JP5261395B2 - エラストマーに架橋し得る単一成分の無錫シリコン組成物 - Google Patents

エラストマーに架橋し得る単一成分の無錫シリコン組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5261395B2
JP5261395B2 JP2009535746A JP2009535746A JP5261395B2 JP 5261395 B2 JP5261395 B2 JP 5261395B2 JP 2009535746 A JP2009535746 A JP 2009535746A JP 2009535746 A JP2009535746 A JP 2009535746A JP 5261395 B2 JP5261395 B2 JP 5261395B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
groups
formula
carbon atoms
composition according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009535746A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010509424A (ja
Inventor
ミシェル・フェデ
エルヴェ・パリゾ
ナタリー・ゲヌーニ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Elkem Silicones France SAS
Original Assignee
Bluestar Silicones France SAS
Elkem Silicones France SAS
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bluestar Silicones France SAS, Elkem Silicones France SAS filed Critical Bluestar Silicones France SAS
Publication of JP2010509424A publication Critical patent/JP2010509424A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5261395B2 publication Critical patent/JP5261395B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L83/00Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L83/04Polysiloxanes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J3/00Processes of treating or compounding macromolecular substances
    • C08J3/24Crosslinking, e.g. vulcanising, of macromolecules
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/04Oxygen-containing compounds
    • C08K5/09Carboxylic acids; Metal salts thereof; Anhydrides thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L91/00Compositions of oils, fats or waxes; Compositions of derivatives thereof

Description

本発明は、湿度の無い状態での保存中でも安定で、室温及び水分が存在する状態で重縮合反応を経由してシリコンエラストマーを与える架橋が可能な単一成分のシリコン組成物に関する。特に、該シリコン組成物は、無錫である。
単一成分のシリコンコーティング、シーリング材及び冷接着剤は、一般に、使用中、大気中の湿気に接触させることで、メトキシ、ケチミノキシ、又は、アセトキシ官能性シリコンオイルを加水分解/凝縮することによって得られる。
例えば、フランス特許出願FR−A1−2557582号には、錫キレートに基づく触媒、例えば、ジブチル錫ビス(アセチルアセトネート)を含むエラストマーを得るための架橋が可能な単一成分組成物が開示されている。
