JP7175111B2 - ゴルフボール - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフボールに関する。
ゴルフボールをドライバーなどで打撃する際に、ゴルフボールにかかるスピン量が低い(小さい)と飛距離が伸び、有意であることが従来から知られていた。このため、ドライバーなどで打撃した際のスピン量を抑制したゴルフボールについて従来から検討がなされていた。
例えば特許文献1には、コアと1層または複数層のカバーを有するゴルフボールにおいて、前記コアが下記(A)~(C)成分
(A)基材ゴム
(B)有機過酸化物
(C)水及び/又はモノカルボン酸金属塩
を配合するゴム組成物の加熱成形物により形成されたゴルフボールが開示されている。
特許文献1に開示されたゴルフボールにおいては、経時的に反発性の低下が少なく、エネルギーロスの少ないコア材料を得ることができ、これにより、反発性を良好に維持し、低スピン化により飛距離を伸ばすことができるとされている。
特開2015-47502号公報
しかしながら、ゴム組成物に水を配合する場合、作業性が悪かったり、混練性が悪く、該ゴム組成物を用いて作製されたゴルフボールは耐久性が十分ではない場合があった。
上記従来技術の問題に鑑み、本発明の一側面では、低スピン化と、耐久性とを備えたゴルフボールを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の一側面では、
コアと、カバーとを有するゴルフボールであって、
前記コアが、下記(A)~(C)成分
(A)基材ゴム
(B)有機過酸化物
(C)水分提供剤
を配合したゴム組成物の加熱成形物により形成されるものであり、
前記(C)水分提供剤は、前記ゴム組成物を加硫する温度で水分を放出し、前記ゴム組成物を加硫する温度まで加熱した場合の水分の解離率が質量割合で60%以上であり、
前記(C)水分提供剤の分子式中の水分の含有割合が質量割合で6%以上であるゴルフボールを提供する。

本発明の一側面によれば、低スピン化と、耐久性とを備えたゴルフボールを提供することができる。
本開示の一実施形態(以下「本実施形態」と記す)に係るゴルフボールの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許の請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本実施形態のゴルフボールは、コアと、カバーとを有するゴルフボールであって、
前記コアが、下記(A)~(C)成分
(A)基材ゴム
(B)有機過酸化物
(C)水分提供剤
を配合したゴム組成物の加熱成形物により形成される。
そして、(C)水分提供剤としては、ゴム組成物を加硫する温度で水分を放出し、ゴム組成物を加硫する温度まで加熱した場合の水分の解離率が質量割合で60%以上の物を用いることができる。
上述のように、本実施形態のゴルフボールは、コアと、カバーとを有することができる。以下にまず、コアを形成する際に用いるゴム組成物に含まれる成分について説明する。
(A)基材ゴム
基材ゴムについては、特に制限されるものではなく、各種ゴム材料を用いることができるが、特にポリブタジエン(ポリブタジエンゴム)を用いることが好適である。
基材ゴムに用いるポリブタジエンは、そのポリマー鎖中に、シス-1,4-結合を60%以上含有することが好ましく、80%以上含有することがより好ましく、90%以上含有することがさらに好ましく、95%以上含有することが特に好ましい。ポリブタジエン分子中の結合に占めるシス-1,4-結合の割合を高めることで、反発性が低下することを防止できる。
また、上記ポリブタジエンに含まれる1,2-ビニル結合の含有量としては特に限定されないが、そのポリマー鎖中の含有量が、2%以下であることが好ましく、1.7%以下であることがより好ましく、1.5%以下がさらに好ましい。1,2-ビニル結合の含有量を抑制することで、反発性が低下することを抑制できる。
上記ポリブタジエンは、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が、20以上であることが好ましく、30以上であることがより好ましい。ムーニー粘度の上限についても特に限定されないが、120以下であることが好ましく、100以下であることがより好ましく、80以下であることがさらに好ましい。
なお、ムーニー粘度とは、回転可塑度計の1種であるムーニー粘度計で測定される工業的な粘度の指標(JIS K 6300-1(2013))であり、単位記号としてML1+4(100℃)を用いる。また、Mはムーニー粘度、Lは大ロータ(L型)、1+4は予備加熱時間1分間、ロータの回転時間は4分間を示し、100℃の条件下にて測定したことを示す。
