JP5261904B2 - ユニバーサルデザインパウチ - Google Patents

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Description

本発明は、環境および使う人(消費者)への配慮を重視したユニバーサルデザインに対応したパウチ(ユニバーサルデザインパウチ)に関する。
従来、主にレトルト食品や、詰め替え用の洗剤、或いは無菌包装食品、鮮度保持包装食品、医薬品等の内容物を密封包装した包装体(パウチ)が知られている。他方、近年できるだけ多くの人が利用可能であるようデザインすることを念頭に開発されたユニバーサルデザイン商品があり、ユニバーサルデザイン商品の一例としては、安全に配慮された自動ドア、エレベータや、外国人などのために、文字の代わりに絵文字を使っての各種表示を行うものや、シャンプーのボトルに凹凸加工による印をつけ、リンスその他のボトルと区別するものがある。
このようにユニバーサルデザインの目的としては、だれでも公平に使えること、使う上で自由度が高いこと、使い方が簡単で、すぐに分かること、必要な情報がすぐに分かること、うっかりミスが危険につながらないこと、身体への負担が少ないこと、接近や利用するための十分な大きさと空間を確保すること、を目的としており、今後、このようなユニバーサルデザインに沿った様々な商品の開発が望まれている。
先行技術文献は特開2000−281089である。
このようなユニバーサルデザインの考え方に基づき、本発明者らは、ユニバーサルデザインに対応したパウチを提供すべく、消費者に対し面接調査や実態調査等を行ったところ下記に示すようなパウチの使用実態の傾向を見出した。
すなわち、パウチの使用実態の傾向の一例として、パウチの初期開封時においては、
1、パウチ上部の一端をつかみ、パウチを保持する傾向がある。
2、パウチを開封する際に、開封しやすいように、また、力を加えやすいように、一旦持ったパウチを途中で持ち替える傾向がある。
3、パウチの一端をつかみ、パウチをぶら下げた状態で、パウチの他端をつまんでひねるようにして切除片を切除し開封する傾向がある。(このとき、利き手で切除片をつまむ場合と、逆に、利き手でパウチ本体側を保持する場合とがある。)
4、パウチ開封時に、ノッチ下方のパウチ本体側をつまんだ手と、切除片をつまんだ手とが、パウチの開封に伴い徐々に離れていくに従って、パウチの保持状態が不安定となり、パウチの開封途中で開封を中断し、再度パウチを持ち直した後、反対側の開封端から開封する傾向がある。
5、パウチの開封に、はさみを用いた場合には、パウチの本体側を保持する手が、はさみを避けようとする傾向があり、パウチの保持状態が不安定となる傾向がある。
6、パウチの開封時、切除片をスムースに切除することができず、フィルムを引きちぎろうと力を加えた途端に内容物が飛び散ってしまう傾向がある。
以上が、パウチを開封するときに一般の消費者に見られる傾向であった。
また、開封後のパウチを実際に使用する際においては、
7、パウチの形状が不安定なため、開口と底部とを保持する傾向がある。
8、パウチ左右部分を把持して、パウチを寝かした状態で内容物を注ぐ場合と、パウチの底部分を把持して、パウチを垂直に立てた状態で内容物を注ぐ場合とがある。
9、パウチの開口から内容物を注ぎ出す際に、開口が大きく、内容物が一度に早くたくさん出てしまい、目的とする箇所へと注ぐためのコントロールが難しい。
10、内容物を注ぎだす際に、目的とする箇所へと注ぐために、開口の形状を漏斗状に保ち補助する傾向がある。
11、パウチから内容物を注ぎだした後、パウチを持ち替えて底部を把持するとともに、底部にたまった内容物を注ぎ出す。
以上が、パウチの内容物を注ぎだす際に一般の消費者に見られる傾向である。
以上のように、消費者のパウチの使用状況を調査したところ、前記「傾向1〜6」に示したように、パウチの開封操作を卓上に置いた状態でなく、空中で行なうケースが多いことがわかった。また、前記「傾向7〜11」に示したように、内容物を取り出す際に、パウチを把持するためのシール部分が少ないため、パウチの保持が不安定なばかりでなく、開口が広いために、内容物を目的とする箇所に注ぐことが困難であることを見出した。
