JP5284613B2 - パンチング金型の着脱機構 - Google Patents

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本発明は金属加工等に用いるパンチング(タレットパンチプレス)金型の着脱機構に関するものである。
従来、パンチング金型の着脱機構としては、図1と図2に示すように、上端にネジを設けたパンチボディ1、リング状のスプリングリテナー2、スプリング3、下端にネジを設けたヘッド4、ガイド5とによって構成されており、パンチボディ1をガイド5に着脱可能に取り付ける機構としては、スプリングリテナー2の外周面にOリング6を設けるとともに、ガイド5の鍔部の内周面に溝7を設け、ガイド5をスプリングリテナー2に装着するについては、パンチボディ1に挿着されているガイド5を上方に摺動させて、ガイド5の溝7をスプリングリテナー2のOリング6に嵌め込み、また、ガイド5をスプリングリテナー2から脱離するについては、ガイド5を下方に摺動させて、ガイド5の溝をスプリングリテナー2のOリング6より外して、図1に示す状態に戻すものが多く、特開平6−278096号のパンチング金型もこの着脱機構を採用している。
特開平6−278096号
しかし、前述したパンチング金型の着脱機構においては、ガイド5の溝をスプリングリテナー2のOリング6に嵌め込む際に、Oリング6を変形させるという大きな力でガイド5を圧入する必要があるために、作業効率が悪い欠点があり、特に、ガイド5の溝7をスプリングリテナー2のOリング6より外す際には、ガイド5とスプリングリテナー2の間にドライバー等の工具を差し込んで、テコの原理でガイド5をスプリングリテナー2から脱離することが多く、作業効率が一段と悪化するばかりか、ガイド5やスプリングリテナー2を損傷するおそれもあり、また、Oリング6の劣化によって、外力を加えない時でも、ガイド5とスプリングリテナー2が脱離する不都合があった。
本発明は、パンチング金型の着脱機構において、従来のように、Oリングを変形させるという大きな力を必要とせずに、簡単な操作で、作業効率よく、確実に、パンチング金型のガイドとスプリングリテナーの着脱を行うことに目的があり、特に、ガイドの溝をスプリングリテナーのOリングより外す際に、ガイドとスプリングリテナーの間にドライバー等を差し込むような余計な作業や工具等を使用することなく、ガイドやスプリングリテナーを損傷せずに、ガイドをスプリングリテナーから取り外すことに目的がある。
本発明は、パンチボディ、リング状のスプリングリテナー、スプリング、ヘッド、ガイドとによって構成したパンチング金型の着脱機構に関するもので、スプリングリテナーの外側円周面に内溝を設け、ガイドの鍔部の内側円周面に外溝を設けるとともに、ガイドの鍔部の外側円周面に押しピンを取り付け、このスプリングリテナーの内溝とガイドの鍔部の外溝に楕円形のバネを嵌め込むについては、楕円形のバネの長手方向の一部分を、押しピンを取り付けたガイドの鍔部の外溝に嵌め込むとともに、楕円形のバネの長手方向の他部分を、押しピンを取り付けた反対側のガイドの鍔部の外溝に嵌め込み、かつ、楕円形のバネの短手方向の一部分と他部分を、スプリングリテナーの内溝に嵌め込むことによって、スプリングリテナーをガイド内に挿着する準備状態を形成し、次いで、スプリングリテナーをガイド内に挿着するについては、ガイドの鍔部に取り付けた押しピンを押圧して、楕円形のバネを円形に変形させることによって、楕円形のバネの短長手方向の一部分と他部分を、ガイドの鍔部の外溝に嵌め込み、バネの短手方向の一部分と他部分をスプリングリテナーの内溝に掛からない状態にして、スプリングリテナーをガイド内に挿入した後、押しピンの押圧を解除して、円形に変形させたバネを楕円形に復元させることによって、バネの短手方向の一部分と他部分をスプリングリテナーの内溝に嵌め込んで、スプリングリテナーをガイド内に保持し、さらに、スプリングリテナーをガイド内より取り外すには、ガイドの鍔部に取り付けた押しピンを押圧して、楕円形のバネを円形に変形させることによって、楕円形のバネの短長手方向の一部分と他部分を、ガイドの鍔部の外溝に嵌め込み、バネの短手方向の一部分と他部分をスプリングリテナーの内溝に掛からないようにして、スプリングリテナーをガイド内より取り外し、以後、押しピンの押圧の解除と押しピンの押圧を繰り返して、スプリングリテナーとガイドとの着脱を行うことを特徴とする。
また、本発明は、前述したパンチング金型の着脱機構において、ガイドの鍔部に取り付けた押しピンとして、その側面に差込溝を設け、この差込溝に挿入バーを装填してに押しピンを確実、安全に保持することに特徴がある。
