JP5266267B2 - 水素含有生体適用液の製造方法及び製造装置 - Google Patents

水素含有生体適用液の製造方法及び製造装置 Download PDF

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本発明は、水素含有生体適用液の製造方法及び製造装置に関するものである。
医療用物質としての水素分子を生体内へ運搬する手段して、水素ガスの吸入、水素含有水の飲用、水素含有生体適用液の注射などが知られている。水素含有生体適用液の注射は、水素ガスを吸入する場合におけるような取扱い上の危険性もない、理想的な運搬手段として考えられる。
特開2005−126384号公報
しかしながら、生体機能の維持向上や疾病・疾患の予防または治療等を意図して生体に投与される水素含有生体適用液は、理化学的純度の保証や菌・微生物対策などの観点から、厳格な液質管理が要求される。そのため、製造工程を完了して生体適用液が封入された容器を開封すると、その液質保証性能が担保できないという問題があった。したがって、容器を開封することなく、容器の外側から水素を外挿する手段が望ましい。
本発明が解決しようとする課題は、水素を含有する経口生体適用液を、生体適用液が封入された容器を開封することなく製造できる製造方法及び製造装置を提供することである。
本発明は、経口生体適用液が封入された、水素分子透過性を有する容器に、当該容器の外側から水素を含む気体または液体を接触させることにより、上記課題を解決する。
本発明によれば、既存の製造工程に手を加えることなく容易に、経口生体適用液に水素を含有させることができる。
本発明の一実施の形態に係る水素含有生体適用液の製造装置を示す平面図、正面図及び部分拡大図である。 図1に示す水素含有生体適用液の製造装置を概念的に示すブロック図である。 本発明の他の実施の形態に係る水素含有生体適用液の製造装置を概念的に示すブロック図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係る水素含有生体適用液の製造装置を概念的に示すブロック図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係る水素含有生体適用液の製造装置を概念的に示すブロック図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係る水素含有生体適用液の製造装置を概念的に示すブロック図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係る水素含有生体適用液の製造装置を概念的に示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。図1〜図7は、本発明の実施の形態に係る水素含有生体適用液の製造装置を示す図であり、図1及び図2が第1の実施の形態、図3〜図7のそれぞれは他の実施の形態に係る水素含有生体適用液の製造装置を示す図である。
たとえば図2に示す例で説明すると、本例の製造装置は、輸液(点滴)バッグなどの容器2iに保持された生体適用液を、当該生体適用液を容器ごと収容可能である適宜な大きさの別容器2gに収容するとともに、水素分子を含有する液体または気体を該別容器2g(以下、水素貯蔵器)に供給する。水素貯蔵器2g内では、生体適用液の容器2iを介して生体適用液と水素貯蔵器2g中の水素分子は隔てられているが、時間の経過とともに、水素貯蔵器2g中の水素分子は徐々に生体適用液中へ透過する。
生体適用液の容器2g(図2)として相応しいのは、上述の輸液バッグや点滴バッグに用いられるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等を素材としたプラスチック容器であるが、水素を透過する容器(膜)であればこれに限るものではない。酸素ガスバリア性や水蒸気バリア性を特徴とする容器であっても、多くの場合、最小の分子である水素分子は問題なく透過できる。なお、生体適用液の容器は、水素を吸着/分離し透過させる(好ましくは選択的に透過させる)一方、一旦透過し生体適用液に含有されるようになった水素については液内に安定的に保持されるよう、水素の透過方向を非可逆的に制御する処理が施されているのであればさらに望ましい。また、点滴等において生体適用液の消費量を確認するためにも、内容物の水位を外側から確認できる程度以上の半透明または透明容器であることが望ましい。
なお、既存の生体適用液に対して、容器の外側から水素分子を含有させることのできる本発明は、容器の内容物に手を加えることなく「非破壊的に(開封することなく)」水素分子を含有させることを特徴とする。すなわち、本発明は、基本的に、外界に対して閉じられて(又は密閉されて)おり使用時にはじめて開封されるか、一旦開封されたとしても本発明実施時には閉じられている容器に対して用いられることを特徴とする。
さらに、水素分子を含有させた生体適用液を容器ごと冷凍することで、水素分子の容器からの抜けを防止することができる。冷凍過程における水素分子の抜けを考慮すると、冷凍時間はできるだけ短い方が好ましく、具体的には、10時間以内に水素含有生体適用液の少なくとも80%容量が、それ以上に好ましくは5時間以内に水素含有生体適用液の少なくとも80%容量が、それ以上に好ましくは3時間以内に水素含有生体適用液の少なくとも80%容量が、それ以上に好ましくは1時間以内に少なくとも水素含有生体適用液の80%容量が、それ以上に好ましくは0.5時間以内に少なくとも水素含有生体適用液の80%容量が、凍らされることが望ましく、また、24時間後に一部又は全部を解凍した直後の水素含有生体適用液の溶存水素濃度が、少なくとも0.05ppm以上、好ましくは0.1ppm以上、好ましくは0.2ppm以上、それ以上に好ましくは0.3ppm以上、それ以上に好ましくは0.4ppm以上、それ以上に好ましくは0.5ppm以上、それ以上に好ましくは0.6ppm以上、それ以上に好ましくは0.7ppm以上、それ以上に好ましくは0.8ppm以上、それ以上に好ましくは0.9ppm以上、それ以上に好ましくは1.0ppm以上保持されていることが望ましい。
