JP5262320B2 - 組み立て式コンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、側板を折り込むことができる組み立て式コンテナに関し、特に、組み立て及び折り畳みが容易で、内部に異物が混入する可能性を低くすることのできる組み立て式コンテナに関する。
使用時にはパレット上に側壁パネル(側板)を立設して内部に物品を収容する組み立て式のコンテナが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。組み立て式コンテナは、回送時や保管時に側板をパレット上に折り込んで容積を小さくすることができるので、繰り返し使用するコンテナにおいて非常に有効である。
また、近年の物流システムの進展あるいは物品の輸送環境の変化等により、種々雑多な様々な物品が汎用の組み立て式コンテナに収容されて搬送あるいは保管されており、これに伴って様々な用途の様々な構成の様々な種類の組み立て式コンテナが提供されている。この種のコンテナにおいては、通常、軽量で頑丈で安価なものが要望されるが、最近では、振動や揺れを大幅に吸収できる精密機器用のコンテナや、微細なゴミや粉塵も排除した状態で物品を搬送できる半導体デバイス材料用のコンテナ等、耐振性能や防塵性能等の特定の特性に優れた高性能な組み立て式コンテナも開発され利用されている(例えば特許文献3参照)。
特開2001−97373号公報 特開2002−255165号公報 特開2007−269373号公報
このように近年では種々の組み立て式コンテナが提供されているが、なお一層組み立てが簡単容易で、かつ丈夫で耐久性のある組み立て式コンテナが要望されている。
また、一方で、収容物品に対する保護、安全性等の観点から、コンテナ内部に異物が混入することに関しては一層の確実性が要求されている。例えば、工業製品の部品等であって異物混入することにより化学反応、金属反応、酸化反応等々が生じる可能性のある物品を収容し搬送する場合には、そのような異物の混入を確実に防止することが防止される。また、例えば食品、食品を収容する容器、あるいは食品関連の物品を収容し搬送する場合には、そのような異物の混入により人に対する健康上の安全性等が害される可能性があり、このような場合も異物の混入を確実に防止することが防止される。
本発明は、このような要望等に基づいてなされたものであってその目的は、構成が簡単で、組み立てや折り畳みを容易かつ確実に行うことができる一方で、異物が混入する可能性を低くすることのできる組み立て式コンテナを提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明に係る組み立て式コンテナは、パレットと、前記パレット上に対向して立設される2枚の第1の側板と、前記パレット上に対向して立設され前記2枚の第1の側板の両側辺部を連結するように当該第1の側板に略垂直に立設される2枚の第2の側板とを有する組み立て式コンテナであって、前記第1の側板は、前記第1の側板及び前記第2の側板が前記パレット上に立設された状態において前記第2の側板の外面に沿って配置されるように当該第1の側板の両辺部から各々当該第1の側板に略垂直に突出した係合プレートと、前記係合プレートに設けられた開孔である係合ピン嵌合孔とを有し、前記第2の側板は、外面から略垂直に突出し、前記第1の側板及び前記第2の側板が前記パレット上に立設された状態において前記第1の側板の前記係合ピン嵌合孔に挿通する係合ピンと、当該第2の側板の外面との間に前記第1の側板の前記係合プレートが介在可能な間隙を保持して当該第2の側板の外面に沿って回転可能な板状部材であって、前記係合ピンの位置において姿勢が維持可能な回転式側板係止板とを有する。
好適には、前記回転式側板係止板は、前記係合ピンが係合する係合溝を有することを特徴とする。
また好適には、前記第2の側板は、前記回転式側板係止板の回転を抑止し、当該回転式側板係止板を前記係合ピンの位置に維持する回転止め具をさらに有することを特徴とする。
また好適には、前記第2の側板は、前記回転式側板係止板に、前記係合ピンの位置の方向に回転力を作用させるスプリングをさらに有することを特徴とする。
本発明によれば、構成が簡単で、組み立てや折り畳みを容易かつ確実に行うことができるとともに、異物が混入する可能性を低くすることのできる組み立て式コンテナを提供することができる。
