JP4762182B2 - 車両の変速制御装置及びそれを備える車両 - Google Patents

車両の変速制御装置及びそれを備える車両 Download PDF

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本発明は、クラッチを使用することなく変速段位を変えるための車両の変速制御装置及びそれを備える車両に関する。
変速機を備える自動二輪車において、シフト操作を行う方法は、クラッチを切った状態でシフト操作を行う方法と、スロットルを僅かに開く又は閉じて変更すべき変速段位に応じたエンジン回転数に合わして、クラッチを使用せずにシフト操作を行う方法、いわゆるクラッチレスのシフト操作を行う方法とがある。前者の方法に対し後者の方法は、クラッチを切る動作を行う必要がなく、より早くシフト操作を行える利点がある。しかしながらクラッチレスのシフト操作では、クラッチによってエンジンから変速機への動力の伝達を遮断しないため、シフトチェンジの際、メインシャフト及びカウンターシャフトにそれぞれ設けられるギヤの速度を合わせる動作、いわゆるエンジン回転数を合わせる動作、及びエンジン回転数を合わせるためのスロットル開閉の調整が必要である。このような調整動作を省くべく、クラッチレスのシフト操作を開始する直前に、変速段位に応じたエンジン回転数に予め合わせておくための変速制御装置が開発されている。
第1の従来の技術の変速制御装置は、シフトペダル操作検出手段で検出されるシフトペダルの踏み込み量が予め定められる閾値以上か否かで、シフト操作の開始を検知する。変速制御装置は、シフト操作の開始を検知すると、吸気量の制御を開始し、変更すべき変速段位に応じたエンジン回転数に合わせる。これによってシフトペダルを踏み込むだけで、クラッチレスのシフト操作を行うことができる。(例えば特許文献1参照)
第2の従来の技術の変速制御装置は、第1の従来の技術の変速制御装置におけるシフトペダルの踏み込み量に加えて、変速段位検出手段で検出されるギヤ位置に対しても閾値を設け、これら2つの閾値に基づいて、シフト操作の開始を検知する。(例えば特許文献2参照)
特開2001−140668号公報 特開2006−77623号公報
第1の従来の技術の変速制御装置は、シフト操作が開始されるか否かを、シフトペダルの変位量で判定している。それ故、判定するための閾値が小さい(踏み込み量が浅い)と、車体の振動、及び信号線に重畳する電気的なノイズなどによって、シフトペダルの変位量が閾値を越えて検知に影響を及ぼす場合がある。また判定するための閾値が大きい(踏み込み量が深い)と、変速段位に応じたエンジン回転数に合わせる前に、シフト操作が行われるため、運転者のシフト操作のフィーリングに影響を及ぼす場合がある。
閾値を小さくした場合の精度悪化を防止すべく、シフト操作検出手段から得られる信号に対しフィルタ等でノイズを除去することも考えられるが、フィルタ等を介することでシフト操作の開始を判断する時期がおくれ、運転者のシフト操作のフィーリングに影響を及ぼす場合がある。このような検知への影響の低減、及び運転者のシフトフィーリングの向上の為、第2の従来の技術の変速制御装置が開発されている。
第2の従来の技術の変速制御装置は、さらにギヤ位置にも閾値を設けることで、2つの検出値からシフト操作の開始を検知し、これによって検知精度を向上させている。しかしながらギヤ位置は、シフトペダルの変位量と、変位という点で単位の次元が同じであり、かつ機械的に連動しているので、双方の検知結果が連動しており、充分な検知精度が得られない場合がある。また変速段位検出手段で検出するとき、ギヤ抜け又はハーフニュートラル(実際にギヤが入っているにもかかわらずニュートラルと判断すること)が生じた場合、シフト操作の開始を検知することができない。このように充分な検知精度がない場合、シフト操作の開始を判断する時期がおくれる等で、クラッチレスのシフト操作を円滑に行えず、運転者のシフトフィーリングに影響を及ぼす場合がある。
そこで本発明は、シフト操作の開始の検知精度を向上することができ、これによってクラッチを使用しないシフト操作を円滑に行うことができ、運転者のシフトフィーリングが向上された変速制御装置及び車両を提供することを目的としている。
本発明は、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、変速機の変速段位を検出する変速段位検出手段と、前記エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数と、前記変速段位検出手段で検出される変速段位とに応じて、エンジンに吸気する吸気量を制御する吸気量制御手段と、前記変速機の変速段位を操作するためのシフトの変位量を検出するシフト変位量検出手段と、前記シフトの変位速度を検出するシフト速度検出手段と、少なくとも前記シフト変位量検出手段が検出する変位量と前記シフト速度検出手段が検出する変位速度とに基づいてシフト操作の開始を判定する変速判定手段とを備え、前記吸気量制御手段は、前記変速判定手段がシフト操作を開始していると判定すると、制御を開始する車両の変速制御装置である。
本発明に従えば、変速判定手段がシフトの変位量及び変位速度に基づいて、シフト操作の開始を検知する。検知すると、吸気量制御手段は、検出されるエンジン回転数及び変速段位に応じて、エンジンに吸気する吸気量の制御を開始する。検出される変位量及び変位速度によってシフトが達する位置を予測することができ、シフトを変位させる動作がシフト操作に至るか否かをと判定することができ、シフト操作の開始の検知精度が高い。またシフト操作の開始の検知に、検出するシフトの変位量だけでなく、変位量と単位の次元が異なるシフトの変位速度(変位に対し、速度は変位の一次微分という点が異なる)を適用することによって、シフト操作の開始の検知精度がさらに向上している。これによってクラッチを使用しないシフト操作を円滑に行うことができ、運転者のシフトフィーリングが向上される。
上記発明において、前記変速判定手段は、前記シフト変位量検出手段が検出する変位量が予め定められる変位基準値を越えることを条件とする変位条件、及び前記シフト速度検出手段が検出する変位速度が予め定められる低速度基準値を越えることを条件とする速度条件をともに充足すると、シフト操作の開始と判定する構成であることが好ましい。
本発明に従えば、検出される変位量が変位基準値を越えたか否か、及び検出される変位速度が低速度基準値を越えたか否かによって、シフト操作の開始を判定する。変位基準値に応じた低速度基準値を設定することによって、シフトの変位量を推定することができ、シフト操作の開始を検知することができる。
