JP2002306637A - ゴルフボールの芯材の製造方法 - Google Patents

ゴルフボールの芯材の製造方法

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JP2002306637A
JP2002306637A JP2001112809A JP2001112809A JP2002306637A JP 2002306637 A JP2002306637 A JP 2002306637A JP 2001112809 A JP2001112809 A JP 2001112809A JP 2001112809 A JP2001112809 A JP 2001112809A JP 2002306637 A JP2002306637 A JP 2002306637A
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Toshiaki Tanaka
聡明 田中
Yoshiyuki Okido
義之 大城戸
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明により、表面付近の硬度上昇を抑制
し、かつ生産性に優れたゴルフボールの芯材の製造方法
を提供する。 【解決手段】 本発明は、ポリブタジエンゴム、α,β
‐不飽和カルボン酸の金属塩、有機過酸化物、および酸
化亜鉛または酸化マグネシウムを含有するゴム組成物か
ら未加硫プラグを形成する工程、および該未加硫プラグ
の表面およびその近傍にラジカル捕捉剤を存在させた状
態下で、該未加硫プラグを金型内で加硫成形してゴルフ
ボールの芯材を形成する工程を含むことを特徴とするゴ
ルフボールの芯材の製造方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面付近の硬度上
昇を抑制し、かつ生産性に優れたゴルフボールの芯材の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年ではツーピースソリッドゴルフボー
ルにおいて、糸巻きゴルフボールに近い打球感を得るた
め、ソフトタイプのツーピースゴルフボールも提案され
ている。しかしながら、そのようなツーピースゴルフボ
ールを得るためには、軟らかいコアを使用する必要があ
り、それによってボールの反発性能が低下するため、ツ
ーピースソリッドゴルフボールの特徴である飛距離が低
下すると共に耐久性も低下する。
【0003】そこで、ツーピースソリッドゴルフボール
のコアとカバーの間に中間層を設けてスリーピースにし
て、飛行性能と打球感を両立させる試みが多数なされて
おり、現在ではこのスリーピース構造を有するゴルフボ
ールが主流となっている。また、このようなゴルフボー
ルにおいては、中間層を軟質化することによって、良好
な打球感と、高打出角化や低スピン量化による優れた飛
行性能とを両立させることが可能であることが知られて
いる。上記のような中間層を軟質化する手段として、
(1)コア上に軟質樹脂層を射出成形などの方法により設
ける試み(特開平10‐108923号公報)、および
(2)コア上に軟質ゴム層を設ける試み(特開2000‐
300695号公報)等が提案されている。
【0004】しかしながら、上記のようにツーピースソ
リッドゴルフボールのコアとカバーの間に中間層を1層
設けることにより、単に成形工程が1つ増えるだけでな
く、トリミング、研磨工程や、中間検査等が増えて、生
産性が大きく低下するという問題がある。そのような問
題点を解決するため、ツーピースソリッドゴルフボール
のコアを比較的低温で加硫することにより、表面硬度が
高くなるのを抑制することによってゴルフボールの中間
部を軟質化する方法が従来から知られている。しかしな
がら、低温で加硫するため長い加硫時間が必要であり、
生産性が大きく低下する。従って、金型を大きくして一
面当たりの取り数を増加したり、プレスの増設が必要と
なる等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来のゴルフボールの製造方法の有する問題点を解決
