP 28131097A JP 28131097 A JP28131097 A JP 28131097A JP H11102871 A JPH11102871 A JP H11102871A
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等 羽深
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エピタキシャル成長において、サセプタ裏面
への不要な半導体薄膜の堆積を防止しながら、半導体単
結晶薄膜の膜厚分布や抵抗率分布を均一化する。 【解決手段】 半導体単結晶薄膜の形成に関与する原料
ガスが半導体基板の直径方向に沿って所定の濃度分布を
持つように、該原料ガスを含む反応ガスの一方向流れを
該半導体基板の主面に対して略平行に形成しながら該主
面上に半導体単結晶薄膜を成長させる一方で、半導体基
板の裏面側から供給されるパージガスを該半導体基板の
外縁を経由して該反応ガスと合流させた後に排気する場
合、この原料ガスの濃度分布をパージガスの流量に応じ
て最適化する。実用上は、半導体基板の直径と近似した
幅を有する扁平な反応容器内で、この反応容器の幅方向
に沿って配列された複数のガス供給口について、原料ガ
スの濃度を独立に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板の表面
に半導体単結晶薄膜を形成して、いわゆる半導体エピタ
キシャルウェーハを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のように電子デバイスの微細化およ
び高集積化が高度に進展し、デバイスが取り扱う電荷量
が減少するに伴い、半導体基板中の微小欠陥の影響がま
すます顕著となっており、半導体基板の無欠陥化が切望
されている。かかる無欠陥化を半導体基板の表層部で実
現可能なものとして、半導体基板上にさらに半導体単結
晶薄膜をエピタキシャル成長させた、いわゆるエピタキ
シャルウェーハが知られている。エピタキシャル成長技
術によれば、エピタキシャルウェーハ内部に急峻な不純
物濃度勾配を形成したり、高濃度層の上部に低濃度層を
形成することが比較的容易に行えるため、エピタキシャ
ル成長技術はバイポーラ・トランジスタやショットキ・
バリア・ダイオードの作製には必須のものである。
【0003】エピタキシャルウェーハの半導体単結晶薄
膜については、電子デバイスの微細化に伴ってより一層
の薄膜化と膜厚および抵抗率の高度な均一化とが要求さ
れている。しかし、デバイス・チップの大型化と共に半
導体基板が大口径化し、形成すべき半導体単結晶薄膜の
面積も増大していることから、この要求に十分に応える
ことは年々困難となりつつある。大口径の半導体基板上
に半導体単結晶薄膜を成長させるためのエピタキシャル
成長装置としては、半導体基板水平載置型の枚葉式エピ
タキシャル成長装置が主に用いられている。特開平4−
233723号公報には、かかるエピタキシャル成長装
置における膜厚均一化の対策として、半導体基板に平行
な面内でこの半導体基板の端部に隣接して設けられる長
穴状のガス流入口を複数本の溝に分割し、個々の溝にお
けるガス濃度あるいはガス流量を制御可能としたガス供
給多岐管が開示されている。
【0004】ところで通常、半導体エピタキシャルウェ
ーハを製造するエピタキシャル成長装置の反応容器内で
は、該反応容器内に載置された半導体基板よりも下方側
の領域への意図しない半導体薄膜の堆積を防ぐために、
エピタキシャル成長に影響を与えないガス、典型的には
キャリアガスと同じガスが、パージガスとして供給され
ている。図5は、従来の一般的なエピタキシャル気相成
長装置の構成例である。この装置は、長手方向の一端に
ガス供給口22、他端に排気口23を備えた扁平な反応
容器21と、この反応容器21の下方側に位置し、半導
体基板Wを載置するためのサセプタ25を収容するサセ
プタ収容部24と、このサセプタ収容部24の底部中央
に接続され、上記サセプタ25の回転軸26を挿通させ
るための脚部30と、この脚部30の中途部にて上記回
転軸26に接続され、該回転軸26を矢印e方向に回転
可能とする回転アセンブリ27と、上記脚部30に接続
され、その内部にパージガスを導入するための第1のパ
ージガス供給管28と、上記サセプタ収容部24に接続
され、その内部にパージガスを導入するための第2のパ
ージガス供給管29と、反応容器21の天井面の外部に
配列され、半導体基板Wを均一に加熱するための複数の
赤外線ランプ31と、サセプタ収容部24の底面の外部
に配され、サセプタ25表面の温度を測定することによ
り半導体基板Wの温度を検出するための放射温度計32
