JP5284387B2 - 衛生設備室用床およびその施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、浴槽を備えた浴室や、浴槽の他に洗面設備や便器も備えた浴室等の衛生設備室に設置される衛生設備室用床およびその施工方法に関する。
従来から、システムバス等の衛生設備室には、浴槽の側部に洗い場を形成する衛生設備室用床が設置されている。この衛生設備室用床としては大きさの異なる複数種類の成形品からなるものを準備して、衛生設備室を設置するスペースに応じて決定した衛生設備室の広さに適した衛生設備室用床を選択して使用している。しかしながら、これによると大きさの異なる複数種類の衛生設備室用床を成形しなければならないため、金型等の費用がかさむようになる。このような費用を減少させるために、大きさの調節ができる衛生設備室用床も開発されている(例えば、特許文献1参照)。
この衛生設備室用床(寸法可変式床パン)は、洗い場部と、浴槽載置部とをそれぞれ2枚の分割片と、各2枚の分割片間に設置される蓋プレートとで構成している。そして、それぞれの2枚の分割片の対向する部分には、互いに重なった状態で摺接することにより重なった部分の幅を変更できる幅寸法調整部が設けられている。また、蓋プレートとしては、予め大きなものを準備して、この蓋プレートを、適宜、幅寸法調整部の幅に切断して幅寸法調整部上に設置している。これによって、洗い場部と、浴槽載置部との寸法を調整することができ、幅寸法調整部の上部は蓋プレートで覆うことができる。
特開平8−27856号公報
衛生設備室を組み立てる際には、洗い場部と浴槽載置部だけでなく、浴槽、壁面部等の設置や各種の配管等の接続も必要になる。しかしながら、前述した衛生設備室用床では、床下での作業に対する配慮がなされてないため、床下での配管接続の作業がし難いという問題がある。
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、衛生設備室を設置するスペースに合わせて大きさを調整でき、さらにその施工が容易になる衛生設備室用床およびその施工方法を提供することである。なお、本発明において、衛生設備室とは、少なくとも、浴槽と洗い場とを有する浴室をいい、浴槽と洗い場と洗面設備とを有する浴室や、浴槽と洗い場と洗面設備と便器とを有する浴室など他の設備を有するものを含むものとする。また、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
前述した目的を達成するため、本発明に係る衛生設備室用床の構成上の特徴は、浴槽(35)の長手方向に沿う側面(浴槽の長辺側の側面)に隣接して配置されるフレーム(10)と、フレームの上に設置されるフロア(20)とからなる衛生設備室用床(A)であって、フレームは、前記長手方向の中央に形成された作業用開口部(17)と脚部(12a,12b)とを備え、フロアは、フレーム上における前記長手方向の両側に設置される側部フロア(21,22)と、側部フロア間の幅に幅を揃えてフレーム上における側部フロア間に設置される中央フロアとで構成され、さらに、中央フロアが、排水口を備えた排水部フロア(23)と中央フロア本体(24)とに分割されていることにある。
本発明に係る衛生設備室用床は、フレーム上の両側に設置される一対の側部フロアとして所定の大きさに設定されたものを用い、中央フロアとして、切断し、サイズ調整し得る大きさのものを準備しておく。そして、中央フロアとして用いられる排水部フロアと中央フロア本体とを、それぞれ一対の側部フロアの間隔に合った大きさに切断して設置することにより、衛生設備室用床の大きさを任意のものにすることができる。
なお、側部フロアとしては少数の種類、例えば、浴槽の長手方向に直交する方向の長さが異なるものを数種類準備しておくことが好ましい。これによると、衛生設備室用床における浴槽の長手方向に直交する方向の長さに応じた側部フロアを数種類の側部フロアの中から選択し、浴槽の長手方向に沿った部分については、中央フロアの幅を調節することにより対応できる。また、フレームについては、例えば、棒状の部材を所定の長さに切断して枠状に組み立てることにより、各種サイズに対応できる。
さらに、フレームには、作業用開口部と脚部とが備わっており、作業用開口部には、フロアの一部を構成する中央フロアが設置される。このため、中央フロア、特に、中央フロアを構成する中央フロア本体を最後に設置するようにして、作業用開口部が開口した状態にしておくと、フレームに設けた脚部により、フレームの下方に生じた空間へ、作業用開口部から手を延ばして配管の接続作業等を行うことができる。なお、脚部としては、高さ調節ができるものを用いることが好ましい。
