JP3614184B2 - フォトダイオード構造体及びフォトダイオードアレイ - Google Patents

フォトダイオード構造体及びフォトダイオードアレイ Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、放射線を検出するフォトダイオード構造体およびそのような構造体を製造する方法に関する。このようなフォトダイオード構造体は、たとえば、センサおよび検出器に使用されている。幾つかのフォトダイオード構造体を半導体チップ上に一直線に並べてフォトダイオードアレイを形成することができる。フォトダイオードアレイは代表的には分光光度計に使用されている。
【0002】
【従来の技術】
上述の形式のフォトダイオード構造体は米国特許第4,107,722号明細書から知られる。この既知のフォトダイオード構造体は、p型導電性のシリコン基板、基板上に設けられているn型導電性の、不純物濃度が比較的低い第1の層、第1の層上に設けられたn型導電性の、不純物濃度が第1の層より高い第2の層、および第2の層上に設けられた酸化シリコンの層から構成されている。このフォトダイオード構造体は像検出器に使用され、青色光応答性が高いことを特徴としている。
【0003】
伝統的なフォトダイオード構造体は、続いて図1を参照して説明する幾つかの欠点を示す傾向がある。図1はシリコンダイオードを用いる光導電検出の一般的原理を示す。フォトダイオードは絶縁層8、第1導電型の第1の半導体層3、および第2導電型の第2の半導体層4から構成されている。光子5はシリコンに吸収されて電荷対6を発生する。不純物がドープされている装置では、モデルに対して所定層内の少数キャリアだけを考えればよい。発生された電荷は、少数キャリアダイオードの接合部に到達しそれを横断して拡散し得るようになるにつれ(コネクタ1aおよび1bを経由して)検出される。競合プロセスは、欠陥中心7での少数キャリアの再結合である。このプロセスは量子効率を下げる。欠陥中心の濃度は表面で非常に高く、通常は不純物濃度が高くなると共におよび不純物の格子合が大きくなると共に増大する。
【0004】
吸収は赤外スペクトル領域では非常に低い。少数キャリアはシリコンの中の深で発生する。接合部までの拡散長は長く、活性欠陥中心により寿命が限られているため量子効率が下る。フォトダイオードアレイでは、寿命および拡散長が長いと隣接ダイオード間でクロストークが生ずる。
【0005】
赤外スペクトル領域と対照的に、紫外(UV)領域での吸収は非常に高い。少数キャリアは装置の表面の非常に近くで発生する。高い光子エネルギはシリコンの表面または近くで欠陥およびトラップを発生する。量子効率は長い走行で減少する。この問題は光劣化として知られている。光に突然さらすと、発生したトラップは電荷でゆっくり満たされる。したがって、表面近くの電界は露光に伴って変化する。これによって量子効率が変化する。その結果検出器信号がドリフトする。これを「過渡状態」とも言う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって真空紫外から赤外までの広いスペクトル範囲にわたり量子効率が高いフォトダイオード構造体を提供するのが本発明の目的である。
【0007】
その量子効率が時間を通じて変化しない、特に劣化しない、フォトダイオード構造体を提供するのが本発明の他の目的である。
【0008】
本発明の更に他の目的は大きな信号変化に対する応答にドリフトが重ならないフォトダイオード構造体を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、特殊な処理工程を付加する必要なく集積回路製造プロセスと両立し得る、上述の欠点を回避したフォトダイオード構造体を製造する方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、これらの目的は請求項1に規定するフォトダイオード構造体により達成される。請求項1によれば、フォトダイオード構造体は、半導体酸化物の最上層、n型導電性の高濃度にドープされた半導体層、p型導電性の半導体層、およびp型導電性の高濃度にドープされた基層から構成されている。酸化物層は酸化物層の下の高濃度にドープされた層と同じドーピング型のドーピング不純物を含有している。すなわち、酸化物層は第2の層の導電性と同じ型の導電性となる不純物を含有している。そのようにして、続く拡散工程中に高濃度勾配が生成され維持される。酸化物層の下の層で不純物濃度が減少しているため、少数キャリアをそれらが集められる接合部まで導く電界勾配が生ずる。ドープされた酸化物は高い正の境界面電荷を蓄積する傾向がある。二つの手段、すなわち、表面電荷の創生、および電界勾配、は共に少数キャリアを確実に効率良く集める作用をし、したがって量子効率が向上することになる。
