JP5282485B2 - ステアリング装置及び操舵輪操舵方法 - Google Patents

ステアリング装置及び操舵輪操舵方法 Download PDF

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本発明は、運転者の操舵操作に応じて操舵輪を操舵するステアリング装置及び操舵輪操舵方法に関する。
従来のステアリング装置としては、例えば、特許文献1に記載されているように、操舵輪とタイロッドとを、ナックルアームを介して連結するものがある。このナックルアームは、操舵輪の回転中心から車両前後方向へ延在する。
特開平4−262971号公報
特許文献1に記載のステアリング装置では、運転者の操舵操作に応じてタイロッドを変位させ、ナックルアームを介して操舵輪を操舵する。このため、操舵輪とタイロッド及びナックルアームとの干渉により、操舵輪の操舵範囲が規制されるという問題が発生するおそれがある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、タイロッド及びナックルアームを用いることなく、操舵輪を操舵することが可能な、ステアリング装置及び操舵輪操舵方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、操舵輪を、運転者の操舵操作に応じて操舵するステアリング装置であって、操舵操作に応じて車幅方向に延在するステアリングシャフトを回転させて、このステアリングシャフトの回転をリンク部材上に配置した第一歯車および第二歯車を介して、操舵輪の車両上下方向軸回りの回転に変換する。
本発明によれば、運転者の操舵操作に応じたステアリングシャフトの回転を、第一歯車、第二歯車を介して、車輪支持部材の回転に変換することが可能となる。このため、タイロッド及びナックルアームを用いることなく、操舵輪を操舵することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。
(第一実施形態)
(構成)
まず、図1から図5を参照して、ステアリング装置1の構成を説明する。
図1は、本実施形態のステアリング装置1を示す上面図である。また、図2は、図1のII線矢視図であり、ステアリング装置1を車両前後方向後方から見た図である。
ステアリング装置1は、運転者(図示せず)の操舵操作に応じて、操舵輪Wを操舵する装置である。なお、本実施形態では、操舵輪Wを、前輪とする。
図1及び図2中に示すように、ステアリング装置1は、車輪支持部材2と、リンク部材4と、ステアリングシャフト6と、転舵手段8と、操舵力伝達部14とを備えている。
車輪支持部材2は、操舵輪Wを回転自在に支持するとともに、ショックアブソーバ16を備えるストラット18の下端に連結する。すなわち、本実施形態では、ステアリング装置1を備える車両を、ストラット型サスペンションを備えた車両とする。また、図2中では、ストラット18の上端を連結する車体を、符号Bを付して示す。
リンク部材4は、操舵輪Wの回転中心よりも車両上下方向下方において、車輪支持部材2と車体側部材20との間に配置するロアリンクで形成する。また、リンク部材4は、内部に空間(内部空間)を有する構造に形成する。なお、本実施形態では、車体側部材20を、サブフレームとする。
また、リンク部材4は、車両上下方向から見て、一端部に二箇所の車体側部材連結部を有し、他端に一箇所の車輪支持部材連結部を有する形状である。車輪支持部材連結部は、操舵輪Wへ向けて延在する。
二箇所の車体側部材連結部は、それぞれ、車両前後方向に離間する二点の車体側連結点Lで、車体側部材20と連結する。具体的には、二箇所の車体側部材連結部は、車両前後方向に離間して配置する二つのブッシュ22を介して、車体側部材20と連結する。なお、図中及び以降の説明では、二点の車体側連結点Lのうち、車両前後方向前方に配置する車体側連結点Lを、車体側連結点LFと記載する。同様に、二点の車体側連結点Lのうち、車両前後方向後方に配置する車体側連結点Lを、車体側連結点LRと記載する。また、図中及び以降の説明では、二つのブッシュ22のうち、車体側連結点LFを構成するブッシュ22を、ブッシュ22Fと記載し、車体側連結点LRを構成するブッシュ22を、ブッシュ22Rと記載する。
ブッシュ22F,22Rは、入れ子状に配置した外筒と内筒との間に、ゴム体からなる弾性体を介装して構成する。本実施形態では、一例として、外筒を、図示しないボルト等を介して、二箇所の車体側部材連結部に固定し、内筒を、車体側部材20に固定する場合について説明する。これにより、車体側部材20とリンク部材4は、ブッシュ22F,22Rが備える弾性体を介して、揺動可能に連結する。すなわち、リンク部材4の一端部を、車体側部材20へ揺動可能に連結する。
また、リンク部材4は、第一歯車10と、第二歯車12とを備えている。
第一歯車10は、例えば、平歯車により形成し、回転軸を車両上下方向へ向けた状態で、シャフト側歯車24と噛合する。したがって、第一歯車10は、ステアリングシャフト6の回転を、車両上下方向軸回りへの回転に変換する。なお、図中では、第一歯車10の回転軸を、一点鎖線S1により示す。また、第一歯車10の回転方向を、双方向矢印A3によって示す。
また、第一歯車10は、ステアリングシャフト6よりも操舵輪W側に配置して、リンク部材4の車体側部材20に対して車幅方向外側の位置に配置する。
また、第一歯車10は、リンク部材4に取り付ける。具体的には、リンク部材4の内部空間に配置した状態で、リンク部材4に取り付ける。これにより、第一歯車10を、車両前後方向から見て、リンク部材4と重なる位置に配置する。
