JP2005116193A - 有機電界発光素子及び当該素子を備えた有機電界発光デバイス - Google Patents

有機電界発光素子及び当該素子を備えた有機電界発光デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】有機層の各位置における電流密度が実質的に均一であり、不良が極めて生じにくい有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】複数の発光領域Tが設けられ、各発光領域Tは、それぞれ、透明電極10及び他の電極30に狭持された有機層20を備えている。物理的に隣接する発光領域の透明電極10間には絶縁部40が設けられ、複数の発光領域が電気的に直列に接続されている。絶縁部40は、有機層から発せられた波長の光を散乱する散乱手段を備えたり、有機層から発せられた波長の光を反射する反射手段を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、一対の電極に有機層が狭持された有機電界発光素子、及び当該素子を基板上に備えた有機電界発光デバイスに関する。
従来、有機電界発光素子(以下、適宜有機EL素子と表記する。)を用いたディスプレイや照明装置などが提案されている。有機EL素子は、一対の電極間に、有機発光材料を含有する有機層が狭持された構造をとる。
しかし、単に上記構成を採用すれば有機EL素子が完成するわけではない。例えば、少なくとも一方の電極は、有機層に電荷(ホール又は電子)を注入できるとともに、素子外部へ光を取り出すために、有機発光領域で発せられた光に対する透過性(透過昨日)を備えていなければならない。また、有機層は、電極から注入された電荷を輸送し、これを再結合して励起状態を生成し、励起状態から基底状態に戻る際に光を発生する材料によって作成しなければならない。
そのため、有機EL素子を形成するための材料は、極めて限定され、一般に、透明電極や有機層には、体積抵抗率の高い材料を用いざるを得ない場合がほとんどである。
したがって、有機層における電流密度は、位置によって異なるという問題が生じる。このメカニズムについて以下に説明する。
一般に、光が素子外部に取り出される側の電極は、ITO等の体積抵抗率の高い材料によって構成され、他方の電極は、光取出側の電極と比べると体積抵抗率の大きさが無視できる程度の材料によって構成される。そのため、有機EL素子における電流経路を考える場合には、当該経路における光取出側電極上を通る長さを検討すればよい。
以上の設定に基づけば、光取出側の電極の端子部から、光取出側の電極を通り、当該端子部から近い位置において有機層を通って他方の電極へと通じる電流経路と、端子部から遠い位置において有機層から他方の電極へと通じる電流経路とでは、前者の経路の方が、抵抗値が小さいことは明らかである。すなわち、光取出側の端子部から近い位置の有機層における電流密度は、遠い位置における電流密度よりも大きくなってしまう。
なお、光取出側とは反対側の電極の方が光取出側の電極よりも体積抵抗率の高い材料で形成される場合もあるが、この場合には、前記した説明において光取出側の電極と他方の電極とを入れ替えて考えればよい。
以上のように、有機層における各位置の電流密度は、面方向において均一にすることが困難なため、例えば以下のような現象が生じてしまうことがある。
・輝度むらの発生。
電流が多く流れる箇所と少なくしか流れない箇所とが存在するために、素子全体として輝度むらが生じる。有機電界発光素子の輝度は、流れる電流が大きくなるほど高くなるため(例えば非特許文献1を参照。)、電流が多く流れる箇所と少なくしか流れない箇所が存在すると両者の間で輝度の差が生じ、輝度むらとなるためである。
・素子内における寿命差の発生。
電流が多く流れる箇所と少なくしか流れない箇所とで、素子の寿命が変わってしまう。一般に、流れる電流の多い部分は寿命が短くなる。このため、電流が均一に流れる素子と比べると、寿命の短い箇所が存在してしまい、有機電界発光素子としての寿命が短くなってしまう。また、長期間使用していると、光らない箇所ができてしまったり、他の箇所に比べて輝度が低い箇所ができてしまったりする。
・変質等の問題。
電流が多く流れる箇所と少なくしか流れない箇所とが存在するため、場所によって変質してしまう場合がある。
・色度むらの発生。
電流が多く流れる箇所と少なくしか流れない箇所とがあるため、素子内において、蛍光材料を用いた有機電界発光素子ではS−Sアニヒレーション現象が発生したり、燐光材料を用いた有機電界発光素子ではT−Tアニヒレーション現象が発生したりする。したがって、発光層に複数の発光材料を含有させて、各発光材料が少なくとも他の一つの発光材料とは異なる波長の色を発する有機電界発光素子では、電流が流れやすい箇所と流れにくい箇所とで、各層の輝度が異なってしまう場合があり、結果として色度のむらが発生してしまう場合がある。
このような問題を解決するために、従来から種々の技術が提案されてきた。
例えば、電圧印加用の取出部(上記端子部)を多数箇所設ける従来技術がある(例えば、特許文献1を参照。)。しかし、有機EL素子が組み込まれる携帯端末等の装置は大きさが限定されるため、有機EL素子の大きさも限定される。すなわち、有機EL素子の発光面積を大きくするためには、端子部の総面積を小さくしなければならない。また、端子部と外部駆動回路とを接続する配線が占める領域の割合も考慮しなければならない。したがって、この従来技術のように取出部を多数設けることは、上記問題を解決するには有効であるが、実際上採用することは極めて困難である。
体積抵抗率の高い材料で形成された電極に、体積抵抗率の低い材料で形成された補助電極を配設する従来技術も知られている。例えば、補助電極を発光層(上記有機層)と透明導電性フィルム(上記電極)間の表裏対角位置の片縁部に配設する技術(例えば、特許文献2を参照。)が提案されている。この従来技術は、適宜採用されるが、上記問題を完全に解決できるわけではない。
有機層を構成する各層の面内膜厚変動を所定の値にする従来技術(例えば、特許文献3を参照。)や、有機層における発光層(有機発光領域)の膜厚を、面方向において輝度が均一になるように、発光層の各位置において調整する従来技術も提案されている(例えば、特許文献4を参照。)。これらの従来技術も適宜採用できるが、有機EL素子の製造において、各層の膜厚を位置によって変更することは実際上極めて困難である。また、これを実現するためには、特別な製造方法を採用したり、この製造方法を実現するための製造装置を作製したりしなければならない。
発光領域を複数に分割し、各発光領域を直列で接続するライン光源に関する従来技術も提案されている(例えば、特許文献5を参照。)。より具体的には、複数の薄膜発光素子(発光領域)に流れる電流値を直列に接続し、各薄膜発光素子の面積を等しくすることで、各々の発光素子における電流密度を等しくし、これにより各薄膜発光素子の輝度を等しくする技術である。
しかしながら、上記従来技術に開示された実施例等に基づいて有機EL素子を作製しても、各発光領域における陽極と陰極とが短絡してしまったり、光らない発光領域が生じてしまったりするという、不良が生じやすいと言う問題が生じることがあった。また、発光領域間の領域は発光しないため、例えば面光源として採用する場合には非発光部が存在すると判断される可能性もある。すなわち、実際の製品において発光しない箇所が存在すると、不良品であると判断されかねない。