を主な構成要素とする。
【0005】上記装置において半導体基板W上に珪素単
結晶薄膜を成長させる場合、反応容器21内にはガス供
給口22から例えばH2 (水素)に代表されるキャリア
ガスと、このキャリアガスで希釈されたSiHCl
3 (トリクロロシラン)等の原料ガスと、必要に応じて
供給されるB2 6 等のドーパントガスとが混合されて
なる反応ガスが、マスフローコントローラ(MFC)に
より流量制御された後に矢印a方向に導入され、半導体
基板Wの主面に対して略平行なガス流が形成される。な
お、前述の特開平4−233723号公報に開示される
ガス供給多岐管は、上記ガス供給口22の形状が複数本
の溝に分割された長穴状とされたものに相当し、個々の
溝についてガス流量が個別に制御されることで、半導体
基板の面内に所定のガス濃度分布が与えられている。
【0006】一方、上記サセプタ収容部24内には、パ
ージガスとして例えばH2 ガスがマスフローコントロー
ラ(MFC)により流量制御された後に、第1のパージ
ガス供給管28および第2のパージガス供給管29を通
じて導入される。上記サセプタ収容部24は、サセプタ
25の直径よりもやや大きい直径を有し、その内壁面と
該サセプタ25の外縁との間には環状のわずかな隙間が
ある。したがって、第1のパージガス供給管28および
第2のパージガス供給管29から導入されたパージガス
は、それぞれ矢印bおよび矢印cで示されるように、サ
セプタ収容部24から上記の隙間を通過して反応容器2
1内に到達する。パージガスはそこで未反応の反応ガス
や反応副生成物を含むガス流と合流し、排気口23から
矢印d方向に沿って排気される。
【0007】上述のようなパージガスのガス流は、反応
容器21内の反応ガスがサセプタ収容部24側へ流入す
ることを防ぎ、該サセプタ収容部24の内壁面上に多結
晶状の珪素薄膜が堆積することを防止する役割を果たし
ている。サセプタ収容部24の内壁面における多結晶膜
の堆積防止は、下記の2つの理由により重要である。ひ
とつは、装置内のパーティクルレベルを抑制することに
よる珪素単結晶薄膜の膜質向上と、その結果として装置
のメンテナンス頻度を削減できることによる生産性の向
上である。もうひとつは、放射温度計32による温度測
定精度の維持である。放射温度計32は、サセプタ収容
部24の器壁を通して観測されたサセプタ25の裏面の
発光輝度にもとづいて半導体基板の温度を算出している
ため、珪素薄膜の堆積により器壁が白濁すると、発光輝
度が実際よりも低く観測され、半導体基板の温度が誤っ
て低く算出されてしまうからである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように重要な役
割を果たしているパージガスであるが、このパージガス
の流量をあまり増大させると、半導体基板面内における
半導体単結晶薄膜の膜厚の均一化が妨げられることが経
験的に知られている。このため、パージガス流量は通
常、必要最低限に抑えられている。ところが、条件によ
っては必要最低限のパージガス流量下でも半導体単結晶
薄膜の膜厚分布や抵抗率分布の均一性が損なわれる場合
がある。このような場合、反応ガスの流量を変更せず、
パージガス流量をさらに低下させることで対処すると、
サセプタ収容部24の内壁面上へ意図しない多結晶膜の
堆積が発生してしまい、反応容器21の交換などメンテ
ナンス頻度の上昇による生産性の低下や、放射温度計3
2による半導体基板の温度の管理精度の低下を招く原因
となっていた。
【0009】そこで本発明は、サセプタ収容部24の内
壁面への多結晶膜の堆積を招かず、かつこれと同時に、
半導体基板面内では良好な半導体単結晶薄膜の膜厚分布
や抵抗率分布を達成することを可能とする方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の目
的を達成するために、サセプタ収容部24に供給される
パージガスが反応容器21内、特に半導体基板表面付近
の反応ガス濃度に与える影響について、流体力学的な解
析を行った。その結果、たとえ半導体基板の面内に所定
の濃度分布となるように原料ガスが供給されている場合
であっても、パージガスの流量によっては主として半導
体基板の外周側の反応ガス濃度がパージガスにより変化
することを見出した。また本発明者らは、原料ガスとし
てシラン系ガスを用いた時に、原料ガスの濃度を半導体
基板の中央部よりも周辺部に相対的に高く設定すること
により均一な膜厚分布が得られること、さらに、低温域
で珪素系半導体基板の主面の自然酸化膜と付着有機物膜
を除去することにより、抵抗率分布を高度に均一化する
ことが可能となることを見出した。