し、表面付近の硬度上昇を抑制し、かつ生産性に優れた
ゴルフボールの芯材の製造方法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ゴム組成物から未
加硫プラグを作製し、金型内で上記未加硫プラグを加硫
成形する工程を含むゴルフボールの芯材の製造方法にお
いて、上記未加硫プラグの表面およびその近傍にラジカ
ル捕捉剤を存在させた状態下で加硫成形することによ
り、表面付近の硬度上昇を抑制し、かつ生産性に優れた
ゴルフボールの芯材の製造することが可能となることを
見い出し、本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、ポリブタジエンゴム、
α,β‐不飽和カルボン酸の金属塩、有機過酸化物、お
よび酸化亜鉛または酸化マグネシウムを含有するゴム組
成物から未加硫プラグを形成する工程、および該未加硫
プラグの表面およびその近傍にラジカル捕捉剤を存在さ
せた状態下で、該未加硫プラグを金型内で加硫成形して
ゴルフボールの芯材を形成する工程を含むことを特徴と
するゴルフボールの芯材の製造方法に関する。
【0008】本明細書中で用いられる「ゴルフボールの
芯材」とは、ソリッドゴルフボールのコア、または糸巻
きゴルフボールの糸巻きコアに用いられるセンターを意
味する。本発明のゴルフボールの芯材の製造方法におい
て、「未加硫プラグ」とは、芯材用ゴム組成物を混合、
混練して、押出機を通して得られる円筒状の未加硫成形
物を意味する。上記ゴム組成物は、ポリブタジエンゴ
ム、α,β‐不飽和カルボン酸の金属塩、有機過酸化
物、および酸化亜鉛または酸化マグネシウムを含有す
る。
【0009】ポリブタジエンは、従来からソリッドゴル
フボールのコアに用いられているものであればよいが、
特にシス‐1,4‐結合少なくとも40%以上、好まし
くは80%以上を有するいわゆるハイシスポリブタジエ
ンゴムが好適であり、所望により上記ポリブタジエンゴ
ムには、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンポリ
ブタジエンゴム、エチレン‐プロピレン‐ジエンゴム
(EPDM)等を配合してもよい。
【0010】α,β‐不飽和カルボン酸の金属塩は、共
架橋剤として作用し、アクリル酸またはメタクリル酸等
のような炭素数3〜8個のα,β‐不飽和カルボン酸
の、亜鉛、マグネシウム塩等の一価または二価の金属塩
等が挙げられるが、特に高い反発性を付与するアクリル
酸亜鉛が好適である。配合量はポリブタジエンゴム10
0重量部に対して、5〜60重量部、好ましくは10〜
50重量部、より好ましくは15〜40重量部である。
60重量部より多いと硬くなり過ぎて打球感が悪くな
り、5重量部未満では、軟らかくなり過ぎて反発性が悪
くなり飛距離が低下する。
【0011】有機過酸化物としては、例えばジクミルパ
ーオキサイド、1,1‐ビス(t‐ブチルパーオキシ)‐
3,3,5‐トリメチルシクロヘキサン、2,5‐ジメチ
ル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ‐t
‐ブチルパーオキサイド等が挙げられ、ジクミルパーオ
キサイドが好適である。配合量はポリブタジエン100
重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜
4重量部、より好ましくは0.5〜3重量部である。
0.1重量部未満では軟らかくなり過ぎて反発性が悪く
なり飛距離が低下する。5重量部を越えると硬くなり過
ぎて打球感が悪くなる。
【0012】酸化亜鉛または酸化マグネシウムの配合量
は、それぞれポリブタジエン100重量部に対して1〜
60重量部、好ましくは3〜40重量部である。1重量
部未満では軟らかくなり過ぎて反発性が悪くなり飛距離
が低下する。60重量部を越えると重くなり過ぎて打球
感が悪くなる。
【0013】更に本発明のゴルフボールの芯材には、老
化防止剤またはしゃく解剤、その他、通常ソリッドゴル
