以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態に従う、車両100の全体ブロック図である。本実施の形態においては、車両100としてエンジンおよびモータジェネレータを搭載したハイブリッド車両を例として説明するが、車両100の構成はこれに限定されるものではなく、車両100としては、ハイブリッド車両以外に、たとえば電気自動車や燃料電池自動車などが含まれる。なお、本実施の形態においては、車両が2つのインバータおよびそれに対応するモータジェネレータを備える例について説明するが、1つのインバータ,モータジェネレー
タを備える場合でも、3つ以上のインバータ,モータジェネレータを備える場合でも適用可能である。
図1を参照して、車両100は、蓄電装置150と、駆動部(以下、PCU「Power Control Unit」とも称する。)200と、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分割機構250と、エンジン220と、駆動輪260と、システムメインリレー190と、電流センサ230,240と、回転角センサ270,280と、HV−ECU(Electronic Control Unit)350と、警告装置390とを備える。
蓄電装置150は、充放電可能に構成された電力貯蔵要素である。蓄電装置150は、たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池あるいは鉛蓄電池などの二次電池、電気二重層キャパシタなどの蓄電素子を含んで構成される。
蓄電装置150は、システムメインリレー190を介して、電源ラインPL1および接地ラインNL1によってPCU200に接続される。そして、蓄電装置150は、モータジェネレータMG1,MG2を駆動するための直流電力をPCU200に供給する。また、蓄電装置150は、PCU200を介して供給される、モータジェネレータMG1,MG2によって発生された電力を蓄電する。蓄電装置150から供給される電力の電圧は、たとえば200V程度である。
システムメインリレー190は、リレーSMR1およびSMR2を含む。リレーSMR1,SMR2は、電源ラインPL1および接地ラインNL1にそれぞれ介挿される。そして、システムメインリレー190は、HV−ECU350によって制御され、蓄電装置150からPCU200への電力の供給と遮断とを切替える。
PCU200は、蓄電装置150からの直流電力を、モータジェネレータMG1,MG2を駆動するための交流電力に変換する。また、PCU200は、モータジェネレータMG1,MG2によって発生した交流電力を、蓄電装置150を充電するための直流電力に変換する。
モータジェネレータMG1,MG2は、PCU200から供給される交流電力を受けて車両の駆動力を発生する。また、モータジェネレータMG1,MG2は、外部から回転力を受け、MG−ECU300からの回生トルク指令によって交流電力を発電するとともに回生制動力を車両100に発生する。
また、モータジェネレータMG1,MG2は、動力分割機構250を介してエンジン220にも連結される。そして、エンジン220の発生する駆動力とモータジェネレータMG1,MG2の発生する駆動力とが最適な比率となるように制御される。また、モータジェネレータMG1,MG2のいずれか一方を専ら電動機として機能させ、他方のモータジェネレータを専ら発電機として機能させてもよい。なお、本実施の形態においては、モータジェネレータMG1を専らエンジン220により駆動される発電機として機能させ、モータジェネレータMG2を専ら駆動輪260を駆動する電動機として機能させるものとする。
動力分割機構250は、エンジン220の動力を、駆動輪260とモータジェネレータMG1との両方に振り分けるために、遊星歯車機構(プラネタリーギヤ)を含んで構成される。
電流センサ230,240は、モータジェネレータMG1,MG2にそれぞれ流れるモータ電流(すなわち、インバータ出力電流)MCRT1,MCRT2をそれぞれ検出し、
その検出したモータ電流をMG−ECU300およびHV−ECU350へ出力する。なお、U,V,W相の各電流iu,iv,iwの瞬時値の和はゼロであるので、電流センサ230,240はU,V,W相のうちの2相分のモータ電流(たとえば、V相電流ivおよびW相電流iw)を検出するように配置すれば足りる。
回転角センサ(たとえば、レゾルバ)270,280は、モータジェネレータMG1,MG2の回転角θ1,θ2をそれぞれ検出し、その検出した回転角θ1,θ2をMG−ECU300へ送出する。MG−ECU300では、回転角θ1,θ2に基づきモータジェネレータMG1,MG2の回転速度および角速度が算出できる。なお、回転角センサ270,280については、回転角θ1,θ2をMG−ECU300にてモータ電圧や電流から直接演算することによって、配置を省略してもよい。
PCU200は、コンバータ110と、インバータ120と、平滑コンデンサC1,C2と、抵抗R1と、電圧センサ170,180と、MG−ECU300とを含む。また、インバータ120は、モータジェネレータMG1を駆動するためのインバータ121およびモータジェネレータMG2を駆動するためのインバータ122を含む。
コンバータ110は、一方端が電源ラインPL1に接続されるリアクトルL1と、電源ラインHPLおよび接地ラインNL1の間に直列に接続されるスイッチング素子Q1,Q2と、スイッチング素子Q1,Q2にそれぞれ並列に接続されるダイオードD1,D2とを含む。スイッチング素子は、代表的にはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、バイポーラトランジスタ、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field
Effect Transistor)、もしくはGTO(Gate Turn Off Thyristor)などが用いられる。なお、本実施の形態においては、スイッチング素子としてIGBTを使用した場合を例として説明する。
リアクトルL1の他方端はスイッチング素子Q1のエミッタおよびスイッチング素子Q2のコレクタに接続される。ダイオードD1のカソードはスイッチング素子Q1のコレクタと接続され、ダイオードD1のアノードはスイッチング素子Q1のエミッタと接続される。ダイオードD2のカソードはスイッチング素子Q2のコレクタと接続され、ダイオードD2のアノードはスイッチング素子Q2のエミッタと接続される。
スイッチング素子Q1,Q2は、MG−ECU300からの制御信号PWCによってオンまたはオフに制御される。
インバータ121は、コンバータ110から昇圧された電圧を受けて、たとえばエンジン220を始動させるためにモータジェネレータMG1を駆動する。また、インバータ121は、エンジン220から伝達される機械的動力によってモータジェネレータMG1で発電された回生電力をコンバータ110に出力する。このときコンバータ110は、降圧回路として動作するようにMG−ECU300によって制御される。
インバータ121は、U相アーム123と、V相アーム124と、W相アーム125とを含む。U相アーム123、V相アーム124およびW相アーム125は、電源ラインHPLと接地ラインNL1との間に並列に接続される。
U相アーム123は、電源ラインHPLと接地ラインNL1との間に直列接続されたスイッチング素子Q3,Q4と、スイッチング素子Q3,Q4とそれぞれ並列に接続されるダイオードD3,D4とを含む。ダイオードD3のカソードはスイッチング素子Q3のコレクタと接続され、ダイオードD3のアノードはスイッチング素子Q3のエミッタと接続される。ダイオードD4のカソードはスイッチング素子Q4のコレクタと接続され、ダイ