【0011】本発明の半導体単結晶薄膜の製造方法は、
かかる知見にもとづいて提案されるものであり、半導体
単結晶薄膜の形成に関与する原料ガスが半導体基板の直
径方向に沿って所定の濃度分布を持つように、かつ該半
導体基板の主面に対して略平行、一方向に供給されてい
る時、この濃度分布をパージガスの流量に応じて最適化
するものである。このとき、上記原料ガスの濃度分布と
共に、上記反応ガスの総流量を上記パージガスの流量に
応じて最適化することも好適である。
【0012】上述のような原料ガスの濃度分布を作り出
すための実際的な方法としては、上記半導体基板を反応
容器の下方側に位置するサセプタ収容部に収容されるサ
セプタの上に載置し、上記パージガスは該サセプタ収容
部内に導入された後に該半導体基板の裏面側から該半導
体基板の外縁を経由して該反応容器内にて上記反応ガス
と合流させ、上記原料ガスの濃度分布は該反応容器の幅
方向に沿って配列された複数のガス供給口について該原
料ガスの濃度を独立に設定することが簡便である。この
ときのパージガスの流量は、上記サセプタ収容部の内壁
面上における半導体多結晶膜の堆積を抑制し得る流量に
調整することが肝要である。また、上記原料ガスの濃度
分布を、上記反応容器の幅方向の中央部では相対的に低
濃度、かつ幅方向の周辺部では相対的に高濃度となるご
とく設定することは、周辺部におけるパージガスによる
希釈効果を相殺する上で有効である。
【0013】上記半導体基板として珪素系半導体基板、
上記原料ガスとしてシラン系ガスを用いると、珪素単結
晶薄膜のエピタキシャル成長が可能となる。このとき、
この半導体単結晶薄膜の成長に先立つ前処理として、上
記珪素系半導体基板の一方の主面に対し、0℃以上10
0℃未満の温度域にてHFとH2 の混合ガスを用いた自
然酸化膜の除去と、500℃以上800℃未満の温度域
でHClとH2 の混合ガスを用いた付着有機物の除去と
をこの順に行うと、次工程で極めて均一な珪素単結晶薄
膜を成長させることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において原料ガスの濃度分
布は、反応容器の幅方向に沿って配列された複数のガス
供給口について独立に原料ガスの濃度を設定することに
より達成することができる。このようなガスの供給方法
は、例えば図1に示されるようなエピタキシャル気相成
長装置を用いて実現することができる。
【0015】この装置は、長手方向の一端にガス供給管
2、他端に排気口3を備えた扁平な反応容器1と、この
反応容器1の下方側に位置し、半導体基板Wを載置する
ためのサセプタ5を収容するサセプタ収容部4と、この
サセプタ収容部4の底部中央に接続され、上記サセプタ
5の回転軸6を挿通させるための脚部10と、この脚部
10の中途部にて上記回転軸6に接続され、該回転軸6
を矢印G方向に回転可能とする回転アセンブリ7と、上
記脚部10に接続され、その内部にパージガスを導入す
るための第1のパージガス供給管8と、上記サセプタ収
容部4に接続され、その内部にパージガスを導入するた
めの第2のパージガス供給管9と、サセプタ収容部4の
底面側の外部に配され、半導体基板Wの温度を検出する
ための放射温度計11を主な構成要素とする。
【0016】上記反応容器1の幅方向、すなわち短手方
向の長さは、半導体基板Wの直径よりもやや大とされる
程度に選択される。このことにより、反応容器1内のガ
ス流が近似的に層流を形成した状態で半導体基板Wの主
面に沿って通過するようになされている。直径300m
mの半導体基板Wに対する処理を想定した場合、反応容
器1の幅は例えば380mm程度に設定される。なお、
上記反応容器1の天井面側の外部には半導体基板Wを均
一に加熱するための複数の赤外線ランプが配列されてい
るが、ここでは煩雑さを避けるために図示を省略し、光
の入射方向のみ矢印Lで示してある。なお、半導体基板
Wを加熱するための赤外線ランプは、上記反応容器1の
底部側の外部に配列されることもある。
【0017】上記ガス供給管2は、一例として平行に3
分割された流路を有し、各流路の末端、すなわち反応容
器1に接続される開口端は、反応容器1の幅方向に沿っ
て扁平な矩形形状を有するガス導入口2a,2b,2c
とされている。図示される例では、中央のガス導入口2
bが開口面積全体の2/3を占め、左右のガス導入口2
a,2cが1/6ずつを占める設計とされている。各ガ
ス導入口2a,2b,2cから放出されたガスは、それ
ぞれ矢印A,B,Cで示されるごとく、半導体基板Wの
主面に対して略平行なガス流を形成し、反応容器1内を
排気口3に向かって流れる。
【0018】図1には、珪素単結晶基板上への珪素単結
晶薄膜のエピタキシャル成長を想定し、大別して2つの
