JP5278706B2 - 難燃性接着剤樹脂組成物及びそれを用いた接着剤フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、耐熱性接着剤樹脂組成物に関し、詳しくは高耐熱、難燃性の接着剤組成物並びにそれを用いた接着剤フィルムに関する。
プリント配線基板としては、従来、紙−フェノール樹脂、ガラス繊維−エポキシ樹脂からなる基材あるいはポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の基材と金属を貼り合わせたものが用いられている。
また、近年、電機・電子機器、精密機器の分野において用いるプリント配線板においては、配線占有面積が小さくなり、このため多層プリント基板の需要はますます高くなっている。プリント配線板を積層して多層プリント配線板を作製したり、異種の回路材料を複合化する工程においては、種々の接着剤あるいは接着剤フィルムが用いられている。
このような接着剤は、多層プリント基板用接着剤、カバーレイフィルム用接着剤として広く使われているが、接着強度、耐薬品性、はんだ耐熱性、耐折性等に優れた材料が求められるようになってきた。また、火災安全性確保の点から難燃性に優れた材料が求められてきた。
従来の接着剤フィルムは、難燃性を付与するために、臭素等のハロゲンを含有する樹脂又は添加物等が使用されていた。ハロゲンは難燃性の付与の他、コストパフォーマンスが高く、プラスチックを劣化させにくいなどの理由から広く用いられてきた。しかしここに含まれるハロゲンは、燃焼時にダイオキシン等の有害物質を発生させる原因となる可能性が懸念されており、材料からのハロゲンの排除が強く望まれている。
プリント基板用途に使用される接着剤は、例えば、特許文献1〜5等で提案されている。
これらの特許文献は、いずれもエポキシ樹脂、硬化剤、アクリロニトリルブタジエンゴム若しくはフェノキシ樹脂を主要成分とするものであり、難燃化の手段はいずれも臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂を配合することによっている。
一方、ハロゲンに替わる難燃性付与材料として、非ハロゲン系の様々な材料が開発されている。その中でも最も一般的な手法はリンを含む樹脂の使用又は有機リン系化合物の添加である。このような難燃性接着剤としては、例えば、特許文献6〜10等が挙げられる。
特許文献6、7、9は、有機リン化合物を、特許文献8及び10は、公知のリン含有エポキシ樹脂、リン含有フェノキシ樹脂を非ハロゲン系での難燃化の手段として各々配合することとしている。
特開平10−102025号公報 特開2001−164226号公報 特開2001−323242号公報 特開2001−354936号公報 特開2003−181993号公報 特開2001−339131号公報 特開2002−60720号公報 特開2003−176470号公報 特開2004−331783号公報 特開2005−290229号公報
本発明の目的は、硬化前のフィルム状態においてワレ、ハガレなどがなく作業性に優れ、硬化後のピール接着力、ハンダ耐熱性、フロー性等の接着剤特性に優れ、しかも環境に対応するために非ハロゲン化を実現した難燃性の接着剤樹脂組成物を提供することにある。更に、このような接着剤樹脂組成物を用いた難燃性の接着剤フィルム及びカバーレイフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、接着剤樹脂組成物の反応前混合物及び反応後硬化物のガラス転移温度を特定の範囲とするために適した配合成分を見出したことで、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記(A)〜(D)成分、
(A)フェノキシ樹脂、
(B)エポキシ樹脂、
(C)硬化剤、及び
(D)硬化促進剤、
を必須成分として含有する難燃性接着剤樹脂組成物であって、硬化剤の活性水素当量が20〜30であり、難燃性接着剤樹脂組成物100重量部に対し、有機リン化合物又はリン含有樹脂をリンとして0.5〜5重量部を含有し、且つ該樹脂組成物の熱硬化後のガラス転移温度が100℃以上であることを特徴とする難燃性接着剤樹脂組成物である。
また、本発明の難燃性接着剤樹脂組成物は、熱硬化前のガラス転移温度が0〜50℃であること、又は実質的にハロゲンを含まないことにより、優れた難燃性接着剤樹脂組成物を与える。
また本発明は、(A)成分が、下記一般式(1)で表され、リン含有率が1〜6重量%であるリン含有フェノキシ樹脂である上記の難燃性接着剤樹脂組成物である。
Figure 0005278706
(式中、Xは下記一般式(2)又は(3)で表される2価の基を必須とする一般式(2)、(3)、(4)又は(5)で表される2価の基から選ばれる少なくとも1種の2価の基示し、Zは水素原子又はグルシジル基を示し、nは平均値で21以上である。)