上記発明において、前記変位速度が、低速度基準値より絶対値が大きく、予め定められる高速度基準値を越えたか否かを判定する変位速度判定手段をさらに有し、変位速度判定手段は、前記変位速度が高速度基準値を越えると、前記変速判定手段にシフト操作の開始でないと判定させる構成であることが好ましい。
本発明に従えば、検出される変位速度が高速度基準値を越えたか否かを判定し、この判定結果に基づいてシフト操作の開始か否かを検知する。高速度基準値の絶対値を低速度基準値の絶対値より大きくすることで、車体の振動など人間では困難な変位速度のシフトの動作を検出させることができ、これによって前記動作に伴う運転者が意図しないシフトの除去が可能である。したがってクラッチレスのシフト操作を円滑に行うことができ、運転者のシフトフィーリングが向上される。
上記発明において、前記吸気量制御手段は、制御を開始してから、予め定められる制御時間だけ制御を行う構成であることが好ましい。
本発明に従えば、吸気量制御手段は、制御を開始してから予め定められる制御時間だけ制御を行う。これによって運転者は、前記制御時間後にスロットルグリップ又はアクセルによって所望の加減速を行うことができる。
上記発明において、前記変速判定手段は、前記変速段位検出手段が検出する変速段位が1速以外であることを条件とする変速段位条件をさらに充足することで、シフト操作の開始と判定する構成であることが好ましい。
本発明に従えば、検出される変速段位が1速のとき、吸気量制御手段は、吸気量の制御を開始しない。これによって1速からシフト操作され、変速段位がニュートラルになったときに、吸気量が制御され、エンジン回転数が吹き上がることを防止できる。
上記発明において、クラッチ操作を検出するクラッチ操作検出手段をさらに備え、
前記変速判定手段は、前記クラッチ操作検出手段がクラッチの操作を検出していないことを条件とするクラッチ条件をさらに充足することで、シフト操作の開始と判定する構成であることが好ましい。
本発明に従えば、クラッチの操作が検出されると、吸気量制御手段は、吸気量の制御を開始しない。これによって運転者は、クラッチを操作してシフト操作する際、所望の吸気量をエンジンに吸気させ所望のエンジン出力でシフト操作を行うことができる。
上記発明において、前記変速判定手段は、前記吸気量制御手段が制御を開始してから予め定められる規定時間以上を経過していることを条件とする時間条件をさらに充足することで、シフト操作の開始と判定する構成であることが好ましい。
本発明に従えば、制御を開始してから予め定められる規定時間以上を経過していなければ、吸気量の制御を開始しない。それ故、シフト操作の途中で、チャタリング等によって再検知が生じても、吸気量制御手段による制御が重畳的に行われ、エンジンに吸気される吸気量が重畳的に増加することを防止できる。これによって仮に再検知しても、エンジンの吸気量が重畳的に増加することがなく、変速段位に応じた吸気量をエンジンに吸気することができる。これによってクラッチレスのシフト操作を円滑に行うことができる。
上記発明において、前記吸気量制御手段は、エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数が予め定められる下限値以上、かつ予め定められる上限値以下である場合に、吸気量を制御する構成であることが好ましい。
本発明に従えば、エンジン回転数が下限値未満の場合、例えばクラッチを使用せずにシフト操作する際、吸気量を制御する必要のないエンジン回転数未満の場合には、吸気量制御手段が吸気量の制御を開始しない。またエンジン回転数が上限値を越える場合、例えばエンジンの回転限界を越える場合には、これもまた吸気量制御手段が吸気量の制御を開始しない。このように予め定められた範囲で吸気量を制御することで、クラッチレスのシフト操作をより円滑に行うことができるとともに、無用な制御を省くことができ、またシフト操作時に回転限界域でエンジンが駆動することを防ぐことができる。
上記発明において、前記シフト速度検出手段は、前記シフト変位量検出手段で検出されるシフトの変位量に基づいて演算し検出する構成であることが好ましい。
本発明に従えば、変位速度は、シフト変位量検出手段によって検出される変位量に基づいて、シフト速度検出手段で演算されるので、シフト速度検出手段で別途検出する必要がない。これによって変位速度を検出するためのセンサなどを設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。
上記発明において、前記車両は、車両の変速制御装置を備え、スロットルバルブを開閉駆動する駆動部を有し、スロットルグリップの操作量に応じて駆動部の駆動量を制御しスロットルバルブの開度を制御する電子制御スロットル機構を備える自動二輪車であって、吸気量制御手段は、駆動部を介してスロットルバルブの開度を制御し、エンジンへの吸気量を制御可能に構成され、シフトは、シフトペダルであり、シフト変位量検出手段は、シフトペダルポジションセンサであり、変速段位検出手段は、ギヤポジションセンサであり、吸気量制御手段、シフト速度検出手段及び変速判定手段は、電子制御装置である構成であることが好ましい。
本発明に従えば、シフト操作の開始の検知精度を向上させることができ、これによってクラッチを使用しないシフト操作を円滑に行うことができ、運転者のシフトフィーリングが向上された電子制御スロットル機構を備える自動二輪車を実現することができる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、シフト操作の開始の検知精度を向上することができ、これによってクラッチを使用しないシフト操作を円滑に行うことができ、運転者のシフトフィーリングが向上される。
図1は、本発明の実施形態に係るノンクラッチシフトシステム30を備える自動二輪車1を示す側面図である。図1に示す自動二輪車1は、運転者が上体を前傾させて搭乗するロードスポーツタイプのものを示している。以下の説明で用いる方向の概念は、図1に示す自動二輪車1に搭乗したライダー(図示せず)が、自動二輪車1の進行方向を前方として見たときの方向の概念と一致するものとする。具体的には、図1の紙面左方が前方Fであり、紙面右方が後方であり、紙面奥行き方向が左右方向である。自動二輪車1は、スロットルグリップの開度に基づいて、電子制御装置(Engine Control Unit:略称ECU)がスロットルバルブを制御し、エンジンへの空気の供給量を制御する電子制御スロットル機構(略称:ETV)を搭載している車両である。以下に、自動二輪車1についてさらに詳細に説明する。