本発明の組み立て式コンテナの一実施形態について図1〜図6を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る組み立て式コンテナの構成を示す分解斜視図であり、図2は、図1に示した組み立て式コンテナの第1の側板の構成を示す斜視図であり、図3は、図1に示した組み立て式コンテナの第2の側板の構成を示す斜視図であり、図4は、図2に示した第1の側板が第1の枠部に沿って立設している状態を示す図であり、図5は、図2に示した第1の側板と図3に示した第2の側板との設置状態を説明するための図であり、図6は、図1に示した組み立て式コンテナの第1の側板と第2の側板との係止機構を示す図であって、図6(A)は上面図であり、図6(B)は側面図である。
本実施形態に例示する組み立て式コンテナは、特定の物を被収容対象とするものではなく任意の物を収容可能なコンテナであり、例えば、食品や医薬品等あるいはそれらの容器等を収容してもよいし、あるいはまた、工業製品の部品等の収容に用いてもよい。
図1に示すように、組み立て式コンテナ1は、パレット100、下枠200、床板300、2枚の第1の側板410、2枚の第2の側板420及び蓋部材500を有する。
パレット100は、コンテナ1の搬送台である。パレット100の側面には、フォークリフトの爪部が差し込まれるリフト用孔110が形成されている。本実施形態のパレット100は樹脂製であるが、ステンレスやアルミニウム等の金属製であってもよい。
下枠200は、パレット100の上面の周縁に沿って設置される部材であって、側板(第1の側板410及び第2の側板420)の位置を規定するとともに、これらを立設あるいは折り込むための支持部材である。
下枠200は、後述する第1の側板410が立設される位置に沿って設置される第1の枠部210と、後述する第2の側板420が立設される位置に沿って設置される第2の枠部220とを有する。
第1の枠部210及び第2の枠部220は、各々2枚の第1の側板410及び第2の側板420をパレット100上に折り込んだ時の高さ、すなわち、側板4枚分の板厚に相当する高さを有する。
なお、下枠200の材質は、金属や樹脂が好ましく、金属がより好ましい。
第1の枠部210の両端部には、図1及び図5に示すように、第1の側板410の下縁両端部に設けられたに側板位置規定用ピン415が落とし込まれる溝215が形成されている。溝215は、図5に示すように、第2の枠部220の板面からさらに外方向に突出するように形成されている。
第2の枠部220の両側の端部近傍の板面上部には、図1及び図4に示すように、第2の側板420が第2の枠部220に沿って立設された時に第2の側板420に形成された抜け防止ピン427が挿入されて通過されるための抜け防止ピン挿入孔227が形成されている。すなわち、抜け防止ピン挿入孔227は、第2の枠部220において、第2の側板420が第2の枠部220に沿って立設された時に、第2の側板420の抜け防止ピン427が配置される位置に対応する位置に形成される。
第2の側板420が抜け防止ピン427を抜け防止ピン挿入孔227に挿入させて第2の枠部220に沿って立設され、さらに、後述するプレート挟持機構430により、コンテナ1の4箇所の上方角部において隣接する第1の側板410と第2の側板420とが順次離脱不能に係合されることにより、4枚の第1の側板410と第2の側板420とは、相互に離脱不能に結合されるとともに、第1の枠部210及び第2の枠部220から、すなわちパレット100から、上方向に抜けない状態とされる。
また、図1に示すように、第1の側板410の高さは第2の側板420の高さよりも短く、第1の側板410及び第2の側板420が下枠200に沿って立設される時、第1の側板410の下縁は第2の側板420の下縁よりも上方に配置されることとなる。そのために、第1の枠部210の内側には、図4に示すように、第1の側板410が載置される段差部212が設けられている。すなわち、第1の側板410が第1の枠部210に沿って立設される時、第1の側板410はこの段差部212上に載置される。
床板300は、組み立て式コンテナ1の収容空間の下面を規定する板部材であり、パレット100上の下枠200で囲まれた範囲に載置される。床板300の材質は、特に限定されず、プラスチック段ボール板、合成樹脂板(発泡合成樹脂板を含む)、金属板、合板、繊維板等が用いられる。
各々2枚の第1の側板410及び第2の側板420は、パレット100の上面周縁部に立設され、所望の物品を収容する組み立て式コンテナ1の内部収容区間を形成する。