Figure 0005278706
(式(2)〜(5)中、Yは下記一般式(7)又は(8)で表されるリン含有基を示し、R〜R、R〜R4、R〜Rは独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を示す。Aは単結合又は―CH―、−C(CH−、−CH(CH)−、−S−、−SO−、−O−、−CO−若しくは一般式(9)で表される基から選ばれる2価の基を示す。)
Figure 0005278706
(式(7)〜(9)中、R〜R、R〜R10は独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を示す。)
また、(A)成分の含有率としては、20〜80重量%の範囲が好ましい。
更に本発明は、(B)成分が、下記一般式(10)で表されるエポキシ樹脂である上記の難燃性接着剤樹脂組成物である。
Figure 0005278706
(式中、Wは上記一般式(5)で表される2価の基を示し、mは0以上の整数であり、mの平均は0.1〜15である。)一般式(10)において、m=0体の含有率が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定したクロマトグラムの面積パーセントで70%以上であるエポキシ樹脂は、優れた難燃性接着剤樹脂組成物を与える。
また本発明は、上記の難燃性接着剤樹脂組成物を、フィルム状に形成してなることを特徴とする難燃性接着剤フィルムである。更に本発明は、ポリイミドフィルムと、該ポリイミドフィルム上に設けられた上記の難燃性接着剤樹脂組成物からなる層とを有することを特徴とするカバーレイフィルムである。更にまた本発明は、上記の難燃性接着剤樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物である。
以下、本発明の難燃性接着剤樹脂組成物に関する説明をし、次に難燃性接着剤フィルム及びカバーレイフィルムに関する本発明の説明をするが、共通する部分は同時に説明する。
本発明の難燃性接着剤樹脂組成物(接着剤樹脂組成物又は樹脂組成物と略称することがある。)は、上記(A)〜(D)成分を必須成分として含有する。(A)成分はフェノキシ樹脂であり、(B)成分はエポキシ樹脂であり、(C)成分は硬化剤であり、(D)成分は硬化促進剤である。
(A)成分のフェノキシ樹脂は、その分子構造中にフェノキシ骨格を有する樹脂であれば適用可能である。フェノキシ樹脂は、金属箔、特に銅箔又は銅合金箔との高い接着性を発現させる成分であり、しかも(B)成分のエポキシ樹脂及び(C)成分の硬化剤との架橋を阻害しにくいため、得られる樹脂組成物の熱硬化後のガラス転移温度(Tg)を低下させず、樹脂組成物の硬化物特性としての半田耐熱性を向上させることができる。また、得られる樹脂組成物をカバーレイフィルムに適用した場合、熱圧着して積層一体化する際に接着剤としての適度な流れ性(フロー性)を発現することができる。接着剤樹脂組成物における難燃性の付与の観点から、(A)成分はリン含有率が1〜6重量%、好ましくは2〜5重量%であるリン含有フェノキシ樹脂が好ましい。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した標準ポリエチレンオキサイド換算重量平均分子量は、10,000〜200,000、好ましくは15,000〜150,000、より好ましくは20,000〜120,000がよい。
有利には、上記一般式(1)で表され、リン含有率が1〜6重量%であるリン含有フェノキシ樹脂を配合することがよい。一般式(1)において、Xは上記一般式(2)、(3)、(4)又は(5)で表される基から選ばれる少なくとも1種の2価の基を示すが、一般式(2)又は(3)で表される2価の基を必須とする。有利には、一般式(2)又は(3)で表される2価の基の一方又は両者をX中に20モル%以上、好ましくは50モル%以上含むことがよい。Zは水素原子又は下記式(6)で表されるグルシジル基を示す。nは平均値で21以上であるが、好ましくは30〜5000の範囲である。かかるリン含有フェノキシ樹脂は、例えば、特開2001−310939号公報に開示されている方法により製造することができる。
Figure 0005278706
また、上記一般式(2)、(3)、(4)及び(5)において、Yは上記記一般式(7)又は(8)で表されるリン含有基を示す。式(5)中のAは単結合又は―CH―、−C(CH−、−CH(CH)−、−S−、−SO−、−O−、−CO−若しくは一般式(9)で表される2価の基から選ばれる2価の基を示す。式(2)〜(5)及び(7)〜(9)中、R〜R10は独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を示す。好ましくは、水素又はメチル基であり、メチル基の数は4以下であることがよい。