特開平5−315073(請求項1、0002段落) 実開平5−20294号公報(請求項1) 特開平11−339960号公報(請求項1) 特開平11−40362号公報(請求項2、図1) 特開平2000−173771号公報(0040−0046段落、0060−0065段落、図5、図7) 宮田 誠蔵監修、「有機EL素子とその工業化最前線」、株式会社エヌ・ティー・エス、1998年11月30日発行、p.46−47、図9
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、有機層の各位置における電流密度が実質的に均一であり、不良が極めて生じにくい有機電界発光素子を提供することを課題とする。
また、本発明の別の課題は、例えば面光源やディスプレイの素子として採用する場合に、非発光部が実質的に存在しない、若しくは、非発光部を肉眼で確認することのできない有機電界発光素子を提供することである。
さらに、本発明の他の課題は、上記有機電界発光素子を備えた有機電界発光デバイスを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る有機電界発光素子は、複数の発光領域が設けられ、各発光領域は、それぞれ、透明電極及び他の電極に狭持された有機層を備えている。そして、物理的に隣接する発光領域の透明電極間には絶縁部が設けられ、複数の発光領域が電気的に直列に接続されている。
上記有機電界発光素子において、絶縁部は、有機層から発せられた波長の光を透過する透過機能を備えているとよい。
また、絶縁部は、発光層から発せられた波長の光を散乱する散乱手段を備えていてもよい。
さらに、絶縁部は、有機層から発せられた波長の光を反射する反射手段を備えていてもよい。
このように絶縁部に反射手段を設ける場合には、絶縁部を少なくとも以下のいずれかのように構成することが好ましい。
・少なくとも透明電極とは反対側に反射手段を設ける。
・少なくとも透明電極側に反射手段が設け、この反射手段を、上記波長の光の一部は透過し、一部は反射する、いわゆるハーフミラーとする。
・反射手段は、光出射面と概略平行な面を基準として、当該面と入射された光のなす角度と、前記面と反射した光のなす角度とを変える手段とする。
ここで、面と光(の進行方向)とのなす角度とは、両者における最も小さい角度のことを言う。つまり、上記面における光の進行方向との交点を通る、面上の無数の直線と、上記光の進行方向とがなす角度のうちで最も小さな角度のことである。
光出射面とは、有機電界発光素子において、光が外部に出射される側に設けられる平面のことで、ボトムエミッション型の有機電界発光デバイスに組み込まれた有機電界発光素子においては、基板における有機電界発光素子が設けられていない側の面を指す。なお、当該面に凹凸等が設けられている場合には、基板の厚さ方向の高さにおいて平坦化した仮想平面が基準面となる。また、一般には、有機層は概略平面上に作製されるため、当該層と概略平行な平面を基準としてもよい。
上記有機電界発光素子において、直列に接続された発光領域同士は、一方の発光領域における他の電極と、他方の発光領域における透明電極とが電気的に接続されるようにするとよい。
また、直列に接続された発光領域のうちで電気的に隣接する発光領域同士は、物理的に隣り合っているようにするとよい。
なお、直列に接続された各発光領域における有機層は、それぞれ概略同一の層構成を採用することが望ましい。
そして、各発光領域における有機層を構成する各層に含有される材料を、それぞれ、他の発光領域における概略同一の層に含有される材料と概略同一とし、各発光領域における有機層を構成する各層の膜厚を、それぞれ、他の発光領域における概略同一の層の膜厚と概略同一とするとよい。
ここで、概略同一の層とは、同一の機能を有する層という意味であり、例えば、各発光領域が正孔輸送層、発光層及び電子輸送層が順次積層された構成を採用する場合には、正孔輸送層同士、発光層同士、電子輸送層同士を比較する。
また、概略同一の材料を含有するとは、少なくとも基本骨格が同一の材料を含有することを言い、好ましくは、一又は少数の置換基のみが異なる材料のことを言い、望ましくは同一の材料のことを言う。また、含有量も同一であることが好ましく、さらに、含有のさせ方、すなわち成膜方法も同一であることが好ましい。
さらに、以上のように構成した際に、各発光領域から発せられる光が、それぞれ概略同一であることが望ましい。
なお、発光ピーク波長が概略同一、ピークパターンが概略同一、及び電流に対する光量が同一といった条件を備えた有機発光材料は、本発明においてはそれぞれ概略同一の有機発光材料の範疇に含まれる。同様に、同等の電荷輸送性能や電化注入性能、イオン化ポテンシャルや電子親和力を備えた材料同士も、それぞれ概略同一の材料の範疇に含まれる。
本発明に係る有機電界発光デバイスは、概略矩形の基板上に上記有機電界発光素子が設けられている。そして、有機電界発光素子の各発光領域は、前記基板の一辺と概略平行な辺を有する概略矩形に形成されている。換言すると、各発光領域における透明電極の間には、基板の一辺と概略平行な、当該辺方向が長手方向の矩形状の絶縁部が設けられている。
本発明によれば、有機層の各位置における電流密度が実質的に均一であり、不良が極めて生じにくい有機電界発光素子を提供できる。
また、例えば面光源やディスプレイの素子として採用する場合に、非発光部が実質的に存在しない有機電界発光素子や、非発光部を肉眼で確認することのできない有機電界発光素子を提供することもできる。
さらに、上記有機電界発光素子を備えた有機発光デバイスを提供することができる。
以下、本実施の形態に係る有機EL素子を、有機電界発光デバイス(以下、適宜有機ELデバイスと表記する。)の説明とあわせて、図1〜図7を用いて説明する。
なお、図1〜図7において、同一、同等若しくは類似の構成要素には極力同一の符号を付した。また、図1〜図7は、実際の有機EL素子及び有機ELデバイスを表現した図ではなく、その構成等を説明するために、その構成を模式的に示したものであり、一つ若しくはいくつかの寸法を極めて誇張した。
本実施に係る有機ELデバイスは、基板上に有機EL素子が形成され、基板側から光を取り出すボトムエミッション構造を採用する。
ただし、トップエミッション構造とすることも、基板側及び基板とは反対側の両側から光を取り出す構造とすることも可能であるので、以下の説明においては、ボトムエミッション構造の有機ELデバイスに基づきながらも、他の構造についても適宜説明する。
本実施の形態に係る有機ELデバイスは、図1の斜視図や図2の断面図に示すように、基板9上に有機EL素子1が形成されている。有機EL素子1は、複数の領域(発光領域)T1〜Tn(図2ではT1〜T3)に分割され、各発光領域Tは直列に接続されている。
各発光領域Tは、それぞれ透明電極10、有機層20及び他の電極30の順に積層されており、有機層20を基準にして透明電極10側が光取出側になるように形成されている。本例の有機EL素子はボトムエミッション型であるため、基板9上に透明電極10、有機層20及び他の電極30が順次積層されている。
