JP5297005B2 - 有機elディスプレイ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機ELディスプレイ及びその製造方法に関する。
有機ELディスプレイは、薄型、広視野角、低消費電極、優れた動画表示特性などの特色を有しており、複数個の有機EL素子をマトリックス状に配列して構成されたものが従来から知られている。
かかる有機EL素子は、基板上に形成される第1電極層と、第1電極層上に形成される有機発光層と、有機発光層上に形成される第2電極層と、から構成されている。
有機発光層は、第1電極層及び第2電極層に電圧を加えて、第1電極層及び第2電極層から有機発光層に正孔及び電子を注入し、有機発光層中で正孔と電子が再結合することで、放出されるエネルギーの一部が有機発光層中の発光分子を励起する。そして、有機発光層は、その励起された発光分子が基底状態に戻るときにエネルギーを放出して光を発する。
なお、電極層を形成する際に、雰囲気中の酸素濃度を通常の成膜の際より高く設定して、電極層の表面を酸化し、電極層から有機発光層への正孔又は電子の注入を大きくする技術が提案されている(下記特許文献1参照)。
特開平9−245968号公報
ところが、上記した特許文献1に記載の有機EL素子は、雰囲気中の酸素濃度を高めて、電極層の表面を酸化するため、雰囲気中の酸素濃度にバラツキがあると、電極層の表面の酸化程度にもバラツキが発生する。そのため、電極層から有機発光層への正孔又は電子の注入が電極層表面の領域毎に異なり、さらには、有機ELディスプレイにおける有機EL素子の輝度にバラツキが発生する。その結果、有機ELディスプレイに輝度ムラが生じ、ディスプレイの視認性が悪化する。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであって、電極層の表面の酸化程度のバラツキを抑制し、さらには、有機ELディスプレイの輝度ムラを低減し、視認性に優れた有機ELディスプレイ及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、有機EL素子を有する有機ELディスプレイにおいて、
前記有機EL素子は、上面が酸素存在下でUV光が照射されて酸化された1nm以上20nm以下の厚みの電荷の注入が可能な酸化膜を有する第1電極層と、前記酸化膜上に形成され、アルカリ金属又はアルカリ土類金属からなる電荷注入促進層と、前記電荷注入促進層上に形成され、アルカリ金属のハロゲン化物からなる電荷注入層と、前記電荷注入層上に形成される有機発光層と、前記有機発光層上に形成される第2電極層と、を備えたことを特徴とする有機ELディスプレイ。
また、本発明の有機ELディスプレイは、前記電荷注入促進層と前記電荷注入層との界面に、前記電荷注入促進層を構成する材料及び前記電荷注入層を構成する前記ハロゲン化物とから成るバッファ層が、形成されていることを特徴とする。
また、本発明の有機ELディスプレイは、前記電荷注入層上に、前記電荷注入層から乖離したアルカリ金属から成る電荷輸送層が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の有機ELディスプレイは、前記バッファ層の厚みが、5nm以下であることを特徴とする。
また、本発明の有機ELディスプレイの製造方法は、上面が露出した第1電極層を有する基板を準備する工程と、前記第1電極層の上面が酸素存在下でUV光が照射されることで酸化して、前記第1電極層上に1nm以上20nm以下の厚みの電荷の注入が可能な酸化膜を形成する工程と、前記酸化膜上に、電荷注入促進層を形成する工程と、前記電荷注入促進層上に、有機発光層を形成する工程と、前記有機発光層上に、第2電極層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の有機ELディスプレイの製造方法は、前記電荷注入促進層は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属からなり、前記電荷注入促進層上に、アルカリ金属のハロゲン化物からなる電荷注入層を形成して、前記電荷注入促進層と前記電荷注入層との界面に、前記電荷注入層を構成するハロゲン化物と前記電荷注入促進層を構成するアルカリ金属又はアルカリ土類金属とが結合することによってバッファ層が形成される工程と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の有機ELディスプレイの製造方法は、前記第1電極層の上面にUV光を照射する前に、前記第1電極層の上面を洗浄して、前記第1電極層の上面を酸化することを特徴とする。
