JP5287075B2 - 回路基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、各種電子機器に利用される回路基板の製造方法に関するものであり、複数層の回路パターンを導電性ペーストでインナービアホール接続してなる多層の回路基板等を製造する過程における離型フィルムの剥離方法に関するものである。
近年の電子機器の小型化・高密度化に伴って、電子部品を搭載する回路基板も従来の片面基板から、両面、多層基板の採用が進み、より多くの回路及び部品を基板上に集積可能な高密度基板が開発されている。
従来の回路基板の製造についての一例を以下に説明する。
近年、電子機器の小型化、高密度化に伴い、産業用にとどまらず民生用の分野においても多層基板が強く要望されるようになってきた。
特に多層基板の高密度化は回路パターンの微細化が進み、より複数層の回路パターンとともに基板の薄板化が望まれている。
このような回路基板では、複数層の回路パターンの間をインナービアホール接続する接続方法および信頼度の高い構造の新規開発が不可欠なものになっているが、導電性ペーストによりインナービアホール接続した高密度の回路基板が開発されている。
従来の導電性ペーストによるインナービアホール接続の2層基板の製造方法についての一例を以下に説明する。
図7(a)〜(e)は、従来の両面の回路基板の製造方法の工程断面図であり、図8は剥離きっかけ部の形成を説明するための平面図、図9は、図8の剥離きっかけ部A−A’部断面図である。
図7において、21はプリプレグシートであり、例えば不織布の全芳香族ポリアミド繊維やガラスクロスに熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させた複合材からなる基材が用いられる。
プリプレグシート21の表裏には離型層部を形成したプラスチックフィルム、例えばポリエチレンテレフタレートなどからなる離型フィルム22a,22bが接着されている。23は貫通孔であり、プリプレグシート21の表裏に貼り付ける銅などの金属箔25a,25bと電気的に接続する銅などの導電性粒子とエポキシ系樹脂などからなる導電性ペースト24が充填されている。
まず、図7(a)に示すように、ロールラミネート法を用いて枚葉のプリプレグシート21の両面に離型フィルム22a,22bを接着する。
離型フィルム22a,22bは導電性ペースト24充填時のマスクフィルムとして用いられ、導電性ペースト24の充填後は不要となり剥離する必要がある。
後述する離型フィルムの剥離工程において、プリプレグシート21から離型フィルム22a,22bを剥離する際に、離型フィルム22a,22bを容易に保持し、確実に離型フィルム22a,22bを剥離する必要がある。このため、図8や図9に示すようにロールラミネート法でプリプレグシート21の両面に離型フィルム22a,22bが接着された後で、連続して搬送されるプリプレグシート21と離型フィルム22a,22bの間に金属材の鋼材などでなる断面がコ字状の治具27を挿入してプリプレグシート21の片側端の離型フィルム22a,22bを剥がして未着部分、すなわち、剥離きっかけ部26を形成する。
次に図7(b)に示すように、レーザ加工法などを利用して貫通孔23が形成され、その後図7(c)に示すように、貫通孔23にスキージング法などを用いて導電性ペースト24が充填される。
そして、図7(d)に示すように、導電性ペースト24充填後、不要になった離型フィルム22a,22bを図7(a)で形成した剥離きっかけ部26を利用して、離型フィルム22a,22bが剥離される。
そして、図7(e)に示すように、プリプレグシート21の表裏に銅などの金属箔25a,25bが配置され、熱プレスにて加熱加圧することにより、成型硬化させてプリプレグシート21と金属箔25a,25bが接着されるとともに、表裏の金属箔25a,25bは所定位置に設けた貫通孔23に充填された導電性ペースト24により電気的に接続される。
そして、両面の金属箔25a,25bを選択的にエッチングして回路パターンが形成され(図示せず)両面の回路基板が得られる。
図7では離型フィルム22a,22bの剥離きっかけ部26の形成を離型フィルム22a,22bをプリプレグシート21にロールラミネート法で接着した後、連続して搬送されるプリプレグシート21と離型フィルム22a,22bの間に金属材の鋼材などでなる断面がコ字状の治具27を挿入してプリプレグシート21の片側端の離型フィルム22a,22bを剥がして剥離きっかけ部26を形成している。
