JP5287773B2 - 誘導機器におけるコア - Google Patents

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Description

この発明は、リアクトルやトランスなど誘導機器におけるコアに関する。
特許文献1で開示された従来技術においては、2つのコ字状鉄心と、コ字状鉄心の切断面に挟持された補助鉄心と、補助鉄心の周りに巻回して形成されるコイルとからなるトランスが開示されている。2つのコ字状鉄心と補助鉄心との固定は、長尺状の掛止具を鉄心の周囲に張り巡らすことによりなされる。
また、特許文献2で開示された従来技術においては、対向配置された一対のE型コアと、E型コアの中央脚に巻回して形成されたコイルとを備えたトランスが開示されている。対向する一対のE型コアの中央脚間にはギャップが形成されており、外側の2箇所の周囲脚間は当接している。
特開昭58−202513号公報 特開平7−302720号公報
しかし、特許文献1で開示された従来技術においては、コ字状鉄心の切断面に補助鉄心を当接させて、掛止具で固定させただけの構造なので、コ字状鉄心と補助鉄心とが上下方向又は左右方向にズレたまま固定される恐れがあり、コ字状鉄心と補助鉄心との位置決めが難しい問題がある。
また、特許文献2で開示された従来技術においては、中央のギャップ部にて電磁吸引力が発生し、この電磁吸引力によりコアが歪み、騒音が発生する恐れがある。これを防止するために、中央脚間のギャップ部にギャップ板などを介在させて固定しようとすると、外側の2箇所の周囲脚間に加え、ギャップ板と両中央脚とを突き当てることになる。このため、外側の周囲脚の寸法公差に加え、ギャップ板の寸法公差及び中央脚の寸法公差を考慮する必要があり、全ての寸法を所定の公差内に収めることが困難となり、位置決めを正確に行えないという問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、コア部材間の位置決めを正確に行うことが可能な誘導機器におけるコアの提供にある。
上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、対向配置される一対のC型コアと、前記一対のC型コアにて当接及び挟持されコイルが装着可能な中央柱状コアとを備えた誘導機器におけるコアであって、前記中央柱状コアは、長手方向の一部にギャップ部が設けられ、前記C型コアは、前記中央柱状コアの長手方向と平行な面に当接する当接部と、前記当接部の両側の少なくとも一方に設けられた突出部とを有し、前記突出部と前記中央柱状コアとが当接するように配設され、前記突出部は対向する前記C型コアとの間にギャップを有することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、中央柱状コアは、長手方向の一部にギャップ部が形成されているので、例えば、ギャップ板などを介して接合固定された中央柱状コアを用いることにより、電磁吸引力に対する剛性が高まり、コアの歪みによる騒音の低減が可能となる。また、C型コアは、中央柱状コアの長手方向と平行な面に当接する当接部と、当接部の両側の少なくとも一方に設けられた突出部とを有しているので、一対のC型コアの当接部に中央柱状コアを当接させつつ、当接部の両側の少なくとも一方に設けられた突出部に中央柱状コアを押し付けることにより、当接部に垂直な方向と平行な方向との2方向の位置決めを正確に行うことができる。
また、突出部と中央柱状コアとが当接するように配設されているので、中央柱状コアは、C型コアの当接部に加えて突出部とも当接させることができ、C型コアと中央柱状コアとの位置決めを一層確実に行うことができる。
また、突出部は対向するC型コアとの間にギャップを有しているので、C型コアの当接部と中央柱状コアとを当接させたとき、突出部が対向するC型コアと接触することによる当接の不安定さを防止でき、C型コアの当接部と中央柱状コアとを確実に当接させることができる。
請求項記載の発明は、請求項1に記載の誘導機器におけるコアにおいて、前記C型コアは、前記当接部の両側に前記突出部が設けられると共に、前記突出部間の間隔は前記中央柱状コアの幅以上に形成され、両突出部間に前記中央柱状コアが配置されることを特徴とする。
請求項記載の発明によれば、両突出部と当接部とで形成される凹部に中央柱状コアを嵌め込み両突出部のどちらか一方に当接させればよいので、組立てが容易である。
請求項記載の発明は、請求項1又は2に記載の誘導機器におけるコアにおいて、前記中央柱状コアの端部には突部が設けられ、当該突部は前記C型コアの当接部と当接することを特徴とする。