一般的に、本発明の「水素貯蔵器」と「生体適用液の容器」は、貯蔵器または容器の水素透過性の高低によって分けられる。そして、水素貯蔵器として相応しいのは、水素透過性が高くない容器であり、生体適用液の容器として相応しいのは、水素透過性が高い容器であるととりあえずは言うことができる。ただし厳密には、上述のように、最小の分子である水素分子は時間をかければ多くの容器を透過し得るため、本発明の生体適用液の容器として相応しいのは、水素透過性が中程度〜高い容器である。ここで、水素透過性の中程度の容器とは、安定的にほぼ飽和濃度(水温20℃・1気圧で1.6ppm)を保つ、該容器内容積の20倍の体積の水素溶存水に、生理食塩液を満水またはほぼ満水に擁する該容器を5時間浸漬した際、該生理食塩液の溶存水素濃度が1ppb以上、好ましくは10ppb以上、特に好ましくは100ppb以上、0.8ppm未満になる容器であると言うことができる。生体適用液の容器が中程度以上の水素透過性を有するのであれば、本発明を用いて一定時間後には、該生体適用液は、望ましい溶存水素濃度に達せられ得ると見なすことができる。また、水素透過性の高い容器とは、生理食塩液を擁する該容器を5時間浸漬した際、該生理食塩液の溶存水素濃度が0.8ppm以上になる容器であると言うことができる。また、水素透過性の低い容器とは、生理食塩液を擁する該容器を5時間浸漬した際、該生理食塩液の溶存水素濃度が100ppb未満、好ましくは10ppb未満、特に好ましくは1ppb未満になる容器であると言うことができる。
生体適用液とは、注射、点滴、輸液などの用途に浸透圧調製された生理食塩水、水分、栄養、電解質補給等を行う注射用液や経口液、薬剤(プロスタグランジン等血管拡張剤や抗がん剤を含む)を溶解させられた注射用液や生理食塩液、液状薬剤、輸血に用いられる輸血製剤(輸血用血液)や自己血液、経腸液を含み、さらに臓器の保存のために調合された臓器保存液、がん免疫療法やワクチン療法等で用いられるリンパ球やワクチンを含んだ生体適用液、腹膜透析液、透析液、心筋保護薬などを含む、生体機能の維持向上や疾病・疾患の予防または治療等を意図して経口的または非経口的に生体に適用される液体全般を示す概念である。また、本明細書においては、生体適用液という語で生体の生体液または生体水そのものを指す場合もある。なお、生体適用液を注射する場合は、輸液バッグのような水素を透過する容器を用いて、該生体適用液に本発明の非破壊的な水素含有処理を行った後、バッグ口部に注射器を刺し、必要量をシリンジに吸い上げて用いればよい。
水素貯蔵器とは、外部から器内に供給される水素、または貯蔵器自体が備える手段を通じて器内に供給される水素を一定時間保持することのできる容器全般を示す。水素の減衰分を考慮して水素を供給することも可能であるが、供給された水素をより長時間保持するためには、基本的にガス透過性が相対的に低い容器が望まれる。同様に、器内に供給された水素が大気中へ散逸することを防ぐため、開閉式の上蓋などにより必要に応じて器内を閉鎖又は密閉できるよう設計されていることが望ましい。また、水素の生体適用液への透過または浸透効率を高めるために、あるいは生体適用液の溶存水素濃度を選択するために、加圧(圧力調整)装置、冷却(温度調整)装置、水素濃度調整装置(あるいはそのための指示書)、浸漬/曝露時間調整装置(あるいはそのための指示書)が備えられていることが望ましい。なお、水素貯蔵器を加圧する場合は、1.0気圧以上、好ましくは1.2気圧以上、より好ましくは1.5気圧以上、特に好ましくは2.0気圧以上の圧を加えることが望ましい。
こうした水素貯蔵器は、容器サイズによる限定を受けるものではなく、減圧症の治療に一般に用いられる再圧室のように、水素分子が供給される部屋自体をひとつの水素貯蔵器とみなすこともできる。
水素貯蔵器に供給される水素の運搬体として、「水素含有水」など水素分子を含有する液体、または「水素含有ガス」など水素分子を含有する気体、水素吸蔵合金など水素分子を含有する固体などがあるが、これに限るものでもなければ、液晶などその他あり得る中間的な相を除外するものではない。なお、本明細書において、「水素分子を含有する液体」のことを指す発明者等の意図にも係らず、単に「水素含有水」と記載されることがある。しかし、本発明の水素を含有させる液状の運搬体は水だけに限定されるものではないので、「水素含有水」は、文脈に応じて適宜、「水素分子を含有する液体」または「水素含有液」と読み換えられ得るものとする。
ここで、「水素含有水」は、水素ガスを水にバブリングする、加圧下で水素ガスを水に溶解させる、水を電気分解する、化学反応(例えば、マグネシウムや亜鉛等水素よりイオン化傾向の高い金属と水による水素発生反応)により水中に水素を発生させるなどの手段を通じて製造されるが、これに限るものではない。水素含有水における溶存水素濃度は、少なくとも、水素を含有させられる対象となる生体適用液以上であるべきだが、作業の効率性などを考慮し、水温20℃・1気圧下で、0.01mg/L以上、それ以上に好ましくは0.05mg/L以上、それ以上に好ましくは0.1mg/L以上、それ以上に好ましくは1.0mg/L以上、それ以上に好ましくは飽和濃度、それ以上に好ましくは安定的に飽和濃度(ほぼ飽和濃度を少なくとも3時間以上維持)であることが望まれる。なお、こうした水素含有液は、安全面で配慮が要求される後述の水素含有ガスに比べて取扱い易いという利点がある。
また、生体適用液の容器に安定的に高濃度(0.05mg/L以上)の水素を接触させておくために、水素貯蔵器は、器内に供給される水など液体に水素ガスを供給する装置を備えているか、器内に供給される水など液体を連続的に電解処理できる電解水生成装置を備えている(または水素貯蔵器自体がそうした電解水生成装置の一部(陰極室)である)ことが望ましい。図2に示す実施形態でいえば、水素貯蔵器2g内へ、電解槽ハウジング2dの陰極室にて生成された水素含有水を循環させることで実現できる。また図3及び図4に示す実施形態でいえば、電解槽ハウジング3d,4dの陰極室が水素貯蔵器そのものを構成する。
また、水素貯蔵器が、水素貯蔵器内の水素ガス濃度または溶存水素濃度を一定範囲に維持・管理することを目的とした装置を備えていることも望ましいことである。一例としては、溶存水素量測定器およびその計測信号に基づき、水素貯蔵器内の水素ガス濃度または溶存水素濃度が一定値以下になった場合に電解処理を開始(再開)する又は水素ガスを供給(再供給)することを特徴とする装置が考えられる。
また、水素貯蔵器が、生体適用液の浸漬時間を制御することを目的とした装置を備えていることも望ましいことである。一例としては、生体適用液に含有させたい溶存水素の目標値、および/または該生体適用液の容器特徴(材質、厚み、または水素透過性等)に応じて、タイマー時間をセットすることを特徴とする装置が考えられる。
また、水素貯蔵器が、生体適用液をサンプリングすることなく、レーザーや赤外線等を用いて、該生体適用液の溶存水素濃度を非破壊的にモニタリングする装置を備えていることは望ましいことである。
また、水素貯蔵器が、水素貯蔵器内の液温または気温を制御する装置を備えていることは望ましいことである。
また、生体に対する充分な効能効果を期すためにも、水素含有生体適用液の溶存水素(以下、DH)濃度は、気温20℃・1気圧下で、製造時、0.01mg/L以上、それ以上に好ましくは0.05mg/以上、それ以上に好ましくは0.1mg/以上、それ以上に好ましくは0.2mg/L以上、それ以上に好ましくは0.4mg/L以上、それ以上に好ましくは0.6mg/L以上、それ以上に好ましくは0.8mg/L以上、それ以上に好ましくは1.0mg/L以上であることが望ましい。
