JP2006139935A - 燃料電池システムの制御装置 - Google Patents

燃料電池システムの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006139935A
JP2006139935A JP2004326348A JP2004326348A JP2006139935A JP 2006139935 A JP2006139935 A JP 2006139935A JP 2004326348 A JP2004326348 A JP 2004326348A JP 2004326348 A JP2004326348 A JP 2004326348A JP 2006139935 A JP2006139935 A JP 2006139935A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
current
learning
voltage
cell system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004326348A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeaki Obata
武昭 小幡
Yasuhiro Taniguchi
育宏 谷口
Michihiko Matsumoto
充彦 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2004326348A priority Critical patent/JP2006139935A/ja
Publication of JP2006139935A publication Critical patent/JP2006139935A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】 燃料電池の酸化剤極に生じた酸化被膜によって、燃料電池の電流電圧特性が変化した場合でも、燃料電池の劣化の検出を精度良く行うことが可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】 電流センサ18,電圧センサ19は、燃料電池スタック2の電流、電圧をそれぞれ検出する。燃料電池システムの制御装置であるコントローラ13は、燃料電池スタック2の電流、電圧に基づいて、燃料電池の電流電圧特性を学習し、この学習結果に基づいて、燃料電池スタック2の劣化の検出を行う。また、コントローラ13は、燃料電池スタック2の酸化剤極2bの触媒に生じた酸化物被膜によって、燃料電池の電流電圧特性に変化が生じた場合に、学習を停止させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池システムの制御装置に関する。
燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを電解質を介して電気化学的に反応させ、電解質両面に設けた電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。特に固体高分子電解質を用いた固体高分子型燃料電池は、動作温度が低く、取り扱いが容易なことから電動車両用の電源として注目されている。すなわち、燃料電池車両は、高圧水素タンク、液体水素タンク、水素吸蔵合金タンクなどの水素貯蔵装置を車両に搭載し、そこから供給される水素と、酸素を含む空気とを燃料電池に送り込んで反応させ、燃料電池から取り出した電気エネルギで駆動輪につながるモータを駆動するものであり、排出物質は水だけであるという究極のクリーン車両である。
一般に燃料電池スタックの劣化がある程度以上に進むと、燃料電池スタックの交換時期と判断している。燃料電池の劣化診断方法としては、例えば、特許文献1記載の劣化診断方法が知られている。この診断方法によれば、燃料電池の電流と電圧の特性を学習し、この学習結果に基づいて、燃料電池の電流と電圧の関係の近似式を導出し、この近似式を用いて、燃料電池の劣化診断を行う診断方法である。
特開2000−357526号公報(第5頁、図2)
ところで、燃料電池の特性として、酸化剤極の触媒に酸化被膜が生じることによって、燃料電池の電流電圧特性が変化することが知られている。この特性変化は、燃料電池システムの停止中に、電解質膜を透過してきた水素により前記酸化被膜が還元されるという逆反応によって回復されるため、燃料電池システムを停止させたときの電流電圧特性と、燃料電池システムを起動させたときの電流電圧特性が大きく異なる場合がある。
このため、上記従来の燃料電池の劣化診断方法では、酸化剤極の触媒に酸化被膜が生じたことによる回復可能な特性変化であってもこれを燃料電池劣化に基づく特性変化として学習し、この学習結果によって誤った劣化診断を行ってしまうという問題点があった。