請求項記載の発明によれば、中央柱状コアの端部に設けられた突部と、C型コアの当接部とを当接させることにより、中央柱状コアとC型コアとの当接面積を増大することができる。
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載の誘導機器におけるコアにおいて、前記一対のC型コアはそれぞれ脚部と、前記脚部の両端より垂直に延在する一対の連結部とを有し、前記当接部は前記連結部に設けられていることを特徴とする。
請求項記載の発明によれば、C型コアは脚部と、脚部の両端より垂直に延在する一対の連結部とを有し、連結部に当接部が設けられた簡単な構造なので、製造を容易に行うことができる。
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載の誘導機器におけるコアにおいて、前記一対のC型コアはそれぞれ一対の脚部と、前記一対の脚部を連結する連結部とを有し、前記当接部は前記連結部に設けられていることを特徴とする。
請求項記載の発明によれば、C型コアは一対の脚部と、一対の脚部を連結する連結部とを有し、連結部に当接部が設けられた簡単な構造なので、製造を容易に行うことができる。
本発明によれば、C型コアに当接部と突出部とを設けることにより、C型コアと中央柱状コアとの位置決めを正確に行うことが可能となる。
第1の実施形態に係るリアクトルにおけるコアの全体構成を示す分解斜視図である。 (a)第1の実施形態に係るリアクトルにおけるコアの平面図である、(b)リアクトルにおけるコアの正面図である。 第2の実施形態に係るリアクトルにおけるコアの全体構成を示す分解斜視図である。 (a)第2の実施形態に係るリアクトルにおけるコアの平面図である、(b)リアクトルにおけるコアの正面図である。 第3の実施形態に係るリアクトルにおけるコアの全体構成を示す分解斜視図である。 (a)第3の実施形態に係るリアクトルにおけるコアの平面図である、(b)リアクトルにおけるコアの正面図である。 第4の実施形態に係るリアクトルにおけるコアの全体構成を示す分解斜視図である。 (a)第4の実施形態に係るリアクトルにおけるコアの平面図である、(b)リアクトルにおけるコアの正面図である。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係るリアクトルにおけるコアを図1〜図2に基づいて説明する。
図1に示すように、誘導機器としてのリアクトルにおけるコア10は、左右一対のC型コア11、12と、C型コア11、12間に挟持される角柱状の中央柱状コア13とから構成されている。
C型コア11は、上下方向に幅を有する直方体状の脚部14と、脚部14の前端部及び後端部に脚部14の両端より垂直に延在する一対の連結部15、16とを備え、平面視コ字型をしたコア部材である。連結部15、16の端面15a、16aの上下両側には、突出部17、18がそれぞれ形成されており、突出部17、18は連結部15、16に延設して形成されている。なお、端面15a、16aは、中央柱状コア13の長手方向と平行な面(後述する側面13a)に当接する当接部に相当する。各突出部17と端面15aとにより、及び各突出部18と端面16aとにより、中央柱状コア13を嵌め込むための凹部19、20がそれぞれ形成されている。C型コア11は、フェライトなどの磁性体で形成されている。
なお、図1に示すように、連結部15、16の延在方向を左右方向とし、脚部14の幅方向を上下方向とし、左右方向及び上下方向に直角な方向を前後方向とする。
同様に、C型コア12は、上下方向に幅を有する直方体状の脚部21と、脚部21の前端部及び後端部に脚部21の両端より垂直に延在する一対の連結部22、23とを備え、平面視コ字型をしたコア部材である。連結部22、23の端面22a、23aの上下両側には、突出部24、25がそれぞれ形成されており、突出部24、25は連結部22、23に延設して形成されている。なお、端面22a、23aは、中央柱状コア13の長手方向と平行な面(後述する側面13b)に当接する当接部に相当する。各突出部24と端面22aとにより、及び各突出部25と端面23aとにより、中央柱状コア13を嵌め込むための凹部26、27がそれぞれ形成されている。C型コア12は、フェライトなどの磁性体で形成されている。
中央柱状コア13は、一対の角柱状のコア部材28、29間に、所定の厚みを有する平板状のギャップ板30を介在させて、コア部材28、29とギャップ板30とを接着固定することにより一体的に形成されている。ギャップ板30により中央柱状コア13の長手方向の一部にギャップ部Gが形成されている。コア部材28、29は、フェライトなどの磁性体で形成されており、ギャップ板30は、非磁性部材により形成されている。
次に、コア10の組立て手順について説明する。