そして、パウチの初期開封時に、パウチを安定かつ強固に保持する構成、および、内容物を目的とする箇所へと注ぎやすくする構成が必要であることがわかった。
そこで、このような傾向から見出した課題を解決すべく、本発明は、パウチの「持ちやすさ」「内容物の取り出しやすさ」の向上を目指し、また、幅広い年代の消費者が、スムースにパウチを使用することを可能とするユニバーサルデザインに基づいたパウチを提供することである。
これらの課題を解決するため、本発明の請求項1記載の発明は、上下左右のフィルム外周をシールして収容部を有するパウチであって、該パウチの上シール部分の切除片を切除することによって開口を形成して初期開封するパウチにおいて、
前記パウチの開口直下の左右のシール部の幅(W1)が、前記パウチの中央部の左右のシール部の幅(W2)より大きく、前記パウチの底部直上の左右のシール部の幅(W3)が、前記パウチの略中央の左右のシール部の幅(W2)より大きいとともに、
前記収容部は、上下左右のシール部の内側端部によって形成され、水平な上辺と、左右の側辺と、下方に湾曲した下辺とからなり、前記左右それぞれの側辺の上部は上方から下方に向かって外側へ傾斜し、前記左右それぞれの側辺の下部は上方から下方に向かって内側へ傾斜した形状であって、
前記パウチの開口部分の左右に幅広なシール部からなる把持部と前記パウチの中央部から底部にかけて左右に幅広なシール部からなる把持部とを形成し、前記パウチの下シール部に開封部分へと凸形状からなる凸シール部を形成するとともに、前記パウチの下シール部の外縁から開口へと凸形状からなる凹部を形成することを特徴とする、ユニバーサルデザインパウチである。
また、請求項記載の発明は、前記収容部が滑らかな曲線形状のシールによって形成されることを特徴とする、ユニバーサルデザインパウチである。
また、請求項記載の発明は、前記パウチのシール形状が左右対称であることを特徴とする、ユニバーサルデザインパウチである。
このように、本発明の請求項1記載の発明は、上下左右のフィルム外周をシールして収容部を有するパウチであって、該パウチの上シール部分の切除片を切除することによって開口を形成して初期開封するパウチにおいて、
前記パウチの開口直下の左右のシール部の幅(W1)が、前記パウチの中央部の左右のシール部の幅(W2)より大きく、前記パウチの底部直上の左右のシール部の幅(W3)が、前記パウチの略中央の左右のシール部の幅(W2)より大きいとともに、前記収容部は、上下左右のシール部の内側端部によって形成され、水平な上辺と、左右の側辺と、下方に湾曲した下辺とからなり、前記左右それぞれの側辺の上部は上方から下方に向かって外側へ傾斜し、前記左右それぞれの側辺の下部は上方から下方に向かって内側へ傾斜した形状であって、前記パウチの開口部分の左右に幅広なシール部からなる把持部と前記パウチの中央部から底部にかけて左右に幅広なシール部からなる把持部とを形成し、前記パウチの下シール部に開封部分へと凸形状からなる凸シール部を形成するとともに、前記パウチの下シール部の外縁から開口へと凸形状からなる凹部を形成することを特徴とするから、パウチの開口にかけて収容部が狭まるため内容物を目的の場所へと注ぎやすくなる効果があるとともに、開口にかけて形成された、左右の幅広なシール部分からなる把持部を強固につまむことができ、パウチの開封時のみならず内容物を取り出す際に、パウチを安定して確実に保持することが可能である。よって、パウチの開封および内容物の取り出しをスムースかつ容易に行なうことが可能である。
また、パウチの底部にかけて、左右の幅広なシール部分からなる把持部が形成されて、パウチの開封時のみならず内容物を取り出す際にも、パウチを安定かつ確実に保持することが可能である。よって、パウチの開封操作および内容物の取り出し操作をスムースかつ容易に行なうことが可能である。
