JP5273649B2 - ゴルフシャフト、ゴルフクラブおよびゴルフシャフトの製造方法 - Google Patents

ゴルフシャフト、ゴルフクラブおよびゴルフシャフトの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属製ゴルフシャフトおよびゴルフクラブに関する。
金属製ゴルフシャフトの意匠性を高めるために、シャフトの表面に塗装を行う技術が知られている(例えば特許文献1を参照)。
特開2002−362099号公報
一般に、金属製ゴルフシャフトに直接塗装を行うと、塗装強度は確保できるが、塗装が剥がれた場合に、そこから錆が発生する。この錆の発生は、その部分からさらに腐食が進んだ場合に、シャフトの破損につながるので、好ましくない。
この腐食の発生を防止する技術としては、耐腐食層として機能するメッキ層を形成し、その上に塗装を行う方法が考えられる。メッキ層としては、ニッケル層を形成し、しかる後にクロム層を形成したものが有効である。ここで、ニッケル層は、下地の金属シャフト表面との密着性を高め、また水分の下地への到達を妨げるシール性を発揮する。またクロム層は、表面を保護する硬質層として機能し、また金属光沢感を示す層として機能する。
この構造によれば、例えば塗装が剥がれてもメッキ層の働きにより、錆の発生を防止することができ、また傷が付きにくい表面を得ることができ、さらに金属光沢を得ることができる。しかしながら、メッキ層の形成後に塗装を行った場合、塗装強度が弱く、塗装が剥がれやすいという問題がある。
塗装強度を向上させる方法として、メッキ層の形成後にメッキ層の表面に対して研磨を行って表面を荒らし、塗装の食い付きを良くする方法がある。この場合、塗装強度は研磨なしの場合に比較して向上するが、ゴルフシャフトに求められる塗装強度としては不十分である。
このような背景において、本発明は、金属製ゴルフシャフトの表面に、ニッケル層+クロム層を形成し、その上に塗装を行う構成において、高い塗装強度を確保することができる技術を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、金属材料により構成される基材と、前記基材上に形成されたニッケルメッキ層と、前記ニッケルメッキ層上に形成され、ショットピーニング処理により無数の凹みが形成され、表面粗さがRa=0.1〜0.3μm、厚さが0.2〜1μmであるクロムメッキ層と、前記クロムメッキ層の上に形成された塗装層とを備えることを特徴とするゴルフシャフトである。
請求項1に記載の発明によれば、塗装により色づけがされていない部分は、メッキ層による均一で曇りやくすみのない金属光沢感が得られる。また、塗装層の密着性が高いゴルフシャフトを得ることができる。また仮に塗装が剥がれても、その下地が皮膜強度の高いクロムメッキ層であり、さらにその下地のニッケルメッキ層の耐腐食層としての機能があるので、錆の発生が防止される。
請求項1に記載の発明において、表面粗さがRa=0.1μmを下回ると、光沢感にムラが発生し、また塗装強度が低下する。表面粗さがRa=0.3μmを上回ると、光沢感にムラが発生する。クロムメッキ層の厚さが0.2μmを下回ると、メッキ層としての皮膜強度がたりなくなり、傷が着き易くなる。クロムメッキ層の厚さが1μmを上回ると、クロムメッキ層にクラックが入り易くなり、クロムメッキ層が剥がれ易くなる。
また、塗装の食い付きを良くするための粗面として、ショットピーニング処理により形成された無数の凹みを採用することで、塗装強度を充分満たす塗装皮膜を得ることができる。
ここで重要なのは、削り取って、あるいは傷を付けて細かい凹凸を形成するのではなく、ショットピーニングにより表面に無数の凹みを形成し、凹凸を形成する点である。削り取って、あるいは傷を付けて細かい凹凸を形成する方法(つまり研磨による方法)では、塗装強度が大幅に低下し、実用に耐えないことが判明している。
これに対して、クロムメッキ層にショットピーニングにより多数の凹みを形成し、凹凸を形成した場合、上述した塗装強度の低下が抑えられる。また、ショットピーニングにより多数の凹みを形成し、凹凸を形成した場合、凹凸が形成されるのと同時にクロムメッキ層の表面に硬化層が形成されるので、傷が付き難いゴルフシャフトを得る上でも有用となる。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載されたゴルフシャフトを備えたゴルフクラブであることを特徴とする。請求項に記載の発明によれば、請求項1に記載された発明の優位性を備えたゴルフクラブが提供される。