図1に示すように、C型コア11、12間に中央柱状コア13を介在させて、連結部15、16及び連結部22、23がそれぞれ対向するように配置する。そして、凹部19、20及び凹部26、27に中央柱状コア13を接着剤を介して嵌め込みつつ、端面15a、16a及び端面22a、23aと中央柱状コア13の端部とが当接するまでC型コア11、12を互いに押し付けることで一体的に固定される。
ここで、中央柱状コア13の側面を13a、13bとし、上面を13c、下面を13dとする。また、C型コア11における下側にある突出部17、18の上面をそれぞれ17a、18aとし、C型コア11における上側にある突出部17、18の下面をそれぞれ17b、18bとする。さらに、C型コア12における下側にある突出部24、25の上面をそれぞれ24a、25aとし、C型コア12における上側にある突出部24、25の下面をそれぞれ24b、25bとする。
このとき、C型コア11と中央柱状コア13とは、端面15a、16aと側面13aの両端部とで当接し、C型コア12と中央柱状コア13とは、端面22a、23aと側面13bの両端部とで当接している。また、中央柱状コア13は、C型コア11の下側の突出部17、18及びC型コア12の下側の突出部24、25上に載置された状態にあるので、上面17a、18a及び上面24a、25aと下面13dの両端部とが当接している。
図2(a)、(b)に示すように、C型コア11における突出部17、18の先端部は、対向するC型コア12における突出部24、25との間にギャップを有し得る状態にある。すなわち、突出部17と突出部24との間、及び突出部18と突出部25との間には、若干のギャップが形成され得る状態にある。
また、中央柱状コア13の上面13cと突出部17、18の下面17b、18b及び突出部24、25の下面24b、25bとの間には、若干のギャップが形成され得る状態にある。
すなわち、図2(b)に示すように、突出部17、18の端面15a、16aからの突出距離をh1とし、突出部24、25の端面22a、23aからの突出距離をh2とし、凹部19、20の上下方向の長さ距離をt1とし、凹部26、27の上下方向の長さ距離をt2とする。また、中央柱状コア13の左右方向の幅距離と上下方向の幅距離をそれぞれm1、m2とする。すると、h1+h2≦m1、且つt1、t2≧m2の関係がある。なお、長さ距離t1は、各突出部17、18間の間隔に相当し、長さ距離t2は、各突出部24、25間の間隔に相当する。
このような関係を持たせることで、C型コア11、12と中央柱状コア13とは、前端部にて、端面15aと側面13a、端面22aと側面13b、上面17aと下面13d、上面24aと下面13dの少なくとも4箇所で当接固定された状態を得ることができる。また、後端部にて、端面16aと側面13a、端面23aと側面13b、上面18aと下面13d、上面25aと下面13dの少なくとも4箇所で当接固定された状態を得ることができる。なお、t1、t2≒m2の場合は、上記4箇所に加えて、前端部では、下面17bと上面13c、下面24bと上面13c(後端部では、下面18bと上面13c、下面25bと上面13c)の計6箇所での当接固定となる。
ところで、図1に二点鎖線で示すように、中央柱状コア13の周囲には、コイル31が巻回して形成されており、組立て時において、中央柱状コア13にコイル31を装着させた後、C型コア11、12と中央柱状コア13とを当接させ接着固定が行われる。
次に、上記構成を有するコア10について作用説明を行う。
図2(a)に示すように、ギャップ部Gに作用する電磁吸引力は、矢印方向(中央柱状コア13の長手方向)に作用するが、ギャップ部Gはコア部材28、29間にギャップ板30を介在させて接着固定することにより形成されているので、中央柱状コア13の電磁吸引力方向の剛性が高まり、コアの歪みによる騒音の低減が可能となる。また、中央柱状コア13とC型コア11、12とは、中央柱状コア13の長手方向と平行な面(側面13aと端面15a、16a、及び側面13bと端面22a、23a)で当接するため、中央柱状コア13の長手方向の公差(コア部材28、29及びギャップ板30の寸法公差)を吸収することができる。
図2(b)に示すように、C型コア11、12と中央柱状コア13とは、突出部17と突出部24との間、及び突出部18と突出部25との間に若干のギャップが形成された状態で、接着固定されている。従って、端面15a、16aと側面13a、及び端面22a、23aと側面13bとを確実に当接させることができ、C型コア11、12と中央柱状コア13との左右方向(端面に垂直な方向)の位置決めが正確に行える。