オードD4のアノードはスイッチング素子Q4のエミッタと接続される。
V相アーム124は、電源ラインHPLと接地ラインNL1との間に直列接続されたスイッチング素子Q5,Q6と、スイッチング素子Q5,Q6とそれぞれ並列に接続されるダイオードD5,D6とを含む。ダイオードD5のカソードはスイッチング素子Q5のコレクタと接続され、ダイオードD5のアノードはスイッチング素子Q5のエミッタと接続される。ダイオードD6のカソードはスイッチング素子Q6のコレクタと接続され、ダイオードD6のアノードはスイッチング素子Q6のエミッタと接続される。
W相アーム125は、電源ラインHPLと接地ラインNL1との間に直列接続されたスイッチング素子Q7,Q8と、スイッチング素子Q7,Q8とそれぞれ並列に接続されるダイオードD7,D8とを含む。ダイオードD7のカソードはスイッチング素子Q7のコレクタと接続され、ダイオードD7のアノードはスイッチング素子Q7のエミッタと接続される。ダイオードD8のカソードはスイッチング素子Q8のコレクタと接続され、ダイオードD8のアノードはスイッチング素子Q8のエミッタと接続される。
モータジェネレータMG1は、たとえば三相交流電動発電機であり、永久磁石が埋設されたロータと中性点でY結線された三相コイルを有するステータとを備える。モータジェネレータMG1のU,V,W相の3つのコイル(図示せず)は、各々一方端が中性点に共に接続されている。そして、U相コイルの他方端がスイッチング素子Q3,Q4の接続ノードに接続される。またV相コイルの他方端がスイッチング素子Q5,Q6の接続ノードに接続される。またW相コイルの他方端がスイッチング素子Q7,Q8の接続ノードに接続される。
インバータ121は、MG−ECU300からの制御信号PWI1に従って上記スイッチング素子Q3〜Q8をオンまたはオフさせることによって、コンバータ110から供給される直流電力を所望の交流電力に変換する。
インバータ121は、MG−ECU300からの遮断指令SDN1を受けると、スイッチング素子Q3〜Q8のゲートを遮断させて、スイッチング素子Q3〜Q8を非活性状態とする。このようにすることによって、インバータ121は、モータジェネレータMG1への出力電流を遮断する。
インバータ122は、コンバータ110に対してインバータ121と並列的に接続される。
インバータ122は駆動輪260を駆動するモータジェネレータMG2に対してコンバータ110の出力する直流電圧を三相交流に変換して出力する。またインバータ122は、回生制動に伴い、モータジェネレータMG2において発電された回生電力をコンバータ110に出力する。このときコンバータ110は降圧回路として動作するようにMG−ECU300によって制御される。インバータ122の内部の構成は図示しないが、インバータ121と同様であり、詳細な説明は繰り返さない。
平滑コンデンサC1は、電源ラインPL1と接地ラインNL1との間に接続され、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング時のリプル電圧を吸収する。また、平滑コンデンサC2は、電源ラインHPLと接地ラインNL1との間に接続され、コンバータ110およびインバータ120でスイッチング時に発生するリプル電圧を吸収する。
電圧センサ170は、平滑コンデンサC1の両端間の電圧VLを検出し、その検出した電圧VLをMG−ECU300およびHV−ECU350へ出力する。また、電圧センサ
180は、平滑コンデンサC2の両端間の電圧VH、すなわち、コンバータ110の出力電圧(インバータ120の入力電圧に相当する。)を検出し、その検出した電圧VHをMG−ECU300およびHV−ECU350へ出力する。
抵抗R1は、電源ラインHPLと接地ラインNL1との間に、平滑コンデンサC2と並列に接続される。抵抗R1は比較的高抵抗値の抵抗であり、車両走行終了後に平滑コンデンサC1,C2に蓄えられている残留電荷を徐々に放電する。
MG−ECU300は、いずれも図示しないがCPU(Central Processing Unit)、記憶装置および入出力バッファを含み、PCU200内のコンバータ110およびインバータ120を制御する。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で構築して処理することも可能である。
MG−ECU300は、電流センサ230,240によって検出されたモータジェネレータMG1,MG2のそれぞれに流れるモータ電流MCRT1,MCRT2の検出値を受ける。MG−ECU300は、回転角センサ270,280によって検出されたモータジェネレータMG1,MG2の回転角θ1,θ2の検出値を受ける。また、MG−ECU300は、電圧センサ170,180によって検出された平滑コンデンサC1,C2の両端の電圧VL,VHの検出値を受ける。さらに、MG−ECU300は、HV−ECU350からのディスチャージ指令DCHGおよび緊急遮断指令HSDNを受ける。
MG−ECU300は、平滑コンデンサC1,C2の両端の電圧VL,VHに基づいて、コンバータ110の制御信号PWCを生成する。そして、MG−ECU300は、制御信号PWCによりコンバータ110のスイッチング素子Q1,Q2を駆動することによって、コンバータ110に昇圧動作または降圧動作を行なわせる。
また、MG−ECU300は、電流センサ230,240によって検出されたモータジェネレータMG1,MG2のそれぞれに流れるモータ電流MCRT1,MCRT2、および回転角センサ270,280によって検出されたモータジェネレータMG1,MG2の回転角θ1,θ2に基づいて、インバータ121,122を駆動するための制御信号PWI1、PWI2を生成する。そして、MG−ECU300は、制御信号PWI1、PWI2によりインバータ121,122のスイッチング素子を駆動することによって、コンバータ110から供給された直流電力を、モータジェネレータMG1,MG2を駆動するための交流電力に変換する。
MG−ECU300は、HV−ECU350からのディスチャージ指令DCHGを受けると、平滑コンデンサC1,C2に蓄えられている残留電荷をモータジェネレータMG1および/またはMG2によって放電するように、制御信号PWI1,PWI2を生成してインバータ121,122に出力する。具体的には、たとえば3相/2相変換後の電流指令のd軸電流成分のみが流れるような指令となるように、制御信号PWI1,PWI2が生成される。このようにすることで、モータジェネレータMG1,MG2によって駆動力を生成させずに、かつモータジェネレータMG1,MG2によって平滑コンデンサC1,C2に蓄えられている残留電荷を短時間で消費することができる。
また、MG−ECU300は、HV−ECU350からの緊急遮断指令HSDNを受けると、インバータ121,122を非駆動状態とするための遮断指令SDN1,SDN2を、インバータ121,122にそれぞれ出力する。
また、MG−ECU300は、PCU200内の駆動用機器の異常を検出した場合には、HV−ECU350へ異常情報FSGを出力するとともに、上述の遮断指令SDN1,
SDN2を、インバータ121,122にそれぞれ出力する。
HV−ECU350は、いずれも図示しないがCPU、記憶装置および入出力バッファを含み、車両100の各機器を制御する。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で構築して処理することも可能である。
