JP2011146323A - 有機el発光装置 - Google Patents

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玲伊 倉島
Hideki Yoshinaga
秀樹 吉永
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Abstract

【課題】ガスバリア層の下地層である緩衝層の縁部における応力集中を防止して、ガスバリア層の防湿性を向上させ、有機EL素子への水分浸入による発光特性の劣化がなく、信頼性の高い有機EL発光装置を提供する。
【解決手段】基板の上に形成された複数の有機EL素子からなる発光領域とそれに隣接する周辺の非発光領域を緩衝層が覆い、さらに前記緩衝層をガスバリア層が覆う封止構造を有する有機EL発光装置であって、発光領域から非発光領域への緩衝層8のはみ出し距離11、12が縦横の各辺において均一となるように形成され、かつ隣接する縦辺と横辺とが円弧または楕円弧の曲率により連続している。
【選択図】図2

Description

本発明は、フラットパネルディスプレイ等に用いられる有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)発光装置に関する。
有機EL発光装置は、薄膜で自発光型の有機EL素子から構成され、新方式のフラットパネルディスプレイとして注目されている。有機EL素子は、陰極から電子を、陽極からホール(正孔)を有機化合物層に注入し、有機化合物層中の発光層で励起子を生成させ、これら励起子が基底状態にもどる際に光が放出される原理を利用している。発光層は、蛍光性有機化合物もしくは燐光性有機化合物、量子ドットなどの発光性材料からなっている。
このような有機EL発光装置の開発課題の一つとして、装置の軽薄化が挙げられる。有機EL発光装置を構成する有機EL素子は、通常、陽極、発光層を含む有機化合物層及び陰極が積層された構成であり、合計1μm程度と非常に薄い。
しかしながら、有機EL素子に用いられる材料は酸素や水分によるダメージを受けやすく、有機EL素子を外気から遮断するための封止構造が必要となる。一般的には、ガラス等からなる凹状の気密板の内側にゲッター剤を配置し、この気密板を有機EL素子側に封着する封止構造を採っている。
しかし、このような封止構造では、封止に用いる気密板及びゲッター剤の分だけ厚く重くなり、装置の軽薄化を達成することが難しい。よって、有機EL発光装置の軽薄化を達成するには、封止構造を薄くすることが重要である。
そこで、封止構造を軽薄化する技術として、例えば、発光素子上に透明でガスバリア性に優れた薄膜を成膜した薄膜封止構造が提案されている(特許文献1参照)。
また、有機EL素子上に平坦化用の樹脂製の緩衝層を形成し、その上にガスバリア層を形成した軽薄な封止構造が提案されている(特許文献2参照)。
特開2003−17244号公報 特開2006−147528号公報
ところで、特許文献1のようにガスバリア性に優れた薄膜のみを配した封止構造では、充分な封止性能が得られない。また、特許文献2のように、ガスバリア層の下地層として緩衝層を形成する封止構造であっても、その縁部分の不均一を原因として封止性能がまだ不十分である。
即ち、ガスバリア層は高密度で緻密な膜であるため、その下地層の形状が不均一でその周囲と異なる場合には、その領域上のガスバリア層に応力が集中しやすくなる。その結果として、不均一な領域からガスバリア層の劣化が進行しやすくなり、ガスバリア層の防湿性の低下に繋がることとなる。特に、上面から見たときの緩衝層の縁部分は、ガスバリア層の下地が緩衝層から基板へと変化していく領域であり、ガスバリア層の形状が不均一になりやすい。
さらに、特許文献2に開示されているように、緩衝層の縁部を波状に形成すると、基板が撓んだ際に波状の凸部分に応力が集中しやすくなる。また、一般的に基板上に樹脂を印刷する場合、表面汚染等による表面エネルギーのばらつきにより、樹脂辺が幅1mm程度の波状になりやすく、同様に応力集中の原因となる。その結果として、波状の凸部分上のガスバリア層にクラックや剥がれが発生しやすくなり、有機EL素子への水分浸入によって発光特性が劣化し、有機EL発光装置の信頼性を低下させることになる。
本発明は、ガスバリア層の下地層である緩衝層の縁部における応力集中を防止して、ガスバリア層の防湿性を向上させ、有機EL素子への水分浸入による発光特性の劣化がなく、信頼性の高い有機EL発光装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成すべく成された本発明の構成は以下の通りである。