上記ポリブタジエンは、希土類元素系触媒やVIII族金属化合物触媒を用いて合成したものを使用することができ、特に希土類元素系触媒で合成したものを好適に使用することができる。また、必要に応じてこれらの触媒に有機アルミニウム化合物、アルモキサン、ハロゲン含有化合物及びルイス塩基等を組み合せて使用することもできる。例示した上記各種化合物は、特開平11-35633号公報に記載されているものを好適に使用することができる。
ポリブタジエンを合成する場合、上記希土類元素系触媒の中でも、特にランタン系列希土類元素化合物であるネオジム化合物を用いたネオジム系触媒を使用することが好ましい。この場合、1,4-シス結合が高含量、1,2-ビニル結合が低含量のポリブタジエンを優れた重合活性で得ることができる。
なお、基材ゴム中には、上記ランタン系列希土類元素化合物とは異なる触媒にて合成されたポリブタジエンゴムを配合してもよい。また、スチレンブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等を配合してもよく、これら1種を単独で、または2種以上を併用してもよい。
(B)有機過酸化物
有機過酸化物としては、特に制限されるものではないが、1分間半減期温度が110℃以上185℃以下である有機過酸化物を用いることが好適であり、1種または2種以上の有機過酸化物を使用することができる。
有機過酸化物の配合量としては、特に限定されないが、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.3質量部以上であることがより好ましい。
有機過酸化物の配合量の上限値についても特に限定されないが、基材ゴム100質量部に対して、5質量部以下であることが好ましく、4質量部以下であることがより好ましく、3質量部以下であることがさらに好ましい。上記の有機過酸化物は、市販品を用いることができ、商品名「パークミルD」、「パーヘキサC-40」、「ナイパーBW」、「パーロイルL」等(いずれも日油社製)、または、Luperco 231XL(アトケム社製)などを例示することができる。
(C)水分提供剤
既述の特許文献1に開示されているように、コアを形成するためのゴム組成物に水を配合することにより、得られるゴルフボールについて低スピン化を図ることが従来から行われている。
ゴム組成物中の有機過酸化物は、温度によって分解効率が変化することが知られており、ある温度よりも高温になるほど分解効率が上がる。温度が高すぎると、分解したラジカル量が多くなりすぎてしまい、ラジカル同士で再結合や不活性化してしまうことになる。その結果、架橋に有効に働くラジカルが減ることになる。
コアの加硫の際に有機過酸化物が分解することで分解熱が発生するとき、コアの表面付近は加硫モールドの温度とほぼ同程度を維持している。一方、コアの中心付近は外側から分解していった有機過酸化物の分解熱が蓄積されるため、モールド温度よりもかなり高温になる。
そして、ゴム組成物に水を配合した場合、水は有機過酸化物の分解を促進する働きがあると考えられ、ゴム組成物に配合することで上記ラジカル反応をコアの中心と表面とにおいて変化させていると推認される。すなわち、ゴム組成物に水を配合することで、上記コア中心付近では、有機過酸化物の分解が更に促進され、ラジカルの不活性化がより促されることで有効ラジカル量が更に減少すると考えられる。このため、中心と表面との架橋密度が大きく異なるコアを得ることができ、かつ、コア中心部の動的粘弾性特性の異なるコアを得ることができる。そして、このようなコアを有するゴルフボールとすることで、低スピン化を図れる。
しかしながら、既述の様にゴム組成物に水を配合する場合、作業性が悪かったり、混練性が悪く、該ゴム組成物を用いて作製されたゴルフボールは耐久性が十分ではない場合があった。また、ゴム組成物を混練等している際に水の一部が蒸発等する場合があった。このため、ゴム組成物内の一部で、水が目的の配合になっていない場合があった。
なお、特許文献1においては水に替えてモノカルボン酸金属塩を用いることができる旨記載されているが、2分子間の脱水縮合反応により水を発生、供給させるため、均一に反応が進行せず、水に替えてモノカルボン酸金属塩を用いた場合でも、該ゴム組成物を用いて作製されたゴルフボールは耐久性が十分ではない場合があった。また、モノカルボン酸金属塩の場合、加硫時ではなく、より低温の混練時に水分のほとんどが放出されてしまっていた。
そこで、本発明の発明者らは、低スピン化と、耐久性とを備えたゴルフボールについて鋭意検討を行った。その結果、水の供給源として、水に替えて、所定の水分解離特性を有する水分提供剤を用いることで、作業性、混練性を高め、低スピン化と、耐久性とを両立したゴルフボールにできることを見出し、本発明を完成させた。
