JP5293948B2 - セラミックスの製造方法 - Google Patents
セラミックスの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5293948B2 JP5293948B2 JP2008305320A JP2008305320A JP5293948B2 JP 5293948 B2 JP5293948 B2 JP 5293948B2 JP 2008305320 A JP2008305320 A JP 2008305320A JP 2008305320 A JP2008305320 A JP 2008305320A JP 5293948 B2 JP5293948 B2 JP 5293948B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- firing
- molded body
- ceramic
- mixture
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
化学組成がx[(BiaK1-a)TiO3]−(1−x)[BiFeO3](但し、0.5≦x≦0.6,0.4<a<0.6)で表されるセラミックスの製造方法であって、
出発原料として、金属酸化物と炭酸塩を準備する工程と、
前記金属酸化物と前記炭酸塩を含む混合物を得る工程と、
前記混合物を含む成形体を得る工程と、
前記成形体を焼成する工程と、を含む。
前記工程の後、前記成形体を焼成し、セラミックスを得る工程と、を含むことができる。
化学組成がx[(BiaK1-a)TiO3]−(1−x)[BiFeO3](但し、0.5≦x≦0.6,0.4<a<0.6)で表されるセラミックスの製造方法であって、
出発原料として、金属酸化物と炭酸塩を準備する工程と、
前記金属酸化物と前記炭酸塩を含む混合物を得る工程と、
前記混合物を含む成形体を得る工程と、
前記成形体を熱処理する工程と、を含む。
まず、図1に示すように、本実施形態に係るセラミックスの製造方法の出発原料となる金属酸化物と炭酸塩を準備する。本実施形態において、金属酸化物には、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化鉄(Fe2O3)、および酸化チタン(TiO2)を用いることができる。また、炭酸塩には、炭酸カリウム(K2CO3)を用いることができる。これらの原料を、[(Bi0.5K0.5)TiO3]:[BiFeO3]が、モル%比で、60:40〜50:50の組成比となるように、それぞれ所定量に秤量する。
次に、秤量された出発原料を用いて、原料粉末である混合物を作製する。混合物を作製する方法としては、公知の物理的粉砕方法を用いることができる。公知の物理的粉砕を用いることによって、所望の粒径まで粒度調整を行うことができる。具体的には、乾式粉砕法や、ビーズミル、サンドミル、アトライター、ボールミル、およびジェットミル等の湿式粉砕が適宜利用できる。好適には、酸化を防ぎ、微粒化が可能な湿式粉砕を使用することができる。湿式粉砕をボールミルにて行う場合には、秤量後の出発原料である、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化チタン(TiO2)、および炭酸カリウム(K2CO3)を、分散媒と混合し、粉砕装置に投入する。分散媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、ベンゼン、シクロヘキサン、またはトルエン等が使用できる。さらに粉砕装置に、ジルコニアボール等の粉砕メディアを加えて、出発原料の粒度が微細で、均一となるまで混合・粉砕を行うことができる。これによって、混合物の粒径が、ナノメーターレベルの微細構造で、均一な組成である原料粉末を作製することができる(S2−1)。
得られた混合物に適宜な有機成分バインダー(結合剤)や可塑剤、有機溶剤(分散剤)等を加え、混合することにより、スラリーの作製を行う(S3−1)。例えば、有機成分バインダー等が加えられた混合物を湿式粉砕することが好ましい。ここで、有機成分バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)や、ポリビニルブチラール(PVB)などが好適に用いられる。
本実施形態に係る熱処理工程は、例えば電気炉等を用いて行うことができる。
融点温度未満であり、かつ、融点温度より50℃低い温度より高い温度に設定することができる。より好適には、成形体を焼成する焼成温度は、融点温度未満であり、かつ、融点温度より45℃低い温度より高い温度に設定することができる。これによって、セラミックス表面において孔の発生を抑えることができ、緻密なセラミックスを得ることができる。つまり、均一で、高密度なセラミックスを得ることができる。詳細は後述する。
図3は、BKT:BFOの組成比を30:70、40:60、60:40と変化させた場合におけるDTA曲線(図3(a))と、各BFOの割合における融点温度分布を示す図である(図3(b))。以下に、本実施形態に係る焼成温度の決定方法について、図2、3を参照しながら説明する。なお、溶融開始時の温度は、図2の示差熱曲線において傾斜の著しい変化が見られる温度に相当する。融点温度は、上記DTA曲線の最小点付近であり、DTA曲線の接線によって、求められる。
1. 焼成条件
BKT:BFO(60:40)の組成比からなるセラミックスの焼成温度は、図2のDTA曲線の結果から、融点温度が1095℃となるために、1095℃未満であって、かつ1095℃より50℃低い温度である、1045℃より高い温度に設定することができる。より好適には、1095℃未満であって、かつ1095℃より45℃低い温度である、1050℃より高い温度に設定することができる。具体的には1050℃と1060℃の焼成温度にて実施した。比較例として、1000℃、1080℃、および1100℃の焼成温度においても実施した。
図4に、焼成後のセラミックス表面のSEM画像を示す。図4(a)は、1050℃(2時間)の焼成条件で焼成したセラミックスのSEM画像であり、図4(b)は、1060℃(2時間)の焼成条件で焼成したセラミックスのSEM画像である。これによれば、1050℃にて焼成したセラミックス表面には、多数の孔が確認される。これに対して、1060℃にて焼成したセラミックス表面には、孔がほとんどみられず、セラミックスは緻密化していることが確認できる。
