JPWO2020195785A1 - 鞍乗り型車両のクラッチ制御装置およびクラッチ制御方法 - Google Patents

鞍乗り型車両のクラッチ制御装置およびクラッチ制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2020195785A1
JPWO2020195785A1 JP2021508984A JP2021508984A JPWO2020195785A1 JP WO2020195785 A1 JPWO2020195785 A1 JP WO2020195785A1 JP 2021508984 A JP2021508984 A JP 2021508984A JP 2021508984 A JP2021508984 A JP 2021508984A JP WO2020195785 A1 JPWO2020195785 A1 JP WO2020195785A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
control
threshold value
inhibitor
engine speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021508984A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7059442B2 (ja
Inventor
惇也 小野
豪 森田
圭淳 根建
達也 竜▲崎▼
準一郎 加納
浩孝 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Publication of JPWO2020195785A1 publication Critical patent/JPWO2020195785A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7059442B2 publication Critical patent/JP7059442B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D25/00Fluid-actuated clutches
    • F16D25/08Fluid-actuated clutches with fluid-actuated member not rotating with a clutching member
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D48/00External control of clutches
    • F16D48/02Control by fluid pressure
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H59/00Control inputs to control units of change-speed-, or reversing-gearings for conveying rotary motion
    • F16H59/36Inputs being a function of speed
    • F16H59/38Inputs being a function of speed of gearing elements
    • F16H59/42Input shaft speed
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/02Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing characterised by the signals used
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/68Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for stepped gearings
    • F16H61/682Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for stepped gearings with interruption of drive
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H63/00Control outputs from the control unit to change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion or to other devices than the final output mechanism
    • F16H63/40Control outputs from the control unit to change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion or to other devices than the final output mechanism comprising signals other than signals for actuating the final output mechanisms
    • F16H63/46Signals to a clutch outside the gearbox

Abstract

この鞍乗り型車両のクラッチ制御装置は、エンジン(13)と駆動輪(12)との間の動力伝達を断接するクラッチ装置(26)と、エンジン回転数(G2)を含むパラメーターに基づいて前記クラッチ装置(26)を制御する制御部(60)と、を備え、前記制御部(60)は、発進制御を行う時、前記エンジン回転数(G2)がNe閾値(T1)を超えている場合、前記クラッチ装置(26)を切断状態とするインヒビタ制御を行う。