本発明に係る衛生設備室用床の他の構成上の特徴は、側部フロアには、中央フロアに向けた水勾配が設けられ、中央フロア本体は平板で構成され、排水部フロアに向けた水勾配が形成されるように設置されていることにある。これによると、施工後の使用の際に、衛生設備室用床上の湯水が排水部フロアに向かって流れるため、衛生設備室用床上に湯水が溜まることがなくなる。また、中央フロア本体を平板で構成しているため、中央フロア本体をどの部分で切断しても、その切断面形状、すなわち、側部フロアと隣接する側面形状が同じになるので、切断するだけで一対の側部フロア間に設置することができる。
本発明に係る衛生設備室用床の施工方法の構成上の特徴は、浴槽の長手方向に沿う側面に隣接して配置され、前記長手方向の中央に形成された作業用開口部と脚部とを備えるフレームと、フレームの上に設置されるフロアとを設置する衛生設備室用床の施工方法であって、フレーム上における長手方向の両側にそれぞれ側部フロアを設置する側部フロア設置工程と、フレーム上における長手方向の中央における一方に、側部フロア間の幅に幅を揃えて排水部フロアを設置する排水部フロア設置工程と、フレーム上における長手方向の中央における他方に、側部フロア間の幅に幅を揃えて中央フロア本体を設置する中央フロア本体設置工程とを備え、中央フロア本体設置工程を、側部フロア設置工程および排水部フロア設置工程後に行なうことにある。
本発明によると、中央フロアとして用いられる排水部フロアと中央フロア本体とを、それぞれ一対の側部フロアの間隔に合った大きさに切断して設置することにより、衛生設備室用床の大きさを任意の大きさにすることができる。また、各工程の最後に、中央フロア本体を設置してフレームの作業用開口部を塞ぐようにしているので、作業用開口部を利用して床下での配管の接続作業等が容易になる。
本発明の一実施形態に係る衛生設備室用床を示した斜視図である。 本発明の一実施形態に係る衛生設備室用床を示した分解斜視図である。 図2の衛生設備室用床を別の角度から見た状態を示した分解斜視図である。 フレームを示した斜視図である。 側部フロアを示した斜視図である。 排水部フロアを示した斜視図である。 壁載置部材を示した斜視図である。 フレームに側部フロアと排水部フロアとを組み付けた状態を示した斜視図である。 図8の組付体に浴槽用防水パンを組み付けた状態を示した斜視図である。 図9の組付体と浴槽用防水パンとの周囲に壁面部を組み付けた状態を示した斜視図である。 図10の浴槽用防水パンに浴槽を設置した状態を示した斜視図である。 図11のフレームに中央フロア本体を取り付けた状態を示した斜視図である。 浴槽、洗面台および便器を含むシステムバスを示した斜視図である。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係る衛生設備室用床Aを示しており、この衛生設備室用床Aは、システムバスB(図12参照)の洗い場側の床面を構成するものである。衛生設備室用床Aは、フレーム10と、フレーム10の上部に設置されたフロア20と、フロア20の上面に張り付けられた表面材30とで構成されており、図2および図3は、表面材30を除いた衛生設備室用床Aを分解した状態を示している。
フレーム10は、図4に示したように、金属製の中空角材を枠状に組み立てて構成されるフレーム本体11と、フレーム本体11の前端部の下面両側に設けられた2個の脚部12aと、フレーム本体11の後部の下面両側に設けられた2個の脚部12bとで構成されている。本実施形態においては、図1および図4の左下から右上にかけての方向を左右方向とし、右下から左上にかけての方向を前後方向(右下が前方で左上が後方)として説明する。フレーム本体11は、衛生設備室を設置するスペースに応じて決定した衛生設備室の長手方向(左右方向)の寸法に合わせて切断され洗い場の前後の奥行き分間隔を保って配置された一対の前桟13a,後桟13bと、前桟13a,後桟13bの対向する端部どうしを接続する一対の左桟14a,右桟14bとからなる四角形の外枠を備えている。
後桟13bの近傍には、後桟13bに平行して延びる中桟13cが配置されており、その両端は左桟14a,右桟14bに固定されている。そして、後桟13bと中桟13cとの左右方向の中央部分には、短い一対の補強桟15a,15bが間隔を保って掛け渡されている。また、前桟13aと中桟13cとの間における補強桟15a,15bの延長線上にも、一対の補強桟16a,16bが配置されており、その両端はそれぞれ前桟13aと中桟13cとに固定されている。これらの各桟は、溶接で固定されている。なお、各桟は、ボルト等の固定部材で固定さても良い。