請求項に記載の発明は、金属材料により構成される基材上にニッケルメッキ層を形成する工程と、前記ニッケルメッキ層上に厚さが0.2〜1μmのクロムメッキ層を形成する工程と、前記クロムメッキ層に対してショットピーニングを行い無数の凹みが形成され、表面粗さがRa=0.1〜0.3μmの面を形成する工程と、前記無数の凹みが形成されたクロムメッキ層の上に塗装を行う工程とを備えることを特徴とするゴルフシャフトの製造方法である。
請求項に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の優位性を備えたゴルフシャフトを製造することができる。
本発明によれば、金属製ゴルフシャフトの表面に、ニッケル層とクロム層を形成し、その上に塗装を行う構成において、高い塗装強度を確保することができる。
(ゴルフクラブの構成)
図1は、本発明を利用したゴルフクラブの一例を示す正面図である。図1には、ゴルフクラブの一例としてアイアン10が示されている。アイアン10は、ゴルフシャフト11、握り部となるグリップ12、およびゴルフボールを打つ部分となるヘッド13を備えている。ここで、ゴルフシャフト11は、本発明を利用したものである。ここでは、ゴルフクラブとしてアイアンの例を示したが、ウッド、ハイブリッド、ユーティリティ、パターであってもよい。
(ゴルフシャフトの構成)
本発明を利用したゴルフシャフトの一例を図2(A)に示す。図2(A)には、ゴルフシャフト201が示されている。ゴルフシャフト201は、スチール製のパイプ構造であり、外径が8.5mm〜16mm程度、肉厚が0.2mm〜0.7mm程度、長さは、利用されるゴルフクラブに必要な長さを有している。ここでは、まっすぐな直管形状の例を示すが、外径や肉厚が長さ方向で変化した構造であってもよい。
(塗装工程)
図2は、本発明を利用したゴルフシャフトの塗装工程の一例を示す概念図である。まず、図2(A)に示すようにゴルフクラブ用の金属製シャフト201を得る。この金属製シャフト201の製造方法は、従来技術と同じである。
金属製シャフト201を得たら、その表面にメッキ処理を行う(図2(B))。ここでは、まず金属製シャフト201の表面を洗浄し乾燥させる。次ぎに通常の電解メッキ法により、半光沢ニッケル層を7μmの厚さに形成し、次いで光沢ニッケル層を7μmの厚さに形成する。
図3は、メッキ処理工程を概念的に示す工程概念図である。図3(A)には、メッキ処理前の金属シャフト201の表面201aが示されている。図3(B)には、電解メッキ法により、金属シャフト201の表面201aの上に、7μm厚の半光沢ニッケルメッキ層202が形成され、さらにその上に7μm厚の光沢ニッケルメッキ層203が形成された状態が示されている。
ここで、半光沢ニッケルメッキ層というのは、硫黄分を含ませていないニッケルのメッキ層のことをいう。また、光沢ニッケルメッキ層というのは、硫黄分を0.05重量%程度含ませたニッケルのメッキ層のことをいう。
半光沢ニッケルメッキ層と光沢ニッケルメッキ層とを積層することで、腐食防止層としてのシール性、下地(金属シャフト表面)との密着性、光沢ニッケルメッキ層上に形成されるクロムメッキ層との密着性がバランス良く確保される。
図3(B)において、光沢ニッケルメッキ層203を形成したら、その上にクロムメッキ層204を0.2〜1μmの厚さに電解メッキ法により形成する。クロムメッキ層204の厚さは、0.2〜1μmとする。クロムメッキ層204がこの厚さよりも薄いと、下層のニッケルメッキ層を保護する被膜としての機能が低下し、傷が付きやすいゴルフシャフトとなる。また、クロムメッキ層204がこの厚さよりも厚と、クラックが生じ易く、また下層のニッケル層から剥離し易くなる。
図2に戻り、図2(B)に示すメッキ処理を行ったら、形成されたメッキ層の上から金属シャフト201に対してショットピーニング処理を行う。この例では、金属シャフト201を回転させつつ、ノズル211から鋼鉄粒子を金属シャフト201に空気圧により吹き付け、鋼鉄粒子をメッキ層が形成された金属シャフト201に衝突させる処理を行う。また、ノズル211を金属シャフト201の軸方向に動かしながら、ショットピーニングを行うことで、金属シャフト201の表面全体に対してショットピーニングを行う。なお、符号212は、鋼鉄粒子をノズル211に圧送するための配管である。
ここでは、以下の条件でショットピーニング処理を行う。ショット投射圧:2.0kg/cm、ワーク回転:1610rpm、ワーク送りスピード:30mm/sec。
ショットピーニングの投射材は、スチールビーズ、グラスビーズ、ジルコニアビーズ等が利用することができる。この例では、スチールビーズを用いてショットピーニングを行った。
以下、図2(C)に示すショットピーニングの作用を説明する。図3(C)には、図2(C)のショットピーニングが行われる前の状態における光沢ニッケルメッキ層203と、その上に形成されたクロムメッキ層204の断面の状態が示されている。