フボールのコアの製造に使用し得る成分を適宜配合して
もよい。配合量は、ポリブタジエン100重量部に対し
て、老化防止剤は0.1〜1.0重量部、しゃく解剤は
0.1〜5.0重量部であることが好ましい。
【0014】本発明のゴルフボールの芯材の製造方法で
は、上記ゴム組成物を混合し、混練ロール等を用いて混
練し、押出機を通すことにより、円筒状や角柱状等の形
状を有する未加硫プラグを作製する。また、本発明に使
用される未加硫プラグは、所定の形状のキャビティを有
する金型を用いて成形してから用いてもよい。
【0015】本発明のゴルフボールの芯材の製造方法で
は、次いで上記未加硫プラグの表面およびその近傍にラ
ジカル捕捉剤を存在させた状態下で、上記未加硫プラグ
を金型内で加硫成形してゴルフボールの芯材を形成す
る。本明細書中で用いられる「ラジカル捕捉剤」とは、
ラジカルと反応可能であり、反応して得られるラジカル
が比較的安定に存在することができる化合物を意味す
る。ゴルフボールの芯材には通常、ポリブタジエンに、
α,β‐不飽和カルボン酸の金属塩等の共架橋剤および
有機過酸化物等の架橋開始剤、酸化亜鉛や酸化マグネシ
ウム等の充填材等を配合したゴム組成物の加硫(架橋)
成形物が用いられている。上記ゴム組成物において、架
橋開始剤が熱によって開裂してラジカルが生成し、この
ラジカルがポリブタジエンや共架橋剤を攻撃して、ポリ
ブタジエン主鎖への共架橋剤のグラフトやポリブタジエ
ンどうしの結合によって架橋されていると考えられてい
る。本発明に用いられるラジカル捕捉剤は、ゴム組成物
から得られる未加硫プラグを金型内で加硫成形する際
に、未加硫プラグの表面付近に存在し、架橋開始剤が熱
によって開裂して生成するラジカルを捕捉し、ポリブタ
ジエン主鎖への共架橋剤のグラフトやポリブタジエンど
うしの結合による架橋反応を一部阻害し、芯材表面付近
の硬度が高くなるのを抑制するものである。
【0016】本発明のゴルフボールの芯材の製造方法に
用いられるラジカル捕捉剤は、モノフェノール系、ビス
フェノール系、ポリフェノール系、チオビスフェノール
系、トリスフェノール系、ヒンダードフェノール系化合
物等の酸素含有化合物;ナフチルアミン系、ジフェニル
アミン系、p‐フェニレンジアミン系化合物等の窒素含
有化合物;チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿
素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、ジスルフィ
ド系化合物等の硫黄含有化合物;亜リン酸エステル系化
合物等のリン含有化合物;およびそれらの混合物から成
る群から選択される。
【0017】上記ラジカル捕捉剤の具体例には、酸素含
有化合物として吉富製薬(株)から商品名「ヨシノックス
425」で市販の2,2'‐メチレン‐ビス(4‐エチル
‐6‐t‐ブチルフェノール)、窒素含有化合物として
大内新興化学工業(株)から商品名「ノクラックDP」で
市販のN,N'‐ジフェニル‐p‐フェニレンジアミン、
硫黄含有化合物として住友精化(株)から市販のジフェニ
ルジスルフィド、リン含有化合物としてアデカ・アーガ
ス化学(株)から商品名「マーク(Mark) TPP」で
市販のトリフェニルホスファイト等が挙げられる。
【0018】本発明のゴルフボールの芯材の製造方法に
用いられるラジカル捕捉剤を未加硫プラグの表面および
その近傍に存在させる方法としては、ラジカル捕捉剤を
粉塗しすること、ラジカル捕捉剤またはその溶液にディ
ップすること、或いはラジカル捕捉剤またはその溶液を
スプレーすることによって行われる。上記ラジカル捕捉
剤自体が固形である場合、粉末として粉塗しするか、ま
たは溶液としてディップまたはスプレーする方法が適し
ており、液体である場合には、ラジカル捕捉剤そのもの
またはその溶液にディップするか、或いはラジカル捕捉
剤そのものまたはその溶液をスプレーする方法が適して
いる。
【0019】上記ラジカル捕捉剤が粉末である場合、粒
子径は0.1〜100μm、好ましくは1〜50μmで
あることが望ましい。上記ラジカル捕捉剤の粒子径が
