JP5263646B2 - ゴム製品の製造方法 - Google Patents

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本発明はゴム製品の製造方法およびゴム製品に関し、特に、架橋時間と短縮すると共に、ゴム製品の内部と表面の架橋密度を均一化しうるゴム製品、例えばゴルフボールまたはタイヤの製造方法に関する。
一般にゴム製品は、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどのゴム成分にカーボンブラックなどの補強剤、軟化剤、老化防止剤を混練し、さらに加硫反応をさせるための加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤などをバンバリーで添加、混合してゴム組成物となし、それを熱プレスなどで圧力を加えて加熱して架橋(以下、「加硫」ともいう。)を行なう。
かかる加熱方法ではゴム組成物の表面から内部に熱が伝達されるため、熱の伝達速度によって表面と内部で供給される熱量に差が生じ厚い寸法のゴム製品の場合、その表面と内部では均一な架橋密度が得られず硬度が不均一になる問題がある。
さらに、ゴム製品、例えばタイヤの製造工程においては、加硫工程のサイクルタイムがその前後の工程に比べて長く、ゴム製品の生産性の向上には加硫工程のサイクルタイムを短くする、すなわち加硫時間を短縮することが重要である。従来、この加硫時間を短縮するために種々の検討が行なわれた。たとえば、ゴム組成物の配合処方においては、加硫促進剤に加硫速度の速いものを選択すること、あるいはチウラム系の加硫促進剤を併用することなどにより、加硫時間を短くすることが試みられている。
一方、加工方法の面からは、ゴム組成物をできるだけ高温でモールド内に注入するインジェクションによる加硫を採用することで、初期加熱時間を短くすることが行なわれている。たとえば、射出成形法であるインジェクション加硫成形方法を適用した加硫工程においても、加硫時間短縮検討が進められており、そのためにゴム組成物を金型に注入する前に、射出成形機のプランジャーまたはスクリュー内での予熱温度を高くしたり、射出圧を上げて射出発熱を高くすること等が検討されている。
しかしながら、上記のように加硫促進剤の選択によりゴム組成物の加硫速度を速くして加硫時間短縮を行なった場合、同時に加硫温度以下の比較的低温領域でも加硫反応が進行して、スコーチしやすい不安定なゴム組成物になり、加工性および作業性が悪化するという問題があった。すなわち、混練り時に、上述の加硫反応が始まりゴム組成物の高粘度化により正常にゴム組成物を混練することができなくなる問題や、混練した練りゴム組成物を放置した場合、短時間でスコーチしてしまい、ゴム製品の次の加硫工程ではゴム製品の生産をすることができない問題や、加硫前のカレンダー等のシート圧延工程等の前処理時、このゴム組成物の加硫が始まり、正常なゴム組成物のシートを得ることが困難であるなどの問題があった。
特許文献1(特許第3310558号公報)には、誘導加熱により発熱する誘電粉をゴム基材に混合した誘導加熱性ゴム材を用いたゴム構成部分を有する生カバーを形成し、かつ誘導加熱により前記ゴム構成部分を予熱したのち、生カバーの全体を加熱し加硫するとともに、前記ゴム構成部分は、生カバーの内部に位置する空気入りタイヤの製造方法が開示されている。
特許文献2(特開2001−261894号公報)には、ゴム組成物を加工、加硫する際に、ゴム組成物に付与される温度に応じて内包物が拡散し加硫を促進し加硫速度を短縮することを目的として、特定の化学構造を有するアミン化合物を吸着または含浸させた無機多孔質粒子を芯材とし、該芯材を融点が140℃以上の樹脂に金属磁性粉末を混合した樹脂組成物で、コーティングしてなる粒状物を含有するゴム組成物が開示されている。
特許文献3(特開2001−279025号公報)には、加硫速度を制御することのできるゴム製品の製造方法に関し、加硫剤もしくは加硫促進剤のうち少なくともいずれか一方を含有する加硫成分を芯材とし、金属磁性粉末を含有する樹脂組成物で前記芯材をコーティングして粒状物を得る粒状物形成工程と、前記粒状物とゴム成分とを含有させてゴム組成物を得るゴム組成物形成工程と、前記ゴム組成物を電磁誘導加熱することで前記粒状物の表面の樹脂組成物を融解させ、前記加硫成分を前記ゴム成分中に拡散させる電磁誘導加熱工程と、電磁誘導加熱されたゴム組成物を加硫する加硫工程とを有する技術が開示されている。
これらの電磁誘導加熱は、従来、カーボンブラックを含む硫黄加硫系のゴム配合に採用されていた。