さらに、フランス特許出願FR−A1−2638752号には、機能化触媒である水酸化リチウムの存在下、ポリアルコキシシランと反応させることにより、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサンオイルを機能化する方法が開示されている。該機能化されたオイルは、水分存在下、凝縮により架橋され、且つ、凝縮触媒として錫ベースの有機金属化合物を含む組成物の製造に用いられる。
フランス特許出願FR−A1−2638752号に開示された方法は、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン又はメチルビニルジメトキシシラン、凝縮により架橋の間にメタノールを放出するという欠点を有する化合物の使用を含んでいる。
フランス特許出願FR−A1−2856694号には、水分存在下、低温で架橋する単一成分シリコン組成物が開示されている。該凝縮反応は、ある金属(チタニウム、ジルコニウム)の有機誘導体、及び、他の金属(亜鉛、アルミニウム、ボロン、ビスマス)の有機誘導体の混合で構成される混合触媒を用いて触媒される。
フランス特許出願FR−A1−2557582号明細書 フランス特許出願FR−A1−2638752号明細書 フランス特許出願FR−A1−2856694号明細書
これらの組成物は、それらが設けられる際に、毒性のある、又は、悪臭のある揮発性の生成物を放出するという欠点がある。さらに、これらの生成物のいくつかもまた、通説によれば生態毒性のある錫塩に基づく触媒を含んでいる。
より好ましい使用が可能な生成物を与える代替物が知られているが、これらの代替物は、完全に満足できるものではない。
まず、水分散液中でエラストマーを形成することが可能である。これらの形成は、それらが設けられる際に水を放出するだけであるが、接着に悪影響を及ぼす界面活性剤を含むことは避けられない。さらに、それらは一般に錫塩を含んでいる。
エトキシ官能性シリコンオイルからのシリコンエラストマーの形成もまた予想することができるが、それらの形成は2重の課題を課す。すなわち、工業生産力の制約に適合するため、架橋剤であるエトキシ官能性シランによる十分に迅速なシリコンオイルの機能化の達成、及び、製造の際、空気中からの湿気の影響下で、特に錫に基づく触媒を使用するのを避けたいときに硬化が可能な十分に反応性の良い組成物を得ること、である。
これに関連して、本発明の目的は、錫触媒の無い状況下でもとても反応性の良い、単一成分の無錫シリコン組成物を得ることである。ここで、「反応性」という用語は、形成されるエラストマーの硬さの増加で表現される化学組織の形成という意味において理解される。
また、迅速なセッティングが多くの支持体への良好な接着を阻害しないような組成物を得ることが好ましい。例えば、全体の架橋化(得られたエラストマーの安定性)及び、表面の架橋化(表面の粘着性の除去)の両方の観点から、エラストマー組成物の待ち時間はできるだけ短いほうが好ましい。
本発明の別の目的は、大量市場用途のための単一成分シリコン組成物を提供することである。すなわち、その使用によって、毒性、刺激臭又は単なる悪臭があると考えられているような生成物を排出しない。これに関連して、このようなシリコン組成物は特に簡便で迅速に使用できることが好ましい。
このように、本発明の1つの目的は、湿気のある状態でのシリコン組成物の反応性、及び、シリコン組成物の保存中の安定性又は無害性の両方の観点から満足のいく妥協を導くことである。
本発明は、まず、湿度の無い状態での保存中でも安定で、水分が存在する状態で重縮合反応を経由してエラストマー、好ましくは接着性エラストマーを与える架橋が可能な単一成分の無錫シリコン組成物に関する。該組成物は、少なくとも1種の架橋可能なアルコキシ官能性ポリオルガノシロキサン(POS)オイルA、架橋触媒Cとして、少なくとも1種のカルボン酸及び/又は少なくとも1種のカルボン酸無水物を含んでいる。さらに、該組成物は、以下の随意の成分を1種又は数種含んでいてもよい:
− 少なくとも1種の無機充填剤B;
− 架橋化共触媒Dとして、金属が錫以外のものである、少なくとも1種の有機金属化合物;
− 少なくとも1種の架橋可能なアルコキシ官能性ポリオルガノシロキサン樹脂E;
− 該オイルA及び/又は樹脂Eの製造の間に用いた機能化触媒Fの残余分;
− 少なくとも1種のアルコキシ官能性シラン及び/又は少なくとも1種のアルキルポリシリケートG;
− 重縮合に関して不活性な、少なくとも1種のポリジオルガノシロキサンH;
− 少なくとも1種の助剤I。