図7に、1060℃によって焼成したBKT:BFO(60:40)の組成比からなるセラミックスのX線回折パターンを示す。図7には、3パターン示されているが、成形体の焼成温度は、1060℃で同一条件であるのに対し、混合物を形成する工程にて、仮焼成を行った場合の仮焼成温度の条件を、700℃と850℃とし、焼成時間の条件を2時間と12時間としている。
図5に、1060℃によって焼成したBKT:BFO(60:40)の組成比からなるセラミックスのP−Eヒステリシスを示す。図5に示すように、実施例1に係るセラミックスは、十分に圧電特性を有していることが分かる。このヒステリシスから、実施例1に係るセラミックスの残留分極Prは、6.0pCcm−2、抗電界Ecは、1.4kVmm−1であることがわかる。
1. 焼成条件
BKT:BFO(50:50)の組成比からなるセラミックスの焼成温度は、実施例1の場合と同様にDTA曲線の結果から求めることができ、融点温度は1085℃となる。よって、焼成温度は、1085℃未満であって、かつ1085℃より50℃低い温度である、1035℃より高い温度に設定することができる。より好適には、焼成温度は、1085℃未満であって、かつ1085℃より45℃低い温度である、1040℃より高い温度に設定することができる。具体的には、1050℃の焼成温度にて実施した。
図示はされないが、BKT:BFO(50:50)の組成比からなるセラミックスを1050℃にて焼成したセラミックス表面には、孔がほとんどみられず、セラミックスは緻密化していることが確認された。
図示はされないが、BKT:BFO(50:50)の組成比からなるセラミックスを1050℃にて焼成したセラミックスの結晶構造は、結晶性のよい単一相であることが確認された。
図6に、1050℃によって焼成したBKT:BFO(50:50)の組成比からなるセラミックスのP−Eヒステリシスを示す。図6に示すように、実施例2に係るセラミックスは、十分に圧電特性を有していることが分かる。このヒステリシスから、実施例1に係るセラミックスの残留分極Prは、10.4pCcm−2、抗電界Ecは、2.3kVmm−1であることがわかる。
Claims (8)
- 化学組成がx[(BiaK1-a)TiO3]−(1−x)[BiFeO3](但し、0.5≦x≦0.6,0.4<a<0.6)で表されるセラミックスの製造方法であって、
出発原料として、金属酸化物と炭酸塩を準備する工程と、
前記金属酸化物と前記炭酸塩を含む混合物を得る工程と、
前記混合物を含む成形体を得る工程と、
前記成形体を焼成する工程と、
を含み、
前記成形体を焼成する工程は、前記成形体を、前記混合物によって被った状態で行われ、
前記成形体を焼成する焼成温度は、前記化学組成の組成比で決定される融点温度未満であり、かつ、前記融点温度より45℃低い温度より高い、セラミックスの製造方法。 - 請求項1において、
前記金属酸化物は、Bi2O3、Fe2O3、およびTiO2であり、前記炭酸塩は、K2CO3である、セラミックスの製造方法。 - 請求項1または2において、
前記混合物を得る工程は、物理的粉砕方法を用いて行われる、セラミックスの製造方法。 - 請求項1ないし3のいずれか1項において、
前記混合物を得る工程の後に、得られた前記混合物を、さらに700℃〜850℃の温度で仮焼成する工程を行う、セラミックスの製造方法。 - 請求項1ないし4のいずれか1項において、
前記成形体を得る工程は、前記混合物に有機成分を混合し、前記混合物を用いて成形体を得る工程と、
を含むセラミックスの製造方法。 - 請求項1ないし5のいずれか1項において、
前記成形体を焼成する工程は、前記成形体に含まれる前記有機成分を除去する脱バインダー工程と、
前記工程の後、前記成形体を焼成し、セラミックスを得る工程と、
を含むセラミックスの製造方法。 - 請求項1ないし6のいずれか1項において、
前記成形体を焼成する工程は、ビスマスおよびカリウムを含む雰囲気で行われる、セラミックスの製造方法。 - 請求項1ないし7のいずれか1項において、
前記成形体を焼成する工程の後、得られるセラミックスは、単一の結晶相である、セラミックスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008305320A JP5293948B2 (ja) | 2008-11-28 | 2008-11-28 | セラミックスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008305320A JP5293948B2 (ja) | 2008-11-28 | 2008-11-28 | セラミックスの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010126421A JP2010126421A (ja) | 2010-06-10 |
JP5293948B2 true JP5293948B2 (ja) | 2013-09-18 |
Family
ID=42327055
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008305320A Expired - Fee Related JP5293948B2 (ja) | 2008-11-28 | 2008-11-28 | セラミックスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5293948B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5534197B2 (ja) | 2010-03-12 | 2014-06-25 | セイコーエプソン株式会社 | 液体噴射ヘッド、液体噴射装置、圧電素子及び焦電センサー |
GB201012637D0 (en) * | 2010-07-28 | 2010-09-15 | Univ Leeds | Ceramic |
JP6229653B2 (ja) * | 2012-05-21 | 2017-11-15 | コニカミノルタ株式会社 | 圧電組成物及びその製造方法、並びに圧電素子 |
JP7331659B2 (ja) * | 2019-11-25 | 2023-08-23 | Tdk株式会社 | 積層型電子部品 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2871326B2 (ja) * | 1992-08-20 | 1999-03-17 | トヨタ自動車株式会社 | ビスマス層状化合物焼結体の製造方法 |