なお、上記の導電性ペースト24のマスクフィルム用として用いる離型フィルム22a,22bの場合とは異なるものの、回路形成等の他の回路基板の製造プロセスにおいては、金属箔25a,25bを選択的にエッチングする際にエッチングレジストを形成する材料として用いられる感光性ドライフィルムの保護フィルムも露光完了後不要となり、剥がされるフィルムである。剥離の方法としてはエッチング前に振動ペンで傷を付けた保護フィルムにエアーを吹き付けて剥離する方法(図示せず)が一般的に用いられている。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1〜特許文献3が知られている。
特開平6−268345号公報 特開平8−181489号公報 特開平10−303555号公報
しかしながら、上記のように、治具27を用いた離型フィルムの剥離きっかけ部の形成方法や回路基板の製造プロセスにおけるドライフィルムの保護フィルム剥離方法のように、振動ペンで傷を付けた保護フィルムにエアーを吹き付けて剥離きっかけ部を形成する方法では、破壊しやすいBステージの樹脂をベースにしたプリプレグシートに振動ペンによる傷つけ時や、エアーの吹き付け時にプリプレグシートの折れや破断によって飛散したプリプレグシートの樹脂成分が貫通孔上に付着して接続不良の原因となるなど、特にプリプレグシートの板厚が薄いものを用いる場合ほどプリプレグシートの強度が低下していくため、プリプレグシートを破壊することなく剥離きっかけ部を形成することが困難となる。
また、上記のような剥離フィルムの剥離方法や回路基板の製造法では、貫通孔形成前に離型フィルムに剥離きっかけ部を形成する場合は離型フィルム後のプリプレグシートの寸法ばらつきが発生して、金属箔パターンと導電性ペーストを充填した貫通孔との位置ずれによる接続不良やショートの原因となる場合もある。この従来の課題を図面を用いて以下に説明する。
図10は、従来例における課題を説明するための平面図であり、プリプレグシートの両面に離型フィルムを接着し、片側端の離型フィルムを剥がして剥離きっかけ部26を形成した離型フィルム付きのプリプレグシート30に対する離型フィルムの圧縮応力強度の分布を示したものである。
ラミネータを用いたプリプレグシートへの離型フィルムの接着は、離型フィルムへの張力やラミネータの温度・圧力によって離型フィルムは伸ばされた状態でプリプレグシートに接着される。そのため、離型フィルム付きプリプレグシート30には離型フィルムの圧縮応力28が加わった状態となるが、離型フィルムの一部を剥がした剥離きっかけ部26は離型フィルムの圧縮応力が開放した状態となり、圧縮応力が存在しない部分もしくは僅かに残る程度の部分となる。この状態で貫通孔の加工がされ導電性ペーストが充填された後、離型フィルムが剥がされる。
離型フィルム付きプリプレグシート30から離型フィルムが剥がされると、離型フィルムの圧縮応力28が開放されたプリプレグシートは、圧縮応力28と反対側に伸びが発生する。
一方、剥離きっかけ部26を形成した部位は剥離きっかけ部26を形成した時点で圧縮応力が開放されるため、剥離きっかけ部26周辺の伸びは小さく他の部位と差が生じる。
その結果、離型フィルム付きプリプレグシート30に形成した貫通孔の位置がずれて、位置ずれによる接続抵抗不良やショートの原因となるというものである。
本発明は、離型フィルム付きプリプレグシートに形成した貫通孔が離型フィルムを剥離した後においても位置ずれを発生させない回路基板の製造方法を提供するものであり、併せて、回路基板の製造過程における離型フィルムの剥離きっかけ部の形成において、板厚が薄いプリプレグシートであっても基材破壊を発生しない装置と方法をも提供するものである。
本発明の回路基板の製造方法は、プリプレグシートの端部を含む表裏全面に離型フィルムを接着する工程と、前記プリプレグシートの所定位置に貫通孔を形成する工程と、前記プリプレグシートの端部に剥離きっかけ部を形成する工程と、前記貫通孔に導電性ペーストを充填する工程と、前記離型フィルムを前記剥離きっかけ部を起点として前記プリプレグシートから剥離する工程と、前記プリプレグシートの表裏に金属箔を配置し、それを熱プレスする工程とを備えることを特徴とするものである。