なお、中桟13cは、後桟13bとの間の寸法が後述する排水部フロア23の前後方向の長さに対応するように設置される。また、補強桟15aおよび補強桟16aは、左桟14aとの間の寸法が後述する側部フロア21の左右方向の長さに対応するように設置され、補強桟15bおよび補強桟16bは、右桟14bとの間の寸法が後述する側部フロア22の左右方向の長さに対応するように設置される。また、前桟13a、中桟13c、および補強桟16a,16bで囲まれる部分で本発明に係る作業用開口部17が形成される。
脚部12aは、前桟13aの下面における左桟14aと補強桟16aとの間の略中央と、前桟13aの下面における右桟14bと補強桟16bとの間の略中央とに設けられ、脚部12bは、中桟13cの下面における左桟14aと補強桟16aとの間の略中央と、中桟13cの下面における右桟14bと補強桟16bとの間の略中央とに設けられている。この脚部12a,12bは、ともに、前桟13a、中桟13cに固定され内部にねじが形成された筒状部と、筒状部のねじに螺合するねじが外周に形成され下部に略円板状の支持面が形成された支持部とで構成されている。このため、筒状部に対して支持部を回転させることにより、フレーム10の高さを調節することができる。
フロア20は、それぞれ樹脂の成形体からなる一対の側部フロア21,22と、排水部フロア23と、中央フロア本体24と、壁載置部材25とで構成されている。側部フロア21は、図5に示したように、略四角形の板状に形成されている。この側部フロア21は、フレーム10の上面における前桟13a,後桟13b、左桟14a、補強桟15aおよび補強桟16aで囲まれる部分に設置されるもので、図5の右上側部分を後桟13bに向け、左下側部分を前桟13aに向けて配置される。側部フロア21の上面は二つの平面で構成されており、左側から後部にかけての部分に位置する外面部21aが左側の外部側から右側の中央側に向かって下りになった三角形の傾斜面に形成され、前部から右側にかけての部分に位置する内面部21bが前側から後側に向かって下りになった三角形の傾斜面に形成されている。
また、側部フロア21の上面後縁部には、堰21cが形成され、側部フロア21の左縁部と後縁部とにおける上面と側面との角部には、フロア上面よりも低い段差部からなる壁載置部21dが形成されている。そして、側部フロア21の右縁部における上面と側面との角部には、フロア上面よりも低い段差部からなるフロア載置部21eが形成されている。また、フロア載置部21eの前端部には、さらに低い段差部からなる位置決め部21fが形成され、フロア載置部21eの後部には、上下に貫通し、右側が開放された切り欠き部からなる位置決め部21gが形成されている。この側部フロア21の外周側の所定部分はボルト等でフレーム10に固定される。
側部フロア22は、側部フロア21と左右対称の成形体で構成されており、上面に外面部22aと内面部22bとが形成され、周囲に、堰22c、壁載置部22dおよびフロア載置部22eが形成されている。そして、フロア載置部22eの前端部に位置決め部22fが形成され、フロア載置部22eの後部に、位置決め部21gが形成されている。この側部フロア22も、外周側の所定部分がボルト等でフレーム10に固定される。
排水部フロア23は、図6に示したように、フロア23cの中央に略四角箱形の排水口部23aが形成され、フロア23cの後縁部(図6の左下)に上方に突出する堰23bが形成されるとともに、前縁部に段差部からなるフロア載置部23dが形成されている。また、フロア載置部23dの下部には、下方に突出する突部23eが形成されている。なお、排水口部23aの底部には外部に連通する排水口が形成されている。この排水部フロア23は、側部フロア21,22間に設置できるように、左右方向の長さが切断によって調節されており、フレーム10の上面における後桟13b、中桟13cおよび補強桟15a,15bで囲まれる部分に設置される。
そして、排水部フロア23がフレーム10の上面に設置されたときに、堰23bは、側部フロア21の堰21cおよび側部フロア22の堰22cと連続した堰を形成する。また、フロア載置部23cは、側部フロア21のフロア載置部21eと側部フロア22のフロア載置部22eとにそれぞれ直交してフロア載置部21eとフロア載置部22eとを接続する。これによって、フロア載置部21e,22e,23dで連続した段差部が形成される。さらに、突部23eの左端部は、側部フロア21の位置決め部21gに係合し、突部23eの右端部は、側部フロア22の位置決め部22gに係合する。
