JP2009114034A - チタン酸バリウムの製造方法 - Google Patents

チタン酸バリウムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 炭酸バリウムと酸化チタンとの固相反応によるチタン酸バリウムの製造に際して、昇温過程における炭酸バリウム粒子の粒成長を抑制することができ、優れたエネルギー効率で、粒径が小さく、均質なチタン酸バリウム粉末を製造しうる方法を提供すること。
【解決手段】 本発明に係るチタン酸バリウムの製造方法は、炭酸バリウム粉末と酸化チタン粉末との混合粉末を準備する工程、および該混合粉末を焼成する工程を含み、
混合粉末を焼成温度まで昇温する際に、400℃〜700℃の範囲においては100℃/分以上の昇温速度で昇温し、
焼成時の最高温度を700℃以上とすることを特徴としている。
【選択図】 なし

Description

本発明は、磁器コンデンサの誘電体層の形成に使用されるチタン酸バリウム粉末の製造方法に関する。
磁器コンデンサの誘電体層としては、チタン酸バリウム(BaTiO)が広く使用されている。誘電体層は、チタン酸バリウム粉末を含むペーストからグリーンシートを作成し、これを焼結して得られる。このような用途に使用されているチタン酸バリウム粉末は、一般に固相合成法によって製造されている。この固相合成法では、炭酸バリウム(BaCO3)粉末と酸化チタン(TiO2)粉末とを湿式で混合し、乾燥後、混合粉末を900〜1200℃程度の温度で焼成し、炭酸バリウム粒子と酸化チタン粒子とを固相で化学反応させ、チタン酸バリウム粉末を得ている。
炭酸バリウム粉末と酸化チタン粉末との混合粉末の焼成は、常温付近から昇温し、上記焼成温度にて行う。炭酸バリウム粒子と酸化チタン粒子との混合粉末を焼成すると、550℃前後からチタン酸バリウムの生成がはじまる。一方、原料である炭酸バリウムは、400〜800℃付近で粒成長することが知られている。このため、混合粉末の昇温過程において、炭酸バリウム粒子の粒成長が進む。その後、所定の焼成温度にて反応を行うと、粒径の大きくなった炭酸バリウム粒子が酸化チタン粒子と反応するため、生成するチタン酸バリウム粉末の粒径も必然的に大きくなる。また、固相法において使用する混合粉末では、炭酸バリウム粒子と酸化チタン粒子との分散が必ずしも均一ではない。このため、混合粉末中に炭酸バリウム粒子の濃淡が存在する。炭酸バリウム粒子の濃度が高い部分では、炭酸バリウム粒子の粒成長が進み、大きな炭酸バリウム粒子が生成するが、炭酸バリウム粒子の濃度が低い部分では、炭酸バリウム粒子の粒成長が起こり難い。この結果、炭酸バリウム粒子の粒径が不均一になり、得られるチタン酸バリウム粉末の粒径にもバラツキが生じる。さらに、昇温過程における熱エネルギーの一部が炭酸バリウム粒子の粒成長に使われるため、エネルギー効率の点でも問題がある。
近年、コンデンサの小型化が要望されているが、粒径の大きなチタン酸バリウム粉末を含むペーストでは、誘電体層の薄層化に限界がある。このため、誘電体層の薄層化を図るため、上記のようにして得たチタン酸バリウム粉末を粉砕し、所望の粒径を有する粉末を調製している。しかし、粉砕には時間、コストがかかり、また、得られる粉末の粉体性状も不均一になる。さらに、粒径のバラツキの大きく、粉体性状が不均一なチタン酸バリウム粉末を使用してコンデンサを作成した場合、コンデンサの電気的特性が不安定になる。したがって、粒径が小さく、均質なチタン酸バリウム粉末を得る簡便な方法が要望される。
混合粉末の昇温過程において、炭酸バリウム粒子の粒成長を抑制することで、生成するチタン酸バリウム粉末を微細化し、粒径を均一化しうる可能性がある。特許文献1には、炭酸バリウム粒子の粒成長を抑制するため、比較的粒径の大きな炭酸バリウム粉末と、粒径の小さな酸化チタン粉末とを混合して混合粉末とし、これを焼成するチタン酸バリウム粉末の製造方法が開示されている。具体的には、比表面積が10m2 /g以下の炭酸バリウム粉末と、比表面積が15m2 /g以上の酸化チタン粉末とを用いている。この方法によれば、粒径の大きな炭酸バリウム粒子が、粒径の小さな酸化チタン粒子によって囲まれるため、炭酸バリウム粒子同士の接触が阻害され、炭酸バリウム粉末の粒成長が抑制される。
しかし、原料粉末として、比較的粒径の大きな炭酸バリウム粉末を使用しているため、チタン酸バリウム粉末の微細化に限界がある。また、粒径の大きな粉末では、反応の進行が遅いため、均質なチタン酸バリウムを得るためには、長時間または高温での焼成が必要になり、エネルギー効率の点でも問題がある。
