JP2007317437A - 電池用電極触媒の性能評価方法、探索方法、電池用電極触媒及びその電極触媒を用いた燃料電池 - Google Patents

電池用電極触媒の性能評価方法、探索方法、電池用電極触媒及びその電極触媒を用いた燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池用電極触媒の性能を的確に評価する手法を開発するとともに、優れた性能を有する燃料電池用電極触媒を探索し、更に、上記手法を用いて探索された新規な優れた触媒活性を有する燃料電池用電極触媒を具体的に得ることを目的とする。
【解決手段】導電性担体に触媒金属が担持された燃料電池用電極触媒の性能評価方法であって、該電極触媒のボルタングラム面積/触媒比表面積を該性能評価の指標とし、ボルタングラム面積/比表面積が1.0×10−4(mV・A・g/m)以上を良好と評価する。
【選択図】図7

Description

本発明は、電池用電極触媒の性能評価方法、探索方法、該探索方法によって見つけられた過電圧が小さく発電性能に優れた燃料電池用電極触媒、及びこの電極触媒を有する燃料電池に関する。
燃料電池は、電池反応による生成物が原理的に水であり、地球環境への悪影響がほとんどないクリーンな発電システムとして注目されている。例えば、固体高分子型燃料電池は、プロトン伝導性の固体高分子電解質膜の両面に一対の電極を設け、水素ガスを燃料ガスとして一方の電極(燃料極:アノード)へ供給し、酸素ガスあるいは空気を酸化剤として異なる電極(空気極:カソード)へ供給し、起電力を得るものである。
固体高分子型燃料電池は、(1)高いイオン導電性を有する高分子電解質膜が開発されたこと、(2)高分子電解質膜と同種或いは異種のイオン交換樹脂(高分子電解質)で被覆した触媒担持カーボンを電極触媒層の構成材料として使用し、いわゆる触媒層内の反応サイトの3次元化が図られるようになったこと等によって、電池特性が飛躍的に向上した。そして、このような高い電池特性を得られることに加え、小型軽量化が容易であることから、固体高分子型燃料電池は、電気自動車等の移動車両や、小型コジェネレーションシステムの電源等としての実用化が期待されている。
通常、固体高分子型燃料電池に使用されるガス拡散性の電極は、上記のイオン交換樹脂で被覆された触媒担持カーボンを含有する触媒層と、この触媒層に反応ガスを供給すると共に電子を集電するガス拡散層とからなる。そして、触媒層内には、構成材料となるカーボンの二次粒子間或いは三次粒子間に形成される微少な細孔からなる空隙部が存在し、当該空隙部が反応ガスの拡散流路として機能している。そして、上記の触媒としては、イオン交換樹脂中において安定な白金、白金合金等の貴金属触媒が通常使用されている。
従来、高分子電解質型燃料電池の電極触媒のカソード及びアノード触媒としては、白金又は白金合金等の貴金属をカーボンブラックに担持した触媒が用いられてきた。白金担持カーボンブラックは、塩化白金酸水溶液に、亜硫酸水素ナトリウムを加えた後、過酸化水素水と反応させ、生じた白金コロイドをカーボンブラックに担持させ、洗浄後、必要に応じて熱処理することにより調製するのが一般的である。高分子電解質型燃料電池の電極は、白金担持カーボンブラックを高分子電解質溶液に分散させてインクを調製し、そのインクをカーボンペーパーなどのガス拡散基材に塗布し、乾燥することにより作製される。この2枚の電極で高分子電解質膜を挟み、ホットプレスをすることにより電解質膜−電極接合体(MEA)が組立られる。
固体高分子型燃料電池における触媒活性や発電性能の向上は最大の技術課題であり、多数の文献が知られている。例えば、下記特許文献1には、固体高分子型燃料電池における貴金属、特に白金使用量、を低減した燃料電池用電極触媒を提供することを目的として、アモルファス炭素粉末担体に白金触媒が担持された燃料電池用電極触媒であって、前記アモルファス炭素粉末が、15〜80nmの平均粒子径、1500m/g以上のBET法による比表面積を有すると共に、直径2nm未満の細孔の細孔容積の総計が0.8cm/g以上、かつ、直径2nm未満の細孔が占める細孔容積の総計が全細孔容積の60%以上、担持される触媒量が粒子全体の5〜70質量%と規定された燃料電池用電極触媒が記載されている。
しかし、特許文献1では、担体に対して、平均粒径、比表面積、細孔容積と触媒質量で電極触媒を規定しているため、過電圧に関する規定ができないことが問題となる。触媒物性ではなく、担体物性(比表面積等)で規定をし、電気化学による実験値で規定をしないために、過電圧を規定することが出来ないと考えられる。