特許第3310558号公報 特開2001−261894号公報 特開2001−279025号公報
本発明は、肉厚のゴム組成物、またはその積層体よりなるゴム製品の製造方法において、その表面と内部の温度の差を少なくし、架橋密度の不均一化さらに硬度の不均一化を軽減し、さらに架橋(加硫)時間を短縮したゴム製品の製造方法を提供する。
本発明は、基材ゴム100質量部に対して、共架橋剤を10〜60質量部、有機過酸化物を0.1〜6質量部、および金属磁性粉末を5〜50質量部配合したゴム組成物を電磁誘導加熱により少なくとも部分架橋することを特徴とするゴム製品の製造方法に関する。
共架橋剤は、α、β−不飽和カルボン酸またはα、β−不飽和カルボン酸金属塩であることが望ましい。さらに前記ゴム組成物はゴム成分100質量部に対し、金属酸化物が10〜30質量部配合されていることが望ましい。本発明のゴム製品の製造方法は、ゴルフボールの製造方法に適用できる。
本発明は、基材ゴム100質量部に対して、共架橋剤を10〜60質量部、有機過酸化物を0.1〜6質量部、および金属磁性粉末を5〜50質量部配合したゴム組成物をタイヤの部材としてタイヤに成形し、成形タイヤを電磁誘導加熱により少なくとも部分架橋することを特徴とするタイヤの製造方法である。
本発明は、金属磁性粉末および共架橋剤を含有するゴム組成物を電磁誘導加熱することで、ゴム組成物の表面と内部が均一に加熱され、架橋蜜度の均一なゴム製品を得ることができる。
本発明は、基材ゴム、共架橋剤、有機過酸化物および金属磁性粉末を含有するゴム組成物を電磁誘導加熱により架橋するゴム製品の製造方法である。
<ゴム成分>
本発明のゴム製品に用いられるゴム組成物のゴム成分としては、ヒステリシスロスが小さいシス−1,4−ポリブタジエンゴムを使用することが好ましい。特にシス−1,4ポリブタジエンゴムはゴム成分中40質量%以上、好ましくは80質量%以上、特に90質量%以上含むものが適している。ただし、シス−1,4−ポリブタジエンゴムの他にたとえば天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アクリルニトリルゴム、アクリルニトリルブタジエンゴムなどをゴム成分中40質量%以下の範囲で、1種類以上混合することができる。
<共架橋剤>
前記ゴム組成物には架橋剤として、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸、または該α,β−エチレン性不飽和カルボン酸と金属塩、p−キノンジオキシム、p,p−ジベンゾイルキノンジオキシム等のキノンジオキシム系化合物、ラウリルメタクリレート、エチレングリコールアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロペントリメタクリレート等のメタクリレート系化合物、ジアリルフマレート、ジアリルフタレート、テトラアリルオキシエタン等のアクリル系化合物を用いることができる。
金属塩としては、亜鉛、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムなどとのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩が挙げられる。例えば、前記金属酸化物をゴム組成物の調製中に反応させてα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩にする場合、あるいはアクリル酸亜鉛、メタアクリル酸亜鉛などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩をゴム組成物に混合することができる。
共架橋剤は、ゴム成分100質量部に対して10〜60質量部の範囲で混合される。特に、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩を使用する場合、その配合量はゴム成分100質量部に対して20〜40質量部が好ましい。一方α,β−エチレン性不飽和カルボン酸と金属酸化物とをゴム組成物の調製中に反応させる場合、その配合量はα,β−エチレン性不飽和カルボン酸を15〜30質量部と、該α,β−エチレン性不飽和カルボン酸に対して酸化亜鉛などの金属酸化物を15〜35質量%が好ましい。
金属磁性粉末が電磁誘導で加熱される場合、前記共架橋剤、特に、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩を介して、ゴム組成物に均一かつ円滑に伝達される。更に酸化亜鉛等の金属酸化物を15〜35質量%配合することで、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸とのイオン架橋とともに、電磁誘導加熱の均一加熱、架橋速度の短縮化が可能となる。なお、共架橋剤の配合量が10質量部未満の場合は、ゴム組成物の架橋密度が不十分となり硬度が低く、一方、60質量部を超えると架橋密度が高く、硬度が高くなりすぎることからも好ましくない。