一対の第1の側板410は、矩形のパレット100の一方の対辺上に相互に対向するように配置され、一対の第2の側板420は、パレット100の他方の対辺上に同じく相互に対向するように、また、第1の側板410の両側端を連結するように配置される。
第1の側板410及び第2の側板420は、面部材の周囲に、側端枠材、上下枠材等の枠部材が装着された構成である。面部材の材質は特に限定されないが、例えば床板300と同様のプラスチック段ボール板、合成樹脂板(発泡合成樹脂板を含む)、金属板、合板、繊維板等が用いられる。また枠部材は、例えば鋼材等の金属で構成される。
第1の側板410は、図2に示すように、その下縁両側に、下縁を延長する方向に突出した側板位置規定用ピン415を有する。第1の側板410をパレット100に取り付ける時には、この側板位置規定用ピン415を第1の枠部210の両側に形成された溝215に落とし込む。これにより第1の側板410は、その下縁の水平方向の位置が第1の枠部210に沿った位置に保持される。前述したように、第1の側板410の下縁は第1の枠部210の段差部212上に載置された状態となっており、これにより第1の側板410は、その下縁及び側板位置規定用ピン415を支点として回動され、第1の枠部210に沿って立設された状態、あるいは、パレット100上に折り込まれた(寝かされた)状態とされる。
第1の側板410の左右両方の側縁部には、第2の側板420と係合するための係合プレート413が形成されている。係合プレート413は、第1の側板410の左右両側の周縁部から板面に垂直に内側方向(第2の側板420方向)に伸びた薄板状の部分である。係合プレート413は、第1の側板410の枠部材の一部を内側方向に延伸することにより、あるいはまた、第1の側板410の両側の枠部材として断面L字の金具を用いることにより形成するのが好適である。第1の側板410及び第2の側板420がパレット100上に立設される場合、第1の側板410の係合プレート413に隣接する第2の側板420が密接に配置されて、第2の側板420に備わる回転式側板係止板431によりその密接状態が維持される。
第1の側板410の係合プレート413の上部には、第2の側板420に具備される係合ピン424が嵌合される係合ピン嵌合孔414が形成されている。前述したように、第2の側板420が第1の側板410の係合プレート413に密接するように第1の側板410及び第2の側板420が立設された状態において、第2の側板420の係合ピン424が第1の側板410の係合ピン嵌合孔414に嵌合される。
第2の側板420は、図3に示すように、その下縁両側に、下縁を延長する方向に突出した側板位置規定用ピン425を有する。側板位置規定用ピン425は、隣接する第1の側板410の厚みとほぼ同じ程度の長さに形成される。
また、第2の側板420の下枠の両端部には、第2の側板420が第2の枠部220に沿って立設された時に第2の枠部220の抜け防止ピン挿入孔227に挿入される抜け防止ピン427が、外面から外方向に突出するように形成されている。第2の側板420は、抜け防止ピン427を第2の枠部220の抜け防止ピン挿入孔227に挿入させて第2の枠部220に沿って立設されることにより、第2の枠部220に対して上方向に抜けない状態とされる。
また、第2の側板420には、パレット上に傾倒されている第2の側板420を引き起こしてパレット100上に立設するために、その外面にバンド428が装着されている。
第2の側板420をパレット100に取り付ける時には、側板位置規定用ピン425を含む第2の側板420の下縁部分を、第2の枠部220に沿って配設する。この際には、第2の側板420の下枠部分に設けられた抜け防止ピン427が第2の枠部220と干渉しないように、第2の側板420を内側に若干倒して、あるいは、第2の側板420を床板300と略平行な程度にまで寝かせて、第2の側板420の下縁部分を第2の枠部220の内側に配設する。
その後、第1の側板410を、前述したように側板位置規定用ピン415を第1の枠部210の溝215に落とし込むことにより装着した後、あるいは、第1の側板410をそのように装着する前に、第2の側板420のバンド428を引き起こす等して第2の側板420を第2の枠部220に沿うようにパレット100上に垂直に立設する。その結果、第2の側板420の下枠部に設けられた抜け防止ピン427は第2の枠部220に設けられた抜け防止ピン挿入孔227に挿入され、これにより、第2の側板420は第2の枠部220に対して上方に抜けない状態に設置されることになる。