第二歯車12は、第一歯車10と同様、例えば、平歯車により形成し、回転軸を車両上下方向へ向けた状態で、第一歯車10と噛合する。したがって、第二歯車12は、第一歯車10の回転により、車両上下方向軸回りに回転する。なお、図中では、第二歯車12の回転軸を、一点鎖線S2により示す。また、第二歯車12の回転方向を、双方向矢印A4によって示す。
また、第二歯車12は、第一歯車10よりも操舵輪W側に配置する。これにより、ステアリングシャフト6、第一歯車10及び第二歯車12を、車体側部材20側から操舵輪W側へ、ステアリングシャフト6、第一歯車10、第二歯車12の順に配置する。
また、第二歯車12は、第一歯車10と同様、リンク部材4に取り付ける。具体的には、リンク部材4の内部空間に配置した状態で、リンク部材4に取り付ける。これにより、第二歯車12を、第一歯車10と同様、車両前後方向から見て、リンク部材4と重なる位置に配置する。
以上により、ステアリングシャフト6、第一歯車10及び第二歯車12を、車両前後方向から見て、リンク部材4と重なる位置に配置する。
ステアリングシャフト6は、軸を車幅方向に向けた、軸心回りに回転可能な棒状部材であり、操舵輪Wと車体側部材20との間へ、一端部を配置する。すなわち、ステアリングシャフト6は、車幅方向に延在する。ここで、ステアリングシャフト6の一端部とは、操舵輪W側の端部である。なお、図中では、ステアリングシャフト6の回転方向を、双方向矢印A1によって示す。
また、ステアリングシャフト6は、リンク部材4の内部空間に配置する。これにより、ステアリングシャフト6を、車両前後方向から見て、リンク部材4と重なる位置に配置する。
ステアリングシャフト6の操舵輪W側の端部には、シャフト側歯車24を取り付ける。シャフト側歯車24は、例えば、傘歯車等、外周面がステアリングシャフト6の回転軸に対して傾斜する歯車である。具体的には、その外径が、車体側部材20から操舵輪Wへ向かうにつれて縮径する形状の歯車である。
ステアリングシャフト6の車体側部材20側の端部は、車両前後方向軸回りに回転可能なピボット部材26を介して、転舵手段8に連結する。これにより、ステアリングシャフト6と転舵手段8とを、車両前後方向軸回りに回転可能な状態で連結する。
ピボット部材26は、ピボット点PPを有する。
ピボット点PPは、車体側連結点LFと車体側連結点LRとを通過する直線上に配置する。具体的には、車体側連結点LFと車体側連結点LRとの間に、ピボット点PPを配置する。これにより、ステアリングシャフト6と転舵手段8との連結点を、二点の車体側連結点LF,LRを通過する直線上に配置する。なお、図中では、車体側連結点LFと車体側連結点LRとを通過する直線を、一点鎖線Tによって示す。
転舵手段8は、図外の運転席に配置するステアリングホイールと、このステアリングホイールと図外の歯車を介して連結する回転軸8Aを備えている。回転軸8Aの端部は、ピボット部材26を介してステアリングシャフト6に連結する。これにより、運転者がステアリングホイールを操作すると、この操作に応じ、歯車の回転を介して回転軸8Aが回転する。したがって、転舵手段8は、運転者の操舵操作に応じて、ステアリングシャフト6を回転させる。なお、図中では、回転軸8Aの回転方向を、双方向矢印A2によって示す。
以下、図1及び図2を参照しつつ、図3から図5を用いて、操舵力伝達部14の構成を説明する。
図3は、図2中に円IIIで囲んだ範囲の拡大図である。また、図4は、図3のIV−IV線断面図である。また、図5は、図4のV−V線断面図である。なお、図4中では、説明のために、第二歯車12及び操舵力伝達部14以外の図示を省略している。同様に、図5中では、操舵力伝達部14以外の図示を省略している。
図3から図5中に示すように、操舵力伝達部14は、外方部材28と、内方部材30と、複数の転動体32とを備えている。
外方部材28は、凹部34を備える。
凹部34は、開口部を車両上下方向上方へ向けた半球状に形成し、リンク部材4の内部空間に配置する。すなわち、外方部材28は、内部空間を有する。また、外方部材28は、軸受部材36及び支持軸38を介して、リンク部材4に支持する。
凹部34の内面には、複数の外方部材側転動体転動溝40を形成する。
各外方部材側転動体転動溝40は、車両上下方向から見て放射状に延びる形状に形成する。すなわち、凹部34の内面には、車両上下方向から見て放射状に延びる、複数の外方部材側転動体転動溝40を形成する。
また、凹部34の内面には、外方部材側突出部42を設ける。
外方部材側突出部42は、外方部材側転動体転動溝40よりも第二歯車12の回転軸S2へ突出する。具体的には、外方部材側突出部42は、凹部34の内面のうち、隣り合う外方部材側転動体転動溝40間の部分に設ける。
凹部34の外面は、第二歯車12の周方向全体に亘り、第二歯車12に連結する。具体的には、第二歯車12の内径側に開口部を形成し、この開口部内に凹部34を固定する。
これにより、凹部34の外面を、第二歯車12へ連結する。具体的には、凹部34の外面を、外方部材28と第二歯車12が同軸回りに回転するように、第二歯車12へ連結する。
軸受部材36は、外輪36Aと、内輪36Bと、外輪36Aと内輪36Bとの間へ転動自在に配置する複数の軸受ボール36Cとを備えている。外輪36Aの底面は、リンク部材4の内面に連結する。