ガス供給系統を示した。そのひとつは、ドーパントガス
のジボラン(B2 6 )、原料ガスのSiHCl3 、前
処理用ガスのHCl、およびキャリアガスのH2 を導入
する第1のガス供給系統12A,12B,12Cであ
る。B2 6 は、p型珪素単結晶薄膜を成長させる際の
ドーパントである。また、HClガスはエピタキシャル
成長に先立ち、珪素単結晶基板の表面の付着有機物を除
去するためのガスであり、H2 で希釈された状態で供給
される。このHClガスを用いた前処理については、実
施例2で後述する。第1のガス供給系統12A,12
B,12Cは、それぞれに独立に備えられたマスフロー
コントローラ(MFC)群13A,13B,13Cを用
いて目的に応じた組成を有する混合ガス、すなわち反応
ガスを調整し、この反応ガスを所望の流量にてそれぞれ
ガス導入口2a,2b,2cから反応容器1内へ供給す
る。
【0019】なお、珪素単結晶薄膜の成膜用の原料ガス
としては、上記のSiHCl3 以外にも様々なシラン系
ガスを用いることができ、例えばSiH4 ,SiH2
2,SiCl4 等のモノシラン誘導体、あるいはジシ
ランやトリシランの誘導体を例示することができる。こ
こで、ジシランやトリシランを用いる場合は、モノシラ
ン誘導体を用いる場合に比べて低温成長が可能である。
また、ドーパントとしては、上記のB2 6 以外にもn
型ドーパントであるフォスフィン(PH3 )、その他公
知の化学物質を用いることができる。
【0020】一方、第2のガス供給系統14は、フッ化
水素(HF)をH2 ガスで希釈して供給するための系統
である。このHFは、エピタキシャル成長に先立ち、珪
素単結晶基板の表面の自然酸化膜を除去するために用い
られる。このHFを用いた前処理については、実施例2
で後述する。HFは常温で液体であるが、蒸気圧が大き
く容易に気化するため、この気化成分をマスフローコン
トローラ(MFC)群15を用いてH2 と混合し、反応
容器1へ供給する。
【0021】本装置の上記サセプタ収容部4内には、パ
ージガスとして例えばH2 ガスがそれぞれMFC17,
18による流量制御を経て、第1のパージガス供給管8
および第2のパージガス供給管9から導入される。上記
サセプタ収容部4は、サセプタ5の直径よりも大きい直
径を有し、その内壁面と該サセプタ25の外縁との間に
はわずかな環状の隙間がある。この隙間の幅は、例えば
5mmとした。第1のパージガス供給管8から導入され
たH2 ガスは、矢印Eで示されるように、回転アセンブ
リ7と脚部10の内部を通過して上記の隙間から反応容
器1へ到達し、排気口3から矢印Dで示されるように排
気される。また、第2のパージガス供給管9から導入さ
れたH2 ガスは、矢印Fで示されるように、やはり上記
の隙間を抜けて反応容器1へ到達し、同様に排気され
る。
【0022】このような装置構成においては、特に半導
体基板Wの外周部においてパージガスの希釈効果による
原料ガス濃度の低下が予測されるため、本発明では原料
ガスの濃度分布を、半導体基板の中央部では相対的に低
く、かつ外周部では相対的に高く設定しておくことが好
適である。
【0023】ところで、エピタキシャル成長の成否は半
導体基板の表面状態に大きく依存することが知られてい
る。特に、珪素単結晶基板上に珪素単結晶薄膜をエピタ
キシャル成長させる場合、該珪素単結晶基板表面の自然
酸化膜や付着有機物を十分に除去し、清浄化しておくこ
とが必要である。この清浄化の方法としては、まず、0
℃以上100℃未満の温度域でHFとH2 の混合ガス
(HF混合ガス)を用いて自然酸化膜を除去した後、5
00℃以上800℃未満の温度域でHClとH2の混合
ガス(HCl混合ガス)を用いて付着有機物の除去を行
うことが極めて好適である。なお、上記HF混合ガス中
のHF濃度はおおよそ0.5%以上とすることが好適で
ある。0.5%未満では自然酸化膜の除去速度が著しく
低下する。一方、1〜100%において自然酸化膜の除
去に要する時間には大差はない。また、HF混合ガスに
よる処理時間はおおよそ0.5〜5分の範囲とすること
が好適である。0.5分より短時間では自然酸化膜が十
分に除去されず、5分より長時間では効果にほとんど差
異が認められない上、スループットが低下する原因とな
る。実用上は3分程度で十分である。
【0024】上記の自然酸化膜の除去方法は、本願出願
人が別の研究結果にもとづいて提案したものであり、該
自然酸化膜に本来的に収着されている水分を反応開始触
媒として利用しながら低温で自然酸化膜を除去する方法
である。温度が0℃よりも低い場合には、自然酸化膜が
除去できなくなるか、あるいはエッチング反応速度が低
下してスループットが低下するおそれがあり、逆に10