図3に戻って、第2の側板420の外面上部の左右両縁部には、第1の側板410及び第2の側板420がパレット100上において立設された時に、第1の側板410の係合プレート413に形成された係合ピン嵌合孔414に嵌合される係合ピン424が形成されている。第2の側板420は、係合ピン424を第1の側板410の係合ピン嵌合孔414に嵌合させて第1の側板410の係合プレート413に密接されて立設されることにより、第1の側板410に対して少なくとも上下方向に移動しない状態に維持される。
また、第2の側板420の外面上部の左右両縁部の前述した係合ピン424の内側には、第1の側板410の係合プレート413を第2の側板420の板面との間で挟持するための回転式側板係止板431を有するプレート挟持機構430が設置されている。
プレート挟持機構430は、図6(A)及び図6(B)に示すように、長方形の薄板状部材(回転式側板係止板)431が、第2の側板420の上枠の両端部に、板装着ピン432により第2の側板420の外側面内において回転可能に設置された構成である。回転式側板係止板431は、その長手方向の一方の端部付近が、板装着ピン432により第2の側板420に設置されており、この板装着ピン432を回転中心として回転可能に設置されている。
また、回転式側板係止板431の他方の端部431aには、係合ピン424が係合するようなU字形状の係合溝433が形成されている。そして、回転式側板係止板431は、第2の側板420の左右両方の上端部において、図6(B)に示すように、他方の端部431aが第2の側板420の最も縁側となるように、また長手方向が水平方向となるように配置された時に、係合溝433が係合ピン424に係合するような配置で設置される。従って、プレート挟持機構430においては、回転式側板係止板431を上方から係合ピン424方向に落とし込むように回転させれば(図6(B)に示すプレート挟持機構430においては、回転式側板係止板431を反時計回りに回転させれば)、係合ピン424が回転式側板係止板431の係合溝433に係合し、回転式側板係止板431はその係合状態に保持される。
また、回転式側板係止板431は、図6(A)に示すように、第2の側板420の外面との間に、第1の側板410の係合プレート413に相当する厚みのスペーサ434を介在させて、板装着ピン432により設置されている。
前述したように、第1の側板410及び第2の側板420をパレット100上に立設する時には、第2の側板420の係合ピン424は第1の側板410の係合プレート413に形成された係合ピン嵌合孔414を貫通した構成となる。この状態において、回転式側板係止板431を回転させて、図6(B)に示すように、係合溝433が係合ピン424に係合した状態に配置すると、スペーサ434が存在することにより、回転式側板係止板431は第1の側板410の係合プレート413の外側に配置される。すなわち、図6(A)に示すように、第1の側板410の係合プレート413が回転式側板係止板431と第2の側板420の外面との間に挟持されることとなる。その結果、すなわち係合プレート413の外側に第2の側板420に設置された回転式側板係止板431が配置された結果、係合ピン424が係合ピン嵌合孔414から離脱することが防止され、第2の側板420がコンテナ内部方向に傾倒することが防止される。
そしてその結果、パレット100上に立設された第1の側板410と第2の側板420とは、その4箇所の角部において、隣接する第1の側板410と第2の側板420とが離脱不能に係合される。
プレート挟持機構430は、対向配置される2枚の第2の側板420の各々の上部左右両端に、すなわち合計4箇所に配置される。すなわち、第1の側板410及び第2の側板420がパレット100上に立設される時には、各側板は4箇所の角部各々において、プレート挟持機構430により係合される。
なお、係合ピン424に係合溝433が係合した状態にある回転式側板係止板431は、他方の端部431a側を上方向に回転させることにより、係合溝433の係合ピン424との係合は解除され、回転式側板係止板431が第2の側板420の外面との間で第1の側板410の係合プレート413を挟持した状態も解除される。
その結果、その状態で第2の側板420を内側に傾倒させることにより、係合ピン424は係合ピン嵌合孔414から離脱して、第1の側板410と第2の側板420との上部角部での係合状態も解除され、第1の側板410及び第2の側板420は離脱あるいは折り畳み可能な状態となる。
