JP5276480B2 - 自動二輪車の制御装置 - Google Patents

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この発明は自動二輪車の制御装置に関し、より詳しくはメインクラッチが接続(連結)状態にあっても変速操作が行えるよう内燃機関の出力を制御する自動二輪車の制御装置に関する。
自動二輪車のトランスミッション(以下、単に変速機という)の形式として、常時噛合式のドッグクラッチ方式が広く一般に採用されている。このような常時噛合ドッグクラッチ式の変速機は、メインクラッチを介して内燃機関の駆動力が伝達される入力軸と変速機で変速された駆動力を出力する出力軸があり、入力軸と出力軸の複数のギヤは常に噛み合いながら回転している。この種の変速機は、シフトレバーの操作によって軸上を左右に摺動するギヤ(シフトギヤ)を移動させ、シフトギヤと軸上で隣接し軸に対して空転するギヤ(フリーギヤ)とをドッグクラッチにより結合させることで動力を伝達させている。このときのギヤの組み合わせにより、多くは前進6段からなる変速段が決定される。
このような変速機を備えた自動二輪車において加速時に変速を行う場合、運転者は通常、スロットルグリップを戻しつつ(内燃機関の回転数を低下させつつ)メインクラッチを切り(非連結状態とし)、シフトレバーを操作して所望の変速段に切り替えると共に、変速段の切り替えが終了した時点でメインクラッチを接続しつつ(連結状態としつつ)スロットルグリップをスロットルバルブが開弁する方向に操作する(内燃機関の出力を再び駆動輪に伝達する)ようにしている。そのため、変速の度に運転者は上記した一連の操作を行うこととなり、運転操作が煩雑になる。
そこで、従来、運転者からシフトレバーを介して変速指示がなされるとき、内燃機関の出力を所定時間低下させる、即ち、シフトギヤおよびフリーギヤ間に回転変位を発生させてドッグクラッチへの荷重を低減させ、それによってシフトギヤを摺動可能とし、よってメインクラッチを操作することなく(連結状態で)、変速できるようにした技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。尚、特許文献1記載の技術にあっては、変速開始時の変速段と内燃機関の回転数に基づいて所定時間を算出するようにしている。
特開平5−26065号公報
ところで、シフトレバーの操作速度は運転者の技量などによって相違する。また、同じ運転者であっても、乗車姿勢や運転環境(例えば、市街地、高速道路、郊外路、サーキットなど)によって操作速度は変化する。しかしながら、特許文献1記載の技術においては、運転者によるシフトレバーの操作速度を考慮していないため、メインクラッチを連結状態のままでの変速ができないという不具合が生じる。
なぜなら、運転者の変速指示によって内燃機関の出力を低下させることで、フリーギヤとシフトギヤ間に回転変位が生じることとなるが、その事象は瞬間的なものであり、時間の経過と共に慣性力の低下により、やがてフリーギヤとシフトギヤ間の回転変位がなくなる。そのため、例えばシフトレバーの操作速度の遅い運転者の場合、再びドッグクラッチへの荷重が掛かり始め、シフトギヤの摺動が困難になるからである。
さらに、シフトギヤとフリーギヤの連結が解かれた、即ち、ギヤが抜けた(シフトギヤが中間に位置)としても、シフトギヤが他のフリーギヤに連結する際に内燃機関の出力が復帰すると、フリーギヤの回転力が高まり、フリーギヤとシフトギヤとのドッグクラッチによる連結ができないという不都合も考えられる。また、この際にはギヤが蹴り返しを受け、最悪の状況ではギヤが破損する虞がある。
従って、本発明の目的は上記した課題を解決し、メインクラッチの操作を行わずに(メインクラッチが連結状態で)変速する際、フリーギヤとシフトギヤ間に回転変位を発生させ、シフトギヤの摺動を容易なものとし、ギヤ抜けの状態から再びフリーギヤとシフトギヤの連結を確実に行って変速するようした自動二輪車の制御装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1にあっては、内燃機関の出力を駆動輪に伝達するメインクラッチおよび常時噛合ドッグクラッチ式の変速機と、運転者に操作されて変速指示を入力するシフトレバーと、前記シフトレバーの操作に応じて回転して前記変速機の変速段を切り換えるシフトドラムと、前記メインクラッチの状態が前記内燃機関の出力を前記変速機に伝達させる連結状態で前記変速指示が入力されるとき、前記内燃機関の前記変速機への出力を制御して前記変速機の変速操作を行う機関出力制御手段とを備えた自動二輪車の制御装置において、前記シフトレバーの操作を介して変速指示がなされたか否か判定する変速指示判定手段と、前記メインクラッチの連結状態を検出するメインクラッチ連結状態検出手段と、前記シフトドラムの回転位置を検出することで前記変速機の変速段を判定する変速段判定手段とを備えると共に、前記機関出力制御手段は、前記変速指示がなされたと判定され、かつ前記メインクラッチが連結状態であると判定されたとき、前記変速機のドッグクラッチの荷重を低減させうる第1の所定時間を前記内燃機関のスロットル開度および前記内燃機関の回転数から算出し、前記内燃機関の出力を低下させる内燃機関出力低下処理を前記第1の所定時間実行すると共に、前記第1の所定時間が経過した後に設定される第2の所定時間内に、前記変速段判定手段によって前記変速機の変速段が不確定と判定されるとき、前記内燃機関出力低下処理を再実行することで、前記変速機のドッグクラッチの荷重を低減させうる処理を延長する如く構成した。
