JP5273595B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
本発明は、燃料電池に水素を含む燃料ガスと酸化ガスとを供給して発電させる燃料電池システムに関する。
水素と酸素との電気化学反応を利用して発電する燃料電池としては、例えば、固体高分子型燃料電池がある。この固体高分子型燃料電池は、複数のセルを積層して構成されたスタックを備えている。スタックを構成するセルは、アノード(燃料極)とカソード(空気極)とを備えており、これらのアノードとカソードとの間には、イオン交換基としてスルフォンサン基を有する固体高分子電解質膜が介在している。
アノードには燃料ガス(水素ガスまたは炭化水素を改質して水素リッチにした改質水素)が供給され、カソードには酸化剤として酸素を含む酸化ガス(一例として空気)が供給される。アノードに燃料ガスが供給されることで、燃料ガスに含まれる水素がアノードを構成する触媒層の触媒と反応し、これによって水素イオンが発生する。発生した水素イオンは固体高分子電解質膜を通過して、カソードで酸素と電気反応を起こす。この電気化学反応によって発電が行われる構成となっている。
このような燃料電池システムの一例として、下記特許文献1に記載のものが提案されている。下記特許文献1に記載の燃料電池システムは、原料ガス及び原料供給動力の無駄をなくしながら、燃料電池本体のセル電圧のバラツキを抑制するものである。具体的には、燃料電池本体を構成する発電セルの電圧にバラツキが生じた際に、その原因が燃料電池本体内部での原料ガス分布によるものであるかセル劣化によるものであるかを判断し、判断結果に応じて原料ガスストイキ比を設定するものである。
また、このような燃料電池システムの一例として、下記特許文献2に記載のものが提案されている。下記特許文献2に記載の燃料電池システムは、回復可能な燃料電池の電流電圧特性低下では、使用者に点検、交換を促すことなく、回復不能な燃料電池の電流電圧特性低下量が所定値に達したときに、使用者に点検、交換を促すことができるものであって、燃料電池本体の電流電圧特性を推定して、燃料電池本体の劣化判定を行っている。具体的には、予め記憶した電流電圧特性の初期値V1から、現在の電圧値V3までの電流電圧特性低下量を第1の低下量とし、運転を停止して回復可能な電流電圧特性の低下量を第2の低下量とする。第1の低下量から第2の低下量を減じた第3の低下量は、回復不能な低下量であって、第3の低下量が所定値に達したときに、使用者に燃料電池本体の点検、交換を促すものである。
また、このような燃料電池システムの一例として、下記特許文献3に記載のものが提案されている。下記特許文献3に記載の燃料電池システムは、出力制限のハンチングを起こすことなく安定的に出力を取り出せるものである。具体的には、燃料電池の出力電圧が燃料電池が安定して発電することができる電圧下限閾値を下回った場合に燃料電池から取り出す電流を制限し、出力電圧が上昇して電圧下限閾値以上となった時に燃料電池から取り出す電流の制限を解除し、電流の制限を解除する時の電流の増加量上限を演算するものである。
ところで、燃料電池に水素を含む燃料ガスと酸化ガスとを供給して発電させる燃料電池システムでは、燃料電池の電流と電圧との関係が変動するものであるため、その電流と電圧との関係を的確に推定して把握する必要がある。その電流と電圧との関係を推定すること(IV推定)の一つの手法として、予め定められたIV推定マップから実測値を追従する学習方式のIV推定手法がある。この手法では、燃料電池システムの運転制御がその追従に追いつかずに電力分配不良やバッテリの過充電といったことが発生するおそれがある。そのような問題を回避するために追従間隔を短くすることが考えられるが、電力分配が波打ってしまいサージが発生してしまうおそれがある。一方、電力分配が波打ってしまう部分を燃料電池のコンデンサ成分に吸収させる手法も考えられるが、燃料電池のPt触媒の劣化が懸念される。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料電池のIV推定を原理原則に基づいて的確に実行することができる燃料電池システムを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池に水素を含む燃料ガスと酸化ガスとを供給して発電させる燃料電池システムであって、前記燃料電池の運転状態を取得する運転状態取得手段と、前記燃料電池における電流と電圧との関係を示すIV特性を推定する特性推定手段とを備え、前記特性推定手段は、前記燃料電池の抵抗過電圧、活性化過電圧、電流・電圧ヒステリシス、及び濃度過電圧の少なくとも一つを、前記運転状態取得手段が取得する運転状態より求め、その求めた結果に基づいて前記IV特性を推定することを特徴とする。