支持軸38は、軸を車両上下方向へ向けて配置する。支持軸38の上端部には、外方部材28を取り付ける。また、支持軸38の下端部は、軸受部材36が備える内輪36Bの内径面に取り付ける。これにより、支持軸38を、軸受部材36を介してリンク部材4と連結する。
内方部材30は、半球部44を備える。
半球部44は、曲面及び平面を備える半球状に形成し、凹部34内に対向配置する。具体的には、すなわち、凹部34の内面と半球部44の曲面とを対向させた状態で、半球部44を、凹部34内に配置する。
半球部44の曲面には、複数の内方部材側転動体転動溝46を形成する。
各内方部材側転動体転動溝46は、外方部材側転動体転動溝40と対向させて形成する。したがって、半球部44は、外方部材側転動体転動溝40と対向する、複数の内方部材側転動体転動溝46を有する。
また、半球部44の曲面には、内方部材側突出部48を設ける。
内方部材側突出部48は、内方部材側転動体転動溝46よりも凹部34の内面へ突出する。具体的には、内方部材側突出部48は、半球部44の曲面のうち、隣り合う内方部材側転動体転動溝46間の部分に設ける。
また、外方部材側突出部42及び内方部材側突出部48は、外方部材側突出部42と内方部材側突出部48との間に形成する隙間Cが、転動体32の直径D未満となるように形成する。これにより、凹部34の内面と半球部44との最小隙間を、転動体32の直径未満とする。
半球部44の平面には、軸を車両上下方向へ向けた棒状の伝達軸50を取り付ける。具体的には、半球部44の平面に、伝達軸50の下端面を取り付ける。
伝達軸50の上端側は、リンク部材4の内部空間から車両上下方向上方へ突出させるとともに、車輪支持部材2へ取り付ける。具体的には、凹部34の開口部及びリンク部材4の車輪支持部材2と対向する面に形成した開口部に、伝達軸50の上端側を貫通させて、車輪支持部材2へ取り付ける。
これにより、半球部44の平面を、車輪支持部材2に連結する。具体的には、半球部44の平面を、内方部材30と車輪支持部材2が同軸回りに回転するように、車輪支持部材2に連結する。
また、リンク部材4と車輪支持部材2との間には、ゴム等の弾性材料を用いて形成するブーツ52を配置する。このブーツ52には、伝達軸50の上端側を貫通させる貫通孔を形成する。さらに、ブーツ52は、リンク部材4の車輪支持部材2と対向する面に形成した開口部を閉塞するように、リンク部材4に取り付ける。これにより、ブーツ52は、リンク部材4内への、泥等の侵入を抑制する。
各転動体32は、例えば、鋼球により形成し、凹部34と半球部44との間へ配置する。具体的には、外方部材側転動体転動溝40と内方部材側転動体転動溝46との間へ、転動自在に装填する。なお、外方部材側転動体転動溝40と内方部材側転動体転動溝46との間で隣り合う転動体32間には、それぞれ、転動体32同士の接触を防止する保持器54を配置する。また、外方部材側転動体転動溝40と内方部材側転動体転動溝46との間に形成する隙間には、転動体32及び保持器54とともに、グリス等の潤滑剤(図示せず)を配置する。
したがって、外方部材28、内方部材30及び転動体32の構成を、上記の構成とすることにより、外方部材28、内方部材30及び転動体32は、第二歯車12の回転により、車輪支持部材2を車両上下方向軸回りに回転させる操舵力伝達機構56を形成する。
具体的には、ステアリングシャフト6の回転により、第一歯車10及び第二歯車12が回転すると、第二歯車12の回転により、凹部34が回転する。
このとき、外方部材側突出部42と内方部材側突出部48との間に形成する隙間Cを、転動体32の直径D未満としている。このため、凹部34が回転すると、外方部材側突出部42が、転動体32を介して内方部材側突出部48を押圧する。この押圧力は、半球部44を回転させる押圧力である。
以上により、操舵力伝達部14は、第二歯車12の回転により、車輪支持部材2を車両上下方向軸回りに回転させる操舵力伝達機構56を備える。
また、操舵力伝達部14は、車輪支持部材2と第二歯車12とを、車両前後方向軸回り及び車幅方向軸回りへ揺動可能に連結する。これにより、リンク部材4の他端部を、操舵力伝達部14を介して、操舵輪Wへ揺動可能に連結する。
(動作)
次に、図1から図5を参照して、ステアリング装置1の動作について説明する。
まず、ステアリング装置1を備えた車両の走行時において、車両の進行方向を変化させる際の動作について説明する。
ステアリング装置1を備えた車両の走行時において、例えば、右折時や左折時等、運転者がステアリングホイールを操作すると、転舵手段8により、ステアリングシャフト6が軸心回りに回転する(図1及び図2参照)
ステアリングシャフト6が軸心回りに回転すると、シャフト側歯車24がステアリングシャフト6の軸心回りに回転する(図1及び図2参照)。そして、シャフト側歯車24と噛合する第一歯車10が、車両上下方向軸回りに回転する。これにより、ステアリングシャフト6の回転を、車両上下方向軸回りへの回転に変換する(図1及び図2参照)。
第一歯車10が、車両上下方向軸回りに回転すると、第一歯車10と噛合する第二歯車12が、第一歯車10の回転により、車両上下方向軸回りに回転する(図1から図4参照)。
第二歯車12が、車両上下方向軸回りに回転すると、第二歯車12に連結する外方部材28が、車両上下方向軸回りに回転する(図3参照)。ここで、外方部材28が備える凹部34を支持する支持軸38は、軸受部材36を介してリンク部材4と連結するため、軸受部材36の回転により、凹部34は、リンク部材4に対して円滑に回転する(図3参照)。