また、パウチの底部を把持することが可能であるとともに、パウチを縦方向に折り込むことを視覚に訴える効果がある。よって、パウチを折り込んだ状態でも内容物を注ぎやすい効果がある。
また、請求項記載の発明は、前記収容部が滑らかな曲線形状のシールによって形成されることを特徴とするから収容部のコーナー部分に内容物が溜まることを防ぐ効果があるとともに、内容物を注ぎ出す際に、曲線形状のシールに沿って内容物がスムースに流動する効果がある。
また、請求項記載の発明は、前記パウチのシール形状が左右対称であることを特徴とするから、パウチを縦方向に折り込んでも同形状となることを直感的かつ視覚的に訴える効果があるとともに、パウチの折り込んだ際に収容部が重ね合わされて同形状を形成するため、内容物を絞り出しやすい効果がある。
このように、本発明のユニバーサルデザインパウチは、パウチの少なくとも一方の左右のシール幅が、パウチの開口にかけて増す斜めシールを形成する簡単な構成により、収容部が開口へと狭まるとともに、開口にかけて幅広なシール部分からなる把持部を形成して、パウチの開封操作から内容物の取り出し操作までの一連の操作を、容易、確実かつスムースに行なうことができるパウチ(ユニバーサルデザインパウチ)を提供することが可能である。
ユニバーサルパウチ10(パウチ10)の参考例としては、図1に示すように、パウチ10の中央部分に、予め所定の方法により内容物が充填される未シール部分からなる収容部1を有し、該収容部1の上シール部2と、左右のシール部3と、底シール部4との、計4辺にヒートシールが施され4方シールパウチ10を形成している。このようなパウチ10としては、四方シール形式のパウチに限らず、スタンドパウチや、ガゼット袋やピロー袋など、フィルムの外周をシールしてなるパウチ10であれば、パウチ10の種類や形状は限定されるものではない。
そして、パウチ10の上方には、収容部1を横切り水平方向へと切取り可能な切取り線5が形成され、該切取り線5の両端には、前記切取り線5を切り取る際の起点となるノッチ6が形成されている。
特に、パウチ10の上下左右の各シール部2、3、4のうち、左右のシール部3の形状は、左右のシール幅3が底部4(下方)から開口11(上方)にかけて増す斜めシール形状7Aを有している。すなわち、開口11直下のシール幅W1が、パウチの略中央部分のシール幅W2および底部4直上のシール幅W3より大となるように形成されており、これにより、パウチ10の外形が略四角形状であるのに対して収容部1の外形が略台形の形状を形成するため、左右のシール部の上方部分にかけて幅広W1のシールからなる把持部8Aを形成することが可能である。
よって、パウチ開封時において、参考例である図2に示すように、ノッチ6部分の把持部8Aを指先で強固につまみ、少ない力でもって確実にパウチ10の初期開封を行うことが可能である。そして、前記ノッチ6を起点として、前記上シール部2を含む切取り線5上方のフィルム(切除片9)を切除することにより、参考例である図3に示すように、パウチ10の初期開封を行い、内容物の注ぎ出し口(開口11)を形成するものである。
特に、開封後のパウチ10は、収容部1が開口11にかけて狭まる形状をなすとともに、開口11の左右側にそれぞれ幅広なシール部分からなる把持部8Aを形成することが可能である。
よって、内容物を取り出す際に、開口11付近の把持部8Aをつまみパウチ10を安定して保持することが可能であり、さらには、内容物が開口11にかけて収束しつつ注ぎ出されるため、内容物を一点に集中して注ぎ出すことが可能である。
このように参考例であるユニバーサルパウチ10は、左右のシール部3のシール幅が、底部4(下方)から開口11(上方)にかけて増す、斜めシール7を形成することにより、収容部1が開口11にかけて狭まるとともに、前記開口11にかけて幅広なシール部分からなる把持部8を形成する構成である。よって、この把持部8を強固につまんでパウチ10を安定して保持することができるから、パウチ10の開封操作および内容物の取り出し操作を、スムースかつ容易に行なうことが可能である。さらには、収容部1が開口11にかけて狭まる形状であるから、内容物を一点に集中して目的とする箇所へと注ぎ出しやすい効果がある。
