JP5280564B2 - アモルファス・シリコン層センサ - Google Patents

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Description

本発明は、連続センサ層を備えた高フィルファクタ画像アレイの構造およびその製造方法に関する。一層詳しくは、本発明は、接点注入電流を減らすことによって垂直方向漏洩電流を減らす高フィルファクタ画像アレイに関する。
普通の画像アレイでの1つ問題は、材料欠陥により生じる漏洩電流である。漏洩電流としては、隣り合ったマッシュルーム接点間の側方漏洩電流と垂直方向すなわち固有の漏洩電流とがある。側方漏洩電流は、画像解像度を低下させる。PINセンサの代表的な60×60平方マイクロメートルは、最高0.3ピコアンペア(pA)の側方漏洩電流を含む可能性がある。
垂直方向漏洩電流も、ノイズを導入することによって画質を劣化させる。導入されたノイズは、画像コントラストおよび/またはグレイスケールを低下させる。PINセンサの代表的な60×60平方マイクロメートルは、5ボルト接点電圧で約20フェムトアンペア(fA)の固有漏洩電流を含む可能性がある。
したがって、垂直方向漏洩電流を減らす方法および装置が必要である。
高フィルファクタ画像アレイでの1つ問題は、垂直方向漏洩電流が画像コントラストを低下させ、画像出力の品質を劣化させるということである。垂直方向漏洩電流の1つ原因は、金属が真性アモルファス・シリコンと接触したときに生じる接点注入電流である。
代表的なバック接点の製作中、単一のマスクが使用されて、金属バック接点と、金属接点を覆うN+ドープ・アモルファス・シリコン層の両方を形成する。しかしながら、N+ドープ・アモルファス・シリコン層および金属バック接点の両方に単一マスクを使用することにより、金属の縁が真性アモルファス・シリコンにさらされることになる。露出面積が小さいにもかかわらず、或る種の逆バイアス条件下では、大量の垂直方向漏洩電流を発生させてしまうことがわかった。垂直方向漏洩電流を回避するために、本発明の一実施例では、広い幅の広いN+アモルファス・シリコン層を発生する第2のマスクを使用するが、これがバック接点の金属部分をシールし、真性アモルファス・シリコン層と金属バック接点とのすべての直接的な接点を防ぐ。本発明の別の実施例では、金属バック接点およびN+アモルファス・シリコン層の両方をN+ドープ・ポリシリコン接点のような単一の代替材料と交換する。また、本発明の第3実施例では、N+アモルファス・シリコン層を保持し、金属バック接点のみを別の導電材料と交換し、これが、真性アモルファス・シリコンと接触させられたときに重要な注入電流を発生させない。
Nドープ・アモルファス・シリコン層を拡張させて真性アモルファス・シリコン層と金属バック接点との直接的な接触を排除した高フィルファクタ・センサの概略横断面図である。 p−i−nドープ・アモルファス・シリコンおよび金属インターフェイスを横切るFermiレベルを示すエネルギ・バンド線図である。 p−iアモルファス・シリコンおよび金属インターフェイスを横切るFermiレベルを示すエネルギ・バンド線図である。 ショットキー接合を横切って印加された電圧の関数としての接点注入電流を示すグラフである。 N+アモルファス・シリコン層および金属バック接点を単一のN+ドープ・ポリシリコン層と交換したフルフィル・ファクタ・センサの概略横断面図である。 レーザ露光の機能としてのNドープ・アモルファス・シリコンの1セクションの面積抵抗の変化を示すグラフである。 N+アモルファス・シリコン層を保持しているが、金属バック接点を非金属フィルムと交換したフルフィル・ファクタ・センサの概略横断面図である。 従来技術PIN感光性要素の概略横断面図である。
図1は、N+ドープ・アモルファス・シリコン層が金属バック接点、真性アモルファス・シリコン層間の接触を完全に除いているセンサ構造を示している。ここで使用している「バック接点」という用語は、電荷収集面の表面積を増大させることによってセンサ媒体、たとえば、アモルファス・シリコンからの電荷収集量を増大させるように設計したセンサ接点を意味する。代表的には、このようなバック接点は、「マッシュルーム形状」であり、センサ媒体にさらされる側により大きな表面積を設け、より小さい接触点表面積が収集された電荷を検出電子装置に送るようになっている。マッシュルーム形状の中心部は、代表的には、Uの字を形成しており、Uの字の底部が接触点を形成し、Uの字の頂部からの延長部が電荷を集める付加的な表面積を与える。延長部は、代表的には、Uの字の頂部に対して直角、収集面に対して平行の向きとなっている。このような構造が、図1に示してあり、以下に説明する。