本発明によれば、運転状態取得手段が燃料電池の運転状態を取得し、その取得した運転状態に基づいて特性推定手段が、燃料電池の抵抗過電圧、活性化過電圧、電流・電圧ヒステリシス、及び濃度過電圧の少なくとも一つを求めるので、燃料電池の抵抗過電圧、活性化過電圧、電流・電圧ヒステリシス、及び濃度過電圧の少なくとも一つを燃料電池の運転状態に基づいて的確に把握することができる。また、特性推定手段は、燃料電池の抵抗過電圧、活性化過電圧、電流・電圧ヒステリシス、及び濃度過電圧の少なくとも一つに基づいてIV特性を推定するので、例えばバトラー・フォルマーの式といった原理原則に基づいた燃料電池のIV推定を実行することができる。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記運転状態取得手段は、前記燃料電池の安定状態におけるインピーダンスを計測し、前記特性推定手段は、そのインピーダンス計測値に基づいて前記抵抗過電圧を求め、その求めた抵抗過電圧に基づいて前記IV特性を推定することも好ましい。この好ましい態様では、燃料電池の安定状態におけるインピーダンスを計測して抵抗過電圧を求めるので、燃料電池の内部状態に基づいた的確な抵抗過電圧を求めることができる。また、そのように求めた抵抗過電圧に基づいてIV特性を推定するので、原理原則に基づき燃料電池の内部状態を的確に反映したIV推定が可能となる。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記燃料電池の劣化を検知する劣化検知手段と、前記燃料電池システムの運転制御を実行する制御手段とを備え、前記劣化検知手段は、前記運転状態取得手段が計測した前記燃料電池のインピーダンスに基づいて前記燃料電池を構成する単セルの膜痩せの有無を把握し、前記制御手段は、膜痩せが発生している場合にはフラッディング防止制御及び警告報知制御を実行することも好ましい。この好ましい態様では、燃料電池のインピーダンスに基づいて燃料電池の膜抵抗を求めることができ、その膜抵抗と膜のプロトン伝導度とから膜厚を把握することができる。従って、燃料電池を構成する単セルの膜痩せの有無を把握することができ、膜痩せに対応するフラッディング防止制御及び警告報知制御を実行することができる。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記運転状態取得手段は、前記燃料電池の出力電流、交換電流密度、及び温度を計測し、前記特性推定手段は、その出力電流、交換電流密度、及び温度に基づいて前記活性化過電圧を求め、その求めた活性化過電圧に基づいて前記IV特性を推定することも好ましい。この好ましい態様では、出力電流、交換電流密度、及び温度に基づいて活性化過電圧を求めるので、燃料電池の内部状態に基づいた的確な活性化過電圧を求めることができる。また、そのように求めた活性化過電圧に基づいてIV特性を推定するので、原理原則に基づき燃料電池の内部状態を的確に反映したIV推定が可能となる。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記燃料電池の劣化を検知する劣化検知手段と、前記燃料電池システムの運転制御を実行する制御手段とを備え、前記劣化検知手段は、前記燃料電池に用いられるPt触媒の有効表面積を推定し、前記制御手段は、推定したPt触媒の有効表面積に基づいて、Pt触媒の劣化抑制運転を実行することも好ましい。運転状態取得手段が求めた活性化過電圧と実測された出力電圧とによって、交換電流密度の変動を把握することができ、この好ましい態様では、その交換電流密度の変動がPt触媒の有効表面積の変動に依存しているものとして、Pt触媒の有効表面積を推定している。そのように推定したPt触媒の有効表面積に基づいてPt触媒の劣化抑制運転を実行するので、燃料電池の内部状態を的確に反映した劣化抑制制御が可能となる。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記運転状態取得手段は、前記燃料電池に用いられるPt触媒の酸化・還元反応速度と前記燃料電池の出力電圧及び温度との関係を取得し、前記特性推定手段は、その取得したPt触媒の酸化・還元反応速度と前記燃料電池の出力電圧及び温度との関係に基づいて、前記電流・電圧ヒステリシスを求め、その求めた電流・電圧ヒステリシスに基づいて前記IV特性を推定することも好ましい。