0℃よりも高い場合には自然酸化膜に収着されている水
分が脱離して反応開始触媒が無くなってしまうので、エ
ッチング反応が進行しなくなる。一方、HCl混合ガス
による付着有機物の除去時の温度については、500℃
以下であると除去が進行せず、800℃を越えると珪素
単結晶基板の表面が腐食されて微小な凹凸が発生するお
それが大きい。なお、HCl混合ガスの濃度はおおよそ
0.1〜10%とすることが好適である。0.1%未満
では付着有機物の除去効果が小さく、10%以上では珪
素単結晶基板の表面に微小な凹凸が生ずることがある。
また、HCl混合ガスによる処理時間はおおよそ1秒〜
10分の範囲とすることが好適である。1秒より短時間
では付着有機物が十分に除去されず、10分より長時間
では効果にほとんど差異が認められない上にスループッ
トが低下する原因となる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0026】実施例1 本実施例では、前掲の図1に示したエピタキシャル気相
成長装置を用いたノンドープ珪素単結晶薄膜のエピタキ
シャル成長において、パージガスであるH2 ガスの流量
を一定とし、中央のガス導入口2bと左右のガス導入口
2a,2cからのSiHCl3 ガスの供給濃度比の違い
による膜厚分布の変化について検討した。使用した単結
晶基板Wは、珪素からなる直径300mmのp型低抵抗
基板(抵抗率=0.01Ω・cm)である。本実施例で
は、プロセス全体を通じて反応容器1内の圧力を常に1
気圧に維持し、また、このときの第1のパージガス供給
管8および第2のパージガス供給管9から導入されるパ
ージガスの合計流量は、常に16リットル/分とした。
【0027】まず、半導体基板Wの前処理を行った。す
なわち、半導体基板Wをサセプタ5上に載置し、第1の
ガス供給系統12A,12B,12Cを用いてH2 ガス
を導入した。この状態で、図示されない赤外線ランプに
通電して半導体基板Wを1100℃に昇温し、その温度
に1分間保持した。これにより、珪素単結晶基板の表面
に付着していた珪素酸化膜および有機物を還元分解除去
した。
【0028】次に、上記赤外線ランプ通電量を調整して
半導体基板Wの温度を1000℃とし、直ちに反応ガス
であるSiHCl3 とH2 の混合ガスを、ガス導入管2
より1分間導入した。上記混合ガスの組成は、H2 ガス
75リットル/分に12g/分のSiHCl3 を添加し
た組成とした。ここで、中央のガス導入口2bと左右の
ガス導入口2a,2cからのCl3 の供給濃度比(以
下、「左:中央:右」と表記する。)を左:中央:右=
1:1:1とした場合、左:中央:右=4:1:4とし
た場合、および左右のみに同じ濃度で流した場合、すな
わち左:中央:右=1:0:1とした場合の3通りの実
験を行った。このとき、各ガス導入口2a,2b,2c
から流出する上記混合ガスの流速が均一となるよう、M
FC群13A,13B,13Cを用いて各導入口へ供給
する反応ガスの量を制御した。1分間の成膜を終了した
後、赤外線ランプの通電を遮断すると同時にSiHCl
3 の供給を停止し、H2 ガスのみ流した状態で基板の温
度を室温まで下げ、反応容器1外へ取り出した。得られ
たものは、珪素単結晶基板上に珪素単結晶薄膜が成膜さ
れたエピタキシャルウェーハである。
【0029】図2に、上記3通りのSiHCl3 ガス供
給濃度比における膜厚分布の測定結果を示す。図中、横
軸はエピタキシャルウェーハ中心からの距離(mm)を
表し、縦軸はノンドープ珪素単結晶薄膜の成長速度(μ
m/分)を表す。この成長速度は、膜厚分布の直接の指
標となるものである。つまり、成長速度が小さい場所で
は膜厚が薄く、成長速度が大きい場所では膜厚が厚い。
また、左:中央:右=1:1:1の場合の結果をグラフ
I、左:中央:右=4:1:4の場合の結果をグラフI
I、および左右のみの場合、すなわち左:中央:右=
1:0:1の場合の結果をグラフIII でそれぞれ表す。
中央と左右からのSiHCl3 の供給濃度比を均一とし
た場合(グラフI)には、エピタキシャルウェーハの外
周側で成長速度が著しく低下し、左右のみから供給した
場合(グラフIII )には、エピタキシャルウェーハの中
央部の成長速度が著しく低下した。これに対して、左:
中央:右=4:1:4の場合(グラフII)の場合には、
成長速度がエピタキシャルウェーハの面内で均等してお
り、均一な膜厚分布が達成されている。このとき、サセ
プタ5の裏面にわずかに多結晶珪素の堆積が生じたが、
その堆積範囲は外周端から内側へ向かって1mmの範囲
内にとどまっていた。
【0030】本実施例においては、中央のガス導入口2