本発明によれば、電極層の表面の酸化程度のバラツキを抑制することができ、有機ELディスプレイの輝度ムラを低減し、視認性に優れた有機ELディスプレイ及びその製造方法を提供することができる。
以下に、本発明について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る有機ELディスプレイ1の上方斜視図である。また、図2は、本発明の実施形態に係る有機ELディスプレイの画素の拡大断面図である。さらに、図3は、有機EL素子の拡大断面図である。
有機ELディスプレイ1は、図1に示すように、テレビ等の家電機器、携帯電話又はコンピュータ機器等の電子機器に用いるものであり、基板としての平板状の素子基板2と、素子基板2上に複数の画素3と、画素3の発光を制御する駆動IC4と、を含んで構成されている。なお、画素3は、有機EL素子5を含んで構成されており、各画素3は、隔壁6によって仕切られている。
素子基板2は、例えばガラスやプラスチックから成り、素子基板2の中央に位置する表示領域D1には、マトリックス状に配列された複数の画素3が形成されている。また、素子基板2の端部に位置する非表示領域D2には、駆動IC4が実装されている。
また、素子基板2上に、素子基板2に対して対向するように配置された封止基板7が形成されている。封止基板7は透明の基板から成り、例えばガラスやプラスチックを用いることができる。さらに、素子基板2の表示領域D1には、表示領域D1を被覆するようにシール材8が形成されており、素子基板2と隔壁6と封止基板7とシール材8によって複数の画素3を密封している。なお、シール材8は、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂又はシリコン樹脂等の光硬化性又は熱硬化性の樹脂を用いることができる。好ましくは、紫外線の照射により硬化する光硬化性のエポキシ樹脂を採用する。
次に、図2又は図3に示すように、素子基板2と封止基板7との間に形成される各種層について説明する。
素子基板2上には、TFTや電気配線が形成されている回路層9と、回路層9上に回路層9を外部と電気的に絶縁するための窒化珪素等から成る絶縁層10が形成されている。なお、回路層9の一部と、後述するコンタクト層13とが電気的に接続されている。また、絶縁層10上には、回路層9や絶縁層10の凹凸を低減するための平坦化膜11が形成されている。かかる平坦化膜11は、例えばノボラック樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂又はシリコン樹脂等の絶縁性を有する有機材料を用いることができる。なお、平坦化膜11の厚みは、例えば2μm以上、5μm以下に設定されている。
また、平坦化膜11には、平坦化膜11及び絶縁層10を貫通するコンタクトホール12が形成されている。さらにコンタクトホール12の内周面から平坦化膜11の上面にかけて、例えば銅やアルミニウム等の導電材料から成るコンタクト層13が形成されている。
さらに、平坦化膜11上には、有機EL素子5が形成されている。
有機EL素子5は、上面が酸化された酸化膜15を有する第1電極層14と、酸化膜15上に形成された電荷注入促進層16と、電荷注入促進層16上に形成された電荷注入層17と、電荷注入層17上に形成された有機発光層18と、有機発光層18上に形成された第2電極層19と、を含んで構成されている。なお、有機EL素子5を被覆するように、画素3上に保護層20が形成されている。保護層20は、有機EL素子5を封止し、有機EL素子を水分や外気から保護するものであって、光透過性の機能を有し、例えば窒化珪素、酸化珪素又は窒化炭化珪素等の無機材料から成る。なお、保護層20の厚みは、例えば500nm以上、5μm以下に設定されている。
以下の本実施形態では、第1電極層14を陰極、第2電極層19を陽極として説明する。
第1電極層14は、平坦化膜11上に形成されるとともに、コンタクト層13と間を空けて配置されている。第1電極層14は、例えばアルミニウム、銀、銅、金又はロジウム等の金属、又はこれらの合金等の光反射率の大きい材料から成る。このように、第1電極層14を光反射率の大きい材料から構成することにより、トップエミッション型の有機EL素子5においては光取り出し効率を向上させることができる。なお、第1電極層14の厚みは、例えば50nm以上、500nm以下に設定されている。