<金属磁性粉末>
金属磁性粉末に用いる金属として、鉄、ステンレス、ニッケルなどが挙げられるが、発熱効率の観点から鉄が好ましく、特にフェライト(酸化鉄)は発熱効率に優れており好適である。磁性粉末は電磁誘導加熱での発熱効果を高めるため、その粉末粒子の大きさを小さくすることが望ましい。金属磁性粉末の平均粒子径は、10μm以下、好ましくは2μm以下である。
金属磁性粉末は、ゴム成分100質量部に対して、5質量部以上で50質量部以下、好ましくは10質量部以上で30質量部未満の範囲で配合される。配合量が5質量部未満の場合は、電磁誘導加熱により十分な発熱を得られず、架橋反応が進まない。一方、50質量部を超えると、電磁誘導加熱の発熱効率は低下すると共に、金属磁性粉末の混合に伴うゴム組成物の強度などの基本特性の劣化を伴う。
<有機過酸化物>
本発明において、架橋開始剤として有機過酸化物を使用する。ここで有機過酸化物はベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチル−パーオキシベンゼン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ−t−ブチルパーオキシパレレートなどが用いられる。これらの架橋開始剤の配合量はゴム成分100質量部に対して0.1〜6質量部、さらに0.2〜2質量部が好ましい。
有機過酸化物の配合量が、0.1質量部未満の場合、架橋反応速度が遅くなり、架橋密度は低下し十分な硬度は得られない。一方、6質量部を超えると架橋蜜度が高くなりすぎて強度等のゴム製品の諸特性が低下する。
有機過酸化物を用いた熱架橋では有機過酸化物の熱分解により共架橋剤が架橋するが、金型からの伝熱で表面から架橋が始まり、ゴム組成物の内部方向に架橋は進行する。有機過酸化物と共架橋剤の併用系における架橋は、硫黄による架橋とは異なり架橋反応に伴う発熱が大きく反応速度が速い場合はゴム組成物の表面と内部で温度の差が生じ架橋密度および硬度の不均一化が生じる。本発明は電磁誘導加熱を採用することで、ゴム組成物の表面と内部の温度の差を少なくし架橋密度および硬度の差が生じるのを緩和できる。
なお、本発明では、前記有機過酸化物の架橋開始剤に加えて、硫黄、有機硫黄化合物を加硫剤として併用することができる。硫黄および/または有機硫黄化合物は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜2質量部の範囲で配合されることが好ましい。
<その他の配合剤>
本発明のゴム製品の用途およびその要求特性に応じて、ゴム組成物の配合剤を適宜調整されるが、以下にこれらの配合剤を例示する。
前記ゴム組成物には充填剤として、カーボンブラック、シリカ、クレー、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタンなどの白色充填材の1種または2種以上を使用することができる。
前記カーボンブラックの例としては、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に制限されるものではない。カーボンブラックの配合量はゴム成分100質量部に対して5〜100質量部の範囲で調整される。また、白色充填剤の配合量はゴム成分100質量部に対して5〜85質量部配合することができる。前記充填剤の配合量が少ないと補強効果が小さく、多くなりすぎると作業性が悪化する。
また、白色充填剤を使用する場合、充填剤とゴム成分の結合を強め、耐摩耗性を向上させるために、カップリング剤、特にシランカップリング剤を用いることが好ましい。シランカップリング剤の配合量は分散効果およびカップリング効果の観点から白色充填剤の1〜20質量%が好ましい。
さらに、本発明のゴム製品を構成するゴム組成物には、軟化剤・可塑剤、発泡剤、加硫促進剤、老化防止剤、分散剤、紫外線吸収剤、着色剤などを適宜配合することができる。
前記軟化剤・可塑剤としては、ナフテン系、パラフィン系、アロマ系等のプロセスオイルや、アジピン酸エステル系、フタル酸エステル系、アルキルベンゼン系等の軟化剤・可塑剤を使用することができる。
前記発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾジカルボンアミド、p−トルエンスルホニルアセトンヒドラゾーン等の有機系や、NaHCO3等の無機系のものを使用できる。