即ち、本発明に係る有機EL発光装置は、基板の上に形成された複数の有機EL素子からなる発光領域とそれに隣接する周辺の非発光領域を緩衝層が覆い、さらに上記緩衝層をガスバリア層が覆う封止構造を有する有機EL発光装置であって、
上記発光領域から非発光領域への前記緩衝層のはみ出し距離が縦横の各辺において均一となるように形成され、かつ隣接する縦辺と横辺とが円弧または楕円弧により連続していることを特徴とする有機EL発光装置である。
本発明によれば、発光領域から非発光領域への緩衝層のはみ出し距離が縦横の各辺において均一となるように形成され、かつ隣接する縦辺と横辺とが円弧または楕円弧により連続している。したがって、緩衝層の上に積層するガスバリア層に発生する応力が一部個所に集中することなく分散させることができる。よって、従来の有機EL発光装置に比べて、ガスバリア層の防湿性を向上させることができ、発光素子への水分浸入による発光特性の劣化がなく、信頼性の高い有機EL発光装置を提供することができるという優れた効果を奏する。
第1の実施形態の有機EL発光装置を模式的に示す概略断面図である。 第1の実施形態の有機EL発光装置を模式的に示す概略上面図である。 第2の実施形態の有機EL発光装置において、緩衝層の角部を楕円弧で連続させた状態を示す概略上面図である。 第2の実施形態の有機EL発光装置において、緩衝層の角部を円弧で連続させた状態を示す概略上面図である。 比較例1の有機EL発光装置の要部を模式的に示す概略上面図である。 実施例2の有機EL発光装置を模式的に示す概略上面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
〔第1の実施形態〕
まず、図1及び図2を参照して、本発明に係る有機EL発光装置の第1の実施形態の構成について説明する。図1は第1の実施形態の有機EL発光装置を模式的に示す概略断面図であり、図2はその概略上面図である。これらの図面において、1は基板、2はTFT回路、3は平坦化膜、4は第1電極(下部電極)、5はバンク(分離膜)、6は有機化合物層、7は第2電極(上部電極)、8は緩衝層、9はガスバリア層、10は凹凸構造である。また、11、12は緩衝層のはみ出し距離B、13は緩衝層の曲率半径である。
図1及び図2に示すように、本発明に係る有機EL発光装置は、少なくとも、基板1と、この基板1上に設けられる有機EL素子と、この有機EL素子を覆う緩衝層8と、この緩衝層8を覆うガスバリア層9と、から構成されている。
第1の実施形態の有機EL発光装置の基板1上には、TFT回路2が形成されている。ここで基板1としては、例えば、ガラス基板、合成樹脂等からなる絶縁性基板、表面に酸化シリコンや窒化シリコン等の絶縁層を形成した導電性基板、もしくは半導体基板等が挙げられるが、これらに限定されない。また基板1は、透明であっても不透明であってもよい。
TFT回路2を含む基板1上には、樹脂製の平坦化膜3がフォトリソグラフィー技術等によって所望のパターンで形成されている。平坦化膜3の構成樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド系樹脂、ノルボルネン系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられるが、これらに限定されない。平坦化層3は、基板1上にTFT回路2を設けることで生じる凹凸を平坦化するための層である。この平坦化層3は、TFT回路2を設けることで生じる凹凸を平坦化できるものであれば、材料や製法は特に限定されない。
なお、平坦化層3とTFT回路2との間に、例えば、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化シリコン等の無機材料からなる絶縁層(不図示)を形成してもよい。
平坦化層3上に設けられTFT回路2の一部と電気接続する下部電極4は、透明電極であってもよいし反射電極であってもよい。下部電極4が透明電極である場合の構成材料としては、例えば、ITO(インジウム錫酸化物)、In23等が挙げられるが、これらに限定されない。下部電極4が反射電極である場合の構成材料としては、例えば、Au、Ag、Al、Pt、Cr、Pd、Se、Ir等の金属単体、これらの金属単体を複数組み合わせた合金、ヨウ化銅等の金属化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。下部電極4の膜厚は、例えば、0.1μm〜1μm程度であることが好ましい。