水素含有生体適用液の適応領域となり得る疾病・疾患には、薬物や有害物質による肝障害、虚血性再灌流障害、動脈硬化などの循環器系疾患、胃潰瘍、胃粘膜障害などの消化器官系疾患、呼吸器系疾患、糖尿病の合併症(例えば高血圧、脳梗塞、心筋梗塞など)、腎疾患、白内障、皮膚疾患、各種炎症性疾患、神経疾患、癌、老化などの、フリーラジカルや過酸化脂質に起因する酸化ストレス性疾患が含まれ、特に虚血性再灌流障害等の急性酸化ストレスが係る疾患には適しているがこれらに限るものではない。
また、がん治療に伴う副作用の多くは活性酸素が関与しているが、水素含有生体適用液(または水素含有抗がん剤)を、がん治療中、またはその前後に患者に投与することにより、副作用を抑えながら治療を遂行することができる。
なお、水素分子の反応性を高めるために、必要に応じて、貴金属コロイド(白金やパラジウムなど)などの触媒を生体適用液に極微量添加してもよい。
本発明は、既存の生体適用液が有する本来の効能に、新たな効能を付加することを目的に、生体適用液を擁する水素透過性のある非開封容器に、容器の外側から水素分子を接触させることを通じて、非破壊的に、生体適用液に水素分子を含有させることを特徴とする。
水素透過膜を介して気中の水素ガスを超純水に含有させる方法は、半導体基盤の表面洗浄などの技術分野で公知であったにもかかわらず、生体適用液を擁する水素透過性のある非開封容器に、容器の外側から水素ガスを接触させることを通じて、生体適用液に水素分子を含有させる方法は今まで考えられたことがなかった。その理由は、容器が水素透過性であるということは、水素が入りやすいこととともに、出やすいことも意味するため、「水素」透過性のある容器に収容された「水素」含有生体適用液は、少なくとも製品の有効期間のあいだ有効成分を安定的に保持しつつ、かつ、使用時には生体(ヒトの他、犬、猫、あるいは競争馬等の動物を含む)に一定量の有効成分を送り届けなければならないという要請を満たすことが出来ないことは自明であったからである。
事実、発明者等の観察では、水素を含有させた生体適用液は、容器の材質や厚み、または大気との接触面積等による変動はあるが、1時間におよそ20%〜30%以上の割合で、有効成分である水素分子を減衰させていく。すなわち、たとえ、水素分子を飽和濃度(20℃、1気圧で1.6ppm)にまで含有させた生体適用液であっても、24時間後には、およそ、その3654分の1〜169分の1である0.0004・・ppm〜0.009・・ppmの水素分子しか残存していない計算である。そして、いかなる医薬品であれ、これほどまでの減衰速度で有効成分を失っていく製剤形態であっては、実用に供することはできないと判断するのは当然である。
本発明は、水素を透過してしまう容器であっても、水素の減衰を事前に見込んで、医療の現場等で使用時に生体適用液に水素分子を含有させるのであれば、有効成分を減衰させながらも投与することは可能となり、ひいては、「水素を透過してしまうため、有効成分である水素分子が抜けてしまうというデメリット」を、「水素を透過してしまうため、理化学的純度と無菌性が保証されている市販の生体適用液を一切侵襲することなく、水素分子を生体適用液に含有させることができるというメリット」に変換することができるという発明者等の着想に基づいているのである。
またそこから敷衍して、発明者等の着想は、医療の現場に限らず、例えば生体適用液の製造工場においても、製品のパッケージングが終了した工程の後工程において、本発明の非破壊的水素含有法を用いれば、既に市販されている全ての生体適用液に対して、それが本来的に有する効能や機能に加えて、水素分子に由来する新たな機能を追加的に付与することができるというところにまで及んでいる。製品出荷後の流通過程における水素分子の減衰は、上述のように、製品を冷凍して出荷するか、あるいは後述のように、生体適用液の容器を水素難透過性の外装袋でカバーする等の工夫を通じて解消できる。
すなわち、本発明によれば、既存の製造工程に手を加えることなく容易に、生体適用液に水素を含有させることができる。言い換えれば、薬局方等の規格に基づき厳格な管理下で製造される内容物(生体適用液)に一切手を加えることなく、容器の外側から、水素という生体に安全なガスを極微量(1リットルあたり、数マイクログラム〜数ミリグラムオーダー)送り込むだけで、内容物本来の効能に新たな効能を付加することができる。
また、水素含有生体適用液を医療の現場等で使用時に調製する場合は、流通過程や保存期間における水素の浪費の心配がない。
さらに、既に水素分子を含有している生体適用液に対して、水素分子を補うことを目的に本発明を用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明する。なお、本願において特に断りがない場合は、各種物性値を計測するのに用いた各種計器類は、pHメーター(温度計含む)が、株式会社堀場製作所製のpHメーター(本体の型式『D−13』、同プローブの型式『9620−10D』)であり、ORPメーターが、株式会社堀場製作所製のORPメーター(本体の型式『D−25』、同プローブの型式『9300−10D』)であり、ECメーターが、株式会社堀場製作所製のECメーター(本体の型式『D−24』、同プローブの型式『9382−10D』)であり、DOメーターが、株式会社堀場製作所製のDOメーター(本体の型式『D−2 5』、同プローブの型式『9520−10D』)であり、DHメーター(溶存水素計) が、東亜ディーケーケー株式会社製のDHメーター(本体型式『DHDI−1』、同電極(プローブ)型式、『HE−5321』、同中継器型式『DHM−F2』)である。
[実施例1]
生体適用液として、500mL容量の輸液バッグに入った市販の生理食塩水(大塚製薬株式会社製、『日本薬局方生理食塩液 大塚生食注』)を使用した。水素貯蔵器として、2L容量のポリプロピレン製の容器を使用した。この容器に、DH濃度1.2mg/Lの水素含有水を満たした後、生理食塩水の入った輸液バッグを浸漬させ容器上蓋を閉め放置した。水素含有水は1時間毎に同DH濃度の新しい水に交換した。5時間経過後に、水素貯蔵器から輸液バッグを取りだし開封するとともに、生理食塩水のDH濃度及び電気伝導度(EC)を測定した。その際、水素含有水のDH濃度も測定した。なお水素含有生体適用液の製造装置の詳細については後述する。
生理食塩水のDH濃度は、0.6mg/L、ECは、1.2S/mであった。
水素含有水のDH濃度は、1.2mg/Lであった。
[実施例2]
生体適用液として、500mL容量の輸液バッグに入った市販の生理食塩水(大塚製薬株式会社製、『日本薬局方生理食塩液 大塚生食注』)を使用した。水素貯蔵器として、2L容量のポリプロピレン製の容器を使用した。容器に、生理食塩水の入った輸液バッグを設置するとともに、ガス供給用の容器開口部よりチューブを通して、水素ガスを100mL/分の流速で通気させた。5時間経過後に、水素貯蔵器から輸液バッグを取りだし開封するとともに、生理食塩水のDH濃度を測定した。