図1において、P+ドープ・アモルファス・シリコン層52、真性シリコン層50およびN+ドープ・アモルファス・シリコン層48が、一緒になってPIN構造を形成している。透明な導電性ITO上方層54および金属バック接点46は、PIN構造をバイアスする。光子は、透明導電性ITO層を通過し、真性アモルファス・シリコン層50に自由電子および正孔を発生させる。接点に印加された電圧は、電子を金属バック接点46へ移動させる電界を発生させる。図示実施例において、金属バック接点46はマッシュルーム形状であり、金属マッシュルーム接点を形成する。
ここで使用しているマッシュルーム形状の接点は、代表的には、導電性底部セグメント65と、2つの導電性直立セグメント67、69とを包含するU字形部分を包含する。各直立セグメント67、69の第1端部は、底部セグメント65の対応する端部に連結している。各直立セグメント67、69は、底部セグメント65に対してほぼ直角な向きとなっている。各直立導電性セグメント67、69の第2端部は、対応する導電性延長セグメント71、73の端部に接続している。各延長部セグメント71、73は、底部セグメント65に対してほぼ平行、直立導電性セグメント67、69に対してほぼ直角な向きとなっている。
先に説明したように、各マッシュルーム接点は、延長部セグメント71、73によって創り出されるより大きい電荷収集面49を包含する。電荷収集面49は、センサ媒体から電荷を受け取る。接触点51は、マッシュルーム接点から集めた電荷をライン104を経て下層の電子装置に転送する。ライン104は、電荷を支持または読み出し電子装置に送る。図示実施例において、ライン104は、薄膜トランジスタすなわちTFTトランジスタ108のゲートに接続するデータ・ラインである。
TFTトランジスタ108は、多くの異なった方法を使用して形成することができる。TFTトランジスタ108を含む検出または像形成電子装置とセンサを統合する1つの方法は、TFTトランジスタを相補形金属酸化膜構造(CMOS)から形成し、このCMOS電子装置を覆って直接的にアモルファス・シリコン層50を含むセンサ媒体を形成することである。センサで使用するためのCMOS構造の形成を記載している参考文献としては、「the Amorphous and Microcrystalline Silicon Technology 1998 Symposium held in San Francisco on April 14-17, 1988」の会議論文の327〜338ページに示されるBohm, M.等の共著、「Image Sensors in TFA Technology- Status and Future Trends」がある。
従来技術金属マッシュルーム接点においてマッシュルーム構造を形成することは、金属バック接点46およびドープN+層48を形成するためにただ1つのマスクを使用するので、便利であった。しかしながら、単一のマスクを使用しての形成では、金属バック接点46の縁112、116を真性アモルファス・シリコン層と直接接触させたままである。逆バイアス条件下では、接点注入から生じる漏洩電流が、真性アモルファス・シリコン層と金属バック接点46の縁112、116とのインターフェイスに生じる。漏洩電流の量は、注入バリア高さおよび印加されたバイアス電圧から電界に依存する。漏洩電流に影響する漏洩電流およびファクタについての理由を、以下、添付図面の図2、図3、図4を参照しながら説明する。
垂直方向漏洩電流を減らすために、本発明の一実施例では、金属バック接点を形成するために第1マスクを使用し、N+アモルファス・シリコン層を形成するために第2マスクを使用する。N+アモルファス・シリコン層の面積は、金属バック接点の面積よりやや大きくて、金属バック接点46の縁112、116をカバーするN+アモルファス・シリコンのオーバーハング領域120を作る。このオーバーハング領域120は、真性アモルファス・シリコンからバック接点の金属部分をシールして遮断することによって、金属と真性アモルファス・シリコン間の直接的な接触を排除する。