Description

本発明は、鞍乗り型車両のクラッチ制御装置およびクラッチ制御方法に関する。
本発明は、2019年3月27日に、日本に出願された特願2019−059878号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、クラッチの接続を自動で行うクラッチ制御装置が知られている。例えば、特許文献1では、エンジン回転数およびエンジン回転加速度に基づいてクラッチの接続量を制御している。
日本国特開2002−286060号公報
しかしながら、エンジン回転数が高回転の状態でインギアした場合、運転者が想定よりも急な発進をしたりギア接続に伴う衝撃を受けたりする可能性がある。
そこで本発明は、鞍乗り型車両のクラッチ制御装置およびクラッチ制御方法において、エンジン回転数が高回転の状態での運転者の想定よりも急な発進およびギア接続に伴う衝撃を抑制することを目的とする。
上記課題の解決手段として、本発明の態様は以下の構成を有する。
(1)本発明の態様に係る鞍乗り型車両のクラッチ制御装置は、エンジン(13)と駆動輪(12)との間の動力伝達を断接するクラッチ装置(26)と、エンジン回転数(G2)を含むパラメーターに基づいて前記クラッチ装置(26)を制御する制御部(60)と、を備え、前記制御部(60)は、発進制御を行う時、前記エンジン回転数(G2)がNe閾値(T1)を超えている場合、前記クラッチ装置(26)を切断状態とするインヒビタ制御を行う。
(2)上記(1)に記載の鞍乗り型車両のクラッチ制御装置では、前記パラメーターにはスロットル開度(G3)が含まれ、前記制御部(60)は、ニュートラルギアからのインギアによる発進制御を行う時、前記エンジン回転数(G2)が前記Ne閾値(T1)を超え且つ前記スロットル開度(G3)がTh閾値(T2)を超えている場合、前記インヒビタ制御を行ってもよい。
(3)上記(1)または(2)に記載の鞍乗り型車両のクラッチ制御装置では、前記パラメーターにはスロットル開度(G3)が含まれ、前記制御部(60)は、インギアした状態で前記エンジン(13)を始動させる時、前記スロットル開度(G3)がTh閾値(T2)を超えている場合、前記インヒビタ制御を行ってもよい。
(4)上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両のクラッチ制御装置では、前記制御部(60)が前記インヒビタ制御を実行していることを運転者へ通知する通知部(71)を更に備えていてもよい。
(5)上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両のクラッチ制御装置では、前記パラメーターにはスロットル開度(G3)が含まれ、前記制御部(60)は、前記エンジン回転数(G2)が前記Ne閾値(T1)以下かつ前記スロットル開度(G3)がTh閾値(T2)以下になった場合、前記インヒビタ制御を解除してもよい。
(6)上記(1)から(5)のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両のクラッチ制御装置では、前記インヒビタ制御の解除方法を運転者へ通知する解除方法通知部(80)を更に備えていてもよい。
(7)上記(1)から(6)のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両のクラッチ制御装置では、前記インヒビタ制御の作動中に操作することで前記インヒビタ制御を解除可能な操作子(4b)を更に備えていてもよい。
(8)本発明の態様に係る鞍乗り型車両のクラッチ制御方法は、エンジン(13)と駆動輪(12)との間の動力伝達を断接するクラッチ装置(26)を、エンジン回転数(G2)を含むパラメーターに基づいて制御する制御ステップを含み、前記制御ステップでは、発進制御を行う時に前記エンジン回転数(G2)がNe閾値(T1)を超えている場合、前記クラッチ装置(26)を切断状態とするインヒビタ制御を行うことを特徴とする。
本発明の上記(1)に記載の鞍乗り型車両のクラッチ制御装置によれば、制御部は、発進制御を行う時にエンジン回転数がNe閾値を超えている場合、クラッチ装置を切断状態とするインヒビタ制御を行うことで、以下の効果を奏する。
エンジン回転数が高回転の場合はクラッチ接続を行わないため、エンジン回転数が高回転の状態での運転者の想定よりも急な発進およびギア接続に伴う衝撃を抑制することができる。
本発明の上記(2)に記載の鞍乗り型車両のクラッチ制御装置によれば、制御部は、ニュートラルギアからのインギアによる発進制御を行う時、エンジン回転数がNe閾値を超え且つスロットル開度がTh閾値を超えている場合、インヒビタ制御を行うことで、以下の効果を奏する。
ニュートラルギアからインギアして発進する時、エンジン回転数が高回転で且つスロットル開度が大きい場合はクラッチ接続を行わないため、運転者の想定よりも急な発進を抑制することができる。
本発明の上記(3)に記載の鞍乗り型車両のクラッチ制御装置によれば、制御部は、インギアした状態でエンジンを始動させる時、スロットル開度がTh閾値を超えている場合、インヒビタ制御を行うことで、以下の効果を奏する。
インギア状態でエンジン始動時、スロットル開度が大きい場合はクラッチ接続を行わないため、運転者の想定よりも急な発進を抑制することができる。
本発明の上記(4)に記載の鞍乗り型車両のクラッチ制御装置によれば、制御部がインヒビタ制御を実行していることを運転者へ通知する通知部を更に備えることで、以下の効果を奏する。
通知部によってインヒビタ制御を実行中であることを運転者に通知し、車両が発進できない状態にあることを運転者に認識させることができる。
本発明の上記(5)に記載の鞍乗り型車両のクラッチ制御装置によれば、制御部は、エンジン回転数がNe閾値以下かつスロットル開度がTh閾値以下になった場合、インヒビタ制御を解除することで、以下の効果を奏する。
クラッチ接続における適切なエンジン回転数を使用することができる。
本発明の上記(6)に記載の鞍乗り型車両のクラッチ制御装置によれば、インヒビタ制御の解除方法を運転者へ通知する解除方法通知部を更に備えることで、以下の効果を奏する。
解除方法通知部によってインヒビタ制御の解除方法を運転者に通知し、インヒビタ制御を任意に解除できることを運転者に認識させることができる。
本発明の上記(7)に記載の鞍乗り型車両のクラッチ制御装置によれば、インヒビタ制御の作動中に操作することでインヒビタ制御を解除可能な操作子を更に備えることで、以下の効果を奏する。
エンジン回転数がNe閾値以下等の所定条件を満たすことなく、操作子の操作によってインヒビタ制御を解除することができるため、運転者の任意の発進が可能となる。
本発明の上記(8)に記載の鞍乗り型車両のクラッチ制御方法によれば、制御ステップでは、発進制御を行う時にエンジン回転数がNe閾値を超えている場合、クラッチ装置を切断状態とするインヒビタ制御を行うことで、以下の効果を奏する。
エンジン回転数が高回転の場合はクラッチ接続を行わないため、エンジン回転数が高回転の状態での運転者の想定よりも急な発進およびギア接続に伴う衝撃を抑制することができる。
実施形態の自動二輪車の左側面図である。 実施形態の変速機およびチェンジ機構の断面図である。 実施形態のクラッチアクチュエータを含むクラッチ作動システムの概略説明図である。 実施形態の変速システムのブロック図である。 実施形態のクラッチ制御モードの遷移を示す説明図である。 ニュートラルからインギアして発進するときのインヒビタ制御の説明図である。 インギアした状態でエンジンを始動させるときのインヒビタ制御の説明図である。 インヒビタ制御実行中の通知方法の説明図である。 インヒビタ制御のフローチャートである。 ニュートラルからインギアして発進するときのインヒビタ制御のフローチャートである。 インギアした状態でエンジンを始動させるときのインヒビタ制御のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UPが示されている。
<車両全体>