0.1μmより小さいと凝集してしまい、未加硫プラグ
の表面に均一に付着させるのが困難となり、100μm
より大きいと表面から脱落することがあり、均一に付着
しない。また、上記ラジカル捕捉剤を溶液として用いる
場合、溶液の濃度は1〜30%、好ましくは3〜20%
であることが望ましい。上記溶液の濃度が1%より小さ
いと付着量が少ないためディップまたはスプレーと乾燥
との工程を複数回必要として生産性が低下し、30%よ
り大きいとスプレーすることにより薄く塗ろうとしても
付着し過ぎてしまう。その際の溶媒は、ラジカル捕捉剤
の種類によって様々なものを使用することができ特に限
定されないが、トルエン、ジブチルエーテル等が挙げら
れる。
【0020】本発明のゴルフボールの芯材の製造方法で
は、上記のように未加硫プラグの表面付近にラジカル捕
捉剤を存在させた状態で、上記未加硫プラグを通常ゴル
フボールの芯材を成形するための半球状キャビティを有
する上下一対の金型内で加硫成形する。加硫条件は、通
常ソリッドゴルフボールのコアの製造に使用し得る条件
であれば特に限定されないが、加硫温度は140〜18
0℃、好ましくは145〜170℃、圧力は3〜18M
Pa、好ましくは5〜15MPa、加硫時間は5〜50分
間、好ましくは10〜40分間で行われることが望まし
い。上記加硫温度が140℃より低いと加硫時間が長く
なって生産性が低下し、180℃より高いと過加硫とな
り耐久性が低下する。上記加硫時の圧力が3MPaより
低いと、芯材の真球度が低下し、バリの離れも悪くな
る。18MPaより高いと金型寿命が半分以下になる。
上記加硫時間が5分間より短いと硬度不足で飛行性能が
低下し、50分間より長くなると生産性が低下する。
【0021】本発明のゴルフボールの芯材は、加硫ゴム
から成る芯材に1層以上の被覆層を被覆した多層ゴルフ
ボールの芯材に使用することができる。尚、本発明のゴ
ルフボールの芯材は、芯材自体が多層構造を有していて
もよく、多層構造を有する場合には少なくとも最外層表
面にラジカル捕捉剤処理が施されていればよい。また多
層構造を有する場合、本発明のゴルフボールの芯材の製
造方法によれば、各層の表面に同様の処理を施すことが
可能である。尚、被覆層は樹脂成形層であっても加硫ゴ
ム層であってもよい。一般的に芯材の直径は、20〜4
1.7mmであるが、本発明はこれに適用することがで
きる。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0023】(未加硫プラグの作製)以下の表1に示し
た配合Aを有するゴム組成物を混合し、混練ロールを用
いて混練し、押出機を通して、円筒状の未加硫プラグを
作製した。
【0024】(実施例1〜6)以下に示すようなラジカ
ル捕捉剤処理を行うことにより、上記のようにして得ら
れた未加硫プラグの表面およびその近傍にラジカル捕捉
剤を存在させ、直径39.7mmの半球状キャビティを
有する上下一対の金型内で、160℃で15分間加熱プ
レスすることにより、球状の芯材を得た。
【0025】(ラジカル捕捉剤処理) 実施例1:酸素含有ラジカル捕捉剤としての吉富製薬
(株)から商品名「ヨシノックス425」で市販の2,2'
‐メチレン‐ビス(4‐エチル‐6‐t‐ブチルフェノ
ール)の10%トルエン溶液に、得られた未加硫プラグ
を5分間ディップした。 実施例2:上記ヨシノックス425(粉末)を得られた
未加硫プラグに粉塗しした。
【0026】実施例3:リン含有ラジカル捕捉剤として
の、アデカ・アーガス化学(株)から商品名「マーク(M
ark) TPP」で市販のトリフェニルホスファイト
(液状)に得られた未加硫プラグを5分間ディップし
た。 実施例4:硫黄含有ラジカル捕捉剤としての、住友精化
(株)から市販のジフェニルジスルフィドの10%トルエ
ン溶液に、得られた未加硫プラグを5分間ディップし
た。
【0027】実施例5:窒素含有ラジカル捕捉剤として
の、大内新興化学工業(株)から商品名「ノクラックD
P」で市販のN,N'‐ジフェニル‐p‐フェニレンジア
ミンの10%トルエン溶液に、得られた未加硫プラグを