図1の斜視図及び図2の断面図からも明らかなように、有機EL素子1は、隣接する発光領域T間における少なくとも透明電極10間には絶縁部40が設けられている。そして、電気的に隣接する発光領域T同士における、一方の領域における透明電極と他方の領域における他の電極とが電気的に接続されている。このようにして、すべての発光領域Tが直列に接続される。
すなわち、有機EL素子1は、複数の発光領域T1...Tnに分割されており、各発光領域Tはそれぞれ以下の構成を備えている。
・透明電極10が、他の一つの発光領域Tにおける他の電極30と電気的に接続されている。
・物理的に隣接する他の発光領域Tとの間において、透明電極10間に絶縁部40が設けられている。
・他の電極30が、電気的に接続されている発光領域Tにおける透明電極10と接続している(同一発光領域T内において他の電極30と透明電極10とは接続していない。)。
・電気的に端に設けられた発光領域Tにおける、他の発光領域Tと電気的に接続されていない電極は、図示しない外部駆動回路と接続されている。
以下、各構成要素について詳細に説明する。
〈絶縁部40〉
絶縁部40は、物理的に隣接する発光領域T間において、少なくとも透明電極10間に設けられる。絶縁部40はこの位置に設けられることで、以下の機能を果たす。
・物理的に隣接する発光領域Tにおける互いの透明電極10が接続してしまうことを防止する機能。
発光領域Tの透明電極10同士が接続してしまうと、電流が流れなくなってしまうからである。
・一つの発光領域Tにおける透明電極10と他の電極30とが短絡してしまうことを防止する機能。
絶縁部40によって透明電極10の端部を電気的にカバーしているため、両者が短絡し、発光領域Tが光らなくなってしまうということを防止している。
この機能をより効果的に得るためには、絶縁部40が、他の電極30が他の発光領域Tの透明電極10と接続する側の透明電極10の端部を覆うようにするとよい。
なお、絶縁部40は、さらに、有機EL素子1から発せられる波長の光を透過する機能(透過機能)、上記光を反射する機能(反射機能)、及び上記光を散乱する機能(散乱機能)のいずれか一つ、好ましくは複数(全部を含む)を備えているとよい。以下、各機能について説明する。
(透過機能)
絶縁部40は、透過機能を備えることで、例えば次のような作用・効果を得ることも可能となる。
・図3(a)に示すように有機層20の端部から発せられた光や透明電極10の端部から出射された光を透明基板9側へ入射させることができる。これにより、有機EL素子1から出射される光の量を多くすることも可能になる。
・図3(b)に示すように透明基板9を導波して絶縁部40に入射した光を透過することが可能となる。
・図3(c)に示すように、絶縁部40の屈折率が、隣接する部材とは異なる適当な材質を選択すれば、絶縁部40に入射された光を透明基板9の光出射面90の法線H方向へ出射することも可能となる。このように、絶縁部40に入射された光を特定の方向へ進ませることが可能となるため、有機EL素子1の光の利用効率を高くすることも可能になる。
なお、図3〜図4において、他の線よりも太い矢印付きの実線で示した線は、光の進行方向を示している。
絶縁部40に透過機能を持たせるには、絶縁部40形成用の材料の内、絶縁部40が形成された際に上記光に対して透過性を有する材料を用いて、公知の方法で絶縁部40を設ければよい。
(反射機能)
絶縁部40は、反射機能を備えることで、透明電極10の端部から絶縁部40へ出射された光や、透明基板10から絶縁部40へ入射された光を、透明基板10側へ出射(反射)することが可能になる。
また好ましくは、有機層20の面方向を基準として、つまり、有機層20の面と概略平行な平面を基準として、入射された光の進行方向がこの基準面となす角度と出射された光の進行方向が上記基準面となす角度とが変わるように、絶縁部40における反射機能を司る部位(反射板等)を構成するとよい。例えば、図4に示すように、絶縁部40における透明基板10と接する側とは反対側に、上記面と平行でない部位を設け、当該部位で反射するようにすれば、上記面に対する光の進行方向を変えることができ、例えば透明基板9の光出射面90の法線H方向へ光を進ませることも可能になる。
なお、反射機能は、上記した部位の内側若しくは外側に、上記光を反射する部材を設ければ実現できる。後述するように、他の電極30に反射機能を持たせ、この電極を絶縁部40に接して設けても上記機能を実現できる。また、絶縁部40とその外側(透明基板9とは反対側)における屈折率を調整し、絶縁部を導波する光を反射(全反射)するようにしてもよい。
本明細書においては、絶縁部40自身が反射機能を有していなくても、絶縁部40と他の部材(例えば他の電極30)との組合せによって反射機能を実現する場合にも、絶縁部40が反射機能を備えていると表記する。
また、絶縁部40における透明基板9側において反射機能を実現してもよい。例えば、この側に反射部材を設けるなどして、透明基板9側から入射された光をすべて反射すれば、透明基板9内を光取出面90とは反対方向に導波している光を光取出面40方向に進ませることが可能となる。また、前記したように、有機層20と概略平行な面を基準として、入射された光の進行方向がこの基準面となす角度と、反射した光がこの基準面となす角度とが変わるようにすることが好ましい。これにより、前記同様に、有機EL素子1から特定方向へ出射される光の量を多くすることが可能となる。
このように、絶縁部40の透明基板9側において反射機能を実現する場合には、好ましくは、有機層20や透明電極10の端部から絶縁部40に入射された光が透明基板9側へ出射できるようにするとよい。すなわち、上記光の一部を透過し、上記光の一部を反射する、いわゆるハーフミラーの機能を持たせるとよい。ハーフミラーの機能を持たせるには、公知のハーフミラー形成方法によって、公知のハーフミラー用材料を絶縁部40の内部又は外部に設けたり、基板9の絶縁部40と接する部分にハーフミラーを設けたりすることにより実現できる。
絶縁部40の屈折率と透明基板9の屈折率とを適当な値に調整することでも、透明基板9から絶縁部40に入射された光の多くが界面において透明基板9側へ全反射し、有機層20等から絶縁部40に入射された光の多くを透明基板9内へ出射することも可能になる。
以上のように絶縁部40にいわゆるハーフミラーの機能を持たせる場合には、絶縁部40の透明基板9とは反対側にも前記したように反射機能を設け、この側から光が絶縁部40外部へ出射してしまわないようにするとよい。
(散乱機能)
絶縁部40に散乱機能を持たせると、従来の構成では透明基板9の光出射面90から外部へ取り出されなかった光も取り出すことが可能になる。これは、散乱機能によって、絶縁部40に入射した光の、有機層20の面方向(上記基準平面)に対する進行方向が変わるために、その一部が素子外部へ出射される場合があるからである。
絶縁部40に散乱機能を持たせるには、任意の部材に散乱機能を持たせる公知の手法を適宜採用すればよく、例えば、以下のような手法を採用することもできる。
・絶縁部40内に、絶縁部40とは異なる屈折率の微小ビーズ等を多数分散させる。
・絶縁部40の表面に、散乱用の微小レンズを、レジスト法やサンドブラスト法などの微細加工法によって多数形成する。
・絶縁部40の表面に、散乱用のドットを、印刷法等を用いて多数形成する。
次に、絶縁部40の材質や形状等について説明する。