bと左右のガス導入口2a,2cからの原料ガスの供給
濃度比を左:中央:右=4:1:4とした場合に最良の
結果が得られたが、最良の結果をもたらす供給濃度比
は、サセプタ収容部4とサセプタ5との間に形成される
隙間の幅や、パージガスの流量等の条件により異なる。
しかし、半導体基板Wの外周部においては、パージガス
により原料ガスの濃度が低下するため、該原料ガスの濃
度分布が半導体基板Wの中央部では相対的に低濃度、か
つ外周部では相対的に高濃度となるように供給濃度比を
最適化することが肝要である。
【0031】なお、半導体基板Wの下側のパージガス流
量を2リットル/分以下に低下させた場合には、左:中
央:右=1:1:1であっても均一な膜厚分布が得られ
たが、サセプタ収容部4の内壁の全面にわたって多結晶
珪素の堆積が生じ、放射温度計11による温度計測にも
支障をきたした。以上の結果から、本発明のように原料
ガスの濃度分布を最適化すれば、パージガス流量が多く
てもエピタキシャルウェーハ面上の成長速度が均等にな
るので、半導体単結晶薄膜の膜厚を均一化することがで
き、しかもエピタキシャルウェーハの裏面側への不要な
堆積を確実に防止できることが明白である。
【0032】実施例2 本実施例では、p+ 型珪素単結晶基板上へのエピタキシ
ャル成長において、前処理方法の違いによる抵抗率分布
の変化について検討した。使用した単結晶基板Wは、珪
素からなる直径300mmのp+ 型低抵抗基板(抵抗率
=0.01Ω・cm)である。また、本実施例では反応
ガスとして、H2 ガス75リットル/分に12g/分の
SiHCl3 と極微量のB2 6 を添加したものを使用
した。その他の条件、すなわち反応容器1内の圧力(1
気圧)、パージガスの合計流量(16リットル/分)
は、いずれも実施例1と同じである。また、SiHCl
3 とB2 6 とH2 を混合してなる反応ガスの供給濃度
比も、実施例1で良好な結果が得られたことを受けて、
左:中央:右=4:1:4に調整した。
【0033】半導体基板Wの前処理は、次の2通りの方
法で行った。1番目の方法は、実施例1と同様、H2
ス雰囲気下、1100℃、1分間の熱処理を行うもので
ある。2番目の方法は、第2のガス供給系統14を用い
てHFをH2 で1%に希釈したHF混合ガスを23℃で
3分間供給し、次に第1のガス供給系統12A,12
B,12Cを用いてH2 で1%に希釈したHCl混合ガ
スを700℃で1分間供給するものである。この後は、
実施例1と同様にしてp型珪素単結晶薄膜をエピタキシ
ャル成長させた。
【0034】図3に、上記2通りの前処理を経て形成さ
れたp型珪素単結晶薄膜の抵抗率分布の測定結果を示
す。図中、横軸はエピタキシャルウェーハ中心からの距
離(mm)を表し、縦軸はp型珪素単結晶薄膜の抵抗率
(Ω・cm)を表す。また、前処理を上記1番目の方法
で行ったを経た場合の結果をグラフIV、上記2番目の
方法で行った場合の結果をグラフVでそれぞれ表す。1
番目の方法で前処理を行った場合(グラフIV)では、
膜厚分布は均一であったが、外周側の3〜5mmの範囲
内で抵抗率が低下した。この傾向は、左:中央:右の原
料ガスの供給濃度比を変化させても解消することはでき
ず、また抵抗率分布の均一化は抵抗率の目標値を高く設
定する(すなわちドープ量を減らす)ほど困難となっ
た。これに対し、2番目の方法で前処理を行った場合
(グラフV)では、膜厚分布が均一であることはもちろ
ん、エピタキシャルウェーハの外周部においても抵抗率
が低下せず、全体にほぼ均一な抵抗率分布が達成され
た。
【0035】上述の抵抗率分布の差は、前処理時の半導
体基板Wの加熱温度に起因している。1番目の方法は前
処理温度が高いので、低抵抗基板中のホウ素原子が気相
中に外方拡散し、パージガスに運ばれて半導体基板Wの
外周部に滞留する。このホウ素原子は、SiHCl3
導入されエピタキシャル成長が開始される段階になって
もまだ気相中に残存しており、これがエピタキシャル成
長時に膜内に取り込まれるために、珪素単結晶薄膜の外
周部に低抵抗領域が形成されるのである。これに対し、
2番目の方法は1番目の方法に比べて前処理温度が低い
ので、特にp+ 型低抵抗率基板のドーパント原子である
ホウ素の気相中への気化を効果的に抑制できる。したが
って、気相中のドーパント濃度が均一化され、これによ
り珪素単結晶薄膜の抵抗率分布も均一化されることが把
握された。
【0036】実施例3 本実施例では、ノンドープ珪素単結晶薄膜のエピタキシ
ャル成長において、反応ガスの主体を占めるキャリアガ
スとパージガスとの流量比の違いによる膜厚分布の変化
について検討した。使用した半導体基板Wは、珪素から
なる直径300mmのp+ 型低抵抗基板(抵抗率=0.