自動二輪車1は、前輪2及び後輪3を備えている。前輪2は、略上下方向に延びるフロントフォーク5の下端部にて回転可能に支持されている。フロントフォーク5は、その上端部に設けられているアッパーブラケット(図示せず)とアッパーブラケットの下方に設けられているアンダーブラケット(図示せず)を介してステアリングシャフト(図示せず)に支持されている。ステアリングシャフトは、ヘッドパイプ6によって回動可能に支持されている。アッパーブラケットには、左右へ延びるバー型のステアリングハンドル4が取り付けられている。運転者は、ステアリングシャフトを回動軸として、このステアリングハンドル4を時計回り又は反時計回りに回動することによって、前輪2を所望の方向へ転向させることができる。
ヘッドパイプ6からは、左右一対のメインフレーム7が若干下方に傾斜しながら後方へ延びており、このメインフレーム7の後部に左右一対のピボットフレーム8が接続されている。このピボットフレーム8には、略前後方向に延びるスイングアーム9の前端部が枢着されている。スイングアーム9の後端部には、駆動輪である後輪3が回転可能に支持されている。ステアリングハンドル4の後方には、燃料タンク10がメインフレーム7に支持されて設けられている。この燃料タンク10の後方には、運転者騎乗用のシート11がメインフレーム7やリヤフレーム17等に支持されて設けられている。
前輪2と後輪3との間には、並列四気筒のエンジン12がメインフレーム7及びピボットフレーム8等に支持されている。このエンジン12の吸気ポートには、メインフレーム7の内側に配設されている四連のスロットル装置13が接続され、エンジン12の排気ポートには、図示しない排気管やマフラー(排気装置)が接続されている。このスロットル装置13は、エンジン12の吸気ポートに接続される吸気通路21(図2)が形成され、この吸気通路21(図2)を開閉するスロットルバルブ22(図2)を備えている。スロットル装置13には、このスロットルバルブ22(図2)を開閉するスロットルバルブ開閉装置14が設けられている。スロットル装置13の吸気通路21(図2)の上流側には、燃料タンク10の下方に配設されているエアクリーナボックス15が接続され、前方からの走行風圧(ラム圧)を利用して外気を取り込む構成となっている。
またエンジン12(クランク室)の後部には、エンジン12のクランクシャフト(図示せず)の動力を後輪3に伝達するための変速機18が設けられている。この変速機18は、複数の変速段位、本実施の形態では6速の変速段位を有する。変速機18の変速段位は、ピボットフレーム8の後方に設けられるシフトペダル19によって、切替可能に構成されている。さらに具体的に説明すると、シフトペダル19は、予め定められる基準位置に配置され、踏み込むことによって変速段位を下げるシフトダウンの操作を行うことができ、また蹴り上げることによって変速段位をあげるシフトアップの操作を行うことできる。ただし蹴り上げることによってシフトダウンし、踏み込むことによってシフトアップする構成を除外するものではない。また変速段位を切替えるときにクランクシャフト(図示しない)と、変速機18との間の動力を遮断するためのクラッチ(図示しない)を操作するためのクラッチレバ31がステアリングハンドル4の左側前方に設けられている。
このような構成を有する自動二輪車1の車体前部から車体両側にかけてエンジン12などを覆うようにカウリング16が設けられている。さら自動二輪車1には、自動二輪車1の各構成を電子制御するECU23(図2)が設けられている。
図2は、電子制御スロットル機構20と、本実施の形態に係るノンクラッチシフトシステム30の構成を示すブロック図である。電子制御スロットル機構20は、基本的に前述するスロットルバルブ開閉装置14とスロットル装置13とを有する。スロットルバルブ開閉装置14は、ステアリングハンドル4の右側に設けられる回動可能なスロットルグリップ24を有し、このスロットルグリップ24がスロットルワイヤーWを介して、スロットルプーリ25に連結されている。スロットルプーリ25は、回動可能に設けられ、グリップポジションセンサ(手動操作角センサ:略称GPS)26が設けられている。GPS26は、これによってスロットルプーリ25を介してスロットルグリップ24の開度を検出し、ECU23に送信する。
スロットル装置13は、4つのスロットルバルブ22が連結されるスロットルシャフト27を有し、その一端部に歯車27aが設けられている。この歯車27aには、モータ28の出力軸に設けられる歯車28aが噛み合っている。このモータ28は、ECU23と通信可能に接続され、このモータ28を駆動することで、4つのスロットルバルブ22を開閉することができる。またスロットルシャフト27の他端部には、スロットルポジションセンサ(バルブ角センサ:略称TPS)29が設けられ、これによってスロットルシャフト27を介してスロットルバルブ22の開度を検出し、ECU23に送信する。
ECU23は、制御部39とモータ駆動回路41を備え、GPS26で検出されるスロットルグリップ24の開度を受信すると、制御部39が受信したスロットルグリップ24の開度に応じたスロットル位置指令値(以下、「TH位置指令値」という)を、モータ駆動回路41を介してモータ28に送信する。TH位置指令値を受信したモータ28は、TH位置指令値に応じてスロットルシャフト27を回動駆動し、4つのスロットルバルブ22を開閉する。このようにして制御部39は、スロットルバルブ22の開度を電気的に制御する。さらに制御部39は、TPS29から伝送されるスロットルバルブ22の開度に基づいて、スロットルバルブ22の開度がスロットルグリップ24の開度に対応するように、スロットルバルブ22の開度をフィードバック制御する。
自動二輪車1には、さらにノンクラッチシフトシステム30が設けられている。変速制御装置であるノンクラッチシフトシステム30は、クラッチレバ31を使用せずにシフト操作を行うことを補助するシステムであり、シフトペダル19によって変速機18の変速段位の切替の開始を検知、つまりシフトチェンジの開始を検知し、この検知にともなってエンジン12の空気の吸気量、点火時期及び燃料の噴射量を制御するシステムである。ノンクラッチシフトシステム30は、シフトペダルポジションセンサ32と、エンジン回転数検出部33と、ギヤポジションセンサ34と、クラッチセンサ35と、ECU23とを有する。
シフト変位量検出手段であるシフトペダルポジションセンサ32は、シフトペダル19の変位量を検出する機能を有する。シフトペダル19の変位量は、基準位置(ニュートラルポジション)から踏み込まれた量(踏み込み量)が負の値として検出され、また基準位置(ニュートラルポジション)から蹴り上げた量(蹴り上げ量)が正の値として検出される。このようにして検出された変位量は、ECU23に伝送される。エンジン回転数検出手段であるエンジン回転数検出部33は、エンジン12の回転数(以下、単に「エンジン回転数」という)を検出する機能を有し、検出したエンジン回転数をECU23に伝送する。