下部電極4の周縁部には、バンク(分離膜)5が設けられている。バンク5の構成材料としては、例えば、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化シリコン等からなる無機絶縁層や、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック系樹脂等が挙げられるが、これらに限定されない。バンク5の膜厚は、例えば、1μm〜5μm程度であることが好ましい。
下部電極4上に設けられる有機化合物層6は、一層で構成されてもよいし、複数の層で構成されてもよく、有機EL素子の発光機能を考慮して適宜選択することができる。有機化合物層6を構成する層は、具体的には、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層等が挙げられる。これらの層の構成材料としては、公知の化合物を使用することができる。
なお、有機化合物層6は、発光する領域が特定の層内であってもよいし、隣接する層同士の界面であってもよい。有機化合物層6は、例えば、真空蒸着法、インクジェット法等により形成されるが、これらの形成法に限定されない。蒸着法を採用する場合は高精細マスクを用い、インクジェット法を採用する場合は高精度吐出を用いて発光エリアに有機化合物層6を形成する。
有機化合物層6上には、上部電極7が形成される。上部電極7は、透明電極であってもよいし反射電極であってもよい。また上部電極7の構成材料は、上記下部電極4と同様の材料を使用することができる。上部電極7を形成することにより、基板1上に有機EL素子が形成される。
緩衝層8は、樹脂を主成分とする膜を塗布することにより形成する。樹脂を主成分とする膜を塗布することで、有機EL素子の表面の凹凸や製造工程途中に混入した異物段差を吸収し、平坦化することができる。本実施形態では、まず低露点雰囲気の印刷室に有機EL素子を形成した基板1を移動させる。次に、スクリーン印刷機を用いて、有機EL素子上に緩衝層8となる樹脂膜を印刷する。樹脂はディスペンサーでも塗布できるが、薄層化するには印刷の方が適している。
本実施形態では、緩衝層8となる樹脂塗布後の塗れ広がりを規制する凹凸構造10が発光領域周辺部に形成されている。凹凸構造10は、溝部及び壁部を有し、発光領域を閉じるように囲んでいる。凹凸構造10の壁部(凸部)の高さは発光領域の上にある緩衝層8の厚さ以下であることが好ましく、連続した複数の線状構造を構成している。この凹凸構造10があることで、硬化樹脂の塗れ広がり長さ(発光領域からのはみ出し距離)を精度よく規制することが可能となる。ここで、緩衝層8のはみ出し距離とは、上面からみたときの発光領域の外縁部から非発光領域にかけての樹脂膜のはみ出し距離を意味する。
凹凸構造10の形成にはバンク材料を用いることができるため、バンク形成工程において凹凸構造を形成することができ、これによって、新たな部材や工程は発生しない。
凹凸構造10の形状は、ホトマスク精度で制御できるため、緩衝層8のはみ出し距離(短辺)11、緩衝層8のはみ出し距離(長辺)12、緩衝層8の曲率半径13について、乱れなく形成することが可能である。その際、図2に示すように、緩衝層8のはみ出し距離11と、緩衝層8のはみ出し距離12と、緩衝層8の曲率半径13とを等しくしておくことで、緩衝層8の上層のガスバリア層9に発生する応力を均等に分散させることができる。即ち、発光領域から非発光領域への緩衝層8のはみ出し距離11、12が縦横の各辺において均一となるように形成され、かつ隣接する縦辺と横辺とが円弧により連続している。
一般的に樹脂は、温度上昇と共に粘度が低下し、流動性が増す(リフロー)状態が存在する。このリフロー状態を適切に経ることで、樹脂は凹凸構造10に沿って均一に濡れ広がる。
緩衝層8の樹脂として、例えば、5〜30μm程度の厚さを採用するため、印刷条件及び樹脂厚さに即して、凹凸構造10は適切な値に設計する必要がある。例えば、凹凸構造10の壁幅もしくは溝幅は5〜100μm程度、凹凸の高さは1〜5μm程度が好ましい。
熱硬化型樹脂の場合、リフロー温度より高い温度にすることで樹脂は硬化する。硬化温度は、有機EL素子の耐久性を考慮して少なくともTg(ガラス転移点)温度以下、例えば、120℃以下が好ましい。また、紫外線硬化型樹脂の場合は、充分に塗れ広がった後で、硬化に必要な紫外線量を照射し硬化させる。