HV−ECU350は、電圧センサ170,180によって検出された平滑コンデンサC1,C2の両端の電圧VL,VHの検出値を受ける。また、HV−ECU350は、電流センサ230,240によって検出されたモータジェネレータMG1,MG2のそれぞれに流れるモータ電流MCRT1,MCRT2の検出値を受ける。さらに、HV−ECU350は、イグニッションがオフされたことを示すイグニッション信号IG−OFFを受ける。また、HV−ECU350は、MG−ECU300からの異常情報FSGを受ける。
HV−ECU350は、イグニッション信号IG−OFFに基づいてリレー制御信号SEを生成する。そして、HV−ECU350は、このリレー制御信号SEによりシステムメインリレー190のリレーSMR1,SMR2を制御する。具体的には、リレー制御信号SEがオンに設定されるとリレーSMR1,SMR2の接点が閉じられて、蓄電装置150からPCU200へ電力が供給される。一方、リレー制御信号SEがオフに設定されるとリレーSMR1,SMR2の接点が開放され、蓄電装置150からPCU200への電力が遮断される。HV−ECU350は、イグニッション信号IG−OFFが入力された場合には、リレー制御信号SEをオフに設定して、リレーSMR1,SMR2の接点を開放するように制御する。
HV−ECU350は、たとえばPCU200内部の点検時などに、平滑コンデンサC1,C2に蓄えられている残留電荷を短時間で放電させるためのディスチャージ指令DCHGを、MG−ECU300に出力する。MG−ECU300は、上述のように、ディスチャージ指令DCHGに従って、平滑コンデンサC1,C2に蓄えられている残留電荷を放電するような制御信号PWI1,PWI2を生成して、インバータ121,122を制御する。
また、HV−ECU350は、駆動制御システムの異常が発生した場合などに、MG−ECU300からの異常情報FSGに応答して、インバータ121,122によるモータジェネレータMG1,MG2の駆動を緊急的に停止するための緊急遮断指令HSDNを、MG−ECU300へ出力する。MG−ECU300は、上述のように、緊急遮断指令HSDNが入力されると、インバータ121,122のゲートを遮断してインバータ121,122を非駆動状態とする。
警告装置390は、HV−ECU350において、後述する緊急遮断機能の異常が検出された場合に、HV−ECU350からの異常検出信号FLTに基づいて、運転者に異常の発生を通知する。警告装置390は、たとえば、表示灯、警告ブザーまたは表示パネルなどであり、運転者に異常が発生したことを視覚的または聴覚的な手法によって通知する。
上記の緊急遮断指令HSDNが出力される場合は、駆動制御システム等に異常が発生しており、モータジェネレータMG1,MG2の駆動を速やかに停止させる必要がある。そのため、緊急遮断指令HSDNが出力される異常時には、インバータ121,122の緊急遮断機能が確実に動作しなければならない。しかし、異常が発生しない通常時には、基本的にはこの緊急遮断機能が動作することはないため、緊急遮断機能になんらかの異常が
発生して動作できない状態となっていたとしても、そのような状態を確認することが困難である。
そこで、本実施の形態においては、車両の走行(トリップ)が終了する度に、緊急遮断機能に異常が発生しているかどうかを確認するための、緊急遮断機能の異常検出制御を行なう。これによって、駆動制御システム等に異常が発生した場合に緊急遮断機能が確実に動作することが事前に確認できるとともに、緊急遮断機能に異常が発生していることを運転者に知らせて早期に点検または修理を行なうことを促すことができる。
図2は、本実施の形態のPCU200における、緊急遮断機能を説明するための図である。図2においては、図1と共通する要素については、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
図1および図2を参照して、HV−ECU350からの接続ケーブル360の接続コネクタ330が、PCU200の接続部331に接続される。
接続ケーブル360は、HV−ECU350とMG−ECU300との間で通信を行なうための通信ケーブルCNLと、緊急遮断指令HSDNを伝達するための制御ケーブルSGLとが含まれる。
MG−ECU300は、CPUを含む制御部310と、遮断指令SDN1,SDN2をそれぞれインバータ121,122に出力するための出力部320とを含む。
制御部310は、モータジェネレータMG1,MG2のモータ電流MCRT1,MCRT2および回転角θ1,θ2の検出値を受ける。そして、これらの検出値に基づいて、制御信号PWI1,PWI2を生成してインバータ121,122へ出力する。
制御部310には、接続部331を介して通信ケーブルCNLが接続される。そして、この通信ケーブルCNLによってHV−ECU350と通信することによって、ディスチャージ指令DCHGが制御部310に入力される。制御部310は、ディスチャージ指令DCHGが入力されると、平滑コンデンサC1,C2に蓄えられた残留電荷を放電するような制御信号PWI1,PWI2を生成してインバータ121,122へ出力する。
また、制御部310は、PCU200内の駆動制御システムの異常を検出した場合に、インバータ121,122を緊急停止するための遮断指令HSDN1#,HSDN2#を出力部320へ出力する。
出力部320は、選択回路321,322を含む。
選択回路321には、接続部331を介して制御ケーブルSGLが接続される。また、選択回路321には、制御部310から出力された遮断指令HSDN1#を伝達する制御線SG1が接続される。選択回路321は、たとえば、図2に示されるようなOR回路によって構成され、制御ケーブルSGLにより伝達されるHV−ECU350からの緊急遮断指令HSDN、または制御線SG1により伝達される制御部310からの遮断指令HSDN1#のうちの少なくともいずれか一方が入力された場合に、インバータ121のゲートを遮断するための遮断指令SDN1をインバータ121へ出力する。
選択回路322にも、接続部331を介して制御ケーブルSGLが接続される。また、選択回路322には、制御部310から出力された遮断指令HSDN2#を伝達する制御線SG2が接続される。選択回路322は、選択回路321と同様の構成である。選択回路322は、制御ケーブルSGLにより伝達される、HV−ECU350からの緊急遮断
指令HSDN、または制御線SG2により伝達される、制御部310からの遮断指令HSDN2#のうちの少なくともいずれか一方が入力された場合に、インバータ122のゲートを遮断するための遮断指令SDN2をインバータ122へ出力する。
選択回路321,322の構成については、上述のように、緊急遮断指令HSDN、または遮断指令HSDN1#,HSDN2#によって、インバータ121,122の遮断指令SDN1,SDN2が出力される構成であればどのような構成でも構わない。なお、出力部320内の回路は、動作の確実性を確保するために、ソフトウェアを用いないハードウェア的な回路構成とすることが好適である。
インバータ121,122は、スイッチング素子と、スイッチング素子を駆動するゲート回路(図示せず)とが統合された、インテリジェントパワーモジュール(以下、IPM「Intelligent Power Module」とも称する。)126,127をそれぞれ含む。
IPM126,127は、それぞれ制御部310からの制御信号PWI1,PWI2に従ってゲート回路を駆動することによって、スイッチング素子をオンまたはオフに制御する。また、IPM126,127は、それぞれ遮断指令SDN1,SDN2が入力された場合には、制御信号PWI1,PWI2よりも優先して、スイッチング素子のゲートをオフとするようにゲート回路を駆動する。