請求項2に係る自動二輪車の制御装置にあっては、前記第2の所定時間が経過した後に、さらに第3の所定時間を設定し、前記第3の所定時間内にあっては前記機関出力制御手段による前記内燃機関出力低下処理の再実行を禁止する禁止手段を備える如く構成した。
請求項1に係る自動二輪車の制御装置にあっては、運転者から変速指示がなされたと判定され、かつメインクラッチが連結状態であると判定されたとき、常時噛合ドッグクラッチ式の変速機のドッグクラッチの荷重を低減させうる第1の所定時間を内燃機関のスロットル開度および内燃機関の回転数から算出し、内燃機関の出力を低下させる内燃機関出力低下処理を第1の所定時間実行するように構成したので、メインクラッチを操作することなく、フリーギヤとシフトギヤ間に回転変位を発生させてドッグクラッチの荷重を減少させることにより、シフトギヤの摺動を容易なものとし、変速を行うことができる。
さらに、第1の所定時間が経過した後に設定される第2の所定時間内に、変速段判定手段によって変速機の変速段が不確定と判定されるとき、即ち、シフトギヤがギヤ抜けの状態にあるとき、内燃機関出力低下処理を再実行することで、変速機のドッグクラッチの荷重を低減させうる処理を延長するように構成したので、運転者の変速操作の速度などに柔軟に対応できる、具体的には例えばシフトレバーの操作(変速操作)の遅い運転者の場合であっても、変速操作が完了する前に内燃機関の出力が復帰して変速できないという不具合を回避でき、よって変速を確実に行うことができる。また、ギヤ抜けの状態で内燃機関の出力が復帰することがないので、運転者はシフトレバーを操作して変速をやり直すことができ、ギヤ抜けの状態から再びフリーギヤとシフトギヤの連結を確実に行って変速できると共に、ギヤの蹴り返しによってギヤを損傷させることもない。
請求項2に係る自動二輪車の制御装置にあっては、第2の所定時間が経過した後に、さらに第3の所定時間を設定し、第3の所定時間内にあっては機関出力制御手段による内燃機関出力低下処理の再実行を禁止するように構成したので、上記した効果に加え、例えば第1の所定時間経過後に設定される第2の所定時間内に、変速段判定手段による変速段が特定された際、即ち、フリーギヤとシフトギヤが再連結されることにより変速が完了したとき、さらに第3の所定時間を設定し、第3の所定時間内にあっては内燃機関出力低下処理の再実行を禁止することも可能となり、よって変速指示判定手段の誤作動などに起因して変速指示が繰り返しなされたと判定され、制御ハンチングが生じた場合であっても、内燃機関の出力を低下させる制御が不要に繰り返されるのを防止することができる。
この発明の実施例に係る自動二輪車の制御装置を全体的に示す概略図である。 図1に示すECUの構成を全体的に示すブロック図である。 図1に示す自動二輪車の制御装置の動作を示すフロー・チャートである。 図3の第1の所定時間の算出処理のサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図4の処理によって算出される第1の所定時間を示す説明図である。 図1に示す自動二輪車の制御装置の動作を示すタイム・チャートである。 図1に示す自動二輪車の制御装置の動作を示す、図6と同様なタイム・チャートである。 図1に示す自動二輪車の制御装置の動作を示す、図6と同様なタイム・チャートである。
以下、添付図面に即してこの発明に係る自動二輪車の制御装置を実施するための形態について説明する。
図1はこの発明の実施例に係る自動二輪車の制御装置を全体的に示す概略図である。
図1において符号10は自動二輪車(以下、車両という)を示す。車両10は、前輪12のテレスコピックフォーク(図示せず)の上方に取り付けられたハンドルバー14と、フレーム(図示せず)の中央位置に配置される内燃機関(以下「エンジン」という)16と、エンジン16に接続されてエンジン16の出力を変速する変速機(図1で「T/M」と示す)20と、フレームの後方にリアショックアブソーバ(図示せず)を介して取り付けられる後輪(駆動輪)22と、フレームの下方の左側のフットステップ24に運転者のつま先によって操作自在に取り付けられ、運転者からの変速指示を入力するシフトレバー(シフトペダル)26とを備える。
変速機20は複数の変速段、具体的には前進6速の変速段(ギヤ列)を有すると共に、常時噛合ドッグクラッチ式の変速機からなる。シフトレバー26は側面視略L字状を呈し、屈曲する部位が前記したフットステップ24に回動自在に取り付けられる。シフトレバー26はシフト機構30を介して変速機20に接続され、変速機20のシフトギヤを動作させる。
具体的には、シフト機構30は、回転軸30aを中心に回転自在なアーム30bと、アーム30bとシフトレバー26の一端26aとを連結するリンク30cからなるリターン式の操作機構を備え、アーム30bは、図示は省略するが、シフトドラムにギヤを介して連結されており、シフトドラムによってシフトギヤが摺動されることで変速される。
従って、例えばシフトレバー26の他端26bが運転者のつま先によって矢印方向に操作されると、シフトレバー26の一端26aとリンク30cを介してアーム30bが回転する。アーム30bによってシフトドラムが回転され、変速機20においてはシフトフォークが作動されることによってシフトギヤが摺動され、所望する変速段に切り替えられる。このように、運転者の足先の操作でシフトレバー26を上下動させることで(シフトレバー26の操作に応じて)シフトドラムが回転し、変速機20の変速段を切り替える(具体的には、前進6速のいずれかのギヤ(変速段あるいは変速比)を確立する)。
リンク30cにはシフトスイッチ(変速指示判定手段)32が設けられ、シフトレバー26が操作されたとき、換言すれば、運転者からシフトレバー26の操作を介して変速指示がなされたときにオン信号を出力する一方、然らざるときはオフ信号を出力する。