シリコン組成物の中でも、特に、少なくとも1種の架橋可能なアルコキシ官能性ポリオルガノシロキサン(POS)オイルA及び架橋触媒Cに加えて、さらに少なくとも1種の無機充填剤B、好ましくは、少なくとも1種の架橋可能なアルコキシ官能性ポリオルガノシロキサン樹脂Eを含むシリコンシーリング材について適用できる。シリコンシーリング材は、シリコン組成物のように、上記列挙した他の随意な成分を含んでいてもよい。
第二に、本発明は、上記単一成分の無錫シリコン組成物の架橋及び硬化によって得られた無錫シリコンエラストマーに関する。このようなシリコンエラストマーは、多数の産業分野で利用される。これらの利用の例としては、食料品業界における、塗装、汚れ止め及び抗接着材のコーティングの製造、特に建設、電化製品及び自動車製造業界で用いられる冷接着剤及びシーリング材等のような防水剤又は厚シールの形成、及び、繊維製品支持体のコーティングの製造が挙げられる。
ここで説明する単一成分シリコン組成物は、この種の製品に特有の全ての利点を有し、さらに以下の利点を有する:
− 錫に基づく触媒を含む組成物に近い設定運動を行う;
− 該組成物から得られたエラストマーの表面の粘着性は、架橋化に続く第1段階で減少するか、或いは除去される;
− 錫を取り入れることがない;
− 架橋化の間、毒性、刺激臭、又は、悪臭のある生成物(酢酸、メタノール)は生じない;
− 良好な安定性/反応性の妥協点において、エラストマーが形成される。
さらに、該シリコン組成物は、経済的で、有利な力学的特性を備える架橋されたエラストマーを与える。該エラストマーは、多種の支持体に接着する。
以下、本願では、ポリオルガノシロキサンオイル及び樹脂を、以下の式M、D、T及びQの種々のシロキシ単位に用いる共通の表記を用いた標準様式で記載している:
Figure 0005261395
これらの式において、Rは、種々の飽和又は不飽和の、特に芳香族の、及び、随意のヘテロ原子で置換された炭化水素に基づく基、及び、炭化水素に基づかない基を表す。Rの意味は、本明細書中の記載により示される。
一般に、該表記において、酸素原子は2つのシリコン原子間で分けられている。一般に、ある特定のR基は、記号M、D又はTの後ろの上付文字として引用することにより示される。例えば、MOHは、R基が水酸基(−OH)であるMの単位を表す。同様に、DPhe2は、2つのR基がフェニル基(−C65)である(Pheと省略する)Dの単位を表す。TOMeは、R基がメトキシ基(−OCH3)である(ここでMeはメチルを示す)Tの単位を表す。
「実質的に直鎖」という表現は、さらにシロキシ単位T及び/又はシロキシ単位Qを含むシロキシ単位Dで構成され、該シロキシ単位T及びQの数がシリコン原子数の100分の1以下であるPOSオイルを意味するものとして理解されるべきである。
本文脈において、例外的に示される場合を除き、単数であっても、それは「単一」又は「ただ一つ」という限定を意味するものではない。
架橋可能なアルコキシ官能性ポリオルガノシロキサンオイルA(POSオイルA)は、直鎖であっても、実質的に直鎖であってもよい。また、数種のシリコンオイルの混合物であってもよい。好ましくは、POSオイルAは、以下の一般式(I)の直鎖シリコンオイルを含む:
Figure 0005261395
(ここで、
− R1基は、互いに同一又は異なっており、それぞれ飽和又は不飽和、置換又は非置換、脂肪族、環状又は芳香族の、一価の炭素数1〜13の炭化水素に基づく基を表し;
− Rf基は、互いに同一又は異なっており、それぞれ式R2O−(CH2CH2O)b−(ここで、R2基は互いに同一又は異なっており、それぞれ炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル又は炭素数3〜8のシクロアルキルを表し、bは0又は1である)の基を表し;
− R3基は、互いに同一又は異なっており、それぞれ酸素原子又は炭素数1〜4の2価の飽和脂肪族炭化水素に基づく基を表し;
− nは、POSオイルAに25℃で動的粘度103〜106mPa.sを与えるのに十分な値であり;
− aは0又は1である。)
POSオイルAが実質的に直鎖のシリコンオイルを含む場合、後者も、式(R12SiO2/2のシロキシ単位Dが、式R1SiO3/2のシロキシ単位T及び/又は式SiO4/2のシロキシ単位Qで置換され、シロキシ単位T及びQの数がシリコン原子の数の100分の1以下である一般式(I)に対応する。
該シリコン組成物は、必須成分、すなわちPOSオイルAが、以下の1又はその他の方法により、少なくとも部分的に末端で機能化されている具体的構造に対応する:
