JP5444820B2 - 物品保持装置 - Google Patents
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Description
この物品保持装置では、物品を収納部の物品対向部に対向させた状態で送風機を運転すると、吸い込み口から気体を吸い込んで吹き出し口から気体が吹き出される。この吸い込んだ気体により物品を保持し、吹き出した気体により物品をケースから離反させる。このとき、送風機の送風量を制御して吸い込み口からの吸い込み量と吹き出し口からの吹き出し量とを適宜に調整することより、ケースに非接触で物品を保持できる。ここでは、物品保持装置に設けた送風機により生じる気体の流量を制御することにより物品を保持している。このため、送風機を一方向に回転させれば迅速に物品を保持でき、逆方向の回転させることにより物品の保持を迅速に解除できる。
この場合には、物品の質量に応じて質量が大きいほど送風量を多くすれば、質量が大きい物品でも精度良く保持できる。
この場合に、物品の質量に応じて距離を制御できる。このため、質量が大きい物品ほど物品保持装置から離すことができ、慣性力が大きな質量が大きい物品であっても、物品対向部と衝突しにくくなる。
この場合には、物品と物品保持装置との距離を所定の設定値に保持できる。
この場合には、動作パターンに含まれる加速度に応じて送風量を制御することにより加速度により保持装置に対して物品が接近及び離反しようとしてもそれを防止できる。このため、物品をさらに精度良く保持できる。
(1)移載装置の全体構成
図1において、本発明の第1実施形態が採用された移載装置10は、例えば、大型液晶用のガラス基板SをカセットCと図示しない搬送装置との間で移載する。移載装置10は、例えばスカラロボットからなる移載ロボット12と、移載ロボット12の先端に設けられた移載アーム14と、移載アーム14に装着された、本発明の一実施形態による例えば4つの物品保持装置20と、を備えている。カセットCは、内部に複数段の棚部Caを有している。各棚部Caは、左右に間隔を隔てて配置された3つの棚板Cbを有している。
物品保持装置20は、物品としてのガラス基板Sの上面を非接触で保持するものである。物品保持装置20は、図2〜図4に示すように、装置本体21を備えている。装置本体21は、ガラス基板Sに対向可能なケース(収納部の一例)22と、ケース22内に配置されたファン(送風機の一例)24と、吸い込み口26と、吹き出し口28と、を有している。また、物品保持装置20は、ケース22の内部にファン24の回転速度を制御するファン制御部30を備え、ケース22の外部に複数(例えば4つ)の距離センサ(距離把握手段の一例)32を備えている。さらに、物品保持装置20は、吸い込み口26と連通する吸気部34を備えている。
ケース22は、内部にファン24とファン制御部30とを収納している。ケース22は、金属又は合成樹脂製であり、ガラス基板Sに対向する平面を有している。ケース22は、概ね直方体の筐体で構成されるケース本体40と、ケース本体40に間隔を隔てて固定された物品対向部42と、を有している。
ファン24は、その回転中心が吸い込み口26と同芯に配置されている。ファン24は、例えば、シロッコファン、ターボファン、及びプロペラファン等を用いた回転ファン部50を有している。この実施形態では、回転ファン部50は、ターボファンに比べて風量が多いシロッコファンを用いているが、その他の形態のものでもよい。また、ファン24は、回転ファン部50を回転駆動するファンモータ52と、ファンモータ52を固定するファンケース54と、を有している。ファンモータ52は、例えば、モータ軸52aがファンケース54に固定された軸固定形のモータである。回転ファン部50はファンモータ52のモータケース52bに固定されている。ファンケース54は、平面視J字状であり、第2部材40cに固定されている。ファン24は吸い込み部54aが吸い込み口26に対向してファンケース54の下面に配置され、吹き出し部54bが吹き出し口28に連通してファンケース54の側部に配置されている。なお、ファン24において、吸い込み側と吹き出し側とを区分けできるものであれば、ファンケース54はなくてもよい。
距離センサ32は、ケース本体40の対向する二辺にそれぞれ間隔を隔てて4つ配置されている。距離センサ32は、例えばレーザ光等の光をガラス基板Sに照射してその反射光によりガラス基板Sとの距離を検出可能なものである。
ファン制御部30は、例えば、CPU,ROM,RAM,I/Oインターフェイス等を含むマイクロコンピュータを備えている。ファン制御部30は、4つの距離センサ32での測定結果の距離が一定になるようにファン24のファンモータ52の回転速度をフィードバック制御する。