これにより、プリプレグシートの寸法ばらつきを改善することができ、高精細な回路基板の製造が容易に行えるものである。
特に、プリプレグシートの端部に剥離きっかけ部を形成する工程は、端面に剥離防止部を備えた第1辺部と一端が前記第1辺部に接触または近接し他端にエアー侵入部とを備えた第2辺部とからなる上側部材と下側部材とが互いに面対称に配置され、前記上側部材と前記下側部材の前記剥離防止部が一定間隔で互いに対向配置されている剥離きっかけ形成治具の前記剥離防止部でプリプレグシートの端部を挟持し、前記エアー侵入部を介してプリプレグシートの端部にエアーを吹き付けて行うことで本発明の回路基板の製造を容易に実現しうるものであり、併せて、剥離きっかけ部形成時のプリプレグシートの破壊を防止することもできる。
本発明の回路基板の製造方法は、剥離きっかけ部の形成を貫通孔加工から導電性ペースト充填工程までの間に行うことが可能となり、剥離きっかけ部形成時のプリプレグシートの破壊を防止するとともにプリプレグシートの寸法ばらつきを改善して、導電性ペーストによる層間接続手段による電気的接続が安定した、高品質の回路基板を提供でき、さらに、製造過程における剥離きっかけ部の形成時のプリプレグシートの破壊を防止することもできる。
(実施の形態)
図1〜図6を用いて本発明の実施の形態における剥離きっかけ形成装置と剥離きっかけ形成方法および回路基板の製造方法について説明する。
まず初めに、導電性ペーストによるインナービアホール接続の多層基板の内層基板となる両面の回路基板の製造方法について説明する。
図1(a)〜(f)は、本発明の両面の回路基板の製造方法の工程断面図である。
図1において、1はプリプレグシートであり、例えば不織布の全芳香族ポリアミド繊維やガラスクロスに熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させた複合材からなる基材を用いている。
プリプレグシート1の表裏には離型層部を形成したプラスチックフィルム、例えばポリエチレンテレフタレートなどからなる離型フィルム2a,2bをラミネート装置を用いて接着している。
3は貫通孔であり、プリプレグシート1の表裏に貼り付ける銅などの金属箔5a,5bと電気的に接続する導電性ペースト4を充填している。導電性ペースト4は、導電性を付与するために銅等の金属粒子をエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に混練したものである。
まず図1(a)に示すように、離型フィルムを備えた製造用材料として、プリプレグシート1の端部を含む表裏全面に前記プリプレグシート1より幅が広い離型フィルム2a,2bをラミネート装置を用いて連続して接着した後、個片(枚葉)に切断する。この時、離型フィルム2a,2bはプリプレグシート1の両端よりはみ出して接着することが望ましい。この理由は、後述する剥離きっかけ部の形成を円滑に行うことができるからである。
また、従来はこの工程の直後の段階においてプリプレグシートの端部に剥離きっかけ部を形成していたが、本発明においては、プリプレグシート1の端部を含む表裏全面に離型フィルムを接着させ、次工程の貫通孔の形成後に剥離きっかけ部を形成する。
なお、本発明の実施例ではプリプレグシート1表裏への離型フィルム2a,2bの接着にはラミネート装置を用いているが、平板の真空ラミネータや熱プレスなどを用いても良い。
次に図1(b)に示すように、レーザ加工法などを利用して貫通孔3を形成する。
次に図1(c)に示すように、プリプレグシート1の片側端の離型フィルム2a,2bを剥がして剥離きっかけ部6a,6bを形成する。剥離きっかけ部6a,6bはプリプレグシート1から一部の離型フィルム2a,2bを剥がすことで、接着せず離型フィルム2a,2bがプリプレグシート1から僅かに浮いた状態となっている。
そして、図1(d)に示すように、プリプレグシート1の貫通孔3に導電性ペースト4を公知の印刷法を用いて充填する。
次に図1(e)に示すように、剥離きっかけ部6を起点として離型フィルム2a,2bをプリプレグシート1の全面から剥離する。離型フィルム2a,2b剥離後は離型フィルム2a,2bの厚み分だけ導電性ペースト4が突出したような形状になる。離型フィルム2a,2bの剥離は図1(c)で形成した離型フィルム2a,2bの剥離きっかけ部6a,6bを利用して、吸着パッドやチャック、粘着シートなどを用いて両面同時もしくは片面毎に剥離(図示せず)する。