− R3が酸素原子を表すとき:機能化触媒Fの存在下、ヒドロキシル化されたPOS前駆体A'の≡Si−OH単位とアルコキシシランのアルコキシ基との凝縮反応;又は、
− R3が2価の炭化水素に基づく基を表すとき:水素化POS前駆体A''の≡Si−H単位とオレフィンのアルコキシシランのオレフィン基との付加反応、又は、代わりにオレフィンのPOS前駆体A'''のオレフィン基とヒドロゲンアルコキシシランの水素基との付加反応。
POSオイルAは、当該技術分野の当業者の技術常識に従って機能化される。機能化されたPOSオイルAは、湿気の無い状態で安定な、単一成分のシリコン組成物、又は、単一成分のシリコンシーリング材の構造に対応する。実際には、この安定な構造は、密封されたカートリッジ内に設けられ、使用の際に使用者に開封され、該組成物又はシーリング材をどのような支持体にも適用できるような組成物の構造である。架橋化は、水分存在下、特に空気中の湿気の存在下で起こる。
アルコキシ官能性鎖末端を有するPOSオイルAのヒドロキシル化された前駆体A'は、式(I')のα,ω−ヒドロキシポリジオルガノシロキサンである。
Figure 0005261395
(ここで、R1及びnは、上記式(I)で規定した通りである。)
アルコキシ官能性鎖末端を有するPOSオイルAの水素化された前駆体A''は、式(I'')のα,ω−ヒドロゲンポリジオルガノシロキサンである。
Figure 0005261395
(ここで、R1及びnは、上記式(I)で規定した通りである。)
アルコキシ官能性鎖末端を有するPOSオイルAの前駆体A'''は、末端の水素原子が不飽和オレフィン基で置換されている以外はA''で規定したものに対応するポリジオルガノシロキサンである。
上述したように、該シリコン組成物は、架橋可能なアルコキシ官能性ポリオルガノシロキサン樹脂E(POS樹脂E)を含む。当該樹脂は、式(R13SiO1/2のシロキシ単位M、式(R12SiO2/2のシロキシ単位D、式R1SiO3/2のシロキシ単位T、及び、式SiO4/2のシロキシ単位Qから選ばれる少なくとも2種の異なるシロキシ単位、単位T又はQを有するこれらのシロキシ単位の少なくとも1種を有しており:
ここで、
− R1基は、互いに同一又は異なっており、それぞれ飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、脂肪族、環式又は芳香族の、炭素原子数が1〜13の1価の炭化水素に基づく基を表し、
− 少なくとも1のR1基がR4基で置換されており、該R4基は互いに同一又は異なっており、それぞれR1、a、及びRfが上記POSオイルAで示した式(I)におけるものと同様である式(R1a(Rf3-aSi−R3−の基を表す。
1つの変形例として、POS樹脂Eは、0.1〜10重量%のRfを有する。
随意的に、アルコキシ官能性POS樹脂Eは、機能化されたPOSオイルAと同様に、アルコキシシランとの凝縮によって生成される。アルコキシ官能性POS樹脂Eの前駆体は、そのとき、いくつかのR1基が−OH基に対応する以外は、上記規定されたEに対応する、ヒドロキシル化されたPOS樹脂E'である。機能化の間に、−OH基は、R4基で置換される。
POS樹脂Eは、オレフィンのアルコキシシランに≡Si−H単位を有する前駆体E''の反応によって生成されてもよい。この樹脂E''は、いくつかのR1基が、水素原子であって、機能化の間にR4基で置換されるものである以外は、上記規定されたEに対応する。
アルコキシ官能性POS樹脂Eをアルキルシリケート又はアルキルトリアルコキシシランの加水分解/凝縮で製造することも可能である。例えば、エトキシル化されたPOS樹脂を製造するために、エチルシリケート又はエチルトリエトキシシランから加水分解/凝縮を開始することが可能である。
より詳細にPOSオイルA樹脂、随意的なPOS樹脂E及び随意的な不活性POSHの性質、及び、シリコン組成物の構成要素を説明するために、R1基が互いに同一又は異なっており、以下のものから選択されると特定することが重要である:
− 炭素原子数1〜13のアルキル又はハロアルキル基;
− 炭素原子数5〜13のシクロアルキル又はハロシクロアルキル基;
− 炭素原子数2〜8のアルケニル基;
− 炭素原子数6〜13の単環式のアリル又はハロアリル基;
− アルキル鎖員の炭素原子数が2〜3であるシアノアルキル基;及び、
− 特に好ましいものであるが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ヘキシル、フェニル、ビニル及び3,3,3−トリフルオロプロピル基。
さらに具体的には、限定されないが、POSオイルAで上記したR1基、随意的なPOS樹脂E及び随意的な不活性POSHは、以下のものを含む:
− メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル基のような炭素数1〜13のアルキル又はハロアルキル基;
− シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、プロピルシクロヘキシル、2,3−ジフルオロシクロブチル又は3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチル基のような炭素数5〜13のシクロアルキル又はハロシクロアルキル基;
− ビニル、アリル又はブテン−2−イル基のような炭素数2〜8のアルケニル基;
− フェニル、トリル、キシリル、クロロフェニル、ジクロロフェニル又はトリクロロフェニル基のような炭素原子数6〜13の単環式のアリル又はハロアリル基;
− β−シアノエチル及びγ−シアノプロピル基のようなアルキル鎖員の炭素原子数が2〜3であるシアノアルキル基。
式(I)のジアルコキシポリシロキサンA、式(I'及びI'')の前駆体A'及びA''、及び随意的な不活性のポリジオルガノシロキサンHにおける式(R12SiO2/2のシロキシ単位Dの具体例として、(CH32SiO、CH3(CH2=CH)SiO、CH3(C65)SiO、(C652SiO、CF3CH2CH2(CH3)SiO、NC−CH2CH2(CH3)SiO、NC−CH(CH3)CH2(CH2=CH)SiO、NC−CH2CH2CH2(C65)SiOが挙げられる。
本発明に係る文脈において、式(I'及びI'')の前駆体ポリマーA'及びA''として、粘度及び/又はシリコン原子に結合した基が互いに異なる数種のポリマーで構成された混合物を用いることが可能であると理解されるべきである。式(I'及びI'')のポリマーA'及びA''は、随意的に式R1SiO3/2のシロキシ単位T、及び/又は、式SiO4/2のシロキシ単位Qを多くても1%(該%値はシリコン原子数100における単位T及びQの数を示している)の比率で含んでもよいことも導かれるべきである。同様のことが、不活性ポリマーHにも当てはまる。
産業上の有用性のため、POSオイルA、A'、A''、及び、有利に用いられる不活性POSHのR1基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ヘキシル、フェニル、ビニル、及び、3,3,3−トリフルオロプロピル基である。さらに有利には、これらの基の少なくとも80%がメチルラジカルである。
動的粘度が25℃で1000〜1000000mPa.s、好ましくは10000〜200000Pa.sの前駆体POSオイルA'及びA''が用いられる。
(随意的な)不活性POSHに関しては、それらは動的粘度が25℃で10〜200000mPa.s、好ましくは50〜150000Pa.sである。
POSHは、使用の際、全体又は数量で導入され、さらに製造工程において数工程又は1工程で導入される。随意的にいくつかに分けられたものは、性質及び/又は割合に関して同一でもよいし異なっていてもよい。好ましくは、Hは、1工程において全体が導入される。
好適で有利に用いられるアルコキシ官能性POS樹脂EのR1基の例として、上記アルコキシ官能性POSオイルA、前駆体POSオイルA'及びA''及び不活性POSHで示したタイプの種々のR1基が挙げられる。これらのシリコン樹脂Eは、よく知られた分岐したポリオルガノシロキサンポリマーであり、その製造方法は、多くの特許文献に記載されている。用いられる樹脂の具体例としては、MQ、MDQ、TD及びMDT樹脂が挙げられる。
随意的に用いることができるアルコキシ官能性POS樹脂Eの例として、好ましくは、その構成の中に単位Qを含まないPOS樹脂Eが挙げられる。該樹脂の例として、より好ましくは、少なくとも20重量%の単位Tを含み、0.3〜5重量%のRf基を含む機能化されたTD及びMDT樹脂が挙げられる。使用するこの種の樹脂として、R1基の少なくとも80%はメチル基である構造のものがさらに好ましい。随意的なPOS樹脂EのRf官能基は、単位M、D及び/又はTにより生じる。
アルコキシ官能性POSオイルA、アルコキシ官能性POS樹脂E及び随意的なアルコキシ官能性シランG1については、それらは式R2O−(CH2CH2O)b−のRfアルコキシ基を有する。特に好ましいR2基の具体例として、上記POSオイルA、前駆体POSオイルA'及びA''及び不活性ポリマーHで示したR1基と同様の基が挙げられる。さらに好ましくは、R2基は、炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル又はジメチルエチル基)である。好ましくは、bは0であり、Rfはエトキシ及びプロポキシ基から選択されたアルコキシ基を示す。エトキシ基が、本発明に係る文脈において、錫に基づく重付加触媒の不存在にもかかわらず、シリコン組成物の安定性と湿気のある状態での反応性との最善の妥協を提供するため、特に好ましい。