さらに、本発明は、前述したパンチング金型の着脱機構において、ガイドの鍔部の外側円周面に取り付けた押しピンの代わりに、回転カムを設けて着脱機構を簡便にすることに特徴がある。
本発明によると、従来のように、Oリングを変形させるという大きな力を必要とせずに、簡単な操作で、作業効率よく、パンチング金型のガイドとスプリングリテナーの着脱を行うことが可能であり、特に、ガイドの溝をスプリングリテナーのOリングより外す際に、ガイドとスプリングリテナーの間にドライバー等の工具を差し込むような余計な作業を行うことなく、ガイドやスプリングリテナーを損傷せずに、ガイドをスプリングリテナーから取り外すことができる利点がある。
本発明のパンチング金型の着脱機構の一例を、図に従って説明すると、パンチボディ1、リング状のスプリングリテナー2、スプリング3、ヘッド4、ガイド5とによって構成されることは、前述した図1と図2に示した従来のパンチング金型と同じであるが、従来のパンチング金型と異なる構成は、図3〜図6に示すように、スプリングリテナー2の外側円周面に内溝7を設け、また、ガイド5の鍔部の内側円周面に外溝10を設けるとともにガイド5の鍔部の外側円周面に押しピン9を取り付け、さらに、楕円形のバネ8を内溝7と外溝10に取り付ける点である。
スプリングリテナー2の内溝7とガイド5の鍔部の外溝10に楕円形のバネ8を嵌め込むについては、図3に示すように、楕円形のバネ8の長手方向の一部分8Laを、押しピン9を取り付けたガイド5の鍔部の外溝10に嵌め込むとともに、楕円形のバネ8の長手方向の他部分8Lbを、押しピン9を取り付けたガイド5の反対側のガイド5の鍔部の外溝10に嵌め込み、かつ、図4に示すように、楕円形のバネの短手方向の一部分8Laと他部分8Lbを、スプリングリテナー2の内溝7に嵌め込んで、スプリングリテナー2をガイド5内に挿着する準備状態を形成する。
次いで、スプリングリテナー2をガイド5内に挿着するについては、ガイド5の鍔部に取り付けた押しピン8を指で押圧して、楕円形のバネ8を弾性に抗して円形に変形させることによって、楕円形のバネの短長手方向の一部分8Laと他部分8Lbを、ガイド5の鍔部の外溝10に嵌め込んで、スプリングリテナー2の内溝7に掛からない状態にして、スプリングリテナー2をガイド5内に挿入した後、押しピン8の押圧を解除して、円形に変形させたバネ8を弾性によって楕円形に復元させることによって、バネの短手方向の一部分8Laと他部分8Lbをスプリングリテナー2の内溝7に嵌め込んで、スプリングリテナー2をガイド5内に保持する。
スプリングリテナー2をガイド5内より取り外すには、図5と図6に示すように、ガイド5の鍔部に取り付けた押しピン9を指で押圧して、楕円形のバネ8の弾性に抗して円形に変形させることによって、楕円形のバネの短手方向の一部分8Laと他部分8Lbを、ガイド5の鍔部の外溝10に嵌め込み、スプリングリテナー2の内溝7に掛からないようにして、スプリングリテナー2をガイド5内より取り外す。
すなわち、楕円形のバネ8の長手方向の径はガイド5の鍔部の外溝10の径より若干短くし、また、楕円形のバネ8の短手方向の径はスプリングリテナー2の内溝7の径より若干短くする必要があり、図7に示すように、指で押しピン9を押圧して楕円形のバネ8を弾性に抗して円形に変形、拡張して、楕円形のバネの短手方向の一部分8Laと他部分8Lbを、スプリングリテナー2の内溝7より外して、ガイド5の鍔部の外溝10に嵌め込むことによって、スプリングリテナー2をガイド5内より取り外すことが可能になり、また、指を外して押しピン9による押圧を解除すると、図8に示すように、弾性によって楕円形のバネ8に復元、収縮して、楕円形のバネの短手方向の一部分8Laと他部分8Lbを、ガイド5の鍔部の外溝10より外して、スプリングリテナー2の内溝7に嵌め込むことによって、スプリングリテナー2をガイド5内に取り付けることが可能になる。
以後は、前述した指による押しピン8の押圧と押圧の解除とを繰り返して、スプリングリテナー2とガイド5との着脱を行えばよいが、押しピン8の押圧と押圧の解除操作を、より確実、安全に行うために、図9に示すように、押しピン8の側面に差込溝11を設け、この摺動溝11にガイド5に付設した挿入バー12を差し込むことによって、押しピン8をガイド5より抜け落ちし難くした状態で押しピン8の押圧と押圧の解除を確実、安全に行うようにする
ガイド5の鍔部の外側円周面に取り付けた押しピン9の代わりに、図10に示すように、回転カム13を設けて、指で回転カム13を90度回転させることによって、押しピン8の押圧と押圧の解除を簡易に行うようにしてもよい。