図1に示すように、本実施形態は、鞍乗り型車両の一例としての自動二輪車1に適用されている。自動二輪車1の前輪2は、左右一対のフロントフォーク3の下端部に支持されている。左右フロントフォーク3の上部は、ステアリングステム4を介して、車体フレーム5の前端部のヘッドパイプ6に支持されている。ステアリングステム4のトップブリッジ上には、バータイプの操向ハンドル4aが取り付けられている。
車体フレーム5は、ヘッドパイプ6と、ヘッドパイプ6から車幅方向(左右方向)中央を下後方へ延びるメインチューブ7と、メインチューブ7の後端部の下方に連なる左右ピボットフレーム8と、メインチューブ7および左右ピボットフレーム8の後方に連なるシートフレーム9と、を備えている。左右ピボットフレーム8には、スイングアーム11の前端部が揺動可能に枢支されている。スイングアーム11の後端部には、自動二輪車1の後輪12が支持されている。
左右メインチューブ7の上方には、燃料タンク18が支持されている。燃料タンク18の後方でシートフレーム9の上方には、前シート19および後シートカバー19aが前後に並んで支持されている。シートフレーム9の周囲は、リヤカウル9aに覆われている。
左右メインチューブ7の下方には、自動二輪車1の原動機を含むパワーユニットPUが懸架されている。パワーユニットPUは、後輪12と例えばチェーン式伝動機構を介して連係されている。
パワーユニットPUは、その前側に位置するエンジン(内燃機関、原動機)13と後側に位置する変速機21とを一体に有している。エンジン13は、例えばクランクシャフト14の回転軸を車幅方向に沿わせた複数気筒エンジンである。エンジン13は、クランクケース15の前部から上方に起立するシリンダ16を備える。クランクケース15の後部は、変速機21を収容する変速機ケース17とされている。
<変速機>
図2に示すように、変速機21は、メインシャフト22およびカウンタシャフト23ならびに両シャフト22,23に跨る変速ギア群24を有する有段式のトランスミッションである。カウンタシャフト23は、変速機21(パワーユニットPU)の出力軸を構成している。カウンタシャフト23の端部は、クランクケース15の後部左側に突出している。カウンタシャフト23の突出端部は、ドライブスプロケット27を含むチェーン式伝動機構を介して後輪12に連結されている(図1参照)。
変速ギア群24は、両シャフト22,23にそれぞれ支持された変速段数分のギアを有する。変速機21は、両シャフト22,23間で変速ギア群24の対応するギア対同士が常に噛み合った常時噛み合い式とされる。両シャフト22,23に支持された複数のギアは、対応するシャフトに対して回転可能なフリーギアと、対応するシャフトにスプライン嵌合するスライドギア(シフター)とに分類される。これらフリーギア及びスライドギアの一方には軸方向で凸のドグが、他方にはドグを係合させるべく軸方向で凹のスロットがそれぞれ設けられている。すなわち、変速機21は、いわゆるドグミッションである。
変速機21のメインシャフト22及びカウンタシャフト23は、クランクシャフト14(図1参照)の後方で前後に並んで配置されている。メインシャフト22の右端部には、クラッチアクチュエータ50(図3参照)により作動するクラッチ装置26が同軸配置されている。クラッチ装置26は、例えば湿式多板クラッチである。すなわち、クラッチ装置26は、クラッチアクチュエータ50からの油圧供給によって動力伝達可能な接続状態となり、クラッチアクチュエータ50からの油圧供給がなくなると動力伝達不能な切断状態に戻る、いわゆるノーマルオープンクラッチである。
クランクシャフト14の回転動力は、クラッチ装置26を介してメインシャフト22に伝達され、メインシャフト22から変速ギア群24の任意のギア対を介してカウンタシャフト23に伝達される。
クラッチ装置26は、バックトルクリミッターを備えていてもよい。バックトルクリミッターは、クラッチ装置26に設けたカム機構に規定以上のバックトルクが作用すると、クラッチ容量を機械的に低下させる。
変速機21の後上方には、変速ギア群24のギア対を切り替えるチェンジ機構25が収容されている。チェンジ機構25は、両シャフト22,23と実質的に平行な中空円筒状のシフトドラム36を備える。シフトドラム36の外周には、リード溝のパターンが形成されている。チェンジ機構25は、シフトドラム36の回転により、リード溝のパターンに応じて複数のシフトフォーク36aを作動させる。これにより、変速ギア群24における両シャフト22,23間の動力伝達に用いるギア対を切り替える。
チェンジ機構25は、シフトドラム36と実質的に平行なシフトスピンドル31を有している。シフトスピンドル31の回転時には、シフトスピンドル31に固定されたシフトアーム31aがシフトドラム36を回転させ、リード溝のパターンに応じてシフトフォーク36aを軸方向移動させる。これにより、変速ギア群24の内の動力伝達可能なギア対を切り替える(すなわち、変速段を切り替える。)。
シフトスピンドル31は、チェンジ機構25を操作可能とするためにクランクケース15の車幅方向外側(左方)に軸外側部31bを突出させている(図1参照)。シフトスピンドル31の軸外側部31bには、シフト荷重センサ42(シフト操作検知手段、図1参照)が同軸に取り付けられている。シフトスピンドル31の軸外側部31b(またはシフト荷重センサ42の回転軸)には、揺動レバー33が取り付けられている。揺動レバー33は、シフトスピンドル31(または回転軸)にクランプ固定される基端部33aと、基端部33aから後方へ延びる部分の先端部33bと、を有する。揺動レバー33の先端部33bには、リンクロッド34の上端部が上ボールジョイント34aを介して揺動自在に連結されている。リンクロッド34の下端部は、運転者が足操作するシフトペダル32(図1参照)に、下ボールジョイント(不図示)を介して揺動自在に連結されている。
図1に示すように、シフトペダル32の前端部は、クランクケース15の下部に左右方向に沿う軸を介して上下揺動可能に支持されている。シフトペダル32の後端部には、ステップ32aに載せた運転者の足先を掛けるペダル部が設けられている。シフトペダル32の前後中間部には、リンクロッド34の下端部が連結されている。
ここで、自動二輪車1は、変速機21の変速操作(シフトペダル32の足操作)のみを運転者が行い、クラッチ装置26の断接操作はシフトペダル32の操作に応じて電気制御により自動で行うようにした、いわゆるセミオートマチックの変速システム(自動クラッチ式変速システム)を採用している。
<変速システム>
図4に示すように、上記変速システムは、クラッチアクチュエータ50、ECU60(Electronic Control Unit、制御部)および各種センサ41〜45を備えている。
ECU60は、シフトドラム36の回転角から変速段を検知するギアポジションセンサ41、およびシフトスピンドル31に入力された操作トルクを検知するシフト荷重センサ42(例えばトルクセンサ)からの検知情報、ならびにスロットル開度センサ43、車速センサ44およびエンジン回転数センサ45等からの各種の車両状態検知情報等に基づいて、クラッチアクチュエータ50を作動制御するとともに、点火装置46および燃料噴射装置47を作動制御する。エンジン回転数は、スロットルバルブ及びアクセルグリップを含むスロットルバイワイヤ(throttle by wire:TBW)により制御される。
ECU60には、油圧センサ57,58(図3参照)、シフト操作検知スイッチ(シフトニュートラルスイッチ)48、および車体の状況(動き)を検出するジャイロセンサ49からの検知情報も入力される。ジャイロセンサ49は、IMU(inertial measurement unit:慣性計測装置)である。ジャイロセンサ49は、検知方向の加速度成分に応じた信号をECU60に出力する。ジャイロセンサ49は、ECU60に内蔵されてもよい。図中符号60Aは本実施形態のクラッチ制御装置を示している。