上記問題点を解決するために、本発明は、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムの制御装置において、前記燃料電池の電流電圧特性を学習する電流電圧特性学習手段と、前記燃料電池の酸化剤極の触媒に生じた酸化被膜によって、前記燃料電池の電流電圧特性の変化が生じた場合に、前記電流電圧特性の学習を停止させる学習停止手段と、前記電流電圧特性学習手段によって学習した特性に基づいて、前記燃料電池の劣化の検出を行う劣化検出手段と、を備えたことを要旨とする。
本発明によれば、酸化剤極の触媒に酸化被膜が生じたことによる回復可能な特性変化は、燃料電池の劣化判断には用いないことが可能となり、燃料電池の電流電圧特性の回復可能な変化が生じた場合でも、燃料電池の劣化の検出を精度良く行うことができるという効果がある。
図1は、本発明に係る燃料電池システムの一実施例の構成を説明する概略構成図である。図1において、燃料電池システム1は、燃料ガスとしての水素と酸化剤ガスとしての空気との電気化学反応により発電する燃料電池である燃料電池スタック2と、新規水素と再循環水素とを混合して燃料電池スタック2へ供給する流体ポンプであるエゼクタ3と、水素循環流路4と、水素パージ弁5と、空気を圧縮して燃料電池へ供給するコンプレッサ6と、空気供給流路7と、水素入口温度センサ8と、水素入口圧力センサ9と、排空気流路11と、空気圧力制御弁12と、コントローラ13と、水素圧力制御弁14と、空気流量センサ15と、空気入口温度センサ16と、空気入口圧力センサ17と、電流センサ18と、電圧センサ19と、電力制御装置20と、燃料ガスとしての水素を貯蔵する水素タンク21と、タンク温度センサ22、タンク圧力センサ23とを備えている。
燃料電池スタック2は、燃料極2aと酸化剤極2bを備え、例えば、固体高分子型電解質を用いた固体高分子型燃料電池である。水素タンク21から供給される水素は、水素圧力制御弁14により運転圧力まで減圧されて、エゼクタ3に供給される。エゼクタ3は、水素圧力制御弁14から供給された新規水素と水素循環流路4を通過してきた水素とを混合し、燃料電池スタック2の燃料極2aに供給する。燃料極2aの入口での水素の温度と圧力はそれぞれ、水素入口温度センサ8、水素入口圧力センサ9で測定される。水素圧力制御弁14の制御は水素入口圧力センサ9で測定される圧力により行われる。通常は水素パージ弁5は閉じており、燃料電池スタック2から排出される水素を水素循環流路4に流すようにする。また、水素タンク21内の温度及び圧力はそれぞれタンク温度センサ22、タンク圧力センサ23によって測定される。
酸化剤となる空気は、コンプレッサ6により供給される。コンプレッサ6により供給された空気は空気流量センサ15で計量された後、空気供給流路7を介して燃料電池スタック2の酸化剤極2bへ供給される。酸化剤極2bの入口での空気の圧力及び温度は、空気入口圧力センサ17及び空気入口温度センサ16で測定され、酸化剤極2bの出口に設けた空気圧力制御弁12で圧力制御される。
燃料電池スタック2の出力電流は電流センサ18で、出力電圧は電圧センサ19で測定される。また、燃料電池スタック2から取り出す電力は、電力制御装置20によって制御される。
この電力制御装置20は、例えば、昇降圧型のDC/DCコンバータであり、燃料電池スタック2と電気負荷の間に配置され、燃料電池スタック2の発電電圧を一定の負荷電圧に変換する制御を行う。このDC/DCコンバータは、昇圧変換と降圧変換とでは、動作させるスイッチング素子がそれぞれ異なっており、スイッチング素子へ加える制御信号のデューティ比に応じて所望の電圧を出力させることができる。昇圧時には、入力電圧以上の電圧を出力するようにスイッチング素子が制御され、また、降圧時には、入力電圧以下の電圧を出力するようにスイッチング素子が制御される。
本実施例では、燃料電池スタック2の運転時の水素及び空気の圧力(運転圧力)は可変圧である。即ち、燃料電池スタック2から取り出す出力が高いときには運転圧力を高め、出力が低いときは運転圧力を低める。
燃料電池スタック2内に水溢れ(以下フラッディング)等が発生した場合や、燃料電池スタック2の運転圧力を低下させる場合などには、水素パージ弁5を開けて水素循環流路4および燃料電池スタック2の燃料極2aに存在する水素を排出する。
水素入口温度センサ8、水素入口圧力センサ9、空気流量センサ15、空気入口温度センサ16、空気入口圧力センサ17、電流センサ18、電圧センサ19、タンク温度センサ22、及びタンク圧力センサ23の各センサの検出信号は、コントローラ13の入力に接続されている。
また、コントローラ13の出力には、水素パージ弁5、コンプレッサ6、空気圧力制御弁12、及び水素圧力制御弁14の各アクチュエータ、並びに電力制御装置20が接続され、コントローラ13から制御可能となっている。
コントローラ13は、上記の各センサから入力した検出信号に基づいて、燃料電池の運転状態に応じた制御を行うために、上記各アクチュエータ並びに電力制御装置20を制御する。尚特に限定されないが、本実施例では、コントローラ13は、CPUと、プログラムROMと、作業用RAMと、入出力インタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。