【0011】
好適には、半導体材料の不純物濃度は従来技術のフォトダイオードより高く選定される。不純物濃度が高いと吸収係数が増大する。吸収係数が増大することにより、一層多数の電荷対が発生され、それを検出することができ、それにより量子効率が更に増大する。本発明と対照的に、従来技術では、関連する欠陥濃度のため高不純物濃度を使用することは好ましくないと考えられていた。本発明によれば、欠陥中心の発生というマイナスの効果を電界案内拡散、接合部までの距離を短くすること、および吸収を高くすることにより相殺することができる。
【0012】
本発明と対照的に、従来技術では表面酸化物は不純物濃度が低く且つ表面電荷が低くて非常にきれいであるということに意されていた。しかし、キャリアを反撥する、高濃度表面電荷が存在する場合には、量子効率は表面欠陥密度およびトラップ濃度のはるかに小さい関数である。きれいな酸化物は不純物をシリコンから引出すことができ、表面に近い濃度勾配を逆転する。ドープされた酸化物をシリコン上に成長させることにより、シリコンの表面における濃度を高めることができる。これは紫外範囲において特に有用である。360から90nmまでの範囲では、吸収係数は1×10 cm−1より高い。シリコン表面での高濃度はそれ故この 範囲で最も効果的である。
【0013】
要約すれば、本発明によるフォトダイオード構造体は、フォトダイオードの寿命にわたりおよび1×10 nmから真空紫外までの広いスペクトル範囲にわたり、高い且つ一定のレベルにある量子効率を確保する。
【0014】
本発明は、本発明の上述の長所を有するフォトダイオードを製造するための、現在の集積回路製造方法と両立し得る簡単で廉価なプロセスをも提供する。ドーピングは酸化物層を通してイオン注入により行われ、その後チップを、たとえば、炉内で、加熱しそれにより不純物の濃度が丁度表面で山になる。
【0015】
本発明はフォトダイオードアレイに好適に使用される。アレイを構成する個々のフォトダイオードは一つの製造プロセスで共に製造される。好適実施例によれば、個々のフォトダイオードの縁は、それぞれ、UV劣化および漏洩電流を防止するUV不透明シールドで覆われている。このUV透明シールドは、既知の集積回路処理工程を使用することにより、アレイ全体を作る同じ製造プロセスで作ることができる。本発明のフォトダイオードアレイは1100nmから真空紫外までの全スペクトル範囲で高量子効率を与える。このようなフォトダイオードアレイは、分光光度計で、たとえば非常に低い検出限界が必要な分析化学で、検出感度を向上している。本発明のフォトダイオードアレイは、液体クロマトグラフィのまたは毛細管電気泳動の検出器に有利に使用することができる。
【0016】
フォトダイオードアレイに特に有用な本発明の一実施例では、半導体基層上に設けられたドープ層の不純物濃度はこの基層に向って増大している。その結果、電荷キャリアを反撥する。したがって電荷キャリアが一つのフォトダイオードから隣接するものへ移動するのを防止する、すなわち、クロストークを減らす電界勾配が発生する。
【0017】
【実施例】
図2は本発明の好適実施例によるフォトダイオード構造体の概略断面図である。この構造体は実質上四つの層、すなわちp型シリコン基板12、p型層11、n型層10、および酸化物層9、から構成されている。酸化物層9はシリコンの近くに、すなわち層10の近くに、高い不純物濃度を備えている。酸化物層9の厚さは500nmの範囲にある。少くともシリコン面10に近い酸化物部分は熱酸化により成長している。熱的に成長した酸化物の厚さは約10乃至20nmである。
【0018】