過電圧は、触媒の表面の酸化被膜に大きく依存することが判明している。そのため、過電圧を規定するためには、触媒物性と電気化学による実験値に関連した値を規定する必要がある。
固体高分子型燃料電池には、水素含有ガス(燃料ガス)がアノード反応ガスとして用いられ、例えば空気等の酸素含有ガスがカソード反応ガスとして用いられる。この場合、アノードにおいては、以下の(1)式に、カソードにおいては以下の(2)式に、それぞれ示す電極反応が進行し、全体として(3)式に示す全電池反応が進行して起電力が発生する。
→2H+2e (1)
(1/2)O+2H+2e→HO (2)
+(1/2)O→HO (3)
しかしながら、従来の固体高分子型燃料電池においては、上記(1)式で示される水素酸化反応の活性化過電圧に比較して(2)式で示される酸素還元反応の活性化過電圧が非常に大きいため、高い電池出力を得ることができないという問題があった。
下記特許文献2には、優れたカソード分極特性を有し、高い電池出力を得ることを目的として、カソードの触媒層に白金及び白金合金からなる群から選ばれる金属触媒に加えて所定量の鉄又はクロムを有する金属錯体を含有させることによりカソードにおける分極特性を向上させている。具体的には、アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間に配置された高分子電解質膜とを備えた固体高分子型燃料電池であって、カソードが、ガス拡散層と、当該ガス拡散層と高分子電解質膜との間に配置される触媒層とを備えており、白金及び白金合金からなる群から選ばれる貴金属触媒と、鉄又はクロムを含む金属錯体とが前記触媒層に含有されており、かつ、金属錯体は、当該金属錯体と貴金属触媒との合量の1〜40モル%含まれることを特徴とする固体高分子型燃料電池である。このようにカソードの触媒層に含有されている鉄又はクロムを有する金属錯体が、(2)式で示されるカソードの酸素還元反応の活性化過電圧を効果的に低減させることができ、その結果、カソードの分極特性が向上し高い電池出力を得ることが可能となるとしている。
特開2005−135817号公報 特開2002−15744号公報 J.of The Electrochemical Society,146(10)3750−3756(1999)
電極触媒やそれを用いる燃料電池、特に固体高分子型燃料電池などは自動車用や定置用電源としての利用が試みられており、電池性能の向上も重要であるが、長期にわたって所望の発電性能を維持することが強く求められている。また、高価な貴金属を使用するためにその性能要求は特に強い。特に、酸素還元電極においては酸素還元過電圧が大きいため、高電位環境では白金の溶解や再析出が燃料電池の効率を下げる主な原因となっている。
しかしながら、上記特許文献1および2に代表されるように、既存の研究は触媒活性の向上を目的とするに留まり、触媒活性に関する評価は十分に行われていない。又、非特許文献1に開示された性能評価は燃料電池用電極触媒の性能を知る上で興味深いものではあるが、今後いかなる金属、合金が燃料電池用電極触媒として有効であるかを事前に評価し、触媒開発に役立てるという観点からは不十分であった。
そこで、本発明は、燃料電池用電極触媒の性能を的確に評価する手法を開発するとともに、優れた性能を有する燃料電池用電極触媒を探索し、更に、上記手法を用いて探索された新規な優れた触媒活性を有する燃料電池用電極触媒を具体的に得ることを目的とする。
本発明者は、過電圧は触媒金属表面上の酸化皮膜に大きく依存することに着目し、該過電圧を規定するためには、触媒物性と電気化学による実験値に関連したパラメーターを規定する必要があると考えた。そこで、該酸化皮膜の形成度合を規格化された特定のパラメーターで表し、燃料電池用電極触媒の性能評価の指標として用いることで、本発明に到達した。
即ち、第1に、本発明は、導電性担体に触媒金属が担持された燃料電池用電極触媒の性能評価方法の発明であって、該電極触媒のボルタングラム面積/触媒比表面積を該性能評価の指標とし、ボルタングラム面積/比表面積が1.0×10−4(mV・A・g/m)以上を良好と評価することを特徴とする。又は、導電性担体に触媒金属が担持された燃料電池用電極触媒の性能評価方法の発明であって、該触媒金属のボルタングラム面積/触媒比表面積を該性能評価の指標とし、ボルタングラム面積/比表面積が1.0×10−4(mV・A・g/m)以上を良好と評価することを特徴とする。ここで、電極触媒のボルタングラム面積は、ボルタンメトリーによって求められる。