また、第1電極層14とコンタクト層13との間には、絶縁膜21が介在されている。絶縁膜21は、その一部が第1電極層14と第2電極層19との間に介在され、両者の短絡を防止している。絶縁膜21は、ポリイミド樹脂又はフェノール樹脂等の有機絶縁材料や、窒化珪素等の無機絶縁材料から成り、絶縁膜21上には、上部よりも下部が幅狭な隔壁6が形成されている。
酸化膜15は、第1電極層14の上面に形成される酸化物であって、例えばアルミニウム、銀、銅、金又はロジウムと酸素との化合物から成る。かかる酸化膜15の厚みは、1nm以上、20nm以下に設定されていることが好ましい。酸化膜15の厚みを1nm以上にすることで、酸化膜15から電荷注入促進層16に進入する電荷の注入障壁を小さくすることができ、第1電極層14から有機発光層18に電荷が進入し易くすることができる。その結果、有機発光層18の輝度を向上させることができる。また、酸化膜15の厚みを20nm以下にすることで、第1電極層14から有機発光層18に向けて、効果的に電荷を注入することができ、酸化膜15の厚みによって、電荷の注入が抑制されることがない。
電荷注入促進層16は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又はセシウム等のアルカリ金属や、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム又はバリウム等のアルカリ土類金属の酸化物から構成されている。電荷注入促進層16は、第1電極層14から有機発光層18への電荷(正孔又は電子)の注入を向上させることができる。また、電荷注入促進層16は、後述するように電荷注入層17を構成するハロゲン化物と化合しやすい。また、電荷注入促進層16と酸化膜15との間には、電荷注入酸化膜22が形成されている。かかる電荷注入酸化膜22は、電荷注入促進層16の下面に形成される酸化物であって、アルカリ金属又はアルカリ土類金属と、酸素との化合物から成る。電荷注入酸化膜22は、第1電極層14側から浸入した酸素と結合することで、有機発光層18内部への酸素の進入を抑制することができる。なお、電荷注入酸化膜22の厚みは、例えば1.5nm以下となる。
電荷注入層17は、例えばフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム又はフッ化セシウム等のアルカリ金属のハロゲン化物から成る。電荷注入層17の厚みは、0.5nm以上、1.5nm以下に設定されていることが好ましい。電荷注入層17の厚みを0.5nm以上にすることで、後述するように、電荷輸送層24を生成するためのハロゲン化物の量を十分に確保することができる。また、電荷注入層17の厚みを1.5nm以下にすることで、第1電極層14から有機発光層18内部に向かって、電荷を効率良く注入することができる。
電荷注入層17の下面には、電荷注入促進層16を構成するアルカリ金属と電荷注入層17のハロゲン化物が乖離し、両者が化合したバッファ層23が形成されている。また、電荷注入層17の上面には、電荷注入層17からアルカリ金属が乖離した電荷輸送層24が形成されている。
バッファ層23は、酸化膜15と同様に第1電極層14側から酸素が有機発光層18に進入するのを抑制することができる。有機発光層18は、酸化されることで、電流が流れにくくなり、輝度が低下するが、バッファ層23を有機発光層18と第1電極層14の間に介在させて、有機発光層18が劣化するのを抑制することができる。バッファ層23の厚みは、1nm以上、5nm以下に設定されていることが好ましい。バッファ層23の厚みを1nm以上にすることで、酸化膜15から有機発光層18に向けて、酸素が進入するのを抑制することができ、有機発光層18が劣化するのを効果的に防止することができる。また、バッファ層23の厚みを5nm以下にすることで、第1電極層14から有機発光層18に向けて電荷を輸送する効率を有効的に維持することができる。
また、電荷輸送層24は、電荷注入層17から乖離したアルカリ金属から成る。電荷輸送層24は、第1電極層14から有機発光層18に進入する電荷を効率良く輸送することができる。なお、電荷輸送層24の厚みは、例えば5nm以下となる。
有機発光層18は、例えばCBP、Alq又はSDPVBi等の発光樹脂、またはこれらにDCJTB、クマリン、キナクリドン、スチリルアミン又はペルリン等の添加物を含有したものを用いることができる。なお、有機発光層18と第2電極層19との間に、例えばα‐NPD又はTPD等の輸送層、酸化ニッケル、酸化チタン、フッ化炭素又はCuPc等の注入層を、介在させることができる。