絶縁部40は、物理的に隣接する透明電極10同士を絶縁できるものであれば公知の絶縁部を適宜採用できる。また、絶縁部40に上記したような機能を持たせる場合には、上記した条件に合わせて適宜変形すればよい。
上記した条件を具備する材料としては、例えば、透明性ポリマ−、酸化物、ガラスなどを挙げることができる。
より具体的に言えば、好ましい透明性ポリマ−としては、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、フッ素系樹脂、ポリアクリレ−ト、ポリキノリン、ポリオキサジアゾ−ル、環状構造を有するポリオレフィン、ポリアリレ−ト、ポリカ−ボネ−ト、ポリサルフォン、ラダ−型ポリシロキサン等が挙げられる。
また、好ましい酸化物としては、SiO、Al、Ta、Si、フッ素添加SiO、MgO、YbOなどは、エッチング加工が可能な材料の好適例として挙げることができる。このような材料は、エッチング加工が容易なため、絶縁部40の形状を任意の(好適な)形状にすることができる。
さらに、上記した材料に加えて、感光性を有するフォトレジストおよびその硬化物も好適に採用できる。フォトレジスト法によって、前記同様に絶縁部40の形状を任意の形状に加工できるからである。
なお、有機層20等は、水や酸素等により劣化しやすいため、含水量が0.1重量%以下、およびガス透過係数(JISK7126)が1×10−13cc・cm/cm・s・cmHg以下の材料を採用することが好ましい。このような材料としては、例えば無機酸化物、無機窒化物または両者の組成物が挙げられる。
絶縁部40は、これらの材料を、蒸着法やCVD法等の公知の薄膜形成法を用いて基板9上に形成すればよい。
絶縁部40の形状としては、物理的に隣接する発光領域Tのそれぞれの透明電極10を電気的に絶縁できる形状である必要があればよい。
また、前記したように、他の電極30が他の発光領域Tの透明電極10と接続する側の透明電極10の端部を覆う形状であるとよい。
したがって、絶縁部40の膜厚は、透明電極10の膜厚と同程度であることが望ましい。
さらに、図1に示すように、概略矩形の基板9を採用する場合には、基板の一辺と平行な辺を有する概略矩形状に絶縁部40を設けるとよい。このように絶縁部40を設けた場合には、図1に示すように発光領域Tが物理的に直列に並ぶため、発光領域T同士を電気的に接続しやすくなる。すなわち、物理的に隣接する発光領域T同士を電気的に接続すればよくなるため、電気的に隣接する発光領域T間の接続距離を短くすることができる。
絶縁部40の幅、すなわち隣接する発光領域T間の距離は、絶縁部40を肉眼で確認できない程度にすることが好ましく、一般には、300μm以下とされる。また、拡散板を用いたり、上記した散乱機能や反射機能を絶縁部40に持たせたりした場合には500μm以下程度とされる。
次に、絶縁部40以外の有機EL素子1及び有機ELデバイスの構成要素について説明する。
〈発光領域T〉
発光領域Tは、それぞれが透明電極10、有機層20及び他の電極30が順次積層された構成をとっており、前記したように各発光領域が直列に接続されている。したがって、各発光領域に流れる電流の大きさが同じとなる。
また、各発光領域Tにおける有機層20は、それぞれ、概略同一、好ましくは同一の層構成が採用される。さらに、有機層20の各層を構成する材料は、それぞれ概略同一の材料、好ましくは同一の材料で、各層の膜厚は、それぞれ概略同一、好ましくは同一とされる。
このような構成を採用すると、各発光領域Tに同一の大きさの電流が流された場合に、同一の輝度の光を発することができる(例えば、非特許文献1を参照。)。
また、各発光領域Tを、有機層20に複数の有機発光材料が含有され、各有機発光材料が少なくとも他の有機発光材料と発光色(発光ピーク等)が異なる、複数の波長の光を発するように構成した場合、前記したような構成を採用すれば、各発光領域Tから発せられる各波長の強度もそれぞれ同じになる。各発光領域Tに同一の大きさの電流が流されるためである。したがって、各波長の光の混色として表現される発光色が、各発光領域Tで同じにできる。
以下、発光領域Tを構成する各層について説明する。
〈有機層20〉
有機層20は、第一の電極10と他の電極30との間に設けられる、両電極に電圧が印加されることで発光する有機発光材料を含有する層であり、公知の有機EL素子における公知の層構成及び公知の材料の層にすればよく、公知の製造方法によって製造できる。
すなわち、有機層20は、少なくとも以下の機能を実現できればよく、積層構造とし、各層にそれぞれいずれかの機能を担わせてもよく、単層により下記機能を実現してもよい。
・電子注入機能
電極(陰極)から電子を注入される機能。電子注入性。
・正孔注入機能
電極(陽極)から正孔(正孔)を注入される機能。正孔注入性。
・キャリア輸送機能
電子及び正孔の少なくとも一方を輸送する機能。キャリア輸送性。
電子を輸送する機能は電子輸送機能(電子輸送性)と言い、正孔を輸送する機能は正孔輸送機能(正孔輸送性)と言う。
・発光機能
注入・輸送された電子及びキャリアを再結合させて励起子を発生させ(励起状態となり)、基底状態に戻る際に光を発する機能。
透明電極10を陽極とする場合、有機層20は、例えば、透明電極10側から正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層の順に層を設けて構成してもよい。
正孔注入輸送層は、陽極から発光層へ正孔を輸送する層である。正孔輸送層形成用の材料としては、例えば、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1、1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N、N’−ジフェニル−N、N’−ビス(3−メチルフェニル)−1、1’−ビフェニル−4、4’−ジアミン、N、N’−ジ(1−ナフチル)−N、N’−ジフェニル−1、1’−ビフェニル−4、4’−ジアミン等の芳香族アミンなどの低分子材料や、ポリチオフェン、ポリアニリン等の高分子材料、ポリチオフェンオリゴマ−材料、その他既存の正孔輸送材料の中から選ぶことができる。
発光層は、陽極側から輸送された正孔と陰極側から輸送された電子とを再結合させて励起状態となり、励起状態から基底状態へ戻る際に光を発する層である。発光層の材料としては、蛍光材料や燐光材料を採用することができる。また、ホスト材中にド−パント(蛍光材料や燐光材料)を含有させてもよい。