また、シフトドラムには、変速位置を示す信号(電圧)を出力するギヤポジションセンサ(変速段判定手段)34が取り付けられる。具体的には、ギヤポジションセンサ34は、一方が接地されると共に、変速機20のシフト機構30の動作(正確にはシフトドラムの回転)によって変位する可動端子34aと、変速機20において1速から6速までの変速段が確立するとき、前記可動端子34aと接続するような位置に配置される端子34b1〜34b6と、変速機20がニュートラルのとき、前記可動端子34aと接続するような位置に配置される端子34bnと、端子34b1〜34b6に接続され、変速段ごとに抵抗値が相違する抵抗R1〜R6と、変速位置を示す信号(電圧)を読み込むための端子34cとを備える。各抵抗R1〜R6の端子34b1〜34b6と端子34bnの他端は並列に接続されると共に、抵抗R1〜R6の端子34b1〜34b6と端子34bnの並列接続部と端子34cとの間には、並列に基準電圧が分圧抵抗Rkを介して接続される。
従って、ギヤポジションセンサ34は、シフトドラムの回転位置を検出することで変速機20の変速段に応じた信号を出力する、即ち、変速機20において複数の変速段のうちのいずれかの変速段が確立しているとき(あるいはニュートラルのとき)、シフトドラムの回転位置によって可動端子34aがその変速段に対応する端子34b(例えば、図示の如く3速が確立しているときは端子34b3)に接続され、現在のギヤポジションに応じた信号(電圧)を出力する。
ギヤポジションセンサ34はさらに、変速機20の変速位置が複数の変速段の中間に位置すること、換言すれば、変速段が不確定であることも検出(検知)することができる。例えばシフトドラムが回転され、シフトフォークの作動により、4速を担うシフトギヤとフリーギヤのドッグクラッチによる連結が解かれ、続いて5速を担うシフトギヤとフリーギヤとが連結される前の状態にあるとき、即ち、変速機20の変速位置が4速から5速に変速する途中の中間位置にあるとき、可動端子34aは、図1に破線で示す如く、端子34b4と端子34b5の間に位置させられる。
このとき、ギヤポジションセンサ34にあっては、基準電圧が可動端子34aを介して接地側に流れない非通電状態となるため、ギヤポジションセンサ34からは基準電圧(例えば5V)相当の電圧が出力されることになる。従って、ギヤポジションセンサ34の出力電圧が基準電圧相当のときは、変速機20の変速位置が複数の変速段の中間位置であるため、変速段が不確定であると判定(検知)することができる。尚、上記した変速機20およびギヤポジションセンサ34などの詳細は、特許文献1や特許第3146720号公報に記載されているので、これ以上の説明は省略する。
エンジン16と変速機20の間にはメインクラッチ36が介挿され、エンジン16の動力を断接し、車両の発進や停止および変速を容易にしている。このように、エンジン16の出力はメインクラッチ36および変速機20を介して後輪22に伝達される。
ハンドルバー14の右端(運転者から見て)にはスロットルグリップ(アクセラレータ)40が運転者の操作自在に設けられると共に、前輪ブレーキレバー42も運転者の操作自在に設けられる。前輪ブレーキレバー42は油圧シリンダ(図示せず)を介して前輪ブレーキ44に機械的に接続され、運転者によって操作(把持)されるとき、前輪ブレーキ44を作動させて前輪12を制動する。
ハンドルバー14の左端には運転者が把持自在なグリップ46が設けられると共に、クラッチレバー50が設けられる。クラッチレバー50はクラッチケーブル52を介してメインクラッチ36に機械的に接続され、運転者によって操作(把持)されるとき、メインクラッチ36が断接されることにより、エンジン16から変速機20への動力伝達の接続や遮断をする。
エンジン16は4サイクル単気筒の水冷式で、排気量250cc程度のガソリン・エンジンからなる。尚、符号16aはエンジン16のクランクケースを示す。
エンジン16の吸気管54にはスロットルバルブ56が配置される。スロットルバルブ56は、スロットルワイヤ58を介してスロットルグリップ40に機械的に接続され、スロットルグリップ40の操作量に応じて開閉されてエンジン16の吸気を調量、具体的にはエアクリーナ60から吸入されて吸気管54を通って流れる空気の量を調整する。
吸気管54においてスロットルバルブ56の下流側の吸気ポート付近にはインジェクタ62が配置され、スロットルバルブ56で調整された吸入空気にガソリン燃料を噴射する。噴射された燃料は吸入空気と混合して混合気を形成し、混合気は、吸気バルブ64が開弁されるとき、燃焼室66に流入する。
燃焼室66に流入した混合気は、点火コイル70から供給された高電圧で点火プラグ72から火花放電により点火されて燃焼し、ピストン74を図1において下方に駆動してクランクシャフト76を回転させる。燃焼によって生じた排ガスは、排気バルブ80が開弁されるとき、排気管82を流れる。排気管82には触媒装置84が配置され、排ガス中の有害成分を除去する。触媒装置84で浄化された排ガスはさらに下流に流れ、エンジン16の外部に排出される。
スロットルバルブ56の付近にはポテンショメータからなるスロットル開度センサ86が設けられ、スロットルバルブ56の開度θTHを示す出力を生じる。吸気管54のスロットルバルブ56の上流側には吸気温センサ90が設けられて吸入空気の温度TAを示す出力を生じると共に、下流側には絶対圧センサ92が設けられ、吸気管内絶対圧PBAを示す出力を生じる。