図3(C)に示す状態において、図2(C)に示すショットピーニングが行われると、図3(D)に示すように、クロム層204が衝突した剛球の作用により局所的に無数に凹み、細かな凹凸が形成される。この凹凸の表面粗さRaが0.1〜0.3μmとなるように、上記ショットピーニング時における条件が調整される。
図2に戻り、図2(C)に示すショットピーニング処理の終了後に塗料による塗装を行い所望のデザインを施す(図2(D))。塗装は、最初に下地層としてコート層を10μm程度の厚さに形成し、その上に所望のデザインを構成するための塗料又はクリヤーの層を10μm程度の厚さに形成することで行われる。
塗料は、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ポリエステル系のものを利用すればよい。塗装方法は、シゴキ塗装や吹き付け塗装、あるいはこれら塗装法を組み合わせた方法で行えばよい。この例では、塗料としてウレタン樹脂系のものを用い、塗装法はシゴキ塗装で行った。
塗装を行ったら、塗料を乾燥させ、その後「硬化」を行う。硬化は、空気雰囲気中において、金属シャフト201を100℃に加熱し、その状態を60分維持した後に、室温で自然冷却させることで行う。こうして、例えば図1の、ゴルフクラブ10に用いられるゴルフシャフト11が完成する。
(評価)
図4は、ショットピーニングの投射圧(Kg/cm)と表面粗さRa(μm)との関係を示すグラフ(A)と表(B)である。図4から明らかなように、投射圧とRaとの間には相関関係がある。また、Ra、ムラおよび塗装強度との間にも相関関係がある。ここで、ムラというのは、見た目の色ムラであり、意図して模様を付けたのでないにも係わらず、色ムラや模様が観察される状態のこといい、このような状態が観察されれば「NG」、観察されなければ「OK」と判定している。塗装強度は、(JIS K 5600−5−4)に準ずる方法で行われる試験を25サンプル箇所に対して行い、その際に塗装の剥がれが観察されなければ「OK」、塗装の剥がれが観察されれば「NG」と判定している。また、ムラの観察と塗装強度の試験は、ベーキング工程が終了した後に行っている。
図4から読み取れるように、ムラが発生せず、且つ、塗装強度が確保できるのは、おおよそRaが0.1μm〜0.3μmの範囲である。つまり、メッキによる金属の光沢感が損なわれずに、且つ、塗装された部分の塗装強度を確保するには、ショットピーニングによる表面粗さRaを0.1μm〜0.3μmの範囲とすることが有効であることが分かる。
なお、同様な層構造において、ショットピーニングではなく、研磨により、クロム層204の表面粗さを0.1〜0.3μmの厚さとした場合は、塗装強度が「NG」となる。これは、ショットピーニング処理によるクロム層204の表面に凹凸がある状態と、研磨によりクロム層204の表面に凹凸がある状態とでは、塗装の層を密着させる作用効果に違いがあるためと推測される。
(EDXによる評価)
ショットピーニングによる粗面化と、従来の技術である研磨による粗面化の効果の違いを明らかにするために、塗装前の段階でのEDX分析を行った結果について説明する。なお、EDX(Energy Dispersive X-ray)は、エネルギー分散型蛍光X線分析装置の略である。図5(A)は、図2(C)に示すショットピーニングの処理を行った後の段階(塗装の前の段階)において、金属製シャフト201の表面をEDX分析によって観察した結果を示すグラフである。なお、図5(B)は、ショットピーニングを行わなかった部分の表面をEDX分析によって観察した結果を示すグラフである。
図6は、金属製シャフト201の表面をショットピーニングではなく、従来の研磨により粗面化した場合における塗装前のEDX分析の結果である。図6において(A)と(B)は、研磨した部分の分析結果の極端に異なる部分のデータである。なお、図5および図6において、縦軸はカウント数の相対値であり、横軸は、検出したX線の波長の違いを示す変数である。
まず、ショットピーニングを行ったサンプルは、見た目の色調の変化が認められず、一様な状態が観察された。また、ショットピーニングを行った部分でのEDX分析の結果のバラツキが小さく、各部分でほぼ同様な結果を得ることができた。また、図5(A)と(B)とを比較すると分かるように、ショットピーニングを行うことで、クロムのピークが20%程低下し、ニッケルのピークが50%程増加した結果が得られた。これは、ショットピーニングを行うことで、最表面のクロムメッキ層を均一に残存させつつ、下地のニッケルメッキ層の影響が強まった結果であると考えられる。