そして、コントローラ13は、プログラムROMに記憶した制御プログラムを実行することにより、燃料電池システム1全体の制御を行うと共に、燃料電池スタック2の電流電圧特性を学習する電流電圧特性学習手段と、燃料電池スタック2の酸化剤極2bの触媒に生じた酸化被膜によって、燃料電池スタック2の電流電圧特性の変化が生じた場合に、電流電圧特性の学習を停止させる学習停止手段と、電流電圧特性学習手段によって学習した特性に基づいて、燃料電池スタック2の劣化の検出を行う劣化検出手段とを実現している。これにより、酸化剤極の触媒に酸化被膜が生じたことによる回復可能な特性変化は、燃料電池の劣化判断には用いないことが可能となる。したがって、燃料電池の酸化剤極の触媒に酸化被膜が生じたことによって、燃料電池の電流電圧特性の変化が生じた場合でも、燃料電池の劣化の検出を精度良く行うことができるという効果がある。
図2は、本実施例のコントローラ13による燃料電池の電流電圧特性の学習と劣化判断の方法を示したフローチャートであり、所定時間周期(例えば10[msec]周期)で実行される。まず、ステップ(以下、ステップをSと略す)201において、燃料電池スタックの電流電圧特性の学習を実行するか停止するかの判断を行う。
次いで、S202において、燃料電池が定常運転しているか否かの定常判断を行い、S203において、定常運転と判断されていれば電流電圧特性の学習値の更新を行う。そして、S204において、燃料電池スタックの電流電圧特性の学習結果に基づいて、燃料電池スタックの劣化の検出を行う。
次に、図2のS201〜S204の各ステップにおける処理内容の詳細について説明する。まず、S201における処理を図3の詳細フローチャートを参照して説明する。ここでは、燃料電池スタックの電流電圧特性の学習を実行するか否かの判断を行う。
まず、図3のS301において、燃料電池システムの起動、または発電を開始してから学習を停止するまでの時間である学習停止時間を算出する。この学習停止時間は、酸化剤極の触媒に生じた酸化被膜によって電流電圧特性の変化が生じるまでの時間である。そして、この学習停止時間以上に時間が経過すると、回復可能な劣化による電流電圧特性の低下が大きく、電流センサ18及び電圧センサ19で検出した燃料電池スタック2の電流値及び電圧値が学習に適切ではないとして、学習対象外とするものである。
学習停止時間は、最も簡単に制御する場合には、例えば、100[min]などの定数値を設定する。この学習停止時間は、実機の燃料電池システムを用いた実験によって、電流電圧特性の変化を確認することによって設定することができる。
また、酸化剤極2bの触媒の酸化反応の進行速度は、燃料電池の運転温度の影響を受け、運転温度が高いほど進行速度は速くなることが考えられる。このため、燃料電池の運転温度が高い程、学習停止時間を短くすることもできる。
例えば、図5に示した空気温度に対する学習停止時間のテーブルデータを用いて、図1の空気入口温度センサ16で検出した空気温度に基づいて、学習停止時間の算出を行う。この場合、酸化剤極2bへ供給される空気温度により運転温度を代表させ、空気温度が高いほど、学習停止時間は小さい値となるように算出される。尚、このテーブルデータは、実機の燃料電池システムを用いた実験によって、空気温度による電流電圧特性の変化を確認することによって設定することができる。
本実施例では、燃料電池の運転温度が高いほど、燃料電池の電流電圧特性の学習を停止する時期を早めるように制御する。これにより、触媒の酸化の進行の速度に密接に関係する運転温度の変化によって、酸化の進行の速度が速い場合には、酸化剤極の触媒に生じた酸化被膜による、燃料電池の特性変化が生じる時期が早まることを推定することが可能となる。したがって、運転条件に対応して、酸化剤極の触媒に生じた酸化被膜による、燃料電池の特性変化が生じたことを、精度良く推定できるという効果がある。
そして、S302において、今回の起動による燃料電池の発電を開始してからの経過時間である運転時間を算出し、S303において、S301で算出した学習停止時間とS302で算出した運転時間の大小比較を行う。運転時間が学習停止時間以上である場合には、S304において燃料電池の電流電圧特性の学習を停止すると判断し、また、運転時間が学習停止時間より小さい場合には、S305において燃料電池の電流電圧特性の学習を実行すると判断する。
これにより、今回の起動後、または今回の発電開始からの経過時間によって、酸化剤極の触媒に生じた酸化被膜による、燃料電池の特性変化が生じたことを推定することが可能となる。したがって、容易な構成で、酸化剤極の触媒に生じた酸化被膜による、燃料電池の特性変化が生じたことを推定できるという効果がある。
また、燃料電池スタック2の酸化剤極2bの触媒の酸化速度は、今回の起動後の燃料電池の発電電力による影響を受けるので、この発電電力と時間経過とを考慮して、学習停止までの発電電力量(発電電力の時間積分値、例えば単位は、[kWh] )を算出することもできる。