第2電極層19は、光と透過する導電材料から、有機発光層18上から層間絶縁膜21まで延在されており、該延在部がコンタクト層13と接続されている。第2電極層19は、例えばITO又はIZO等の透明電極や、プラチナ、金、ニッケル、銀又は銅や、これらの合金から成る。
また、第2電極層19と保護層20との間には、有機発光層18が発する光を効率良く取り出すためのキャッピング層25が形成されている。
キャッピング層25は、その厚みや屈折率を適当に設定することにより、キャッピング層25から保護層20に向って進行する進行波の波長と、第2電極層19で反射して保護層20に向って進行する反射波の波長を合わせて、光を効率よく共振させ、有機発光層18が発した光を効率よく有機ELディスプレイの外部に取り出す機能を有している。
かかるキャッピング層25は、例えば、α‐NPD、TPD又はm‐MTDATA等の有機材料から成る。なお、キャッピング層25の厚みは、例えば50nm以上、200nm以下に設定されており、保護層20との屈折率の差は0.3以下に設定されている。
以下に、本発明の実施形態に係る有機ELディスプレイ1の製造方法について、図4から図8を用いて詳細に説明する。
まず、回路層9と、絶縁層10とを上面に有する素子基板2を準備する。なお、回路層9及び絶縁層10は、従来周知のCVD法、スパッタリング法やフォトリソグラフィー法等の薄膜加工技術を用いて、所定パターンに形成される。
そして、図4(a)に示すように、回路層9及び絶縁層10を被覆するように例えば従来周知のスピンコート法を用いて、有機樹脂膜11aを形成する。なお、有機樹脂膜11aは、硬化後に平坦化膜11となる。
次に、有機樹脂膜11a上に露光マスクを用いて有機樹脂膜11aを露光し、さらに現像、ベーキング処理を行い、図4(b)に示すように、回路層9の一部を露出させて、上部よりも下部が幅狭なコンタクトホール12を有する平坦化膜11を形成する。そして、図4(c)に示すように、例えばアルミニウムから成る金属膜14aを形成する。なお、金属膜14aは、後述するようにパターニング後に、第1電極層14及びコンタクト層13と成る。
さらに、図5(a)に示すように、露出した金属膜14a上に対して、第1電極層14となる領域を露出させるマスクMを対向配置する。かかるマスクMは、コンタクトホール12を被覆し、コンタクトホール12に形成された金属膜14aを被覆する。そして、後述するように大気中などの酸素存在下で金属膜14aにUV光が照射されても、コンタクトホール12の領域は酸化されないようにすることができる。仮に、コンタクト層13の表面が酸化されると、コンタクト層13と第2電極層19との間に電流が流れにくくなるが、コンタクト層13が形成される領域をマスクMで被覆することで、コンタクト層13の表面が酸化されないため、コンタクト層13と第2電極層19との間の抵抗を抑えることができ、コンタクト層13と第2電極層19とを電気的に良好に接続することができる。
そして、図5(b)に示すように、露出した領域に対してUV照射装置を用いて、大気中などの酸素存在下でUV光を照射し、露出した領域に、例えば酸化アルミニウムから成る酸化膜15を形成する。かかるUV照射装置としては、低圧水銀ランプを用いて、例えば185nm以上254nm以下の出力の光を、例えば5分以上10分以下の時間照射することによって、酸化膜15を形成することができる。また、Xeエキシマランプを用いることも可能である。さらに、酸化膜15は、酸素プラズマ装置を用いて、露出した金属膜14aに対し酸素プラズマ処理を行うことで形成することができる。ここで、第1電極層14上にパーティクル等の異物が存在する場合は、上述したように第1電極層14上を酸素プラズマ処理することで、異物をアッシングして除去することもできる。そして、酸化膜15形成後に、図5(c)に示すように、マスクMを素子基板2から取り外す。
このように、第1電極層14上に均一にUV光を照射することによって、第1電極層14上を酸化させるため、表示領域D1における第1電極層14上に、厚みのバラツキが1nm以下の酸化膜15を形成することができる。この酸化膜15の厚み範囲は、雰囲気中の酸素濃度を高め、表面酸化した電極層を形成する場合と比較して、酸化膜15の厚みのバラツキを効果的に小さくすることができる。その結果、電極層から有機発光層への正孔又は電子の注入が電極層表面の領域毎に異なるのを抑制することができ、有機ELディスプレイにおける有機EL素子の輝度のバラツキを十分に低減することができる。したがって、有機ELディスプレイに輝度ムラが発生することを十分に抑制することができ、有機ELディスプレイの視認性を向上させることができる。