一方において、研磨を行ったサンプルは、研磨部分の色調にバラツキがあり、見た目にも均一性が損なわれている状態が観察された。このことは、EDX分析の結果にも表れており、研磨がされた部分であっても、図6(A)および(B)に示されるように、極端な組成の違いが検出される部分があった。すなわち、図6(A)に示す部分は、クロムメッキ層が残存している部分であるが、図6(B)に示す部分は、クロムメッキ層がほぼ完全に剥がれ落ちている(あるいは削り取られている)ことを示している。顕微鏡による観察でも、局所的にクロムメッキ層が剥がれている部分が観察された。
図5(A)と図6(A)には、ショットピーニングと研磨の効果の違いが端的に表れている。すなわち、上述したように、図5(A)に示すショットピーニングでは、クロムのピークを強く示しながら、下地のニッケルのピークも観察される。これに対して、図6(A)に示す研磨では、ショットピーニングの場合に比べてクロムのピークは低く、またニッケルのピークも低い。
以上述べた観察の結果より、ショットピーニング処理を行った場合に高い塗装強度が得られる要因は、以下のように考えられる。まず、ショットピーニング処理では、図5(A)に示すように、最表面のクロムメッキ層において、クロムの存在を損なわずにニッケルの影響が高められている。これは、ショットピーニング処理によりクロムメッキ層に無数の凹みが形成されることで、粗面化が行われるので、クロム材料の欠落が少なく、他方でクロムメッキ層が叩かれた部分が薄肉化することで、下地のニッケルメッキ層の影響が大きくなるからであると考えられる。
ニッケルメッキ層は、クロムメッキ層に比較して、塗装層との馴染みが良いので、上述するようにニッケルの影響が大きくなることで、塗装層の密着性を高くすることができる。これに対して、図6(A)に示す研磨を行った場合は、クロムメッキ層が残存している部分におけるニッケルメッキ層の影響が、ショットピーニングを行った場合に比較して相対的に低いので、下地のニッケルメッキ層の影響を利用した塗装層の密着性を高める効果は低いものとなる。また、研磨の場合は、クロムメッキ層が、均一に存在しておらず、局所的に剥離している状態が観察されるが、このクロムメッキ層が剥離している部分と剥離していない部分との境界付近は、ニッケルメッキ層とクロムメッキ層との密着性が悪いと考えられる。このため、密着性の悪い部分でクロムメッキ層の剥がれの進行や微少な変形が発生し、これにより塗装膜が局所的に剥離し、塗装強度が極端に低下すると考えられる。
すなわち、ショットピーニングでは、クロムメッキ層を局所的に剥がすのではなく、剛球で叩いて無数の凹凸を形成することで粗面化を行うので、クロムメッキ層を均一に残しつつ、塗装の食い付きに好影響を与えることができる下地のニッケル層の影響を出すことができ、高い塗装強度を得ることができると考えられる。さらにショットピーニングでは、均一性よくクロムメッキ層を存在させることができるので、ベーク時における塗装層の局所的な剥離を防止でき、塗装強度の低下を抑えることができると考えられる。
本発明は、ゴルフシャフトおよびこのゴルフシャフトを利用したゴルフクラブに利用することができる。
ゴルフクラブの一例を示す正面図である。 塗装工程を説明する概念図である。 メッキおよびショットピーニングの工程を説明する概念図である。 ショットピーニングの投射圧(Kg/cm)と表面粗さRa(μm)との関係を示すグラフ(A)と表(B)である。 EDX分析の結果を示すグラフである。 EDX分析の結果を示すグラフである。
符号の説明
10…アイアン、11…ゴルフシャフト、12…グリップ、13…ヘッド、201…金属製シャフト、201a…金属製シャフトの表面、202…半光沢ニッケルメッキ層、203…光沢ニッケルメッキ層、204…クロムメッキ層、211…ショットピーニングを行うためのノズル、212…配管。

Claims (3)

  1. 金属材料により構成される基材と、
    前記基材上に形成されたニッケルメッキ層と、
    前記ニッケルメッキ層上に形成され、ショットピーニング処理により無数の凹みが形成され、表面粗さがRa=0.1〜0.3μm、厚さが0.2〜1μmであるクロムメッキ層と、
    前記クロムメッキ層の上に形成された塗装層と
    を備えることを特徴とするゴルフシャフト。
  2. 請求項1に記載されたゴルフシャフトを備えたゴルフクラブ。
  3. 金属材料により構成される基材上にニッケルメッキ層を形成する工程と、
    前記ニッケルメッキ層上に厚さが0.2〜1μmのクロムメッキ層を形成する工程と、
    前記クロムメッキ層に対してショットピーニングを行い無数の凹みが形成され、表面粗さがRa=0.1〜0.3μmの面を形成する工程と、
    前記無数の凹みが形成されたクロムメッキ層の上に塗装を行う工程と
    を備えることを特徴とするゴルフシャフトの製造方法。
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