この好ましい態様では、Pt触媒の酸化皮膜が電流・電圧ヒステリシスに影響を与えているということに基づいて、Pt触媒の酸化・還元反応速度と前記燃料電池の出力電圧及び温度との関係からPt触媒におけるPt/PtOを算出して電流・電圧ヒステリシスを求めている。そのように求めた電流・電圧ヒステリシスに基づいてIV特性を推定するので、原理原則に基づき燃料電池の内部状態を的確に反映したIV推定が可能となる。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記特性推定手段は、前記運転状態取得手段が取得したPt触媒の酸化・還元反応速度と前記燃料電池の出力電圧及び温度との関係に基づいて、Pt触媒の溶出度を推定し、前記制御手段は、推定したPt触媒の溶出度に基づいて、Pt触媒の劣化抑制運転を実行することも好ましい。この好ましい態様では、Pt触媒の酸化・還元反応速度と燃料電池の出力電圧及び温度との関係に基づいて、Pt触媒の溶出度を推定しているので、的確に把握したPt触媒の劣化度合いに基づいてPt触媒の劣化抑制運転を実行することが可能となり、燃料電池の内部状態を的確に反映した劣化抑制制御が可能となる。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記運転状態取得手段は、前記燃料電池の温度、ストイキ比、及び残水量を取得し、前記特性推定手段は、その取得した前記燃料電池の温度、ストイキ比、及び残水量に基づいて、前記濃度過電圧を求め、その求めた濃度過電圧に基づいて前記IV特性を推定することも好ましい。この好ましい態様では、燃料電池の温度、ストイキ比、及び残水量に基づいて濃度過電圧を求めるので、燃料電池の内部状態に基づいた的確な濃度過電圧を求めることができる。また、そのように求めた濃度過電圧に基づいてIV特性を推定するので、原理原則に基づき燃料電池の内部状態を的確に反映したIV推定が可能となる。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記運転状態取得手段は、前記燃料電池の出力電流から残水量を推定し、前記特性推定手段は、その取得した残水量に基づいて前記濃度過電圧を求め、その求めた濃度過電圧に基づいて前記IV特性を推定することも好ましい。この好ましい態様では、出力電流から残水量を推定し、更にその推定した残水量に基づいて濃度過電圧を求めてIV特性を推定しているので、燃料電池の内部状態を的確に反映したIV推定が可能となる。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記燃料電池の劣化を検知する劣化検知手段と、前記燃料電池システムの運転制御を実行する制御手段とを備え、前記劣化検知手段は、前記燃料電池に用いられるPt触媒のカーボン酸化度合を推定し、前記制御手段は、推定したPt触媒のカーボン酸化度合に基づいて、警告制御を実行することも好ましい。この好ましい態様では、濃度過電圧によるIV特性の減少度合いからPt触媒のカーボン酸化度合いを推定しているので、燃料電池の内部状態を的確に反映した推定が可能となり、的確な警告制御を実行することができる。
本発明によれば、燃料電池のIV推定を原理原則に基づいて的確に実行することができる燃料電池システムを提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
最初に、本発明の実施形態である燃料電池車両に搭載される燃料電池システムFCSについて図1を参照しながら説明する。図1は燃料電池車両の車載電源システムとして機能する燃料電池システムFCSのシステム構成を示す図である。燃料電池システムFCSは、燃料電池自動車(FCHV)、電気自動車、ハイブリッド自動車などの車両に搭載することができる。
燃料電池システムFCSは、燃料電池FCと、酸化ガス供給系ASSと、燃料ガス供給系FSSと、電力系ESと、冷却系CSと、コントローラECとを備えている。燃料電池FCは、反応ガス(燃料ガス、酸化ガス)の供給を受けて発電するものである。酸化ガス供給系ASSは、酸化ガスとしての空気を燃料電池FCに供給するための系である。燃料ガス供給系FSSは、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池FCに供給するための系である。電力系ESは、電力の充放電を制御するための系である。冷却系CSは、燃料電池FCを冷却するための系である。コントローラECは、燃料電池システムFCS全体を統括制御するコントローラである。