上述のように、水の供給源として、液体である水に替えて、ゴム組成物を加硫する温度で水分を放出することができる水分提供剤を用いることで、ゴム組成物の混練時には固体の状態となっているため、作業性、混練性に優れ、特にゴム組成物内に、水の供給源である水分提供剤を均一に分散させることが可能になる。また、水分提供剤はゴム組成物を加硫する温度まで加熱した場合の水分の解離率が質量割合で60%以上となっている。このため、加硫温度までに十分な量の水を効率よく供給することができる。
従って、加硫時にゴム組成物内に均一に、かつ目的の配合となるように水を供給することができ、水分提供剤を配合したゴム組成物を用いることで、低スピン化と、耐久性とを両立したゴルフボールとすることができる。
水分提供剤の種類は特に限定されず、各種水分提供剤を用いることができる。
ただし、水分の供給効率を高める観点から、質量割合で、水分割合の高い、水分提供剤を用いることが好ましい。
具体的には例えば、水分提供剤の分子式中の水分の含有割合は、質量割合で6%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましい。
水分提供剤が、例えば水酸化物のように酸化物等へと変化する分解反応(脱水反応)により水分を放出する場合には、該分解反応により生じる水分の最大量の、分解前の分子式に占める質量割合が、該水分提供剤の分子式中の水分の含有割合となる。
なお、水分提供剤の分子式中の水分の含有割合は高い方が好ましく、上限値は特に限定されないが、入手の容易さ等の観点から、例えば質量割合で90%以下とすることができる。
水分提供剤としては、ゴム組成物を加硫する際に水分を極力多く放出できることが好ましい。ただし、加硫温度や、加硫時間等の加硫条件は、基材ゴムや、有機過酸化物等のゴム組成物に含まれる成分等により変化する場合もある。このため、水分提供剤を添加するゴム組成物の加硫条件にあわせて、加硫温度等の加硫条件において目的に応じた量の水分を放出できる水分提供剤を選択することが好ましい。特に加硫温度まで加熱した場合の水分の解離率(加硫温度までの累計水分解離率)が60%以上の水分提供剤を選択することがより好ましい。
そして、後述するようにゴム組成物の加硫は例えば100℃~200℃位で行われ、一般的なゴルフボールのコアに使用するゴム組成物の場合、例えば155℃近傍で加硫が行われる。
そこで、水分提供剤は、一般的なゴルフボールのコアに使用するゴム組成物の加硫温度である155℃まで加熱した場合の水分の解離率、すなわち155℃まで加熱した場合の累計水分解離率が質量割合で60%以上であることが好ましい。なお、加硫時に全ての水分が解離することが好ましいことから、155℃まで加熱した場合の水分の解離率は100%以下であることが好ましい。
また、水分提供剤は、ゴム組成物を混練する際の水分の解離率は低いことが好ましいことから、例えば90℃まで加熱した場合の水分の解離率、すなわち90℃まで加熱した場合の累計水分解離率は質量割合で60%以下であることが好ましい。
水分提供剤としては特に限定されないが、保存安定性に優れることから、無機化合物であることが好ましく、より具体的には例えば無機化合物の水和物や、金属の水酸化物等から選択された1種以上を好適に用いることができる。
水分提供剤としては具体的には例えば硫酸カルシウム0.5水和物、硫酸カルシウム2水和物、硫酸アルミニウム14~18水和物、硫酸マグネシウム7水和物、硫酸ベリリウム4水和物、硫酸ジルコニウム4水和物、硫酸マンガン5水和物、硫酸鉄7水和物、硫酸コバルト7水和物、硫酸ニッケル6水和物、硫酸第二銅5水和物、硫酸亜鉛7水和物、硫酸カドミウム8水和物、硫酸インジウム9水和物、硫酸亜鉛2水和物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等から選択された1種以上を好ましく用いることができる。なお、水分提供剤は、2種以上を混合して用いることもできる。
水分提供剤としては、入手のし易さや、含有する水の質量割合等の観点から、硫酸カルシウム0.5水和物、硫酸カルシウム2水和物、硫酸アルミニウム14~18水和物、硫酸マグネシウム7水和物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムから選択された1種以上をより好ましく用いることができる。
ここで、表1に、硫酸カルシウム0.5水和物、硫酸カルシウム2水和物、硫酸アルミニウム14水和物、および硫酸マグネシウム7水和物の水分率として、分子式中の水分(水和水)の含有割合(質量割合)を示す。また、表1にあわせて上記水分提供剤を加熱した際の、各温度までの質量割合での累計水分解離率を示す。