図3を併せて参照し、クラッチアクチュエータ50は、ECU60により作動制御されることで、クラッチ装置26を断接する液圧を制御可能とする。クラッチアクチュエータ50は、駆動源としてのモータ52(例えば電気モータ)と、モータ52により駆動されるマスターシリンダ51と、を備えている。クラッチアクチュエータ50は、マスターシリンダ51および油圧給排ポート50pの間に設けられる油圧回路装置53とともに、一体のクラッチ制御ユニット50Aを構成している。
ECU60は、予め設定された演算プログラムに基づいて、クラッチ装置26を断接するためにスレーブシリンダ28に供給する油圧の目標値(以下「目標油圧」ともいう。)を演算する。ECU60は、下流側油圧センサ58で検出されるスレーブシリンダ28側の油圧(スレーブ油圧)が目標油圧に近づくように、クラッチ制御ユニット50Aを制御する。
マスターシリンダ51は、シリンダ本体51a内のピストン51bをモータ52の駆動によりストロークさせて、シリンダ本体51a内の作動油をスレーブシリンダ28に対して給排可能とする。図中符号55はボールネジ機構としての変換機構、符号54はモータ52および変換機構55に跨る伝達機構、符号51eはマスターシリンダ51に接続されるリザーバをそれぞれ示す。
油圧回路装置53は、マスターシリンダ51からクラッチ装置26側(スレーブシリンダ28側)へ延びる主油路(油圧給排油路)53mの中間部位を開通又は遮断するバルブ機構(ソレノイドバルブ56)を有している。油圧回路装置53の主油路53mは、ソレノイドバルブ56よりもマスターシリンダ51側となる上流側油路53aと、ソレノイドバルブ56よりもスレーブシリンダ28側となる下流側油路53bと、に分けられる。油圧回路装置53はさらに、ソレノイドバルブ56を迂回して上流側油路53aと下流側油路53bとを連通するバイパス油路53cを備えている。
ソレノイドバルブ56は、いわゆるノーマルオープンバルブである。バイパス油路53cには、上流側から下流側への方向のみ作動油を流通させるワンウェイバルブ53c1が設けられている。ソレノイドバルブ56の上流側には、上流側油路53aの油圧を検出する上流側油圧センサ57が設けられている。ソレノイドバルブ56の下流側には、下流側油路53bの油圧を検出する下流側油圧センサ58が設けられている。
図1に示すように、クラッチ制御ユニット50Aは、例えばリヤカウル9a内に収容されている。スレーブシリンダ28は、クランクケース15の後部左側に取り付けられている。クラッチ制御ユニット50Aとスレーブシリンダ28とは、油圧配管53e(図3参照)を介して接続されている。
図2に示すように、スレーブシリンダ28は、メインシャフト22の左方に同軸配置されている。スレーブシリンダ28は、クラッチアクチュエータ50からの油圧供給時には、メインシャフト22内を貫通するプッシュロッド28aを右方へ押圧する。スレーブシリンダ28は、プッシュロッド28aを右方へ押圧することで、該プッシュロッド28aを介してクラッチ装置26を接続状態へ作動させる。スレーブシリンダ28は、前記油圧供給が無くなると、プッシュロッド28aの押圧を解除し、クラッチ装置26を切断状態に戻す。
クラッチ装置26を接続状態に維持するには油圧供給を継続する必要があるが、その分だけ電力を消費することとなる。そこで、図3に示すように、クラッチ制御ユニット50Aの油圧回路装置53にソレノイドバルブ56を設け、クラッチ装置26側への油圧供給後にソレノイドバルブ56を閉じている。これにより、クラッチ装置26側への供給油圧を維持し、圧力低下分だけ油圧を補う(リーク分だけリチャージする)構成として、エネルギー消費を抑えている。
<クラッチ制御モード>
図5に示すように、本実施形態のクラッチ制御装置60Aは、三種のクラッチ制御モードを有している。クラッチ制御モードは、自動制御を行うオートモードM1、手動操作を行うマニュアルモードM2、および一時的な手動操作を行うマニュアル介入モードM3、の三種のモード間で、クラッチ制御モード切替スイッチ59(図4参照)およびクラッチレバー4b(図1参照)の操作に応じて適宜遷移する。なお、マニュアルモードM2およびマニュアル介入モードM3を含む対象をマニュアル系M2Aという。クラッチ制御装置60Aは、クラッチレバー4bとクラッチ装置26とを電気的に接続したクラッチバイワイヤシステムとしても機能する。
オートモードM1は、自動発進・変速制御により走行状態に適したクラッチ容量を演算してクラッチ装置26を制御するモードである。マニュアルモードM2は、乗員によるクラッチ操作指示に応じてクラッチ容量を演算してクラッチ装置26を制御するモードである。マニュアル介入モードM3は、オートモードM1中に乗員からのクラッチ操作指示を受け付け、クラッチ操作指示からクラッチ容量を演算してクラッチ装置26を制御する一時的なマニュアル操作モードである。なお、マニュアル介入モードM3中に乗員がクラッチレバー4bの操作をやめる(完全にリリースする)と、オートモードM1に戻るよう設定されている。
本実施形態のクラッチ制御装置60Aは、エンジン13(図1参照)の回転駆動力で不図示のオイルポンプを駆動してクラッチ制御油圧を発生する。このため、クラッチ制御装置60Aは、システム起動時には、オートモードM1でクラッチオフの状態(切断状態)から制御を始める。また、クラッチ制御装置60Aは、エンジン13停止時にはクラッチ操作が不要なので、オートモードM1でクラッチオフに戻るよう設定されている。
オートモードM1は、クラッチ制御を自動で行うことが基本であり、レバー操作レスで自動二輪車1を走行可能とする。オートモードM1では、スロットル開度、エンジン回転数、車速およびシフトセンサ出力により、クラッチ容量をコントロールしている。これにより、自動二輪車1をスロットル操作のみでエンストすることなく発進可能であり、かつシフト操作のみで変速可能である。ただし、アイドリング相当の極低速時には自動でクラッチ装置26が切断することがある。また、オートモードM1では、クラッチレバー4bを握ることでマニュアル介入モードM3となり、クラッチ装置26を任意に切ることも可能である。
一方、マニュアルモードM2では、乗員によるレバー操作により、クラッチ容量をコントロールする。オートモードM1とマニュアルモードM2とは、停車中にクラッチ制御モード切替スイッチ59(図4参照)を操作することで切り替え可能である。なお、クラッチ制御装置60Aは、マニュアル系M2A(マニュアルモードM2又はマニュアル介入モードM3)への遷移時にレバー操作が有効であることを示すインジケータを備えてもよい。
マニュアルモードM2は、クラッチ制御を手動で行うことが基本であり、クラッチレバー4bの作動角度に応じてクラッチ油圧を制御可能である。これにより、乗員の意思のままにクラッチ装置26の断接をコントロール可能であり、かつアイドリング相当の極低速時にもクラッチ装置26を接続して走行可能である。ただし、レバー操作によってはエンストすることがあり、かつスロットル操作のみでの自動発進も不可である。なお、マニュアルモードM2であっても、シフト操作時にはクラッチ制御が自動で介入する。
オートモードM1では、クラッチアクチュエータ50により自動でクラッチ装置26の断接が行われる。オートモードM1では、クラッチレバー4bに対するマニュアルクラッチ操作が行われることで、クラッチ装置26の自動制御に一時的に手動操作を介入させることが可能である(マニュアル介入モードM3)。
<インヒビタ制御>
次に、本実施形態の自動二輪車のインヒビタ制御について説明する。
本実施形態では、エンジン回転数がNe閾値を超えている場合、クラッチ装置26(図2参照)を切断状態とするインヒビタ制御を行う。
図6は、ニュートラルからインギアして発進するときのインヒビタ制御の説明図である。図中において、符号G1はギアポジション、符号G2はエンジン回転数、符号G3はスロットル開度をそれぞれ示す。図6においては、ギアポジションG1はニュートラルからファーストギアに遷移している。
図6の例では、ギアポジションG1をニュートラルからファーストギアにして発進するとき、エンジン回転数G2がNe閾値T1を超え且つスロットル開度G3がTh閾値T2を超えている場合(G2>T1かつG3>T2)、インヒビタ制御を行う。例えば、Ne閾値T1は1500rpmに設定される。例えば、Th閾値T2は0.8degに設定される。