移載制御部60は、ファン制御部30にガラス基板Sを保持する保持命令及びガラス基板Sの保持を解除する解除命令を出力する。移載制御部60には、外部通信部62を介して工場内の上位コントローラ(図示せず)から搬送指令が与えられる。この搬送指令には、ガラス基板Sの質量のデータ及び移載ロボット12の動作位置毎の加速度を含む動作パターンのデータが含まれている。なお、搬送指令に表面粗さデータ、物品のたわみやすさのデータを含んでもよい。これは表面粗さが粗いと気体による吸着力が弱くなるからである。また、物品がたわみやすいと、物品を慎重に吸着する必要があるからである。この搬送指令に含まれるデータは、移載制御部60が搬送指令を受け取ると、保持命令を出力する前にファン制御部30に外部通信部62及び外部通信部36を介して送信される。ファン制御部30は、これらのデータを受け取ると、それらのデータを加味してファンモータ52を制御する。移載制御部60は、ガラス基板Sに移載アーム14が配置されると、ファン制御部30にガラス基板Sを保持する保持命令及び保持を解除する解除命令を送信する。この保持命令及び解除命令を受け取ってファン制御部30はファンモータ52を制御する。
次に、ファン制御部30の制御動作を図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
ファン制御部30に電源が投入されると、ステップS1で初期設定がなされる。この初期設定では、各種の変数やフラグがリセットされる。ステップS2では、搬送指令に含まれる質量データを受信したか否かを判断する。質量データを受信してない場合は、ステップS3に移行する。ステップS3では、保持命令を受信したか否かを判断する。保持命令を受信していない場合は、ステップS4に移行する。ステップS4では、解除命令を受信したか否かを判断する。解除命令を受信していない場合は、ステップS2に戻る。
ステップS10で設定が終わるとステップS3に移行する。
第1実施形態では、距離把握手段として距離センサを例示したが、本発明はこれに限定されない。
圧力センサ38で距離を計測する場合、図6のステップS13の計測距離の取り込みに代えて計測された圧力(負圧)を取り込み、ステップS14及びステップS15の判断ステップで、計測された負圧と設定された負圧とを比較する。そして、負圧の大小によりガラス基板Sとの距離を把握できる。具体的には、負圧が設定圧力より大きい場合は、ガラス基板Sが物品保持装置20に近づいているので、ファンモータ52の回転速度を第1実施形態と同様に下げる。また、負圧が設定圧力より小さい場合は、ガラス基板Sが物品保持装置20から離反しているので、ファンモータ52の回転速度を第1実施形態と同様にあげる制御を行う。このように、距離把握手段は、距離を直接計測する距離センサに限定されない。なお、設定圧力は、第1実施形態と同様に、質量データに応じて設定すればよい。
第1及び第2実施形態では、ガラス基板Sの質量に応じてファン24の回転速度及びガラス基板Sとの距離を制御したが、さらに移載装置10の動作パターン(例えば、動作位置とその位置での加速度のパターン)により回転速度を制御してもよい。
物品保持装置20は、物品(例えばガラス基板S)を非接触で保持する装置であって、装置本体21と、ファン制御部30と、を備えている。装置本体21は、ケース22と、少なくとも1つのファン24と、吸い込み口26と、吹き出し口28と、を有している。ケース22は、物品に対向可能な物品対向部42と内部に設けられた空間40aとを有している。ファン24は、ケース22の空間40aに配置され、気体を吸い込んで吹き出す。吸い込み口26は、物品対向部42に配置され、ファン24の吸い込み側と連通する。吹き出し口28は、吸い込み口26と異なる位置で物品対向部42に配置され、ファン24の吹き出し側と連通する。ファン制御部30は、ガラス基板Sを保持可能にファン24の送風量を制御する。
この物品保持装置20では、物品を物品対向部42に対向させた状態でファン24を運転すると、吸い込み口26から気体を吸い込んで吹き出し口28から気体が吹き出される。この吸い込んだ気体により物品を保持し、吹き出した気体によりファンをケースから離反させる。このとき、ファン24の送風量を制御して吸い込み口26からの吸い込み量と吹き出し口28からの吹き出し量とを適宜に調整することより、ケース22に非接触で物品を保持できる。ここでは、物品保持装置20に設けたファン24により生じる気体の流量を制御することにより物品を保持している。このため、ファン24を一方向に回転させれば迅速に物品を保持でき、逆方向の回転させることにより物品の保持を迅速に解除できる。
このため、物品の質量に応じて質量が大きいほど送風量を多くすれば、質量が大きい物品でも精度良く保持できる。
このため、質量に応じて物品との距離を制御できる。このため、質量が大きい物品ほど物品保持装置20から離すことができ、慣性力が大きな質量が大きい物品であっても、物品対向部42と衝突しにくくなる。