エンジン16のシリンダブロックの冷却水通路16bには水温センサ94が取り付けられ、エンジン冷却水温TWに応じた出力を生じる。エンジン16のクランクシャフト76の付近にはクランク角センサ96が取り付けられて所定クランク角度位置でクランク角度信号を出力する。
排気管82において触媒装置84の上流側には酸素センサ100が設けられ、排ガス中の酸素濃度に応じた出力を生じる。クラッチレバー50の付近にはクラッチスイッチ(メインクラッチ連結状態検出手段)102が設けられ、運転者によってクラッチレバー50が操作されるとき(メインクラッチ36が切られるとき(非連結状態のとき))にオン信号を出力する一方、操作されないとき(メインクラッチ36が連結状態のとき)はオフ信号を出力する。
さらに、車両10のサイドスタンド(図示せず)の付近には、スタンドスイッチ104が配置され、スタンドが使用されているとき(即ち、車両10がスタンドによって支持されているとき)にオン信号を出力し、使用されていないとき(スタンドが解除されているとき)にオフ信号を出力する。
上記したギヤポジションセンサ34などの各センサの出力は電子制御ユニット(Electronic Control Unit。以下「ECU」という)106に入力される。
図2は、そのECU106の構成を全体的に示すブロック図である。
ECU106はマイクロコンピュータからなり、図2に示すように、クランク角センサ96の出力が入力される波形整形回路106aと、回転数カウンタ106bと、ギヤポジションセンサ34などの出力が入力されるA/D変換回路106cと、CPU106dとを備える。ECU106はさらに、CPU106dからの制御信号に応じ、点火コイル70を通電する点火回路106eと、インジェクタ62を駆動する駆動回路106fと、ROM106gと、RAM106hおよびタイマ106iを備える。
波形整形回路106aは、クランク角センサ96の出力(信号波形)をパルス信号に波形整形し、回転数カウンタ106bに出力する。回転数カウンタ106bは入力されたパルス信号をカウントしてエンジン回転数NEを検出(算出)し、エンジン回転数NEを示す信号をCPU106dへ出力する。A/D変換回路106cは、ギヤポジションセンサ34やスロットル開度センサ86などの各センサの出力が入力され、アナログ信号値をデジタル信号値に変換してCPU106dに出力する。
CPU106dは、変換されたデジタル信号などに基づき、ROM106gに格納されているプログラムに従って演算を実行し、点火回路106eに制御信号を送り、点火コイル70を作動させる(点火時期制御を行う)。また、CPU106dは、デジタル信号などに基づき、同様にROM106gに格納されているプログラムに従って演算を実行し、駆動回路106fに制御信号を送り、インジェクタ62を駆動する(燃料噴射制御を行う)。
RAM106hは、例えば点火時期制御および燃料噴射制御において算出された点火時期や燃料噴射量などのデータが書き込まれる。また、タイマ106iは、後述するプログラムにおいて行われる時間計測処理に利用される。
図3はこの実施例に係る自動二輪車の制御装置を示すフロー・チャートである。図示のプログラムは、ECU106によって所定時間間隔、例えば10msecごとに実行(ループ)される。
以下説明すると、先ずS10において変速機20の変速段がニュートラルか否か判断する。この判断は、変速機20の変速位置がニュートラル位置にあることを示す電圧(信号)がギヤポジションセンサ34から出力されているか否か検出することで行う。S10で否定、即ち、変速機20において複数の変速段のうちのいずれかの変速段が確定されたインギヤ状態のときはS12に進み、スタンドスイッチ104がオン信号を出力しているか否か、即ち、サイドスタンドが使用されているか否か判断する。
S12で肯定されるときはS14に進み、点火カットおよび燃料カットを実行する点火・燃料カットフラグF_SAFETYのビットを1にセットする。このフラグF_SAFETYのビットが1にセットされるときは、図示しないプログラムにおいて点火カットと燃料カットが行われてエンジン16の出力を低下させる一方、0にセットされるときは点火カットなどの制御は行われず、通常の点火時期制御および燃料噴射制御が行われる。尚、S14において点火カットおよび燃料カットを行ってエンジン16の出力を低下させるのは、サイドスタンドが出ている状態で走行すると、車体に損傷を与える可能性があるためである。
S10で肯定またはS12で否定されるときはS16に進み、カット実行履歴フラグF_ATSEXE(後述)のビットが1か否か判断する。このフラグは、後述する処理でそのビットが1にセットされることから、最初のプログラムループではS16の判断は通例否定されてS18に進み、シフトスイッチ32の出力がオフ信号からオン信号に切り替わったか否か判断、換言すれば、運転者からシフトレバー26の操作を介して変速指示がなされたか否か判定する。
S18で否定されるときはS20に進み、カット実行履歴フラグF_ATSEXEのビットを0にセットして次回以降のプログラムループに備え、S22に進んで点火・燃料カットフラグF_SAFETYのビットを0にセットし、プログラムを終了する。
一方、S18で肯定されるときはS24に進み、クランク角センサ96の出力に基づいてエンジン回転NEを検出(算出)し、S26に進んでスロットル開度センサ86の出力に基づいてスロットルバルブ56の開度θTHを検出(算出)する。
次いでS28に進み、クラッチスイッチ102がオン信号を出力しているか否か判断、即ち、運転者によってクラッチレバー50が操作されてメインクラッチ36が切られた状態か否か判断する。