また、パウチ底部の下シール部4には、開口11へと凸形状からなる凸シール部12が形成されており、下シール部4の収容部1側が凹凸凹形状からなる滑らかな湾曲形状をなしている。よって、パウチの底部分にも凸シール部12からなる把持部分を形成することが可能であり、パウチを折り込む際にも、パウチの底部分を把持してパウチを半分に折込みやすくなる効果がある。また、パウチ10を半分に折ることを直感的かつ視覚的に認識させる効果がある。
例えば、パウチ10から内容物を注ぎ出した後、パウチ内部に残った内容物を絞り出す際に、参考例である図4に示すように、パウチ10を半分に折り、該半分に折った状態のパウチ10を、指間(親指と人差指の間)に挟んだ状態で開口11へと絞り出す操作を行なうことがあるが、このとき、底部分の凸シール部12からなる幅広なシール部分を把持してパウチを半分に折込みやすく、また、パウチ10の左右のシール部3が互いに接するとともに、左右のシール部3に形成された斜めシール7A部分が折り合わされるため、指で絞り出す際に、内容物を開口11にかけて収束させて絞り出すことが可能である。よって、内容物を余すことなくきれいに絞り出すことが可能である。
パウチの下シールに形成された前記凸シール部12は、下シールの中央部分に限らず、下シール部の左側、右側、または左右それぞれに形成してもよく、上記例に限定されるものではない。
以上のように、参考例であるパウチ10は、パウチ開封時に開口11の把持部8Aを強固につまみ安定したパウチの開封を行なうことができるとともに、内容物の取り出し時にパウチの開口11およびパウチの底部に形成された把持部8Bを強固につまみ安定してパウチ10を保持しつつ内容物1の取り出し操作を容易に行うことが可能である。
さらには、パウチ10を半分に折って内容物を絞り出す際にも、指間でパウチを挟んだ状態で底部から開口11へと斜めシール7に沿って指を移動させることにより、内容物を開口11へと収束させつつ絞り出すことができ、パウチ10の内容物を余すことなくきれいに絞り出すことが可能である。
ここで、本発明のユニバーサルパウチ10において、前記斜めシール7は、開口11のみならず、底部4にかけて左右のシール幅3が増す斜めシール7Bを形成する
この場合、図5に示すように、開口11にかけて左右のシール幅3が増す斜めシール7Aの下方から、さらに底部4にかけて左右のシール幅3が増す斜めシール7Bを形成する。これにより、収容部1は、上下左右のシール部の内側端部によって形成され、水平な上辺と、左右の側辺と、下方に湾曲した下辺とからなり、左右それぞれの側辺の上部は上方から下方に向かって外側へ傾斜し、左右それぞれの側辺の下部は上方から下方に向かって内側へ傾斜した形状となる。そして、開口11の左右側に幅広なシール部分からなる把持部8Aが形成されつつ、パウチ10の中央部分から底部にかけての左右側に幅広なシール部分からなる把持部8Bが形成されることとなる。
すなわち、開口11直下の左右のシール部3の幅W1が、パウチの略中央部分の幅W2より大となり、また、底部直上の左右のシール部3の幅W3が、パウチの略中央部分の幅W2より大となる。これにより、左右のシール部3の上下部分に幅広のシール幅(W1、W3)からなる把持部8A、8Bを形成するものである。
これにより、パウチ開封時において、開口11付近の把持部8Aを強固につまみつつ、切除片9を引き裂いてパウチ10の初期開封を行うことが可能であるとともに、初期開封後の内容物を注ぎだす際に、図6に示すように、パウチ10の開口付近の把持部8Aと、底部の把持部8Bとを強固につまむことが可能である。よって、パウチ10全体を安定して保持しつつ内容物の取出し操作を安定かつ容易に行なうことが可能である。
さらには、パウチ10の収容部1が開口11にかけて狭まる形状をなしており、内容物が斜めシール7Aに沿って流動するとともに開口11にかけて収束するため、内容物を一点に集中して注ぎ出すことが可能である。