3基に関しては、上記しているが、酸素原子又は2価の炭化水素に基づく基を表す。2価の炭化水素に基づく基としては、好ましくは、メチレン、エチレン、プロピレン及びブチレン基が挙げられ、該エチレン基が特により好ましい。
本発明の一例によれば、それぞれのR3は酸素原子を表示する。この文脈において、好ましい例によれば、それらはSi(OCH34、Si(OCH2CH34、Si(OCH2CH2CH34、(CH3O)3SiCH3、(C25O)3SiCH3、(CH3O)3Si(CH=CH2)、(C25O)3Si(CH=CH2)、(CH3O)3Si(CH2−CH=CH2)、(CH3O)3Si[CH2−(CH3)C=CH2]、(C25O)3Si(OCH3)、Si(OCH2−CH2−OCH34、CH3Si(OCH2−CH2−OCH33、(CH2=CH)Si(OCH2CH2OCH33、C65Si(OCH33、C65Si(OCH2−CH2−OCH33から選択されたアルコキシ官能性シラン架橋剤G1に由来する。
実際には、特に好ましいアルコキシ基を有するシランG1は、Si(OC2H5)4、CH3Si(OCH33、CH3Si(OC253、(C25O)3Si(OCH3)、(CH2=CH)Si(OCH33、(CH2=CH)Si(OC253である。好ましくは、少なくとも1種のエトキシ基を有するアルコキシル化されたシランG1は、Si(OC254、CH3Si(OC253、(CH2=CH)Si(OC253である。
本発明の一の注目すべき点によれば、該組成物は、少なくとも1種の機能化触媒Fを含み、その存在下で前駆体A'及びA''(及び随意の前駆体E'及びE'')の適当なアルコキシシランG1との反応が生じ、該反応がPOSオイルA及びPOS樹脂Eのそれぞれを導いてもよい。該機能化触媒Fは、一般に、本発明の組成物の残量中に見出される。
3基が酸素原子を表し、凝縮反応がヒドロキシル化前駆体A'と随意のE'とアルコキシシランG1との間で生じる場合、該機能化触媒Fは、有利に、以下の化合物から選択されてもよい:
− 酢酸カリウム(米国特許出願US−A3−504051号参照);
− 種々の鉱物酸化物(フランス特許出願FR−A1−495011号参照);
− カルバメート(欧州特許出願EP−A0−210402号参照);
− 水酸化リチウム(欧州特許出願EP−A0−367696号参照);
− 水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム(欧州特許出願EP−A0−457693号参照)。
特定の場合において、機能化触媒を中和させることが必要である。このように、水酸化リチウムに関して、該目的で例えば以下に挙げるような多くの生成物を用いるが可能である:
− トリクロロエチルホスフェート;
− ジメチルビニルシリルアセテート;
− フランス特許公報FR−B2−410004号に記載されたタイプのシリルホスフェート;
− 沈殿した、又は、燻蒸したシリカ。
3が酸素原子を表す本発明に係る文脈において、機能化触媒Fとして、式LiOH又はLiOH.H2Oの水酸化リチウムを用いるのが良い。それを、例えば、炭素原子数1〜3の脂肪族アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール又はそれらの混合物の溶液中で用いてもよい。1種の(又は数種の)アルコールが該反応媒体中に存在するとき、その間にヒドロキシル化された前駆体A'100部に対して重量で0.1〜2部、好ましくは0.2〜1部が用いられる。
特に、他ならぬアルコキシ官能性シランG1である機能化剤として、Si(OC254、CH3Si(OCH33、CH3Si(OC253、(C25O)3Si(OCH3)、(CH2=CH)Si(OCH33、(CH2=CH)Si(OC253を使用することにより、機能化触媒Fの効果的な量、すなわち、機能化反応率ができるだけ高い量が用いられる。ほとんどの場合、一方でアルコキシル化されたPOSオイルAの前駆体A'により、他方でアルコキシル化されたPOS樹脂Eの前駆体E'により、得られたシラノール(≡Si−OH)基1molに対し、触媒F0.001〜5molが用いられる。水酸化リチウムを利用する好ましい場合において、LiOH0.005〜0.5molがA'又はE'からのシラノール基1molに対して用いられる。