図4のフローチャートは、図2のS201の学習実行判断において、今回の起動後の発電電力量に基づいて学習実行または停止の判断を行う詳細フローチャートである。
まず、図4のS401において、今回の起動後に燃料電池の発電を開始してから学習を停止するまでの発電電力量である学習停止発電電力量を算出する。この学習停止発電電力量は、酸化剤極の触媒に生じた酸化被膜によって電流電圧特性の変化が生じるまでの発電電力量、例えば、20[kWh] などの定数値を設定する。この発電電力量は、実機の燃料電池システムを用いた実験によって、電流電圧特性の変化を確認することによって設定することができる。
これにより燃料電池の発電を開始してからの発電電力量が所定値以上となった場合に、前記電流電圧特性の学習を停止させることにより、触媒の酸化の進行と密接に関係する、発電電力量の積算値によって、酸化剤極の触媒に生じた酸化被膜による、燃料電池の特性変化が生じたことを推定することが可能となる。したがって、容易な構成で、酸化剤極の触媒に生じた酸化被膜による、燃料電池の特性変化が生じたことを、精度良く推定できるという効果がある。
さらに、学習停止発電電力量に、燃料電池の運転温度を反映させることもできる。酸化剤極2bの触媒の酸化速度は、供給空気温度の代表される燃料電池の運転温度の影響をうけ、空気温度が高いほど酸化速度が速くなることが考えられる。このため、空気温度が高いほど学習停止発電電力量が小さくなるように算出する。
図6は、空気温度に対する学習停止発電電力量を算出するためのテーブルデータ例を示す図である。図1の空気入口温度センサ16で検出した空気温度に基づいて、図6のテーブルデータを参照して学習停止発電電力量の算出を行う。この場合、空気温度が高いほど、学習停止発電電力量は小さい値となるように算出される。尚、このテーブルデータは、実機の燃料電池システムを用いた実験によって、空気温度による電流電圧特性の変化を確認することによって設定することができる。
そして、S402において、今回の起動後の、燃料電池の発電量[kW]に発電量のサンプリング時間間隔ΔTを乗じた発電電力量[kWh] の積算値(以下、単に発電電力量と呼ぶ)を算出する。次いで、S403において、S401で算出した学習停止発電電力量とS402で算出した発電電力量の大小比較を行う。発電電力量が学習停止発電電力量以上である場合には、404において電流電圧特性の学習を停止すると判断し、また、発電電力量が学習停止発電電力量より小さい場合には、S405において電流電圧特性の学習を実行すると判断する。
次に、酸化剤極の触媒に生じた酸化被膜が燃料電池の発電停止中に還元されなかったことが推定される場合、再び発電を開始したときに、発電開始時から燃料電池の電流電圧特性の学習を停止する例を説明する。これは、図2のS201の学習実行判断の他の例である。
例えば、燃料電池車両のアイドリングストップ等で、燃料電池の発電停止時間が短かった場合、この短い停止時間中に、酸化剤極の触媒に生じた酸化被膜の還元は進まないと考えられる。従って、燃料電池の発電を停止している間に、酸化剤極の酸化膜が還元されなかったことが推定された場合には、発電開始時から電流電圧特性の学習を停止させるように制御すれば、回復可能な一時的な特性劣化時の電流電圧特性の学習を抑制することができる。
このためには、燃料電池の発電停止時間を計測し、その停止時間が所定値以下である場合に、発電開始時から電流電圧特性の学習を停止させる、と判断する。発電停止時間が短い場合には、酸化剤極の触媒に生じた酸化被膜が十分に還元されていない可能性があるため、このように電流電圧特性の学習を停止させる。
次に、燃料電池の電流電圧特性を学習する電流電圧特性学習手段に、燃料電池の電流と電圧の関係の近似式を導出する手段を備え、この近似式における定数項の減少量に基づいて、燃料電池の電流電圧特性の学習を停止する時期を決める学習停止手段について説明する。これは、図2のS201の学習実行判断の他の例である。
ここで用いる燃料電池の電流電圧特性の近似式は、後述するS203における学習値更新処理の説明において式(1)で表すことができるので、この近似式の定数項は電流電圧特性のY切片Bとなる。今回の起動後に、燃料電池の発電を開始してから、このY切片Bの減少量を検出し、その減少量(絶対値)が所定値以上となった場合に、燃料電池の電流電圧特性の学習を停止すると判断する。この所定値は、実機の燃料電池システムを用いた実験によって、電流電圧特性の変化を確認することによって設定することができる。
このように燃料電池の電流と電圧の関係の近似式を導出し、この近似式における定数項の減少量に基づいて、燃料電池の電流電圧特性の学習を停止する時期を決めているので、酸化剤極の触媒に生じた酸化被膜による燃料電池の特性変化の現象を確実に検出し、電流電圧特性の学習を正確にすることができる。