燃料電池FCは、多数のセル(アノード、カソード、及び電解質を備える単一の電池(発電体))を直列に積層してなる固体高分子電解質形のセルスタックとして構成されている。燃料電池FCには、図に明示しない温度センサが設けられている。燃料電池FCでは、通常の運転において、アノードにおいて(1)式の酸化反応が生じ、カソードにおいて(2)式の還元反応が生じる。燃料電池FC全体としては(3)式の起電反応が生じる。
H2→2H++2e- (1)
(1/2)O2+2H++2e-→H2O (2)
H2+(1/2)O2→H2O (3)
(1/2)O2+2H++2e-→H2O (2)
H2+(1/2)O2→H2O (3)
酸化ガス供給系ASSは、酸化ガス流路AS3と酸化オフガス流路AS4とを有している。酸化ガス流路AS3は、燃料電池FCのカソードに供給される酸化ガスが流れる流路である。酸化オフガス流路AS4は、燃料電池FCから排出される酸化オフガスが流れる流路である。
酸化ガス流路AS3には、エアコンプレッサAS2と、加湿器AS5とが設けられている。エアコンプレッサAS2は、フィルタAS1を介して大気中から酸化ガスを取り込むためのコンプレッサである。加湿器AS5は、エアコンプレッサAS2により加圧される酸化ガスを加湿するための加湿器である。
酸化オフガス流路AS4には、圧力センサS6と、背圧調整弁A3と、加湿器AS5とが設けられている。背圧調整弁A3は、酸化ガス供給圧を調整するための弁である。加湿器AS5は、酸化ガス(ドライガス)と酸化オフガス(ウェットガス)との間で水分交換するためのものとして設けられている。
燃料ガス供給系FSSは、燃料ガス供給源FS1と、燃料ガス流路FS3と、循環流路FS4と、循環ポンプFS5と、排気排水流路FS6とを有している。燃料ガス流路FS3は、燃料ガス供給源FS1から燃料電池FCのアノードに供給される燃料ガスが流れる流路である。循環流路FS4は、燃料電池FCから排出される燃料オフガスを燃料ガス流路FS3に帰還させるための流路である。循環ポンプFS5は、循環流路FS4内の燃料オフガスを燃料ガス流路FS3に圧送するポンプである。排気排水流路FS6は、循環流路FS4に分岐接続される流路である。
燃料ガス供給源FS1は、例えば、高圧水素タンクや水素吸蔵合金などで構成され、高圧(例えば、35MPa〜70MPa)の水素ガスを貯蔵するものである。遮断弁H1を開くと、燃料ガス供給源FS1から燃料ガス流路FS3に燃料ガスが流出する。燃料ガスは、レギュレータH2やインジェクタFS2により、例えば、200kPa程度まで減圧されて、燃料電池FCに供給される。
燃料ガス流路FS3には、遮断弁H1と、レギュレータH2と、インジェクタFS2と、遮断弁H3と、圧力センサS4とが設けられている。遮断弁H1は、燃料ガス供給源FS1からの燃料ガスの供給を遮断又は許容するための弁である。レギュレータH2は、燃料ガスの圧力を調整するものである。インジェクタFS2は、燃料電池FCへの燃料ガス供給量を制御するものである。遮断弁H3は、燃料電池FCへの燃料ガス供給を遮断するための弁である。
レギュレータH2は、その上流側圧力(一次圧)を、予め設定した二次圧に調圧する装置であり、例えば、一次圧を減圧する機械式の減圧弁などで構成される。機械式の減圧弁は、背圧室と調圧室とがダイアフラムを隔てて形成された筺体を有し、背圧室内の背圧により調圧室内で一次圧を所定の圧力に減圧して二次圧とする構成を有する。インジェクタFS2の上流側にレギュレータH2を配置することにより、インジェクタFS2の上流側圧力を効果的に低減させることができる。
インジェクタFS2は、弁体を電磁駆動力で直接的に所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させることによりガス流量やガス圧を調整することが可能な電磁駆動式の開閉弁である。インジェクタFS2は、燃料ガス等の気体燃料を噴射する噴射孔を有する弁座と、その気体燃料を噴射孔まで供給案内するノズルボディと、このノズルボディに対して軸線方向(気体流れ方向)に移動可能に格納保持され噴射孔を開閉する弁体とを備えている。
インジェクタFS2の弁体は電磁駆動装置であるソレノイドにより駆動され、コントローラECから出力される制御信号によってインジェクタFS2のガス噴射時間及びガス噴射時期を制御することが可能なように構成されている。インジェクタFS2は、その下流に要求されるガス流量を供給するために、インジェクタFS2のガス流路に設けられた弁体の開口面積(開度)及び開放時間の少なくとも一方を変更することにより、下流側に供給されるガス流量(又は水素モル濃度)を調整する。