前記加硫促進剤としては、CBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)などのスルフェンアミド系、MBT(2−メルカプトベンゾチアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジスルフィド)などのチアゾール系、TMTD(テトラメチルチウラムジスルフィド)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドなどのチウラム系、ジオルソトリルチオ尿素などのチオウレア系のほか、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系の加硫促進剤を使用できる。
<ゴム組成物の製造方法>
本発明のゴム製品を構成するゴム組成物の製造は、従来から一般的に採用されている混練技術が採用できる。例えば、架橋性の配合成分(硫黄、加硫促進剤を含む)を除く、その他の配合剤をロール、ニーダー、バンバリなどを用いて、120℃〜170℃の温度で、1〜10分間、混練し、その後、架橋性の配合成分を添加して120℃〜170℃の温度で、1〜10分間混合して未架橋のゴム組成物を製造する。
<電磁誘導加熱>
本発明では、前記ゴム組成物を電磁誘導加熱をすることで、金属磁性粉末を電磁誘導加熱をして金属磁性粉末周辺のゴム組成物を加温、融解することができる。ここで電磁誘導加熱とは、高周波磁場内に磁性体または導電体を置くと、ヒステリシス損と渦電流発生によるジュール熱により極めて短時間に発熱が生じ、これを利用して金属粉末、磁性粉末を含む組成物を加熱することをいう。
電磁誘導加熱の実施に使用される電磁誘導過熱装置は、ワークコイルと、このワークコイルをさまざまな位置に移動可能とするモータと、ワークコイルに接続され該ワークコイルから高周波を発生させる誘導加熱装置本体とを具備する。
電磁誘導加熱において、電磁波は周波数は10kHz以上で500kHz以下の範囲で
調整されることが好ましい。周波数が10kHz未満の場合、金属磁性粉末のヒステリシス損による発熱効率が極めて悪くなる。また周波数が500kHzを超えると、金属磁性粉末を含むゴム組成物の表面で電磁波が吸収されてゴム組成物の内部温度が上昇しないにも拘らず、表面温度のみが上昇し、ゴム組成物の内部と表面の間で架橋密度及び硬度の均一性が損なわれる。
なお、ワークコイルの形状は、いわゆるシングルターン、マルチターン、へヤーピン、パンケーキなど、電磁誘導加熱を行うゴム組成物の形状に応じて、種々の形状が使用できる。
電磁誘導加熱に用いられる金型は、従来一般に持ち入れれている材料が使用できるが、作業性、安全性の観点から、非磁性体材料で、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ベリリウム(Be)もしくはこれらの金属を主成分とする合金、黄銅、ベリリウム銅などの合金が使用されうる。
<ゴルフボールへの適用>
本発明のゴム製品は、ゴルフボールに適用できる。ここでゴルフボールはワンピースゴルフボールに前記ゴム組成物を使用するほか、ツーピースゴルフボール、マルチピースゴルフボールのコア、中間層、カバーの少なくとも1つに前記ゴム組成物を使用することができる。この場合、前記ゴム組成物のコア等の層を有するゴルフボールに電磁誘導加熱で処理して部分的に架橋した後、従来の加熱で架橋を完結させるほか、電磁誘導加熱のみで架橋を完結させることもできる。なお本発明ではゴルフボールのコアに前記ゴム組成物を用いることが均一加熱に効果的である。
<タイヤ部材への適用>
本発明のゴム製品は、例えばタイヤのビードエーペックスに適用できる。タイヤはトレッド部と、このトレッド部の両端から半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部と、各サイドウォール部の内方端に位置しかつ環状のビードコアにより補強されるビード部とを具える。また、タイヤには、前記ビード部間に、タイヤ内腔を囲むカーカスが架け渡されるとともに、カーカスの半径方向外側かつトレッド部内部にはベルト層が配置される。そして前記ビード部には、前記ビードコアから半径方向外側に向かって先細状にのびる断面略三角形状のビードエーペックスが設けられ、ビード部からサイドウォール部に至り補強する。
タイヤ構造は複数のゴム部材を積層して成形されるため、トレッド部、サイドウォール部およびビード部などの部位によって厚さが相違し、特にトレッド部やビード部は厚さが大きいため加硫に時間が必要となる。