プリプレグシート1に剥離きっかけ部6a,6bが形成されていることにより、離型フィルム2a,2bのみの吸着やチャッキング、接着が容易となり、安定してプリプレグシート1から離型フィルム2a,2bを剥離することができる。
次に、図1(f)に示すように、プリプレグシート1の表裏に銅などの金属箔5a,5bを配置し、熱プレスにて加熱加圧することにより、成型硬化させてプリプレグシート1と金属箔5a,5bが接着されるとともに、導電性ペースト4が圧縮されて表裏の金属箔5a,5bは所定位置に設けた製品の貫通孔3に充填された導電性ペースト4により電気的に接続される。図1では省略しているが、この後金属箔5a,5bを選択的にエッチングして回路パターンを形成することで、2層の回路基板が得られる。
ここで、前述の図1(c)の工程における剥離きっかけ部6の形成方法の詳細について以下に説明する。
まず、本実施の形態における剥離きっかけ形成装置の構成について説明する。
図2に示すように、装置の概要は、剥離きっかけ形成治具7と、エアーノズル8と、エアーノズルにエアー9を供給する供給ポンプ等の供給手段(図示せず)とからなる。
図3の断面図に示すように、剥離きっかけ形成治具7は、端面に剥離防止部12を備えた第1辺部13と一端が前記第1辺部に接触または近接し他端にエアー侵入部11とを備えた第2辺部14とからなる上側部材15aと、上側部材15aと同様の構成である下側部材15bとが図に示すように、互いに面対称に配置されており、上側部材15aと下側部材15bの剥離防止部12が一定間隔で互いに対向配置されている。
この一定間隔とは、図に示すように離型フィルムを備えた製造用材料としての既述の表裏に離型フィルム2a,2bが接着されているプリプレグシート1を上下の剥離防止部12で挟持できる間隔に設定されているものであり、前記の離型フィルム2a,2bとプリプレグシート1との総厚程度の間隔であることが望ましい。
また、エアー侵入部11は第2辺部14の最端部から第1辺の離型防止部12の方向に向かって所定の角度で傾斜した構造とすることにより、エアーノズル8から吹き付けられるエアー9を剥離きっかけ形成治具7内に効果的に取り入れることができる。
また、エアーノズル8は上下可動機構を備えることも可能である。これにより、離型フィルムへのエアーの供給がより確実となり、剥離きっかけ形成がさらに安定する。
また、エアーノズル8または剥離きっかけ形成治具7は水平可動機構を備えており、離型フィルムを接着したプリプレグシートの端部の所定位置を挟持した後、エアーノズルもしくは前記プリプレグシートを移動させることで片面端全面に安定して剥離きっかけ部を形成することができる。
また、第2辺部14はエアー侵入部11を除いてギャップ部16を設けることが望ましい。ギャップ部16とは、図3に示すように、製造用材料として離型フィルムを接着したプリプレグシートと第2辺部14との間に一定間隔の空間を設けることであり、このギャップ部16を設けることにより、製造用材料の破損を防止するという効果を有するものである。
特に、第2辺部14を、第1辺部13に接触または近接した状態で上下動可能な構成とすることにより、ギャップ部16の空間を調整することが可能であり、併せて剥離きっかけ形成治具7内に流入するエアーの量を調整することができ、製造用材料の機械的強度や厚み等に応じて剥離きっかけ部を形成することができる。
なお、製造用材料と第2辺部14との間隔を最適な値に設定し、ギャップ部16の空間を固定することが可能な場合は、第1辺部と第2辺部を1つの部材で連結して構成し、断面形状を略L字型にすることも可能である。これにより、剥離きっかけ形成治具7の構造を簡素化し、装置の製作コストを低減することができる。
なお、前記の断面形状を略L字型とする意図は、英文字のL字型となる場合も含め、第1辺部の剥離防止部12、第2辺部のエアー侵入部11と同等の構成を備え、同様の機能を有していれば、その断面形状がL字に類似した場合も含むものである。
次に、前述の剥離きっかけ形成装置を用いた剥離きっかけ形成方法について説明する。
まず、剥離きっかけ形成装置における剥離きっかけ形成治具7の剥離防止部12で離型フィルムを備えた製造用材料としてのプリプレグシート1の端部を挟持し、エアー侵入部11にエアーノズル8からエアー9を吹き付けて、前記のプリプレグシート1の端部に剥離きっかけ部6を形成するものである。