循環流路FS4には、遮断弁H4が設けられ、排気排水流路FS6が接続されている。排気排水流路FS6には、排気排水弁H5が設けられている。排気排水弁H5は、コントローラECからの指令によって作動することにより、循環流路FS4内の不純物を含む燃料オフガスと水分とを外部に排出するための弁である。排気排水弁H5の開弁により、循環流路FS4内の燃料オフガス中の不純物の濃度が下がり、循環系内を循環する燃料オフガス中の水素濃度を上げることができる。
排気排水弁H5を介して排出される燃料オフガスは、酸化オフガス流路AS4を流れる酸化オフガスと混合され、希釈器(図示せず)によって希釈される。循環ポンプFS5は、循環系内の燃料オフガスをモータ駆動により燃料電池FCに循環供給する。
電力系ESは、DC/DCコンバータES1と、バッテリES2と、トラクションインバータES3と、トラクションモータES4と、補機類ES5とを備えている。燃料電池システムFCSは、DC/DCコンバータES1とトラクションインバータES3とが並列に燃料電池FCに接続するパラレルハイブリッドシステムとして構成されている。
DC/DCコンバータES1は、バッテリES2から供給される直流電圧を昇圧してトラクションインバータES3に出力する機能と、燃料電池FCが発電した直流電力、又は回生制動によりトラクションモータES4が回収した回生電力を降圧してバッテリES2に充電する機能とを有する。DC/DCコンバータES1のこれらの機能により、バッテリES2の充放電が制御される。また、DC/DCコンバータES1による電圧変換制御により、燃料電池FCの運転ポイント(出力端子電圧、出力電流)が制御される。燃料電池FCには、電圧センサS1と電流センサS2とが取り付けられている。電圧センサS1は、燃料電池FCの出力端子電圧を検出するためのセンサである。電流センサS2は、燃料電池FCの出力電流を検出するためのセンサである。
バッテリES2は、余剰電力の貯蔵源、回生制動時の回生エネルギー貯蔵源、燃料電池車両の加速又は減速に伴う負荷変動時のエネルギーバッファとして機能する。バッテリES2としては、例えば、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、リチウム二次電池等の二次電池が好適である。バッテリES2には、SOC(State of charge)を検出するためのSOCセンサS3が取り付けられている。
トラクションインバータES3は、例えば、パルス幅変調方式で駆動されるPWMインバータである。トラクションインバータES3は、コントローラECからの制御指令に従って、燃料電池FC又はバッテリES2から出力される直流電圧を三相交流電圧に変換して、トラクションモータES4の回転トルクを制御する。トラクションモータES4は、例えば、三相交流モータであり、燃料電池車両の動力源を構成する。
補機類ES5は、燃料電池システムFCS内の各部に配置されている各モータ(例えば、ポンプ類などの動力源)、これらのモータを駆動するためのインバータ類、及び各種の車載補機類(例えば、エアコンプレッサ、インジェクタ、冷却水循環ポンプ、ラジエータなど)を総称するものである。
冷却系CSは、ラジエータCS1と、冷却液ポンプCS2と、冷却液往路CS3と、冷却液復路CS4とを有している。ラジエータCS1は、燃料電池FCを冷却するための冷却液を放熱して冷却するものである。冷却液ポンプCS2は、冷却液を燃料電池FCとラジエータCS1との間で循環させるためのポンプである。冷却液往路CS3は、ラジエータCS1と燃料電池FCとを繋ぐ流路であって、冷却液ポンプCS2が設けられている。冷却液ポンプCS2が駆動することで、冷却液はラジエータCS1から燃料電池FCへと冷却液往路CS3を通って流れる。冷却液復路CS4は、燃料電池FCとラジエータCS1とを繋ぐ流路であって、水温センサS5が設けられている。冷却液ポンプCS2が駆動することで、燃料電池FCを冷却した冷却液はラジエータCS1へと還流する。
コントローラEC(制御部)は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インタフェースを備えるコンピュータシステムであり、燃料電池システムFCSの各部を制御するものである。例えば、コントローラECは、イグニッションスイッチから出力される起動信号IGを受信すると、燃料電池システムFCSの運転を開始する。その後、コントローラECは、アクセルセンサから出力されるアクセル開度信号ACCや、車速センサから出力される車速信号VCなどを基に、燃料電池システムFCS全体の要求電力を求める。燃料電池システムFCS全体の要求電力は、車両走行電力と補機電力との合計値である。