このとき、凹部34の内面には、複数の外方部材側転動体転動溝40よりも第二歯車12の回転軸S2へ突出する、外方部材側突出部42を設けている(図4参照)。
また、内方部材30が備える半球部44の曲面には、外方部材側転動体転動溝40と対向するとともに、複数の内方部材側転動体転動溝46よりも凹部34の内面へ突出する、複数の内方部材側突出部48を設けている(図4参照)。これに加え、外方部材側突出部42と内方部材側突出部48との間に形成する隙間Cを、転動体32の直径D未満としている(図4参照)。
このため、第二歯車12の回転により、凹部34が車両上下方向軸回りに回転すると、この回転が、外方部材側突出部42から、各転動体32を介して内方部材側突出部48へ伝達することとなる(図3参照)。
これにより、半球部44が車両上下方向軸回りに回転して、半球部44に取り付けた伝達軸50が、車両上下方向軸回りに回転する(図3及び図4参照)。
半球部44に取り付けた伝達軸50が、車両上下方向軸回りに回転すると、伝達軸50に連結する車輪支持部材2が、車両上下方向軸回りに回転する。そして、車輪支持部材2が回転自在に支持する操舵輪Wが、車両上下方向軸回りに回転する(図1から図3参照)。これにより、ステアリング装置1を備える車両の進行方向が、運転者によるステアリングホイールの操舵操作に応じた方向へ変化する。
以上により、本実施形態のステアリング装置1を備えた車両の走行時において、車両の進行方向を変化させる際には、運転者の操舵操作に応じたステアリングシャフト6の回転を、車輪支持部材2の回転に変換して、操舵輪Wを操舵する。
ここで、比較例のステアリング装置1を参照して、本実施形態のステアリング装置1の作用について説明する。比較例のステアリング装置1は、本実施形態のステアリング装置1と同様、ステアリングシャフト6の回転を車輪支持部材2の回転に変換する構成である。
まず、図6及び図7を参照して、比較例のステアリング装置1の構成を説明する。
図6は、比較例のステアリング装置1を示す上面図である。また、図7は、図6のVII線矢視図であり、比較例のステアリング装置1を車両前後方向後方から見た図である。
図6及び図7中に示すように、比較例のステアリング装置1は、本実施形態のステアリング装置1と異なり、車輪支持部材2を、第一車輪支持部材2Aと、第二車輪支持部材2Bとを組み合わせて形成する。
第一車輪支持部材2Aは、操舵輪Wに連結する。
第二車輪支持部材2Bは、リンク部材4を介して、車体側部材20に連結する。
また、第二車輪支持部材2Bは、第一ギア10及び第二ギア12を介して、第一車輪支持部材2Aを車両上下方向軸回りへ回転自在に支持する。これにより、ステアリングシャフト6の回転力を、第一ギア10及び第二ギア12を介して、車両上下方向軸回りの回転力に変換する。
また、比較例のステアリング装置1では、本実施形態のステアリング装置1と異なり、第二車輪支持部材2Bとリンク部材4とを連結する、拘束リンク58を備えている。これにより、第二車輪支持部材2Bの車両上下方向軸回りへの回転を拘束して、第一車輪支持部材2Aの回転角を、操舵輪Wの操舵角としている。
以上により、比較例のステアリング装置1では、本実施形態のステアリング装置1と異なり、車輪支持部材2を、二つの部材(第一車輪支持部材2A、第二車輪支持部材2B)から形成する。
また、比較例のステアリング装置1では、本実施形態のステアリング装置1と異なり、拘束リンク58を備える。
したがって、比較例のステアリング装置1では、本実施形態のステアリング装置1と比較して、部品点数が増加して、構造の複雑化及び製造コストの増加という問題が発生するおそれがある。
これに対し、本実施形態のステアリング装置1では、ステアリングシャフト6の回転を、第一歯車10、第二歯車12及び操舵力伝達部14を介して、車輪支持部材2の回転に変換するため、車輪支持部材20を、一つの部材で形成することが可能となる。また、車輪支持部材20を、一つの部材で形成することが可能となるため、比較例のステアリング装置1と比較して、拘束リンクを廃止することが可能となる。
次に、ステアリング装置1を備えた車両の走行時において、操舵輪Wが路面状の突起に接触した場合等、操舵輪Wに外力が加わる場合の動作について説明する。
操舵輪Wが路面状の突起に接触した場合等、操舵輪Wに外力が加わると、この外力により、操舵輪Wに、車両前後方向へ向けた軸回りへの変位(キャンバ変化)や、車幅方向へ向けた軸回りへの変位(キャスタ変化)が生じる場合がある。
ここで、外方部材28は、車両上下方向から見て放射状に伸びる、複数の外方部材側転動体転動溝40を有する(図4及び図5参照)。一方、内方部材30は、外方部材側転動体転動溝40と対向する、複数の内方部材側転動体転動溝46を有する(図4及び図5参照)。これに加え、各転動体32は、外方部材側転動体転動溝40と内方部材側転動体転動溝46との間へ、転動自在に配置する(図4及び図5参照)。
このため、操舵輪W及び車輪支持部材2にキャンバ変化が生じ、外方部材28と内方部材30が、車両前後方向へ向けた軸回りへの相対変位を生じても、この相対変位を、各転動体32の転動を介して許容することが可能となる(図1から図5参照)。
同様に、操舵輪W及び車輪支持部材2にキャスタ変化が生じ、外方部材28と内方部材30が、車両幅方向へ向けた軸回りへの相対変位を生じても、この相対変位を、各転動体32の転動を介して許容することが可能となる(図1から図5参照)。