変速段位検出手段であるギヤポジションセンサ34は、例えば図示しないシフトドラムにポジションセンサを設けることで実現され、変速機18の変速段位を検出する機能を有する。クラッチ操作検出手段であるクラッチセンサ35は、例えばクラッチにコントロールスイッチ(CLTスイッチ)を設けることで実現され、クラッチレバ31が操作(以下、単に「クラッチ操作」という)されたか否かを検出する機能を有する。これら検出された変速段位及びクラッチ操作の有無は、ECU23に伝送される。なおクラッチ(図示しない)が操作されたか否かは、クラッチの断続を検出してもよい。
ECU23は、速度演算部36を有するとともに、さらにノンクラッチシフトシステム(略称:N.C.S.S)許可判定部(以下、「許可判定部」という)37を有する。シフト速度検出手段である速度演算部36は、シフトペダルポジションセンサ32で検出された変位量に基づいて、シフトペダル19の変位速度を検出する機能を有する。このように検出された変位量に基づいて速度を演算するので、速度を検出するためのセンサを別途設ける必要がなく、部品点数を削減できる。
変速判定手段である許可判定部37は、シフトペダルポジションセンサ32、ギヤポジションセンサ34およびクラッチセンサ35で検出された検出結果、並びに速度演算部36で演算された演算値に基づいて、N.C.S.S条件を充足するか否かを判定する機能を有する。N.C.S.S条件には、複数の条件、本実施の形態では5つの条件が含まれ、以下にこれら5つの条件について説明する。
変位条件は、シフトペダルポジションセンサ32で検出された変位量が変位基準値を越えている、具体的にはシフトペダルポジションセンサ32で検出された変位量が第1変位基準値以下、または第2変位基準値以上である。第1変位基準値は、シフトダウンの開始を検知するための基準値であり、予め定められた負の値である。また第2変位基準値は、シフトアップの開始を検出するための基準値であり、予め定められた正の値である。本実施の形態において、変位条件はシフトペダルポジションセンサ32から出力されるA/D値に基づいて判定するので、第1及び第2変位基準値は、A/D値で与えられ、第1変位基準値の値は例えばAD最小分解能の11個分に相当する−11Vである。
変位条件は、シフトペダル19の変位量によって運転者のシフト操作の有無を検知することを目的とする条件である。それ故、第1変位基準値および第2変位基準値を0に近づけて、シフト操作を素早く検知することが望ましい。しかしながら第1変位基準値および第2変位基準値を0に近づけていくと、運転者が足をシフトペダル19に乗せるなどしてシフトペダル19が少し変位した場合であってもシフト操作として検知する場合がある。しかし運転者が足を乗せるなどした場合は、シフトペダル19がゆっくりした動作であるため、シフトペダル19の変位速度に基づく速度条件によって排除することができる。そこでシフトペダル19の変位速度に基づく速度条件を適用している。
速度条件は、速度演算部36で演算された変位速度が低速度基準値を越えている、具体的にはシフトペダル19の変位量が負である場合、速度演算部36で演算された変位速度が第1低速度基準値以下であり、シフトペダル19の変位量が正である場合、速度演算部36で演算された変位速度が第2低速度基準値以上である。第1低速度基準値は、シフトダウンの開始を検知するための基準値であり、予め定められた負の値である。また第2低速度基準値は、シフトアップの開始を検知するための基準値であり、予め定められた正の値である。本実施の形態において第1及び第2低速度基準値は、A/D値で与えられ、第1低速基準値の値は例えばAD最小分解能の8個分に相当する−8Vである。ただし第1変位基準値及び第1低速度基準値は、前述のような値に限定するものではなく、シフト操作の検知精度が高く、クラッチレスでシフト操作を行ったときの運転者のフィーリングに影響を及ぼさない範囲であればよい。
変位速度は、検出された変位量と合わせて用いることで、シフトペダル19が達する位置を予測することができる。それ故、第1及び第2変位基準値に応じて第1及び第2低速度基準値を設定し、変位量と変位速度とがともに前記基準値を越えたか否かを判定することで、シフト操作が行われる位置までシフトペダル19が達するか否か、換言するとそのままシフト操作が行われるか否かを推定することができる。このような推定を行うことで、シフト操作の開始の検知精度が向上する。
変速段位条件は、ギヤポジションセンサ34が検出する変速段位が1速でないことである。変速段位条件は、変速段位が1速の場合を除外し、シフト操作され変速段位がニュートラルになったときに、エンジン12の吸気量などが自動制御され、エンジン出力が吹き上がることを防止するための条件である。クラッチ条件は、クラッチセンサ35がクラッチ操作を検出していないことである。クラッチ条件は、クラッチ操作を検出したときを除外し、クラッチを操作してシフト操作する際、所望の吸気量をエンジン12に吸気させ所望のエンジン出力でシフト操作を行うことを可能にするための条件である。
時間条件は、直前にN.C.S.S条件を充足した時刻から規定時間経過していることである。規定時間は、予め定められる時間であり、例えば300msecである。時間条件は、現時点から規定時間前までにN.C.S.S条件を充足した場合を除外し、シフト操作の途中にチャタリング等で再検知が生じ、後述するような制御部39によるエンジン12の吸気量の制御が、重畳的に行われ、エンジン12に吸気される吸気量が重畳的に増加することを防止するための条件である。この時間条件を設定することで、再検知が生じても、エンジン12の吸気量が重畳的に増加することがなく、変速段位に応じた吸気量をエンジン12に吸気することができ、エンジン回転数をあわせることができる。すなわちクラッチを使用せずにシフト操作している途中に再検知が生じても、円滑に行うことができる。
これらN.C.S.S条件を全て充足すると許可判定部37が判定したときに前記判定結果を受けて実行を開始するアシスト量演算部38を、ECU23はさらに有する。アシスト量演算部38は、エンジン回転数検出部33及びギヤポジションセンサ34で検出されるエンジン回転数及び変速段位に応じて、現時点のスロットルバルブ22の開度量に対し付加すべきスロットルバルブ22の開度量(以下、「アシスト量」という)を演算する。本実施の形態では、アシスト量演算部38には図5に示すような後述する演算マップが記憶され、前記演算は、この演算マップを用いて、検出されるエンジン回転数及び変速段位に基づいて行われる。