ここで、補機電力には、車載補機類(加湿器、エアコンプレッサ、水素ポンプ、及び冷却水循環ポンプ等)で消費される電力、車両走行に必要な装置(変速機、車輪制御装置、操舵装置、及び懸架装置等)で消費される電力、乗員空間内に配設される装置(空調装置、照明器具、及びオーディオ等)で消費される電力などが含まれる。
そして、コントローラECは、燃料電池FCとバッテリES2とのそれぞれの出力電力の配分を決定する。コントローラECは、燃料電池FCの発電量が目標電力に一致するように、酸化ガス供給系ASS及び燃料ガス供給系FSSを制御するとともに、DC/DCコンバータES1を制御して、燃料電池FCの運転ポイント(出力端子電圧、出力電流)を制御する。更に、コントローラECは、アクセル開度に応じた目標トルクが得られるように、例えば、スイッチング指令として、U相、V相、及びW相の各交流電圧指令値をトラクションインバータES3に出力し、トラクションモータES4の出力トルク、及び回転数を制御する。更に、コントローラECは、冷却系CSを制御して燃料電池FCが適切な温度になるように制御する。
本実施形態の燃料電池システムFCSは、上述した構成によって、燃料電池FCの運転状態を取得する運転状態取得手段EC1と、燃料電池FCにおける電流と電圧との関係を示すIV特性を推定する特性推定手段EC2と、燃料電池FCの劣化を検知する劣化検知手段EC3と、燃料電池システムFCSの運転制御を実行する制御手段EC4とを備える燃料電池システムとして機能する。従って、コントローラECは、運転状態取得手段EC1、特性推定手段EC2、劣化検知手段EC3、及び制御手段EC4として機能する。
図2は、燃料電池FCSに用いられる燃料電池FCの電流・電圧特性(IV特性)を示す図である。図2に示すように、開回路電圧に相当する定数Uから、抵抗過電圧ηIR、活性化過電圧ηact、濃度過電圧ηconcを引くことで、燃料電池FCの電圧Vが算出される。
V=U−活性化過電圧ηact−濃度過電圧ηconc−抵抗過電圧ηIR (4)
V=U−活性化過電圧ηact−濃度過電圧ηconc−抵抗過電圧ηIR (4)
特性推定手段EC2は、燃料電池FCの抵抗過電圧ηIR、活性化過電圧ηact、電流・電圧ヒステリシスH、及び濃度過電圧ηconcの少なくとも一つを、運転状態取得手段EC1が取得する運転状態より求め、その求めた結果に基づいてIV特性を推定するものである。
最初に抵抗過電圧ηIRによる電流・電圧推定(IV推定)及び制御変更について説明する。運転状態取得手段EC1は、燃料電池FCの安定状態におけるインピーダンスを計測し、特性推定手段EC2は、そのインピーダンス計測値に基づいて抵抗過電圧ηIRを求め、その求めた抵抗過電圧ηIRに基づいてIV特性を推定するものである。換言すれば、図2におけるΔ1の傾きをインピーダンス計測値から求めることで、抵抗過電圧ηIRを求めている。
また、劣化検知手段EC3は、運転状態取得手段が計測した燃料電池FCのインピーダンスに基づいて燃料電池FCを構成する単セルの膜痩せの有無を把握し、制御手段EC4は、膜痩せが発生している場合にはフラッディング防止制御及び警告報知制御を実行するものである。具体的には、膜抵抗Rmem、膜のプロトン伝導度κmem、膜厚Zmemの関係式(5)に基づいて膜厚変化を把握し、膜痩せの有無を把握する。
Rmem=1/κmem ×Zmem (5)
Rmem=1/κmem ×Zmem (5)
尚、燃料電池FCの膜厚が変化すれば水透過量も変化し、残水も変化するので、それらを推定してフラッディング防止制御や警告報知制御を実行することも好ましいものである。フラッディング防止制御としては、ストイキアップや背圧低下を行うことが好ましい。また、膜厚が極端に低下していると推定された場合には、膜に孔が開いており回復不能な不具合であるおそれもあるので、ユーザに燃料電池FCのスタック交換を促す警告を発することも好ましい。
続いて、活性化過電圧ηactによる電流・電圧推定(IV推定)及び制御変更について説明する。運転状態取得手段EC1は、燃料電池FCの出力電流、交換電流密度、及び温度を計測し、特性推定手段EC2は、その出力電流i、交換電流密度io、及び温度Tに基づいて関係式(6)に基づいて活性化過電圧ηactを求め、その求めた活性化過電圧ηactに基づいてIV特性を推定するものである。換言すれば、図2におけるΔ2の傾きを求めるものである。
ηact=RT/2αF ×ln(i/io) (6)
尚、式(6)において、Rは気体定数、Fはファラデー定数、αは電荷移動係数である。電荷移動係数αは、燃料電池FCに用いられる触媒によって決定される係数である。また、出力電流iに燃料ガスクロスリークを考慮した電流icrossを加算してもよい。