発光層形成用の材料としては、例えば、9、10−ジアリ−ルアントラセン誘導体、ピレン誘導体、コロネン誘導体、ペリレン誘導体、ルブレン誘導体、1、1、4、4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノリノラ−ト)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリノラ−ト)アルミニウム錯体、ビス(8−キノリノラ−ト)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラ−ト)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノリノラ−ト)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラ−ト)[4−(4−シアノフェニル)フェノラ−ト]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラ−ト)[4−(4−シアノフェニル)フェノラ−ト]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラ−ト)スカンジウム錯体、ビス〔8−(パラ−トシル)アミノキノリン〕亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1、2、3、4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2、5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレン、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポルフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N、N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N、N’−ジアリ−ル置換ピロロピロ−ル系蛍光体等の低分子材料や、ポリフルオレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェン等の高分子材料、その他既存の発光材料を用いることができる。ホスト/ゲスト型の構成を採用する場合には、これらの材料の中から適宜ホスト及びゲスト(ド−パント)を選択すればよい。
電子注入輸送層は、陰極(本例では他の電極30)から発光層へ電子を輸送する層である。電子輸送層形成用の材料としては、例えば、2−(4−ビフィニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1、3、4−オキサジアゾ−ル、2、5−ビス(1−ナフチル)−1、3、4−オキサジアゾ−ル及びオキサジアゾ−ル誘導体やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラ−ト)ベリリウム錯体、トリアゾ−ル化合物等が挙げられる。
なお、有機層20には、バッファ層や正孔ブロック層、電子注入層、正孔注入層等の公知の有機エレクトロルミネッセンス層に採用されうる層を設けることも当然に可能である。これらの層も、公知の材料を用いて公知の製法によって設けることができる。例えば電子注入輸送層を、電子注入機能を担う電子注入層と電子輸送機能を担う電子輸送層とに機能分離して積層してもよい。これらの各層を構成する材料は、各層の機能に応じて、公知の材料から適宜選択すればよく、上記した電子注入輸送層形成用の材料の中から選択することもできる。
次に透明電極10及びその他の電極30についてあわせて説明する。
〈電極〉
電極は、一方が陽極として機能し、他方が陰極として機能する。そして、前記したように、各発光領域Tの陽極は、電気的に隣接する(好ましくは物理的にも隣接する)発光領域Tの陰極と接続し、陰極は、電気的に隣接するもう一方の発光領域Tの陽極と接続する。
(陽極)
陽極は、有機層20に正孔(ホ−ル)を注入する電極である。
陽極形成用の材料は、上記した性質を陽極に付与する材料であればよく、一般には金属、合金、電気伝導性の化合物及びこれらの混合物等、公知の材料が選択され、陽極と接する面(表面)の仕事関数が4eV以上になるように製造される。
陽極形成用の材料としては、例えば以下のものを挙げることができる。
ITO(インジウム−スズ−オキサイド)、IZO(インジウム−亜鉛−オキサイド)、酸化スズ、酸化亜鉛、亜鉛アルミニウム酸化物、窒化チタン等の金属酸化物や金属窒化物;
金、白金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、鉛、クロム、モリブデン、タングステン、タンタル、ニオブ等の金属;
これらの金属の合金やヨウ化銅の合金等、
ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ル、ポリフェニレンビニレン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリフェニレンスルフィド等の導電性高分子
など。
透明電極10が陽極とされる場合には、一般に、取り出す光に対する透過率が10%よりも大きくなるように設定される。可視光領域の光を取り出す場合には、可視光領域で透過率の高いITOが好適に用いられる。
その他の電極30が陽極10とされる場合には、好ましくは反射性電極として構成される。この場合、以上のような材料の内、外部へ取り出す光を反射する性能を備えた材料が適宜選択され、一般には金属や合金、金属化合物が選択される。
陽極は、上記したような材料一種のみで形成してもよく、複数を混合して形成してもよい。また、同一組成又は異種組成の複数層からなる複層構造であってもよい。
陽極の膜厚は、使用する材料にもよるが、一般に5nm〜1μm程度、好ましくは10nm〜1μm程度、さらに好ましくは10nm〜500nm程度、特に好ましくは10nm〜300nm程度、望ましくは10nm〜200nmの範囲で選択される。
陽極は、上記したような材料を用いて、スパッタリング法やイオンプレ−ティング法、真空蒸着法、スピンコ−ト法、電子ビ−ム蒸着法などの公知の薄膜形成法によって形成される。
陽極のシ−ト電気抵抗は、好ましくは、数百Ω/□以下、より好ましくは、5〜50Ω/□程度に設定される。
また、陽極の表面を、UVオゾン洗浄やプラズマ洗浄してもよい。
有機EL素子の短絡や欠陥の発生を抑制するためには、粒径を微小化する方法や成膜後に研磨する方法により、表面の粗さを二乗平均値として20nm以下に制御するとよい。
(陰極)
陰極は、有機層20(上記層構成では電子注入輸送層)に電子を注入する電極である。
陰極形成用の材料としては、電子注入効率を高くするために仕事関数が例えば4.5eV未満、一般には4.0eV以下、典型的には3.7eV以下の金属や合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物が採用される。
以上のような電極物質としては、例えば、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、カルシウム、スズ、ルテニウム、チタニウム、マンガン、クロム、イットリウム、アルミニウム−カルシウム合金、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−マグネシウム合金、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、リチウム−インジウム合金、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム/銅混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物などが挙げられる。また、陽極に用いられる材料として採用できる材料も使用できる。
その他の電極30が陰極とされる場合には、以上のような材料の内、外部へ取り出す光を反射する性能を備えた材料が好ましく選択され、一般には金属や合金、金属化合物が選択される。