次に、図2のS202における定常判断処理を説明する。ここでは、発電状態の定常判断を行う。この定常判断は、燃料電池システムの負荷変動時に安定して計測できない電流電圧データを除去する為に行い、図1の電流センサ18で検出した電流、あるいは電圧センサ19で検出した電圧の前回のサンプリング値からの変化量が所定値以下になった場合に、燃料電池の発電状態が定常と判断する。
また、この他の発電状態の定常判断方法として、所定時間計測した電流あるいは電圧の分散値が所定値以下になった場合に、定常と判断するという方法などを適用してもよい。
次に、図2のS203における学習値更新処理を説明する。ここでは、燃料電池の電流電圧特性の学習を行う。
いま、現在の電流電圧特性を、入力を電流、出力を電圧として近似した1次関数で表す。その1次関数を、
(数1)
Y = A×X+B …式(1)
と定式化する。
ここで、Xは電流、Yは電圧とする。また、学習するパラメータとして、電流電圧特性の傾きをA、電流電圧特性のY切片をBとする。
そして、計測した実電圧と、上記式(1)に実電流を入力して求めた電圧値(学習値)との誤差に基づいて、逐次型最小二乗法を用いた逐次パラメータ推定アルゴリズムで学習パラメータA、Bの更新を行う。
次に、図2のS204における劣化検出処理を説明する。ここでは、S203において学習を行った電流電圧特性に基づいて、燃料電池の劣化の検出を行う。この燃料電池の劣化は、例えば、燃料電池の定格電流(最大電流)に対して予想される電圧が、所定値以下となることによって、検出することができる。いま、燃料電池の定格電流(最大電流)をImax とすると、S203において学習を行った電流電圧特性によって予想される電圧値Vmin は、学習パラメータA,Bを使用した式(2)により算出することができる。
(数2)
Vmin = A×Imax + B … 式(2)
この電圧値Vmin が所定値以下となった場合に、燃料電池の劣化と判断し、燃料電池スタック2の交換時期の判定をすることができる。
このように、酸化剤極の触媒に生じた酸化被膜による、燃料電池の電流電圧特性の変化は、電流に対して一様に電圧が低下する傾向があるので、燃料電池の電流と電圧の関係の近似式を導出し、この近似式における定数項の減少量に着目すれば、電流の変化に対して一様に電圧が低下する現象を正確に検出することが可能となるという効果がある。
本発明に係る燃料電池システムの制御装置が適用される燃料電池システムの構成例を示すシステム構成図である。 燃料電池システムの制御装置の実施例における燃料電池の電流電圧特性の学習及び劣化判断を説明するフローチャートである。 燃料電池の運転時間を用いて燃料電池の電流電圧特性の学習を実行するか否かの判断を行う処理を説明するフローチャートである。 発電電力量を用いて燃料電池の電流電圧特性の学習を実行するか否かの判断を行う処理を説明するフローチャートである。 空気温度に基づいて学習停止時間を算出するためのテーブルデータを説明する図である。 空気温度に基づいて学習停止発電量を算出するためのテーブルデータを説明する図である。
符号の説明
1:燃料電池システム
2:燃料電池スタック
3:エゼクタ
4:水素循環流路
5:水素パージ弁
6:コンプレッサ
7:空気供給流路
8:水素入口温度センサ
9:水素入口圧力センサ
11:排空気流路
12:空気圧力制御弁
13:コントローラ
14:水素圧力制御弁
15:空気流量センサ
16:空気入口温度センサ
17:空気入口圧力センサ
18:電流センサ
19:電圧センサ
20:電力制御装置
21:水素タンク
22:タンク温度センサ
23:タンク圧力センサ

Claims (6)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムの制御装置において、
    前記燃料電池の電流電圧特性を学習する電流電圧特性学習手段と、
    前記燃料電池の酸化剤極の触媒に生じた酸化被膜によって、前記燃料電池の電流電圧特性の変化が生じた場合に、前記電流電圧特性の学習を停止させる学習停止手段と、
    前記電流電圧特性学習手段によって学習した特性に基づいて、前記燃料電池の劣化の検出を行う劣化検出手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池システムの制御装置。
  2. 前記学習停止手段は、
    前記燃料電池の発電を開始してからの経過時間が所定値以上となった場合に、前記電流電圧特性の学習を停止させる手段、
    であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システムの制御装置。
  3. 前記学習停止手段は、
    前記燃料電池の発電を開始してからの発電量の積算値が所定値以上となった場合に、前記電流電圧特性の学習を停止させる手段、
    であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システムの制御装置。
  4. 前記学習停止手段は、
    前記燃料電池の運転温度が高いほど、前記電流電圧特性の学習を停止する時期を早める手段、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の燃料電池システムの制御装置。