生理食塩水のDH濃度は、0.46mg/Lであった。
[実施例3]
生体適用液として、500mL容量の輸液バッグに入った市販の生理食塩水(大塚製薬株式会社製、『日本薬局方生理食塩液 大塚生食注』)を使用した。水素貯蔵器として、2L容量のポリプロピレン製の容器を使用した。この容器に、DH濃度0.9mg/Lの水素含有水を満たした後、生理食塩水の入った輸液バッグを浸漬させ容器上蓋を閉め放置した。1時間経過後に、水素貯蔵器から輸液バッグを取りだし開封するとともに、生理食塩水のDH濃度を測定した。
生理食塩水のDH濃度は、0.18mg/Lであった。
[実施例4]
生体適用液として、500mL容量の輸液バッグに入った市販の生理食塩水(大塚製薬株式会社製、『日本薬局方生理食塩液 大塚生食注』)を使用した。水素貯蔵器として、電解水生成装置に接続された10L容量のポリプロピレン製の容器を使用した。
なお、この電解水生成装置は、先に出願しすでに公開され、この引用によって本願発明にその記載内容が取り込まれる再公表特許WO99/10286号に開示される電解槽および電解水生成装置である。すなわち、原水が導入される電解室と、前記電解室内と前記電解室外とのそれぞれに隔膜を挟んで設けられた少なくとも一対の電極板と、を有し、前記電解室外(開放系)の電極板が前記隔膜に接触または僅かな隙間を介して設けられており、前記電解室内に設けられた電極板を陰極とする一方で前記電解室外に設けられた電極板を陽極として両極間に電圧を印加する電源回路と、を備えた電解槽および電解水生成装置である。当該電解水生成装置の概要を図2(水素貯蔵器分離型)及び図3又は図4(水素貯蔵器一体型)に示す。
図2に示すように、電解水生成装置2dの入・出水口より伸びるホースを介して接続されたポリプロピレン製容器(水素貯蔵器)2gと電解水生成装置内を、水が間歇的に電解されながら循環することで、容器2g内の水は、安定的に飽和状態のDH濃度(20℃・1気圧下で、1.5〜1.6ppm)に保たれた。
生理食塩水の入った輸液バッグを、上記容器2g内の水素含有水に浸漬し、容器上蓋を閉め放置した。5時間経過後に、容器から輸液バッグを取りだし開封するとともに、生理食塩水のDH濃度、溶存酸素(DO)濃度、酸化還元電位(ORP)、及び電気伝導度(EC)を測定した。
生理食塩水のDH濃度は、0.8mg/L、DO濃度は、4.6mg/L、ORPは、−370mV、ECは、1.6S/mであった。
上述の実施例1〜4では、水素貯蔵器内に1つの生体適用液が設置または浸漬させられたが、医療現場での実際的な使用を想定すると、1つの水素貯蔵器に複数の生体適用液をまとめて設置または浸漬できることが望まれる。しかしながら、個々の生体適用液に対して充分な量の水素を供給するためにも、一つの水素貯蔵器内にあまり多くの生体適用液が詰め込まれている状態は望ましくない。水素貯蔵器の容量は、実用性や処理効率などを考慮し、そこに設置または浸漬される生体適用液容量合計の1倍以上、好ましくは2倍以上、さらに好ましくは4倍以上であることが望ましい。
[実施例5]
生体適用液として、500mL容量の輸液バッグに入った市販の生理食塩水(大塚製薬株式会社製、『日本薬局方生理食塩液 大塚生食注』)を1つ、100mL容量の輸液バッグに入った市販の生理食塩水(マイラン製薬株式会社製、『日本薬局方生理食塩液 生食MP』)を2つ、の計3つを使用した。100mL生理食塩水のうち1つは、注射器を用いてバッグ口部よりヘッドスペースのエア抜き処理を行った。
水素貯蔵器として、実施例4と同じ電解水生成装置に接続された10L容量のポリプロピレン製の容器(図2参照)を使用した。上述したように、容器内の水素含有水は、1.5〜1.6ppmのDH濃度に保たれた。水素含有水に3つの生理食塩水を浸漬し、容器上蓋を閉め放置した。5.5時間経過後に、容器から各生理食塩水を取りだし開封するとともに、それぞれのDH濃度を測定した。
生理食塩水(500mL)のDH濃度は、0.787mg/Lであった。
生理食塩水(100mL)のDH濃度は、0.34mg/Lであった。
生理食塩水(100mL、エア抜き)のDH濃度は、0.810mg/Lであった。
本実施例には、生体適用液への水素含有処理に先立って、輸液バッグのヘッドスペースからエア抜きを行った例が含まれているが、こうした処理を行わない場合に比べて、多くの水素を含有させている。
すなわち、生体適用液の容器ヘッドスペースにおける空気や、生体適用液中に含まれる溶存ガス(溶存酸素)は、当該生体適用液への一定量以上の水素分子の含有を阻む要因であると考えられる。生体適用液へより多くの水素分子を含有させたい場合は、生体適用液の容器から余剰空気を抜くことにより、生体適用液中の溶存ガス(溶存酸素)を除去することが望ましい。
本発明において、水素貯蔵器内の水素分子が気体として供給されるのであれ、液体として供給されるのであれ、生体適用液を水素分子へ接触させるに先立って、上記の手段や減圧などの手段を通じて、生体適用液の容器内のエアや溶存ガスを除去しておくことは望ましいことである。しかしそのなかでも、減圧などの手段を通じて、容器の外側から非破壊的に脱気することが最も望ましいことである。
本発明の生体適用液への非破壊的水素含有処理は、生体適用液製造工場等の製造工程(主としてパッケージング後の工程)で実施されるほか、医療現場で、患者ごとの投与スケジュールに合わせて実施されることが想定される。その場合は、一度含有させた水素が容器を透過して再び抜け出ていくことを防止するため、投与開始予定時刻の直前に生体適用液への水素含有処理が終了するよう、看護担当部署の担当者などが先だって水素含有処理を開始しておくことが望ましい。この場合、看護担当者が、水素含有処理の諸条件(生体適用液の浸漬/曝露時間や、水素貯蔵器内のDH濃度/水素ガス混合濃度など)の調整を通じて、患者ごとに生体適用液へ含有させるDH濃度を選択・決定できることは大きなメリットである。
ところで、生体適用液のDH濃度は、約0.01ppm、より好ましくは0.05ppm以上に達せられていることが望ましい。生体適用液のDH濃度が、約0.01ppmに達していれば、たとえば点滴時に、点滴開始までの準備時間や生体適用液が点滴チューブを通過する過程で減衰する水素分子の量を差し引いても、なお有効量である水素分子が血管到達時に確保されていると考えられるからである。
発明者等は、プラスチック容器入り生体適用液を、ほぼ飽和濃度のDH濃度の水素含有水へ浸漬してからおよそ3時間のあいだに、生体適用液は急速に水素を溶存させつつ、当該水素含有水DH濃度のおよそ10〜40%のDH濃度に達する一方、その後は水素の溶存速度が比較的遅くなり、当該水素含有水のDH濃度に漸近していくことを確認した。
また、10時間を経過し、当該生体適用液のDH濃度が、当該水素含有水のDH濃度のおよそ60%〜90%に達した頃からは、水素の溶存速度は一層遅くなり、24時間を経過した後であっても当該水素含有水のDH濃度はほとんど変わらないことを確認した。