ここで、各外方部材側転動体転動溝40及び各内方部材側転動体転動溝46は、車両上下方向から見て放射状に伸びる形状である。このため、操舵輪Wの操舵角が変化していても、キャンバ変化やキャスタ変化により生じる、外方部材28と内方部材30の相対変位を許容することが可能となる。
したがって、車両の走行時において、操舵輪Wに加わる外力により、操舵輪Wに、キャンバ変化やキャスタ変化が生じても、車輪支持部材2と第二歯車12とが、車両前後方向及び車幅方向へ向けた軸回りに揺動して、これらの変化を許容することが可能となる。
また、上記のキャンバ変化やキャスタ変化以外にも、操舵輪Wに外力が加わると、この外力により、車両前後方向から見て、リンク部材4と車体側部材20との間に、車両上下方向への相対変位が生じる場合がある。
ここで、リンク部材4は、車両前後方向に離間する二点の車体側連結点LFと車体側連結点LRで、車体側部材20と揺動可能に連結する(図1参照)。これに加え、車体側連結点LFと車体側連結点LRとを通過する直線上に、ピボット部材26のピボット点PPを配置して、ピボット点PPを、二点の車体側連結点LF,PRを通過する直線上に配置する(図1参照)。
したがって、車両の走行時において、操舵輪Wに加わる外力により、車両前後方向から見て、リンク部材4と車体側部材20との間に、車両上下方向への相対変位が生じても、この相対変位を、ピボット部材26の回転により許容することが可能となる。
なお、上述したように、本実施形態のステアリング装置1の動作で実施する操舵輪操舵方法は、運転者の操舵操作に応じたステアリングシャフト6の回転を、第一歯車10により車両上下方向軸回りへの回転に変換する。これに加え、第一歯車10の回転により、第二歯車12を車両上下方向軸回りへ回転させる。さらに、第二歯車12と操舵輪Wを回転自在に支持する車輪支持部材2とを、車両前後方向軸回り及び車幅方向軸回りへ揺動可能に連結した状態で、第二歯車12の回転により、車輪支持部材2を車両上下方向軸回りへ回転させる方法である。
(第一実施形態の効果)
(1)本実施形態のステアリング装置では、リンク部材が、ステアリングシャフトの回転を車両上下方向軸回りへの回転に変換する第一歯車と、第一歯車の回転により車両上下方向軸回りに回転する第二歯車とを備える。
これに加え、リンク部材の他端部を操舵輪へ揺動可能に連結する操舵力伝達部が、第二歯車の回転により車輪支持部材を車両上下方向軸回りに回転させる操舵力伝達機構を備える。
このため、運転者の操舵操作に応じたステアリングシャフトの回転を、第一歯車、第二歯車及び操舵力伝達部を介して、車輪支持部材の回転に変換することが可能となる。
その結果、タイロッド及びナックルアームを用いることなく、操舵輪を操舵することが可能となり、操舵輪の操舵領域を増加させることが可能となるため、操舵輪の操舵角度を増加させることが可能となる。
また、操舵輪に加わる外力等により、操舵輪に、キャンバ変化やキャスタ変化が生じても、車輪支持部材と第二歯車とが、車両前後方向及び車幅方向へ向けた軸回りに揺動して、これらの変化を許容することが可能となる。
(2)本実施形態のステアリング装置では、運転者の操舵操作に応じたステアリングシャフトの回転を、第一歯車、第二歯車及び操舵力伝達部を介して、車輪支持部材の回転に変換することが可能となる。
その結果、車輪支持部材を一つの部材で形成することが可能となり、部品点数の増加を防止して、構造の簡略化が可能となるとともに、製造コストを低減させることが可能となる。
(3)本実施形態のステアリング装置では、車輪支持部材を一つの部材で形成することが可能となるため、車輪支持部材を二つの部材から形成する場合のように、拘束リンクを備える必要が無い。
その結果、車輪支持部材を二つの部材から形成する場合と比較して、部品点数の増加を防止して、構造の簡略化が可能となるとともに、製造コストを低減させることが可能となる。
また、車輪支持部材を二つの部材から形成する場合と異なり、拘束リンクを廃止する構成とすることが可能となる。このため、操舵輪を変位させるための領域を増加させることが可能となり、操舵輪の操舵角度を増加させることが可能となる。
さらに、車輪支持部材を二つの部材から形成する場合と比較して、ステアリング装置を軽量化することが可能となる。このため、ステアリング装置を備える車両に対し、低燃費化等の利点を保持させることが可能となる。
また、車輪支持部材を二つの部材から形成する場合と比較して、ステアリング装置の部品点数を減少させることが可能となる。このため、車体下部に形成するクリアランスを増加させることが可能となり、車両の設計自由度を向上させることが可能となる。
(4)本実施形態のステアリング装置では、リンク部材の一端部を、車両前後方向に離間する二点の車体側連結点で車体側部材と連結し、ステアリングシャフトと転舵手段とを、車両前後方向軸回りに回転可能な状態で連結する。これに加え、ステアリングシャフトと転舵手段との連結点を、二点の車体側連結点を通過する直線上に配置する。
このため、車両の走行時において、操舵輪に加わる外力等により、車両前後方向から見て、リンク部材と車体側部材との間に、車両上下方向への相対変位が生じても、この相対変位を、ピボット部材の回転により許容することが可能となる。
その結果、ステアリングシャフト及び転舵手段の耐久性を向上させることが可能となるため、ステアリング装置の耐久性を向上させることが可能となる。
(5)本実施形態のステアリング装置では、リンク部材の内部空間に、ステアリングシャフト、第一歯車及び第二歯車を配置する。これにより、ステアリングシャフト、第一歯車及び第二歯車を、車両前後方向から見て、リンク部材と重なる位置に配置する。