また、C型コア11、12と中央柱状コア13とは、上面13cと下面17b、24bとの間、及び、上面13cと下面18b、25bとの間に若干のギャップが形成された状態で、接着固定されている。従って、上面17a、24aと下面13d、及び上面18a、25aと下面13dとを確実に当接させることができ、C型コア11、12と中央柱状コア13との上下方向(端面に平行な方向)の位置決めが正確に行える。
また、C型コア11、12と中央柱状コア13とは、少なくとも4箇所で当接固定された状態にあるので、C型コア11、12及び中央柱状コア13内を通過する磁束の磁気抵抗を低減させると共に、バラツキを抑えることが可能となり、リアクトルにおける不要な損失を抑えることが可能である。また、磁束の飽和領域及びインダクタンスを高め、バラツキを抑えることができる。
この第1の実施形態に係るコア10によれば以下の効果を奏する。
(1)ギャップ部Gはコア部材28、29間にギャップ板30を介在させて接着固定することにより形成されているので、中央柱状コア13の電磁吸引力方向(中央柱状コア13の長手方向)の剛性が高まり、コアの歪みによる騒音の低減が可能となる。また、中央柱状コア13とC型コア11、12とは、中央柱状コア13の長手方向と平行な面(側面13aと端面15a、16a、及び側面13bと端面22a、23a)で当接するため、中央柱状コア13の長手方向の公差(コア部材28、29及びギャップ板30の寸法公差)を吸収することができる。
(2)C型コア11、12と中央柱状コア13とは、突出部17と突出部24との間、及び突出部18と突出部25との間に若干のギャップが形成され得る状態(h1+h2≦m1)で、接着固定されている。従って、端面15a、16aと側面13a、及び端面22a、23aと側面13bとを確実に当接させることができ、C型コア11、12と中央柱状コア13との左右方向の位置決めが正確に行える。
(3)C型コア11、12と中央柱状コア13とは、上面13cと下面17b、24bとの間、及び、上面13cと下面18b、25bとの間に若干のギャップが形成され得る状態(t1、t2≧m2)で、接着固定されている。従って、上面17a、24aと下面13d、及び上面18a、25aと下面13dとを確実に当接させることができ、C型コア11、12と中央柱状コア13との上下方向の位置決めが正確に行える。
(4)C型コア11、12と中央柱状コア13とは、少なくとも4箇所で当接固定された状態にあるので、C型コア11、12及び中央柱状コア13内を通過する磁束の磁気抵抗を低減させると共に、バラツキを抑えることが可能となり、リアクトルにおける不要な損失を抑えることが可能である。また、磁束の飽和領域及びインダクタンスを高め、バラツキを抑えることができる。
(5)C型コア11、12と中央柱状コア13とは、少なくとも4箇所で接着剤により当接固定された状態にあるので、C型コア11、12と中央柱状コア13の当接面に作用する電磁吸引力が接着剤によって緩和され、C型コア11、12に作用する応力が軽減し、その結果、C型コア11、12の変形を緩和することが可能である。
(6)C型コア11、12には、凹部19、20及び凹部26、27がそれぞれ形成されているので、組立て時において凹部19、20及び凹部26、27に中央柱状コア13の端部を嵌め込んで接着固定すればよいので、組立てが容易であり、組立てのために特別の装置が不要である。
(7)t1、t2≒m2の場合は、6箇所での当接固定となるため、当接面積を広くすることができ、磁気抵抗を一層低減することができる。
(8)C型コア11、12は、脚部14、21と、脚部14、21の両端より垂直に延在する一対の連結部15、16、及び22、23とを有し、連結部15、16、22及び23の端面15a、16a、22a及び23aが当接部となる簡単な構造なので、製造を容易に行うことができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るコア40を図3及び図4に基づいて説明する。
この実施形態は、第1の実施形態において連結部の上下両側に形成される突出部を下側のみとしたものであり、その他の構成は共通である。
従って、ここでは説明の便宜上、先の説明で用いた符号を一部共通して用い、共通する構成についてはその説明を省略し、変更した個所のみ説明を行う。
図3に示すように、リアクトルにおけるコア40は、左右一対のC型コア41、42と、C型コア41、42間に挟持される角柱状の中央柱状コア13とから構成されている。
C型コア41は、上下方向に幅を有する直方体状の脚部43と、脚部43の前端部及び後端部に脚部43の両端より垂直に延在する一対の連結部44、45とを備え、平面視コ字型をしたコア部材である。連結部44、45の端面44a、45aの下側には、突出部46、47がそれぞれ形成されており、突出部46、47は連結部44、45に延設して形成されている。なお、端面44a、45aは、中央柱状コア13の長手方向と平行な面(側面13a)に当接する当接部に相当する。