したがって、その意味では、本発明における水素含有水DH濃度は、50.0ppb(0.05ppm/1)以上であることが好ましく、より好ましくは55.5ppb(0.05ppm/0.9)以上、それ以上に好ましくは62.5ppb(0.05ppm/0.8)以上、それ以上に好ましくは71.4ppb(0.05ppm/0.7)以上、それ以上に好ましくは83.3ppb(0.05ppm/0.6)以上であると言える。
ところで、治療のあいだ各患者に宛がわれるところの点滴(輸液)装置等に、水素含有生体適用液製造装置を周辺機器的に接続することもできる。この場合、患者は病院内を点滴(輸液)装置とともに移動することが想定されるため、装置に追加される機器類はできるだけ小さなものが好ましく、水素貯蔵器の容量も基本的には100または500mL容量の点滴(輸液)液1つを収容できる容量プラスアルファがあればよい。具体的には、前述の電解水生成装置や再公表特許WO99/10286号を参考に、そこに記載される電解槽を水素貯蔵器として利用することができる。上述の実施例4では、電解水生成装置の他にポリプロピレン製容器を使用し、生体適用液は、電解槽に接続された容器に浸漬させられたが、本例では電解水生成装置の電解槽そのものが水素(水素含有水)供給機能を備えた水素貯蔵器として使用されるため、生体適用液は電解槽そのものに浸漬させられることになる(図3及び図4参照)。
点滴ライン以降の装置構成については基本的に特に変更する必要はないが、生体適用液が点滴ラインを通過する過程での水素分子の減衰を防ぐため、点滴ライン自体を、水素分子を含有する液体に浸漬させるか、水素分子を含有する気体に曝露させても良い。また、点滴装置に限らず、後述の透析装置を含むある種の(医療)機器を介して水素含有生体適用液を投与する場合であって、該水素含有生体適用液が生体に到達する過程で、水素分子が減衰することが想定される場合は、その過程において、該水素含有生体適用液が通過するライン等(水素分子を透過させることのできる場所)に、上記の方法などを用いて水素分子を接触させることを通じて、水素分子の減衰分を補完することは望ましいことである。
本例の場合、電解槽を介して生体適用液に水素を供給しながら点滴することも可能であるため、生体適用液への水素含有処理から実際に投与を開始するまでのタイムラグにおける容器から大気中への水素の散逸や点滴ラインでの水素の減衰を気にかける必要が少ない。
また、本発明は、以下のような構成をとることができる。すなわち、プラスチックバッグなど水素透過性が中程度または高い容器(以下、内容器)に入れられた生体適用液を内容器ごと、内容器よりも水素透過性の低いポータブルな水素貯蔵器(以下、外容器)に収容するとともに、外容器を、水素含有水など水素分子を含有する液体または気体で満たす。水素は、内容器の表面を透過し生体適用液に含有される一方、外容器に阻まれ、流通過程や保存期間においても、外界に散逸することが少ない。使用時には、外容器から生体適用液の入った内容器を取り出して使用するか、外容器と内容器をともに開封し、内容器を取り出さずにそのまま使用してもよい。通常、輸液バッグなどのプラスチック容器は、軽量で破損の可能性が少なく運搬や保管に都合が良い反面、薬液の変質や酸化劣化を防止するガスバリア性(酸素バリア性)は備えていないため、酸素による変質を受け易い薬液を使用する場合は、ガスバリア性を高められた外装袋で二次包装されるが、こうした既存の「バッグ―包装体」の組み合わせを適宜利用してもよい。
また、本発明は、以下のような構成をとることができる。すなわち、上述の実施例4や点滴(輸液)装置の例に記載された、電解水生成装置に接続された水素貯蔵器や、電解槽として電解水生成装置の一部に組み込まれている水素貯蔵器、または上述の水素ガスを連続的に供給することのできる水素貯蔵器のように、外部から器内に供給される水素含有液、または貯蔵器自体が備える手段を通じて器内に供給される水素含有液のDH濃度を安定的に保持することのできる水素貯蔵器を有する第1の系が、水素を透過させることを特徴とする水素透過膜、好ましくはイオンも通さずにガスだけを通すガス透過膜、より好ましくは水素ガスだけを通す水素透過膜を介して、点滴液、透析液、輸血用血液など生体適用液を貯蔵するタンク、または生体適用液を流通させるパイプラインを有する第2の系に接続されて成る水素透過膜一体型水素含有生体適用液製造装置である。ここで第2の系は、系の外部と内部を分かつ境界の一部として水素透過膜を含みつつ閉鎖していることを特徴とする。水素透過膜は、以下で詳述される図5のように実際に境界の一部となっていることもあれば、図6のように閉鎖的なラインを介して第2の系と接続することで閉鎖的な系を形成していることもあるが、本願明細書では、ともに、水素透過膜を含みつつ閉鎖していると表現される。なお、ここで閉鎖しているとは、系外の物理的/化学的条件が系内に与える影響を限定的なものに止めるべく然るべき管理がなされていることを意味する。たとえば、生体適用液への菌・微生物のコンタミネーションを防ぐことを目的に非開封にされた容器や、老廃物の除去等を目的にダイアライザーへ導出された血液が、目的を果たした後に生体へ還流する回帰的なライン等は閉鎖しているとみなされる。本装置を用いれば、第1の系で製造された水素が、水素透過膜を介して第2の系の生体適用液に移行するが、水素を製造することを目的とする第1の系と、水素を生体適用液へ含有させることを目的とする第2の系が分離可能なシステムであるため、より厳格な衛生管理が要求される第2の系のみをクリーンルームに設置するなど柔軟な対応が取り易い。またここで、再公表特許WO99/10286号に記載される陽極隔膜接触型一槽式電解装置の陰極室側に水素透過膜を設けることで第1の系とし、該水素透過膜を介して、第1の系の陰極水中の水素ガスが第2の系の生体適用液へ移行することを特徴とするガス交換膜一体型電解槽を構成することもできる(図5参照)。
また、第1の系に供給される水素分子の運搬体は、気体や液体などあらゆる相であり得る。またその製造方法も、水素ガスを適宜濃度でその他のガスに混合する、水素ガスを水にバブリングする、加圧下で水素ガスを水に溶解させる、水を電気分解する、化学反応(例えば、マグネシウムや亜鉛等水素よりイオン化傾向の高い金属と水による水素発生反応)により水中に水素を発生させるなどの方法を含むが、これに限るものではない。
またここで、第2の系において、生体適用液を流通させるパイプラインが生体に接続されており、生体より導出する(または導入されようとする)生体適用液(自己血液や自己体液などの生体液や生体水を含む)が、ラインを流通する過程で、必要に応じて老廃物など溶質の除去処理などを施されつつ、水素透過膜を介して、第1の系の水素を含有させるとともに、水素含有生体適用液として生体へ還流する(または導入される)ことを特徴とする、透析装置様の水素含有生体適用液の投与装置を構成することもできる。