前記ボルタングラム面積計測時に用いる結着剤としては、各種高分子材料を広く用いることが出来る。この中で、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いると、高分子電解質であるNafion(商標名)を用いる場合と比べて、還元電流値の変化、特に酸素還元電流値の変化を大きく強調し明瞭に捉えることで、酸化皮膜の形成の違いを明確に判断できるので、特に好ましい。
第2に、本発明は、上記指標を新規で高性能の燃料電池用電極触媒の探索に用いる発明である。即ち、導電性担体に触媒金属が担持された燃料電池用電極触媒の探索方法の発明であって、該電極触媒のボルタングラム面積/触媒比表面積を該探索の指標とし、ボルタングラム面積/比表面積が1.0×10−4(mV・A・g/m)以上を良好とすることを特徴とする。又、導電性担体に触媒金属が担持された燃料電池用電極触媒の探索方法の発明であって、該触媒金属のボルタングラム面積/触媒比表面積を該探索の指標とし、ボルタングラム面積/比表面積が1.0×10−4(mV・A・g/m)以上を良好とする。
前記ボルタングラム面積計測時に用いる結着剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)が、還元電流値の変化、特に酸素還元電流値の変化を大きく明瞭に捉えることが出来るので、特に好ましいことは上述の通りである。
第3に、本発明は、上記の燃料電池用電極触媒の探索方法によって、具体的に探索された電極触媒の発明である。即ち、導電性担体に触媒金属が担持された燃料電池用電極触媒の発明であり、該電極触媒のボルタングラム面積/触媒比表面積が1.0×10−4(mV・A・g/m)以上であることを特徴とする。又は、導電性担体に触媒金属が担持された燃料電池用電極触媒の発明であって、該触媒金属のボルタングラム面積/触媒比表面積が1.0×10−4(mV・A・g/m)以上である触媒金属を含むことを特徴とする。
前記ボルタングラム面積計測時に用いる結着剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)が、還元電流値の変化、特に酸素還元電流値の変化を大きく明瞭に捉えることが出来るので、特に好ましいことは上述の通りである。
第4に、本発明は、上記の電極触媒を用いた燃料電池である。具体的には、本発明の燃料電池は、アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間に配置された高分子電解質膜とを備えた固体高分子型燃料電池であって、電極触媒が、導電性担体に触媒金属が担持され、該電極触媒のボルタングラム面積/触媒比表面積が1.0×10−4(mV・A・g/m)以上であることを特徴とする。又は、導電性担体に触媒金属が担持され、該触媒金属のボルタングラム面積/触媒比表面積が1.0×10−4(mV・A・g/m)以上である触媒金属を含むことを特徴とする。
本発明の燃料電池は、平板状の単位セルと、単位セルの両側に配置された2つのセパレータとから構成されている。この燃料電池は、上記の電極触媒を使用することにより、アノードにおいては、(1)式に、カソードにおいては(2)式にそれぞれ示す電極反応が進行し、全体として(3)式に示す全電池反応が進行して起電力が発生する。
これにより、本発明の燃料電池は、過電圧が小さく、高い触媒活性を備えた電極触媒を用いることから、発電性能に優れたものとなる。
本発明によれば、ボルタンメトリーから得られる電極触媒のボルタングラム面積を、触媒比表面積で割って規格化して、性能評価、及び新規触媒の探索の指標とすることにより、高性能の燃料電池用電極触媒を的確に評価及び探索できる。これにより、燃料電池の性能評価や探索のための労力と時間が大幅に短縮される。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明で用いるボルタンメトリーについて説明する。ボルタンメトリー(voltammetry)とは、電圧を変化させながら電流を測定し、電圧−電流曲線(ボルタングラム)を作成して、電解電位で目的物質の定性を行い、その時の電流値で定量を行なう方法である。電位(volt)を規正して電流(ampere)を測る方法という意味である。