ECU23は、前述したようにモータ駆動回路41に接続される制御部39を有する。この制御部39は、GPS26から伝送されるTH位置指令値に基づいて、スロットルバルブ22の開度を制御するとともに、アシスト量が演算されると、このアシスト量をTH位置指令値に加算し、この加算した指令値に基づいてスロットルバルブ22の開度を制御し、エンジン12に吸気される吸気量を制御する機能を有する。制御部39は、さらにエンジン12に設けられるプラグ42を点火するための点火回路43、及び吸気通路21に設けられるインジェクタ44を駆動するためのインジェクタ駆動回路45が接続され、エンジン12に吸気される吸気量を制御するとともに、プラグ42の点火時期及びインジェクタ44の燃料噴射量を制御する機能を有する。本実施の形態において、アシスト量演算部38と制御部39とが吸気量制御手段に相当する。
図3は、N.C.S.S30のN.C.S.S処理の手順を示すフローチャートである。図4は、シフトペダル19の変位量及び変位速度、ならびに変速段位の経時変化を示すグラフである。図4(a)は、シフトペダル19の変位量の経時変化を示すものであり、縦軸が変位量(シフトペダルポジションセンサ32からの出力値(A/D値)で単位はVである。)、横軸が時刻(sec)を示す。図4(b)は、シフトペダル19の変位速度を示すものであり、縦軸が速度変位(速度演算部36からの出力値(A/D値)で単位はV/secである。)、横軸が時刻(sec)を示す。図4(c)は、変速段位の経時変化を示すものであり、縦軸が変速段位(速)、横軸が時刻(sec)を示す。図5は、アシスト量演算部38に記憶される演算マップを3次元表示したグラフである。図5は、X軸が変速段位(単位:速)、Y軸がエンジン回転数(単位:rpm)、そしてZ軸がアシスト量(アシスト量演算部38からの出力値(A/D値)である。)を示す。
N.C.S.S30は、図示しないイグニッションキーをオンにすると、N.C.S.S処理が開始され、ステップS1へ移行する。検出工程であるステップS1では、各センサ32,34,35及びエンジン回転数検出部33で検出されたシフトペダル19の変位量、変速段位、クラッチ操作の有無及びエンジン回転数をECU23が取り込み、さらにシフトペダル19の変位量に基づいて速度演算部36でシフトペダル19の変位速度を演算する。速度演算部36における変位速度の演算は、シフトペダル19の変位量を微分処理、つまり変位量をx、変位速度をv、時間をtとすると、v=dx/dtの演算処理によって行われる。ただしこの微分処理をそのまま実行すると、シフトペダルポジションセンサ32のセンサ値のノイズを増幅するため、本実施の形態では、微分処理は疑似微分演算を用いて行われる。疑似微分演算は、「疑似微分値=センサ値−センサなまし値」の演算処理が行われる。この疑似微分演算を行うためのフィルタ処理を演算によって行うが、このフィルタ処理は、第1の従来の技術のようなフィルタ処理に比べて容易な処理であり、これによって判断時期の遅れが生じることがない。シフトペダル19の変位量、エンジン回転数、変速段位及びクラッチ位置の取り込み、及びシフトペダル19の変位速度を演算が終了すると、ステップS2へ移行する。
N.C.S.S許可判定工程であるステップS2では、許可判定部37がN.C.S.S条件を充足するか否か判定する。以下では、この判定方法について、図4に示す具体例を挙げて説明する。以下の具体例では、クラッチ操作がされていないものとして説明している。自動二輪車1を走行時に、時刻t1にシフトペダル19の変位、具体的にはシフトペダル19の踏み込みが検出されているが、シフトペダル19の変位量が第1変位基準値より大きい。そのため許可判定部37は、変位条件を充足しないと判定し、その結果N.C.S.S条件を充足しないと判定する。これによってステップS1へ戻る。
時刻t2になると、シフトペダル19の変位量が第1変位基準値になり、許可判定部37がまず変位条件を充足すると判定する。次に許可判定部37は、速度演算部36で演算された変位速度が第1低速度基準値以下であることから、速度条件も充足すると判定する。ギヤポジションセンサ34が検出する変速段位が4速であることから、許可判定部37は、変速段位条件も充足すると判定し、さらにクラッチセンサ35がクラッチ操作を検出していないことからクラッチ条件も充足すると判定する。最後に許可判定部37は、現時刻から遡って規定時間内にN.C.S.S条件を充足したことがないので、時間条件も充足すると判定する。これによって許可判定部37は、N.C.S.S条件に含まれる全て条件を充足すると判定し、ステップS3へ移行する。
アシスト量演算工程であるステップS3では、アシスト量演算部38が、記憶される演算マップを用い、検出される変速段位及びエンジン回転数に基づいてアシスト量を演算する。演算マップは、図5に示すように変速段位及びエンジン回転数によってアシスト量が異なっている。アシスト量は、クラッチレスのシフト操作が円滑に行えるように決定した値であり、具体的にはシフトチェンジ前後の変速段位、及びシフトチェンジ前のエンジン回転数に対し、シフトチェンジ後に合わせるべきエンジン回転数を考慮して算出された値である。
ただし変速段位が1速の場合、検出されるエンジン回転数に係らずアシスト量が0であり、また検出されるエンジン回転数が10000回転を越える場合も、変速段位に係らずアシスト量が0である。これらは1速からニュートラルにシフトチェンジされたときに、アシスト量が加算されエンジン12が吹き上がることを防止するためと、アシスト量が加算されることでエンジン12がエンジン回転限界域(レッドゾーン)で駆動し続ける状態を防ぐためである。さらに低回転域、例えば500回転以下の場合も、変速段位に係らずアシスト量が0である。これは低回転域では、エンジン回転数を制御することなくクラッチレスのシフト操作を円滑に行うことができ、エンジン回転数の制御を行う必要がないからであり、このような領域での無用な制御を省くことができる。
アシスト量演算部38は、このような演算マップを用いて、検出される変速段位とエンジン回転数とが交差する点のアシスト量を取り出し、このアシスト量を演算値として、制御部39に出力する。アシスト量を演算し出力すると、ステップS4へ移行する。
N.C.S.S実施時間判定工程であるステップS4では、制御部39がアシスト量を加算する制御(後述するステップS5の制御)を開始してから経過した時間(以下、単に「N.C.S.S実施時間」という)が継続時間未満であるか否かを制御部39が判定する。制御時間である継続時間は、予め定められる時間であり、規定時間より短く、例えば100msecである。N.C.S.S実施時間が継続時間未満であると判定すると、ステップS5へ移行する。