図中符号W1はインヒビタ有効範囲を示す。インヒビタ有効範囲W1は、インヒビタ制御が実行される範囲を意味する。図6の例では、インヒビタ有効範囲W1は、エンジン回転数G2がNe閾値T1を超えている範囲およびスロットル開度G3がTh閾値T2を超えている範囲の両方を含んでいる。
図6の例では、インヒビタ制御の開始時間は、エンジン回転数G2がNe閾値T1を超えた時間と一致している。インヒビタ制御の終了時間は、エンジン回転数G2がNe閾値T1以下になった時間と一致している。図6の例では、エンジン回転数G2がNe閾値T1以下かつスロットル開度G3がTh閾値T2以下になった場合(G2≦T1かつG3≦T2)、インヒビタ制御を解除する(すなわち、インヒビタ有効範囲W1外となる)。
図7は、インギアした状態でエンジンを始動させるときのインヒビタ制御の説明図である。図7においては、ギアポジションG1はファーストギアを維持している。
図7の例では、ギアポジションG1がファーストギアの状態でエンジンを始動させるとき、スロットル開度G3がTh閾値T2を超えている場合(G3>T2)、インヒビタ制御を行う。加えて、インギア状態でエンジン始動時、エンジン回転数G2がNe閾値T1を超えている場合(G2>T1)、インヒビタ制御を行う。図7の例では、インヒビタ有効範囲W1は、スロットル開度G3がTh閾値T2を超えている範囲およびエンジン回転数G2がNe閾値T1を超えている範囲の両方を含んでいる。
図7の例では、インヒビタ制御の開始時間は、スロットル開度G3がTh閾値T2を超えた時間と一致している。インヒビタ制御の終了時間は、スロットル開度G3がTh閾値T2以下になった後であってエンジン回転数G2がNe閾値T1以下になった時間と一致している。図7の例では、スロットル開度G3がTh閾値T2以下かつエンジン回転数G2がNe閾値T1以下になった場合(G3≦T2かつG2≦T1)、インヒビタ制御を解除する(すなわち、インヒビタ有効範囲W1外となる)。
本実施形態では、インヒビタ制御を実行している場合、インヒビタ制御実行中であることを運転者へ通知する通知部71を更に備える(図8参照)。
図8は、インヒビタ制御実行中の通知方法の説明図である。図中において、符号70は車両前部に設けられたメーターパネルを示す。メーターパネル70は、インジケータ71、エンジン回転数メーター72およびスピードメーター73を備える。
図8の例では、インジケータ71は、エンジン回転数メーター72の上方に配置されている。インジケータ71は、インヒビタ制御を実行している場合、インヒビタ制御実行中であることを運転者へ通知する通知部として機能する。例えば、インジケータ71は、インヒビタ制御を実行している場合に点滅する。これにより、インヒビタ制御実行中であることを運転者へ通知する。
本実施形態では、インヒビタ制御の解除方法を運転者へ通知する解除方法通知部80を更に備える。メーターパネル70に表示される矢印81および文82は、解除方法通知部80として機能する。図8の例では、矢印81はエンジン回転数メーター72に表示されている。文82はスピードメーター73の下方に表示されている。例えば、矢印81は、エンジン回転数が低下する方向へ指向するとともに、現在のエンジン回転数からインヒビタ制御解除のためのエンジン回転数に向けて移動する。例えば、文82は、「スロットルを閉じてエンジン回転が落ちるのを待ってください」である。
図9を参照し、インヒビタ制御の一例について説明する。
まず、ステップS1において、ECU60は、エンジン回転数がNe閾値を超えているか否かを判定する。例えば、Ne閾値は1500rpmに設定する。ステップS1でYES(エンジン回転数がNe閾値超過)の場合、ステップS2に移行する。ステップS1でNO(エンジン回転数がNe閾値以下)の場合、処理を終了する。
ステップS2において、ECU60は、インヒビタ制御を実行する(クラッチ装置を切断状態とする)。ステップS2の後、ステップS3に移行する。
ステップS3において、ECU60は、インヒビタ制御を実行していることを通知部71によって運転者へ通知する。例えば、通知部71は、メーターパネル70に設けられたインジケータである(図8参照)。例えば、インジケータが点滅することにより、インヒビタ制御実行中であることを運転者へ通知する。
更にステップS3において、ECU60は、解除方法通知部80によってインヒビタ制御の解除方法を運転者へ通知する。例えば、解除方法通知部80は、メーターパネル70に表示される矢印81および文82である(図8参照)。例えば、矢印81は、エンジン回転数が低下する方向へ指向するとともに、現在のエンジン回転数からインヒビタ制御解除のためのエンジン回転数に向けて移動する(図8参照)。例えば、文82は、「スロットルを閉じてエンジン回転が落ちるのを待ってください」である(図8参照)。
図10、図11を参照し、ギアポジションに関連したインヒビタ制御の一例について説明する。
図10は、ニュートラルからインギアして発進するときのインヒビタ制御のフローチャートである。
まず、ステップS11において、ECU60は、ニュートラルからインギアして発進する状態であるか否かを判定する。例えば、ECU60は、車両が直立で停止しているときにギアポジションがニュートラルの場合、ニュートラルからインギアして発進する状態であると判定する。ステップS11でYES(ニュートラルからインギアして発進する状態である)の場合、ステップS12に移行する。ステップS11でNO(ニュートラルからインギアして発進する状態ではない)の場合、処理を終了する(インヒビタ制御を実行しない)。
ステップS12において、ECU60は、エンジン回転数がNe閾値超過かつスロットル開度がTh閾値超過であるか否かを判定する。例えば、Ne閾値は1500rpmに設定する。例えば、Th閾値は0.8degに設定する。ステップS12でYES(エンジン回転数がNe閾値超過かつスロットル開度がTh閾値超過)の場合、ステップS13に移行する。ステップS12でNO(エンジン回転数がNe閾値以下またはスロットル開度がTh閾値以下)の場合、処理を終了する(インヒビタ制御を実行しない)。
ステップS13において、ECU60は、インヒビタ制御を実行する(クラッチ装置を切断状態とする)。ステップS13の後、ステップS14に移行する。
ステップS14において、ECU60は、エンジン回転数がNe閾値以下かつスロットル開度がTh閾値以下であるか否かを判定する。ステップS14でYES(エンジン回転数がNe閾値以下かつスロットル開度がTh閾値以下)の場合、ステップS15に移行する。ステップS14でNO(エンジン回転数がNe閾値超過またはスロットル開度がTh閾値超過)の場合、ステップS13に戻る(インヒビタ制御を継続する)。
ステップS15において、ECU60は、インヒビタ制御を解除する(クラッチ装置を接続可能な状態とする)。これにより、運転者の任意の発進が可能となる。
図11は、インギアした状態でエンジンを始動させるときのインヒビタ制御のフローチャートである。
まず、ステップS21において、ECU60は、インギアした状態でエンジンを始動させる状態であるか否かを判定する。例えば、ECU60は、車両が直立で停止しているときにギアポジションがニュートラル以外の変速段位置にある場合(例えばファーストギアの場合)、インギアした状態でエンジンを始動させる状態であると判定する。ステップS21でYES(インギアした状態でエンジンを始動させる状態である)の場合、ステップS22に移行する。ステップS21でNO(インギアした状態でエンジンを始動させる状態ではない)の場合、処理を終了する(インヒビタ制御を実行しない)。
ステップS22において、ECU60は、スロットル開度がTh閾値を超えているか否かを判定する。ステップS22でYES(スロットル開度がTh閾値超過)の場合、ステップS23に移行する。ステップS22でNO(スロットル開度がTh閾値以下)の場合、処理を終了する(インヒビタ制御を実行しない)。