その結果、ステアリングシャフト、第一歯車及び第二歯車を、車両前後方向から見て、リンク部材と重ならない位置に配置する場合と比較して、車体下部に形成するクリアランスを増加させることが可能となる。このため、車両の設計自由度を向上させることが可能となる。
また、ステアリングシャフト、第一歯車及び第二歯車の車両上下方向への変位を、リンク部材により共有することが可能となる。このため、ステアリングシャフト、第一歯車及び第二歯車とリンク部材との相対変位を抑制することが可能となる。
(6)本実施形態のステアリング装置では、操舵力伝達部が、開口部を車両上下方向上方へ向けた半球状の凹部を備える外方部材と、凹部内に対向配置する半球部を備える内方部材と、凹部と半球部との間へ配置する複数の転動体とを備える。
これに加え、凹部の内面に、車両上下方向から見て放射状に延びる複数の外方部材側転動体転動溝を形成し、半球部の曲面に、外方部材側転動体転動溝と対向する複数の内方部材側転動体転動溝を形成する。また、複数の転動体を、外方部材側転動体転動溝と内方部材側転動体転動溝との間へ転動自在に装填し、凹部と半球部との最小隙間を、前記転動体の直径未満とする。さらに、凹部の外面を第二歯車に連結し、半球部の平面を車輪支持部材に連結する。
このため、第二歯車の回転により、外方部材が車両上下方向軸回りに回転すると、この回転が、凹部から、各転動体を介して半球部へ伝達し、内方部材及び車輪支持部材が、車両上下方向軸回りに回転する。
また、操舵輪及び車輪支持部材にキャンバ変化やキャスタ変化が生じ、外方部材と内方部材が、車両前後方向や車幅方向へ向けた軸回りへの相対変位を生じても、この相対変位を、各転動体の転動を介して許容することが可能となる。
さらに、複数の外方部材側転動体転動溝及び複数の内方部材側転動体転動溝が、車両上下方向から見て放射状に延びる形状であるため、操舵輪の操舵角に因らず、操舵輪及び車輪支持部材の相対変位を、各転動体の転動を介して許容することが可能となる。
その結果、操舵力伝達部の構成を、モータ等のアクチュエータを備えること無く、第二歯車の回転により車両上下方向軸回りに回転し、且つ車両前後方向及び車幅方向へ向けた軸回りに揺動可能な構成とすることが可能となる。
(7)本実施形態の操舵輪操舵方法では、運転者の操舵操作に応じたステアリングシャフトの回転を、第一歯車により車両上下方向軸回りへの回転に変換し、さらに、第一歯車の回転により第二歯車を回転させる。
これに加え、第二歯車と操舵輪を回転自在に支持する車輪支持部材とを、車両前後方向軸回り及び車幅方向軸回りへ揺動可能に連結した状態で、第二歯車の回転により、車輪支持部材を車両上下方向軸回りへ回転させる。
このため、運転者の操舵操作に応じたステアリングシャフトの回転を、第一歯車、第二歯車及び操舵力伝達部を介して、車輪支持部材へ伝達することが可能となる。
その結果、運転者の操舵操作に応じて、車輪支持部材を車両上下方向軸回りへ回転させることが可能となる。
また、操舵輪に加わる外力等により、操舵輪に、キャンバ変化やキャスタ変化が生じても、車輪支持部材と第二歯車とが、車両前後方向及び車幅方向へ向けた軸回りに揺動して、これらの変化を許容することが可能となる。
(応用例)
(1)本実施形態のステアリング装置1では、ピボット部材26のピボット点PPを、二点の車体側連結点LF,PRを通過する直線上に配置するが、これに限定するものではない。すなわち、ピボット部材26のピボット点PPを、二点の車体側連結点LF,PRを通過する直線上から、車幅方向等へオフセットさせて配置してもよい。もっとも、本実施形態のステアリング装置1のように、ピボット点PPを配置することが、リンク部材4と車体側部材20との間に生じる車両上下方向への相対変位を、ピボット部材26の回転により許容することが可能となるため、好適である。
(2)本実施形態のステアリング装置1では、ステアリングシャフト6、第一歯車10及び第二歯車12を、車両前後方向から見て、リンク部材4と重なる位置に配置したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、ステアリングシャフト6、第一歯車10及び第二歯車12を、リンク部材4よりも車両上下方向上方に配置してもよい。もっとも、本実施形態のステアリング装置1のように、ステアリングシャフト6、第一歯車10及び第二歯車12を配置することが、車両の設計自由度を向上させることが可能となるため、好適である。
(3)本実施形態のステアリング装置1では、操舵力伝達部14を、外方部材28と、内方部材30と、複数の転動体32とを備える構成としたが、これに限定するものではなく、操舵力伝達部14を、例えば、ユニバーサルジョイントにより構成してもよい。要は、操舵力伝達部14の構成を、第二歯車12と車輪支持部材2とを、車両前後方向軸回り及び車幅方向軸回りへ揺動可能に連結するとともに、第二歯車12の回転により、車輪支持部材2を車両上下方向軸回りに回転させる構成とすればよい。
(4)本実施形態のステアリング装置1では、操舵輪Wを、前輪としたが、これに限定するものではなく、操舵輪Wを、後輪としてもよい。また、操舵輪Wを、前輪及び後輪としてもよい。
(5)本実施形態のステアリング装置1では、ステアリングシャフト6、第一歯車10及び第二歯車12を、車体側部材20側から操舵輪W側へ、ステアリングシャフト6、第一歯車10、第二歯車12の順に配置したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、図8中に示すように、第一歯車10と第二歯車12とを、車両前後方向に沿って、平行に配置してもよい。なお、図8は、変形例のステアリング装置1を示す図である。