この剥離きっかけ部6の形成は、図2に示すように、剥離きっかけ形成治具7で離型フィルム2a,2bを接着したプリプレグシート1を挟持した状態で直径2mmのエアーノズル8からエアー9を吹き付けながら移動させて剥離する。この状態におけるプリプレグシート1の端部の断面を図3に示す。
図3に示すように、上側と下側の剥離防止部12はプリプレグシート1を挟持するものであり、この構造により剥離防止部12は、剥離きっかけ部6を形成する際に剥離きっかけ部6以外の部位の離型フィルム2a,2bが剥離するのを防止する機能をも備えたものである。
また、エアー侵入部11は、傾斜していることから、エアーノズル8から吹き付けられるエアー9をプリプレグシート1の表裏に接着された離型フィルム2a,2bに導くものであり、エアーを安定してプリプレグシート1の端部に吹き付けることができる。
また、離型フィルム2a,2bは、既述した図1(a)の工程においてプリプレグシート1の端面から離型フィルム2a,2bが外側へはみ出して接着されている。このため、図4に示すように、エアーノズル8から吹き付けられたエアー9の流れは、離型フィルム2a,2b間に供給され、はみ出している部分をプリプレグシート1の表面から外側へ引き剥がす方向へと生じる。この作用により、離型フィルムが剥がれ易くなり、離型フィルム2a,2bの剥離を安定して行うことができる。
また、離型フィルム2a,2bと剥離きっかけ形成治具7の第2辺部14との間には、ギャップ部16が設けられている。このギャップ部16の存在により、エアー9が離型フィルム2a,2bに供給され、エアー9の流れによってプリプレグシート1が上下に振動する際のプリプレグシート1の破損を防止することができる。
ギャップ部16は、プリプレグシート1の機械的強度によって異なるため、使用するプリプレグシート1の破損が防止できる値に設定すれば良い。
なお、実施例で使用したプリプレグシート1は、80μm厚であり、この場合、前記ギャップを1mmとした。
また、図5に示すように、第2辺部14上のギャップ部16内にプリプレグシート保護スペーサ17を間隔を設けて複数配置することによりエアー供給を増やすこともできる。
これにより、離型フィルム2a,2bの剥離きっかけ部6a,6bの形成をより安定にするとともに、加えてプリプレグシート保護スペーサ17を設けることで板厚の薄いプリプレグシートでもプリプレグシートの折れや破壊を防止することも出来る。
なお、プリプレグシート保護スペーサ17の高さは、ギャップ部16の空間の高さよりも低くすることにより、剥離きっかけ形成治具7内の全域に亘ってエアーの供給を円滑に行うことができる。
上記の実施の形態においては、剥離きっかけ部6を製造用材料の片側端全面に形成する事例を示したが、その他の形態として図6に示すように、剥離きっかけ部6を離型フィルム付きプリプレグシート10の少なくとも1コーナーの所定位置に形成することも可能である。
この事例における剥離きっかけ形成装置は、図6に示すように、エアー侵入部が2辺で構成され、その交点が互いに直角を形成する第1のエアー侵入部11aと第2のエアー侵入部11bからなり、エアーノズルは、第1のエアー侵入部11aと第2のエアー侵入部11bのそれぞれに対してエアーを吹き付ける第1のエアーノズル8aと第2のエアーノズル8bから構成されている。
この剥離きっかけ形成装置を用いて、製造用材料としての離型フィルム付きプリプレグシート1のコーナー部を剥離きっかけ形成治具7で表裏を挟持し、第1のエアー侵入部11aと第2のエアー侵入部11bの2辺に対して配置された、第1のエアーノズル8aと第2のエアーノズル8bからエアーを吹き付けて、プリプレグシート1のコーナー部に剥離きっかけ部を形成する。
この場合、2辺のエアー侵入部11a、11bに対して配置されたエアーノズル8a,8bは上下可動機構を備えることが望ましい。この構成により、プリプレグシート1のコーナー部の2辺に形成する剥離きっかけ部6のうち、どちらか1辺の離型フィルムが早く剥離してめくれ上がった場合、それを起点として剥離することで他辺の離型フィルムの剥離が容易となる。その結果、離型フィルム付きプリプレグシートのコーナー部に安定して所定形状の離型フィルムの剥離きっかけ部を形成することができる。