緩衝層8の厚さに比較して充分なはみ出し距離を確保することで、はみ出し領域上の緩衝層8を緩やかに薄くする。はみ出し距離は緩衝層8の厚さの10倍以上あり、非発光領域上の緩衝層8は面方向外方へ向けて緩やかに薄くなることが好ましい。緩衝層8の緩やかに薄くなる傾きとしては、約5度以下に設定することが好ましい。そうすることで、斜面状の緩衝層8の上層に位置するガスバリア層9の応力を緩やかに分布させることができる。
以上のことから、緩衝層8のはみ出し距離は、概ね300μm以上が好ましい。しかし、緩衝層8のはみ出し距離を余り長く(5〜10mm以上)取りすぎると、非発光領域である額縁領域が大きくなり、目標である軽薄化に逆行するので好ましくない。
印刷に使用される樹脂膜は、有機EL素子に悪影響を及ぼす成分を含んでいなければ、具体的には、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤等を使用することができるが、これらに限定されない。また、有機EL発光装置に用いるためには、透過率、含水率、硬化条件、混入異物等について適切な調整が必要である。
ガスバリア層9としては、例えば、窒化珪素を主成分とする無機薄膜が好適であるが、これに限定されない。この無機薄膜は緻密で硬いため、防湿性の高い膜として広く知られている。ガスバリア層9の成膜方法は、例えば、スパッタ成膜法もしくはプラズマCVD成膜法等が成膜温度の低さ(100℃程度)からみて好適であるが、これらに限定されない。即ち、本実施形態の有機EL発光装置の封止構造は、緩衝層8及びガスバリア層9からなっている。
以上説明したように、第1の実施形態の有機EL発光装置によれば、発光領域から非発光領域への緩衝層8のはみ出し距離11、12が縦横の各辺において均一となるように形成され、かつ隣接する縦辺と横辺とが円弧により連続している。したがって、緩衝層8の縁部の形状が、発光領域の全周にわたって略均一となるように形成されている。
薄膜封止された有機EL発光装置は、基板がうねる際に、応力集中する部分があると、そこを起点としてガスバリア層9が剥がれやすく、またクラックが発生しやすくなる。これを防止すべく、図2に示すように、発光領域から非発光領域にわたる緩衝層8の縁部の形状が略均一になるように形成し、非発光領域にある緩衝層8を面方向外方へむけて緩やかに薄く形成している。そうすることで、応力を略均等に分散でき、応力集中する個所を無くすことができる。
また、厚さ10μm程度の緩衝層8を形成する場合、印刷による樹脂形成が一般的である。ただし、印刷は位置ずれや乱れが混入しやすく、更には印刷後の樹脂は硬化するまで徐々に塗れ広がる。本実施形態では、この塗れ広がりを制御するために、発光領域を閉じ囲むように塗れ広がりの端部位置を決める凹凸構造10を配置している。
したがって、従来の有機EL発光装置に比べて、ガスバリア層9の防湿性を向上させることができ、発光素子への水分浸入による発光特性の劣化がなく、信頼性の高い有機EL発光装置を提供できるものである。
〔第2の実施形態〕
次に、図3及び図4を参照して、本発明に係る有機EL発光装置の第2の実施形態の構成について説明する。図3は、第2の実施形態の有機EL発光装置において、緩衝層の角部を楕円弧で連続させた状態を示す概略上面図である。図4は、第2の実施形態の有機EL発光装置において、緩衝層の角部を円弧で連続させた状態を示す概略上面図である。なお、第1の実施形態と同様の内容は適宜説明を省略し、同一の構成要素については同一符号を付して説明する。
第2の実施形態において、基板1上に形成される有機EL素子は第1の実施形態と同様の方法で形成されている。
本実施形態では、緩衝層8のはみ出し距離が、位置により、やや変化する場合について説明する。実際の表示領域の各辺には、給電用の配線部や取り出し端子用の配線等の各機能が分配されており、その兼ね合いから緩衝層8のはみ出し距離が表示領域の各辺ごとに若干異なる場合がある。例えば図3及び図4に示すように、緩衝層8のはみ出し距離が位置により若干異なる。
このような場合、緩衝層8のはみ出し距離(短辺)21に近い緩衝層8の曲率半径23を緩衝層8のはみ出し距離(短辺)21と同じに設定する。そして、緩衝層8のはみ出し距離(長辺)22側に近い緩衝層8の曲率半径24を緩衝層8のはみ出し距離(長辺)22と同じに設定する。これにより、緩衝層8の曲率半径23は連続的に変化する楕円弧形状となり、直角形状に比べて、緩衝層8の上層に形成されるガスバリア層9の応力集中がなく、応力を分散させることができる。
また図4に示すように、緩衝層8の曲率半径23を緩衝層8のはみ出し距離(長辺)22と同じにしてもよい。このように、緩衝層8の角部形状の曲率半径23をなるべく大きく取ることで、ガスバリア層9への応力集中がなく、応力を分散させることができる。即ち、発光領域から非発光領域への緩衝層8のはみ出し距離21、22が縦横の各辺において均一となるように形成され、かつ隣接する縦辺と横辺とが円弧または楕円弧により連続していることがより好ましい。