緊急遮断機能の異常検出制御においては、後述する図3および図4で詳細に説明するように、車両の走行終了の際にイグニッションがオフとされた場合には、ディスチャージ指令DCHGおよび緊急遮断指令HSDNの両方が、HV−ECU350からMG−ECU300に出力される。そして、MG−ECU300は、上述のように、ディスチャージ指令DCHGに従って平滑コンデンサC1,C2に蓄えられた残留電荷を放電するような制御信号PWI1,PWI2をインバータ121、122に出力する。さらに、MG−ECU300は、緊急遮断指令HSDNに従って、遮断指令SDN1,SDN2をインバータ121,122へ出力する。
このとき、緊急遮断機能が正常であれば、IPM126,127において、制御信号PWI1,PWI2よりも遮断指令SDN1,SDN2が優先されるために、ゲート回路が遮断されてインバータ121,122が非駆動状態とされる。そのため、モータジェネレータMG1,MG2には電流が流れず、電流センサ230,240では電流が検出されない。
しかしながら、HV−ECU350からインバータ121,122までの緊急遮断指令HSDNを伝達する経路に異常が発生して、緊急遮断機能が正常に動作しない場合には、遮断指令SDN1および/または遮断指令SDN2がインバータ121,122に伝達されないために、経路に異常が発生している側のインバータにおいて、制御信号PWI(PWI1,PWI2の総称)によりインバータが駆動される。これによって、モータジェネレータに電流が流れる。
したがって、HV−ECU350からディスチャージ指令DCHGおよび緊急遮断指令HSDNの両方をMG−ECU300に出力するとともに、モータジェネレータMG1,MG2に流れるモータ電流MCRT1,MCRT2を検出することで、緊急遮断機能が正常に動作するかどうかを確認することができる。
図3は、実施の形態1における、HV−ECU350で実行される緊急遮断機能の異常検出制御を説明するための機能ブロック図である。図3の機能ブロック図に記載された各機能ブロックは、HV−ECU350によるハードウェア的あるいはソフトウェア的な処
理によって実現される。
図1および図3を参照して、HV−ECU350は、指令出力部400と、電流検出部410と、電圧検出部420と、記憶部430と、異常検出部440とを含む。
指令出力部400は、イグニッション信号IG−OFFが入力されると、制御信号SEをシステムメインリレー190へ出力して、リレーSMR1,SMR2の接点を開放する。また、指令出力部400は、イグニッション信号IG−OFFが入力されると、ディスチャージ指令DCHGおよび緊急遮断指令HSDNを、それぞれ図2の通信ケーブルCNLおよび制御ケーブルSGLを経由してMG−ECU300へ出力する。
また、指令出力部400は、ディスチャージ指令DCHGおよび緊急遮断指令HSDNを、異常検出部440へ出力する。さらに、指令出力部400は、ディスチャージ指令DCHGを、電流検出部410および電圧検出部420へ出力する。
電流検出部410は、電流センサ230,240によって検出されたモータ電流MCRT1,MCRT2の検出値を受ける。また、電流検出部410は、指令出力部400からのディスチャージ指令DCHGを受ける。
そして、電流検出部410は、ディスチャージ指令DCHGが入力されている間に、所定のしきい値より大きいモータ電流MCRT1が所定期間の間継続して流れていることを検出した場合には、電流検出フラグIFLG1をオンとする。そして、電流検出部410は、この電流検出フラグIFLG1を記憶部430および異常検出部440へ出力する。
また同様に、電流検出部410は、ディスチャージ指令DCHGが入力されている間に、所定のしきい値より大きいモータ電流MCRT2が所定期間の間、継続して流れていることを検出した場合には、電流検出フラグIFLG2をオンとする。そして、電流検出部410は、この電流検出フラグIFLG2を記憶部430および異常検出部440へ出力する。
電圧検出部420は、電圧センサ170,180によって検出された平滑コンデンサC1,C2の電圧VL,VHの検出値を受ける。また、電圧検出部420は、指令出力部400からのディスチャージ指令DCHGを受ける。
そして、電圧検出部420は、ディスチャージ指令DCHGが入力されている間に、電圧VHがディスチャージ指令DCHGの入力開始時から所定のしきい値まで低下したことを検出した場合には、電圧低下フラグVFLGをオンとする。そして、電圧検出部420は、この電圧低下フラグVFLGを記憶部430および異常検出部440へ出力する。
なお、上記においては、平滑コンデンサC2の電圧VHによって電圧低下フラグVFLGを設定したが、電圧VHに代えて電圧VLによって電圧低下フラグVFLGを設定するようにしてもよい。
記憶部430は、電流検出部410からの電流検出フラグIFLG1,IFLG2と、電圧検出部420からの電圧低下フラグVFLGとを受ける。そして、記憶部430は、電流検出フラグIFLG1,IFLG2がオンとなった場合には、電流検出フラグIFLG1#,IFLG2#として記憶する。また、記憶部430は、電圧低下フラグVFLGがオンになった場合には、電圧低下フラグVFLG#として記憶する。
そして、記憶部430は、異常検出部440の要求にしたがって、記憶した電流検出フ
ラグIFLG1#,IFLG2#および電圧低下フラグVFLG#を、異常検出部440へ出力する。
異常検出部440は、指令出力部400からディスチャージ指令DCHGおよび緊急遮断指令HSDNを受ける。異常検出部440は、電流検出部410および電圧検出部420から、電流検出フラグIFLG1,IFLG2および電圧低下フラグVFLGをそれぞれ受ける。また、異常検出部440は、記憶部430から、電流検出フラグIFLG1#,IFLG2#および電圧低下フラグVFLG#を受ける。
異常検出部440は、ディスチャージ指令DCHGおよび緊急遮断指令HSDNが入力されている間の、電流検出フラグIFLG,IFLG#および電圧低下フラグVFLG,VFLG#の状態に基づいて、緊急遮断機能の異常の有無を検出する。そして、異常検出部440は、緊急遮断機能の異常を検出した場合には、警告装置390に、異常検出信号FLTを出力して、運転者に緊急遮断機能に異常が発生していることを通知する。
図4は、実施の形態1における、HV−ECU350で実行される緊急遮断機能の異常検出制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。図4を始めとして、以降の図6、図7および図9に示すフローチャート中の各ステップについては、HV−ECU350に予め格納されたプログラムがメインルーチンから呼び出されて、所定周期で実行することによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
図1および図4を参照して、HV−ECU350は、ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、イグニッション信号IG−OFFによって、イグニッションがオフとなりシステムメインリレー190が開放されたか否かを判定する。
IG−OFFが入力されている場合(S100にてYES)は、処理がS110に進められ、HV−ECU350は、図3の指令出力部400によってインバータ121,122のゲート回路を遮断させるために緊急遮断指令HSDNをMG−ECU300に出力するとともに、平滑コンデンサC1,C2の残留電荷を放電させるようにディスチャージ指令DCHGをMG−ECU300に出力する。