S28で肯定、即ち、メインクラッチ36が非連結状態であると判定されるときは、通常の変速操作(メインクラッチ36によりエンジン16の動力を遮断した状態での変速操作)が行われていると推定できるため、後述するエンジン16の出力を低下させる制御を実行する必要はなく、よってS20,S22に進んで前記した処理を行う。
他方、S28で否定、即ち、メインクラッチ36が連結状態であると判定されるときはS30に進み、エンジン16がクランキング中(始動中)か否か判断する。これは、エンジン回転数NEが完爆回転数(例えば750rpm)未満か否か判定することで判断する。S30で肯定されるときはエンジン16の出力を低下させるべき運転状態ではないため、同様にS20,S22に進む一方、否定されるときはS32に進み、ギヤポジションセンサ34の出力に基づいて変速機20における変速段がトップギヤ(具体的には6速)にあるか否か判断する。
S32で肯定、即ち、トップギヤの状態で運転者から変速指示(シフトアップ指示)がなされたときは、変速機20にそれ以上の変速段はないため、エンジン16の出力を低下させる制御を行って変速する必要はなく、よってS20,S22に進んで前記した処理を行う。
一方、S32で否定されるときはS34に進み、エンジン回転数NEが第1の所定回転数#NEATSLH(例えば2500rpm)以上か否か判断する。S34で否定されるときはS36に進み、点火・燃料カットフラグF_SAFETYのビットが1か否か判断し、否定されるときはS20,S22に進み、エンジン16の出力を低下させる制御を行わずにプログラムを終了する。
即ち、エンジン回転数NEが第1の所定回転数#NEATSLH未満であって比較的低いときにエンジン16の出力を低下させると、エンジン16が停止する虞があるため、S34およびS36で否定されるときはS20,S22に進み、エンジン16の出力を低下させる制御を行わない。
但し、S36で肯定されるときはエンジン16の出力を低下させる制御によってエンジン回転数NEが比較的低くなった状態であるため、S38に進んで変速機20のドッグクラッチの荷重を低減させうる時間(エンジン16の出力を低下させる時間)を示す第1の所定時間CTATSINTVを算出(決定)する。また、S34で肯定されるときもS38に進む。
図4は、図3のS38の第1の所定時間CTATSINTVの算出処理のサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
先ずS100においてエンジン回転数NEが第2の所定回転数#NEATSINTH以上か否か判断する。第2の所定回転数#NEATSINTHは、エンジン16が最高速(最高出力)状態にあるか否か判断できるような値、例えば13500rpmとされる。
S100で否定されるときはS102に進み、スロットル開度θTHが所定開度#THATSINTH以上か否か判断する。所定開度#THATSINTHとしては、スロットル開度θTHが比較的大きいか否か判断できるような値に設定され、例えば20degとされる。
S102で肯定されるときはS104に進み、エンジン回転数NEが第3の所定回転数#NEATSINT(例えば9000rpm)以上か否か判断する。第3の所定回転数#NEATSINTは、エンジン16が比較的高回転(高出力)か否か判断できるような値とされる。
S104で否定されるとき(スロットル開度大、低回転のとき)はS106に進んで第1の所定時間CTATSINTVに第1の値#CTATSINTをセットする一方、肯定されるとき(スロットル開度大、高回転のとき)はS108に進み、第1の所定時間CTATSINTVに第2の値#CTATSINTHをセットする。上記した第2の値#CTATSINTHは第1の値#CTATSINTに比して小さい値(短い時間)とされる。
他方、S102で否定されるときはS110に進み、エンジン回転数NEが第3の所定回転数#NEATSINT以上か否か判断する。S110で否定されるとき(スロットル開度小、低回転のとき)はS112に進んで第1の所定時間CTATSINTVに第3の値#CTATSINTLをセットする一方、肯定されるとき(スロットル開度小、高回転のとき)はS114に進み、第1の所定時間CTATSINTVに第4の値#CTATSINTHLをセットする。第4の値#CTATSINTHLは第3の値#CTATSINTLに比して小さい値(短い時間)とされる。
また、S100で肯定されるときはS116に進み、第1の所定時間CTATSINTVに第5の値#CTATSINTHHをセットする。第5の値#CTATSINTHHは、前記した第1、第3の値より小さく(短い時間)、かつ第2、第4の値より大きい値(長い時間)となるように設定される。
第5の値#CTATSINTHHを上記の如く設定するのは、具体的には、エンジン16が最高出力(最高速)状態にある場合、図示しないプログラムによってエンジン16の過回転を防止する制御(レブカット)が行われており、エンジン16の出力は既に低下させられた状態にあるため、第1、第3の値より短く、かつ第2、第4の値より長い時間(第5の値#CTATSINTHH)だけエンジン16の出力を低下させれば変速することができるからである。
図5は、図4の処理によって算出される第1の所定時間CTATSINTVを示す説明図である。
第1の所定時間CTATSINTVは、図4および図5から分かるように、スロットルバルブ56の開度θTHとエンジン回転数NEに基づいてエンジン16の出力を推定し、推定されたエンジン16の出力に基づいて算出(変更)される。
また、第1の所定時間CTATSINTVは、具体的にはエンジン16の出力が増加(より具体的には、スロットル開度θTHとエンジン回転数NEが増加)するにつれて短くなるように変更される。これは、エンジン16の出力が大きいときは、エンジン16の出力を比較的短い時間だけ低下させれば変速できるためである。