(B)成分のエポキシ樹脂は、エポキシ基を2以上有するエポキシ樹脂を使用することができるが、上記一般式(10)で表されるエポキシ樹脂が好ましい。式(10)において、Wは上記一般式(5)で表される2価の基を示し、mは0以上の整数であり、mの平均は0.1〜15である。
上記一般式(10)で表されるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。なお、ビス(クレゾール)メタンを主成分とするノボラック樹脂から誘導されるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等を使用することもできる。エポキシ樹脂は、実質的にハロゲン元素を含まないものであることがよい。
樹脂組成物を乾燥して得られる乾燥物又はフィルム(以下、Bステージ状態組成物という)のガラス転移温度を所定の範囲とするためには、エポキシ樹脂は上記一般式(10)において、mが0である重合度m=0体の含有率が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの面積パーセントを用いて測定したクロマトグラムの面積パーセントで70%以上であることがよく、より好ましくは80%以上である。そして、常温で液状であることが好ましい。
本発明の難燃性接着剤樹脂組成物100重量部中には、(A)成分を20〜80重量部、好ましくは30〜70重量部、更に好ましくは40〜60重量部配合することがよい。20重量部を下回ると柔軟性の低下、内部応力の増加により、接着力が発現せず、80重量部を上回ると架橋成分の比率の減少により、ハンダ耐熱性が低下し、接着剤としての性能を損なう。また、(B)成分は20〜70重量部の範囲で配合することが好ましい。(B)成分が20重量部を下回ると、架橋密度が低下して接着剤樹脂組成物の耐熱性が低下し、70重量部を上回ると、可とう性が低下して接着剤樹脂組成物のはく離接着力が低下する、という問題が生ずる。ここで、難燃性接着剤樹脂組成物の重量の計算にあたっては、乾燥除去される溶剤が含まれる場合、これは除外される。
(C)成分の硬化剤は、(B)成分のエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものが使用できるが、の活性水素当量が20〜30の範囲のものである必要がある。活性水素当量は、硬化剤Xg当たりYモルの活性水素(H)があるとすると、X/Y(g/eq)で計算される。この活性水素当量が20未満の場合、架橋点が偏り耐熱性が低下する。30を超える場合、(B)成分に対する(C)成分の比率が増加し、折り曲げ性が低下する。かかる硬化剤には、ノボラック型フェノール樹脂、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、アジン類、イミダゾール類等であって、活性水素当量が20〜30のものが有利に使用できる。これらは1種又は2種以上併用することも可能である。また、(C)成分として、イミダゾール類を使用する場合、これは(D)成分でもあるので、(D)成分としても計算される。(C)成分の使用量は、(B)成分のエポキシ樹脂に対し当量比(C)/(B)が0.5〜1.5となるように配合することが好ましい。一般に、フェノール樹脂系硬化剤を用いる場合は、0.8〜1.2、アミン系硬化剤を用いる場合は、0.5〜1.0とすることがよい。
(D)成分の硬化促進剤としては、トリフェニルホスフィン等の有機リン系化合物や2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、3級アミン、ルイス酸を用いることができる。その配合率は、求められる硬化時間に応じて適宜選定されるが、一般的には、難燃性接着剤樹脂組成物に対して、0.01〜3.0重量%の範囲で用いることがよい。また、(D)成分として、有機リン系化合物を使用する場合、他の有機リン化合物又はリン含有樹脂とを合わせて、難燃性接着剤樹脂組成物100重量部に対し、リンとして0.5〜5重量部の範囲となるように配合する。
本発明の難燃性接着剤樹脂組成物は、該樹脂組成物100重量部中に、リン化合物(樹脂であってもよい)をリンとして0.5〜5重量部、好ましくは1〜4重量部、より好ましくは1.5〜3重量部を含有することがよく、接着剤樹脂組成物の硬化後の半田耐熱性を低下させずに難燃性を付与しつつ、耐マイグレーション性を向上させることができる。このようなリン化合物としては、シクロフェノキシホスファゼン、リン酸エステルアミド、芳香族縮合リン酸エステル、有機ホスフィン酸の金属塩などの有機リン化合物、又はリン含有エポキシ樹脂、(A)成分のようなリン含有フェノキシ樹脂などのリン含有樹脂を用いることが出来る。有利にはリン含有フェノキシ樹脂である。これらは、各々1種単独で用いても、2種以上を併用してもよいが、リン含有フェノキシ樹脂を単独で使用することが好適である。