本発明は、工作機械の金属加工等に用いるパンチング金型に利用できる。
スプリングリテナーにガイドを嵌め込んだ状態を示す従来のパンチング金型の着脱機構の正面断面図である。 スプリングリテナーよりガイドを引き抜いた状態を示す従来のパンチング金型の着脱機構の正面断面図である。 楕円形のバネの長手方向の一部分を押しピンを取り付けたガイドの外溝に嵌め込むとともに、楕円形のバネの長手方向の他部分を押しピンを取り付けたガイドの反対側のガイドの外溝に嵌め込んで、スプリングリテナーをガイド内に挿着した状態を示す本発明のパンチング金型の着脱機構の正面断面図である。 楕円形のバネの短手方向の一部分と他部分をスプリングリテナーの内溝に嵌め込んで、スプリングリテナーをガイド内に挿着した状態を示す本発明のパンチング金型の着脱機構の側面断面図である。 押しピンを押圧して楕円形のバネを円形に変形させて楕円形のバネの長手方向の一部分を押しピンを取り付けたガイドの外溝に維持するとともに、楕円形のバネの長手方向の他部分を押しピンを取り付けたガイドの反対側のガイドの外溝に嵌め込んで、スプリングリテナーをガイド内より取り外す状態を示す本発明のパンチング金型の着脱機構の正面断面図である。 押しピンを押圧して楕円形のバネを円形に変形させて楕円形のバネの短手方向の一部分と他部分を、ガイドの外溝に嵌め込んで、スプリングリテナーをガイド内より取り外す状態を示す本発明のパンチング金型の着脱機構の側面断面図である。 押しピンを押圧して楕円形のバネを円形に変形して、楕円形のバネの短手方向の一部分と他部分を、スプリングリテナーの内溝より外して、ガイドの外溝に嵌め込むことによって、スプリングリテナーをガイド内より取り外す状態を示す本発明のパンチング金型の着脱機構のイーイ線断面図である。 押しピンによる押圧を解除して弾性によって楕円形のバネに復元し、楕円形のバネの短手方向の一部分と他部分をガイドの外溝より外して、スプリングリテナーの内溝に嵌め込むことによって、スプリングリテナーをガイド内に取り付ける状態を示す本発明のパンチング金型の着脱機構のイーイ線断面図である。 押しピンの側面に差込溝を設けて挿入バーを差し込む状態を示す本発明のパンチング金型の着脱機構の斜視説明図である。 回転カムを回転させて押しピンの押圧する状態を示す本発明のパンチング金型の着脱機構のイーイ線断面図である。
符号の説明
1 パンチボディ
2 スプリングリテナー
3 スプリング
4 ヘッド
5 ガイド
6 Oリング
7 内溝
8 バネ
9 押しピン
10 外溝
11 差込溝
12 挿入バー
13 カム



Claims (1)

  1. パンチボディ、リング状のスプリングリテナー、スプリング、ヘッド、ガイドとによって構成したパンチング金型において、スプリングリテナーの外側円周面に内溝を設け、また、ガイドの鍔部の内側円周面に外溝を設けるとともに、ガイドの鍔部の外側円周面に押しピンを取り付け、楕円形のバネの長手方向の一部分を、押しピンを取り付けたガイドの鍔部の外溝に嵌め込むとともに、楕円形のバネの長手方向の他部分を、押しピンを取り付けた反対側のガイドの鍔部の外溝に嵌め込み、かつ、楕円形のバネの短手方向の一部分と他部分を、スプリングリテナーの内溝に嵌め込み、スプリングリテナーをガイド内に挿着するについては、ガイドの鍔部に取り付けた押しピンを押圧して、楕円形のバネを円形に変形させることによって、楕円形のバネの短長手方向の一部分と他部分を、ガイドの鍔部の外溝に嵌め込み、バネの短手方向の一部分と他部分をスプリングリテナーの内溝に掛からない状態にして、スプリングリテナーをガイド内に挿入した後、押しピンの押圧を解除して、円形に変形させたバネを楕円形に復元させることによって、バネの短手方向の一部分と他部分をスプリングリテナーの内溝に嵌め込んで、スプリングリテナーをガイド内に保持し、さらに、スプリングリテナーをガイド内より取り外すには、ガイドの鍔部に取り付けた押しピンを押圧して、楕円形のバネを円形に変形させることによって、楕円形のバネの短長手方向の一部分と他部分を、ガイドの鍔部の外溝に嵌め込み、バネの短手方向の一部分と他部分をスプリングリテナーの内溝に掛からないようにして、スプリングリテナーをガイド内より取り外し、以後、押しピンの押圧の解除と押しピンの押圧を繰り返して、スプリングリテナーとガイドとの着脱を行うについて、押しピンとして、その側面に差込溝を設け、この差込溝に挿入バーを装填して保持することを特徴とするパンチング金型の着脱機構。
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