また、有機発光層を形成し、その有機発光層上に表面が酸化した電極層を形成する場合は、有機発光層が酸素と反応して劣化しやすいが、本実施の形態に係る有機ELディスプレイは、電極層を形成後に有機発光層を形成するため、有機発光層が酸素と反応しにくい。
次に、図6(a)に示すように、酸化膜15及び金属膜14a上に、従来周知の薄膜加工技術を用いて、パターニングしたレジストRを形成する。かかるレジストRは、酸化膜15及びコンタクト層13が形成される領域を被覆し、酸化膜15の外周を露出するように形成される。そして、図6(b)に示すように、レジストRから露出した金属膜14aを、従来周知の薄膜加工技術を用いて、酸化膜15の外周に沿ってエッチングし、第1電極層14及びコンタクト層13を形成する。
次に、図6(c)に示すように、例えばスピンコート法を用いて、第1電極層14、コンタクト層13及び露出した平坦化膜11上に、絶縁膜21となりうる有機絶縁材料を被着し、有機絶縁材料層21aを形成する。さらに、図7(a)に示すように、従来周知の薄膜加工技術を用いて、有機絶縁材料層21aをパターニングし、絶縁膜21を形成する。かかる絶縁膜21は、コンタクト層13の表面を一部露出するように、コンタクト層13の外周を覆って形成される。したがって、第1電極層14の直上の酸化膜15が露出する。
次に、図7(b)に示すように、絶縁膜21上に、従来周知の薄膜加工技術を用いて、上部よりも下部が幅狭な隔壁6を形成する。かかる隔壁6は、各画素3を取り囲むように形成される。
そして、図7(c)に示すように、酸化膜15上に、従来周知の蒸着法を用いて、例えばマグネシウムから成る電荷注入促進層16を形成する。ここで、酸化膜15と電荷注入促進層16との界面に、酸化膜15から進入する酸素と電荷注入促進層16とが反応して、例えば酸化マグネシウムから成る電荷注入酸化膜22が形成される。なお、電荷注入促進層16の厚みは、0.5nm以上、1.5nm以下にすることが好ましい。電荷注入促進層16の厚みをこの範囲にすることで、電荷注入酸化膜22の厚みを調整することができる。
さらに、図8(a)に示すように、電荷注入促進層16上に、従来周知の蒸着法を用いて、フッ化リチウムから成る電荷注入層17を形成する。ここで、電荷注入促進層16と電荷注入層17との界面に、電荷注入層17を構成するフッ素と、電荷注入促進層16を構成するマグネシウムが結合して、例えばフッ化マグネシウムから成るバッファ層23が形成される。また、電荷注入層17の上面には、バッファ層23が形成される過程で、ハロゲン原子が乖離したことによって、例えばリチウムから成る電荷輸送層24が形成される。
次に、図8(b)に示すように、電荷注入層17上に、従来周知の蒸着法を用いて、有機発光層18を形成する。さらに、有機発光層18からコンタクト層13上にかけて、従来周知の蒸着法を用いて、第2電極層19を形成する。
このようにして、有機EL素子5を形成することができる。さらに、有機EL素子5を被覆するように、従来周知の薄膜形成技術を用いて、保護層20を形成する。そして、有機EL素子が形成された素子基板2に対して、封止基板7を対向配置し、両者をシール材8を介して接着する。なお、封止基板7をシール材8によって、素子基板2に固定する作業は、例えば窒素ガス又はアルゴンガス等の不活性ガス中や、高真空中で行うことによって、素子基板2と封止基板7との間に酸素や水分が含まれるのを抑制することができる。
そして、非表示領域D2に駆動IC4を実装することで、有機ELディスプレイ1を製造することができる。
なお、本発明は上述の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。例えば、有機発光層18と電荷注入層17の間に電子輸送性の有機材料、例えばAlq等を介在させても構わない。
また、上述した本実施形態では、マスクMを用いて、酸化膜15を形成したが、第1電極層14の直上にのみ酸化膜15を形成する観点から、金属膜14a上に、第1電極層14の直上を露出したレジストパターンを形成し、そのレジストパターンが形成された素子基板2を洗浄し、さらにUV光を照射することによって、露出した領域に酸化膜15を形成する方法を用いても構わない。