01Ω・cm)である。反応ガスとしては、H2 ガス7
5リットル/分あたり12g/分のSiHCl3 を添加
したSiHCl3 混合ガスを使用した。また、SiHC
3 ガスの供給濃度比は、実施例1で良好な結果が得ら
れたことを受けて、左:中央:右=4:1:4に調整し
た。反応容器1内の圧力は常に1気圧とした。さらに、
前処理は実施例2で述べた2番目の条件にしたがった。
【0037】エピタキシャル成長は、下記の4通りのガ
ス流量の組合せVI〜IXにもとづいて行った。ただ
し、本実施例では反応ガスの流量をその主体をなすH2
ガスの流量とみなし、これをキャリアH2 と称すること
にする。パージガス流量はこれに対応して、パージH2
と表記する。 VI :キャリアH2 =50リットル/分,パージH2
なし VII :キャリアH2 =75リットル/分,パージH2
=32リットル/分 VIII :キャリアH2 =50リットル/分,パージH2
=16リットル/分 IX :キャリアH2 =100リットル/分,パージH
2 =16リットル/分
【0038】図4に、上記4通りの流量の組合せにおけ
る膜厚分布の測定結果を示す。図中、横軸はエピタキシ
ャルウェーハ中心からの距離(mm)を表し、縦軸はノ
ンドープ珪素単結晶薄膜の成長速度(μm/分)を表
す。この成長速度は、膜厚分布の直接の指標となるもの
である。また各グラフの名称VI〜IXは、上記の流量
の組合せに対応している。グラフVIの場合、珪素単結
晶薄膜の厚さはエピタキシャルウェーハの外周側で厚く
なった。また、パージガス流が存在しないため、サセプ
タ収容部4の内壁の全面にわたって多結晶珪素の堆積が
生じた。グラフVIIでは、キャリアH2 はグラフVIと
同じとしたままパージH2 の流量を一挙にキャリアH2
の半分近くまで高めたが、パージH2 の比率が高すぎて
エピタキシャルウェーハの外周側でSiHCl3 の濃度
が低下したために、外周側で膜厚が顕著に減少してしま
った。しかし、サセプタ収容部4への多結晶珪素の堆積
は認められなかった。
【0039】グラフVIII では、グラフVIIに比べてキ
ャリアH2 もパージH2 も全体的に低減させたが、パー
ジH2 がキャリアH2 の30%以上の割合で供給されて
いるために、外周側で膜厚が減少する傾向は相変わらず
であった。ただし、サセプタ収容部4への多結晶珪素の
堆積は認められなかった。グラフIXでは、パージH2
はグラフVIII と同じとしたままキャリアH2 の流量を
一挙にその2倍に高めたところ、外周部でわずかに膜厚
が増すものの、ほぼ良好な膜厚分布が達成された。ま
た、サセプタ収容部4への珪素堆積は、わずかにサセプ
タ5の裏面において外周端から内側へ1mmほど入った
範囲内に認められる程度であった。
【0040】このように、パージガス流量が相対的に不
足であると反応ガスの熱拡散現象により外周側で膜厚が
増大する傾向があり、逆にパージガス流量が相対的に過
多であると反応ガスが希釈されて外周側の膜厚が減少す
る傾向がある。本実施例では、反応ガスとパージガスの
流量比が半導体単結晶薄膜の膜厚分布に大きく影響を与
えていることが確認され、本発明のような原料ガスの濃
度分布の制御の重要性および有効性が実証された。
【0041】以上、本発明を3例の具体的な実施例にも
とづいて説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限
定されるものではない。例えば、本発明に用いるエピタ
キシャル気相成長装置としては、図1に示したような枚
葉式の装置のみならず、複数枚の半導体基板を同時に処
理する形式の装置も利用可能である。シラン系ガスを用
いて珪素単結晶基板上に珪素単結晶薄膜を気相成長させ
るに際しては、エピタキシャル成長温度をいずれも10
00℃としたが、これより若干ずれても構わない。ただ
し、800℃以下では成長速度が小さくなりすぎて工業
的に有用でなく、1200℃を越えると熱応力に起因し
て半導体基板の変形が生じるので適切ではない。また、
上記の実施例では半導体単結晶薄膜としてノンドープあ
るいはp型の珪素単結晶薄膜を成膜する場合について説
明したが、n型の珪素単結晶薄膜であってもよく、さら
には、珪素系の薄膜に限られず、ゲルマニウム系半導体
薄膜であってもよい。さらに本発明は、MOCVD法に
よる化合物半導体の単結晶薄膜の成膜にも適用可能であ
る。
【0042】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によればパージガスの流量に応じて原料ガスの濃度分
布を調節するので、半導体単結晶薄膜の膜厚や抵抗率分
布の均一性を損なうことなく、エピタキシャルウェーハ
の裏面側への意図しない堆積を防止することができる。
上記原料ガスの濃度分布は、反応容器の幅方向に沿って
配列された複数のガス供給口について独立にガス流量を
設定することにより、容易かつ精度良く達成することが
できる。上記濃度分布を反応容器の幅方向の中央部で相
対的に低く、外周部で相対的に高く設定することによ
り、膜厚や抵抗率分布の均一化が容易となる。
【0043】本発明では半導体基板として珪素単結晶基