また、特に透析に本発明を用いることを考慮するならば、以下のような構成をとることができる。すなわち、多くの場合、透析施設では、患者の透析装置に供給される透析液は一元的に管理されている。すなわち、透析液は、水道水から精製水(RO水)を調製することを目的とする「水処理装置」、及び得られた精製水で透析液原液を薄めることを目的とする「透析液供給装置」を備えた施設内の専用設備において集約的に製造されている。したがって、水素含有透析液を製造することを検討する場合、こうした水処理装置または透析液供給装置において、一括して水素含有処理を行うことが最も効率的である。
しかし一方で、この場合、水素の投与を必要としない患者の透析液に対しても、無差別に、水素含有透析液が供給されてしまうという問題や、透析液供給装置から個々の患者の透析装置へ水素含有透析液が供給される過程において、水素が抜けてしまうという問題も想定されることを考慮すると、供給ラインを通じて透析液が透析装置に導入される手前、または透析装置の透析器(ダイアライザー)を通過する手前に、透析液に水素を含有させる装置を設けても良い。こうした装置として、例えば、上述の水素透過膜を用いた水素含有生体適用液製造装置を利用することができる。すなわち、第1の系を流れる安定的なDH濃度を有する水素含有液から、水素が、水素透過膜を介して第2の系を流れる透析液(供給ラインから透析装置へ供給されてくる透析液)に移行することを特徴とする装置を、水素含有透析液製造装置として利用することができる。また単に、上述の非破壊的な方法により水素含有させて得られた水素含有透析液を、透析装置手前の供給ラインまたはダイアライザーに流し込んでも良い。その後、水素含有透析液は、ダイアライザー内の中空糸膜など半透膜の周囲を流れつつ、膜を介して、浸透圧と拡散の原理に基づき、膜内を流れる患者血液と含有成分の濃度を均しくする過程において、一定量の水素を血液中へ移行させる。また、血液透析ではなく腹膜透析を行う場合は、製品パッケージに入れられた市販の腹膜透析液を、水素貯蔵器において、水素分子を含有する気体または液体に曝露または浸漬させるという方法をとることもできる。
また、水素含有透析液が通過するダイアライザー内の中空糸膜など半透膜の一部又は全てを、白金やパラジウムなど水素触媒でコーティング等処理しておくことで、透析液中の水素分子が膜を介して患者血液へ移行する過程において、該水素触媒上で、水素分子の抗酸化力を血液中の酸化ストレスに対して直ちに発揮することができる。
また、本発明は、以下のような構成をとることができる。すなわち、上述の水素透過膜一体型水素含有生体適用液製造装置の応用例として、第1の系で製造された水素含有液に由来する水素を、水素透過能を有する水素透過膜を介して、第2の系の生体適用液へ移行させるに際し、当該水素透過膜をダイレクトに生体に接触させることを特徴とする水素含有生体適用液製造装置である。この場合、生体適用液とは、水素透過膜との接触を通じて、皮膚または粘膜を経て水素を含有させられるところの生体の生体液または生体水そのものを示す。具体的には、第1の系に接続されている水素透過膜を素材とするベルトなど皮膚(粘膜)接触体を、生体の適宜な部位に接触させることを通じて、皮膚接触体に移行した第1の系に由来する水素(必要に応じて、皮膚接触体内の液や水素吸蔵物質など適宜な運搬体に含有させられた水素)が、皮膚または粘膜を介して、生体液または生体水に含有させられることを特徴とする、水素含有生体液生成装置を構成することができる。
以下、上述の輸血製剤(輸血用血液)を含む血液製剤等、ヒト等生物由来の原材料から製造される生体適用液に本発明を用いる場合のメリットについて記載する。血液製剤は、通常、血液全てを有する全血製剤、赤血球、血漿、血小板等血液中の成分を遠心分離等によって物理的に分離した血液成分製剤、及び血漿中の成分、特にタンパク質を物理化学的に分離し精製した血漿分画製剤に分けられる。また、こうした血液製剤には、多くの場合、血液保存液 (CPD液)や赤血球保存用添加液(MAP液)等の保存液が含まれている。
血液製剤に水素分子を含有させようとする場合、保存液に水素分子を含有させた後、全血、血液成分、又は血漿分画等と混合し製剤化する方法のほか、保存液を含む血液製剤に水素分子を含有させる方法がある。そして、保存液とともに、全血、血液成分、又は血漿分画に対しても水素分子を含有させることは望ましいことである。しかしながら、全血、血液成分、又は血漿分画、又はそれらを含有する血液製剤等の、生物由来の原材料、又は生物由来の原材料から製造される生体適用液に対して水素分子を直接的に含有させる場合、生理食塩液等に水素分子を含有させる場合以上のコンタミネーション防止への配慮が必要とされる。その意味で、製品パッケージの外側から水素分子を外挿する本発明の水素含有生体適用液の製造方法は、血液製剤等、生物由来の原材料から製造される生体適用液に対して特に好適に用いられると言える。さらに言えば、本発明のメリットを甘受し易いという意味で、製剤中に占める生物由来の原材料の割合が、10vol%以上、好ましくは50vol%以上、特に好ましくは80vol%以上、または5wt%以上、好ましくは45wt%以上、特に好ましくは75wt%以上の生体適用液に対して本発明の水素含有生体適用液の製造方法は、特に好適に用いられると言える。
また、こうした水素含有血液製剤は、生体へ輸血された際には酸化ストレス抑制を含む水素分子による薬効を目的に製造される他、水素分子の物理的・化学的な効果による血液製剤の有効期限延長、活性の強化、輸血に伴なう副作用の抑制等を目的に製造されても良い。また、一旦水素分子を飽和濃度にまで含有させられた水素含有生体適用液を、引き続き容器の外側から水素に接触させておくことは、水素の容器からの抜けを防止し、安定的に高い溶存水素濃度を維持できるという観点から望ましいことである。
以下、追加の実施例を記載する。
[実施例6]
生体適用液として、500mL容量の輸液バッグに入った市販の生理食塩水(大塚製薬株式会社製、『日本薬局方生理食塩液 大塚生食注』)を使用した。水素貯蔵器として、1.5L容量の浄水フィルター用ハウジングを使用した。水素貯蔵器に、生理食塩水の入った輸液バッグを設置するとともに、ガス供給用の容器開口部よりチューブを通して、100%水素ガスを100mL/分の流速で通気した。5時間経過後に、水素貯蔵器から輸液バッグを取りだし開封するとともに、生理食塩水のDH濃度を測定した。
生理食塩水のDH濃度は、0.85mg/Lであった。
[実施例7]
生体適用液として、500mL容量の輸液バッグに入った市販の生理食塩水(大塚製薬株式会社製、『日本薬局方生理食塩液 大塚生食注』)を使用した。水素貯蔵器として、1.5L容量の浄水フィルター用ハウジングを使用した。水素貯蔵器に、生理食塩水の入った輸液バッグを設置するとともに、ガス供給用の容器開口部よりチューブを通して、100%水素ガスを100mL/分の流速で通気した。15時間経過後に、水素貯蔵器から輸液バッグを取りだし開封するとともに、生理食塩水のDH濃度を測定した。