5分間ディップした。 実施例6:上記ノクラックDPの10%トルエン溶液
を、得られた未加硫プラグ上にスプレー被覆した。
【0028】(比較例1)上記のようにして得られた未
加硫プラグを、直径39.7mmの半球状キャビティを
有する上下一対の金型内で、145℃で45分間加熱プ
レスすることにより、球状の芯材を得た。
【0029】(比較例2)上記のようにして得られた未
加硫プラグを、直径38.7mmの半球状キャビティを
有する上下一対の金型内で、160℃で15分間加熱プ
レスすることにより球状加硫成形物を作製した。得られ
た成形物からバリおよび離型剤残渣を除去するためバフ
研磨を行い、表面状態目視検査、外径検査および粗さ検
査を行い、球状の内層芯材を得た。得られた内層芯材上
に、以下の表1に示した配合Cのポリウレタン系熱可塑
性エラストマーを直接射出成形することにより、厚さ
0.5mmを有する芯材外層を形成し、2層構造を有す
る芯材を得た。
【0030】(比較例3)上記の比較例2と同様にし
て、球状の内層芯材を得た。以下の表1に示した配合B
を有するゴム組成物を用いて、前述の配合Aを有するゴ
ム組成物と同様にして、円筒状の芯材外層用未加硫プラ
グを作製した。図1に示すような中子金型(1)と半球状
キャビティーを有する半球状金型(2)を用いて、上記芯
材外層用未加硫プラグを120℃で3分間加熱プレスし
て未加硫状態の半球殻状芯材外層(3)を作製した。上記
のようにして得られた加硫状態の内層芯材(5)を、上記
のようにして作製した2つの半球殻状芯材外層(3)で挟
んで、図2に示すような直径40.2mmの半球状キャ
ビティを有する上下一対の金型(4)内で、160℃で1
5分間加熱プレスすることにより、2層構造を有する芯
材を得た。
【0031】(比較例4)上記のようにして得られた未
加硫プラグを、直径39.7mmの半球状キャビティを
有する上下一対の金型内で、160℃で15分間加熱プ
レスすることにより、球状の芯材を得た。
【0032】
【表1】
【0033】(注1)JSR(株)から商品名「BR01」
で市販のハイシスポリブタジエンゴム(シス‐1,4‐
ポリブタジエン含量:96%) (注2)日本油脂(株)から商品名「パークミルD」で市販
のジクミルパーオキサイド (注3)大日本インキ化学工業(株)から商品名「パンデッ
クスT‐7890N」で市販のポリウレタン系熱可塑性
エラストマー
【0034】得られた芯材のJIS‐Cによる表面硬
度、圧縮変形量および製造時間を測定し、その結果を以
下の表2に示す。芯材の製造時間とは、成形時間、検査
時間等を含む未加硫プラグの作製から芯材の完成までの
合計時間であり、製造は各芯材につき5回行い、その平
均値を各芯材の製造時間とした。試験方法は以下の通り
とした。
【0035】(試験方法) (1)表面硬度(JIS‐C硬度) 芯材の表面硬度は、加硫成形して得られた球状芯材の外
表面で測定し、2層芯材の表面硬度は内層芯材上に芯材
外層を一体加硫成形して形成した2層構造を有する芯材
の外表面で測定した。JIS‐K 6301に規定され
るスプリング式硬度計C型を用いて測定した。
【0036】(2)圧縮変形量 芯材に初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重127
5Nを負荷したときまでの変形量を測定した。
【0037】(試験結果)
【表2】
【0038】以上の結果から、本発明の実施例1〜6の
ゴルフボール芯材は、比較例1〜4のゴルフボール芯材
に比較して、表面硬度の上昇が抑制され、圧縮変形量も
小さくならず、かつ大幅に製造時間がされていることが
わかった。
【0039】これに対して、比較例1の芯材では、加硫
温度を低くすることにより表面硬度の上昇が抑制され圧
縮変形量が大きいが、加硫時間が非常に長く製造時間が
長くなっている。
【0040】比較例2の芯材では、熱可塑性エラストマ
ーを射出成形することにより芯材外層を形成して2層構
造の芯材としているため、芯材外層成形工程と芯材外層
成形前の処理や検査とが追加されることにより、製造時
間が長くなっている。