本発明の難燃性接着剤樹脂組成物は、該樹脂組成物100重量部に対し、有機リン化合物又はリン含有樹脂をリンとして0.5〜5重量部を含有し、難燃性を向上させるための成分としてハロゲン(ハロゲン元素又はハロゲン化合物として存在するハロゲンをいう)を含まない。有利には、実質的にハロゲンを含まない。ここで、実質的にハロゲンを含まないとは、ハロゲン元素に換算して900wtppm以上のハロゲンを含まないことをいう。
本発明の難燃性接着剤樹脂組成物は、樹脂組成物を熱硬化後して得られる硬化物のガラス転移温度が100℃以上、好ましくは100〜170℃の範囲にある。熱硬化後の硬化物のガラス転移温度が100℃未満では、耐マイグレーション性が低下する。また、本発明の難燃性接着剤樹脂組成物における熱硬化前の樹脂組成物(Bステージ状態組成物に該当する。)のガラス転移温度は好ましくは0〜50℃の範囲、より好ましくは10〜50℃の範囲にあることがよい。Bステージ状態組成物のガラス転移温度が0℃よりも低い場合、フィルムに粘着性が発現し、FPCに加工する際、位置決めの調整が困難となり、実用性に欠ける。また、50℃を超える場合、フィルムの柔軟性が失われ、ワレ、ハガレなどの不具合を発生しやすい。なお、樹脂組成物の熱硬化前及び硬化後のガラス転移温度は、主に(B)成分のエポキシ樹脂及び(C)成分の硬化剤の種類及び配合量によって調整可能である。
ここで、Bステージ状態組成物のガラス転移温度又は硬化物のガラス転移温度の測定は、後記する特性評価方法の条件による。
本発明の難燃性接着剤樹脂組成物は、上記必須成分以外の成分として、無機系難燃剤としての水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウム、補強剤若しくは増量剤としてのシリカ、炭酸カルシウム等の体質顔料、柔軟性付与剤として高分子エラストマーを配合することができ、あるいは粘度調整剤、カップリング剤等の添加剤も配合することができる。その添加率は、求められる特性に応じて適宜選定される。
また、本発明の難燃性接着剤樹脂組成物は、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、2−エトキシエタノール等の有機溶剤に溶解又は分散した接着剤樹脂溶液として使用に供される。その場合の固形分濃度は、使用条件によって適宜選定されるが、20〜60重量%とするのが一般的である。なお、溶剤は本発明の難燃性接着剤樹脂組成物を構成する成分ではなく、難燃性接着剤樹脂組成物を溶液とするために使用される成分と理解される。したがって、難燃性接着剤樹脂組成物中への各成分の配合量の計算に当たっては、溶剤は計算から除外される。
本発明の難燃性接着剤樹脂組成物は、フィルム状に成形して用いることができる。この場合、公知の方法を用いてフィルム化することが可能であるが、好適な成形方法の例としては、難燃性接着剤樹脂組成物をメチルエチルケトン等の有機溶剤で希釈して溶液状にした後、得られた接着剤樹脂溶液を、表面が剥離処理された金属箔、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等の基材上に公知の方法により塗工し、溶剤を蒸発させてタックフリー化し、且つ接着剤樹脂層を構成する組成物が硬化反応しない温度、時間条件で乾燥して、接着剤フィルム層を形成し、これを基材より剥離して、難燃性接着剤フィルムとする。この乾燥条件は、使用する溶剤や樹脂組成物によって変化するが、一般的には130〜160℃、3〜10分の温度、時間範囲が選定される。また、ポリエステル等の離型フィルムと難燃性接着剤フィルムの層よりなるボンディングシートとする場合には、離型フィルムと難燃性接着剤フィルムの層の厚みの比は、特に限定されないが、離型フィルム厚み10〜15μmのとき、難燃性接着剤フィルム厚み15〜30μmの範囲のものが好適に利用できる。
本発明の難燃性接着剤フィルムの使用方法としては、例えば、フレキシブルプリント配線基板、ガラス繊維−エポキシ配線基板、紙−フェノール配線基板又はこれらを回路加工して得られる各種プリント配線板、金属、樹脂基材等の被接着物の接着に適する。金属箔と樹脂基材を接着することによりプリント配線基板を得ることができ、プリント配線基板又はプリント配線板同士を接着させることにより多層のプリント配線基板又はプリント配線板を得ることができる。プリント配線板とカバーレイを接着させることにより、カバーレイ付き、プリント配線板を得ることができる。その他、プリント配線基板又はプリント配線板の接続用接着剤フィルムとしても使用できる。いずれにしても、プリント基板の製造又は加工の工程に有利に使用される。