次に、HV−ECU350は、電流センサ230,240により、インバータ121,122のモータ電流MCRT1,MCRT2が検出されたか否かを判定する。具体的には、HV−ECU350は、図3の電流検出部410において、所定のしきい値Ithより大きいモータ電流が、所定の期間継続して流れた場合に、モータ電流が検出されたと判定し、電流検出フラグIFLGをオンに設定する。このような条件とする理由は、ノイズ等の影響による瞬間的な電流値の増加を検出することによる誤判定を防止するためである。なお、モータ電流の検出については、インバータ121,122についてそれぞれ個別に行なわれ、少なくともいずれか一方のモータ電流が検出されたか否かが判定される。
モータ電流が検出されなかった場合(S120にてNO)は、次にS130に処理が進められ、HV−ECU350は、ディスチャージ指令DCHGが出力されてから所定期間経過したか否かを判定する。
所定期間が経過していない場合(S130にてNO)は、処理がS110に戻され、HV−ECU350は、緊急遮断指令HSDNおよびディスチャージ指令DCHGを継続して出力する(S110)とともに、モータ電流の検出判定(S120)を繰り返す。
一方、所定期間が経過した場合(S130にてYES)は、その所定期間中にモータ電
流が検出されていないので、HV−ECU350は、S140にて、緊急遮断機能が正常に動作していると判定する。
そして、HV−ECU350は、S150にて、指令出力部400からの緊急遮断指令HSDNおよびディスチャージ指令DCHGの出力を停止する。その後、処理がメインルーチンに戻される。
一方、所定期間が経過するまでに、いずれかのモータ電流が検出された場合(S120にてYES)は、HV−ECU350は、S160にて、図3の異常検出部440によって緊急遮断機能が異常であると判定する。具体的には、異常検出部440によって電流検出フラグIFLGがオンであることが検出されると、緊急遮断機能が異常であると判定される。
そして、HV−ECU350は、S170にて、異常検出信号FLTを警告装置390に出力して、運転者に緊急遮断機能が異常であることを通知する。その後、処理がS150に進められ、緊急遮断指令HSDNおよびディスチャージ指令DCHGの出力が停される。そして、処理がメインルーチンに戻される。
一方、IG−OFFが入力されていない場合(S100にてNO)は、本異常検出制御は実行されないため、S110〜S170までの処理がスキップされて、処理がメインルーチンに戻される。
このような処理に従って制御することにより、車両の走行が終了し、イグニッションがオフにされる度に、緊急遮断機能を実際に動作させて機能が正常であるかどうかの検証を行なうことができる。これによって、緊急遮断機能の異常を早期に発見できるとともに、万一、駆動制御システムの異常が発生した場合に、緊急遮断機能が確実に動作することが保障される。
なお、上記で説明した本実施の形態1における異常検出制御では、図2における制御部310が駆動制御システムの異常を検出した場合に選択回路321,322へ遮断指令HSDN1#,HSDN2#を伝達するための制御線SG1,SG2が異常であることを特定できない。しかしながら、この制御線SG1,SG2は、パッケージ化されたMG−ECU300内部の配線であるので、HV−ECU350とPCU200との間を接続する接続ケーブル360や、MG−ECU300とインバータ121,122との間を接続する配線と比較して配線の長さが短く、またコネクタやカプラなどの接続箇所も少ないため、相対的に故障が発生し難いと考えられる。
また、遮断指令HSDN1#,HSDN2#による緊急遮断に加えて、MG−ECU300で検出した駆動制御システムの異常情報をHV−ECU350に通信ケーブルCNLによって伝達するとともに、伝達された異常情報FSGに基づいてHV−ECU350から緊急遮断指令HSDNが同時に出力されるので、たとえ制御線SG1,SG2に異常が存在する場合であっても、少なくともHV−ECU350からの緊急遮断指令HSDNによって緊急遮断機能が動作することが保障される。
なお、上記の説明では、この緊急遮断機能の異常検出制御を車両の走行終了時に行なうこととしたが、これに代えて車両始動時に本制御を行なうことも可能である。しかし、本緊急遮断機能の異常検出制御では、上述のように平滑コンデンサC1,C2に蓄えられた電荷を使用する。そのため、車両始動時に本制御を行なう場合には平滑コンデンサC1,C2を予め充電することが必要となる。したがって、すでに平滑コンデンサC1,C2に電荷が残っている状態であり、かつこの残留電荷の放電が必要となる車両の走行終了時に
本制御を行なうことが、蓄電装置の電力の無駄な消費を防止する観点からも好適である。
また、実施の形態1においては、システムメインリレー190が開放されていない場合でも、蓄電装置150からの電力を用いて上記の本緊急遮断機能の異常検出制御を行なうことも可能である。
[実施の形態1の変形例]
上述の実施の形態1においては、モータジェネレータMG1,MG2のいずれかに電流が流れた場合に、緊急遮断機能が正常であるか異常であるかについて判定した。
実施の形態1の変形例では、緊急遮断機能の異常判定において、さらに駆動制御システムのおよその異常原因箇所を特定する手法について説明する。
図5は、実施の形態1の変形例における、異常原因箇所の判定手法を説明するための図である。
図5を参照して、HV−ECU350は、図2および図4で説明したように、接続ケーブル360を介してPCU200と接続される。接続ケーブル360の接続コネクタ340は、HV−ECU350の接続部341に接続される。また、接続ケーブル360の接続コネクタ330は、上述のようにPCU200の接続部331に接続される。
そして、HV−ECU350内の指令出力部400から出力されたディスチャージ指令DCHGが、通信ケーブルCNLによってMG−ECU300の制御部310に伝達される。また、HV−ECU350内の指令出力部400から出力された緊急遮断指令HSDNが、制御ケーブルSGLによって、MG−ECU300の出力部320内の選択回路321,322に伝達される。
このとき、インバータおよびモータジェネレータを複数備える車両において、図5のように、緊急遮断指令HSDNがMG−ECU300内で分岐されて、選択回路321,322に伝達されるような構成では、異常原因の箇所によって、モータ電流が検出されるインバータ(すなわち、緊急遮断機能の異常が検出された側のインバータ)の数が異なる場合がある。
たとえば、複数のインバータのうちの全部のインバータにおいて異常が発生している場合には、緊急遮断指令HSDNが分岐するよりもHV−ECU350側、すなわち図5中の破線DT1よりもHV−ECU350の側に異常原因が存在する可能性が高くなる。
一方、複数のインバータのうちの一部のインバータにおいて異常が発生している場合には、各インバータに対して個別の回路を有する側、すなわち図5中の破線DT1よりもインバータ121、122側に異常原因が存在する可能性が高くなる。
緊急遮断機能が異常と判定された場合に、接続ケーブル360、接続コネクタ330,340および接続部331,341については、導通チェックなどを行なうことによって比較的容易に正常か異常かを確認することができるが、HV−ECU350やPCU200などの内部のトランジスタ等が故障しているような場合は、HV−ECU350側の故障であるのか、それともPCU200側の故障であるのかを、車両のディーラーで判断することは困難である。
したがって、このように、インバータおよびモータジェネレータを複数備える車両である場合に、実施の形態1において説明した緊急遮断機能の異常判定により異常と判定した
インバータが、複数のインバータのうちの全部であるか一部であるかを判定することによって、およその異常原因箇所を特定することができる。その結果、異常原因の究明および修理を容易にすることができる。