板、上記反応ガスとしてシラン系ガスを主体とするガス
を用いることにより、極めて良質な珪素単結晶薄膜をエ
ピタキシャル成長させることが可能となる。珪素単結晶
薄膜のエピタキシャル成長に先立っては、この成長温度
より低い温度域にて珪素酸化膜と有機物膜とを予め除去
しておくことにより、抵抗率分布の均一性を改善するこ
とができる。したがって本発明は、ある種の微細な電子
デバイスの形成に不可欠なエピタキシャル半導体基板
を、優れた品質と生産性をもって製造することに大きく
貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられるエピタキシャル気相成長装
置の構成例を示す概略斜視図である。
【図2】ノンドープ珪素単結晶薄膜のエピタキシャル成
長において、SiHCl3 ガスの濃度分布の違いによる
膜厚分布の変化を表すグラフである。
【図3】p型珪素単結晶薄膜のエピタキシャル成長にお
いて、前処理方法の違いによる抵抗率分布の変化を表す
グラフである。
【図4】ノンドープ珪素単結晶薄膜のエピタキシャル成
長において、キャリアH2 とパージH2 の流量比の違い
による膜厚分布の変化を表すグラフである。
【図5】従来の一般的なエピタキシャル気相成長装置の
構成例を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 反応容器 2 ガス導入管 2a,2c ガス導入口(左右) 2b ガス導入口(中央) 3 排気口 4 サセプタ収容部 5 サセプタ 6 回転軸 7 回転アセンブリ 8 第1パージガス供給管 9 第2パージガス供給管 10 放射温度計 12A,12B,12C 第1のガス供給系統 13A,13B,13C,15 MFC群 14 第2のガス供給系統 W 半導体基板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体単結晶薄膜の形成に関与する原料
    ガスが半導体基板の直径方向に沿って所定の濃度分布を
    持つように、該原料ガスを含む反応ガスの一方向流れを
    該半導体基板の主面に対して略平行に形成しながら該主
    面上に半導体単結晶薄膜を成長させる一方で、該半導体
    基板の裏面側から供給されるパージガスを該半導体基板
    の外縁を経由して該反応ガスと合流させた後に排気する
    半導体単結晶薄膜の製造方法であって、 前記原料ガスの濃度分布を前記パージガスの流量に応じ
    て最適化することを特徴とする半導体単結晶薄膜の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記原料ガスの濃度分布と共に、前記反
    応ガスの総流量も前記パージガスの流量に応じて最適化
    することを特徴とする請求項1記載の半導体単結晶薄膜
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記半導体基板は、反応容器の下方側に
    位置するサセプタ収容部に収容されるサセプタの上に載
    置し、前記パージガスは該サセプタ収容部内に導入され
    た後に該半導体基板の裏面側から該半導体基板の外縁を
    経由して該反応容器内にて前記反応ガスと合流させ、前
    記原料ガスの濃度分布は該反応容器の幅方向に沿って配
    列された複数のガス供給口について該原料ガスの濃度を
    独立に設定することにより達成することを特徴とする請
    求項1記載の半導体単結晶薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記パージガスの流量を、前記サセプタ
    収容部の内壁面上における半導体多結晶膜の堆積を抑制
    し得る流量に調整することを特徴とする請求項3記載の
    半導体単結晶薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記原料ガスの濃度分布を、前記反応容
    器の幅方向の中央部では相対的に低濃度、かつ幅方向の
    周辺部では相対的に高濃度となるごとく設定することを
    特徴とする請求項3記載の半導体単結晶薄膜の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記半導体基板として珪素系半導体基
    板、前記原料ガスとしてシラン系ガスを用いることを特
    徴とする請求項5記載の半導体単結晶薄膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記半導体単結晶薄膜の成長に先立ち、
    前記珪素系半導体基板の一方の主面に対し、0℃以上1
    00℃未満の温度域にでHFとH2 の混合ガスを用いた
    自然酸化膜の除去と、500℃以上800℃未満の温度
    域でHClとH2 の混合ガスを用いた付着有機物の除去
    とをこの順に行って該主面を清浄化することを特徴とす
    る請求項6記載の半導体単結晶薄膜の製造方法。
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