また、基材樹脂フィルムの片面又は両面に本発明の難燃性接着剤樹脂組成物の層を設けて、これを接着剤フィルムとすることができる。ここで、基材樹脂フィルムとしてはポリイミド樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム等がある。また、基材樹脂フィルムの難燃性接着剤樹脂組成物の層と接する面を剥離処理したものとすることもできる。片面に難燃性接着剤樹脂組成物の層を設けた接着剤フィルムとしては、カバーレイフィルムがある。基材樹脂フィルムの表面を剥離処理した接着剤フィルムとしては、ボンディングシートがある。
ボンディングシートは、ポリエステルフィルム等の表面が剥離された樹脂フィルムに接着剤樹脂層を設けることにより得られる。ポリエステル等の剥離処理フィルム及び接着剤フィルム層よりなるボンディングシートとして使用する場合には、剥離処理フィルムと接着剤フィルム層の厚みの比は、特に限定されないが、剥離処理フィルム厚12.5μmのとき、接着剤層15〜30μmを設けたものが好適に利用できる。
本発明の難燃性接着剤樹脂組成物は、カバーレイフィルムの接着剤層に適用することもできる。その場合、カバーレイフィルムはポリイミドフィルム及び前記の接着剤樹脂組成物より形成されるが、本発明のカバーレイフィルムを形成する方法としては、従来の方法を用いてフィルム化することが可能である。好適な成形方法の例としては、上記接着剤樹脂組成物をメチルエチルケトン等の有機溶剤で希釈して溶液状にした後、得られた溶液をポリイミドフィルム上に塗工し、溶剤を蒸発させてタックフリー化し、かつ接着剤層を構成する接着剤樹脂組成物は硬化反応しない温度、時間条件で乾燥して、カバーレイフィルムとする方法がある。ポリイミドフィルムに2〜200μmの厚さ、好ましくは5〜100μm、更に好ましくは10〜50μmの厚さでコーティングした後、乾燥する。この乾燥条件は、使用する溶剤や樹脂組成物によって変化するが、一般的には130〜160℃、3〜10分の温度、時間範囲が選定される。また、ポリイミドフィルムは耐熱性及び難燃性を増すために必要であり、このポリイミドフィルムの厚さは、必要に応じて適切な厚さのものを使用すればよいが、好ましくは3〜50μm、より好ましくは5〜30μmがよい。ポリイミドフィルムと接着剤層の厚みの比は、限定されないが、フィルム厚12.5μmのとき接着剤層15〜20μm、フィルム厚25μmのとき接着剤層25〜35μm、各々設けたカバーレイフィルムが一般的である。
次に、合成例、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。難燃性接着剤樹脂組成物(接着剤樹脂組成物という)の硬化物特性及びFPC用材料特性であるカバーレイフィルム及びボンディングシートの特性評価方法は、以下の通りである。
1. Bステージ物性
1.1 ガラス転移温度(Tg)
接着剤樹脂組成物をメチルエチルケトン溶剤に溶解して35重量%接着剤溶液とした後、縦×横×厚さ=50×150×1mmのフッ素樹脂シート上に塗布し、135℃で5分間乾燥して溶剤を蒸発させ、硬化反応前のフィルム(Bステージ状態組成物のフィルム)を調製した。この試料の温度分散tanδ曲線を動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメント社製DMS−6100)を用い、周波数10Hz、温度範囲−150〜200℃、昇温速度2℃/分の条件で測定し、得られた温度−tanδ曲線のピーク温度をガラス転移温度(Tg)とした。
1.2 耐割れ性及び耐ハガレ性
上記35重量%接着剤溶液を、縦×横×厚さ=200mm×300mm×25μmのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製、アピカルNPI)の片面に接着剤溶液を塗布し、135℃で5分間乾燥を行い、接着剤層厚さ25μmのカバーレイフィルムを調製後、カバーレイフィルムの接着剤塗布面が内側になるように、指でカバーレイフィルムを折り曲げた時、接着剤層に割れ、ハガレが発生するかどうかを目視観察した。判定は、割れ、ハガレの発生が認められた場合を「不可」、割れ、ハガレの発生が認められない場合を「良」とした。
2. 硬化物特性
2.1 ガラス転移温度(Tg)
上記35重量%接着剤溶液を、縦×横×厚さ=50×150×1mmのフッ素樹脂シート上に塗布し、135℃で5分間乾燥して溶剤を蒸発後、接着剤塗布面に同一形状の別のフッ素樹脂シートを重ね、170℃で1時間、真空加熱プレスを行った後、190℃で2時間、後硬化を行って、試料となる接着剤硬化物フィルムを調製した。この試料の温度分散tanδ曲線を動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメント社製DMS−6100)を用い、周波数10Hz、温度範囲−150〜200℃、昇温速度2℃/分の条件で測定し、得られた温度−tanδ曲線のピーク温度をガラス転移温度(Tg)とした。