なお、累計水分解離率は、TG-DTA装置(理学電気製 型式:TG8121)を用い、評価を行う試料量を10mgとし、参照物質として理学電気製のα-Alを用い、150mL/minの窒素気流中、昇温速度を5℃/minとして、室温から300℃まで測定した加熱減量曲線から算出した。
後述する実施例においても、表1に示した評価を行ったものと同じ試料を用いている。
Figure 0007175111000001
上記ゴム組成物は、上述した(A)~(C)成分のほかにもさらに任意の成分を含有することもできる。
任意の成分として、ゴム組成物には、例えば(D)有機硫黄化合物、(E)共架橋剤、(F)不活性充填剤等を配合することもでき、必要に応じて(G)老化防止剤等を配合することもできる。これらの任意の添加成分について以下に詳述する。
(D)有機硫黄化合物
上記ゴム組成物には、有機硫黄化合物を配合することもできる。この有機硫黄化合物としては、特に制限はないが、例えばチオフェノール類、チオナフトール類、ハロゲン化チオフェノール類、又はそれらの金属塩等を挙げることができる。具体的には、ペンタクロロチオフェノール、ペンタフルオロチオフェノール、ペンタブロモチオフェノール、パラクロロチオフェノール等の亜鉛塩、硫黄数が2~4のジフェニルポリスルフィド、ジベンジルポリスルフィド、ジベンゾイルポリスルフィド、ジベンゾチアゾイルポリスルフィド、ジチオベンゾイルポリスルフィド等を挙げることができる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用してもよい。中でも、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩、およびジフェニルジスルフィドから選択された1種以上を好適に用いることができる。
ゴム組成物に有機硫黄化合物を配合することで、得られるゴルフボールの反発性を向上させることができる。
有機硫黄化合物の配合量は特に限定されないが、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.2質量部以上であることがより好ましく、0.5質量部以上であることがさらに好ましい。
有機硫黄化合物の配合量の上限についても特に限定されないが、基材ゴム100質量部に対して、5質量部以下であることが好ましく、4質量部以下であることがより好ましく、3質量部以下であることがさらに好ましい。有機硫黄化合物の配合量を上記範囲とすることで、ゴム組成物の加熱組成物の硬さが柔らかくなりすぎることを防止できる。
(E)共架橋剤
共架橋剤は、炭素数3個以上8個以下のα,β-不飽和カルボン酸の金属塩を好ましく用いることができる。α,β-不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられ、高い反発性を付与することからアクリル酸が好ましい。金属塩の金属としては、亜鉛、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等が挙げられ、特に亜鉛が好ましい。従って、共架橋剤としては、アクリル酸亜鉛を好適に用いることができる。
共架橋剤の配合量については特に限定されないが、基材ゴム100質量部に対して、3質量部以上60質量部以下であることが好ましい。共架橋剤の配合量を、基材ゴム100質量部に対して30質量部以上とすることで反発性を高めることができ、また60質量部以下とすることで過度に硬くなることを抑制し打球感を高めることができる。
共架橋剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、5質量部以上45質量部以下であることがより好ましい。
(F)不活性充填剤
不活性充填剤としては、例えば、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等から選択された1種以上の無機充填剤を挙げることができる。
不活性充填剤を添加することでゴルフボールの初速度や比重を調整することができる。
不活性充填剤を添加する場合、その配合量としては、基材ゴム100質量部に対して1質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、5質量部以上であることがさらに好ましい。
不活性充填剤の配合量は、その上限についても特に限定されないが、基材ゴム100質量部に対して100質量部以下であることが好ましく、60質量部以下であることがより好ましく、45質量部以下であることがさらに好ましく、40質量部以下であることが特に好ましい。
(G)老化防止剤
また、既述の様に老化防止剤を必要に応じてゴム組成物に配合することもできる。
老化防止剤としては、例えば、ノクラックNS-6、同NS-30、同200(大内新興化学工業社製)等の市販品を採用することができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