また、パウチ10の下シール部4において、開口11にかけて凸形状からなる凸シール部12を形成するとともに、パウチの下シール部4の外側シールから開口にかけて凸形状からなる凹部13を形成した凸シール部13を形成することにより、パウチ10の底部をつまみやすくなるとともに、パウチを縦方向に折り込むことを視覚的に訴える効果がある。
以上のように、本発明のユニバーサルデザインパウチ10は、左右のシール部3の幅Wが、開口11にかけて増す斜めシール7Aを形成し、さらには底部4にかけて増す斜めシール7Bを形成する簡単な構成により、幅広なシール部分からなる把持部8A、8Bを形成して、パウチ10全体を安定して保持することが可能である。よって、パウチ10の開封操作および内容物を注ぎ出す操作をスムースかつ確実に行なうことが可能である。さらには、パウチ10の収容部1が開口11にかけて狭まった形状を形成するため、内容物を注ぎだす際、内容物を一点に集中して注ぎだすことが可能である。
なお、本発明のユニバーサルパウチ10の前記斜めシール7は、直線形状に限らず湾曲形状であってもよく、参考例である図7に示すように、左右のシール幅3が開口11にかけて増す斜めシール7Aの形状を、内方へと凸形状からなる湾曲形状Rとし、また、左右のシール幅3が底部にかけて増す斜めシール7Bの形状を直線形状Tとし、さらには、該直線形状Tの斜めシール7Bから連続して、再び底部4にかけて外方へと凸形状からなる湾曲形状Rの斜めシール7Bを形成してもよい。これにより、開口11に把持部8Aを形成するとともに、底部4付近に把持部8Bを形成することが可能であるとともに、収容部1の左右縁のシール形状が滑らかな曲線のつながりからなるため、収容部内の内容物がスムースに流動可能である。よって、内容物を注ぎだす際に、安定してパウチ10を保持することが可能であるとともに、内容物がコーナー部分に溜まることなく開口11へとスムースに注ぎ出される効果がある。
以上のように、本発明のユニバーサルデザインパウチ10は、パウチの「持ちやすさ」「内容物の出しやすさ」を向上し、さらには、パウチを縦方向に折ることを視覚的にアピールするなど、幅広い年代の消費者が、スムースにパウチを使用することを可能とする「ユニバーサルデザイン」に基づいたパウチを提供することが可能である。
本発明のユニバーサルデザインパウチ10の好適な用途の一例としては、例えば、詰め替え用のシャンプーや洗剤、牛乳パック、レトルトや食品用の容器、歯磨き粉チューブ、さらには、紙にアルミを蒸着したシップの包装材など、パウチの「持ちやすさ」および「内容物の出しやすさ」を向上することが可能な容器形態であれば、パウチの形状は限定されるものではない。
また、前記パウチ10としては、スタンドパウチやピロータイプのパウチであってもよく、フィルムの外周をシールしてなるパウチであれば、パウチの形状は限定されるものではない。また、本発明のパウチ10に用いるフィルムは、主にプラスチックフィルムを主体とする積層フィルムが用いられ、例えば、液体を含む各種食品用パウチに用いられている従来公知の積層フィルムを用いることができ、特に限定されるものではない。
前記積層フィルムの構成としては、充填される流動食の種類や充填後の加圧加熱殺菌時に加えられる加熱条件などによって適宜選定することができ、好適に用いられる前記積層フィルムの一例として、下記のような構成の積層フィルムが挙げられる。
(1) PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(2)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(3)PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(4)PETフィルム/接着剤/一軸延伸PPフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(5)PETフィルム/接着剤/(シリカまたはアルミナ蒸着層)ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