ηact=RT/2αF ×ln(i/io) (6)
尚、式(6)において、Rは気体定数、Fはファラデー定数、αは電荷移動係数である。電荷移動係数αは、燃料電池FCに用いられる触媒によって決定される係数である。また、出力電流iに燃料ガスクロスリークを考慮した電流icrossを加算してもよい。
また、劣化検知手段EC3は、燃料電池FCに用いられるPt触媒の有効表面積を推定し、制御手段EC4は、推定したPt触媒の有効表面積に基づいて、Pt触媒の劣化抑制運転を実行するものである。具体的には、実測した出力電圧のズレと式(6)とから交換電流密度ioの変化を推定し、交換電流密度ioはPt触媒の有効表面積に比例するものとしてPt触媒の有効表面積を推定する。Pt触媒の有効表面積が所定面積以下であれば劣化抑制運転を実行するが、劣化抑制運転としては低負荷での活性化過電圧を下げ、酸素分圧を上げるための運転を実行する。具体的には、エアストイキや背圧上昇を行うことが好ましい。また、過度にPt触媒の有効表面積が減少していたり劣化が激しい場合には、ユーザに燃料電池FCのスタック交換を促す警告を発することも好ましい。
尚、活性化過電圧ηactを求めるにあたっては、燃料電池FCが安定した運転領域で運転中において、燃料電池FCの出力電流及び出力電圧の実測値を取得し、その取得した電流及び電圧に基づいて算出することも好ましいものである。具体的には、実測データの各電流における電圧値の最大値を結ぶ上限ラインを直線近似して求めるものである。この場合、IV特性曲線が概略直線とみなせる中負荷領域の実測データを用いることが好ましいものである。Pt触媒の表面積減少は非常にゆっくりと進行するため、このような安定運転領域のデータのみを選別して用いたとしても、十分に実現象には追随できるものである。
続いて、電流・電圧ヒステリシスHによる電流・電圧推定(IV推定)及び制御変更について説明する。運転状態取得手段EC1は、燃料電池FCに用いられるPt触媒の酸化・還元反応速度と燃料電池FCの出力電圧又は温度との関係を取得し、特性推定手段EC2は、その取得したPt触媒の酸化・還元反応速度と燃料電池FCの出力電圧又は温度との関係に基づいて、電流・電圧ヒステリシスHを求め、その求めた電流・電圧ヒステリシスHに基づいてIV特性を推定するものである。
Pt触媒の酸化・還元反応速度と燃料電池FCの出力電圧との関係の一例を図3に示す。図3に示すように、Pt触媒の酸化・還元反応速度を事前評価から求め、出力電圧に対するマップを予め定めておき、積算することでPt/PtO割合を算出することができ、Pt触媒の有効表面積を算出することができる。IV特性のPtOによる降下分である電流・電圧ヒステリシスHは関係式(7)によって求められる。
H=RT/F ×ln(a×iorr×L) (7)
尚、式(7)において、Rは気体定数、Fはファラデー定数、Tは燃料電池FCの温度、aはPt表面積、iorrは酸素還元電流密度、Lはカソード触媒層厚である。酸素還元電流密度iorrは、電流密度ioより求められる。また、この場合において、リフレッシュ運転を実行し、その状態をPtが100パーセント、PtOが0パーセントとして基準にすることも好ましい。
H=RT/F ×ln(a×iorr×L) (7)
尚、式(7)において、Rは気体定数、Fはファラデー定数、Tは燃料電池FCの温度、aはPt表面積、iorrは酸素還元電流密度、Lはカソード触媒層厚である。酸素還元電流密度iorrは、電流密度ioより求められる。また、この場合において、リフレッシュ運転を実行し、その状態をPtが100パーセント、PtOが0パーセントとして基準にすることも好ましい。
また、特性推定手段EC2は、運転状態取得手段EC1が取得したPt触媒の酸化・還元反応速度と燃料電池FCの出力電圧及び温度との関係に基づいて、Pt触媒の溶出度を推定し、制御手段EC4は、推定したPt触媒の溶出度に基づいて、Pt触媒の劣化抑制運転を実行するものである。具体的には、同じ条件化で電流・電圧ヒステリシスHを算出し、その算出した電流・電圧ヒステリシスHに差異があればPt触媒の有効表面積が減少若しくは劣化したものと判断し、Pt触媒の溶出度として推定する。この場合のPt触媒の劣化抑制運転としては、電力分配の過不足を燃料電池のコンデンサ成分に吸収させる制御において、出力電圧の上限値を下げることでPt触媒の劣化を抑制させるものが想定される。