同様に、C型コア42は、上下方向に幅を有する直方体状の脚部48と、脚部48の前端部及び後端部に脚部48の両端より垂直に延在する一対の連結部49、50とを備え、平面視コ字型をしたコア部材である。連結部49、50の端面49a、50aの下側には、突出部51、52がそれぞれ形成されており、突出部51、52は連結部49、50に延設して形成されている。なお、端面49a、50aは、中央柱状コア13の長手方向と平行な面(側面13b)に当接する当接部に相当する。
コア40の組立て手順については、第1の実施形態と同様に、C型コア41、42間に中央柱状コア13を介在させて、連結部44、45及び連結部49、50がそれぞれ対向するように配置する。そして、突出部46、47及び突出部51、52上に中央柱状コア13を接着剤を介して載置して、端面44a、45a及び端面49a、50aと中央柱状コア13の端部とが当接するまでC型コア41、42を互いに押し付けることで一体的に固定される。
ここで、C型コア41における突出部46、47の上面をそれぞれ46a、47aとし、C型コア42における突出部51、52の上面をそれぞれ51a、52aとする。
図4(a)、(b)に示すように、C型コア41、42と中央柱状コア13とは、端面44a、45aと側面13aの両端部とで当接し、端面49a、50aと側面13bの両端部とで当接している。また、中央柱状コア13は、突出部46、47及び突出部51、52上に載置された状態にあるので、上面46a、47a及び上面51a、52aと下面13dの両端部とが当接している。
なお、突出部46と突出部51との間、及び突出部47と突出部52との間には、若干のギャップが形成された状態にある。
このように、C型コア41、42には下側にのみ突出部46、47及び突出部51、52がそれぞれ形成されているので、上下両側に形成された第1の実施形態と比較して、材料コスト及び製造コストを削減可能である。
その他の作用効果については、第1の実施形態における(1)〜(5)、(8)の作用効果と同等であり説明を省略する。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るコア60を図5及び図6に基づいて説明する。
この実施形態は、第2の実施形態において中央柱状コア13の形状を変更したものであり、その他の構成は共通である。
従って、ここでは説明の便宜上、先の説明で用いた符号を一部共通して用い、共通する構成についてはその説明を省略し、変更した個所のみ説明を行う。
図5に示すように、リアクトルにおけるコア60は、左右一対のC型コア41、42と、C型コア41、42間に挟持される角柱状の中央柱状コア61とから構成されている。
中央柱状コア61は、一対のL字状のコア部材62、63間に、所定の厚みを有する平板状のギャップ板64を介在させて、コア部材62、63とギャップ板64とを接着固定することにより一体的に形成されている。ギャップ板64により中央柱状コア61の長手方向の一部にギャップ部Gが形成されている。
コア部材62は、前端部が上方に突設して突部62aが形成されている。コア部材63は、後端部が上方に突設して突部63aが形成されている。
第1及び第2の実施形態における中央柱状コア13と比較して、中央柱状コア61は、上面61cの前後両端部に突部62a、63aを形成させた形状をしており、側面から見てコ字型をしたコア部材である。
コア60の組立て手順については、第2の実施形態と同様に、C型コア41、42間に中央柱状コア61を介在させて、連結部44、45及び連結部49、50がそれぞれ対向するように配置する。そして、突出部46、47及び突出部51、52上に中央柱状コア61を接着剤を介して載置して、端面44a、45a及び端面49a、50aと中央柱状コア61の端部とが当接するまでC型コア41、42を互いに押し付けることで一体的に固定される。なお、中央柱状コア61の周囲には予めコア部材62、63とギャップ板64との接着固定時に組付けられたコイル31が装着されているものとする。
ここで、中央柱状コア61の側面を61a、61bとし、上面を61c、下面を61dとする。
図6(a)、(b)に示すように、C型コア41、42と中央柱状コア61とは、端面44a、45aと突部62a、63aの側面を含む側面61aの両端部とで当接し、端面49a、50aと突部62a、63aの側面を含む側面61bの両端部とで当接している。また、中央柱状コア61は、突出部46、47及び突出部51、52上に載置された状態にあるので、上面46a、47a及び上面51a、52aと下面61dの両端部とが当接している。
なお、突出部46と突出部51との間、及び突出部47と突出部52との間には、若干のギャップが形成された状態にある。