生理食塩水のDH濃度は、1.18mg/Lであった。
[実施例8]
生体適用液として、500mL容量の輸液バッグに入った市販の生理食塩水(大塚製薬株式会社製、『日本薬局方生理食塩液 大塚生食注』)を使用した。水素貯蔵器として、1.5L容量の浄水フィルター用ハウジングを使用した。水素貯蔵器に、生理食塩水の入った輸液バッグを設置するとともに、ガス供給用の容器開口部よりチューブを通して、50%水素ガスを100mL/分の流速で通気した。15時間経過後に、水素貯蔵器から輸液バッグを取りだし開封するとともに、生理食塩水のDH濃度を測定した。
生理食塩水のDH濃度は、0.59mg/Lであった。
[追加実施例の考察]
常温・常圧下で、100%水素ガス濃度の水素貯蔵器に維持された、500mL容量のプラスチック容器入りの生体適用液は、時間の経過とともに、水素分子を溶存させて行った。例えば、測定開始直後に0ppmであった生体適用液のDH濃度は、5時間経過後には0.85ppm程度(実施例6)となり、15時間経過後には1.18ppm程度となった(実施例7)。一方、水素貯蔵器中の水素ガス濃度が50%(100%の2分の1)である場合は、同じ15時間経過後であっても、生体適用液のDH濃度は、実施例7の半分である0.59ppmであった。
このように、生体適用液中への水素分子の溶存量は雰囲気ガス中の水素ガス分圧に比例するため、20℃、1気圧における最終的な平衡状態においては、雰囲気ガスが水素100%(分圧760mmHG)ならば、生体適用液のDH濃度は1.6ppm(飽和水素濃度)で平衡となり、雰囲気ガスが水素3.125%(分圧23.75mmHG)ならば、生体適用液のDH濃度は0.05ppm(飽和水素濃度)で平衡となる。一方、容器を介して、雰囲気水素ガスが生体適用液中へ移行し平衡状態に達するまでには長時間を要するため、生体適用液を所定のDH濃度に導くためには、水素ガスは該DH濃度と平衡状態を保つ濃度(分圧)以上の濃度(分圧)であることが望ましい。すなわち、生体適用液のDH濃度を0.05ppmにするためには、雰囲気ガスは水素3.125%(分圧23.75mmHG)以上であることが望ましい。また、より高いDH濃度の生体適用液を得るために、雰囲気ガスは水素0.625%(分圧4.75mmHG)以上、それ以上に好ましくは3.125%(分圧23.75mmHG)以上、それ以上に好ましくは6.25%(分圧47.5mmHG)以上、それ以上に好ましくは25%(分圧190mmHG)以上、それ以上に好ましくは50%(分圧380mmHG)以上、それ以上に好ましくは75%(分圧570mmHG)以上、それ以上に好ましくは100%(分圧760mmHG)であることが望まれる。
また、水素貯蔵器が密閉容器である場合、生体適用液中への水素ガスの溶存とともに生体適用液容器から押し出された水素以外の溶存ガスが、密閉容器内の雰囲気ガスと置換されるため、雰囲気ガスを水素100%に保って置くことができない。したがって、雰囲気ガス中の水素を高濃度に保って置くためには、雰囲気ガスの一部を、爆発の危険性の少ない範囲で水素貯蔵器から排気しつつ、常に新たな水素ガスを供給し続けるような構造を有する水素貯蔵器を用いることが望まれる。
また、水素貯蔵器への水素ガスの供給方法としては、大きく分けて、水素ガスボンベを用いる方法、電気分解により生成される水素ガスを用いる方法、化学反応により発生する水素ガスを用いる方法等があるが、ここでは例として、電気分解により生成される水素ガスを用いる方法に係わる実施形態を記載する。
図6に示すように、再公表特許WO99/10286号に記載される陽極隔膜接触型一槽式電解装置6dにより生成される水素含有水を、水素透過膜6hを有する気液分離装置6jに通過させるとともに、分離した水素ガスを、任意の生体適用液バッグ6iを有する水素貯蔵器6nに供給することにより水素含有生体適用液を製造することができる。また別の例としては、図7に示すように、陽極隔膜接触型一槽式電解装置7dにより生成される水素含有水を別容器である水素貯蔵器7nに供給するとともに、水上置換の方法に従って適宜容器(水素透過性が高くない容器が好ましい)に水素ガスを回収することにより、該容器に設置された任意の生体適用液は水素分子を含有することができる。すなわち、陽極隔膜接触型一槽式電解装置と水上置換法を組み合わせることにより、気液分離膜装置や圧力・調整装置を必要とすることなく、比較的簡便に水素含有生体適用液を製造することができる。
以下、追加の実施例を記載する。
[実施例9]
生体適用液として、500mL容量のポリエチレンテレフタラート製容器に満水充填した生理食塩液を使用した。水素貯蔵器として、実施例4と同じ電解水生成装置に接続された10L容量のポリプロピレン製の容器(図2参照)を使用した。上述したように、容器内の水素含有水は、安定的にほぼ飽和濃度(20℃・1気圧で1.6ppm)に保たれた。水素含有水に生理食塩液を浸漬し、容器上蓋を閉め放置した。5時間経過後に、容器から生理食塩液を取りだし開封するとともに、そのDH濃度を測定した。
生理食塩液のDH濃度は、0.152mg/Lであった。
[実施例10]
生体適用液として、上記実施例9よりもやや肉厚の、500mL容量のポリエチレンテレフタラート製容器に満水充填した生理食塩液を使用した。水素貯蔵器として、実施例4と同じ電解水生成装置に接続された10L容量のポリプロピレン製の容器(図2参照)を使用した。上述したように、容器内の水素含有水は、安定的にほぼ飽和濃度(20℃・1気圧で1.6ppm)に保たれた。水素含有水に生理食塩液を浸漬し、容器上蓋を閉め放置した。5時間経過後に、容器から生理食塩液を取りだし開封するとともに、そのDH濃度を測定した。
生理食塩液のDH濃度は、0.115mg/Lであった。
[実施例11]
生体適用液として、500mL容量のアルミラミネート容器に満水充填した生理食塩液を使用した。水素貯蔵器として、実施例4と同じ電解水生成装置に接続された10L容量のポリプロピレン製の容器(図2参照)を使用した。上述したように、容器内の水素含有水は、安定的にほぼ飽和濃度(20℃・1気圧で1.6ppm)に保たれた。水素含有水に生理食塩液を浸漬し、容器上蓋を閉め放置した。5時間経過後に、容器から生理食塩液を取りだし開封するとともに、そのDH濃度を測定した。
生理食塩液のDH濃度は、0.006mg/Lであった。
[実施例12]
生体適用液として、500mL容量のアルミラミネート容器に満水充填した生理食塩液を使用した。水素貯蔵器として、実施例4と同じ電解水生成装置に接続された10L容量のポリプロピレン製の容器(図2参照)を使用した。上述したように、容器内の水素含有水は、安定的にほぼ飽和濃度(20℃・1気圧で1.6ppm)に保たれた。水素含有水に生理食塩液を浸漬し、容器上蓋を閉め放置した。20時間経過後に、容器から生理食塩液を取りだし開封するとともに、そのDH濃度を測定した。