続いて、濃度過電圧ηconcによる電流・電圧推定(IV推定)及び制御変更について説明する。運転状態取得手段EC1は、燃料電池FCの温度、ストイキ比、及び残水量を取得し、特性推定手段EC2は、その取得した燃料電池FCの温度、ストイキ比、及び残水量に基づいて、濃度過電圧ηconcを求め、その求めた濃度過電圧ηconcに基づいてIV特性を推定するものである。より具体的には、図4に示す濃度過電圧ηconcによるIV特性の傾きΔ3と、IV特性の垂れ下がり位置βを、温度とストイキ比と残水量のマップ値で持たせて推定するものである。運転状態取得手段EC1は、燃料電池FCの出力電流を積算し、残水量とのマップに基づいて残水量を推定する。特性推定手段EC2は、その取得した残水量と濃度過電圧ηconcとのマップに基づいて濃度過電圧ηconcの下がり代であるΔ3を決定する。IV特性の垂れ下がり位置βは、温度、ストイキ比、及び残水量とのマップに基づいて決定する。
また、劣化検知手段EC3は、燃料電池FCに用いられるPt触媒のカーボン酸化度合を推定し、制御手段EC4は、推定したPt触媒のカーボン酸化度合に基づいて、警告制御を実行するものである。より具体的には、IV特性の傾きΔ3の増加や、IV特性の垂れ下がり位置βの減少度合いからPt触媒のカーボン酸化度合を推定する。この場合、濃度過電圧ηconcを下げる制御として、ストイキアップや背圧低下といったフラッディング防止制御を行うことが好ましい。また、過度のIV特性の傾きΔ3の増加や、IV特性の垂れ下がり位置βの減少が認められた場合には、ユーザに燃料電池FCのスタック交換を促す警告を発することも好ましい。
FCS:燃料電池システム
FC:燃料電池
ASS:酸化ガス供給系
AS1:フィルタ
AS2:エアコンプレッサ
AS3:酸化ガス流路
AS4:酸化オフガス流路
AS5:加湿器
A3:背圧調整弁
CS:冷却系
CS1:ラジエータ
CS2:冷却液ポンプ
CS3:冷却液往路
CS4:冷却液復路
FSS:燃料ガス供給系
FS1:燃料ガス供給源
FS2:インジェクタ
FS3:燃料ガス流路
FS4:循環流路
FS5:循環ポンプ
FS6:排気排水流路
H1:遮断弁
H2:レギュレータ
H3:遮断弁
H4:遮断弁
H5:排気排水弁
ES:電力系
ES1:DC/DCコンバータ
ES2:バッテリ
ES3:トラクションインバータ
ES4:トラクションモータ
ES5:補機類
EC:コントローラ
S1:電圧センサ
S2:電流センサ
S3:SOCセンサ
S4,S6:圧力センサ
S5:水温センサ
ACC:アクセル開度信号
IG:起動信号
VC:車速信号
FC:燃料電池
ASS:酸化ガス供給系
AS1:フィルタ
AS2:エアコンプレッサ
AS3:酸化ガス流路
AS4:酸化オフガス流路
AS5:加湿器
A3:背圧調整弁
CS:冷却系
CS1:ラジエータ
CS2:冷却液ポンプ
CS3:冷却液往路
CS4:冷却液復路
FSS:燃料ガス供給系
FS1:燃料ガス供給源
FS2:インジェクタ
FS3:燃料ガス流路
FS4:循環流路
FS5:循環ポンプ
FS6:排気排水流路
H1:遮断弁
H2:レギュレータ
H3:遮断弁
H4:遮断弁
H5:排気排水弁
ES:電力系
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ES5:補機類
EC:コントローラ
S1:電圧センサ
S2:電流センサ
S3:SOCセンサ
S4,S6:圧力センサ
S5:水温センサ
ACC:アクセル開度信号
IG:起動信号
VC:車速信号
Claims (2)
- 燃料電池に水素を含む燃料ガスと酸化ガスとを供給して発電させる燃料電池システムであって、
前記燃料電池に用いられるPt触媒の酸化・還元反応速度と前記燃料電池の出力電圧及び温度との関係を事前評価によるマップから取得する運転状態取得手段と、
前記燃料電池における電流と電圧との関係を示すIV特性を推定する特性推定手段とを備え、
前記特性推定手段は、電流・電圧ヒステリシスを、前記運転状態取得手段が取得する前記Pt触媒の酸化・還元反応速度と前記燃料電池の出力電圧及び温度との関係から求める前記Pt触媒の有効表面積に追従するものとして求め、その求めた電流・電圧ヒステリシスを前記IV特性のPt触媒の酸化による降下分として減じることで前記IV特性を推定することを特徴とする燃料電池システム。 - 前記特性推定手段は、前記運転状態取得手段が取得したPt触媒の酸化・還元反応速度と前記燃料電池の出力電圧及び温度との関係に基づいて、Pt触媒の有効表面積の減少度合いを示すPt触媒の溶出度を推定し、
前記制御手段は、推定したPt触媒の溶出度に基づいて、Pt触媒の劣化抑制運転を実行することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
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