老化防止剤を添加する場合、その配合量については特に制限はないが、基材ゴム100質量部に対し、0.1質量部以上であることが好ましい。
老化防止剤を添加する場合、その上限も特に限定されないが、5.0質量部以下であることが好ましく、4.0質量部以下であることがより好ましく、3.0質量部以下であることがさらに好ましい。
老化防止剤の配合量を例えば基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下とすることで、特に適正なコア硬度傾斜とすることができ、反発性、耐久性、フルショット時の低スピン効果を特に高めることができる。
本実施形態のゴルフボールにおけるコアは、上述したゴム組成物を混練し、公知のゴルフボール用ゴム組成物と同様の方法で加硫・硬化させることによって得ることができる。加硫条件としては、例えば、加硫温度が100℃以上200℃以下であることが好ましく、135℃以上175℃以下であることがより好ましく、145℃以上165℃以下であることがさらに好ましい。
加硫時間についても特に限定されないが、例えば、加硫時間は2分間以上90分間以下とすることができる。
コアの直径としては、30mm以上であることが好ましく、32mm以上であることがより好ましく、34mm以上であることがさらに好ましい。コアの直径を30mm以上とすることで、低スピン効果を特に高め、反発性も高めることができる。
コアの直径は、例えば40mm以下とすることが好ましく、39mm以下であることがより好ましい。コアの直径を40mm以下とすることで、低スピン効果を特に高められる他、カバーの厚みを十分に確保できるため、カバーによる効果をさらに付与することができる。
また、上記コア(加熱成形物)における初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)を負荷した時のたわみ量であるたわみ硬度については、特に制限はないが、2.5mm以上であることが好ましく、2.8mm以上であることがより好ましく、3.0mm以上であることがさらに好ましい。
コアのたわみ硬度を2.5mm以上とすることで、低スピン効果を特に高めることができる。
コアのたわみ硬度の上限値は特に限定されないが、8.0mm以下であることが好ましく、7.8mm以下であることがより好ましく、7.5mm以下であることがさらに好ましい。
コアのたわみ硬度を8.0mm以下とすることで、低スピン効果を特に高め、反発性も高くすることができる。
次に、コアの硬度について説明する。
コア表面硬度からコア中心硬度を引いたJIS-C硬度差[(コアの表面硬度)-(コア中心硬度)]の値については、特に制限はないが、20以上であることが好ましい。
上記コア表面硬度からコア中心硬度を引いたJIS-C硬度差を20以上とすることで、低スピン効果を特に高めることができる。
上記コア表面硬度からコア中心硬度を引いたJIS-C硬度差の上限についても特に限定されないが、例えば40以下であることが好ましく、35以下であることがより好ましい。
上記コア表面硬度からコア中心硬度を引いたJIS-C硬度差を40以下とすることで、ゴルフボールを実打したときのボール初速を高めることができ、飛距離を伸ばすことができる。また、繰り返し打撃による割れ耐久性を特に高められる。
ここで、上記の中心硬度とは、コアを中心を通るように半分に切断して得た断面の中心において測定される硬度を意味し、表面硬度は上記コアの表面(球面)において測定される硬度を意味する。また、JIS-C硬度とは、JIS K 6301(1975)に規定するスプリング式硬度計(JIS-C形)で測定された硬度を意味する。
次に、コアを被覆するカバーについて説明する。
カバーの材料については、特に制限はないが、ゴルフボールに用いられている各種アイオノマー樹脂、ウレタンエラストマー等の公知の材料を使用することができる。
また、ボールの低スピン化をより一層実現するために、コアに隣接する層には高度に中和されたアイオノマー材料を用いることが特に好ましい。
具体的には、(a)ベース樹脂と、(b)非アイオノマー熱可塑性エラストマーとを配合した樹脂成分と、(c)分子量が228以上1500以下の脂肪酸、およびその誘導体から選択された1種以上と、(d)上記(a)成分及び(c)成分中の未中和の酸基を中和できる塩基性無機金属化合物とを配合した混合材料を用いることが好ましい。
(a)ベース樹脂としては、(a-1)オレフィン-不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体、およびオレフィン-不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物から選択された1種以上と、