生理食塩液のDH濃度は、0.016mg/Lであった。
[実施例13]
生体適用液として、血液保存液C液(成分(w/v%):クエン酸ナトリウム水和物 2.63、クエン酸水和物 0.327、ブドウ糖 2.32、リン酸二水素ナトリウム 0.251)28mlを含む200mL容量のポリ塩化ビニル容器「テルモ血液バッグCPD」(テルモ株式会社製)に採血した犬の静脈血液を使用した。水素貯蔵器として、実施例4と同じ電解水生成装置に接続された10L容量のポリプロピレン製の容器(図2参照)を使用した。上述したように、容器内の水素含有水は、安定的にほぼ飽和濃度(20℃・1気圧で1.6ppm)に保たれた。水素含有水に血液バッグを浸漬し、容器上蓋を閉め放置した。5時間経過後に、容器から血液バッグを取りだし開封するとともに、そのDH濃度を、Unisense社製溶存水素測定装置(含・H2-N (Hydrogen Needle Sensor)、PA2000(2-Channel Picoammeter)、ADC-216(2-Channel A/D Converter))を用いて測定した。
血液のDH濃度は、0.85mg/Lであった。
[実施例14]
生体適用液として、上述の血液保存液C液28mlを含む200mL容量のポリ塩化ビニル容器「テルモ血液バッグCPD」(テルモ株式会社製)に採血した犬の静脈血液を使用した。水素貯蔵器として、1.5L容量の浄水フィルター用ハウジングを使用した。水素貯蔵器に、血液バッグを設置するとともに、ガス供給用の容器開口部よりチューブを通して、0.01MPaの圧力下で、100%水素ガスを100mL/分の流速で通気した。5時間経過後に、水素貯蔵器から血液バッグを取りだし開封するとともに、血液のDH濃度を、Unisense社製溶存水素測定装置(含・H2-N (Hydrogen Needle Sensor)、PA2000(2-Channel Picoammeter)、ADC-216(2-Channel A/D Converter))を用いて測定した。
血液のDH濃度は、0.87mg/Lであった。
以下、水素含有血液製剤のフリーラジカル消去反応を、フリーラジカル試薬であるdiphenylpicrylhydrazyl(DPPH)を用いて簡易的に測定した。
[実施例15]
ポリ塩化ビニル容器に入れられた上記の血液保存液C液に、実施例4に記載の装置を用いて水素分子を容器の外側から含有させ、DH濃度1.0ppmの水素含有血液保存液C液を得た。次に、この水素含有血液保存液C液で犬の静脈血液を1000倍に希釈することで得られた、水素含有血液製剤モデル溶液20ccに、触媒として5μgの白金コロイド(0.0005重量%の白金コロイド溶液を0.1g使用)を添加した後、0.625重量%のDPPHエタノール溶液(DPPH0.25g/エタノール40g)を約0.02gずつ滴下していき、その呈色変化を調べた。
水素含有血液製剤モデル溶液は、紫色を呈したDPPH7滴を琥珀色に変化させた。すなわち、875μg相当のDPPHを消去した。
1000倍に希釈された水素含有血液製剤モデル溶液では、血液に由来する赤色とDPPHに由来する琥珀色が混じり合ってしまい、8滴目以降の呈色反応については確認できなかったが、溶液をさらに希釈することで8滴目以降の呈色反応も確認できると考えられた。
[比較例1]
上記の血液保存液C液で犬の静脈血液を1000倍に希釈することで得られた、血液製剤モデル溶液20ccに、触媒として5μgの白金コロイド(0.0005重量%の白金コロイド溶液を0.1g使用)を添加した後、0.625重量%のDPPHエタノール溶液(DPPH0.25g/エタノール40g)を約0.02gずつ滴下していき、その呈色変化を調べた。
血液製剤モデル溶液は、紫色を呈したDPPHを琥珀色に全く変化させなかった。すなわち、DPPHを全く消去しなかった。
以下、水素透過性を有する内容器と、内容器よりも水素透過性の低いポータブルな水素貯蔵器の組み合わせからなる、水素含有血液製剤の実施形態を記載する。
[実施例16]
上述の血液保存液C液28mlを含む200mL容量のポリ塩化ビニル容器「テルモ血液バッグCPD」(テルモ株式会社製)に採血した犬の静脈血液を、その容器ごと、550mL容量のアルミパウチ容器に収容した後、ポリ塩化ビニル容器とアルミパウチ容器の間の空間を1.5ppmの溶存水素水で満たすとともに、アルミパウチ容器の開口部をヒートシールし24時間放置した。その後、アルミパウチ容器とポリ塩化ビニル容器を開封し、ポリ塩化ビニル容器中の血液製剤の溶存水素濃度を測定した。
測定には、Unisense社製溶存水素測定装置(含・H2-N (Hydrogen Needle Sensor)、PA2000(2-Channel Picoammeter)、ADC-216(2-Channel A/D Converter))を用いた。
血液製剤の溶存水素濃度は、600ppbであった。
[比較例2]
実施例13で製造した、製造時0.85mg/LのDH濃度であった水素含有血液製剤と同一ロットの水素含有血液製剤を、開封せずにそのまま24時間放置した。その後、ポリ塩化ビニル容器を開封し、ポリ塩化ビニル容器中の血液製剤の溶存水素濃度を測定した。
測定には、Unisense社製溶存水素測定装置(含・H2-N (Hydrogen Needle Sensor)、PA2000(2-Channel Picoammeter)、ADC-216(2-Channel A/D Converter))を用いた。
血液製剤の溶存水素濃度は、0ppbまたは検出限界以下であった。

Claims (2)

  1. 水素分子透過性を有する容器に封入された経口生体適用液に、水素分子を実質的に含有させて水素含有経口生体適用液を製造する方法であって、
    前記経口生体適用液が封入された前記容器に、当該容器の外側から水素分子を接触させる水素接触工程を有し、かつ、
    前記水素分子透過性を有する容器を通じて、前記水素接触工程後に経口生体適用液に前記実質的に含有される溶存水素濃度は、気温20℃・1気圧下のとき、0.01mg/L以上であることを特徴とする水素含有経口生体適用液の製造方法。
  2. 水素分子透過性を有する容器に封入された経口生体適用液に、水素分子を実質的に含有させて水素含有経口生体適用液を製造する装置であって、
    前記経口生体適用液が封入された前記容器を収容して、該容器の外側から該容器に水素分子を接触させる水素貯蔵器と、
    前記水素貯蔵器に水素分子を供給する水素分子供給手段と、を備え、かつ、
    前記水素分子透過性を有する容器を通じて、前記経口生体適用液に前記実質的に含有される溶存水素濃度は、気温20℃・1気圧下のとき、0.01mg/L以上であることを特徴とする水素含有経口生体適用液の製造装置。
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