このように、中央柱状コア61には、突部62a、63aが形成されていることにより、端面44a、45aと側面61a及び端面49a、50aと側面61bとを当接させたとき、それぞれの突部62a、63aの側面もC型コア41、42の端面に当接され、当接面積が第2の実施形態に比べて増大している。従って、C型コア41、42と中央柱状コア61との接合強度をアップできると共に、C型コア41、42及び中央柱状コア61内を通過する磁束の磁気抵抗を低減することが可能となり、リアクトルのインダクタンスを一層高めることが可能である。
その他の作用効果については、第1の実施形態における(1)〜(5)、(8)の作用効果と同等であり説明を省略する。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係るコア70を図7及び図8に基づいて説明する。
この実施形態は、第1〜第3の実施形態における左右分割型のC型コアに代えて上下分割型のC型コアを用いたものである。
従って、ここでは説明の便宜上、先の説明で用いた符号を一部共通して用い、共通する構成についてはその説明を省略し、変更した個所のみ説明を行う。
図7に示すように、コア70は、上下一対のC型コア71、72と、C型コア71、72間に挟持される角柱状の中央柱状コア13から構成されている。
C型コア71は、左右方向に配設された直方体状の連結部73と、連結部73の左端部及び右端部に連結部73に対して略直角に突設された一対の脚部74、75とを備え、正面視コ字型をしたコア部材である。連結部73の端面73aが中央柱状コア13と当接する当接部に相当し、端面73aの右側より突出部76、77が下方に向けて延在されており、突出部76、77は脚部75の前後両端に連設して形成されている。連結部73の中心は矩形に繰り抜かれて開口孔78が形成されている。開口孔78は、中央柱状コア13に巻回されるコイル31との干渉を防止するために設けられている。
なお、図7に示すように、連結部73の配設方向を左右方向とし、脚部74、75の突設方向を上下方向とし、左右方向及び上下方向に直角な方向を前後方向とする。
同様に、C型コア72は、左右方向に配設された直方体状の連結部79と、連結部79の左端部及び右端部に連結部79に対して略直角に突設された一対の脚部80、81とを備え、正面視コ字型をしたコア部材である。連結部79の端面79aが中央柱状コア13と当接する当接部に相当し、端面79aの右側より突出部82、83が上方に向けて延在されており、突出部82、83は脚部81の前後両端に連設して形成されている。連結部79の中心は矩形に繰り抜かれて開口孔84が形成されている。開口孔84は、中央柱状コア13に巻回されるコイル31との干渉を防止するために設けられている。
次に、コア70の組立て手順について説明する。
図7に示すように、C型コア71、72間に中央柱状コア13を介在させ、中央柱状コア13の長手方向が前後方向となるように配置し、脚部74、75及び脚部80、81がそれぞれ上下方向に対向するように配置する。そして、C型コア71、72で中央柱状コア13を接着剤を介して挟み込みつつ、中央柱状コア13を突出部76、77、82、83側に押し付けるようにして、端面73a、79aと中央柱状コア13とが当接するまでC型コア71、72を互いに押し付けることで一体的に固定される。
ここで、C型コア71における突出部76、77の側面をそれぞれ76a、77aとし、C型コア72における突出部82、83の側面をそれぞれ82a、83aとする。
このとき、C型コア71、72と中央柱状コア13とは、端面73aと上面13cの両端部とで当接し、端面79aと下面13dの両端部とで当接している。また、中央柱状コア13の側面13bは、突出部76、77、82、83側に押し付けられた状態にあるので、側面76a、77aと側面13bの両端部及び、側面82a、83aと側面13bの両端部とが当接している。
図8(a)、(b)に示すように、突出部76と突出部82との間、及び突出部77と突出部83との間には、若干のギャップが形成された状態にある。
また、脚部74と脚部80との間、及び脚部75と脚部81との間には、若干のギャップが形成された状態にある。
このように、C型コア71、72と中央柱状コア13とは、端面73aと上面13c、端面79aと下面13d、側面76a、82aと側面13bの少なくとも4箇所で当接固定された状態にある。従って、C型コア71、72と中央柱状コア13との上下方向及び左右方向の位置決めを正確に行うことができる。