図6は、実施の形態1の変形例において、図4のステップS160で実行される、異常原因箇所特定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
図4および図6を参照して、S120にてモータ電流が検出されて(S120にてYES)、S160に処理が進められると、HV−ECU350は、S161にて、モータジェネレータMG1においてモータ電流MCRT1が検出されたか否かを判定する。
モータジェネレータMG1においてモータ電流MCRT1が検出された場合(S161にてYES)は、HV−ECU350は、S162にて、モータジェネレータMG1の緊急遮断機能が異常であると判定する。
モータジェネレータMG1においてモータ電流MCRT1が検出されなかった場合(S161にてNO)は、S162はスキップされる。
次に、HV−ECU350は、S163にて、モータジェネレータMG2においてモータ電流MCRT2が検出されたか否かを判定する。
モータジェネレータMG2においてモータ電流MCRT2が検出された場合(S163にてYES)は、HV−ECU350は、S164にて、モータジェネレータMG2の緊急遮断機能が異常であると判定する。
モータジェネレータMG2においてモータ電流MCRT2が検出されなかった場合(S163にてNO)は、S164はスキップされる。
そして、HV−ECU350は、S165にて、全てのモータジェネレータで異常が検出されているか否かを判定する。
全てのモータジェネレータで異常が検出されている場合(S165にてYES)は、HV−ECU350は、複数のモータジェネレータに対して緊急遮断指令HSDNが共通となっている、HV−ECU350または接続ケーブル360側(接続コネクタおよび接続部含む。)に異常原因が存在する可能性が高いと判定する。
一方、一部のモータジェネレータで異常が検出されている場合(S165にてNO)は、HV−ECU350は、複数のモータジェネレータの各々で緊急遮断信号が独立となっているPCU200側に異常原因が存在する可能性が高いと判定する。
そして、図4のS170に処理が戻されて、異常検出信号FLTを警告装置390に出力することによって、異常原因が存在する可能性の高いと思われる箇所を運転者に通知する。
このような処理に従って制御することによって、複数のインバータおよびモータジェネレータを有する車両の駆動制御システムにおいて、緊急遮断機能の異常を早期に発見できるとともに、異常が発生した場合に、異常原因が存在しているおよその箇所を特定することが可能となる。
[実施の形態2]
実施の形態1およびその変形例においては、モータ電流が検出されたか否かによって緊急遮断機能の異常を判定した。しかしながら、モータ電流のみの検出では、外部からのノイズなどによって誤判定となる可能性が考えられる。
実施の形態2においては、モータ電流の検出に加えて、電圧センサ170,180で検出された電圧VH,VLによって平滑コンデンサC1,C2の電荷抜けを判断することで、誤って異常と判定してしまう誤判定防止を行なう構成について説明する。
実施の形態1における緊急遮断機能の異常検出制御において、緊急遮断機能が正常に動作しなかった場合には、ディスチャージ指令DCHGによってインバータが駆動されて、平滑コンデンサC1,C2に蓄えられている残留電荷が放電されるために、電圧VH,VLがしだいに低下する。したがって、モータ電流の検出に加えて、電圧VHおよび/または電圧VLの電圧低下を検出することによって、異常判定の精度を向上することができる。
なお、以下の説明においては、平滑コンデンサC2の電圧VHを検出する場合について説明するが、電圧VHに代えて平滑コンデンサC1の電圧VLを検出するようにしてもよいし、電圧VH,VLの両方を検出するようにしてもよい。
図7は、実施の形態2における、HV−ECU350で実行される異常検出制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。図7は、実施の形態1における図4のフローチャートにステップS115が追加されたものとなっている。図7において、図4と重複するステップの説明は繰り返さない。
図1および図7を参照して、S110にて緊急遮断指令HSDNおよびディスチャージ指令DCHGが出力されると、次に処理がS115に進められる。
HV−ECU350は、S115にて、電圧センサ180で検出された電圧VHが低下したか否かを判定する。具体的には、電圧VHが所定の電圧しきい値Vthより小さくなったか否かを検出するようにしてもよいし、S110にてディスチャージ指令DCHGが出力開始された時点の電圧VHからの低下量ΔVHが、所定のしきい値ΔVthより大きくなったか否かを検出するようにしてもよい。また、電圧の検出においても検出信号の瞬間的なノイズ等の影響を排除するために、電圧低下を判定する条件が所定の期間継続して成立している場合に電圧の低下が発生したと判定される。そして、電圧の低下が検出された場合には、電圧低下フラグVFLGがオンに設定される。
電圧VHが低下したことが検出されなかった場合(S115にてNO)は、S120によるモータ電流の検出判定がスキップされ、S130に処理が進められる。
電圧VHが低下したことが検出された場合(S115にてYES)は、S120に処理が進められて、実施の形態1と同様にモータ電流が検出されたか否かが判定される。
以上のような処理に従って制御することによって、平滑コンデンサC1,C2の電荷抜け(電圧低下)が発生し、かつモータ電流が検出された場合に、緊急遮断機能が異常であることが判定される。これによって、緊急遮断機能の異常検出制御において、異常判定の精度を向上することができる。
なお、実施の形態2においても、複数のインバータおよびモータジェネレータを有する駆動制御システムでは、実施の形態1の変形例を適用することができる。
[実施の形態3]
実施の形態2においては、緊急遮断機能の異常検出制御での異常判定の精度を向上させるために、モータ電流の検出に加えて、平滑コンデンサC1,C2の電荷抜け(電圧低下)を検出する構成について説明した。実施の形態2においては、図7のフローチャートからわかるように、電圧VHの低下とモータ電流の検出が同時に発生した場合に、緊急遮断機能が異常であることが判定される。
しかしながら、各センサにより検出される信号は、ノイズ対策のためのフィルタ処理や平均化処理が行なわれたり、演算処理などのために実際の信号の変化に対して、検出値の変化に遅れが生じたりする場合がある。そのため、電圧低下の検出と、モータ電流の検出の条件が同時に発生しない可能性がある。
たとえば、図8は、緊急遮断機能の異常が発生した場合の、モータ電流MCRT1,MCRT2とインバータ入力電圧(すなわち、平滑コンデンサC2の電圧VH)の波形の一例を示す図である。図8の横軸には時間が示され、縦軸はモータ電流MCRT1,MCRT2および電圧VHが示される。なお、図8においては、モータジェネレータMG1,MG2の両方の駆動制御システムにおいて緊急遮断機能の異常が発生している場合の例が示される。
車両100が停車状態の時に、時刻t1において、イグニッションがオフにされてシステムメインリレー190が開放されると、緊急遮断指令HSDNおよびディスチャージ指令DCHGが出力される。図8においては、モータジェネレータMG1,MG2の両方の駆動制御システムで、緊急遮断機能の異常が発生しているため、ディスチャージ指令DCHGによって、モータ電流MCRT1,MCRT2の両方が流れ始める。
そして、時刻t2において、モータ電流MCRT1,MCRT2が所定のしきい値Ith1,Ith2より大きくなる。