本発明による凹凸構造10は、フォトリソグラフィー技術で形成されるため、充分な円滑形状が作製可能で、且つ基板1が大型化しても、凹凸構造10は基板全域にわたって均一に形成することが可能である。
第2の実施形態の有機EL発光装置は、第1の実施形態の有機EL発光装置と基本的に同様の作用効果を奏する。特に、本実施形態の有機EL発光装置によれば、緩衝層8の縦横のはみ出し距離が若干異なっていても、緩衝層8の曲率半径23が大きくなるように工夫しているので、ガスバリア層9への応力集中を防止することができるという特有の効果を有する。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態とは異なる種々の態様で実施することができる。
例えば、上記実施形態では、アクティブ・マトリクス型の有機EL発光装置について説明したが、パッシブ・マトリクス型の有機EL発光装置に適用してもよい。
以下、実施例を挙げて、本発明に係る有機EL発光装置をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
実施例1の有機EL発光装置では、樹脂の塗れ広がりを規制するための凹凸構造10を形成している。ここで凸部の幅を10μm、凹部の幅を50μm、凸部の高さは2μmに設定して、緩衝層8のはみ出しの境界部から内側へ向けて5周期に配置した。緩衝層8のはみ出し距離は、発光領域の全周において均一(1.4mm)とした。
まず、Cr下地層/Al合金で形成されている下部電極4を配設したTFT基板を、UV/オゾン洗浄処理した。次に、フォトリソグラフィー技術により、下部電極4の周辺にバンク5をパターン形成した。このバンク5の膜厚は2μmとした。
次に、真空蒸着法により、有機化合物層6を構成する正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層を順次形成した。具体的には、まず下部電極4上にαNPDを成膜して正孔輸送層を形成した。この正孔輸送層の膜厚は50nmとして。次に、正孔輸送層上に、ホストであるアルミキレート錯体(Alq3)と、ゲストであるクマリン6とを、重量比で100:6となるように共蒸着し発光層を形成した。この発光層の膜厚は50nmとした。次に、発光層上にフェナントロリン化合物(Bphen)を成膜し電子輸送層を形成した。この電子輸送層の膜厚は10nmとした。次に、電子輸送層上に、フェナントロリン化合物(Bphen)と炭酸セシウム(Cs2CO3)とを重量比で100:1となるように共蒸着して、電子注入層を形成した。この電子注入層の膜厚は40nmとした。次に、電子注入層上に、スパッタリング法によりITOを成膜し、上部電極7を形成した。この上部電極7の膜厚を130nmとした。以上により、TFT基板上に有機EL素子を作製した。
次に、低露点窒素雰囲気の印刷室で緩衝層8を形成した。緩衝層8として熱硬化性のエポキシ樹脂を用い、スクリーン印刷機を用いて有機EL素子が設けられている基板1上の発光領域に印刷した。その後、樹脂膜は真空環境下で1分程度のリフロ−状態を経て、凹凸構造10まで塗れ広がり、100℃の温度で30分間加熱することで硬化させた。硬化後の樹脂膜の膜厚は10μmとした。
次に、ガスバリア層9として窒化珪素を用い、SiH4ガス、N2ガス、H2ガスを用いたプラズマCVD法により成膜する。この窒化珪素の膜厚は1μmとした。また、窒化珪素は樹脂膜全体を覆うと共に、樹脂膜外周の基板面に1mm程度の幅で形成した。
以上のように作製した有機EL発光装置について、温度60℃、湿度90%環境下での保存試験を行ったところ、1000時間が経過しても発光領域角部付近からのダークスポットは発生しなかった。
〔比較例1〕
図5は、比較例1の有機EL発光装置の要部を模式的に示す概略上面図である。比較例1では、印刷版の角部をR形状に処理することなく、直角形状の印刷版を用いた。なお、比較例1の有機EL素子の作製方法は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
図5に示すように、緩衝層8の角部33は略直角形状となっている。緩衝層8のはみ出し距離(短辺)31は1.1mm、緩衝層8のはみ出し距離(長辺)32は1.4mmとした。