また、C型コア71、72は、一対の脚部74、75及び80、81と、一対の脚部74、75及び80、81を連結する連結部73、79とを有し、連結部73、79に当接部(端面73a、79a)が設けられた簡単な構造なので、製造を容易に行うことができる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更しても良い。
○ 第1〜第4の実施形態では、当接部を接着剤で固定するとして説明したが、テープなど掛止部材を周囲に巻きつけて固定させても良い。
○ 中央柱状コア13、61に形成するギャップ部Gは、ギャップ板30、64により形成するとして説明したが、ギャップ材として非磁性材料よりなる粉末の圧縮成形品を用いても良く、また、ギャップ部に複数の貫通孔を設けることによりギャップ部を形成しても良い。
○ C型コアの突出部は、一方のC型コアにのみ形成し、他方は突出部なしでも構わない。この場合には、C型コアと中央柱状コアとは3箇所で当接固定される。
○ 第4の実施形態では、当接部(端面73a、79a)の右側にのみ突出部(76、77、82及び83)を設けたが、当接部の左側にも突出部を設けても良い。この場合、当接部の左右両側に設けられた突出部間の間隔は、中央柱状コア13の幅(図2のm1)以上に形成する。即ち、当接部の左側に設けられた突出部が、中央柱状コア13の側面13aに当接しても良いし、側面13aとの間に若干のギャップを形成しても良い。
○ 第4の実施形態において、中央柱状コア13の端部に突部を設けても良い。即ち、中央柱状コア13の側面13a側の前後両端に突部を形成し、平面視コ字型をしたコア部材とする。この場合、突部と当接部(端面73a、79a)とを当接させれば良い。
○ 第1〜第4の実施形態では、リアクトルとして説明したが、トランスに適用しても良い。
10 コア
11、12 C型コア
13 中央柱状コア
14 脚部(C型コア11)
15、16 連結部(C型コア11)
15a、16a 端面(当接部)(C型コア11)
17、18 突出部(C型コア11)
21 脚部(C型コア12)
22、23 連結部(C型コア12)
22a、23a 端面(当接部)(C型コア12)
24、25 突出部(C型コア12)
30 ギャップ板
31 コイル
G ギャップ部
40 コア
41、42 C型コア
43 脚部(C型コア41)
44、45 連結部(C型コア41)
44a、45a 端面(当接部)(C型コア41)
46、47 突出部(C型コア41)
48 脚部(C型コア42)
49、50 連結部(C型コア42)
49a、50a 端面(当接部)(C型コア42)
51、52 突出部
60 コア
61 中央柱状コア
62a、63a 突部
70 コア
71、72 C型コア
73 連結部(C型コア71)
73a 端面(当接部)(C型コア71)
74、75 脚部(C型コア71)
76、77 突出部(C型コア71)
79 連結部(C型コア72)
79a 端面(当接部)(C型コア72)
80、81 脚部(C型コア72)
82、83 突出部(C型コア72)

Claims (5)

  1. 対向配置される一対のC型コアと、前記一対のC型コアにて当接及び挟持されコイルが装着可能な中央柱状コアとを備えた誘導機器におけるコアであって、
    前記中央柱状コアは、長手方向の一部にギャップ部が設けられ、
    前記C型コアは、前記中央柱状コアの長手方向と平行な面に当接する当接部と、前記当接部の両側の少なくとも一方に設けられた突出部とを有し、
    前記突出部と前記中央柱状コアとが当接するように配設され、
    前記突出部は対向する前記C型コアとの間にギャップを有することを特徴とする誘導機器におけるコア。
  2. 前記C型コアは、前記当接部の両側に前記突出部が設けられると共に、前記突出部間の間隔は前記中央柱状コアの幅以上に形成され、両突出部間に前記中央柱状コアが配置されることを特徴とする請求項1に記載の誘導機器におけるコア。
  3. 前記中央柱状コアの端部には突部が設けられ、当該突部は前記C型コアの当接部と当接することを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導機器におけるコア。
  4. 前記一対のC型コアはそれぞれ脚部と、前記脚部の両端より垂直に延在する一対の連結部とを有し、前記当接部は前記連結部に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の誘導機器におけるコア。
  5. 前記一対のC型コアはそれぞれ一対の脚部と、前記一対の脚部を連結する連結部とを有し、前記当接部は前記連結部に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の誘導機器におけるコア。
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