このようにしてプレート挟持機構430により、第2の側板420と第1の側板410の立設状態及び折り込み状態が切り替えられる。
蓋部材500は、パレット100上に立設された第1の側板410及び第2の側板420により形成されるコンテナ1の収容空間の上部開口を閉塞するための蓋部材である。
蓋部材500も、第1の側板410、第2の側板420及び床板300と同様に、例えばプラスチック段ボール、金属板、合板、繊維板等により構成される。
蓋部材500の上面には、物品を収容した状態で、あるいは、折り畳まれた状態で、コンテナ1を順次段積み可能なように、係止凸部510が形成されている。係止凸部510は、パレット100の下面の図示せぬ係止凹部に係合するような配置、形状に形成される。
このような構成のコンテナ1においては、物品を収容せずに保管あるいは回送される時には、パレット100上に、対向する2枚の第2の側板420及び対向する2枚の第1の側板410がこの順番に折り込まれて、さらにその上に蓋部材500が載置されて、順次段積みされる等して保管等される。
このような組み立て式コンテナ1を使用する、すなわち所望の物品を収容する場合には、まず、対向する2枚の第1の側板410を第1の枠部210に沿って立設する。第1の側板410はパレット100上に折り込まれているので、その上部を支持して下縁が回転軸となるように持ち上げることにより、第1の側板410は立設状態となる。
第1の側板410を立設したら、次に、第2の側板420を立設する。同じく、パレット100上に折り込まれている第2の側板420を、第2の側板420の外面に装着されているバンド428を引っ張ることにより、下縁を回転軸として引き起こす。これにより、第2の側板420は先に立設されている第1の側板410の間で立設状態となる。この時、第2の側板420の抜け防止ピン427は、第2の枠部220の抜け防止ピン挿入孔227に挿入され、その結果、第2の側板420は、第2の枠部220に対して上方に抜けない状態となる。また、第2の側板420は第1の側板410の係合プレート413に当接した状態となり、これにより、第2の側板420の上部両側に形成されている係合ピン424は第1の側板410の係合ピン嵌合孔414に嵌合された状態となる。
そして、第2の側板420を第1の側板410に沿って立設した状態としたら、第2の側板420のプレート挟持機構430の回転式側板係止板431を回転させて、第1の側板410の係合プレート413の外側で、回転式側板係止板431の係合溝433を係合ピン424に係合した状態とする。その結果、第2の側板420は第1の側板410の係合プレート413を挟持した状態に維持され、第2の側板420及び第1の側板410はともに、パレット100上に倒れ込むことが防止され、立設状態が維持される。
また、この状態においては、第2の側板420の抜け防止ピン427は第2の枠部220の抜け防止ピン挿入孔227に嵌合され、第2の側板420の係合ピン424は第1の側板410の係合ピン嵌合孔414に嵌合される。また、第2の側板420の側板位置規定用ピン425は第1の側板410の側板位置規定用ピン415により上方を押さえられた状態である。その結果、下枠200、第1の側板410及び第2の側板420は一体化され、任意の物品を適切に収容して保護することのできるコンテナが構成される。
物品の搬送等が終了して組み立て式コンテナ1を回送等する時には、プレート挟持機構430の回転式側板係止板431を、係合溝433から係合ピン424が抜けるような方向に回転させることにより、第2の側板420を内側に(パレット100の上方に)折り込むことが可能となる。
対向する2枚の第2の側板420をパレット100上に折り込んだら、第1の側板410についてもこれをパレット100上に折り込むことが可能となる。その結果、組み立て式コンテナ1は、4枚の側板をパレット100上に折り込んだ状態となり、小さい容積での保管や回送が可能となる。
また、組み立て式コンテナ1において、掃除や修理のために側板を取り外したい時には、組み立て式コンテナ1を折り込んだ状態から、まず、第1の側板410を上方に持ち上げ、側板位置規定用ピン415を第1の枠部210の溝215から抜き取る。これにより、第1の側板410はパレット100から分離された状態となる。
また、第1の側板410を抜いた後は、第2の側板420の側板位置規定用ピン425を押さえていた第1の側板410の側板位置規定用ピン415が除去された状態なので、第2の側板420も同様に上方に抜き取ることができる。