(6)本実施形態のステアリング装置1では、車体側連結点LFと車体側連結点LRとの間に、ピボット部材26のピボット点PPを配置したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、図9中に示すように、車体側連結点LFよりも車両前後方向前方に、ピボット部材26のピボット点PPを配置してもよい。同様に、車体側連結点LRよりも車両前後方向後方に、ピボット部材26のピボット点PPを配置してもよい。なお、図9は、変形例のステアリング装置1を示す図である。
(7)本実施形態のステアリング装置1では、ステアリング装置1を備える車両を、ストラット型サスペンションを備えた車両としたが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、図10中に示すように、ステアリング装置1を備える車両を、操舵輪Wの回転中心よりも車両上下方向上方に配置するアッパリンク60を備える、ウイッシュボーン型サスペンションを備えた車両としてもよい。なお、図10は、変形例のステアリング装置1を示す図である。
(8)本実施形態のステアリング装置1では、リンク部材4を、単一の部材により形成したが、これに限定するものではない。すなわち、リンク部材4を、例えば、柱状に形成する前側リンクと、車両上下方向から見て台形に形成する後側リンクとを組み合わせて形成してもよい。この場合、例えば、後側リンクのみで、第一歯車10及び第二歯車12を、後側リンクに対して相対回転可能に支持する。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
(構成)
まず、図11を参照して、本実施形態のステアリング装置1の構成を説明する。
図11は、本実施形態のステアリング装置1の構成を示す図であり、ステアリング装置1を車両前後方向後方から見た図である。
図11中に示すように、本実施形態のステアリング装置1の構成は、ステアリング装置1を備える車両の構成と、リンク部材4の構成を除き、上述した第一実施形態と同様の構成とする。なお、ステアリング装置1を備える車両の構成及びリンク部材4以外の構成は、上述した第一実施形態と同様の構成とするため、詳細な説明を省略する。
本実施形態のステアリング装置1では、ステアリング装置1を備える車両を、ウイッシュボーン型サスペンションを備えた車両とする。
また、本実施形態のステアリング装置1では、第一歯車10及び第二歯車12を取り付けるリンク部材4を、操舵輪Wの回転中心よりも車両上下方向上方に配置するアッパリンク60とする。なお、図11中には、アッパリンク60以外にも、操舵輪Wの回転中心よりも車両上下方向下方に配置するとともに、車輪支持部材2と車体側部材20とを連結するロアリンク62を示す。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
(動作)
次に、図11を参照して、ステアリング装置1の動作について説明する。なお、以下の説明では、リンク部材4以外の構成については、上述した第一実施形態と同様であるため、異なる部分の動作を中心に説明する。
ステアリング装置1を備えた車両の走行時において、車両の進行方向を変化させる際の動作については、上述した第一実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
次に、ステアリング装置1を備えた車両の走行時において、操舵輪Wが路面状の突起に接触した場合等、操舵輪Wに外力が加わる場合の動作について説明する。
操舵輪Wが路面状の突起に接触した場合等、操舵輪Wに外力が加わると、この外力により、操舵輪Wに、キャンバ変化やキャスタ変化が生じる場合がある。
これに対し、本実施形態のステアリング装置1では、リンク部材4を、操舵輪の回転中心よりも車両上下方向上方に配置するアッパリンク60に、第一歯車10及び第二歯車12を取り付ける。
このため、ロアリンク62に、第一歯車10及び第二歯車12を取り付ける場合と比較して、操舵輪W及び車輪支持部材2にキャンバ変化やキャスタ変化が生じた際の、ドライブシャフト等の周辺部材と、ステアリング装置1との干渉を抑制することが可能となる。
したがって、車両の走行時において、操舵輪Wに加わる外力により、操舵輪Wに、キャンバ変化やキャスタ変化が生じても、ドライブシャフト等の周辺部材と、ステアリング装置1との干渉を抑制することが可能となる。
また、上記のキャンバ変化やキャスタ変化以外にも、操舵輪Wに外力が加わると、この外力により、車両前後方向から見て、リンク部材4と車体側部材20との間に、車両上下方向への相対変位が生じる場合がある。その際の動作については、上述した第一実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
(第二実施形態の効果)
(1)本実施形態のステアリング装置では、第一歯車及び第二歯車を取り付けるリンク部材を、操舵輪の回転中心よりも車両上下方向上方に配置するアッパリンクとする。
このため、リンク部材を、操舵輪の回転中心よりも車両上下方向下方に配置するロアリンクとする場合と比較して、操舵輪の回転中心よりも車両上下方向下方に形成する、クリアランスを増加させることが可能となる。