シリコンにはイオン注入により燐がドープされている。シリコンは厚さ75nmの初期酸化物を通してドープされている。注入エネルギは得られる不純物濃度の最大を酸化物/シリコン境界面に置くように選定される。酸化物の厚さが75nmの場合、燐に対する注入エネルギは75keVである。酸化物は注入エネルギを通常の集積回路製作プロセスに適合させ、なお且つシリコン面近くで最高濃度を維持する。注入エネルギが更に高い場合には、不純物分布の最大が更に広くなり、不純物濃度の最大をシリコン面に置くのが一層容易になる。
【0019】
図3は図2に示すフォトダイオード構造体の不純物濃度の図解である。注入後の熱酸化により不純物の濃度が丁度表面14で山になる。これによりドーピングの深さおよび酸化物の厚さのプロセス許容差が補償される。熱酸化は半導体チップ全体を炉の中に指定時間置くことにより好適に行われる。得られるシリコン内のピーク濃度は約1×1020 cm−3である。酸化物内の濃度は10倍 低い。このため炉内の酸化をシリコン内の不純物拡散に対して同等の速さのものにする必要がある。高速酸化では、平衡に到達せず、長い最終拡散でシリコン表面での堆積が消失する。最終装置での典型的な接合部の深さは450nmである。
【0020】
層10の不純物濃度のプロフィルは、Nを不純物濃度(またはドーピング濃度)とし、Xをフォトダイオードの表面からの距離を表わす座標として、1/N×(dN/dX)に比例する電界を発生する。不純物濃度のプロフィルは接合部に向って単調に減少するので電界は少数キャリアを接合部に導くことになる。濃度勾配の高いことおよび接合部までの距離が短いことは電荷キャリアを確実に効率よく集めるのに好ましい。
【0021】
p層11が接合部の下にある。これは高濃度にp+ドープされたシリコンの上に成長した数マイクロメートルの厚さのエピタキシャル層である。硼素の基礎不純物濃度は約1×10 15 cm−3である。約1×10 19 cm−3の濃度の硼素で高濃度にドープされた層12は長波長の光子に対して更に高い吸収係数を持っている。付加濃度勾配は少数キャリアを逆に接合部の方に導く。フォトダイオードアレイでは、p+境界面の電位障壁が隣接ダイオード間のクロストークを減少させる。
【0022】
図4は本発明の更に他の実施例を示すものであって、本発明のフォトダイオード構造体がフォトダイオードアレイを成して配列されている。図4はフォトダイオードアレイの二つの感光域を貫く断面であって、このフォトダイオードアレイはこのような感光域を数十または数百も備えている。フォトダイオードアレイは基層12′を備えており、この層は図2に示す層12、すなわち、p+シリコン基板、と実質上同じである。層12′の上には図2の層11に対応するエピタキシャル層11′がある。層11′のドーピングプロフィルは図3に示すプロフィルに対応する。領域10′および20は個別感光域を構成している。これら領域のドーピングプロフィルは図3に示すプロフィル14に対応する。領域10′および20の上にはそれぞれ酸化物層9′および21があり、これは図2の酸化物層9に対応する。層9′および21の不純物濃度プロフィルは図3に参照数字13で示したものに対応する。
【0023】
図4に示すフォトダイオードアレイは感光域間を分離するフィールド酸化物の領域18a、18b、18cをも備えている。フォトダイオードアレイは感光域10′および20の縁を覆う金属層17a、17b、17cを備えている。これら金属層の主要目的は感光域の縁を不必要な漏洩電流を生ずるUV放射線から遮蔽することである。金属層17a−17cの代りとして、領域10′および20の縁をUV放射線から遮蔽するのにポリシリコンの層を使用することもできる。二つの代案のいずれにおいて、遮蔽層を現在の技術水準のIC生産プロセスにより適用することができる。
【0024】
本発明によるフォトダイオードアレイ製造プロセスは現在の技術水準IC生産に適合することができる。このようなフォトダイオードアレイでは、感光域および回路技術はチップに組合わせられ、適切なIC処理工程により製造される。フォトダイオードアレイは典型的には、回格子のような波長分散要素により空間的に分離された光を検出する分光光度計に使用されている。異なるダイオードが異なる波長にさらされる。したがって、アレイの各ダイオードは、該当するスペクトル範囲全体で高い安定な量子効率を備えるべきである。性能をその範囲の丁度一部に対してのみ最適化するということはできない。上述のように、p−p+構造の反撥特性はダイオード間のクロストークを減らすのに役立つ。参照数字15は電荷キャリアに対する可能な拡散経路を示している。わかるとおり、電荷キャリアは層11と12との間の境界に到達できる前に反射される。破線で示した仮想経路16は電界勾配による上述の反撥のため不可能である。このような経路は不可能であるから、隣接ダイオード間のクロストークは実質上減少する。