一方、モータジェネレータMG1,MG2による、平滑コンデンサC2の残留電荷の放電が進むにつれて電圧VHは低下するが、フィルタ処理などによってモータ電流の上昇に対して電圧VHの低下が遅れ、時刻t3になったときに、電圧VHは所定のしきい値Vthより小さくなる。ところが、モータ電流MCRT1,MCRT2については、時刻t3においては、すでに所定のしきい値値Ith1,Ith2より小さくなっている。そのため、このような状態においては、実施の形態2では、実際には緊急遮断機能の異常が発生しているにもかかわらず、異常が検出されないことになる。
そこで、実施の形態3においては、電圧VHの低下が発生したこと、およびモータ電流が検出されたことをHV−ECU350にて個別に記憶しておき、その記憶した情報に基づいて緊急遮断機能の異常を判定する。これによって、図8の場合のように、電圧低下と電流検出のタイミングが不一致となることによる誤判定を防止する。
なお、実施の形態3においても、平滑コンデンサC2の電圧VHを検出する場合について説明するが、電圧VHに代えて平滑コンデンサC1の電圧VLを検出するようにしてもよいし、電圧VH,VLの両方を検出するようにしてもよい。
図9は、実施の形態3における、HV−ECU350で実行される異常検出制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。図9は、実施の形態2の図7フローチャートに、ステップS116、S121およびS125が追加されたものとなっている。図9において、図4および図7と重複するステップの説明は繰り返さない。
図1および図9を参照して、S110にて緊急遮断指令HSDNおよびディスチャージ指令DCHGを出力すると、次に処理がS115に進められる。
HV−ECU350は、S115にて、電圧VHが低下したか否かを判定する。
電圧VHが低下した場合(S115にてYES)は、処理がS116に進められ、HV−ECU350は、電圧低下フラグVFLG#をオンとして、図3の記憶部430に記憶する。その後、処理がS120に進められる。
電圧VHが低下していない場合(S115にてNO)は、S116の処理がスキップされてS120に処理が進められる。
HV−ECU350は、S120にて、モータ電流が検出されたか否かを判定する。
モータ電流が検出された場合(S120にてYES)は、処理がS121に進められ、HV−ECU350は、電流検出フラグIFLG#(IFLG1#および/またはIFLG2#)をオンとして、図3の記憶部430に記憶する。その後、処理がS125に進められる。
モータ電流が検出されていない場合(S120にてNO)は、S121の処理がスキップされてS125に処理が進められる。
次に、HV−ECU350は、S125にて、電圧低下フラグVFLG#および電流検出フラグIFLG#のいずれもがオンしているか否かを判定する。このとき、電流検出フラグIFLG#については、IFLG1#およびIFLG2#のいずれか一方のみがオンであってもよいし、両方がオンであってもよい。
電圧低下フラグVFLG#および電流検出フラグIFLG#の両方がオンの場合(S125にてYES)は、処理がS160に進められ、HV−ECU350は、緊急遮断機能が異常であると判定する。
一方、電圧低下フラグVFLG#および電流検出フラグIFLG#の少なくとも一方がオフの場合(S125にてNO)は、S130に処理が進められる。
このようにすることで、電圧VHの電圧低下を検出するタイミングと、モータ電流を検出するタイミングとが異なっている場合であっても、S130における所定期間内、すなわち緊急遮断機能の異常検出の実行期間内に、電圧VHの電圧低下およびモータ電流の両方が検出された場合には、緊急遮断機能の異常と判定することができる。その結果、電圧低下と電流検出のタイミングが不一致となることによる誤判定を防止できるので、緊急遮断機能の異常検出制御において、異常判定の精度をさらに向上することができる。
なお、実施の形態3においても、複数のインバータおよびモータジェネレータを有する駆動制御システムでは、実施の形態1の変形例を適用することができる。
[実施の形態4]
上述の実施の形態1から実施の形態3においては、いずれも、車両の走行が終了し、イグニッションがオフにされた場合に、イグニッションがオフにされたときの状態から緊急遮断機能を実際に動作させて、機能が正常であるかどうかの検証を行なう構成について説明した。
ここで、平滑コンデンサC2の電圧VHは、モータジェネレータMG1,MG2の出力に応じて定められるので、車両の走行が終了した際には、電圧VHがあまり大きくない場
合がある。特に、コンパクトカーのように定格出力が比較的小さいような車両の場合では、車両走行終了時の電圧VHが、高出力の車両よりもさらに低くなる可能性が考えられる。このように、電圧VHが低い状態で、上述のような緊急遮断機能の異常検出制御を行なった場合、回路に流れる電流の大きさが小さく、電流の流れる時間が短いために、適切に異常検出できない場合が発生することが考えられる。
図10は、電圧VHの大きさの違いによる緊急遮断機能の異常検出制御に生じる問題を説明するための図である。
図10を参照して、コンデンサ500の両端に負荷520が接続され、さらにコンデンサ500と負荷520との間に直列にスイッチ510が接続された回路が示される。図10において、コンデンサ500、スイッチ510および負荷520は、図1における平滑コンデンサC2、インバータ120およびモータジェネレータMG1,MG2にそれぞれ相当する。
今、スイッチ510の接点が開放されている状態(図10の左図)において、コンデンサ500の両端の電圧がVcであり、コンデンサ500の静電容量をCとして、Q=C・Vcの電荷が蓄えられている状態から、スイッチ510の接点を閉じて、コンデンサ500に蓄えられた電荷を負荷(抵抗値R)によって消費させる場合を考える。
スイッチ510を閉じてΔtの微小時間が経過した場合(図10の右図)の、回路を流れる電流をI、コンデンサ500の電圧低下量をΔVcとすると、このΔtの時間においてコンデンサ500から放出されるエネルギΔE1は、式(1)のように表わすことができる。
ΔE1=C・Vc2/2−C・(Vc−ΔVc)2/2 … (1)
ここで、VcがΔVcより十分大きいこと(Vc≫ΔVc)を考慮して、式(1)を変形すると式(2)のようになる。
ΔE1≒C・Vc・ΔVc … (2)
一方、このΔtの時間において、負荷520で消費されるエネルギΔE2は、式(3)で表わすことができる。
ΔE2=R・I2・Δt … (3)
コンデンサから放出されたエネルギが、すべて負荷520によって消費されるとすると、ΔE1=ΔE2の関係が成立し、式(2)および式(3)から、以下の関係が導き出せる。
C・Vc・ΔVc=R・I2・Δt … (4)
式(4)をさらに変形すると式(5)のようになる。
ΔVc=R・I2・Δt/(C・Vc) … (5)
これより、スイッチ520を閉じる前にコンデンサ500にかかる電圧Vcが小さいと、電圧低下量ΔVcが大きくなることがわかる。すなわち、電圧Vcの初期値が小さい場合には電圧が速く低下する。そうすると、結果的に回路に流れる電流が小さくなり、コンデンサ500に蓄えられた電荷の放電時間も短くなってしまう。
図11は、図10において、スイッチ520を閉じる前のコンデンサ500にかかる電圧Vcの大きさを変えたときの、負荷520に流れる電流の時間的変化の一例を示した図である。図11においては、コンデンサ500にかかる電圧Vcが大きい場合を図11中
の破線W10で表わし、電圧Vcが小さい場合を図11中の実線W20で表わす。