ショットキー接点を除去する利点を理解して貰うために、図2は逆バイアスされたPINアモルファス・シリコンの金属インターフェイスに対するFermiレベルを示し、図3はPIアモルファス・シリコンの金属ショットキー・インタフェースに対するFermiレベルを示している。PINアモルファス・シリコン・センサにおいて、暗(ダーク)逆バイアス電流は、1)内部発生、2)接点注入および3)縁漏洩から生じる。暗逆バイアス電流の接点注入部分は、金属電極とアモルファス・シリコンの間の接合バリアを横切ったキャリア注入から生じる。接点注入電流は、I=Iinit exp(−qΦ/kT)として表すことができる。ここで、Φは、接合バリア高さであり、kは、ボルツマン定数であり、Tは温度であり、Iinitは、電流プリファクタであり、qは、電子電荷である。
図2に示すように、N+層でのドーピングが非常に高く、PINダイオードが逆バイアスされているとき、Fermiレベル200のエネルギ・バンド分布は、比較的平坦である。正孔生成のためのバリア高さ220、Φは、N+層におけるFermiレベル200とN+層における価電子帯204の間のインタフェース208付近の電位差である。I=Iinit exp(−qΦ/kT)関係により、比較的大きい値のΦが比較的小さい注入電流を生じさせる。
図3は、真性アモルファス・シリコンが金属と接触しているショットキー・ダイオードを示している。ショットキー・ダイオードにおいては、真性アモルファス・シリコン層におけるFermiレベル304は、僅かに広がるが、シリコン対金属のインターフェイス312付近のバンドギャップ308の中心では普通現状に留められる。正孔生成のための接合バリア高さ、Φは、シリコン対金属のインターフェイス312付近におけるFermiレベル304、価電子帯316間の電位差である。図3および図2は、一緒になって、濃くドープ処理したN+層が金属と接しているとき、ショットキー・ダイオード・バリア高さ320がバリア高さ220よりかなりより小さいことを示している。バリア高さが小さければ小さいほど、注入電流が大きくなる。
図4は、印加バイアス電圧の関数としての、ショットキー・ダイオードの注入電流密度をプロットしている。電流密度が、縦軸408に沿ってプロットしてあり、バイアス電圧が横軸404に沿ってプロットしてある。各曲線412、416、420、424は、異なった種類の金属についての電流密度対バイアス電圧をプロットしている。
縁接触注入電流を避け、その上、マッシュルーム接点を作るために、金属を図1で除去し、マッシュルーム形態で堆積したN+アモルファス層だけを残す。しかしながら、Nドープ・アモルファス・シリコンのシート抵抗は高い。代表的には、一平方あたり6メガオームのオーダーにある。高いシート抵抗は、読み出し時間を遅くする。
合理的読み出し時間を維持するために、図5は、図1の金属バック接点46およびNドープ・シリコン層48の両方を単一のNドープ・ポリシリコン・バック接点504と取り替えた本発明の一実施例を示している。ポリシリコン・バック接点504は、電荷を収集し、ライン104に移送する良好な導体として役立つ。ポリシリコン・バック接点504のNドーピングは、また、所望のPIN構造を提供する。図示のように、ポリシリコン・バック接点504は、また、マッシュルーム形状を維持する。
種々の方法を使用して、ドープ・ポリシリコン・バック接点を形成することができる。1つの形成方法としては、マッシュルーム形態にNドープ・アモルファス・シリコン層を堆積させる方法がある。レーザ結晶化が、Nドープ・アモルファス・シリコン層をNドープ・ポリシリコン層に変換する。レーザ結晶化中、TFT108および金属ライン104を保護するために、Nドープ・アモルファス・シリコンを完全に溶解させない選択的レーザ・プロセスを使用するとよい。図6のグラフに示すように、アモルファス・シリコンの完全な溶解は、所望に応じて低抵抗を達成するのに必要ない。不動態化層56は、TFT108をさらに保護するバッファ層としても役立つ。
図6は、レーザ露光の関数として、蛍光体原子でドープ処理したアモルファス・シリコンの100ナノメートル・セクションの面積抵抗における変化を示すグラフである。面積抵抗が縦軸604に沿ってプロットしてあり、レーザ・エネルギ密度が横軸608に沿ってプロットしてある。図6に示すように、約200mJ/cm2の適度なレーザ・エネルギが、一平方当たり1キロオームより低いシート抵抗を達成するのに充分である。