【0025】
フォトダイオードアレイでは、一つの接点(図2に示す接点1cのような)が接地されている。(図2に示す接点1dのような)他の接点はFETスイッチを経て読出し線に、そして結局は別の蓄積コンデンサに接続されている。読出し中、基準電圧がダイオードに加えられる。蓄積期間中、接続FETスイッチのソース/ドレインの電圧は基準電圧と0Vとの間で変る。これはFETのしきい電圧をも変える。この望ましくない効果は上述のものと同様の不純物プロフィルによって減らされる。米国特許第4,107,722号明細書に記されているプロフィルのような従来 技術のプロフィルには空乏領域が大きいことによりはるかに大きい逆バイアス効果がある。
【0026】
上に述べた本発明の特定の実施例に対して幾つかの代案が可能であることが理解される。たとえば、上述のプロセス工程の或るものを変えることができる。現存の処理方法に適合させるという理由で望ましければ、イオン注入中に存在する酸化物を除去し、熱酸化工程で再成長させることができる。しかし、表面で不純物濃度を上げるにはシリコン上の酸化物をアニールするかまたは再成長させる必要がある。
【0027】
不純物原子、燐、砒素、およびアンチモン、をドーピングに使用することができる。これら三つはすべてシリコン対酸化物に好適な偏析係数を備えているからである。しかし同じ不純物プロフィルを得るには注入エネルギおよび酸化物の厚さを不純物について別々に選択しなければならない。
【0028】
更に高い逆バイアスで動作している間は、光レベルの低いところで漏洩がかなりな雑音源になる。これは拡散を大きくすることにより、またはエネルギを大きくし且つドーズを低くして第2または第3の注入を行うことにより回避することができる。接合部が拡大し、電界強度が小さくなる。しかし、接合部は、電荷対の発生がすべての波長に対して最も高く且つ拡散長が短い表面に近接させておくべきである。
【0029】
以上、本発明の実施例について詳述したが、以下、本発明の各実施態様毎に列挙する。
(1) 放射線を検出するフォトダイオード構造体であって、
不純物濃度が比較的高いp型導電性の半導体基層と、
p型導電性を有し且つ前記半導体基層のものより全般的に小さい不純物濃度を有する材料の前記半導体基層上に設けられた第1の層と、
n型導電性を有する材料から成り、その不純物濃度が第1の層との接合部に向って減少している前記第1の層の上に設けられた第2の層と、
第2の層と同じ型の導電性ドーピング不純物を含有している前記第2の層の上に設けられた酸化物層と、
からなることを特徴とするフォトダイオード構造体。
【0030】
(2) 酸化物層および第2の層の不純物濃度が、前記二層間の境界で不連続である前項(1)に記載のフォトダイオード構造体。
【0031】
(3) 第2の層の中の不純物の平衡濃度を酸化物層の中の不純物の平衡濃度で割った偏析係数が1より大きく、酸化物層の中の不純物拡散が第2の層の中の不純物拡散に比較して小さい前項(2)に記載のフォトダイオード構造体。
【0032】
(4) 第1の層はエピタキシャル層である前項(1)乃至(3)のいずれかに記載のフォトダイオード構造体。
【0033】
(5) 第1の層の不純物濃度は、第1の層と第2の層との間の接合部から半 導体基層に向って増大している前項(1)乃至(4)のいずれかに記載のフォトダイオード構造体。
【0034】
(6) 第2の層および酸化物層の不純物原子は燐、砒素、またはアンチモンのいずれかである前項(1)乃至(5)のいずれかに記載のフォトダイオード構造体。
【0035】
(7) 前項(1)乃至(6)のいずれかに記載のフォトダイオード構造体の複数からなるフォトダイオードアレイ。
【0036】
(8) 半導体基層および第1の層が、個別フォトダイオード構造体すべてに共通の層を形成している前項(7)に記載のフォトダイオードアレイ。
【0037】
(9) フォトダイオード構造体の第2の層の縁はそれぞれUV不透明層で覆われている前項(7)または(8)に記載のフォトダイオードアレイ。