したがって、微細な原料粉末を使用して、かつ炭酸バリウム粒子の粒成長を抑制することができれば、優れたエネルギー効率で、粒径が小さく、均質なチタン酸バリウム粉末が得られる可能性がある。
特許文献2には、Ca変性チタン酸バリウム((Ba1-xCax)TiO3)粉末の製造において異相の生成を抑制するため、焼成温度に至るまでの昇温速度を30℃/分以上に設定することが開示されている。特許文献2では、具体的には30℃/分または60℃/分の昇温速度を採用している。
特開平10−338524号公報 特開2005−8471号公報
引用文献1では、上述したように、原料粉末として、比較的粒径の大きな炭酸バリウム 粉末を使用しているため、チタン酸バリウム粉末の微細化に限界がある。また、粒径の大きな粉末では、反応の進行が遅いため、均質なチタン酸バリウムを得るためには、長時間または高温での焼成が必要になり、エネルギー効率の点でも問題がある。
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、昇温過程における炭酸バリウム粒子の粒成長を抑制することができ、優れたエネルギー効率で、粒径が小さく、均質なチタン酸バリウム粉末を製造しうるチタン酸バリウムの製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決する本発明は、下記事項を要旨として含む。
(1)炭酸バリウム粉末と酸化チタン粉末との混合粉末を準備する工程、および該混合粉末を焼成する工程を含み、
混合粉末を焼成温度まで昇温する際に、400℃〜700℃の範囲においては100℃/分以上の昇温速度で昇温し、
焼成時の最高温度を700℃以上とするチタン酸バリウムの製造方法。
(2)前記混合粉末におけるBa/Ti(モル比)が1.000以上である(1)に記載のチタン酸バリウムの製造方法。
(3)前記酸化チタン粉末の比表面積が15〜100m/gであり、炭酸バリウム粉末の比表面積が10〜50m/gである(1)または(2)に記載のチタン酸バリウムの製造方法。
本発明によれば、昇温過程における炭酸バリウム粒子の粒成長を抑制することができ、優れたエネルギー効率で、均質なチタン酸バリウム粉末が得られる。特に原料粉末として炭酸バリウム粉末の比率が大きな混合粉末を使用した場合であっても、炭酸バリウム粒子の粒成長を抑制できるため、任意の組成(Ba/Ti比)で均質なチタン酸バリウムを得ることができる。さらに、原料粉末として粒径の小さな炭酸バリウム粉末、酸化チタン粉末を用いることで、粒径が小さく、粒子性状の均一なチタン酸バリウム粉末が得られる。したがって、本発明によれば、焼成後の粉砕に要する時間、コストを削減できる。さらに、このチタン酸バリウム微粉末は、焼成により粒成長するため、焼成時間を適宜に設定することで、所望の粒径のチタン酸バリウム粉末を簡便に得ることも可能である。
以下、本発明を、その最良の形態を含めて、さらに具体的に説明する。
本発明のチタン酸バリウムの製造方法は、炭酸バリウム粉末と酸化チタン粉末との混合粉末を準備する工程、および該混合粉末を焼成する工程を含む。
原料として用いられる炭酸バリウム粉末および酸化チタン粉末は、特に限定はされず、公知の炭酸バリウム粉末および酸化チタン粉末が用いられる。しかしながら、固相反応を促進し、かつ微細なチタン酸バリウム粉末を得るためには、比較的粒径の小さな原料粉末を使用することが好ましい。したがって、原料として使用される酸化チタン粉末の比表面積は、好ましくは15〜100m/g、さらに好ましくは15〜50m/g、特に好ましくは30〜50m/gであり、また炭酸バリウム粉末の比表面積は、好ましくは10〜50m/g、さらに好ましくは10〜40m/g、特に好ましくは20〜40m/gである。なお、比表面積はBET法により測定される。
原料粉末として、微粉末を用いることで、固相反応が促進される。したがって、焼成温度を低下でき、焼成時間も短縮されるため、エネルギーコストを削減できる。また、微粉末を原料とすることで、粒径が小さく、粒子性状の均一なチタン酸バリウム粉末が得られる。得られるチタン酸バリウム微粉末は、焼成により粒成長するため、焼成時間を適宜に設定することで、所望の粒径のチタン酸バリウム粉末を簡便に得ることも可能である。
また、混合粉末における炭酸バリウム粉末と酸化チタン粉末との比率は、チタン酸バリウムを生成しうる化学量論組成近傍であれば特に問題はない。したがって、混合粉末におけるBa/Ti(モル比)は0.990〜1.010であればよい。Ba/Tiが1.010を超えると、未反応の炭酸バリウムが残留することがあり、0.990未満では、Tiを含む異相が生成することがある。