(a-2)オレフィン-不飽和カルボン酸-不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体、およびオレフィン-不飽和カルボン酸-不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の金属イオン中和物から選択された1種以上と、を質量比で100:0以上0:100以下になるように配合したものを用いることができる。
そして、(a)ベース樹脂と、(b)非アイオノマー熱可塑性エラストマーとを質量比で100:0以上50:50以下になるように配合した樹脂成分100質量部に対して、上記(c)成分を、5質量部以上80質量部以下と、上記(d)成分を0.1質量部以上17質量部以下の割合で配合することが好ましい。
特に、上記(a)~(d)成分の混合材料を用いる場合には、酸基が70%以上中和されているものを採用することが好ましい。
また、カバーのうち最外層の材料としては、ウレタン材料、特に熱可塑性ウレタンエラストマーを主材とすることが好適である。
更に、上記コアに隣接する層と最外層カバーとの間には、1層または2層以上のカバー(中間層)を成形してもよい。この場合、中間層材料としては、アイオノマー等の熱可塑性樹脂を用いることが好適である。
本実施形態のゴルフボールにおけるカバーを得るには、例えば、ボールの種類に応じて予め作製したコアを金型内に配備し、上記混合物を加熱混合溶融し、射出成形することにより、コアの周囲に所望のカバーを被覆する方法等を採用できる。この場合、カバーの製造は、優れた熱安定性、流動性、成形性が確保された状態で作業でき、これにより、最終的に得られたゴルフボールは、反発性が高く、その上、打感が良く、耐擦過傷性に優れている。また、カバーの形成方法は、上記のほかに、例えば、既述のカバー材により予め一対の半球状のハーフカップを成形し、このハーフカップでコアを包んで120℃以上170℃以下、1分間以上5分間以下、加圧成形する方法などを採用することもできる。
上記カバーが1層の場合、その厚さは例えば0.3mm以上3mm以下とすることが好ましい。上記カバーが2層の場合、外層カバー(最外層カバー)の厚さは0.3mm以上2.0mm以下、内層カバー(中間層カバー)の厚さは0.3mm以上2.0mm以下の範囲とすることが好ましい。
また、上記カバーを構成する各層(カバー層)のショアD硬度は、特に制限はないが、40以上とすることが好ましく、45以上とすることがより好ましい。カバーを構成する各層のショアD硬度の上限についても特に制限されないが、70以下であることが好ましく、65以下であることがさらに好ましい。
なお、上記カバーの最外層の表面には、多数のディンプルが形成されるものであり、更にカバー上には下地処理、スタンプ、塗装等種々の処理を行うことができる。既述のカバー材で形成されたカバーにこのような表面処理を施す場合、カバー表面の成形性が良好であるため作業性を良好にして行うことができる。
本実施形態のゴルフボールは、既述のゴム組成物を少なくとも1層のコア材料として使用されるゴルフボールであるが、コアを2層以上としてもよい。コアを2層以上とする場合、最内層に、本実施形態で説明したコアを適用することが好ましいが、係る形態に限定されるものではない。ゴルフボールの種類としては、コアと少なくとも1層以上のカバー層を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、ソリッドコアをカバーで被覆したツーピースやスリーピースソリッドゴルフボール、3層構造以上のマルチピースゴルフボール等のソリッドゴルフボールが挙げられる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
〔実施例1~5、比較例1、2〕
(コアの作製)
下記表2に示すポリブタジエンを主成分とするコア材料を用いて、実施例1~5、比較例1、2のコアを作製した。
なお、得られるゴルフボールの初速度が77m/s、たわみ硬度が2.40(mm)となるようにゴム組成物の配合を選択した。また、配合から算出したコアの比重は表4に示すように、いずれも1.132g/cmとなる。
表2に示したコア材料の各成分の詳細は以下のようになっている。
・ポリブタジエンゴムA:商品名「BR051」(JSR社製)
シス1,4結合の含有割合95%、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]38、Nd系触媒により重合
・ポリブタジエンゴムB:商品名「BR01」(JSR社製)
シス1,4結合の含有割合95%、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]45、Ni系触媒により重合
・ポリブタジエンゴムC:商品名「BR730」(JSR社製)
シス1,4結合の含有割合95%、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]56、Nd系触媒により重合
・有機過酸化物A:ジクミルパーオキサイド 商品名「パークミルD」(日油社製)
・有機過酸化物B:1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサンとシリカとの混合物、商品名「パーヘキサC-40」(日油社製)
・硫酸カルシウム0.5水和物:関東化学社製 焼石膏
・硫酸カルシウム2水和物: 関東化学社製 硫酸カルシウム2水和物
・硫酸アルミニウム14水和物:関東化学社製 硫酸アルミニウム14水和物
・硫酸マグネシウム7水和物: 関東化学社製 硫酸マグネシウム7水和物
・水:蒸留水 和光純薬工業社製
・有機硫黄化合物:ペンタクロロチオフェノール亜鉛塩:和光純薬工業社製
・アクリル酸亜鉛:日本触媒社製
・硫酸バリウム:商品名「バリコ#100」(ハクスイテック社製)
・酸化亜鉛:商品名「三種酸化亜鉛」(堺化学社製)
・老化防止剤:商品名「ノクラックNS-6」(大内新興化学工業社製)
Figure 0007175111000002
コアの作製に当たって、まず表2に示した成分のうち、有機過酸化物、および水添加用の試薬、具体的には硫酸カルシウム0.5水和物、硫酸カルシウム2水和物、硫酸アルミニウム14水和物、硫酸マグネシウム7水和物、水を除く成分を120℃以下の温度で混練した。
次いで、得られた混練物に対して有機過酸化物、および水添加用の試薬を添加し、90℃以下の温度で混練して、各実施例、比較例のゴム組成物を調製した。
得られた混合物を、155℃で19分間の条件で加硫成形することで加硫しコアを作製した。
(ゴルフボールの作製)
作製した各実施例、比較例のコアの表面に、下記表3に示した配合の樹脂を用いて、表3に示した厚みの、中間層、および最外層の2層からなるカバーを形成し、ゴルフボールとした。
カバーは、射出成形法により、コアの周囲に、順に、中間層および最外層を被覆し、これにより3層構造のマルチピースソリッドゴルフボールを得た。この際、全ての実施例及び比較例のボールのカバー表面には、特に図示してはいないが、所定パターンの共通のディンプルが形成された。
なお、表3中に示したカバー材料の各成分の詳細は以下のようになる。
・ハイミラン1706、ハイミラン1557、ハイミラン1605:三井デュポンポリケミカル社製のアイオノマーコンパウンド
・T8283、T8290:DICバイエルポリマー社製のウレタンコンパウンド
・ハイトレル4001:ポリエステルエラストマー、東レデュポン社製
・ポリエチレンワックス:商品名「サンワックス161P」、三洋化成社製
・イソシアネート化合物:4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート
・酸化チタン: 石原産業社製 「タイペークR680」
・トリメチロールプロパン: 三菱ガス化学社製
Figure 0007175111000003
[コアの評価方法]
各実施例、比較例において作製したコアについて、以下の手順によりたわみ硬度、外径、重量、JIS-C硬度差について評価した。その結果を、表4に示す。
(たわみ硬度)
コアに対して初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)を負荷した時までの変形量を1個のコアの測定値とし、同じ条件で作製した30個のコアについての測定値の平均値を、該実施例または比較例のコアのたわみ硬度とした。
(外径)
23.9±1℃の温度で、任意の表面5箇所を測定し、その平均値を1個のコアの測定値とし、同じ条件で作製した5個のコアについての測定値の平均値を、該実施例または比較例のコアの外径とした。
(重量)
コアについて、上皿電子天秤によりその重量を測定した。
(コア表面硬度からコア中心硬度を引いたJIS-C硬度差)
コアの表面は球面であるが、その球面に硬度計の針をほぼ垂直になるようにセットし、JIS K 6301(1975)規格に従ってJIS-C硬度でコア表面硬度を計測した。
コアの中心硬度については、コアをファインカッターにより中心を通るように半分にカットし、その断面の中心をJIS-C硬度で計測した。
そして、測定したコアの表面硬度からコアの中心硬度を引き、JIS-C硬度差を算出した。
[ボールの評価方法]
各実施例、比較例において作製したコアについて、以下の手順によりたわみ硬度、外径、重量、スピン量、耐久性能について評価した。その結果を、表4に示す。
(たわみ硬度)
各実施例、比較例で作製したゴルフボールに対して初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)を負荷した時までの変形量(mm)を測定し、たわみ硬度とした。
(外径)
23.9±1℃の温度で、任意のディンプルのない部分を5箇所測定し、その平均値を1個のボールの測定値とし、同じ条件で作製した5個のボールについての測定値の平均値を、該実施例、または比較例のボールの外径とした。
(重量)
ゴルフボールについて、上皿電子天秤によりその重量を測定した。
(スピン量)
ゴルフ打撃ロボットにドライバー(W#1)、ブリヂストンスポーツ社製、「TourStage ViQ(2012モデル)」(ロフト角:11.5°)を装着し、ヘッドスピード(HS)45m/sで打撃した直後のボールのスピン量を初期条件計測装置により測定した。
また、ゴルフ打撃ロボットに、ブリヂストンスポーツ社製6番アイアン(I#6)「TourStage ViQ(2012モデル)」を装着し、ヘッドスピード(HS)38m/sで打撃した直後のボールのスピン量を初期条件計測装置により測定した。
なお、スピン量については、コアを作製する際に、水の添加を行っていない比較例1の測定結果との差で示しており、0よりも小さくなることで低スピン化が図られていることを示している。
(耐久性能)
米国Automated Design Corporation製のADC Ball COR Durability Testerにより、ゴルフボールの耐久性を評価した。この試験機は、ゴルフボールを空気圧で発射させた後、平行に設置した2枚の金属板に連続的に衝突させる機能を有する。金属板への入射速度は43m/sとした。
各実施例、比較例で作製したゴルフボール100個をそれぞれ100回発射した場合に、発射した全ゴルフボールのうちの、100回発射し終えるまでに割れたゴルフボールの数の割合を算出し、耐久性能(%)とした。このため、耐久性能(%)が小さいほど、故障率が低く、耐久性に優れたゴルフボールとなる。
Figure 0007175111000004
表4に示した結果から、水分提供剤をゴム組成物に配合した実施例1~実施例5においては、スピン量がドライバー、アイアンいずれを用いた場合でもマイナスとなっており、水分を配合していない比較例1の場合と比較して低スピン化が図られていることを確認できた。
また、実施例1~実施例5においては、耐久性能が10%以下と低く、コアを作製する際にゴム組成物に水を配合した比較例2と比較して耐久性が大幅に高くなっていることを確認できた。

Claims (6)

  1. コアと、カバーとを有するゴルフボールであって、
    前記コアが、下記(A)~(C)成分
    (A)基材ゴム
    (B)有機過酸化物
    (C)水分提供剤
    を配合したゴム組成物の加熱成形物により形成されるものであり、
    前記(C)水分提供剤は、前記ゴム組成物を加硫する温度で水分を放出し、前記ゴム組成物を加硫する温度まで加熱した場合の水分の解離率が質量割合で60%以上であり、
    前記(C)水分提供剤の分子式中の水分の含有割合が質量割合で6%以上であるゴルフボール。
  2. コアと、カバーとを有するゴルフボールであって、
    前記コアが、下記(A)~(C)成分
    (A)基材ゴム
    (B)有機過酸化物
    (C)水分提供剤
    を配合したゴム組成物の加熱成形物により形成されるものであり、
    前記(C)水分提供剤は、前記ゴム組成物を加硫する温度で水分を放出し、前記ゴム組成物を加硫する温度まで加熱した場合の水分の解離率が質量割合で60%以上であり、
    前記(C)水分提供剤を155℃まで加熱した場合の水分の解離率が質量割合で60%以上であるゴルフボール。
  3. 前記(C)水分提供剤を155℃まで加熱した場合の水分の解離率が質量割合で98.1%以下である請求項2に記載のゴルフボール。
  4. コアと、カバーとを有するゴルフボールであって、
    前記コアが、下記(A)~(C)成分
    (A)基材ゴム
    (B)有機過酸化物
    (C)水分提供剤
    を配合したゴム組成物の加熱成形物により形成されるものであり、
    前記(C)水分提供剤は、前記ゴム組成物を加硫する温度で水分を放出し、前記ゴム組成物を加硫する温度まで加熱した場合の水分の解離率が質量割合で60%以上であり、
    前記(C)水分提供剤が、無機化合物の水和物であるゴルフボール。
  5. コア表面硬度からコア中心硬度を引いたJIS-C硬度差が20以上である請求項1~請求項のいずれか1項に記載のゴルフボール。
  6. 上記ゴム組成物は、前記(A)基材ゴム100質量部に対して、有機硫黄化合物を0.1質量部以上5質量部以下の割合で含有する請求項1~請求項のいずれか1項に記載のゴルフボール。
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