3. FPC用材料特性及びカバーレイフィルム特性
3.1 耐燃性
上記35重量%接着剤溶液を、縦×横×厚さ=200mm×300mm×25μmのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製、アピカルNPI)の片面に接着剤溶液を塗布し、135℃で5分間乾燥を行い、接着剤層厚さ25μmのカバーレイフィルムを調製後、JPCA−BM02−1991の7.7記載の寸法に切り取った2枚のカバーレイフィルムを接着剤面で貼り合わせ、その後、170℃で1時間、加熱プレスを行い、その後190℃で2時間、後硬化を行って試料調製を行った。続いて、JPCA−BM02−1991の7.7の手順に従って耐燃性試験耐燃性測定を行い、UL規格94の判定基準である、「VTM−0」、「耐燃性なし」の2水準で耐燃性を判定した。「VTM−0」は耐燃性があることを意味する。
3.2 引きはがし強さ
上記と同じ条件でカバーレイフィルムを調製後、銅張積層板(新日鐵化学株式会社製、エスパネックスMC−12−25−00CEM)と加熱プレスにより、テストピースを作製した。テストピース作製時における接着剤樹脂組成物の熱硬化条件は前記同様、170℃で1時間の加熱プレス後、190℃で2時間の後硬化とした。作製したテストピースをJPCA−BM02−1991の7.5引きはがし強さに従ってテストピースの作製及び引き剥がし強さを測定した。
3.3 はんだ耐熱性(外観)
上記と同じ条件でカバーレイフィルムを調製後、JPCA−BM02−1991−7.9はんだ耐熱性(外観)に従ってテストピースの作製及びはんだ耐熱性試験を実施した。テストピース作製時における接着剤樹脂組成物の熱硬化条件は前記同様、170℃で1時間の加熱プレス後、190℃で2時間の後硬化とした。このテストピースを105℃で1時間乾燥させた後、260℃に設定した半田浴中に5秒間浮かせて、その接着状態を観察した。判定は、発泡、膨れ、剥離等の不具合の有無を確認し、不具合が認められない場合を「良」、不具合が認められる場合を「不可」とした。
3.4 耐折性
上記と同じ条件でカバーレイフィルムを調製後、銅張積層板(新日鐵化学株式会社製、MC12−25−00CEM)を用いて、JPCA−BM02−1991−7.6.1のA法耐折性試験に従って、テストピースの作製及び耐折性試験を実施した。硬化条件は、同様に170℃、1時間のカバーレイフィルムの加熱プレス後、190℃、2時間の後硬化とした。曲率半径は0.38mmとした。判定は、テストピースの銅回路が断線し、通電不能になるまでの屈曲回数を測定した。判定は、断線までの屈曲回数が1000回以下の場合は「不可」、1000〜3000回の場合は「可」、3000回以上の場合は「良」とした。
3.5 接着剤樹脂組成物のフロー
上記と同じ条件でカバーレイフィルムを調製後、JPCA−BM02−1991−7.10に従ってテストピースの作製及びフロー試験を実施した。判定は、接着剤樹脂組成物が染み出した長さを測定した。
3.6 耐マイグレーション性
上記と同じ条件でカバーレイフィルムを調製後、回路のライン/スペースが100μm/200μmとなるように銅張積層板の銅箔をエッチング加工した櫛型回路パターンにカバーレイフィルムを、170℃で1時間、加熱プレス後、190℃で2時間、後硬化させ試料を調製した。同試料を85℃―85RH%に温湿度調節した恒温恒湿槽中に入れ、試料中の櫛型回路に直流50Vを500時間通電した後、試料を取り出し、櫛型回路とその周辺を顕微鏡観察した。判定は、デンドライト発生が認められた場合は「不可」、認められなかった場合は「良」と判定した。
4.ボンディングシート特性
4.1 耐燃性
上記35重量%接着剤溶液を、縦×横×厚さ=200mm×300mm×25μmのポリエステル剥離フィルムの片面に接着剤溶液を塗布し、135℃で5分間乾燥を行い、厚さ25μmのボンディングシートを調製後、170℃で1時間の前硬化、その後190℃で2時間、後硬化を行って試料調製を行った。続いて、JIS C 6471の手順に従って耐燃性試験を行い、UL規格94の判定基準である、「V−0」、「耐燃性なし」の2水準で耐燃性を判定した。「V−0」は耐燃性があることを意味する。
4.2 引きはがし強さ
上記と同じ条件でボンディングシートを調製後、ボンディングシートをはく離フィルムからはがした後、縦×横×厚さ=200mm×300mm×25μmの銅箔を2枚用意し、それぞれの銅箔における光沢面の間に挟み、170℃で1時間加熱プレスを行った後、190℃で2時間、後硬化を行って試料を作製、引きはがし強さを、JIS C 6471に従って測定した。