ドープ・ポリシリコン・バック接点を形成する第2方法は、真性アモルファス・シリコンを堆積させることである。イオン注入またはレーザ・ドーピングが、真性アモルファス・シリコンにN+イオンを堆積させるのに使用される。イオン注入またはレーザ・ドーピングの後のレーザ・アニールが、アモルファス・シリコンをポリシリコンに変換する。ポリシリコン・バック接点504をプラスマ水素化処理に数分さらしてから真性アモルファス・シリコンの堆積を行い、ポリシリコンと真性アモルファス・シリコンの間に高品質n−i接合508を確保してもよい。
ポリシリコンの他の代替材料を使用して、図1の金属バック接点46およびN+ドープ・アモルファス・シリコン層48の組み合わせと交換してもよい。このような材料の1つの例としては、ドープ・マイクロ結晶性シリコンがある。PECVD(Plasma Enhance Chemical Vapor Deposition)プロセスを使用して、水素希釈シランおよびホスフィンでドープ・マイクロ結晶性シリコンを堆積させてもよい。別の適切な材料としては、ドープ・ポリSiC(ポリシリコン・カーバイド)がある。ポリSiCを使用することの1つの利点は、ポリSiCの広いエネルギ・バンドギャップが高い電位バリアを与え、これが正孔注入を減らし、接点電流を最小限に抑えるということである。
図7は、図1のN+アモルファス・シリコン層48を含めて、マッシュルーム接点のために2つの層を利用し続ける本発明の別の実施例を示している。図7において、金属マッシュルーム接点112だけが、代替の材料700で取り替えてある。適当な代替材料は、大量の接点電流を発生させることのなく真性アモルファス・シリコン層と直接的に接触することのできる低シート抵抗(一平方当たり100キロオーム未満)を持つ半導体導体でなければならない。適当な代替材料としては、ドープ・ポリシリコン、ドープSiC、ドープSiGe、ドープ・Geのフィルムがある。N+層および代替材料の二重構造は、電荷を導き、接点注入電流を最小限に抑えるのに代替材料を利用しながらアモルファス・シリコンPIN接合の性質を維持する。真性アモルファス・シリコンとの或る程度の接触を許すため、Nドープ・アモルファス・シリコン層およびバック接点の代替材料の両方を製造するのに、単一のマスクが使用される。
46 金属バック接点
48 N+ドープ・アモルファス・シリコン層
50 真性シリコン層
51 接触点
52 P+ドープ・アモルファス・シリコン層
54 透明導電性ITO上方層
65 導線性底部セグメント
67 導電性直立セグメント
69 導電性直立セグメント
71 導電性延長セグメント
73 導電性延長セグメント
108 薄膜トランジスタ(TFTトランジスタ)
112 金属バック接点の縁
116 金属バック接点の縁
120 オーバーハング領域
200 Fermiレベル
204 価電子帯
220 バリア高さ
304 Fermiレベル
308 バンドギャップ
312 シリコン対金属のインターフェイス
504 Nドープ・ポリシリコン・バック接点

Claims (3)

  1. センサであって、
    真性アモルファス・シリコン層と、
    前記真性アモルファス・シリコン層の第1面に結合した、pドープ・シリコン層と、
    前記pドープ・シリコン層に結合した透明な第1電極と、
    前記真性アモルファス・シリコン層の第2面に結合した、少なくとも1つの非金属のバック接点とを含み、
    前記バック接点が、前記真性アモルファス・シリコン層の1つの領域から電荷を集め、集めた電荷を検出電子装置に与えるようになっており、
    前記バック接点が、底部導電性セグメント、2つの直立導電性セグメント、及び少なくとも1つの延長部セグメントを含み、各直立導電性セグメントの第1端部は前記底部導電性セグメントの対応する端部に結合し、各直立導電性セグメントは前記底部導電性セグメントに対して直角な向きとなっており、前記延長部セグメントは1つの直立導電性セグメントの第2端部に結合しており、
    前記非金属のバック接点は、ドープ・ポリSiC製である、
    ことを特徴とする、前記センサ。
  2. さらに、
    前記非金属のバック接点を隣接する非金属のバック接点から分離する、不動態化層、
    を含む、請求項1に記載のセンサ。
  3. さらに、
    前記バック接点の接点に結合した、薄膜トランジスタ、
    を含む、請求項1に記載のセンサ。
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