図3の説明に戻ると、次いでS40に進み、点火カットなどによってエンジン16の出力を低下させる時間(カット時間)を計測するカットカウンタCTATSINT(アップカウンタ。初期値0)の値を1つインクリメントし、次いでS42に進み、カットカウンタCTATSINTの値がS38で算出された第1の所定時間CTATSINTV以上か否か判断する。
S42の処理が最初に行われるときはカットカウンタCTATSINTがS40においてスタートされた直後であるため、通例否定されてS44に進み、カット後カウンタCTATSSTP(ダウンカウンタ。後述)を初期化する、具体的には、カット後カウンタCTATSSTPに初期値(第3の所定時間。例えば300msec)をセット(設定)する。
次いでS46に進んでカット実行履歴フラグF_ATSEXEのビットを1にセットし、S48に進んで点火・燃料カットフラグF_SAFETYのビットを1にセットする。これにより、図示しないプログラムによって点火カットと燃料カットが行われ、エンジン16の出力を低下させるエンジン出力低下処理が実行される。尚、上記から分かるように、カット実行履歴フラグF_ATSEXEのビットが1にセットされることはエンジン出力低下処理を行った履歴があることを意味する。
S44からS48の処理を経た後のプログラムループにおいては、カット実行履歴フラグF_ATSEXEのビットが1にセットされているため、S16で肯定されてS18からS38までの処理をスキップし、S40以降の処理を実行することとなる。
そして、エンジン16の出力を低下させる第1の所定時間CTATSINTVが経過すると、S42で肯定されてS50に進み、カットカウンタCTATSINTの値が第1の所定時間CTATSINTVに第2の所定時間#CTATSINTG(例えば700msec。後述)を加算した値以上か否か判断する。
S50の処理を最初に実行するときはカットカウンタCTATSINTが第1の所定時間CTATSINTV以上となった直後であるため、通例否定されてS52に進み、変速機20の変速位置が複数の変速段の中間位置にあるギヤ抜け中であるか否か判定、具体的には、ギヤポジションセンサ34がいずれの変速段(1速から6速、ニュートラル)にも確定されない不確定を示す電圧(基準電圧相当)を出力しているか否か判断する。
S52で否定、即ち、変速機20において所望する変速段が確定(確立)している(変速が完了している)と判断されるときはS54に進み、カット後カウンタCTATSSTPの値を1つデクリメントする。次いでS56に進み、カット後カウンタCTATSSTPの値が0か否か判断する。S56の処理を最初に行うときはS54においてカット後カウンタCTATSSTPの値を初期値から1つデクリメントした直後であるため、通例否定されてS58に進み、点火・燃料カットフラグF_SAFETYのビットを0にセットし、エンジン出力低下処理を終了する。
このように、運転者から変速指示がなされたと判定されるとき、エンジン16の出力を低下させるエンジン出力低下処理を第1の所定時間CTATSINTV実行するように構成したので、メインクラッチなどを操作することなく、フリーギヤとシフトギヤ間に回転変位を発生させてドッグクラッチの荷重を減少させることにより、シフトギヤの摺動を容易なものとし、変速を行うことができる。
他方、S52で肯定されるとき、詳しくはエンジン16の出力を第1の所定時間CTATSINTV低下させたものの、例えば運転者によるシフトレバー26の操作(変速操作)が完了していないときは、前述したS44からS48の処理(エンジン出力低下処理)を再度実行し、エンジン16の出力を低下させる制御を継続する。このS52の処理は、S50で肯定されるまで(カットカウンタCTATSINTの値が第1の所定時間CTATSINTVに第2の所定時間#CTATSINTGを加算した値以上になるまで)行われる。
このように、第1の所定時間CTATSINTVが経過した後に設定される第2の所定時間#CTATSINTG内に、変速機20の変速位置が不確定である、即ち、ギヤ抜け中であると判定されるとき、エンジン出力低下処理を再実行する(具体的には、エンジン16の出力を低下させる第1の所定時間CTATSINTVを第2の所定時間#CTATSINTGだけ延長する)ことで、シフトレバー26の操作の遅い運転者の場合であっても、変速を確実に行うことができる。
次回以降のプログラムループにおいて、第2の所定時間#CTATSINTGが経過すると、S50で肯定されてS52をスキップし、S54,S56の処理を行った後、S58において点火・燃料カットフラグF_SAFETYのビットを0にセットする。このように、第2の所定時間#CTATSINTGが経過した後はS52の処理を行わないため、S44からS48の処理に進むことはない。
別言すれば、第2の所定時間#CTATSINTGが経過した後、カット後カウンタCTATSSTPの値が0になるまで(第3の所定時間内にあっては)エンジン出力低下処理の再実行を禁止する。そして、カット後カウンタCTATSSTPの値が0になってS56で肯定されるときはS20,S22に進み、プログラムを終了する。
尚、変速機20において所望する変速段が確立し、エンジン16の出力を低下させる制御を終了した後(S52で否定されてS58に進んだ後)に、運転者の技量や変速機20の機械的な状態などによってはギヤの噛み合わせが外れてギヤ抜けすることがあるが、そのような場合、変速機20の変速位置は複数の変速段の間の中間位置にある、即ち、変速段が不確定であるため、S52で肯定されることとなり、S44からS48に進んでエンジン16の出力は再度低下させられる。これにより、ギヤ抜けした場合であっても、変速操作を再度行うことにより、変速が可能となる。