4.3 スルーホールメッキ導通性
上記と同じ条件でボンディングシートを調製後、ボンディングシートをはく離フィルムからはがした、170℃で1時間の前硬化、190℃で2時間の後硬化を行い硬化シートを調製した。この硬化シートにドリリングによって直径0.3mmのスルーホールを開け、同ホールの内側に無電解銅メッキ法にて、20〜25μmの銅メッキ層を形成し、試料とした。試料に−40℃・15分、150℃・15分の冷熱サイクル暴露を施し、導通不良を生じるまでのサイクル数を測定した。判定は、500サイクル以下を「不可」、500〜2000サイクルを「可」、2000サイクル以上を「良」とした。
合成例1
下記式(11)で示される10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン―10H―9―オキサイド(三光化学社製、HCA−HQ、水酸基当量162g/eq、リン含有量9.5重量%)を162部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製、YD−8125、エポキシ当量171.6g/eq)を175部、シクロヘキサノンを144部、触媒として、2−エチル―4―メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2E4MZ)0.13部を攪拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装置を備えた4つ口のガラス製セパラブルフラスコに仕込み、常圧、150℃〜170℃の温度で5時間反応させた後、シクロヘキサノン156部、N,N−ジメチルホルムアミド300部を加えて、リン含有フェノキシ樹脂Aの固形分濃度36重量%の溶液937部を得た。本樹脂溶液をポリエステル離型フィルムの上に塗工後、165℃で5分間乾燥して溶剤を蒸発させ、リン含有率4.6重量%のリン含有フェノキシ樹脂Aを得た。
Figure 0005278706
カラムとしてShodex AD−800P+TSKgelSuperHM−H+SuperHM−H+SuperH2000を、溶離液としてN,N−ジメチルホルムアミド(20mM臭化リチウム含有品)を使用してリン含有フェノキシ樹脂AのGPC分析を行った結果、同樹脂の標準ポリエチレンオキサイド換算重量平均分子量は、39,200であった。
合成例2
反応時間を5時間から8時間に変更した以外は、合成例1と同様の条件でリン含有フェノキシ樹脂の合成を行い、リン含有率4.6重量%のリン含有フェノキシ樹脂Bを得た。標準ポリエチレンオキサイド換算重量平均分子量は、80,600であった。
接着剤樹脂組成物を調製するために使用した各成分の略号を次に示す。
YD-128:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製)
YDF-170:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成社製)
YD-011:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製)
BRG-555:ノボラック型フェノール樹脂(昭和高分子社製)
DICY:ジシアンジアミド(日本カーバイト工業社製)
DADPS:ジアミノジフェニルスルホン(和歌山精化工業社製)
樹脂A:合成例1のリン含有フェノキシ樹脂A
樹脂B:合成例2のリン含有フェノキシ樹脂B
YP-50SC:フェノキシ樹脂(東都化成社製)
1072T:アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン社製)
SPE-100:シクロフェノキシホスファゼン(大塚化学社製)
2E4MZ:2-エチル-4-メチルイミダゾール(四国化成工業社製)
エポキシ樹脂のGPC分析は以下の条件で行った。
装置;東ソー社製HLC−8120GPC
カラム;東ソー社製、TSK−GEL:SUPER HZ2000×1、SUPER HZ3000×1、SUPER HZ4000×1
カラム温度;40℃
移動相;テトラヒドロフランTHF
流量;0.35ml/min
検出器;組み込み型
試料濃度;0.03g/THF10ml
m=0体の含有量は、得られたGPCクロマトグラフから得られるm=0体のピークの面積を全成分のピーク面積で除した面積%を含有量(%)とした。
YD−128は、重合度m=0体の含有量は82%であった。
YDF−170は、重合度m=0体の含有量は78%であった。
実施例1〜8
表1、2記載の割合(重量%)で各成分を配合して接着剤を調製した。この接着剤について、硬化物特性、FPC用材料特性(カバーレイ特性、ボンディングシート特性)を評価した。結果を表1、2に示す。いずれも優れた特性を示すことを確認した。