中央フロア本体24は、厚みがフロア上面21b,22b,23cとフロア載せ部21e,22e,23dの段差高さと略同じ寸法で、左右および前後の寸法が、想定した最大の大きさ、例えば、左右が1mで前後が1.5mの平板で構成されている。そして、前後の長さが前桟13aと中桟13cとの間の寸法と一致し、左右の寸法が側部フロア21,22間の寸法、すなわち、開口用桟16a,16b間の寸法と一致するように切断される。この中央フロア本体24は、フロア載置部21e,22e,23dの上面に設置され、外周側の所定部分がボルト等で側部フロア21,22およびフレーム10に固定される。なお、排水部フロア23と中央フロア本体24とで本発明に係る中央フロアが構成される。
壁載置部材25は、側部フロア21,22の前端間に設置されて、壁載置部21d,22dと連続する壁載置部を形成するものであり、図7に示したように形成されている。壁載置部材25は、矩形の棒状体の上面前部に後部よりも低い段差からなる壁載置部25aを形成し、左右両側の上部に係合突部25b,25cを形成しており、長めに成形されている。そして、切断により壁載置部材25の長さを側部フロア21,22間の幅に調節して、壁載置部材25を側部フロア21,22間に設置したときに、壁載置部25aは、壁載置部21d,22dと連続した壁載置部を形成する。また、係合突部25bは、側部フロア21の位置決め部21fに係合し、係合突部25cは、側部フロア22の位置決め部22fに係合する。
表面材30は、厚みが、1〜3mmの樹脂シートで構成されており、フロア20における排水口部フロア23aを除いた部分の上面に載置されている。この表面材30の表面には、滑り止めの目的と、美観を向上させる目的のための凹凸模様が施されている。また、表面材30は、側部フロア21,22、排水部フロア23および中央フロア本体24の各境界部の繋ぎ目を隠す機能や、クッション性および防水性を向上させる機能も備えている。
つぎに、前述した各部材を用いて構成される衛生設備室用床Aの施工方法を説明する。衛生設備室用床Aを、所定のスペースに設置してシステムバスBを施工する場合には、まず、衛生設備室の洗い場のスペースに合わせてフレーム10を組み立てる。この場合、前桟13a、後桟13b、左桟14aおよび右桟14bを洗い場スペースの前後および左右の寸法に合わせて切断し、四角枠状に組み立てる。つぎに、中桟13cを、左桟14aと右桟14bとの内側面間の寸法に切断し、排水部フロア23の前後の寸法分後桟13bから距離を保たせて左桟14aと右桟14bとに固定する。
ついで、側部フロア21の幅の寸法分左桟14aから距離を保たせて、補強桟15aを後桟13bと中桟13cに固定し、補強桟16aを前桟13aと中桟13cに固定する。同様に、側部フロア22の幅の寸法分右桟14bから距離を保たせて、補強桟15bを後桟13bと中桟13cに固定し、補強桟16bを前桟13aと中桟13cに固定する。そして、前桟13aの下面に、2個の脚部12aを取り付け、中桟13cの下面に、2個の脚部12bを取り付ける。これによって、脚部12a,12bを備え、中央に作業用開口部17が形成されたフレーム10が形成される。
つぎに、図8に示したように、フレーム10の上面の左側に側部フロア21を設置して、フレーム10の上面の右側に側部フロア22を設置する。そして、フレーム10の上面の中央後部に排水部フロア23を設置して、フレーム10の上面の中央前部に壁載置部材25を設置する。このとき、排水部フロア23および壁載置部材25は、側部フロア21,22の間隔に合わせて切断する。ついで、図9に示したように、側部フロア21,22、排水部フロア23および壁載置部材25が設置されたフレーム10の後部を、浴槽用防水パン36の前部壁の上端縁部に係合させる。この係合は所定の取付用部材等を用いて行う。そして、脚部12a,12bを調節して、フレーム10の高さを調節する。
つぎに、図10に示したように、フレーム10と浴槽用防水パン36との周囲に壁面部37およびドア(図示せず)を設置するとともに、壁面部37およびドアの上部に天井部(図示せず)を設置する。このとき、各壁面部37の下端面が壁載置部21d,22dの上面に位置するようにする。なお、ドアは、衛生設備室用床Aの前部中央に設置する。そして、衛生設備室内に浴槽35を搬入して、図11に示したように、その浴槽35を浴槽用防水パン36の内部上面に設置する。
つぎに、フレーム10の高さ調整、排水部フロア23の排水口部23a底部の排水口と排水管の接続等のフロア下での作業を行う。このとき、作業者は、作業用開口部17から排水部フロア23やフレーム10の下部側に手を延ばして作業を行う。そして、側部フロア21,22および排水部フロア23の後縁部と浴槽35の前部上縁部との間にエプロン35aを設置したのちに、中央フロア本体24を作業用開口部17の周囲に位置するフロア載置部21e,22e,23dの上面に設置して、図12の状態にする。そして、フロア20の上面に表面材30を貼り付けてシステムバスBが完成する。これによって、表面材30の表面には、左右両側から中央側に向かう水勾配と、中央部分で前方から後方に向かう水勾配とが形成される。