【0041】比較例3の芯材では、ゴム製の芯材外層を
形成して2層構造の芯材としているため、比較例2に加
えて更に、半球殻状芯材外層を作製する工程が追加され
ることにより、製造時間が更に長くなっている。
【0042】比較例4の芯材では、実施例と同様の加硫
条件としているため製造時間は短いものの、表面硬度が
非常に高くなっている。
【0043】
【発明の効果】本発明のゴルフボールの芯材の製造方法
は、ゴム組成物から未加硫プラグを作製し、金型内で上
記未加硫プラグを加硫成形する工程を含むゴルフボール
の芯材の製造方法において、上記未加硫プラグの表面お
よびその近傍にラジカル捕捉剤を存在させた状態下で加
硫成形することにより、表面付近の硬度上昇を抑制し、
かつ生産性を向上させ得たものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 比較例3の2層構造を有する芯材の芯材外層
成形用金型の概略断面図である。
【図2】 比較例3の2層構造を有する芯材成形用金型
の概略断面図である。
【符号の説明】
1 … 中子金型 2 … 半球状金型 3 … 半球殻状芯材外層 4 … 芯材成形用金型 5 … 加硫内層芯材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/14 C08K 5/14 C08L 9/00 C08L 9/00 // B29K 9:00 B29K 9:00 B29L 31:54 B29L 31:54 Fターム(参考) 4F203 AA46 AH59 DA11 DB01 DC01 DK07 DL15 4J002 AC051 DE078 DE108 EG036 EG046 EK037 EK067 GC01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリブタジエンゴム、α,β‐不飽和カ
    ルボン酸の金属塩、有機過酸化物、および酸化亜鉛また
    は酸化マグネシウムを含有するゴム組成物から未加硫プ
    ラグを形成する工程、および該未加硫プラグの表面およ
    びその近傍にラジカル捕捉剤を存在させた状態下で、該
    未加硫プラグを金型内で加硫成形してゴルフボールの芯
    材を形成する工程を含むことを特徴とするゴルフボール
    の芯材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記未加硫プラグの表面およびその近傍
    にラジカル捕捉剤を存在させることが、ラジカル捕捉剤
    を粉塗しすること、前記ラジカル捕捉剤またはその溶液
    にディップすること、或いは前記ラジカル捕捉剤または
    その溶液をスプレーすることによって行われる請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記ラジカル捕捉剤が、酸素含有化合
    物、窒素含有化合物、硫黄含有化合物、リン含有化合物
    およびそれらの混合物から成る群から選択される請求項
    1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記ゴム組成物が、シス‐1,4‐結合
    80%以上を有するポリブタジエンゴム100重量部に
    対して、α,β‐不飽和カルボン酸の金属塩5〜60重
    量部、有機過酸化物0.1〜5重量部、酸化亜鉛または
    酸化マグネシウム1〜60重量部を含有する請求項1記
    載の方法。
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JP2013108077A (ja) * 2011-11-21 2013-06-06 Bridgestone Sports Co Ltd ゴルフボール用ゴム組成物
WO2017193762A1 (zh) * 2016-05-12 2017-11-16 南京思凯橡胶制品有限公司 一种橡胶组合物及应用
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