このため、物品と物品保持装置20との距離を所定の設定値に保持できる。
装置本体21は移動可能であり、装置本体21の動作パターンを把握する動作パターン把握手段(図8のステップS2)をさらに備え、ファン制御部30は、把握した動作パターンに応じて送風量を制御している。
このため、動作パターンに含まれる加速度に応じて送風量を制御することにより加速度により物品保持装置20に対して物品が接近及び離反しようとしてもそれを防止できる。このため、さらに精度良く物品を非接触で搬送できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(B)前記実施形態では、送風機(ファン24)の数が1つであったが複数でもよい。
(C)前記実施形態では、質量把握手段として外部通信部から得られる質量を受信する構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。予め物品のサイズ毎にファン制御部30に質量を記憶しておき、外部通信部36を介して物品のサイズを獲得するようにしてもよい。
12 移載ロボット
12a フレーム部
12b 第1アーム部
12c 第2アーム部
14 移載アーム
14a フォーク
14b フォーク
20 物品保持装置
21 装置本体
22 ケース
24 ファン
26 吸い込み口
28 吹き出し口
30 ファン制御部
32 距離センサ
34 吸気部
36 外部通信部
38 圧力センサ
40 ケース本体
40a 空間
40b 第1部材
40c 第2部材
40d 第1開口
40e 第2開口
42 物品対向部
42a 第3開口
42b 第4開口
44 間座部材
44a 貫通孔
50 回転ファン部
52 ファンモータ
52a モータ軸
52b モータケース
54 ファンケース
54a 吸い込み部
54b 吹き出し部
60 移載制御部
62 外部通信部
C カセット
S ガラス基板
Claims (6)
- 物品を非接触で保持する物品保持装置であって、
筐体であるケース本体と前記ケース本体に固定され前記物品に対向可能な物品対向部とにより内部に空間を有する収納部と、前記収納部の前記空間に配置され、気体を吸い込んで吹き出す少なくとも1つの送風機と、前記物品対向部に配置され、前記送風機の吸い込み側と連通する吸い込み口と、前記吸い込み口と異なる位置で前記物品対向部に配置され、前記送風機の吹き出し側と連通する吹き出し口と、を有する装置本体と、
前記物品を保持可能に前記送風機の送風量を制御する送風機制御部と、
を備え、
前記装置本体は、移動可能であり、
動作位置とその位置での加速度のパターンを含む前記装置本体の移動の動作パターンを把握する動作パターン把握手段をさらに備え、
前記送風機は、送風方向を逆転可能であり、
前記送風機制御部は、把握した前記動作パターンに応じて、前記動作位置毎の加速度に応じた回転速度の補正値を設定し、前記加速度により前記物品対向部に前記物品が接近及び離反しようとすることを防ぐように前記送風量を制御し、前記物品を保持する際には、前記吹き出し口から吹き出される風の力と、前記物品の重量と、反発力との和が、前記吸い込み口から吸い込まれる風の力と等しくなるように、前記送風機の前記送風方向を前記吸い込み口から前記気体を吸い込み前記吹き出し口から前記気体を吹き出す第1方向に制御して前記物品を非接触で前記物品対向部に吸着させ、前記物品の保持を解除する際には、前記第1方向と逆の第2方向に制御して前記物品の吸着を解除させる、物品保持装置。 - 前記送風機制御部は、前記送風機の送風量を変更することにより前記物品と前記物品対向部との距離を制御する、請求項1に記載の物品保持装置。
- 前記物品の質量を把握可能な質量把握手段をさらに備え、
前記送風機制御部は、把握した前記質量に応じて前記送風機の送風量を制御する、請求項1又は2に記載の物品保持装置。 - 前記物品の質量を把握可能な質量把握手段をさらに備え、
前記送風機制御部は、前記物品と前記物品対向部との距離を、把握した前記質量に応じた所定の設定値になるように前記送風量を制御する、請求項1又は2に記載の物品保持装置。 - 前記物品と前記物品対向部との距離を把握する距離把握手段をさらに備え、
前記送風機制御部は、把握した前記距離が所定の設定値にとどまるように前記送風機をフィードバック制御する、請求項1から4のいずれか1項に記載の物品保持装置。 - 前記距離把握手段は、前記送風機の吸い込み側又は吹き出し側の圧力を計測する圧力計測手段を有し、
前記送風機制御部は、前記計測された圧力に基づいて把握される前記距離が所定の設定値にとどまるように前記送風量を制御する、請求項5に記載の物品保持装置。
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