【0038】
(10) 不純物濃度が比較的高いp型導電性の半導体基層を形成する工程と、
前記半導体基層上に、p型導電性を有し且つその不純物濃度が前記半導体基層のものより小さい材料の第1層を形成する工程と、
前記第1の層の部分に酸化物層を通してイオン注入により不純物原子をドープすることにより前記第1の層の上に設けられた材料の第2の層を形成する工程と、
前記イオン注入後先に形成した層を熱処理する工程と、
からなることを特徴とするフォトダイオード構造体の製造方法。
【0039】
(11) 少くとも第2の層に近接している酸化物の部分を熱酸化により成長させる前項(10)に記載のフォトダイオード構造体の製造方法。
【0040】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、以下のような効果が得られる。
(1)真空紫外から赤外までの広いスペクトル範囲にわたり量子効率が高いフォトダイオード構造体を提供することができる。
(2)その量子効率が時間を通じて変化しない、特に劣化しない、フォトダイオード構造体を提供することができる。
(3)大きな信号変化に対する応答にドリフトが重ならないフォトダイオード構造体を提供することができる。
(4)特殊な処理工程を付加する必要なく集積回路製造プロセスと両立し得る、上述の欠点を回避したフォトダイオード構造体を製造する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光検出の原理を図解するためのフォトダイオードの概略図である。
【図2】本発明の一実施例によるフォトダイオード構造体の断面図である。
【図3】図2に示すフォトダイオード構造体の不純物濃度のグラフである。
【図4】本発明によるフォトダイオードアレイの一部の断面である。
【符号の説明】
9、9′…酸化物層
10、10′…n型層
11、11′…p型層
12、12′…基層
17a、17b、17c…金属層
18a、18b、18c…フィールド酸化物
20…n型層
21…酸化物層

Claims (8)

  1. 放射線を検出するフォトダイオード構造体であって、不純物濃度が比較的高いp型導電性の半導体基層と、該半導体基層上に設けられてp型導電性を有し且つ前記半導体基層の不純物濃度より小さい不純物濃度を有する材料の第1の層と、該第1の層上に設けられてn型導電性を有する材料から成り、その不純物濃度が前記第1の層との接合部に向って減少している第2の層と、該第2の層上に設けられて該第2の層の導電性と同じ型の導電性とする不純物を含有している酸化物層とを備えるフォトダイオード構造体において、
    製造工程における不純物注入後の酸化により前記酸化物層と前記第2の層との境界で前記不純物濃度が増大するようにされ、これにより前記酸化物層と前記第2の層の間で前記不純物濃度が不連続となるよう構成されることを特徴とするフォトダイオード構造体。
  2. 前記第2の層の不純物の平衡濃度を前記酸化物層の不純物の平衡濃度で割った偏析係数が1より大きく、前記酸化物層の不純物拡散が前記第2の層の不純物拡散に比較して小さい請求項1に記載のフォトダイオード構造体。
  3. 前記第1の層はエピタキシャル層である請求項1乃至2のいずれかに記載のフォトダイオード構造体。
  4. 前記第1の層の前記不純物濃度は、前記第1の層と前記第2の層との間の接合部から前記半導体基層に向って増大している請求項1乃至3のいずれかに記載のフォトダイオード構造体。
  5. 前記第2の層および前記酸化物層の不純物原子は燐、砒素、またはアンチモンのいずれかである請求項1乃至4のいずれかに記載のフォトダイオード構造体。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の前記フォトダイオード構造体の複数からなるフォトダイオードアレイ。
  7. 前記半導体基層および第1の層が、個別の前記フォトダイオード構造体すべてに共通の層を形成している請求項8に記載のフォトダイオードアレイ。
  8. 前記フォトダイオード構造体の前記第2の層の縁はそれぞれUV不透明層で覆われている請求項6または7のいずれかに記載のフォトダイオードアレイ。
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