ステップS23において、ECU60は、インヒビタ制御を実行する(クラッチ装置を切断状態とする)。ステップS23の後、ステップS24に移行する。
ステップS24において、ECU60は、エンジン回転数がNe閾値以下かつスロットル開度がTh閾値以下であるか否かを判定する。ステップS24でYES(エンジン回転数がNe閾値以下かつスロットル開度がTh閾値以下)の場合、ステップS25に移行する。ステップS24でNO(エンジン回転数がNe閾値超過またはスロットル開度がTh閾値超過)の場合、ステップS23に戻る(インヒビタ制御を継続する)。
ステップS25において、ECU60は、インヒビタ制御を解除する(クラッチ装置を接続可能な状態とする)。これにより、運転者の任意の発進が可能となる。
以上説明したように、上記実施形態の自動二輪車1のクラッチ制御装置60Aは、エンジン13と駆動輪12との間の動力伝達を断接するクラッチ装置26と、エンジン回転数G2を含むパラメーターに基づいてクラッチ装置26を制御するECU60と、を備え、ECU60は、発進制御を行う時にエンジン回転数G2がNe閾値T1を超えている場合、クラッチ装置26を切断状態とするインヒビタ制御を行う。
この構成によれば、エンジン回転数G2が高回転の場合はクラッチ接続を行わないため、エンジン回転数G2が高回転の状態での運転者の想定よりも急な発進およびギア接続に伴う衝撃を抑制することができる。
上記実施形態では、ECU60は、ニュートラルギアからのインギアによる発進制御を行う時、エンジン回転数G2がNe閾値T1を超え且つスロットル開度G3がTh閾値T2を超えている場合、インヒビタ制御を行うことで、以下の効果を奏する。
ニュートラルギアからインギアして発進する時、エンジン回転数G2が高回転で且つスロットル開度G3が大きい場合はクラッチ接続を行わないため、運転者の想定よりも急な発進を抑制することができる。
上記実施形態では、ECU60は、インギアした状態でエンジンを始動させる時、スロットル開度G3がTh閾値T2を超えている場合、インヒビタ制御を行うことで、以下の効果を奏する。
インギア状態でエンジン始動時、スロットル開度G3が大きい場合はクラッチ接続を行わないため、運転者の想定よりも急な発進を抑制することができる。
上記実施形態では、ECU60がインヒビタ制御を実行していることを運転者へ通知する通知部71を備えることで、以下の効果を奏する。
通知部71によってインヒビタ制御を実行中であることを運転者に通知し、車両が発進できない状態にあることを運転者に認識させることができる。
上記実施形態では、ECU60は、エンジン回転数G2がNe閾値T1以下かつスロットル開度G3がTh閾値T2以下になった場合、インヒビタ制御を解除することで、以下の効果を奏する。
クラッチ接続における適切なエンジン回転数を使用することができる。
上記実施形態では、インヒビタ制御の解除方法を運転者へ通知する解除方法通知部80を備えることで、以下の効果を奏する。
解除方法通知部80によってインヒビタ制御の解除方法を運転者に通知し、インヒビタ制御を任意に解除できることを運転者に認識させることができる。
上記実施形態の自動二輪車1のクラッチ制御方法は、エンジン13と駆動輪12との間の動力伝達を断接するクラッチ装置26を、エンジン回転数G2を含むパラメーターに基づいて制御する制御ステップを含み、制御ステップでは、発進制御を行う時にエンジン回転数G2がNe閾値T1を超えている場合、クラッチ装置26を切断状態とするインヒビタ制御を行う。
この方法によれば、エンジン回転数G2が高回転の場合はクラッチ接続を行わないため、エンジン回転数G2が高回転の状態での運転者の想定よりも急な発進およびギア接続に伴う衝撃を抑制することができる。
<変形例>
上記実施形態では、ECU60は、ニュートラルギアからのインギアによる発進制御を行う時、エンジン回転数がNe閾値を超え且つスロットル開度がTh閾値を超えている場合、インヒビタ制御を行う例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ECU60は、ニュートラルギアからのインギアによる発進制御を行う時、エンジン回転数がNe閾値を超えている場合またはスロットル開度がTh閾値を超えている場合にインヒビタ制御を行ってもよい。
上記実施形態では、インジケータ71が点滅することによりインヒビタ制御実行中であることを運転者へ通知する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、インジケータ71がインヒビタ制御解除中の色とは異なる色に点灯することにより、インヒビタ制御実行中であることを運転者へ通知してもよい。
上記実施形態では、通知部71は、メーターパネル70に設けられたインジケータである例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、通知部は、スピーカー等(ホーン)のインジケータ以外の部品であってもよい。例えば、スピーカーが発音することによりインヒビタ制御実行中であることを運転者へ通知してもよい。
上記実施形態では、ECU60がインヒビタ制御を実行していることを運転者へ通知する通知部71を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、クラッチ制御装置は通知部71を備えていなくてもよい。
上記実施形態では、解除方法通知部80は、メーターパネル70に表示される矢印81および文82の両方である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、解除方法通知部80は、メーターパネル70に表示される矢印81および文82のいずれか一方であってもよい。また、矢印81および文82の表示位置は、メーターパネル70において運転者が認識可能な領域であればどの場所でもよい。
上記実施形態では、解除方法通知部80がメーターパネル70に設けられた例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、解除方法通知部は、スピーカー等のメーターパネル70以外の部品であってもよい。例えば、スピーカーが発音することによりインヒビタ制御の解除方法を運転者へ通知してもよい。
上記実施形態では、インヒビタ制御の解除方法を運転者へ通知する解除方法通知部80を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、クラッチ制御装置は解除方法通知部80を備えていなくてもよい。
上記実施形態では、エンジン回転数がNe閾値以下等の所定条件を満たすことによりインヒビタ制御を解除する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、クラッチ制御装置60Aは、インヒビタ制御の作動中に操作することでインヒビタ制御を解除可能なクラッチレバー4bを備えていてもよい(図3参照)。これにより、エンジン回転数がNe閾値以下等の所定条件を満たすことなく、クラッチレバー4bの操作によってインヒビタ制御を解除することができるため、運転者の任意の発進が可能となる。
例えば、クラッチレバーを握る操作によってインヒビタ制御を解除してもよい。
また、操作子はクラッチレバー4bに限らず、運転者が操作可能なレバーであれば種々の操作子を採用することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)の車両も含まれる。また、本発明は、自動二輪車のみならず、自動車等の四輪の車両にも適用可能である。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
4b クラッチレバー(操作子)
12 後輪(駆動輪)
13 エンジン
26 クラッチ装置
60 ECU(制御部)
60A クラッチ制御装置
71 インジケータ(通知部)
80 解除方法通知部
G2 エンジン回転数
G3 スロットル開度
T1 Ne閾値
T2 Th閾値