電極電位を時間的に変化させて流れる電流を測定する電位規正ボルタンメトリーを行う。観測される電流は電解による電子授受に基づくファラデー電流(faradaiccurrent)と、電極界面でのイオン・分子などの吸着による電気容量の時間的変化に基づく容量性電流(capacitive current,capacity current)がある。指示電極には各種の微小電極(水銀,白金,金,グラシーカーボンなど)が用いられる。ボルタンメトリーは電極反応の解析、酸化還元系の研究、被電解物質の分析などに広く利用されており、公知の操作方法が採用される。例えば、指示電極の電位を特定の値に設定して目的の物質をある時間電解析出させて、その物質を電極上に濃縮し、ついで電極電位を逆方向に増加させて行き、析出した物質が再び溶出するときの電流を測定する。
図1に、白金粒子表面の白金原子が水分子から生じた酸素分子によって酸化される様子を模式的に示す。
図2に、0.5mol/lHSO中のPt触媒のボルタングラム(電位走査速度0.31V/s)の例を示す。図には、多くの電流ピークが現れている。それぞれの電流ピークで起こっている電極反応は、電位走査速度の変化、攪拌の効果、pHの変化、などのピーク電流値あるいはピーク電流値に及ぼす影響から、次のように推定している。
A:吸着水素の形成
+ e ⇒ Had
B:吸着水素のイオン化
ad ⇒ H + e
C:Pt皮膜の形成
Pt + HO ⇒ PtO + 2H + 2e
D:Pt皮膜の還元
PtO + 2H + 2e ⇒ Pt + H
従来の評価法では、ボルタングラム面積が強調できず、酸化被膜の違いが不明確であった。本発明ではボルタングラム面積の評価法を改善し、ボルタングラム面積/触媒比表面積とすることにより、ボルタングラム面積が規格化された。又、ボルタンモメトリーの結着剤にCMC、PVDFバインダを用いることにより、ボルタングラム面積の変化を強調し、酸化被膜の違いを明確化することが出来た。特に、酸素還元電流の強調には、CMCを使用するのが好ましい。
本発明の燃料電池用電極触媒に用いる導電性担持体には、公知のカーボン材料を使用することができる。特に、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックや活性炭などが好ましく例示される。
本発明の電極触媒を固体高分子型燃料電池に用いる場合には、高分子電解質としては、フッ素系電解質又は炭化水素系電解質のいずれを用いることができる。フッ素系高分子電解質とは、フッ素系高分子化合物に、スルホン酸基、カルボン酸基等の電解質基が導入されているものである。本発明の燃料電池用いられるフッ素系高分子電解質とは、フルオロカーボン骨格あるいはヒドロフルオロカーボン骨格に置換基としてスルホン酸基等の電解質基が導入されているポリマーであって、分子内にエーテル基や塩素やカルボン酸基やリン酸基や芳香環を有していてもよい。一般的にはパーフルオロカーボンを主鎖骨格とし、パーフルオロエーテルや芳香環等のスペーサーを介してスルホン酸基を有するポリマーが用いられる。具体的には、デュポン社製の「ナフィオン(Nafion;登録商標)」や旭化成工業(株)製の「アシプレックス−S(登録商標)」等が知られている。本発明の燃料電池で用いられる炭化水素系高分子電解質とは、高分子化合物を構成する分子鎖のいずれかに炭化水素部を有し、かつ電解質基が導入されたものである。ここで、電解質基として、スルホン酸基、カルボン酸基等が例示される。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。
図3に、気体流量がアノードで12mil、カソードで6mil、セル温度が80℃で、アノードハブラ温度58℃で、カソードハブラ温度48℃、Pt触媒目付量を0.35mg/cmとして電流−電圧曲線を求めた。電流密度0でのセル電圧0.9Vは理論起電力1.2Vより0.3V少なく、この値が過電圧である。
図4に、CV−Nで行った、結着剤として、Nafion(商標名)、CMC、PVDFを用いた白金の還元電流値のボルタンメトリーの結果を示す。又、図5に、800mVでの酸素還元電流値を比較した。結着剤として、CMC、PVDFを用いると、還元電流値の変化が大きく出ることが分かる。
同様に、図6に、O−LSV@1600rpmで行った、各電位を2分間ずつステップで付与した時の、結着剤として、Nafion(商標名)、CMC、PVDFを用いた白金の酸素還元電流値のボルタンメトリーの結果を示す。結着剤として、PVDFを用いると、酸素還元電流値の変化が大きく出ることが分かる。