すなわち、組み立て式コンテナ1は、このような簡単な方法により第1の側板410及び第2の側板420の係合状態を解除し、分解することができ、その結果、側板の交換や清掃、洗浄等を簡単に行うことができる。
このように、本実施形態の組み立て式コンテナ1は、容易に組み立て及び解体が可能であり、組み立てた時には、任意の被収容物を内部に適切に収容することができる。また、解体した時には容積を小さくすることができる。
また、通常の組み立て方法は、第1の側板410及び第2の側板420をパレット100上に折り込むあるいは立設するだけであり、各側板はパレットとつながった状態で組み立て等が行われる。従って、側板を分離することによる損傷や紛失を防ぐことができる。 一方で、側板を分離したい時には、側板が折り込んである状態から各側板を順次上方に抜き出せばよい。従って、必要な時には簡単な方法により分離することも可能である。
また、本実施形態の組み立て式コンテナ1においては、プレート挟持機構430は、回転式側板係止板431をスペーサ434を介在させて板装着ピン432により第2の側板420に外面から設置したものである。従って、構成が非常に簡単なものであり、コンテナの内部に脱落のする可能性のあるビス、リベット、ボルトあるいはナット等の部材は使用していない。従って、コンテナ内部に異物が混入する可能性を低くすることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
例えば、前述した実施形態のプレート挟持機構430の構成は、さらにいくつかの好適な改変を加えることができる。
例えば、前述したプレート挟持機構430は、単に回転式側板係止板431を回転させることにより、回転式側板係止板431の係合溝433に係合ピン424を係合させる、あるいは、それを解除するものであり、その係合状態は回転式側板係止板431の自重により維持するものであった。しかしながら、コンテナの傾斜や振動等により回転式側板係止板431が意図しない回転を行い、係合溝433と係合ピン424の係合状態が意図しないところ、例えば物品の搬送途中等で解除されることを防止することは有効である。そのために、回転式側板係止板431の回転を防止する機構を設ける構成としてもよい。
そのような構成の具体例を図7及び図8に示す。
図7は、回転式側板係止板431の板装着ピン432が配置されて入る側の端部に、回転式側板係止板431が容易に回転しないように、回転止め具440を設けた構成である。回転止め具440は、回転止め板441と、それを回転可能に第2の側板420に装着するピン442とを有する。回転止め板441は、ピン442を回転軸として回転可能に形成された板状部材であって、ピン442を中心として周辺までの距離が非対称な特定の平面形状の部材である。回転止め具440においては、回転止め板441を、ピン442からの距離が長い特定の辺が回転式側板係止板431の端辺と接触した状態となる姿勢に配置することにより、図7に示すように、回転式側板係止板431と回転止め板441とがともに回転不能な状態となるものである。回転式側板係止板431を回転させる時には、回転止め板441を上方に抜いて回転させる等、回転止め板441を特定の方向に移動回転させることにより、回転式側板係止板431の回転防止状態が解除され、回転式側板係止板431の回転が可能となる。
このような回転止め具440を設置することにより、回転式側板係止板431が意図せずに回転して第1の側板410と第2の側板420の係合状態が解除される等の事故を防止することができる。
図8は、前述した実施形態のプレート挟持機構430において、回転式側板係止板431の係合溝433が常に係合ピン424に係合した姿勢に付勢されるように、スプリング435を設置した構成である。スプリング435は、例えば図8(C)に示すようなコイルスプリングであり、これを図8(B)に示すように板装着ピン432の周囲に設置して図8(B)及び図8(A)に示すように、第2の側板420を支点として回転式側板係止板431にバネ力が作用するように設置したものである。
プレート挟持機構430の構成をこのようなスプリング435を有する構成とすることによっても、回転式側板係止板431が意図せずに回転して第1の側板410と第2の側板420の係合状態が解除される等の事故を防止することができる。