図11を参照して、上述のように電圧Vcが小さい場合には、電圧Vcが大きい場合と比較して電圧Vcが速く低下するため、時間とともに回路を流れる電流Iも小さくなる。さらに、もともと蓄えられているエネルギも小さいため、早期に電荷の放電が終了してしまう。
上述の緊急遮断機能の異常検出制御においては、基本的に、ディスチャージ指令を出力している間のモータジェネレータMG1,MG2に流れる電流を検出することによって異常の有無を判断する。そのため、このようにモータジェネレータMG1,MG2に流れる電流が小さくなり、かつ電流の流れる時間が短くなってしまうと、電流検出値が電流センサの検出誤差に埋もれてしまったり、検出時間が短すぎることによってHV−ECU350が電流を適切に検出できない可能性がある。そうすると、異常が検出できなかったり、反対に判定のしきい値を低く設定することによって誤って異常を検出したりするおそれがある。
そこで、実施の形態4では、実際の異常判定処理を行なう前に、平滑コンデンサC2の電圧VHを所定の電圧まで昇圧する機能が追加された、緊急遮断機能の異常検出制御について説明する。このようにすることで、緊急遮断機能の異常検出制御を行なう際にはいつでも、所定の値以上の大きさの電流を流すことができるとともに、電流の検出が可能な時間を十分に確保することができる。その結果、緊急遮断機能の異常検出制御における誤検出を低減することが可能となる。
図12は、実施の形態4における、HV−ECU350で実行される緊急遮断機能の異常検出制御を説明するための機能ブロック図である。図12は、実施の形態1で説明した図4における指令出力部400が、指令出力部400Aに置き換わったものとなっている。図12の説明においては、図4と重複する機能ブロックの説明は繰り返さない。
図12を参照して、指令出力部400Aは、イグニッション信号IG−OFF、MG−ECU300からの異常情報FSGおよび電圧センサ180から平滑コンデンサC2の電圧VHの検出値を受ける。
指令出力部400Aは、イグニッション信号IG−OFFが入力されると、MG−ECU300に対して昇圧信号BSTを出力し、平滑コンデンサC2を所定の電圧まで昇圧させる。なお、この所定の電圧については、予め定められた固定値に設定してもよいし、車両の状態等に応じて可変に設定してもよい。また、昇圧信号BSTについては、昇圧目標値を出力するようにしてもよいし、1つの固定値の場合にはオンまたはオフの信号でもよい。あるいは、昇圧信号BSTは、HV−ECU350とMG−ECU300との間で予め定められた目標電圧値を表わすコードを出力するようにしてもよい。
そして、指令出力部400Aは、平滑コンデンサC2の電圧VHが上記の目標電圧まで昇圧したことを検出すると、制御信号SEをシステムメインリレー190へ出力して、リレーSMR1,SMR2の接点を開放する。さらに、指令出力部400Aは、ディスチャージ指令DCHGおよび緊急遮断指令HSDNを、それぞれ通信ケーブルCNLおよび制御ケーブルSGLを経由してMG−ECU300へ出力する。
また、指令出力部400Aは、ディスチャージ指令DCHGおよび緊急遮断指令HSDNを、異常検出部440へ出力する。さらに、指令出力部400Aは、ディスチャージ指令DCHGを、電流検出部410および電圧検出部420へ出力する。
図13は、実施の形態4における、PCU200における緊急遮断機能を説明するための図である。図13は、実施の形態1で説明した図2において、制御部310が制御部310Aに置き換わったものとなっている。
図13における制御部310Aは、図2の制御部310の機能に加えて、図12で説明したHV−ECU350からの昇圧信号BSTを受けた場合に、この昇圧信号BSTに基づいて制御信号PWCをコンバータ110に出力して、平滑コンデンサC2の電圧VHが所定の電圧となるようにコンバータ110を制御する機能をさらに有する。それ以外は、図1および図2における説明と同じであるので、それらの説明は繰り返さない。
図14は、実施の形態4における、HV−ECU350で実行される緊急遮断機能の異常検出制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。図14は、実施の形態1で説明した図4のフローチャートにおけるステップS100がS100Aに置き換わるとともに、S101〜S103が追加されたものとなっている。図14において、図4と重複するステップの説明は繰り返さない。
なお、以下の説明においては、実施の形態1に対して事前に平滑コンデンサC2を昇圧する機能(事前昇圧機能)を追加した場合について説明するが、実施の形態2および実施の形態3についても同様に、事前昇圧機能の適用が可能である。すなわち、実施の形態2および実施の形態3において説明した図7および図9に対して、図14と同様に、S100をS100Aに置き換えるとともにS101〜S103を追加することも可能である。
図1および図14を参照して、HV−ECU350は、S100Aにて、イグニッション信号IG−OFFがオフとされたか否かを判定する。
イグニッション信号IG−OFFがオフとされた場合(S100AにてYES)は、処理がS101に進められ、HV−ECU350は、MG−ECU300に対して昇圧指令BSTを出力する。MG−ECU300は、この昇圧指令BSTに対応して、平滑コンデンサC2の電圧VHが所定の目標値となるようにコンバータ110を制御する。
次に、HV−ECU350は、S102にて、平滑コンデンサC2の電圧VHが所定のしきい値より大きいか否か、すなわち平滑コンデンサC2の電圧VHが所定の目標値まで昇圧できたか否かを判定する。
平滑コンデンサC2の電圧VHが所定のしきい値以下の場合(S102にてNO)は、再び処理がS102に戻されて、HV−ECU350は、平滑コンデンサC2の電圧VHが所定のしきい値より大きくなるまで待つ。
平滑コンデンサC2の電圧VHが所定のしきい値より大きい場合(S102にてYES)は、HV−ECU350は、昇圧動作を停止させるとともに、S103にて、制御信号SEを出力してシステムメインリレー190を開放する。
S110以降の処理は、図4と同様であるので説明は繰り返さない。
一方、IG−OFFが入力されていない場合(S100AにてNO)は、本異常検出制御は実行されないため、処理がメインルーチンに戻される。
以上のような処理にしたがって制御を行なうことで、車両の運転が終了してイグニッション信号IG−OFFがオフとされた場合に、平滑コンデンサC2の電圧VHを所定の目標値まで昇圧した後に緊急遮断機能の異常検出を行なうことができる。これによって、異常検出が十分できるような電流の大きさ、および電流の流れる時間を確保することができ
るので、緊急遮断機能の異常検出における誤検出を抑制することができる。
なお、本実施の形態4においても、複数のインバータおよびモータジェネレータを有する駆動制御システムでは、実施の形態1の変形例を適用することができる。
なお、本実施の形態およびその変形例において、PCU200の構成については、コンバータ110を省略して、蓄電装置150の出力電圧をそのままインバータ121,122の直流側電圧とすることも可能である。
なお、本実施の形態における「モータジェネレータMG1,MG2」は、本発明の「回転電機」の一例である。本実施の形態における「システムメインリレー190」は、本発明の「開閉器」の一例である。本実施の形態における「HV−ECU350」は、本発明の「制御装置」の一例である。本実施の形態における「インバータ120」は、本発明の「電力変換器」の一例である。本実施の形態における「蓄電装置150」は、本発明の「電源装置」の一例である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。