以上のように作製した比較例1の有機EL発光装置について、温度60℃、湿度90%環境下での保存試験を行ったところ、1000時間経過において、発光領域角部付近からダークスポットの進行が認められた。ダークスポットの起点付近を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察してみると、非発光領域の角部33付近のガスバリア層9に微小なクラックが発生しており、そこから水分が侵入した可能性が濃厚であった。
〔実施例2〕
図6は、実施例2の有機EL発光装置を模式的に示す概略上面図である。実施例2では、樹脂の塗れ広がりを規制するための凹凸構造10を形成している。なお、実施例2の有機EL素子の作製方法は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
実施例2では、発光領域の縁部14の周辺の凹凸構造10の凸部の幅を10μm、凹部の幅を50μm、凸部の高さを2μmに設定して、緩衝層8のはみ出しの境界部から内側へ向けて5周期に配置した。
図6に示すように、駆動端子部38側のみ緩衝層8のはみ出し距離が1.4mmで、それ以外は1.1mmである。そのため駆動端子部38側にある緩衝層8の角部43はやや楕円弧形状となっている。それ以外の緩衝層8の角部44は、曲率半径1.1mmの円弧形状となっている。
緩衝層の角部43は、図3の様に、緩衝層の曲率半径23を緩衝層のはみ出し距離(短辺)21と同じに設定し、緩衝層8の曲率半径24を緩衝層8のはみ出し距離(長辺)22と同じに設定した楕円弧形状である。
実施例1と同様に、緩衝層8として熱硬化性のエポキシ樹脂を用い、スクリーン印刷機を用いて有機EL素子が設けられている基板1上の発光領域に印刷した。その後、樹脂膜は真空環境下で1分程度のリフロ−状態を経て凹凸構造10まで塗れ広がり、100℃の温度で30分間加熱することで硬化させる。硬化後の樹脂膜の膜厚は10μmとした。リフロー時の樹脂の塗れ広がりは凹凸構造10に沿って略均一に進行し、塗れ広がり長さの短辺側は1.0mm、長辺側は1.4mmであった。
次に、ガスバリア層9として窒化珪素を用い、SiH4ガス、N2ガス、H2ガスを用いたプラズマCVD法により成膜した。この窒化珪素の膜厚は1μmとし、また樹脂膜全体を覆うように形成した。ここではメタルマスクを用いて、領域を選択的に成膜した。
以上のように作製した実施例2の有機EL発光装置について、温度60℃、湿度90%環境下での保存試験を行ったところ、1000時間が経過しても発光領域角部付近からのダークスポットは発生しなかった。
本発明に係る有機EL発光装置は、表示装置として好適であり、特にテレビ受像機、携帯電話の表示部、撮像装置の表示部として好適に採用することができる。
1 基板、8 緩衝層、9 ガスバリア層
11、12、21、22 緩衝層のはみ出し距離
13、23、24 曲率半径、14 発光領域の縁部

Claims (5)

  1. 基板の上に形成された複数の有機EL素子からなる発光領域とそれに隣接する周辺の非発光領域を緩衝層が覆い、さらに前記緩衝層をガスバリア層が覆う封止構造を有する有機EL発光装置であって、
    前記発光領域から非発光領域への前記緩衝層のはみ出し距離が縦横の各辺において均一となるように形成され、かつ隣接する縦辺と横辺とが円弧または楕円弧により連続していることを特徴とする有機EL発光装置。
  2. 前記緩衝層の縁部となる部分に、前記発光領域の外周に沿って前記緩衝層の樹脂の塗れ広がりを規制する凹凸構造が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL発光装置。
  3. 前記凹凸構造は溝部及び壁部を有し、壁部の高さが発光領域の上にある緩衝層の厚さ以下で、連続した複数の線状構造を構成していることを特徴とする請求項2に記載の有機EL発光装置。
  4. 前記緩衝層のはみ出し距離は、発光領域の上にある緩衝層の厚さの10倍以上あり、非発光領域上の緩衝層は面方向外方へ向けて緩やかに薄くなっていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の有機EL発光装置。
  5. 前記緩衝層は樹脂を主成分とする膜であり、前記ガスバリア層は窒化珪素を主成分とする膜であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の有機EL発光装置。
JP2010007841A 2010-01-18 2010-01-18 有機el発光装置 Withdrawn JP2011146323A (ja)

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