なお、第1の側板410と第2の側板420を係合設置する場合、あるいは、係合を解消して離脱あるいは折り畳みする場合は、スプリング435のバネ力に抗して回転式側板係止板431を上方に移動させて係合溝433と係合ピン424との係合を解消し、第1の側板410と第2の側板420との係合あるいは離脱を行うこととなる。
図1は、本発明の一実施形態に係る組み立て式コンテナの構成を示す分解斜視図である。 図2は、図1に示した組み立て式コンテナの第1の側板の構成を示す斜視図である。 図3は、図1に示した組み立て式コンテナの第2の側板の構成を示す斜視図である。 図4は、図2に示した第1の側板が第1の枠部沿って立設している状態を示す図である。 図5は、図2に示した第1の側板と図3に示した第2の側板との設置状態を説明するための図である。 図6は、図1に示した組み立て式コンテナの第2の側板に装着されるプレート挟持機構の構成を示す図である。 図7は、図1に示した組み立て式コンテナの第2の側板に装着されるプレート挟持機構の他の構成を示す図である。 図8は、図1に示した組み立て式コンテナの第2の側板に装着されるプレート挟持機構のさらに他の構成を示す図である。
符号の説明
1…組み立て式コンテナ
100…パレット
110…リフト用孔
200…下枠
210…第1の枠部
212…段差部
215…溝
220…第2の枠部
227…抜け防止ピン挿入孔
300…床板
410…第1の側板
413…係合プレート
414…係合ピン嵌合孔
415…側板位置規定用ピン
420…第2の側板
424…係合ピン
425…側板位置規定用ピン
427…抜け防止ピン
428…バンド
430…プレート挟持機構
431…回転式側板係止板
432…板装着ピン
433…係合溝
434…スペーサ
435…スプリング
440…回転止め具
441…回転止め板
442…ピン
500…蓋部材
510…係止凸部

Claims (4)

  1. パレットと、前記パレット上に対向して立設される2枚の第1の側板と、前記パレット上に対向して立設され前記2枚の第1の側板の両側辺部を連結するように当該第1の側板に略垂直に立設される2枚の第2の側板とを有する組み立て式コンテナであって、
    前記第1の側板は、
    前記第1の側板及び前記第2の側板が前記パレット上に立設された状態において前記第2の側板の外面に沿って配置されるように当該第1の側板の両辺部から各々当該第1の側板に略垂直に突出した係合プレートと、
    前記係合プレートに設けられた開孔である係合ピン嵌合孔とを有し、
    前記第2の側板は、
    外面から略垂直に突出し、前記第1の側板及び前記第2の側板が前記パレット上に立設された状態において前記第1の側板の前記係合ピン嵌合孔に挿通する係合ピンと、
    当該第2の側板の外面との間に前記第1の側板の前記係合プレートが介在可能な間隙を保持して当該第2の側板の外面に沿って回転可能な板状部材であって、前記係合ピンの位置において姿勢が維持可能な回転式側板係止板と
    前記回転式側板係止板に前記係合ピンの位置の方向に回転力を作用させるスプリングとを有する
    組み立て式コンテナ。
  2. 前記回転式側板係止板は、前記係合ピンが係合する係合溝を有することを特徴とする請求項1に記載の組み立て式コンテナ。
  3. 前記第2の側板は、前記回転式側板係止板の回転を抑止し、当該回転式側板係止板を前記係合ピンの位置に維持する回転止め具をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の組み立て式コンテナ。
  4. 前記第1の側板は、下縁両側に、下縁を延長する方向に突出した側板位置規定用ピンを有し、
    前記第2の側板は、下縁両側に、下縁を延長する方向に突出した側板位置規定用ピンを有し、
    当該組み立て式コンテナは、前記パレットの上面の周縁に沿って設置される部材であって、前記第1の側板及び前記第2の側板の位置を規定するとともに、当該第1の側板及び当該第2の側板を立設あるいは折り込むための支持部材である下枠をさらに有し、
    前記下枠は、前記第1の側板が立設される位置に沿って設置される第1の枠部と、前記第2の側板が立設される位置に沿って設置される第2の枠部とを有し、
    前記第1の枠部の両端部には、前記第1の側板の下縁両端部に設けられた前記側板位置規定用ピンが落とし込まれる溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の組み立て式コンテナ。
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