  5. 前記学習停止手段は、
    前記酸化剤極の触媒に生じた酸化被膜が、前記燃料電池の発電を停止している間に還元されなかったことが推定された場合には、再び発電を開始した時に該発電開始時から前記電流電圧特性の学習を停止させる手段、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の燃料電池システムの制御装置。
  6. 前記電流電圧特性学習手段は、
    前記燃料電池の電流と電圧の関係の近似式を導出する手段、
    であり、
    前記学習停止手段は、
    前記電流と電圧の関係の近似式における定数項の減少量に基づいて、前記電流電圧特性の学習を停止する時期を決める手段、
    であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システムの制御装置。
JP2004326348A 2004-11-10 2004-11-10 燃料電池システムの制御装置 Pending JP2006139935A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004326348A JP2006139935A (ja) 2004-11-10 2004-11-10 燃料電池システムの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004326348A JP2006139935A (ja) 2004-11-10 2004-11-10 燃料電池システムの制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006139935A true JP2006139935A (ja) 2006-06-01

Family

ID=36620636

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004326348A Pending JP2006139935A (ja) 2004-11-10 2004-11-10 燃料電池システムの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006139935A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011074034A1 (ja) 2009-12-16 2011-06-23 トヨタ自動車株式会社 燃料電池の制御
JP2012104355A (ja) * 2010-11-10 2012-05-31 Toyota Motor Corp 燃料電池システムおよびその制御方法
US8660827B2 (en) 2009-03-31 2014-02-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method of creating particle size distribution model, method of predicting degradation of fuel cell catalyst using the method of creating particle size distribution model, and method of controlling fuel cell using the method of predicting degradation of fuel cell catalyst
US10581084B2 (en) 2016-12-13 2020-03-03 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method of activating catalyst for fuel cell
DE112009005282B4 (de) * 2009-09-25 2020-08-27 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Brennstoffzellensystem
DE102020102396A1 (de) 2020-01-31 2021-08-05 Audi Aktiengesellschaft Verfahren zur Identifizierung einer Regenerationsmöglichkeit mindestens einer Brennstoffzelle und Brennstoffzellensystem