発明者は本実施の形態における回路基板の製造方法を用いて500枚の2層基板を作製し、表裏に離型フィルムを接着したプリプレグシートの片側端全面に剥離きっかけ部を形成したが、全ての剥離きっかけ部の形成においてプリプレグシートの破壊がなく、所定位置に所望の剥離きっかけ部が形成された。
また、貫通穴を形成した後ペースト充填後に剥離きっかけ部を形成したことで、貫通穴形成時点でプリプレグシートの表裏に接着した離型フィルムの圧縮応力が均等になり、従来例では400mmの長さに対して約50μmの差が生じていた剥離きっかけ部と剥離きっかけ以外の部位との差がなくなり、貫通孔の位置精度が向上したことを確認した。
なお、本実施の形態では2層の回路基板の製造方法を示したが、完成した2層の回路基板を内層基板として表裏に本発明で作製したプリプレグシートと金属箔を位置決めして配置、熱プレスおよび回路形成を繰り返すことで任意の多層基板を得ることができる。
また、実施の形態では回路基板の表裏にプリプレグシートと金属箔を配置する構成としたが、プリプレグシートの表裏に回路基板を配置する構成としても本発明の効果が得られる。
以上述べたように、本発明の離型フィルムの剥離きっかけ部形成方法と回路基板の製造方法によれば、プリプレグシートの両面に接着した離型フィルムにプリプレグシートの寸法が安定した工程で剥離きっかけ部を形成することができるため、導電性ペーストを充填した貫通穴と金属箔パターンとの合致性が優れ、導電性ペーストの層間接続手段による電気的接続が安定に高品質で行えるものである。
以上の結果として、高品質の高密度の回路基板を提供でき、本発明の産業上の利用可能性は大といえる。
本発明の実施の形態における回路基板の製造工程を示す断面図 同実施の形態における剥離きっかけ形成装置の概要を示す図 同実施の形態における剥離きっかけ形成装置を示す断面図 同実施の形態における剥離きっかけの形成方法を示す断面図 同実施の形態における剥離きっかけ治具を示す斜視図 同実施の形態における剥離きっかけ形成装置の概要を示す図 従来例における回路基板の製造工程を示す断面図 従来例における剥離きっかけ部の形成方法を説明する平面図 従来例における剥離きっかけ部の詳細を示す断面図 従来例における課題を説明するための平面図
符号の説明
1 プリプレグシート
2a,2b 離型フィルム
3 貫通孔
4 導電性ペースト
5a,5b 金属箔
6a,6b 剥離きっかけ部
7 剥離きっかけ形成治具
8,8a,8b エアーノズル
9 エアー
10 離型フィルム付きプリプレグシート
11,11a,11b エアー侵入部
12 剥離防止部
13 第1辺部
14 第2辺部
15a 上側部材
15b 下側部材
16 ギャップ部
17 プリプレグシート保護スペーサ

Claims (2)

  1. プリプレグシートの端部を含む表裏全面に離型フィルムを接着する工程と、前記プリプレグシートの所定位置に貫通孔を形成する工程と、前記プリプレグシートの端部に剥離きっかけ部を形成する工程と、前記貫通孔に導電性ペーストを充填する工程と、前記離型フィルムを前記剥離きっかけ部を起点として前記プリプレグシートから剥離する工程と、前記プリプレグシートの表裏に金属箔を配置し、それを熱プレスする工程とを備え、
    前記プリプレグシートの端部を含む表裏全面に離型フィルムを接着する工程は、前記プリプレグシートの端面から前記離型フィルムを外側へはみ出して接着するものであり、
    前記プリプレグシートの端部に剥離きっかけ部を形成する工程は、
    端面に剥離防止部を備えた第1辺部と一端が前記第1辺部に接触または近接し他端にエアー侵入部とを備えた第2辺部とからなる上側部材と下側部材とが互いに面対称に配置され、前記上側部材と前記下側部材の前記剥離防止部が一定間隔で互いに対向配置されている剥離きっかけ形成治具の前記剥離防止部でプリプレグシートの端部を挟持し、前記エアー侵入部を介してプリプレグシートの端部にエアーを吹き付けて行うものであり、
    前記第2辺部には前記エアー侵入部を除いてギャップ部が設けられ、前記ギャップ部内にはプリプレグシート保護スペーサを有することを特徴とする回路基板の製造方法。
  2. プリプレグシートの端部は、プリプレグシートのコーナー部であることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
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