しかしながら、本発明の方法は、Ba/Ti(モル比)が1.000以上であり、Baが過剰のチタン酸バリウムの製造に特に有効である。チタン酸バリウムを誘電体セラミック組成物の主成分とし、これに副成分を添加することで、誘電体層を形成する焼成過程において、副成分がチタン酸バリウムへ固溶し、誘電特性を損なうことがある。しかし、Baが過剰のチタン酸バリウムを用いることで、副成分の固溶が過剰のBaにより適度に抑制され、誘電特性が焼成温度などの影響を受けにくくなり、誘電特性が安定した誘電体セラミックを得ることができる。
Baが過剰のチタン酸バリウムを得るためには、原料粉末における炭酸バリウムの割合を大きくする必要がある。しかし、従来の製法では、炭酸バリウムの割合を大きくすると、混合粉末中での炭酸バリウム粉末同士の接触頻度が高くなり、昇温過程において炭酸バリウムの粒成長が起こりやすい。この結果、得られるチタン酸バリウム粉末の粒径も大きくなり、また炭酸バリウムの粒成長にエネルギーが消費されるため、エネルギー効率の点でも好ましくない。
しかしながら、本発明の製法によれば、昇温過程における炭酸バリウム粒子の粒成長を抑制することができ、優れたエネルギー効率で、均質なチタン酸バリウム粉末が得られる。このため、本発明の製法は、特にBa比率の大きなチタン酸バリウム粉末を得る上で有効である。したがって、本発明において使用する混合粉末におけるBa/Ti(モル比)は、好ましくは1.000以上、さらに好ましくは1.000〜1.010、特に好ましくは1.000〜1.005である。
混合粉末の調製法は特に限定はされず、ボールミルを用いた湿式法などの常法を採用すればよい。得られた混合粉末を、乾燥後、焼成してチタン酸バリウム粉末が得られる。
本発明では、焼成温度に至る昇温過程において、400℃〜700℃の範囲を100℃/分以上、好ましくは120℃/分以上、さらに好ましくは150℃/分の昇温速度で昇温する。昇温速度の上限は特に限定はされないが、加熱装置に対する負荷などの観点から、200℃以下とすることが好ましい。
昇温過程における雰囲気も特に限定はされず、大気雰囲気であってもよく、また窒素等のガス雰囲気あるいは減圧または真空中であってもよい。
このような昇温操作は、たとえば高速昇温が可能な発熱体を備えた電気炉を用いて行っても良く、また700℃以上に維持された電気炉中に上記混合粉末を投入して昇温を行ってもよい。さらに、設定温度が異なる複数の炉を直列し、混合粉末を低温炉に投入後、取り出し、順次高温炉に移すことで昇温を行っても良い。
また、多量の混合粉末を連続して昇温する場合には、ロータリーキルンを用いても良い。ロータリーキルンは、傾斜した加熱管であり、加熱管の中心軸を中心に回転する機構を有する。加熱管上部から投入された混合粉末は、管内を下方に移動する過程で昇温される。したがって、加熱管の温度および混合粉末の通過速度を制御することで、混合粉末の到達温度および昇温速度を適宜に制御できる。
昇温は、室温から行っても良く、また混合粉末を予熱した後に、上記の昇温操作を行っても良い。なお、予熱を行う際には、混合粉末の予熱温度は400℃未満とする。予熱の際の昇温速度は特に限定はされないが、上記と同様に高速で昇温することが好ましい。
炭酸バリウムは400〜800℃付近の焼成で粒成長することが知られているが、本発明では、400〜700℃の温度領域を高速で昇温するため、炭酸バリウム粒子の粒成長に消費される時間が短縮される。したがって、本発明で規定する条件の昇温過程を経ることで、昇温過程における炭酸バリウム粒子の粒成長が抑制される。また、炭酸バリウム粒子の粒成長に消費されるエネルギー量も低減されるため、エネルギー効率も向上する。
昇温過程に続いて、混合粉末の焼成を700℃以上で行う。700℃以上では、炭酸バリウム粒子の粒成長よりも、炭酸バリウム粒子と酸化チタン粒子との固相反応によるチタン酸バリウムの生成が優先する。焼成工程においては、炭酸バリウム粒子の粒成長が起こり難いため、炭酸バリウム粒子と酸化チタン粒子とが微細粒子の形態で固相反応する。このため、チタン酸バリウムの生成が促進され、均質なチタン酸バリウム粒子が得られ、また焼成初期の段階では粒径の小さなチタン酸バリウム粉末が得られる。
焼成時の最高温度は、700℃以上であり、好ましくは700〜1100℃、さらに好ましくは800〜1000℃である。また焼成時間は、炭酸バリウム粒子と酸化チタン粒子との固相反応に充分な時間であり、一般的には0.5〜4時間、好ましくは0.5〜2時間である。焼成雰囲気は特に限定はされず、大気雰囲気であってもよく、また窒素等のガス雰囲気あるいは減圧または真空中であってもよい。焼成温度が低すぎたり、あるいは焼成時間が短すぎる場合には、均質なチタン酸バリウム粒子が得られないおそれがある。