また、上述した本実施形態では、第1電極層14を陰極、第2電極層19を陽極としたが、第1電極層14を陽極とし、第2電極層19を陰極としてもよい。かかる第2電極層19として、アルカリ金属やアルカリ土類金属を用いる場合は、厚みを、例えば20nm以下と、薄くすることで光を透過することができる。
本発明の実施形態に係る有機ELディスプレイの平面図である。 本発明の実施形態に係る画素の断面図である。 本発明の実施形態に係る有機EL素子の拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る有機ELディスプレイの製造工程を説明する画素の断面図である。 本発明の実施形態に係る有機ELディスプレイの製造工程を説明する画素の断面図である。 本発明の実施形態に係る有機ELディスプレイの製造工程を説明する画素の断面図である。 本発明の実施形態に係る有機ELディスプレイの製造工程を説明する画素の断面図である。 本発明の実施形態に係る有機ELディスプレイの製造工程を説明する画素の断面図である。
符号の説明
1 有機ELディスプレイ
2 素子基板
3 画素
4 駆動IC
5 有機EL素子
6 隔壁
7 封止基板
8 シール材
9 回路層
10 絶縁層
11 平坦化膜
12 コンタクトホール
13 コンタクト層
14 第1電極層
15 酸化膜
16 電荷注入促進層
17 電荷注入層
18 有機発光層
19 第2電極層
20 保護層
21 絶縁膜
22 電荷注入酸化膜
23 バッファ層
24 電荷輸送層
25 キャッピング層
D1 表示領域
D2 非表示領域

Claims (5)

  1. 有機EL素子を有する有機ELディスプレイにおいて、
    前記有機EL素子は、
    上面が酸素存在下でUV光が照射されて酸化された1nm以上20nm以下の厚みの電荷の注入が可能な酸化膜を有する第1電極層と、
    前記酸化膜上に形成され、アルカリ金属又はアルカリ土類金属からなる電荷注入促進層と、
    前記電荷注入促進層と前記酸化膜の間に形成され、アルカリ金属又はアルカリ土類金属と酸素との化合物からなる電荷注入酸化膜と、
    前記電荷注入促進層上に形成され、アルカリ金属のハロゲン化物からなる電荷注入層と、
    前記電荷注入促進層と前記電荷注入層との界面に形成され、前記電荷注入促進層を構成する材料及び前記電荷注入層を構成する前記ハロゲン化物からなるバッファ層と、
    前記電荷注入層上に形成され有機発光層と、
    前記有機発光層上に形成され第2電極層と、を備えたことを特徴とする有機ELディスプレイ。
  2. 請求項1に記載の有機ELディスプレイにおいて、
    前記電荷注入層上に、前記電荷注入層から乖離したアルカリ金属からる電荷輸送層が形成されていることを特徴とする有機ELディスプレイ。
  3. 請求項に記載の有機ELディスプレイにおいて、
    前記バッファ層の厚み5nm以下であることを特徴とする有機ELディスプレイ。
  4. 上面が露出した第1電極層を有する基板を準備する工程と、
    前記第1電極層の上面酸素存在下でUV光照射することで酸化して、前記第1電極層上に1nm以上20nm以下の厚みの電荷の注入が可能な酸化膜を形成する工程と、
    前記酸化膜上に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属と酸素との化合物からなる電荷注入酸化膜を形成する工程と、
    前記電荷注入酸化膜上に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属からなる電荷注入促進層を形成する工程と、
    前記電荷注入促進層上に、アルカリ金属のハロゲン化物からなる電荷注入層を形成して、前記電荷注入促進層と前記電荷注入層との界面に、前記電荷注入層を構成するハロゲン化物と前記電荷注入促進層を構成するアルカリ金属又はアルカリ土類金属とが結合することによってバッファ層を形成する工程と、
    前記電荷注入層上に、有機発光層を形成する工程と、
    前記有機発光層上に、第2電極層を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする有機ELディスプレイの製造方法。
  5. 請求項に記載の有機ELディスプレイの製造方法において、
    前記第1電極層の上面にUV光を照射する前に、前記第1電極層の上面を洗浄して、前記第1電極層の上面を酸化することを特徴とする有機ELディスプレイの製造方法。
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