透明電極10が陰極とされる場合には、一般に、取り出す光に対する透過率が10%よりも大きくなるように設定され、例えば、超薄膜のマグネシウム−銀合金に透明な導電性酸化物を積層化して形成された電極などが採用される。また、この陰極において、導電性酸化物をスパッタリングする際に発光層などがプラズマにより損傷するのを防ぐため、銅フタロシアニンなどを添加したバッファ層を陰極と有機層20との間に設けるとよい。
陰極は、以上のような材料単独で形成してもよいし、複数の材料によって形成してもよい。例えば、マグネシウムに銀や銅を5%〜10%添加させれば、陰極の酸化を防止でき、また陰極の有機層20との接着性も高くなる。
また、陰極は、同一組成又は異種組成の複数層からなる複層構造であってもよい。
例えば以下のような構造にしてもよい。
・陰極の酸化を防ぐため、陰極の有機層20と接しない部分に、耐食性のある金属からなる保護層を設ける。
この保護層形成用の材料としては例えば銀やアルミニウムなどが好ましく用いられる。
・陰極の仕事関数を小さくするために、陰極と有機層20との界面部分に仕事関数の小さな酸化物やフッ化物、金属化合物等を挿入する。
例えば、陰極の材料をアルミニウムとし、界面部分にフッ化リチウムや酸化リチウムを挿入したものも用いられる。
陰極は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオン化蒸着法、イオンプレ−ティング法、電子ビ−ム蒸着法などの公知の薄膜成膜法によって形成できる。
陰極のシ−ト電気抵抗は、数百Ω/□以下に設定することが好ましい。
次いで、有機EL素子1に好ましく採用される層や部材について説明する。
(絶縁層)
透明電極10とその他の30とが短絡しないようにするために、有機層20の外周に絶縁層を設けるとよい。このように絶縁層を設けることで、電気的に隣接する発光領域Tの透明電極10やその他の電極30が有機層20と接触することも防止できる。
絶縁層形成用の材料としては、公知の有機EL素子に採用される絶縁部形成用の材料を適宜採用することができ、例えば、上記した絶縁部40形成用の材料を採用することもできる。形成方法も公知の形成方法を採用でき、例えばスパッタ法、電子線蒸着法、CVD法等を採用することができる。
また、絶縁層の一部を、絶縁部40が兼ねていてもよい。つまり、図5に示すように、絶縁部40が、透明電極10の端部と、有機層20の端部の一部(例えば一辺)とに接するように設けてもよい。
なお、上記したとおり、電気的に隣接する発光領域Tの透明電極10やその他の電極30が有機層20と接触することも防止することが好ましい。接触してしまうと、接触した位置から、対となる電極(陽極ならば陰極、陰極ならば陽極)へ流れる電流がほとんどとなってしまい、発光領域T全域を光らなくなってしまう可能性が大だからである。
(補助電極)
補助電極を設けることも当然に可能である。補助電極は、陽極及び/又は陰極に電気的に接続するように設けられ、接続する電極よりも体積抵抗率の低い材料で構成される。このような材料により補助電極を形成すれば、補助電極が設けられた電極全体の体積抵抗率を下げることが可能となり、有機層20を構成する各点に流れる電流の大きさの最大差を、補助電極を設けない場合と比べて小さくできる。
補助電極形成用の材料としては、例えば、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、金(Au)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ネオジウム(Nd)、およびこれらの合金を挙げることができる。
また、これらの合金の具体例としては、Mo−W、Ta−W、Ta−Mo、Al−Ta、Al−Ti、Al−Nd、Al−Zr等の合金を挙げることができる。さらに、補助配線層の構成材料としては、金属とケイ素の化合物である、TiSi、ZrSi、HfSi、VSi、NbSi、TaSi、CrSi、WSi、CoSi、NiSi、PtSi、PdSiなども好ましい。また、これらの金属や・ケイ素化合物をそれぞれ積層した構成であってもよい。
なお、補助電極は、上記したような材料による単層の膜であってもよいが、膜の安定性を高める上で二種以上の多層膜とすることも好ましい。このような多層膜としては、上記金属またはそれらの合金を用いて形成することができる。例えば、三層の場合、Ta層とCu層とTa層、およびTa層とAl層とTa層、二層の場合、Al層とTa層、Cr層とAu層、Cr層とAl層、およびAl層とMo層の組合せを挙げることができる。
ここで、膜の安定性とは、低体積抵抗率を維持しうるとともに、エッチングの際、その処理に用いる液等により腐食されにくい性質をいう。たとえば、補助電極をCuやAgで構成した場合には、補助電極の体積抵抗率自体は低いものの、腐食しやすい場合がある。それに対して、CuやAgからなる金属膜の上部及び下部、あるいはいずれか一方に、耐食性に優れた金属、例えばTa、Cr、Mo等の膜を積層することにより、補助電極の安定性を高めることができる。
補助電極の膜厚は、一般には100nm〜数10μmの範囲内の値とすることが好ましく、特に好ましくは200nm〜5μmの範囲内の値とすることである。
この理由は、かかる膜厚が100nm未満となると、抵抗値が大きくなり、補助電極として好ましくなく、一方、かかる膜厚が数10μmを超えると平坦化しにくくなり、有機EL素子1の欠陥が生じるおそれがあるためである。
補助電極の幅は、例えば、2μm〜1、000μmの範囲内の値とすることが好ましく、5μm〜300μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
この理由は、かかる幅が2μm未満となると、補助電極の抵抗が大きくなる場合があるであり、一方、かかる幅が100μmを超えると、外部への光の取り出しを妨害する場合があるためである。
(保護層:パッシベ−ション膜、封止缶)
有機層20等を外気から保護するために、有機EL素子1をパッシベ−ション膜や封止缶によって保護してもよい。
パッシベ−ション膜は、有機EL素子1が酸素や水分と接触するのを防止するために基板9と反対側に設けられる保護層(封止層)である。パッシベ−ション膜に使用する材料としては、例えば、有機高分子材料、無機材料、さらには光硬化性樹脂などを挙げることができ、保護層に使用する材料は、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。保護層は、一層構造であってもよく、また多層構造であってもよい。パッシベ−ション膜の膜厚は、外部からの水分やガスを遮断できる厚さであればよい。
有機高分子材料の例としては、クロロトリフルオロエチレン重合体、ジクロロジフルオロエチレン重合体、クロロトリフルオロエチレン重合体とジクロロジフルオロエチレン重合体との共重合体等のフッ素系樹脂、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリアクリレ−ト等のアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、エポキシシリコ−ン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリパラキシレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂などを挙げることができる。
無機材料としては、ポリシラザン、ダイヤモンド薄膜、アモルファスシリカ、電気絶縁性ガラス、金属酸化物、金属窒化物、金属炭素化物、金属硫化物などを挙げることができる。
封止缶は、外部からの水分や酸素を遮断するための、封止板、封止容器等の封止部材により構成される部材である。封止缶は、背面側の電極側(基板9とは反対側)のみに設置しても、有機EL素子1全体を覆ってもよい。封止部材の厚さは、有機EL素子1を封止でき外部の空気を遮断することができれば、封止部材の形状、大きさ、厚さ等は特に限定されない。封止部材に用いる材料としては、ガラス、ステンレススチ−ル、金属(アルミニウム等)、プラスチック(ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリエステル、ポリカ−ボネ−ト等)、セラミック等が使用できる。
封止部材を有機EL素子1に設置する際には、適宜封止剤(接着剤)を用いてもよい。有機EL素子1全体を封止部材で覆う場合は、封止剤を用いずに封止部材同士を熱融着してもよい。封止剤としては紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、二液型硬化樹脂等が使用可能である。
なお、パッシベ−ション膜や封止缶と有機EL素子1との間の空間に水分吸収剤を挿入してもよい。水分吸収剤は特に限定されず、具体例としては酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化リン、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラ−シ−ブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等が挙げられる。
また、パッシベ−ション膜や封止缶内に不活性なガスを封入してもよい。不活性なガスとは、有機EL素子1と反応しないガスのことをいい、例えばヘリウム、アルゴン等の希ガスや窒素ガスを採用することができる。
次に基板9について説明する。
〈基板9〉
基板9は、有機EL素子1を支える、主として板状の部材である。有機EL素子1は、構成する各層が非常に薄いため、一般に基板9によって支えられた有機ELデバイスとして作製される。
基板9は、有機EL素子1が積層される部材であるため、平面平滑性を有していることが好ましい。
また、基板9は、有機層20よりも光取り出し側にある場合には取り出す光に対して透明とされる。有機EL素子1はボトムエミッション型の素子であるため、基板9は、透明であり、また、基板9の有機EL素子1と接する平面とは反対側の平面90が光取出面とされる。
基板9としては、上記した性能を有していれば公知のものを用いることができる。一般には、ガラス基板やシリコン基板、石英基板などのセラミックス基板や、プラスチック基板が選択される。また、金属基板や支持体に金属箔を形成した基板なども用いられる。さらに、同種又は異種の基板を複数組み合わせた複合シ−トからなる基板を用いることもできる。
なお、上記例では、基板9上に透明電極10、有機層20及びその他の電極30を順次積層したボトムエミッション型の有機ELデバイスを示したが、有機ELデバイスとして構成せず、基板9を有しない有機EL素子1として構成してもよいことは当然である。この場合には、はじめから基板9を用いずに有機EL素子1を製造してもよく、又は、有機ELデバイス作製後に基板9をエッチング等の公知の基板削剥技術により削除して有機EL素子1を製造してもよい。
また、トップエミッション型デバイスとして構成しても、両側から光を取り出すデバイスとして構成してもよいことは前記したとおりである。
次に、有機EL素子1の製造方法について説明する。なお、以下の説明では、基板9上に有機EL素子1を製造する例(有機ELデバイスの製造例)を示す。
〈製造方法〉
有機ELデバイスは、透明基板9上に、有機EL素子1を構成する各層を、前記したような薄膜生成方法を用いて、前記したような材料を適宜積層していけば作成できるが、例えば以下のように作成してもよい。
(製造例1)
例えば図6に示すように有機ELデバイスを作製してもよい。
まず、図6(a)に示すように、板状で、表面形状が概略矩形の透明基板9上に透明電極10形成用材料による層10’を、前記したような透明電極の成膜方法を用いて形成する。
次いで、(b)に示すように、層10’のうち、絶縁部40を設ける部分40’を削剥する。削剥する部分40’は、(b)’の平面図に示すように、透明基板9の一辺に平行な辺を有する、概略矩形の領域である。削剥方法は、公知の方法を適宜採用すればよく、例えば研磨等の機械的に層10’を除去してもよく、エッチング等によって除去してもよい。また、削剥する前に、絶縁部40を設けない部分に対してマスクを施し、上記部分40’を削剥後、マスクを削除してもよい。
そして、図(c)に示すように、上記部分に、前記したような絶縁部40形成方法を用いて、上記したような材料を配置し、絶縁部40を形成する。これにより、各発光領域Tの透明電極10同士が絶縁される。
絶縁部40形成後、図(d)に示すように透明電極10上に有機層20を形成する。なお、有機層20は、透明電極10上全面に設けるのではなく、透明電極10の表面(基板9とは反対側の面)において、透明基板9の一辺に平行な辺側の少なくとも一方が、露出するようにする。以下、透明電極10における外部に露出した部分を10eと表記する。このように露出部10eを設けるには、透明電極10上において有機層20を設ける部分と設けない部分とを区分けする必要があるが、そのためには、有機層20を設けない部分をマスクした後、有機層20を積層して、積層後にマスクを除去したり、印刷法等で積層可能な材料を選択し、有機層20を公知の微細印刷技術を用いて作成したりするなどの、微細領域に有機層を形成する公知の成膜法を採用すればよい。
有機層20形成後、図(e)に示すように、有機層20上から、絶縁部40上を介して他の一つの発光領域Tにおける露出部分10e上に渡って他の電極30を設ける。他の電極30は、有機層20上では、有機層20と密着するように設けられる。有機層20の端部から隣接する発光領域Tの露出部分10eまでの間では、有機層20上の他の電極と、隣接する発光領域Tの透明電極10とを電気的に接続するように設けられる。つまり、少なくとも有機層20上の他の電極30の一部と、隣接する発光領域Tの露出部分10eの一部とを接続すればよい。
これにより、各発光領域Tは、電気的に直列に接続される。
なお、有機層20上の他の電極30の一部と、隣接する発光領域Tの露出部分10eの一部とを接続するのは、他の電極30ではなく、他の部材によって接続してもよい。
このように作成した有機EL素子(有機ELデバイス)は、前記したように公知の保護層等をさらに設けることが好ましい。
また、絶縁部40を設けるまでの工程(図6(a)〜(c)に示す工程)を行う代わりに、予め発光領域Tのみに透明電極10を積層し、基板上の領域14’に絶縁部40を積層してもよいことは当然である。これとは逆に、基板上の領域14’に絶縁部40をはじめに積層し、その後に、その他の領域、すなわち発光領域Tに透明電極10を積層してもよい。
さらに、図6(a)〜(c)に示す工程を行う代わりに、図7(a)〜(c)の工程を行うことで、基板9上の所定の位置に透明電極10及び絶縁部40を設けてもよい。以下に、図6(a)〜(c)に示す工程を図7(a)〜(c)に示す工程に置換した製造方法(製法例2)について説明する。