図6から図8は上記した処理を説明するタイム・チャートである。尚、図6はエンジン16の出力を第1の所定時間CTATSINTVだけ低下させて変速する場合を示す。また、図7は第1の所定時間CTATSINTV経過後にエンジン出力低下処理を再実行して変速する場合を示し、図8はギヤ抜けして変速をやり直す場合を示す。
図6に示すように、先ず時点t1において運転者からシフトレバー26の操作を介して変速指示がなされてシフトスイッチ32の出力がオフ信号からオン信号に切り替わると(S18)、点火・燃料カットフラグF_SAFETYのビットとカット実行履歴フラグF_ATSEXEのビットを1にセットし、エンジン16の出力を低下させるエンジン出力低下処理を実行する(S46,S48)。このとき、カットカウンタCTATSINTをスタートさせると共に(S40)、カットカウンタCTATSINTが第1の所定時間CTATSINTV以上となるまでカット後カウンタCTATSSTPの初期化を行う(S44)。
エンジン16の出力を低下させた状態でシフトレバー26の操作が終了すると(換言すれば、シフトスイッチ32の出力がオン信号からオフ信号に切り替わると)、ギヤポジションセンサ34の出力から分かるように、変速機20において所望する変速段が確立(変速が完了)する(時点t2からt3)。
変速が完了すると、第1の所定時間CTATSINTVが経過した時点t4において(具体的には、カットカウンタCTATSINTが第1の所定時間CTATSINTV以上となったとき)、ギヤポジションセンサ34から変速機20の変速位置が中間位置を示す電圧、換言すれば、ギヤポジションセンサ34からいずれの変速段(1速から6速、ニュートラル)にも確定されない不確定を示す電圧(基準電圧相当)は出力されないため(S52で否定)、点火・燃料カットフラグF_SAFETYのビットを0にセットし、エンジン出力低下処理を終了する(S58)。
これにより、メインクラッチなどを操作することなく、変速を行うことができる。尚、エンジン出力低下処理が終了した後において、カット後カウンタCTATSSTPの値が0になると(時点t5。S56で肯定)、カット実行履歴フラグF_ATSEXEのビットを0にセットする(S20)。
また、図7に示す如く、例えば運転者によるシフトレバー26の操作(変速操作)が遅く、第1の所定時間CTATSINTVが経過した時点t4において、変速が完了しておらず、変速機20の変速位置が中間位置にある場合は、エンジン出力低下処理を再実行して変速する。
具体的には、第1の所定時間CTATSINTVが経過した時点t4において、ギヤポジションセンサ34からいずれの変速段(1速から6速、ニュートラル)にも確定されない不確定を示す電圧(基準電圧相当)が出力されると(S52で肯定)、点火・燃料カットフラグF_SAFETYのビットを1にセットし(S48)、エンジン出力低下処理を再実行する。これにより、シフトレバー26の操作の遅い運転者の場合であっても、変速を確実に行うことができる。尚、図6と同様、カット後カウンタCTATSSTPの値が0になると、カット実行履歴フラグF_ATSEXEのビットを0にセットする(時点t7。S56,S20)。
また、前述したギヤ抜けについて図8を参照して説明すると、時点t2から時点t3で変速機20において所望する変速段が確立し、時点t4でエンジン出力低下処理を終了した後に、ギヤ抜けが発生した場合(時点t8)、ギヤポジションセンサ34から変速機20の変速位置が不確定であることを示す電圧が出力されるため(S52で肯定)、点火・燃料カットフラグF_SAFETYのビットを再度1にセットし、エンジン出力低下処理を再開する(S48)。
そして、運転者はギヤ抜けしていることに気づきシフトレバー26を操作して変速することとなるが(時点t9)、そのときのエンジン16の出力は低下した状態であるため、変速をやり直すことができる(時点t10)。
尚、時点t11においてシフトスイッチ32の出力がオン信号となった後にオフ信号に切り替わる電圧が出力されるが、これはシフトスイッチ32がチャタリングを起こしてオン信号を誤出力した場合であり、そのような場合であってもカット後カウンタCTATSSTPによってエンジン出力低下処理が禁止されるため、エンジン16の出力を低下させる制御が再度実行されることがないことを示す。
以上の如く、この発明の実施例にあっては、内燃機関(エンジン)16の出力を駆動輪(後輪)22に伝達するメインクラッチ36および常時噛合ドッグクラッチ式の変速機20と、運転者に操作されて変速指示を入力するシフトレバー26と、前記シフトレバー26の操作に応じて回転して前記変速機20の変速段を切り換えるシフトドラムと、前記メインクラッチ36の状態が前記内燃機関16の出力を前記変速機20に伝達させる連結状態で前記変速指示が入力されるとき、前記内燃機関16の前記変速機20への出力を制御して前記変速機20の変速操作を行う機関出力制御手段(ECU106)とを備えた自動二輪車の制御装置において、前記シフトレバー26の操作を介して変速指示がなされたか否か判定する変速指示判定手段と(シフトスイッチ32、ECU106)、前記メインクラッチ36の連結状態を検出するメインクラッチ連結状態検出手段と(クラッチスイッチ102)、前記シフトドラムの回転位置を検出することで前記変速機の変速段を判定する変速段判定手段(ギヤポジションセンサ34、ECU106)とを備えると共に、前記機関出力制御手段は、前記変速指示がなされたと判定され(S18)、かつ前記メインクラッチ36が連結状態であると判定されたとき(S28)、前記変速機20のドッグクラッチの荷重を低減させうる第1の所定時間CTATSINTVを前記内燃機関のスロットル開度θTHおよび前記内燃機関の回転数NEから算出し(S38)、前記内燃機関16の出力を低下させる内燃機関出力低下処理を前記第1の所定時間CTATSINTV実行すると共に(S40〜S48)、前記第1の所定時間CTATSINTVが経過した後に設定される第2の所定時間#CTATSINTG内に、前記変速段判定手段によって前記変速機20の変速段が不確定と判定されるとき(S50,S52)、前記内燃機関出力低下処理を再実行することで、前記変速機のドッグクラッチの荷重を低減させうる処理を延長する如く構成した(S48)。