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8660827B2 (en) 2009-03-31 2014-02-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method of creating particle size distribution model, method of predicting degradation of fuel cell catalyst using the method of creating particle size distribution model, and method of controlling fuel cell using the method of predicting degradation of fuel cell catalyst
US8843355B2 (en) 2009-03-31 2014-09-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method of controlling fuel cell using the method of predicting degradation of fuel cell catalyst
US9002689B2 (en) 2009-03-31 2015-04-07 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method of predicting degradation of fuel cell catalyst using the method of creating particle size distribution model
DE112009005282B4 (de) * 2009-09-25 2020-08-27 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Brennstoffzellensystem
WO2011074034A1 (ja) 2009-12-16 2011-06-23 トヨタ自動車株式会社 燃料電池の制御
JP2012104355A (ja) * 2010-11-10 2012-05-31 Toyota Motor Corp 燃料電池システムおよびその制御方法
US10581084B2 (en) 2016-12-13 2020-03-03 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method of activating catalyst for fuel cell
DE102020102396A1 (de) 2020-01-31 2021-08-05 Audi Aktiengesellschaft Verfahren zur Identifizierung einer Regenerationsmöglichkeit mindestens einer Brennstoffzelle und Brennstoffzellensystem

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7808204B2 (en) Controller for fuel cell system
EP1817812A1 (en) Fuel cell start-up method and fuel cell system
JP2007048519A (ja) 燃料電池システム
JP5168828B2 (ja) 燃料電池システム
JP2006079891A (ja) 燃料電池システム
KR20080067381A (ko) 연료전지시스템 및 그 운전정지방법
JP4982977B2 (ja) 燃料電池システム
JP6156272B2 (ja) 燃料電池システム
JP2006139935A (ja) 燃料電池システムの制御装置
JP2009187794A (ja) 燃料電池システム及びその制御方法
JP6859624B2 (ja) 燃料電池システム及びその制御方法
JP2005285628A (ja) 直接型メタノール燃料電池の燃料濃度検出方法および直接型メタノール燃料電池システム
JP4992238B2 (ja) 燃料電池システム
KR101851830B1 (ko) 연료 전지 시스템 및 그 제어 방법
JP2009129760A (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法
JP2005216828A (ja) 燃料電池システム
JP5211875B2 (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池システムの異常診断方法
JP2006120532A (ja) 燃料電池システム
JP3698101B2 (ja) 燃料改質型燃料電池システムの制御装置
JP4904719B2 (ja) 燃料電池システム、その制御方法及びそれを搭載した車両
JP2006164740A (ja) 燃料電池システムの制御装置
JP5266626B2 (ja) 燃料電池システム
JP2006164741A (ja) 燃料電池システムの制御装置
JP5297574B2 (ja) 燃料電池システム
JP4882216B2 (ja) 燃料電池システムの制御装置