Claims (8)

  1. エンジン(13)と駆動輪(12)との間の動力伝達を断接するクラッチ装置(26)と、
    エンジン回転数(G2)を含むパラメーターに基づいて前記クラッチ装置(26)を制御する制御部(60)と、を備え、
    前記制御部(60)は、発進制御を行う時、前記エンジン回転数(G2)がNe閾値(T1)を超えている場合、前記クラッチ装置(26)を切断状態とするインヒビタ制御を行うことを特徴とする鞍乗り型車両のクラッチ制御装置。
  2. 前記パラメーターにはスロットル開度(G3)が含まれ、
    前記制御部(60)は、ニュートラルギアからのインギアによる発進制御を行う時、前記エンジン回転数(G2)が前記Ne閾値(T1)を超え且つ前記スロットル開度(G3)がTh閾値(T2)を超えている場合、前記インヒビタ制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両のクラッチ制御装置。
  3. 前記パラメーターにはスロットル開度(G3)が含まれ、
    前記制御部(60)は、インギアした状態で前記エンジン(13)を始動させる時、前記スロットル開度(G3)がTh閾値(T2)を超えている場合、前記インヒビタ制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗り型車両のクラッチ制御装置。
  4. 前記制御部(60)が前記インヒビタ制御を実行していることを運転者へ通知する通知部(71)を更に備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両のクラッチ制御装置。
  5. 前記パラメーターにはスロットル開度(G3)が含まれ、
    前記制御部(60)は、前記エンジン回転数(G2)が前記Ne閾値(T1)以下かつ前記スロットル開度(G3)がTh閾値(T2)以下になった場合、前記インヒビタ制御を解除することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両のクラッチ制御装置。
  6. 前記インヒビタ制御の解除方法を運転者へ通知する解除方法通知部(80)を更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両のクラッチ制御装置。
  7. 前記インヒビタ制御の作動中に操作することで前記インヒビタ制御を解除可能な操作子(4b)を更に備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両のクラッチ制御装置。
  8. エンジン(13)と駆動輪(12)との間の動力伝達を断接するクラッチ装置(26)を、エンジン回転数(G2)を含むパラメーターに基づいて制御する制御ステップを含み、
    前記制御ステップでは、発進制御を行う時に前記エンジン回転数(G2)がNe閾値(T1)を超えている場合、前記クラッチ装置(26)を切断状態とするインヒビタ制御を行うことを特徴とする鞍乗り型車両のクラッチ制御方法。
JP2021508984A 2019-03-27 2020-03-10 鞍乗り型車両のクラッチ制御装置およびクラッチ制御方法 Active JP7059442B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019059878 2019-03-27
JP2019059878 2019-03-27
PCT/JP2020/010260 WO2020195785A1 (ja) 2019-03-27 2020-03-10 鞍乗り型車両のクラッチ制御装置およびクラッチ制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2020195785A1 true JPWO2020195785A1 (ja) 2021-12-02
JP7059442B2 JP7059442B2 (ja) 2022-04-25