上記構成において、PETフィルムは2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ONフィルムは2軸延伸ナイロンフィルム、PPフィルムはポリプロピレンフィルム、CPPフィルムは無延伸ポリプロピレンフィルム、EVOHフィルムはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、(シリカまたはアルミナ蒸着層)ONフィルムはシリカまたはアルミナを蒸着した2軸延伸ナイロンフィルムを指すものである。
前記PETフィルムやONフィルムは、基材フィルムとして作用し、パウチに機械的強度のほか耐熱性、印刷適性などを付与する。また、中間層のアルミニウム箔、EVOHフィルム、(シリカまたはアルミナ蒸着層)ONフィルムは、パウチにガスバリヤー性を付与することが可能である。一軸延伸PPフィルムは、本発明のパウチ10では、その延伸方向がパウチの開口11のフィルムを開封するための切取り線5の方向と一致するように積層することにより、開口11のフィルムを切除する際、切取り線5に沿って容易に引き裂いて開封できるようになる。
そして、最内層のCPPフィルムは、ヒートシール用のシーラント層として作用すると共に、耐熱性、低臭性に優れるので、パウチごと加圧加熱殺菌される流動食用のパウチには好ましく用いられる。尚、上述した各フィルム材と同様な作用効果を有するものであれば、前記の積層構成に限定されるものではなく、適宜変更して使用することができる。
ユニバーサルパウチの参考例を示すパウチの正面図である。 図1に示す参考例のパウチの開封時の様子を示す説明図である。 図1に示す参考例のパウチの開封後を示す説明図である。 図1に示す参考例のパウチを半分に折り内容物を絞り出す際を示す説明図である。 本発明のユニバーサルパウチの一例を示す正面図である。 図5に示すパウチの内容物を注ぎだす際を示す説明図である。 ユニバーサルパウチの別の参考例を示す正面図である。
符号の説明
1 収容部
2 上シール部
3 左右のシール部
4 下シール部
5 切取り線
6 ノッチ
7、7A、 斜めシール
8、8A、8B 把持部
9 切除片
10 ユニバーサルデザインパウチ(パウチ)
11 開口
12 凸シール部
13 凸シール部(凹部)
R 湾曲形状のシール
T 直線形状のシール
W 左右のシール部の幅
W1 左右シール部の開口直下のシール幅
W2 左右シール部の略中央部分のシール幅
W3 左右シール部の底部直上のシール幅

Claims (3)

  1. 上下左右のフィルム外周をシールして収容部を有するパウチであって、該パウチの上シール部分の切除片を切除することによって開口を形成して初期開封するパウチにおいて、
    前記パウチの開口直下の左右のシール部の幅(W1)が、前記パウチの中央部の左右のシール部の幅(W2)より大きく、前記パウチの底部直上の左右のシール部の幅(W3)が、前記パウチの略中央の左右のシール部の幅(W2)より大きいとともに、
    前記収容部は、上下左右のシール部の内側端部によって形成され、水平な上辺と、左右の側辺と、下方に湾曲した下辺とからなり、前記左右それぞれの側辺の上部は上方から下方に向かって外側へ傾斜し、前記左右それぞれの側辺の下部は上方から下方に向かって内側へ傾斜した形状であって、
    前記パウチの開口部分の左右に幅広なシール部からなる把持部と前記パウチの中央部から底部にかけて左右に幅広なシール部からなる把持部とを形成し、
    前記パウチの下シール部に開封部分へと凸形状からなる凸シール部を形成するとともに、前記パウチの下シール部の外縁から開口へと凸形状からなる凹部を形成することを特徴とする、ユニバーサルデザインパウチ。
  2. 前記収容部が滑らかな曲線形状のシールによって形成されることを特徴とする、請求項1記載のユニバーサルデザインパウチ。
  3. 前記パウチのシール形状が左右対称であることを特徴とする、請求項1または2記載のユニバーサルデザインパウチ。
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