その結果、操舵輪が路面状の突起に接触した場合等、操舵輪に加わる外力により、操舵輪にキャスタ変化やキャンバ変化が生じた場合において、ドライブシャフト等とステアリング装置との干渉を抑制することが可能となる。
本発明の第一実施形態のステアリング装置1の構成を示す図であり、ステアリング装置1の上面図である。 図1のII線矢視図である。 図2中に円IIIで囲んだ範囲の拡大図である。 図3のIV−IV線断面図である。 図4のV−V線断面図である。 比較例のステアリング装置1を示す図である。 図6のVII線矢視図である。 変形例のステアリング装置1を示す図である。 変形例のステアリング装置1を示す図である。 変形例のステアリング装置1を示す図である。 本発明の第二実施形態のステアリング装置1の構成を示す図であり、ステアリング装置1を車両前後方向後方から見た図である。
符号の説明
1 ステアリング装置
2 車輪支持部材
4 リンク部材(ロアリンク,アッパリンク)
6 ステアリングシャフト
8 転舵手段
10 第一歯車
12 第二歯車
14 操舵力伝達部
16 ショックアブソーバ
18 ストラット
20 車体側部材
22 ブッシュ
24 シャフト側歯車
26 ピボット部材
28 外方部材
30 内方部材
32 転動体
34 凹部
36 軸受部材
38 支持軸
40 外方部材側転動体転動溝
42 外方部材側突出部
44 半球部
46 内方部材側転動体転動溝
48 内方部材側突出部
50 伝達軸
52 ブーツ
54 保持器
56 操舵力伝達機構(外方部材28、内方部材30、転動体32)
58 拘束リンク
60 アッパリンク
62 ロアリンク
W 操舵輪
B 車体
LF,LR 車体側連結点(二点の車体側連結点)
PP ピボット点
T 車体側連結点LFと車体側連結点LRとを通過する直線(二点の車体側連結点を通過する直線)
S1 第一歯車10の回転軸
S2 第二歯車12の回転軸
C 外方部材側突出部42と内方部材側突出部48との間に形成する隙間
D 転動体32の直径

Claims (6)

  1. 運転者の操舵操作に応じて操舵輪を操舵するステアリング装置であって、
    前記操舵輪を回転自在に支持する車輪支持部材と、一端部を車体側部材へ揺動可能に連結して、他端部を操舵力伝達部を介して前記操舵輪へ揺動可能に連結するリンク部材と、車幅方向に延在し、軸心回りに回転可能なステアリングシャフトと、前記操舵操作に応じて前記ステアリングシャフトを回転させる転舵手段と、を備え、
    前記リンク部材は、該リンク部材の前記車体側部材に対して車幅方向外側の位置において、前記ステアリングシャフトの回転を車両上下方向軸回りへの回転に変換する第一歯車と、当該第一歯車の回転により車両上下方向軸回りに回転する第二歯車と、を備え、
    前記操舵力伝達部は、前記第二歯車の回転により前記車輪支持部材を車両上下方向軸回りに回転させる操舵力伝達機構を備え、且つ前記車輪支持部材と前記第二歯車とを、車両前後方向軸回り及び車幅方向軸回りへ揺動可能に連結することを特徴とするステアリング装置。
  2. 前記リンク部材の一端部を、車両前後方向に離間する二点の車体側連結点で前記車体側部材と連結し、
    前記ステアリングシャフトと前記転舵手段とを、少なくとも車両前後方向軸回りに回転可能な状態で連結し、そのステアリングシャフトと前記転舵手段との連結点を、前記二点の車体側連結点を通過する直線上に配置することを特徴とする請求項1に記載したステアリング装置。
  3. 前記ステアリングシャフト、前記第一歯車及び前記第二歯車を、車両前後方向から見て、前記リンク部材と重なる位置に配置することを特徴とする請求項1または2に記載したステアリング装置。
  4. 前記リンク部材を、前記操舵輪の回転中心よりも車両上下方向上方に配置するアッパリンクとすることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載したステアリング装置。
  5. 前記操舵力伝達部は、開口部を車両上下方向上方へ向けた半球状の凹部を備える外方部材と、前記凹部内に対向配置する半球部を備える内方部材と、前記凹部と前記半球部との間へ配置する複数の転動体と、を備え、
    前記凹部の内面に、車両上下方向から見て放射状に延びる複数の外方部材側転動体転動溝を形成し、
    前記半球部の曲面に、前記外方部材側転動体転動溝と対向する複数の内方部材側転動体転動溝を形成し、
    前記複数の転動体を、前記外方部材側転動体転動溝と前記内方部材側転動体転動溝との間へ転動自在に装填し、
    前記凹部と前記半球部との最小隙間を、前記転動体の直径未満とし、
    前記凹部の外面を、前記第二歯車に連結し、
    前記半球部の平面を、前記車輪支持部材に連結することを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載したステアリング装置。
  6. 運転者の操舵操作に応じて操舵輪を操舵する操舵輪操舵方法であって、
    前記操舵操作に応じたステアリングシャフトの回転を、第一歯車により車両上下方向軸回りへの回転に変換し、
    前記第一歯車の回転により、第二歯車を車両上下方向軸回りへ回転させ、
    前記第二歯車と前記操舵輪を回転自在に支持する車輪支持部材とを、車両前後方向軸回り及び車幅方向軸回りへ揺動可能に連結した状態で、前記第二歯車の回転により、前記車輪支持部材を車両上下方向軸回りへ回転させることを特徴とする操舵輪操舵方法。
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