ここで、ビード部に配置されるビードエーペックスは、JIS−A硬度が70〜95度、複素弾性率が300〜1000kg/cm2程度の高剛性のゴム組成物が用いられる。本発明ではビードエーペックスを有する生カバータイヤを形成し、然る後、前記誘導加熱装置を用いて電磁誘導加熱によりゴム組成物を予熱して少なくとも部分架橋(加硫)したのち、生カバー全体を加熱し加硫するか、電磁誘導加熱によりゴム組成物を加熱して加硫することもできる。
このように、電磁誘導加熱により生カバー内部のゴム組成物を予め電磁誘導加熱するため、係る部分において加硫成分をゴム成分中に拡散させることができる。そのため、加硫中のタイヤ表面部とタイヤ内部とにおいて、加硫の進行度の差が小さくなり、効率的にかつ早くタイヤの生カバーを加硫でき、加硫製品完成までの加硫時間を短縮しうるとともに、タイヤ内部まで最適加硫に仕上げようとするために通常ではタイヤ表面部が過加硫になりがちであったものが、加硫時間の短縮によりタイヤ表面部への過剰な熱量の供給を抑制でき、タイヤ内外部ともに適正な熱量の供給状態となって良好なゴム物性を得ることができるのである。なお、トレッド部に、ゴム成分に前記粒状物を混合したゴム組成物を用いることもできる。
本発明のゴム製品の製造方法をゴルフボールの製造方法に適用した場合の実施例に基づき説明する。表1に示す配合剤を、有機過酸化物を除く、その他の配合剤をニーダーを用いて、110℃の温度で、10分間、混練し、その後、有機過酸化物を添加して80℃の温度で、2分間混合して未架橋のゴム組成物を製造した。
これを、直径40mmのゴルフボール用のコアに成形した後、精電舎電子工業(株)社製の電磁誘導加熱装置(VH−10K:周波数400kHz)を用いて、8kWで17分間加熱を行った。比較例1、2は従来の熱架橋を実施した例であり、比較例3は金属磁性粉末の配合量が3質量部と少ない例、比較例4は共架橋剤を含んでいない例である。実施例2は酸化亜鉛の配合量が5質量部と少ない例であり硬度が実施例1に比べて低い値となっている。
本発明の実施例は、共架橋剤、金属磁性粉末および有機過酸化物を、さらに好ましくは酸化亜鉛を含む配合系であり、ゴルフボール表面と内面で硬度の差は軽減され、さらに熱架橋とと実質的に同じ時間で、所定の硬度が得られており十分な架橋密度が得られていることを示している。このことは電磁誘導加熱により架橋時間は短縮されていることを示している。
Figure 0005263646
(注1)ポリブタジエンゴム(シス含量98%):JSR社製の「BR01」。
(注2)共架橋剤:日本蒸留社製「ZNDA−90S」(アクリル酸亜鉛)。
(注3)金属磁性粉末:戸田工業社製「FL−900」(平均粒子径:1.34μm)。
(注4)有機過酸化物:日本油脂社製「パークミルD」(ジクミルパーオキサイド)。
本発明のゴム製品の製造方法は、所定の形状に成形したゴム製品に電磁誘導加熱で少なくとも部分的に架橋(加硫)するものであり、ゴルフボール、タイヤ、ベルト、ホースその他の工業製品などに適用される。

Claims (5)

  1. 基材ゴム100質量部に対して、アクリル酸亜鉛を10〜60質量部、有機過酸化物を0.1〜6質量部、および平均粒子径が10μm以下のフェライトを5〜50質量部配合したゴム組成物を電磁誘導加熱により少なくとも部分架橋することを特徴とするゴム製品の製造方法。
  2. 基材ゴム100質量部に対して、アクリル酸を10〜60質量部、酸化亜鉛を10〜30質量部、有機過酸化物を0.1〜6質量部、および平均粒子径が10μm以下のフェライトを5〜50質量部配合したゴム組成物を電磁誘導加熱により少なくとも部分架橋することを特徴とするゴム製品の製造方法。
  3. ゴム製品は、ゴルフボールである請求項1記載のゴム製品の製造方法。
  4. 基材ゴム100質量部に対して、アクリル酸亜鉛を10〜60質量部、有機過酸化物を0.1〜6質量部、および平均粒子径が10μm以下のフェライトを5〜50質量部配合したゴム組成物をタイヤ部材としてタイヤに成形し、成形タイヤを電磁誘導加熱により少なくとも部分架橋することを特徴とするゴム製品の製造方法。
  5. 基材ゴム100質量部に対して、アクリル酸を10〜60質量部、酸化亜鉛を10〜30質量部、有機過酸化物を0.1〜6質量部、および平均粒子径が10μm以下のフェライトを5〜50質量部配合したゴム組成物をタイヤ部材としてタイヤに成形し、成形タイヤを電磁誘導加熱により少なくとも部分架橋することを特徴とするゴム製品の製造方法。
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