(製造例2)
製造例2では、まず図7(a)に示すように、絶縁性で、板状の表面が概略矩形の透明基板9’を用意する。そして、透明基板9’上における透明電極10を設ける部分(以下領域tと表記する。)を、他の部分よりも厚みが薄くなるように削剥し、図(b)に示す形状にする。すなわち、その他の部分が絶縁部40となる。言い換えれば、発光領域とする領域tを絶縁部40とする領域よりも薄くすることで、絶縁部40を作成する。そして、図(c)に示すように、領域tに透明電極10を積層する。後の工程は、図6(d)〜(e)に示した工程と同様に行えばよい。
このように製造すれば、絶縁部40を基板9とは別個に設ける必要がなくなる。また、発光領域Tにおける基板の厚みを薄くすることができるため、デバイスとしての厚みを薄くすることも可能になる。
なお、上記製造例では、図(c)において、領域t、すなわち基板9に掘られた溝に透明電極10のみを埋めるようにしたが、有機層20の全部又は一部をこの溝に埋めてもよい。これにより、有機層20の周囲に絶縁層(絶縁部40)を設けることが可能となり、前記したような効果を得ることができるからである。
次に、上記有機EL素子(有子ELデバイス)の作用及び効果について説明する。
〈作用及び効果〉
有機EL素子における電気的に一番端に設けられた発光領域は、それぞれ、電気的に隣接する発光領域の電極と電気的に接続していない電極が外部駆動回路と接続される。そして、外部駆動回路によって有機EL素子に電圧が印加されると、各発光領域に電圧が印加される。この際、各発光領域は、直列で接続されているため、それぞれに流れる電流の大きさは同じになる。
また、各発光領域の透明電極同士が絶縁部によって電気的に直接接続されていないため、電流が流れない発光領域が存在する確率が極めて少なくなる。また、透明電極が絶縁部に囲まれているため、各発光領域において陽極と陰極とが短絡してしまう可能性が極めて低くなる。
以上のように、本実施の形態に係る有機EL素子は、実質的に、各発光領域にそれぞれ同一の大きさの電流を流すことが可能となる。これによって、各発光領域の輝度や色度を概略同一にするなど、前記した従来技術の問題点を解決できたり、上記説明中に記載したような各効果を実現できたりする。
また、絶縁部に透過機能や反射機能、散乱機能を持たせることで、光出射面において光が発せられない箇所を、実質的に存在しないようにすることも可能になる。すなわち、輝度むら等が極めて少なく、非発光部等の存在(存在確率)が極めて小さい、実質的に使用に耐えうる有機EL素子及び有機ELデバイスとなる。
なお、上記実施形態においては、有機EL素子を、全面発光を行う、照明装置やバックライト等として好適な素子として説明したが、上記素子を、アクティブマトリックス方式やパッシブマトリックス方式を採用する有機ELディスプレイにおける各画素若しくは各サブピクセルに適用することも当然に可能である。
本実施の形態に係る有機ELデバイスの構成を模式的に説明するための斜視図である。 本実施の形態に係る有機ELデバイスの構成を模式的に説明するための要部断面図である。 本実施の形態に係る有機ELデバイスにおける絶縁部40の第一の変形例を説明するための断面図である。 本実施の形態に係る有機ELデバイスにおける絶縁部40の第二の変形例を説明するための断面図である。 本実施の形態に係る有機ELデバイスにおける絶縁部40の第三の変形例を説明するための断面図である。 本実施の形態に係る有機ELデバイスの製造例を説明するための図である。 図6に示す製造例における(a)〜(c)の工程を置換した製造例を説明するための図である。
符号の説明
1:有機EL素子、9:透明基板、10:透明電極、20:有機層、30:その他の電極、40:絶縁部、T:発光領域。

Claims (11)

  1. 複数の発光領域が設けられ、
    各発光領域は、それぞれ、透明電極及び他の電極に狭持された有機層を備え、
    物理的に隣接する発光領域の透明電極間には絶縁部が設けられ、
    複数の発光領域が電気的に直列に接続されていることを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 請求項1に記載の有機電界発光素子であって、
    前記絶縁部は、有機層から発せられた波長の光を透過する透過機能を備えていることを特徴とする有機電界発光素子。
  3. 請求項1又は2に記載の有機電界発光素子であって、
    前記絶縁部は、有機層から発せられた波長の光を散乱する散乱手段を備えていることを特徴とする有機電界発光素子。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の有機電界発光素子であって、
    前記絶縁部は、有機層から発せられた波長の光を反射する反射手段を備えていることを特徴とする有機電界発光素子。
  5. 請求項4に記載の有機電界発光素子であって、
    前記絶縁部は、少なくとも透明電極とは反対側に反射手段が設けられていることを特徴とする有機電界発光素子。
  6. 請求項4に記載の有機電界発光素子であって、
    前記絶縁部は、少なくとも透明電極側に反射手段が設けられており、
    前記反射手段は、前記波長の光の一部を透過し、他の一部を反射することを特徴とする有機電界発光素子。
  7. 請求項4から6のいずれか一項に記載の有機電界発光素子であって、
    前記反射手段は、光出射面と概略平行な面を基準として、当該面と入射された光のなす角度と、前記面と反射した光のなす角度とを変える手段であることを特徴とする有機電界発光素子。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の有機電界発光素子であって、
    直列に接続された発光領域同士は、一方の発光領域における他の電極と、他方の発光領域における透明電極とが電気的に接続されていることを特徴とする有機電界発光素子。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の有機電界発光素子であって、
    直列に接続された発光領域のうちで電気的に隣接する発光領域同士は、物理的に隣り合っていることを特徴とする有機電界発光素子。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の有機電界発光素子であって、
    直列に接続された各発光領域における有機層は、それぞれ概略同一の層構成が採用され、
    各発光領域における有機層を構成する各層に含有される材料は、それぞれ、他の発光領域における概略同一の層に含有される材料と概略同一であり、
    各発光領域における有機層を構成する各層の膜厚は、それぞれ、他の発光領域における概略同一の層の膜厚と概略同一であることを特徴とする有機電界発光素子。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の有機電界発光素子が概略矩形の基板上に形成された有機電界発光デバイスであって、
    前記有機電界発光素子の各発光領域は、前記基板の一辺と概略平行な辺を有する概略矩形に形成されたことを特徴とする有機電界発光デバイス。
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