このように、本実施形態に係る衛生設備室用床Aでは、側部フロア21,22として、少数種類のサイズのものを準備し、排水部フロア23、中央フロア本体24および壁載置部材25としてはそれぞれ大きなものを1種類だけ準備するようにしている。そして、排水部フロア23、中央フロア本体24および壁載せ部材25を、使用する側部フロア21,22の大きさに応じて切断するようにしている。このため、少ない種類の成形用金型で種々のサイズの衛生設備室用床Aを形成することができる。
また、フレーム10には、脚部12a,12bと作業用開口部17とが備わっている。このため、中央フロア本体24を最後に設置することにより、作業用開口部17を利用して衛生設備室用床Aの下部空間での作業ができるため、配管の接続作業等を容易に行うことができる。さらに、側部フロア21,22には、中央フロア本体24に向けた水勾配が設けられ、中央フロア本体24は、排水部フロア23に向けた水勾配が設けられた平面板で構成されている。このため、施工後の使用の際に、衛生設備室用床A上の湯水がすべて排水部フロア23に向かって流れるようになり、衛生設備室用床A上に湯水が溜まることがなくなる。また、中央フロア本体24を平面板で構成しているため、中央フロア本体24をどの部分で切断しても、側部フロア21,22との境界部に段差がない連続した面のように形成することができる。
また、本発明に係る衛生設備室用床は、前述した実施形態に限定するものでなく、本発明の技術的範囲において適宜変更して実施することができる。例えば、衛生設備室としては、前述した浴槽35だけを備えたシステムバスBに限らず、図13に示したような、浴槽35の他に、洗面設備38や便器39を備えたシステムバスCとしてもよい。また、前述した実施形態では、浴槽35を浴槽用防水パン36上に設置しているが、この浴槽用防水パン36は用いなくてもよい。また、表面材30としては、樹脂シートに代えてタイルを用いることができる。その場合、モルタルや接着剤でフロア20の表面に貼り付ける。さらに、衛生設備室用床の施工順序は、前述したものに限定するものでなく、適宜、状況に応じて順序を入れ替えることができる。
10…フレーム、12a,12b…脚部、17…作業用開口部、20…フロア、21,22…側部フロア、23…排水部フロア、24…中央フロア本体、25…壁載置部材、30…表面材、35…浴槽、36…浴槽用防水パン、37…壁面部、A…衛生設備室用床。

Claims (3)

  1. 浴槽の長手方向に沿う側面に隣接して配置されるフレームと、前記フレームの上に設置されるフロアとからなる衛生設備室用床であって、
    前記フレームは、前記長手方向の中央に形成された作業用開口部と脚部とを備え、
    前記フロアは、前記フレーム上における前記長手方向の両側に設置される側部フロアと、前記側部フロア間の幅に幅を揃えて前記フレーム上における前記側部フロア間に設置される中央フロアとで構成され、さらに、
    前記中央フロアが、排水口を備えた排水部フロアと中央フロア本体とに分割されていることを特徴とする衛生設備室用床。
  2. 前記側部フロアには、前記中央フロアに向けた水勾配が設けられ、前記中央フロア本体は平板で構成され、前記排水部フロアに向けた水勾配が形成されるように設置されている請求項1に記載の衛生設備室用床。
  3. 浴槽の長手方向に沿う側面に隣接して配置され、前記長手方向の中央に形成された作業用開口部と脚部とを備えるフレームと、前記フレームの上に設置されるフロアとを設置する衛生設備室用床の施工方法であって、
    前記フレーム上における前記長手方向の両側にそれぞれ側部フロアを設置する側部フロア設置工程と、
    前記フレーム上における前記長手方向の中央における一方に、前記側部フロア間の幅に幅を揃えて排水部フロアを設置する排水部フロア設置工程と、
    前記フレーム上における前記長手方向の中央における他方に、前記側部フロア間の幅に幅を揃えて中央フロア本体を設置する中央フロア本体設置工程と
    を備え、
    前記中央フロア本体設置工程を、前記側部フロア設置工程および前記排水部フロア設置工程後に行なうことを特徴とする衛生設備室用床の施工方法。
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