これにより、メインクラッチ36を操作することなく、フリーギヤとシフトギヤ間に回転変位を発生させてドッグクラッチの荷重を減少させることにより、シフトギヤの摺動を容易なものとし、変速を行うことができると共に、運転者の変速操作の速度などに柔軟に対応できる、具体的には例えばシフトレバー26の操作(変速操作)の遅い運転者の場合であっても、変速操作が完了する前にエンジン16の出力が復帰して変速できないという不具合を回避でき、よって変速を確実に行うことができる。
さらに、第1の所定時間CTATSINTVが経過したときにギヤ抜けしている場合は変速機20の変速位置が複数の変速段の間の中間位置にある(変速段が確立せず、不確定にある)と判定されるため、内燃機関出力低下処理を再実行する、別言すれば、エンジン16の出力を低下させる第1の所定時間CTATSINTVは第2の所定時間#CTATSINTGだけ延長されることとなり、よってギヤ抜けに気づいた運転者はシフトレバー26を操作して変速をやり直すことができる。また、ギヤ抜け時にはエンジン16の出力を低下させるため、ギヤの蹴り返しによってギヤを損傷させることもない。
また、前記第2の所定時間#CTATSINTGが経過した後に、さらに第3の所定時間(カット後カウンタCTATSSTPの初期値)を設定し、前記第3の所定時間内にあっては前記機関出力制御手段による前記内燃機関出力低下処理の再実行を禁止する禁止手段(ECU106。S50,S54〜S58)を備える如く構成したので、例えば第1の所定時間CTATSINTV経過後に設定される第2の所定時間#CTATSINTG内に、変速段判定手段による変速段が特定された際、即ち、フリーギヤとシフトギヤが再連結されることにより変速が完了したとき、さらに第3の所定時間CTATSSTPを設定し、第3の所定時間内にあっては内燃機関出力低下処理の再実行を禁止することも可能となり、よってシフトスイッチ32の誤作動などに起因して変速指示が繰り返しなされたと判定され、制御ハンチングが生じた場合であっても、エンジン16の出力を低下させる制御が不要に繰り返されるのを防止することができる。
尚、上記において、エンジン16の出力を低下させるため、点火カットおよび燃料カットを実行するように構成したが、それに限られるものではなく、例えば燃料噴射量の減量や点火時期の遅角などを行うように構成しても良い。
また、第2の所定時間#CTATSINTG、カット後カウンタCTATSSTPの初期値、第1から第3の所定回転数、所定開度やエンジン16の排気量などを具体的な値で示したが、それらは例示であって限定されるものではない。
10 自動二輪車(車両)、16 エンジン(内燃機関)、20 変速機、22 後輪(駆動輪)、26 シフトレバー、32 シフトスイッチ、34 ギヤポジションセンサ、36 メインクラッチ、102 クラッチスイッチ、106 ECU(電子制御ユニット)

Claims (2)

  1. 内燃機関の出力を駆動輪に伝達するメインクラッチおよび常時噛合ドッグクラッチ式の変速機と、運転者に操作されて変速指示を入力するシフトレバーと、前記シフトレバーの操作に応じて回転して前記変速機の変速段を切り換えるシフトドラムと、前記メインクラッチの状態が前記内燃機関の出力を前記変速機に伝達させる連結状態で前記変速指示が入力されるとき、前記内燃機関の前記変速機への出力を制御して前記変速機の変速操作を行う機関出力制御手段とを備えた自動二輪車の制御装置において、前記シフトレバーの操作を介して変速指示がなされたか否か判定する変速指示判定手段と、前記メインクラッチの連結状態を検出するメインクラッチ連結状態検出手段と、前記シフトドラムの回転位置を検出することで前記変速機の変速段を判定する変速段判定手段とを備えると共に、前記機関出力制御手段は、前記変速指示がなされたと判定され、かつ前記メインクラッチが連結状態であると判定されたとき、前記変速機のドッグクラッチの荷重を低減させうる第1の所定時間を前記内燃機関のスロットル開度および前記内燃機関の回転数から算出し、前記内燃機関の出力を低下させる内燃機関出力低下処理を前記第1の所定時間実行すると共に、前記第1の所定時間が経過した後に設定される第2の所定時間内に、前記変速段判定手段によって前記変速機の変速段が不確定と判定されるとき、前記内燃機関出力低下処理を再実行することで、前記変速機のドッグクラッチの荷重を低減させうる処理を延長することを特徴とする自動二輪車の制御装置。
  2. 前記第2の所定時間が経過した後に、さらに第3の所定時間を設定し、前記第3の所定時間内にあっては前記機関出力制御手段による前記内燃機関出力低下処理の再実行を禁止する禁止手段を備えることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車の制御装置。
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