吸気量制御工程であるステップS5では、制御部39がTH位置指令値にアシスト量を加算し、この加算した指令値を、モータ駆動回路41を介してモータ28に伝送する。モータ28は、加算した指令値に応じてスロットルバルブ22を開閉し、これによってエンジン12に吸気する吸気量が制御される。すなわち制御部39によって、エンジン12の吸気量が制御される。これによってシフトペダル19をシフト操作するだけで、エンジン回転数を合わせることができ、この状態で円滑なシフトチェンジが行われる(時刻t3)。換言すると、スロットルグリップ24を操作してエンジン回転数を合わせる動作をしなくとも、クラッチレスのシフト操作を容易にかつ円滑に行うことができる。アシスト量を加算しエンジン12の吸気量を制御すると、ステップS4へ戻る。
その後ステップS2でN.C.S.S条件を充足してから継続時間以上経過すると、ステップS4において、N.C.S.S実施時間が継続時間以上であると判定され、ステップS6へ移行し、ステップS6でアシスト量が0にリセットされてステップS1に戻る(時刻t4)。このように継続時間だけ制御することによって少なくともクラッチレスのシフト操作が終了するまでの間、エンジン回転数を合わせることができ、クラッチレスのシフト操作を円滑に行うことができるとともに、シフト操作後には、スロットルバルブ22の開度を運転者の操作するスロットルグリップ24の開度に追従させることができ、運転者のスロットルグリップ24の操作感覚が良好である。またこのようにクラッチレスのシフト操作が行えることによって、減速時にクラッチミートに集中する必要がなく、円滑な減速動作が行える。
また時刻t5でもシフトペダル19の変位量が検出され、時刻t6で変位量が第1変位基準値以下になっている。しかしながらシフトペダル19の変位速度が第1低速度基準値を越えているので、許可判定部37が速度条件を充足していないと判定される、つまりシフト操作でないと判定され、ステップS2からステップS1へ戻る。
また時刻t7でもシフトペダル19の変位量が検出され、時刻t8で変位量が第1変位基準値以上になっている。しかしながらシフトペダル19の変位速度が第1高速度基準値よりも小さい。シフトペダル19の変位速度が第1高速度基準値より小さくまたは第2高速度基準値をより大きい場合、シフトペダルポジションセンサ32とECU23との間に設けられる高速度フィルタ46によってシフトペダルポジションセンサ32からの出力値がカットされる。これによって許可判定部37が速度条件を充足していないと判定される、つまりシフト操作でないと判定され、ステップS2からステップS1へ戻る。ここで高速度基準値である第1高速度基準値は、予め定められる負の基準値であり、第2高速度基準値は、予め定められる正の基準値である。第1および第2高速度基準値は、車体の振動など人間では困難な変位速度のシフトペダル19の動作を検出し、このような運転者がシフト操作を意図していないシフトペダル19の変位を除去するための基準値であり、このようなシフトペダル19の変位に関する検知を高速度フィルタ46によって排除できる。高速度フィルタ46は、たとえばコンデンサ(C)および抵抗(R)等によって構成されるローパスフィルタである。
また時刻t9でシフトペダル19の変位量が検出され、その後、シフトペダル19の変位速度が第1低速度基準値以下となり、速度条件を充足するが、シフトペダル19の変位量が第1変位基準値以上であるので、変位条件を充足していないと判定される、つまりシフト操作でないと判定され、ステップS2からステップS1へ戻る。
さらに時刻t10でシフトペダル19の変位量が検出され、時刻t11において、前にN.C.S.S条件を充足した時刻、つまり時刻t2から規定時間以上経過しているので、N.C.S.S条件に含まれる全ての条件を充足すると制御部39が判定し、ステップS2からステップS3へ移行する。ステップS3でアシスト量が演算され、ステップS4でN.C.S.S実施時間が継続時間以下であると判定すると、ステップS5で、制御部39がTH位置指令値にアシスト量を加算した指令値をモータ28に伝送し、検出される変速段位及びエンジン回転数に応じてエンジン12の吸気量を制御し、エンジン回転数を合わせる。これによって時刻12においてクラッチレスのシフト操作を円滑に行うことができる。
次に時刻t13でシフトペダル19の変位量が検出され、時刻t14で、シフトペダル19の変位量が第1変位基準以下、またシフトペダル19の変位速度が第1低速度基準値以下、変速段位が2速であり、変位条件、速度条件およびクラッチ条件を充足する。しかしながら前にN.C.S.S条件を充足した時刻、つまり時刻t11から規定時間以上経過しておらず、時間条件を充足せず、制御部39がN.C.S.S条件を充足しないと判定し、ステップS2からステップS1へ戻る。
このように自動二輪車1にN.C.S.S30を備えると、シフト操作の開始の検知に、検出するシフトペダル19の変位量に基づく変位条件だけでなく、変位量と次元の異なるシフトペダル19の変位速度(変位に対し、速度は変位の一次微分という点が異なる)に基づく速度条件を適用することによって、シフト操作開始の検知精度がさらに向上し、これによってクラッチレスのシフト操作が円滑に行うことができ、運転者のシフトフィーリングが向上される。
第1変位基準値、第2変位基準値、第1低速基準値、第2低速基準値および高速基準値は、車種毎に、形状などの設計事項に合わせて設定される値である。これらの値を決定するに当たっては、運転者のシフト動作によるシフトペダル19の変位量および変位速度を基に実用的な値を設定している。
本実施の形態では、シフトペダル19の変位量及び変位速度に基づいて、シフト操作の開始を検出しているけれども、シフトペダル19の変位量及び加速度に基づいて、シフト操作の開始を検出してもよい。この場合、速度演算部36が加速度演算部に代わり、シフトペダル19の変位量を2回微分処理することによって加速度を演算するように構成すればよい。
また本実施の形態では、シフトダウンを行う減速時の場合について説明しているけれども、シフトアップを行う加速時にも適用することができる。この場合、基本的に変位条件は、第2変位基準値に基づいて充足するか否かを判定し、速度条件は、第2低速度基準値に基づいて充足するか否かを判定する。またアシスト量演算部38で用いられる演算マップも異なる。具体的には、吸気量を減少させるようにアシスト量が決定される演算マップが用いられる。