このような焼成により、焼成の初期段階では粒径の小さなチタン酸バリウム粉末が得られる。この微細チタン酸バリウム粒子は、焼成を継続することで粒成長する。したがって、本発明によれば、焼成時間を適宜に設定することで、所望の粒径のチタン酸バリウム粉末を簡便に得ることができる。
400℃〜700℃までの高速昇温過程に続き、上記焼成温度に至るまでの昇温速度は特に限定はされないが、装置に対する負荷を軽減する観点から3〜10℃/分程度が適当である。最高温度700℃で焼成を行う場合には、昇温過程後、700℃にて保持すればよく、また800℃にて焼成を行う場合には、700℃にまで昇温を行った後に、3〜10℃/分程度の速度で昇温すればよい。
焼成後、降温してチタン酸バリウム粉末を得る。この際の降温速度は、特に限定されず、安全性などの観点から3〜100℃/分程度とすればよい。
得られたチタン酸バリウム粉末は、必要に応じ粉砕され、その後、誘電体セラミックスの製造原料として用いられる。誘電体セラミックスの製造には、各種公知の手法を、特に制限されることなく採用できる。たとえば、誘電体セラミックスの製造に用いられる副成分は、目標とする誘電特性に合わせて適宜に選択することができる。また、ペースト、グリーンシートの調製、電極層の形成、グリーン体の焼結についても、適宜に公知手法に準じて行えばよい。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
なお、以下の実施例および比較例において、各種物性評価は、以下のように行った。
(比表面積)
原料である炭酸バリウム粉末、酸化チタン粉末および焼成により得られたチタン酸バリウム粉末の比表面積をBET法により求めた。
(X線回折)
焼成により得られたチタン酸バリウム粉末のX線回折分析を行い、炭酸バリウム由来のメインピークと、チタン酸バリウム由来のメインピークとの強度比(BaCO/BaTiO)を求めた(以下「BC/BT比」と記載する)。BC/BT比が高いほど、残留した未反応の炭酸バリウムが多いことを意味する。
(粒子径のバラツキ)
焼成により得られたチタン酸バリウム粉末の電子顕微鏡観察を行い、200個以上の粒子について、粒子径を測定し、平均粒子径および粒子径の標準偏差を求めた。粒子径のバラツキ(以下「CV値」と記載する)を(粒子径の標準偏差)/(平均粒子径)を算出して評価した。CV値が大きいほど、粒子径のバラツキが大きいことを意味する。
(実施例1〜3および比較例1〜4)
[混合粉末の調製]
比表面積が26m/gの炭酸バリウム粉末と、比表面積が31m/gの酸化チタン粉末とをジルコニア(ZrO)メディアを用いたボールミルにより湿式混合し、その後、乾燥して、混合粉末を得た。
[混合粉末の焼成]
電気炉(バッチ炉)により大気雰囲気で、表1に記載の昇温速度にて、室温から700℃まで昇温した。その後、昇温速度3℃/分にて850℃まで昇温し、同温度にて30分間保持し、その後3℃/分で降温した。得られたチタン酸バリウム粉末の評価結果を表1に示す。
Figure 2009114034
400〜700℃における昇温を100℃/分未満の速度で行った場合には、未反応炭酸バリウムが残留し、また粒径が大きく、粒子の均質性の低いチタン酸バリウム粉末が得られる(比較例1〜4)。一方、400〜700℃における昇温を100℃/分以上の速度で行った場合には、未反応炭酸バリウムの残留はなく、また粒径が小さく、粒子の均質性の高いチタン酸バリウム粉末が得られる(実施例1〜3)。

Claims (3)

  1. 炭酸バリウム粉末と酸化チタン粉末との混合粉末を準備する工程、および該混合粉末を焼成する工程を含み、
    混合粉末を焼成温度まで昇温する際に、400℃〜700℃の範囲においては100℃/分以上の昇温速度で昇温し、
    焼成時の最高温度を700℃以上とするチタン酸バリウムの製造方法。
  2. 前記混合粉末におけるBa/Ti(モル比)が1.000以上である請求項1に記載のチタン酸バリウムの製造方法。
  3. 前記酸化チタン粉末の比表面積が15〜100m/gであり、炭酸バリウム粉末の比表面積が10〜50m/gである請求項1または2に記載のチタン酸バリウムの製造方法。
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