図7に、ボルタングラム面積/触媒比表面積と過電圧の相関関係を示す。理論起電力からのセル電圧の降下量を過電圧として縦軸に、本発明者が計算したボルタンメトリー解析から得られるボルタングラム面積を触媒比表面積で除した数値を横軸にした。
燃料電池では、空気極触媒(例えばPt触媒)表面が酸化され、セル電圧が低下(過電圧が増大)することが問題となっていたが、今回、ボルタングラム面積/触媒比表面積と過電圧との負の相関が明瞭に見られた。図7の結果より、Nafion(商標名)系の燃料電池用触媒の過電圧を0.4V以下と小さくするには、ボルタングラム面積/触媒比表面積が1.0×10−4mV・A・g/m以上とすれば良いことが分かった。
本発明によれば、ボルタンメトリーから得られる電極触媒のボルタングラム面積を、触媒比表面積で割って規格化して、性能評価、及び新規触媒の探索の指標とすることにより、高性能の燃料電池用電極触媒を的確に評価及び探索できる。これにより、燃料電池の性能評価や探索のための労力と時間が大幅に短縮され、燃料電池の実用化と普及に貢献する。
白金粒子表面の白金原子が水分子から生じた酸素分子によって酸化される様子を模式的に示す。 白金触媒のボルタングラムの例を示す。 電流−電圧曲線と、理論起電力及び過電圧の関係を示す。 結着剤として、Nafion、CMC、PVDFを用いた白金の還元電流値のボルタンメトリーの結果を示す。 800mVでの酸素還元電流値を比較した。 結着剤として、Nafion、CMC、PVDFを用いた白金の酸素還元電流値のボルタンメトリーの結果を示す。 ボルタングラム面積/触媒比表面積と過電圧の相関関係を示す。

Claims (10)

  1. 導電性担体に触媒金属が担持された燃料電池用電極触媒の性能評価方法であって、該電極触媒のボルタングラム面積/触媒比表面積を該性能評価の指標とし、ボルタングラム面積/比表面積が1.0×10−4(mV・A・g/m)以上を良好と評価することを特徴とする燃料電池用電極触媒の性能評価方法。
  2. 導電性担体に触媒金属が担持された燃料電池用電極触媒の性能評価方法であって、該触媒金属のボルタングラム面積/触媒比表面積を該性能評価の指標とし、ボルタングラム面積/比表面積が1.0×10−4(mV・A・g/m)以上を良好と評価することを特徴とする燃料電池用電極触媒の性能評価方法。
  3. 前記ボルタングラム面積計測時に結着剤として、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池用電極触媒の性能評価方法。
  4. 導電性担体に触媒金属が担持された燃料電池用電極触媒の探索方法であって、該電極触媒のボルタングラム面積/触媒比表面積を該探索の指標とし、ボルタングラム面積/比表面積が1.0×10−4(mV・A・g/m)以上を良好とすることを特徴とする燃料電池用電極触媒の探索方法。
  5. 導電性担体に触媒金属が担持された燃料電池用電極触媒の探索方法であって、該触媒金属のボルタングラム面積/触媒比表面積を該探索の指標とし、ボルタングラム面積/比表面積が1.0×10−4(mV・A・g/m)以上を良好とすることを特徴とする燃料電池用電極触媒の探索方法。
  6. 前記ボルタングラム面積計測時に結着剤として、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いることを特徴とする請求項4又は5に記載の燃料電池用電極触媒の探索方法。
  7. 導電性担体に触媒金属が担持された燃料電池用電極触媒であって、該電極触媒のボルタングラム面積/触媒比表面積が1.0×10−4(mV・A・g/m)以上であることを特徴とする燃料電池用電極触媒。
  8. 導電性担体に触媒金属が担持された燃料電池用電極触媒であって、該触媒金属のボルタングラム面積/触媒比表面積が1.0×10−4(mV・A・g/m)以上である触媒金属を含むことを特徴とする燃料電池用電極触媒。
  9. 前記ボルタングラム面積計測時に結着剤として、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いたことを特徴とする請求項7又は8に記載の燃料電池用電極触媒。
  10. 請求項7乃至9のいずれかに記載の電極触媒を用いた燃料電池。
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