Family

ID=72608660

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021508984A Active JP7059442B2 (ja) 2019-03-27 2020-03-10 鞍乗り型車両のクラッチ制御装置およびクラッチ制御方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7059442B2 (ja)
WO (1) WO2020195785A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200454748Y1 (ko) * 2010-05-24 2011-07-25 주식회사 태성기연 다중 롤러를 이용한 디버터 컨베이어

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56148934U (ja) * 1980-04-09 1981-11-09
JP2001032864A (ja) * 1999-07-23 2001-02-06 Nabco Ltd 車両のオートクラッチ制御システム
JP2002227993A (ja) * 2001-02-05 2002-08-14 Nippon Soken Inc 自動変速機のシフトレンジ切換え制御装置
US6557687B1 (en) * 1999-07-20 2003-05-06 Power Transmission Technology, Inc. Clutch assembly and diagnostic system
JP2004125028A (ja) * 2002-10-01 2004-04-22 Hitachi Ltd 自動変速機用電子制御装置の冷却方法およびシステム
JP2005351310A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Mitsubishi Motors Corp 自動変速機の制御装置
JP2014070683A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Honda Motor Co Ltd ツインクラッチ制御装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5548460A (en) * 1978-10-04 1980-04-07 Takaoka Kogyo Kk Cooling method for product of continuous casting

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56148934U (ja) * 1980-04-09 1981-11-09
US6557687B1 (en) * 1999-07-20 2003-05-06 Power Transmission Technology, Inc. Clutch assembly and diagnostic system
JP2001032864A (ja) * 1999-07-23 2001-02-06 Nabco Ltd 車両のオートクラッチ制御システム
JP2002227993A (ja) * 2001-02-05 2002-08-14 Nippon Soken Inc 自動変速機のシフトレンジ切換え制御装置
JP2004125028A (ja) * 2002-10-01 2004-04-22 Hitachi Ltd 自動変速機用電子制御装置の冷却方法およびシステム
JP2005351310A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Mitsubishi Motors Corp 自動変速機の制御装置
JP2014070683A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Honda Motor Co Ltd ツインクラッチ制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7059442B2 (ja) 2022-04-25
WO2020195785A1 (ja) 2020-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6232915B2 (ja) ハイブリッド二輪車
JP6756043B2 (ja) 車両用変速システム
JP7064874B2 (ja) クラッチ制御装置およびクラッチ制御システム
JP7059442B2 (ja) 鞍乗り型車両のクラッチ制御装置およびクラッチ制御方法
JP6845948B2 (ja) 変速装置
WO2020213333A1 (ja) クラッチ制御装置
EP3508747A1 (en) Clutch control apparatus
JPWO2020003974A1 (ja) 鞍乗り型車両のクラッチ制御装置
JP7073579B2 (ja) 鞍乗り型車両のクラッチ制御装置およびクラッチ制御方法
JP6726810B2 (ja) クラッチ制御装置
JP6722831B2 (ja) クラッチ制御装置
WO2020196045A1 (ja) 鞍乗り型車両のクラッチ制御装置
WO2020195779A1 (ja) 鞍乗り型車両のクラッチ制御装置
JP6826522B2 (ja) クラッチ制御装置
WO2020184552A1 (ja) 変速装置および変速装置の制御方法
JPWO2020026591A1 (ja) クラッチ制御装置
WO2020189426A1 (ja) クラッチ制御装置
JP7003288B2 (ja) クラッチ制御装置
JP6982699B2 (ja) 鞍乗り型車両の変速装置
JP7432061B2 (ja) クラッチ制御装置
JP6953633B2 (ja) クラッチ制御装置
WO2020195895A1 (ja) クラッチ制御装置
WO2020170509A1 (ja) 油圧アクチュエータ構造および鞍乗り型車両
WO2019003978A1 (ja) 車両用変速システム

Legal Events

Date Code Title Description
A524 Written submission of copy of amendment under article 19 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A527

Effective date: 20210726

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220413

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7059442

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150