また本実施の形態では、変位条件をシフトペダル19の変位量が第1変位基準値以下または第2変位基準値以上とし、速度条件をシフトペダル19の変位速度が第1低速度基準値以下または第2低速度基準値以上としているけれども、変位条件をシフトペダル19の変位量の絶対値が変位基準値以上であり、また速度条件をシフトペダル19の変位速度の絶対値が低速度基準値以上であるとしてもよい。
また本実施の形態では、高速度フィルタ46によって、変位速度が高速度基準値以下の場合を除外しているけれども、変位条件に変位速度が高速度基準値を越えないことを含め、許可判定部37によって除外するように構成してもよい。また高速度フィルタ46を設けるとともに、変位条件に変位速度が高速度基準値を越えないことを含めてもよい。この場合、変位条件に含まれる前記高速度基準値よりも大きい変位速度を、高速度フィルタ46によって除外するように構成することが好ましい。
また本実施の形態では、N.C.S.S条件には、5つの条件が含まれているけれども、必ずしも5つの条件全てを含み必要はない。少なくとも変位条件および速度条件を含めばよく、また前記5つ条件以外の条件を含んでもよい。
さらに本実施の形態では、N.C.S.S30を自動二輪車1に適用している場合について説明しているけれども、自動二輪車に限定するものではない。例えば不整地走行型車両(All Terrain Vehicle:略称ATV)に適用してもよく、また自動四輪車に適用してもよく、エンジンおよび変速機を備える車両であればよい。また自動四輪車に適用する場合は、シフトペダルではなく、シフトノブの操作量を変位量として検出し、この変位量に基づいて、変位速度を演算し、さらには変位条件及び速度条件を充足するか否かを判定する。またシフトノブの変位量は、例えばニュートラルポジションから1速、3速及び5速へのシフト操作を正とし、ニュートラルポジションから2速、4速、6速へのシフト操作を負の値とすることで実現できる。
以上のように、本発明に係る変速制御装置は、シフト操作の開始の検知精度を向上させて、クラッチを使用しないシフト操作を円滑に行うことができ、運転者のシフトフィーリングを向上することが必要な二輪自動車に適している。
本発明の実施形態に係るノンクラッチシフトシステムを備える自動二輪車を示す側面図である。 電子制御スロットル機構と、本実施の形態に係るノンクラッチシフトシステムの構成を示すブロック図である。 N.C.S.SのN.C.S.S処理の手順を示すフローチャートである。 シフトペダルの変位量及び変位速度、ならびに変速段位の経時変化を示すグラフである。 アシスト量演算部に記憶される演算マップを3次元表示したグラフである。
符号の説明
1 自動二輪車
12 エンジン
19 シフトペダル
20 電子制御スロットル機構
23 ECU
30 ノンクラッチシフトシステム
31 クラッチレバ
32 シフトペダルポジションセンサ
33 エンジン回転数検出部
34 ギヤポジションセンサ
35 クラッチセンサ
36 速度演算部
37 許可判定部
38 アシスト量演算部
39 制御部
46 高速度フィルタ

Claims (9)

  1. エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
    変速機の変速段位を検出する変速段位検出手段と、
    前記エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数と前記変速段位検出手段で検出される変速段位とに応じてエンジンに吸気する吸気量を制御する吸気量制御手段と、
    前記変速機の変速段位を操作するためのシフトの変位量を検出するシフト変位量検出手段と、
    前記シフトの変位速度を検出するシフト速度検出手段と、
    少なくとも前記シフト変位量検出手段が検出する変位量と前記シフト速度検出手段が検出する変位速度とに基づいてシフト操作の開始を判定する変速判定手段と
    前記変位速度が、低速度基準値より絶対値が大きく、予め定められる高速度基準値を越えたか否かを判定する変位速度判定手段とを備え、
    前記吸気量制御手段は、前記変速判定手段がシフト操作を開始していると判定すると、制御を開始するように構成され
    変位速度判定手段は、前記変位速度が高速度基準値を越えると、前記変速判定手段にシフト操作の開始でないと判定させるように構成されていることを特徴とする車両の変速制御装置。
  2. エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
    変速機の変速段位を検出する変速段位検出手段と、
    前記エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数と前記変速段位検出手段で検出される変速段位とに応じてエンジンに吸気する吸気量を制御する吸気量制御手段と、
    前記変速機の変速段位を操作するためのシフトの変位量を検出するシフト変位量検出手段と、
    前記シフトの変位速度を検出するシフト速度検出手段と、
    少なくとも前記シフト変位量検出手段が検出する変位量と前記シフト速度検出手段が検出する変位速度とに基づいてシフト操作の開始を判定する変速判定手段とを備え、
    前記吸気量制御手段は、前記変速判定手段がシフト操作を開始していると判定すると制御を開始し、且つ、制御を開始してから予め定められる制御時間だけ制御を行うように構成されていることを特徴とする車両の変速制御装置。
  3. 前記変速判定手段は、前記シフト変位量検出手段が検出する変位量が予め定められる変位基準値を越えることを条件とする変位条件、及び前記シフト速度検出手段が検出する変位速度が予め定められる低速度基準値を越えることを条件とする速度条件をともに充足すると、シフト操作の開始と判定するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の変速制御装置。
  4. エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
    変速機の変速段位を検出する変速段位検出手段と、
    前記エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数と前記変速段位検出手段で検出される変速段位とに応じてエンジンに吸気する吸気量を制御する吸気量制御手段と、
    前記変速機の変速段位を操作するためのシフトの変位量を検出するシフト変位量検出手段と、
    前記シフトの変位速度を検出するシフト速度検出手段と、
    少なくとも前記シフト変位量検出手段が検出する変位量と前記シフト速度検出手段が検出する変位速度とに基づいてシフト操作の開始を判定する変速判定手段とを備え、
    前記吸気量制御手段は、前記変速判定手段がシフト操作を開始していると判定すると制御を開始し、
    前記変速判定手段は、前記シフト変位量検出手段が検出する変位量が予め定められる変位基準値を越えることを条件とする変位条件、前記シフト速度検出手段が検出する変位速度が予め定められる低速度基準値を越えることを条件とする速度条件、及び前記変速段位検出手段が検出する変速段位が1速以外であることを条件とする変速段位条件を充足することで、シフト操作の開始と判定するように構成されていることを特徴とする車両の変速制御装置。
  5. エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
    変速機の変速段位を検出する変速段位検出手段と、
    前記エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数と前記変速段位検出手段で検出される変速段位とに応じてエンジンに吸気する吸気量を制御する吸気量制御手段と、
    前記変速機の変速段位を操作するためのシフトの変位量を検出するシフト変位量検出手段と、
    前記シフトの変位速度を検出するシフト速度検出手段と、
    少なくとも前記シフト変位量検出手段が検出する変位量と前記シフト速度検出手段が検出する変位速度とに基づいてシフト操作の開始を判定する変速判定手段と、
    クラッチ操作を検出するクラッチ操作検出手段とを備え、
    前記吸気量制御手段は、前記変速判定手段がシフト操作を開始していると判定すると制御を開始し、
    前記変速判定手段は、前記シフト変位量検出手段が検出する変位量が予め定められる変位基準値を越えることを条件とする変位条件、前記シフト速度検出手段が検出する変位速度が予め定められる低速度基準値を越えることを条件とする速度条件、及び前記クラッチ操作検出手段がクラッチの操作を検出していないことを条件とするクラッチ条件を充足する、シフト操作の開始と判定するように構成されていることを特徴とする車両の変速制御装置。
  6. エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
    変速機の変速段位を検出する変速段位検出手段と、
    前記エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数と前記変速段位検出手段で検出される変速段位とに応じてエンジンに吸気する吸気量を制御する吸気量制御手段と、
    前記変速機の変速段位を操作するためのシフトの変位量を検出するシフト変位量検出手段と、
    前記シフトの変位速度を検出するシフト速度検出手段と、
    少なくとも前記シフト変位量検出手段が検出する変位量と前記シフト速度検出手段が検出する変位速度とに基づいてシフト操作の開始を判定する変速判定手段とを備え、
    前記吸気量制御手段は、前記変速判定手段がシフト操作を開始していると判定すると制御を開始し、
    前記変速判定手段は、前記シフト変位量検出手段が検出する変位量が予め定められる変位基準値を越えることを条件とする変位条件、前記シフト速度検出手段が検出する変位速度が予め定められる低速度基準値を越えることを条件とする速度条件、及び前記吸気量制御手段が制御を開始してから予め定められる規定時間以上を経過していることを条件とする時間条件を充足する、シフト操作の開始と判定するように構成されていることを特徴とする車両の変速制御装置。
  7. エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
    変速機の変速段位を検出する変速段位検出手段と、
    前記エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数と前記変速段位検出手段で検出される変速段位とに応じてエンジンに吸気する吸気量を制御する吸気量制御手段と、
    前記変速機の変速段位を操作するためのシフトの変位量を検出するシフト変位量検出手段と、
    前記シフトの変位速度を検出するシフト速度検出手段と、
    少なくとも前記シフト変位量検出手段が検出する変位量と前記シフト速度検出手段が検出する変位速度とに基づいてシフト操作の開始を判定する変速判定手段とを備え、
    前記吸気量制御手段は、前記変速判定手段がシフト操作を開始していると判定すると制御を開始し、且つ前記エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数が予め定められる下限値以上、かつ予め定められる上限値以下である場合に、吸気量を制御するように構成されていることを特徴とする車両の変速制御装置。
  8. エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
    変速機の変速段位を検出する変速段位検出手段と、
    前記エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数と前記変速段位検出手段で検出される変速段位とに応じてエンジンに吸気する吸気量を制御する吸気量制御手段と、
    前記変速機の変速段位を操作するためのシフトの変位量を検出するシフト変位量検出手段と、
    前記シフトの変位速度を検出するシフト速度検出手段と、
    少なくとも前記シフト変位量検出手段が検出する変位量と前記シフト速度検出手段が検出する変位速度とに基づいてシフト操作の開始を判定する変速判定手段とを備え、
    前記吸気量制御手段は、前記変速判定手段がシフト操作を開始していると判定すると制御を開始し、
    前記シフト速度検出手段は、前記シフト変位量検出手段で検出されるシフトの変位量に基づいて演算し検出するように構成されていることを特徴とする車両の変速制御装置。
  9. 請求項に記載される車両の変速制御装置を備える車両であって、
    前記車両は、スロットルバルブを開閉駆動する駆動部を有し、スロットルグリップの操作量に応じて駆動部の駆動量を制御しスロットルバルブの開度を制御する電子制御スロットル機構を備える自動二輪車であって、
    吸気量制御手段は、駆動部を介してスロットルバルブの開度を制御し、エンジンへの吸気量を制御可能に構成され、
    シフトは、シフトペダルであり、
    シフト変位量検出手段は、シフトペダルポジションセンサであり、
    変速段位検出手段は、ギヤポジションセンサであり、
    吸気量制御手段、シフト速度検出手段及び変速判定手段は、電子制御装置であることを特徴とする車両。
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