比較例1〜7
表3、4記載の割合で各成分を配合して接着剤を調製した。この接着剤について、硬化物特性、FPC用材料特性等を評価した。結果を表3、4に示す。比較例1〜5においては、Bステージのガラス転移温度が高く、耐割れ性が不可であった。比較例5においては、カバーレイフィルム特性における耐マイグレーション性、ボンディングシート特性におけるスルーホールメッキ導通信頼性が不可であった。比較例6及び7においては、硬化後におけるガラス転移温度が低く、カバーレイフィルム特性における半田耐熱性及び耐マイグレーション性、並びにボンディングシート特性におけるスルーホールメッキ導通信頼性が不可であった。
表中、YD-128、YDF-170、YD-011はエポキシ樹脂であり、BRG-555、DICY、DADPSは硬化剤であり、樹脂A、樹脂B、YP-50SCはフェノキシ樹脂であり、SPE-100は有機リン化合物であり、2E4MZは硬化促進剤である。
Figure 0005278706

Figure 0005278706
Figure 0005278706

Figure 0005278706
産業上の利用の可能性
本発明の接着剤樹脂組成物及びそれを用いた接着剤フィルム、ボンディングシート及びカバーレイフィルムは非ハロゲン且つ難燃性であるため環境問題対策に有効である上、耐折性、耐マイグレーション性及びスルーホールメッキ導通信頼性等のFPC特性にも優れる。

Claims (6)

  1. 下記(A)〜(D)成分、
    (A)フェノキシ樹脂、
    (B)エポキシ樹脂、
    (C)硬化剤、及び
    (D)硬化促進剤、
    を必須成分として含有する難燃性接着剤樹脂組成物であって、硬化剤の活性水素当量が20〜30であり、難燃性接着剤樹脂組成物100重量部中に、有機リン化合物又はリン含有樹脂をリンとして0.5〜5重量部を含有し、
    該難燃性接着剤樹脂組成物の熱硬化後のガラス転移温度が100℃以上であり、該難燃性接着剤樹脂組成物の熱硬化前のBステージ状態組成物のガラス転移温度が0〜50℃であり、
    (A)成分が、下記一般式(1)で表され、リン含有率が1重量%〜6重量%であるリン含有フェノキシ樹脂であることを特徴とする難燃性接着剤樹脂組成物。
    Figure 0005278706
    (式中、Xは下記一般式(2)又は(3)で表される2価の基を必須とする一般式(2)、(3)、(4)又は(5)で表される2価の基から選ばれる少なくとも1種の2価の基を示し、Zは水素原子又はグルシジル基を示し、nは平均値で21以上である。)
    Figure 0005278706
    (式(2)〜(5)中、Yは下記一般式(7)又は(8)で表されるリン含有基を示し、R〜R、R〜R、R〜Rは独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を示す。Aは単結合又は―CH―、−C(CH−、−CH(CH)−、−S−、−SO−、−O−、−CO−若しくは一般式(9)で表される基から選ばれる2価の基を示す。)
    Figure 0005278706
    (式(7)〜(9)中、R〜R、R〜R10は独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を示す。)
  2. (B)成分が、下記一般式(10)で表されるエポキシ樹脂である請求項1に記載の難燃性接着剤樹脂組成物。
    Figure 0005278706
    (式中、Wは一般式(5)で表される2価の基を示し、mは0以上の整数であり、mの平均は0.1〜15であり、Aは単結合又は―CH―、−C(CH−、−CH(CH)−、−S−、−SO−、−O−、−CO−若しくは一般式(9)で表される基から選ばれる2価の基を示す。また、R〜Rは独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を示す。)
  3. 請求項1に記載の難燃性接着剤樹脂組成物を、フィルム状に形成してなることを特徴とする難燃性接着剤フィルム。
  4. 基材樹脂フィルムの片面又は両面に請求項1に記載の難燃性接着剤樹脂組成物の層を有することを特徴とする接着剤フィルム。
  5. ポリイミドフィルムと、該ポリイミドフィルム上に設けられた請求項1に記載の難燃性接着剤樹脂組成物からなる層とを有することを特徴とするカバーレイフィルム。
  6. 請求項1に記載の難燃性接着剤樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
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