JPH06107458A (ja) * | 1992-09-24 | 1994-04-19 | Toyota Motor Corp | ビスマス層状化合物焼結体の製造方法 |
JPH11171643A (ja) * | 1997-12-09 | 1999-06-29 | Tokin Corp | 圧電性磁器組成物 |
JP4140796B2 (ja) * | 1998-10-26 | 2008-08-27 | Tdk株式会社 | 圧電セラミックス |
JP4247936B2 (ja) * | 1999-03-24 | 2009-04-02 | Necトーキン株式会社 | 圧電体磁器組成物 |
JP2003095737A (ja) * | 2001-09-17 | 2003-04-03 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 圧電磁器組成物 |
JP2003201172A (ja) * | 2001-10-24 | 2003-07-15 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 無鉛圧電磁器組成物及びその製造方法 |
JP2008069051A (ja) * | 2006-09-15 | 2008-03-27 | Hosokawa Funtai Gijutsu Kenkyusho:Kk | 圧電セラミックス及びその製造方法 |
-
2008
- 2008-11-28 JP JP2008305320A patent/JP5293948B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010126421A (ja) | 2010-06-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Lanfredi et al. | Dense ceramics of NaNbO3 produced from powders prepared by a new chemical route | |
CN102381876B (zh) | 电介质陶瓷组合物和陶瓷电子部件 | |
JP6517787B2 (ja) | リチウムチタンスピネルの調製方法及びその使用 | |
US20080152530A1 (en) | Method of preparing ferroelectric powders and ceramics | |
JP5491085B2 (ja) | セラミックスシートの製造方法 | |
JP2008069051A (ja) | 圧電セラミックス及びその製造方法 | |
JP5293948B2 (ja) | セラミックスの製造方法 | |
JP2015041597A (ja) | 固体酸化物型燃料電池用複合酸化物粉末及びその製造方法 | |
JP2008263056A (ja) | 熱電変換材料およびその製造方法 | |
JP2020055735A (ja) | ピロリン酸チタンの製造方法、リン酸チタンの製造方法及びプロトン伝導体の製造方法 | |
JP6094168B2 (ja) | 圧電組成物および圧電素子 | |
WO2013039108A1 (ja) | シュウ酸バリウムチタニルの製造方法及びチタン酸バリウムの製造方法 | |
JP5574881B2 (ja) | 固体酸化物型燃料電池用空気極材料粉末及びその製造方法 | |
JP2016037439A (ja) | チタン化合物含有コアシェル紛体及びその製造方法、及びチタン化合物含有焼成体 | |
JP5543297B2 (ja) | 固体酸化物型燃料電池用空気極材料粉末及びその製造方法 | |
Kong et al. | Lead zirconate titanate ceramics achieved by reaction sintering of PbO and high-energy ball milled (ZrTi) O2 nanosized powders | |
JP2020121914A (ja) | リン酸チタンリチウムの製造方法 | |
CN114716243B (zh) | 一种高温稳定型钛酸铋钠-钛酸锶基介电储能陶瓷材料及其制备与应用 | |
JP2009114034A (ja) | チタン酸バリウムの製造方法 | |
JP4255256B2 (ja) | 酸化マグネシウム蒸着材の原料用酸化マグネシウム粉末 | |
JP4643443B2 (ja) | チタン酸バリウム粉末の製造方法 | |
JP2006206363A (ja) | チタン酸バリウム粉末およびその製法 | |
CN112979306A (zh) | 一种制备铁电储能陶瓷的方法 | |
Delahaye et al. | Hydrothermal synthesis of ferroelectric mixed potassium niobate–lead titanate nanoparticles | |
Gu et al. | Low‐Temperature, Single Step, Reactive Sintering of Lead Magnesium Niobate Using Mg (OH) 2‐Coated Nb2O5 Powders |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110802 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121023 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121128 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130128 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130515 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130528 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5293948 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |