JP5262959B2 - 物品保持装置 - Google Patents
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Description
この物品保持装置では、物品を収納部の物品対向部に対向させた状態で送風機を運転すると、吸い込み口から気体を吸い込んで吹き出し口から気体が吹き出される。この吸い込んだ気体により物品を保持し、吹き出した気体により物品を収納部から離反させる。このとき、送風機の送風量を制御して吸い込み口からの吸い込み量と吹き出し口からの吹き出し量とを適宜に調整することより、収納部に非接触で物品を保持できる。具体的には、吸い込み口に吸い込まれる風の力が、吹き出し口からの吹き出される風の力と、物品の重量と、反発力との和と等しくなると物品は保持される。この反発力は、収納部と物品との間の気体層のクッションにより密着を防ぐ力である。ここでは、物品保持装置に設けた送風機により生じる気体の吸い込み量及び吹き出し量を制御することにより物品を保持している。このため、保持装置の周囲にある気体を用いて物品を保持できる。したがって、大量の気体を必要とすることなく、非接触で物品を保持できるようになる。
この場合には、物品を保持するのに寄与する吸い込み口の周囲に物品を離反させる吹き出し口が設けられているので、簡単な構造で物品を安定して保持できる。
この場合には、物品に対向して配置された吸い込み口が送風機の吸い込み側に対向して配置されるので、送風機が吸い込み口を介して物品に対向して配置される。このため、物品の保持するための吸い込み側での抵抗が小さくなり、吸い込み流量の損失が減少し、物品の保持を確実に行える。また、吹き出し口及び吸い込み口の構成がコンパクトになる。
この場合には、吸い込み口に物品が近づいて吸い込み口からの吸い込み流量が減少しても、吸気部から送風機の吸い込み側に気体を供給できるので、物品が平面に吸着しにくくなる。
この場合には、物品と収納部との距離を把握できるので、距離に応じて送風機を制御することにより、物品と収納部との隙間を適切に管理できる。
図1において、本発明の一実施形態が採用された移載装置10は、例えば、大型液晶用のガラス基板SをカセットCと図示しない搬送装置との間で移載する。移載装置10は、例えばスカラロボットからなる移載ロボット12と、移載ロボット12の先端に設けられた移載アーム14と、移載アーム14に装着された、例えば4つの物品保持装置20と、を備えている。カセットCは、内部に複数段の棚部Caを有している。各棚部Caは、左右に間隔を隔てて配置された3つの棚板Cbを有している。
物品保持装置20は、物品としてのガラス基板Sの上面を非接触で保持するものである。物品保持装置20は、図2〜図4に示すように、ガラス基板Sに対向可能なケース(収納部の一例)22と、ケース22内に配置されたファン(送風機の一例)24と、吸い込み口26と、吹き出し口28と、を備えている。また、物品保持装置20は、ケース22の内部にファン24を制御するファン制御部30を備え、ケース22の外部に複数(例えば4つ)の距離センサ(距離把握手段の一例)32を備えている。さらに、物品保持装置20は、吸い込み口26と連通する吸気部34を備えている。
ケース22は、内部にファン24とファン制御部30とを収納している。ケース22は、金属又は合成樹脂製であり、ガラス基板Sに対向する平面を有している。ケース22は、概ね直方体の筐体で構成されるケース本体40と、ケース本体40に間隔を隔てて固定された物品対向部42と、を有している。
ファン24は、その回転中心が吸い込み口26と同芯に配置されている。ファン24は、例えば、シロッコファン、ターボファン、及びプロペラファン等を用いた回転ファン部50を有している。この実施形態では、回転ファン部50は、ターボファンに比べて風量が多いシロッコファンを用いているが、その他の形態のものでもよい。また、ファン24は、回転ファン部50を回転駆動するファンモータ52と、ファンモータ52を固定するファンケース54と、を有している。ファンモータ52は、例えば、モータ軸52aがファンケース54に固定された軸固定形のモータである。回転ファン部50はファンモータ52のモータケース52bに固定されている。ファンケース54は、平面視J字状であり、第2部材40cに固定されている。ファン24は吸い込み部54aが吸い込み口26に対向してファンケース54の下面に配置され、吹き出し部54bが吹き出し口28に連通してファンケース54の側部に配置されている。なお、ファン24において、吸い込み側と吹き出し側とを区分けできるものであれば、ファンケース54はなくてもよい。
距離センサ32は、ケース本体40の対向する二辺にそれぞれ間隔を隔てて4つ配置されている。距離センサ32は、例えばレーザ光等の光をガラス基板Sに照射してその反射光によりガラス基板Sとの距離を検出可能なものである。
(6)ファン制御部の構成
ファン制御部30は、例えば、CPU,ROM,RAM,I/Oインターフェイス等を含むマイクロコンピュータを備えている。ファン制御部30は、4つの距離センサ32での測定結果の距離が一定になるようにファン24のファンモータ52の回転速度を制御する。
移載制御部60は、ファン制御部30にガラス基板Sを保持する保持命令及びガラス基板Sの保持を解除する解除命令を出力する。移載制御部60には、外部通信部62を介して工場内の上位コントローラ(図示せず)から搬送指令が与えられる。この搬送指令には、ガラス基板Sの質量のデータが含まれている。なお、搬送指令に表面粗さデータ、物品のたわみやすさのデータを含んでもよい。これは表面粗さが粗いと気体による吸着力が弱くなるからである。また、物品がたわみやすいと、物品を慎重に吸着する必要があるからである。この搬送指令に含まれるデータは、移載制御部60が搬送指令を受け取ると、保持命令を出力する前にファン制御部30に外部通信部62及び外部通信部36を介して送信される。ファン制御部30は、質量のデータを受け取ると、質量のデータを加味してファンモータ52を制御する。移載制御部60は、ガラス基板Sに移載アーム14が配置されると、ファン制御部30にガラス基板Sを保持する保持命令及び保持を解除する解除命令を送信する。この保持命令及び解除命令を受け取ってファン制御部30はファンモータ52を制御する。
次に、ファン制御部30の制御動作を図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
ファン制御部30に電源が投入されると、ステップS1で初期設定がなされる。この初期設定では、各種の変数及びフラグがリセットされる。ステップS2では、搬送指令に含まれる質量データを受信したか否かを判断する。これらのデータを受信してない場合は、ステップS3に移行する。ステップS3では、保持命令を受信したか否かを判断する。保持命令を受信していない場合は、ステップS4に移行する。ステップS4では、解除命令を受信したか否かを判断する。解除命令を受信していない場合は、ステップS2に戻る。
ステップS10で設定が終わるとステップS3に移行する。
物品保持装置20は、ガラス基板Sを非接触で保持する装置である。物品保持装置20は、ガラス基板Sに対向可能な物品対向部42と内部に設けられた空間40aとを有するケース22と、ファン24と、吸い込み口26と、吹き出し口28と、を備えている。ファン24は、ケース22の空間40aに配置され、気体を吸い込んで吹き出す少なくとも1つのものである。吸い込み口26は、物品対向部42に配置され、ファン24の吸い込み側と連通するものである。吹き出し口28は、吸い込み口26と異なる位置で物品対向部42に対向して配置され、ファン24の吹き出し側と連通するものである。
この物品保持装置20では、ガラス基板Sをケース22の物品対向部42に対向させた状態でファン24を運転すると、吸い込み口26から気体を吸い込んで吹き出し口28から気体が吹き出される。この吸い込んだ気体によりガラス基板Sを保持し、吹き出した気体によりガラス基板Sをケース22から離反させる。このとき、ファン24の回転数を制御して流量を適宜に調整することより、ケース22に非接触でガラス基板Sを保持できる。ここでは、物品保持装置20に設けたファン24により生じる気体の流量を制御することによりガラス基板Sを保持している。このため、保持装置の周囲にある気体を用いて物品を保持できる。したがって、大量の気体を必要とすることなく、非接触でガラス基板Sを保持できるようになる。
ここでは、ガラス基板Sを保持するのに寄与する吸い込み口26の周囲にガラス基板Sを離反させる吹き出し口28が設けられているので、簡単な構造でガラス基板Sを安定して保持できる。
ここでは、ガラス基板Sに対向して配置された吸い込み口26がファン24の吸い込み側に対向して配置されるので、ファン24が吸い込み口26を介してファン24に対向して配置される。このため、ファン24の保持するための吸い込み側での抵抗が小さくなり、吸い込み流量の損失が減少し、ガラス基板Sの保持を確実に行える。また、吹き出し口28及び吸い込み口26の構成がコンパクトになる。
このため、吸い込み口26にガラス基板Sが近づいて吸い込み口26からの吸い込み流量が減少しても、吸気部34からファン24に気体を供給できるので、ガラス基板Sが平面に吸着しにくくなる。
ここでは、吸気部34が平面に沿って配置されているので、簡単な構造でガラス基板Sの平面への吸着を防止できる。
このため、ガラス基板Sとケース22との距離を把握できるので、距離に応じて送風機を制御することにより、ガラス基板Sとケース22との隙間を適切に管理できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
図7において、ファン制御部30には、距離把握手段として圧力センサ38が接続されている。その他の構成は、図5に示す前記実施形態と同様である。圧力センサ38は、ファン24の吸い込み側又は吹き出し側に配置されており、負圧又は正圧を検出する。この実施形態では、圧力センサ38は、吸い込み側に配置され負圧を検出している。このように圧力センサ38により、距離を把握すれば、特定のガラス基板のように光により距離を検出しにくい物品であっても精度良く物品との距離を計測できる。
図9において、物品保持装置220は、吸い込みファン224aと、複数(例えば、4つ)の吹き出しファン224bと有している。吸い込みファン224aは、ケース222の中心に配置された吸い込み口226に対向して配置されている。吹き出しファン224bは、吸い込み口226の周囲に周方向に間隔を隔てて配置された複数の吹き出し口228に対向して配置されている。吸い込みファン224aの吹き出し側には、排気通路235が形成され、吹き出しファン224bの吸い込み側には、吸気通路(吸気部の一例)234が形成されている。
なお、複数のファンを用いる場合、物品が傾いたときに、複数のファンの回転量を制御して傾きを修正するようにしてもよい。
図11及び図12には、複数(たとえば3つ)の貫通孔444aを有する扇形状の複数(たとえば4個)の間座部材444及び複数の貫通孔544aを有する円弧状の複数(たとえば4個の)間座部材544を物品対向部42とケース22との間に配置している。この間座部材444及び間座部材544の間に、吸気部434及び吸気部534を設けている。
12 移載ロボット
12a フレーム部
12b 第1アーム部
12c 第2アーム部
14 移載アーム
14a フォーク
14b フォーク
20 物品保持装置
22 ケース(収納部)
24 ファン
26 吸い込み口
28 吹き出し口
30 ファン制御部
32 距離センサ
34 吸気部
36 外部通信部
38 圧力センサ
40 ケース本体
40a 空間
40b 第1部材
40c 第2部材
40d 第1開口
40e 第2開口
42 物品対向部
42a 第3開口
42b 第4開口
44 間座部材
44a 貫通孔
50 回転ファン部
52 ファンモータ
52a モータ軸
52b モータケース
54 ファンケース
54a 吸い込み部
54b 吹き出し部
60 移載制御部
62 外部通信部
120 物品保持装置
124 ファン
134 吸気部
134a 吸気口
144 間座部材
152 ファンモータ
152a モータ軸
220 物品保持装置
222 ケース
224a 吸い込みファン
224b 吹き出しファン
226 吸い込み口
228 吹き出し口
234 吸気通路
235 排気通路
320 物品保持装置
322 ケース
322a 隔壁
322b 吹き出し経路
324a 吸い込みファン
324b 吹き出しファン
326 吸い込み口
328 吹き出し口
434 吸気部
444 間座部材
444a 貫通孔
534 吸気部
544 間座部材
544a 貫通孔
C カセット
S ガラス基板
Claims (6)
- 物品を非接触で保持する物品保持装置であって、
前記物品に対向可能な物品対向部及び内部に設けられた空間を有する収納部と、
前記収納部の前記空間に配置され、気体を吸い込んで吹き出す少なくとも1つの送風機と、
前記物品対向部に配置され、前記送風機の吸い込み側と連通する吸い込み口と、
前記吸い込み口と異なる位置で前記物品対向部に配置され、前記送風機の吹き出し側と連通する吹き出し口と、
を備えた物品保持装置。 - 前記物品対向部は、前記物品に対向可能な平面を有し、
前記吸い込み口は、前記平面に配置され、
前記吹き出し口は、前記平面の前記吸い込み口の周囲に配置されている、請求項1に記載の物品保持装置。 - 前記吸い込み口は、前記送風機の前記吸い込み側に対向して配置されている、請求項2に記載の物品保持装置。
- 前記送風機の吸い込み側と連通し、前記平面と異なる位置に開口する吸気部をさらに備える、請求項2又は3に記載の物品保持装置。
- 前記吸気部は、前記平面に平行に配置されている、請求項4に記載の物品保持装置。
- 前記収納部に配置され、前記物品と前記収納部との距離を把握可能な距離把握手段をさらに備える、請求項1から5のいずれか1項に記載の物品保持装置。
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