本発明の別の例によれば、それぞれのR3は、アルキルポリシリケートG2由来の酸素原子を表す。このように、アルキルシリケート又はアルキルトリアルコキシシランの加水分解/凝縮によってアルコキシ官能性POS樹脂Eを製造することが可能である。例えば、エトキシル化POS樹脂の製造のために、エチルシリケート又はエチルトリエトキシシランから加水分解/凝縮によって進めることが可能である。
好ましくは、本発明に係る組成物において、POSオイルA及びPOS樹脂Eは、メチルR1基(少なくともR1基の80%)、エトキシRf基及びR3基としての酸素原子を含んでいる。
上述したように、単一成分ポリオルガノシロキサン組成物は、少なくとも1種のPOSオイルAに加えて、カルボン酸及び/又はカルボン酸無水物の形状で、少なくとも1種の架橋化触媒Cを含んでいる。好ましくは、これは、少なくとも1種の分岐カルボン酸C1及び/又は少なくとも1種の分岐カルボン酸無水物C2である。さらに、カルボン酸C1が少なくとも3つの炭素原子を含んでいるのが好ましく、さらに5つの炭素原子を含んでいるのが好ましい。同様に、カルボン酸無水物C2が由来するカルボン酸の少なくとも1つが少なくとも3つの炭素原子を含んでいるのが好ましい。
カルボン酸無水物C2の場合、架橋化触媒は2種のカルボン酸に由来する。そのうちの1つは、少なくとも3つの炭素原子を含み、好ましくは2種の酸のそれぞれが少なくとも2つ又は3つの炭素原子を含んでいる。一例によれば、カルボン酸無水物C2は環状であり、カルボキシル基COOHが少なくとも3つの炭素原子で互いに分離されているカルボン二酸に由来する。
このように、架橋化触媒Cは、好ましくは、2−エチルヘキサン酸、オクタン酸、2−エチル酪酸、イソ酪酸、これらのカルボン酸の1種又は2種由来の無水物、無水酢酸及びこれらの混合物から選択される。
該シリコン組成物は、酸性又は中性の無機充填剤又はそれらの混合物から選択される無機充填剤Bを含んでもよい。該予定された充填剤Bは、無機物であり、シリカ材や非シリカ材から選択された生成物を含んでもよい。
無機充填剤Bは、シリカ材や非シリカ材から選択された生成物を含んでもよく、該シリカ材は、好ましくは、コロイド状シリカ、焼成シリカ、燻蒸したシリカ又は沈殿したシリカの粉末、珪藻土の非晶質シリカ、破砕石英、又は、これらの混合物であり、該非シリカ材は、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、膨張蛭石、非膨張蛭石、処理炭酸カルシウム、酸化亜鉛、雲母、滑石、酸化鉄、硫酸バリウム、消石灰、及び、それらの混合物である。
シリカ材に関しては、それらは補強材又は半補強材として機能する。該補強シリカ材は、コロイド状、焼成(又は、燻蒸した)、沈殿したシリカの粉末やそれらの混合物から選択される。
これらの粉末は、一般に、0.1μm未満の平均結晶粒子径、及び、50m2/g超、好ましくは100〜350m2/gのBET比表面積を有している。
非晶質シリカ、珪藻土、破砕石英のような半補強シリカ材も用いられる。
非シリカ無機物に関しては、それらは半補強材又は増量無機材として機能してもよい。単独で又は混合して用いることができるこれらの非シリカ材の例としては、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、膨張蛭石、非膨張蛭石、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、雲母、滑石、酸化鉄、硫酸バリウム、消石灰がある。これらの充填材は、一般に、0.001〜300μmの平均結晶粒子径、及び、100m2/g未満のBET比表面積を有している。
限定されないが、実際には、該充填材は、焼成シリカ粉末であり、該シリカは、半透明の接着剤を得ようとするとき、非晶質の形態である。これらの充填剤は、通例この目的のために用いられる種々のオルガノシリコン化合物で処理することにより表面が改質されていてもよい。このように、これらのオルガノシロキサン化合物は、オルガノクロロシラン、ジオルガノシクロポリシロキサン、ヘキサオルガノジシロキサン、ヘキサオルガノジシラザン、又は、ジオルガノシクロポリシラザンであってもよい(特許公報FR1126884、FR1136885、FR1236505、GB1024234)。処理された充填剤は、多くて重量で3〜30%のオルガノシリコン化合物を含む。
充填剤を導入する目的は、本発明に係る組成物の硬化で得られたエラストマーに良好な機械的及び流動的特性を付与することである。単一タイプの充填剤又は数種のタイプの混合の充填剤を導入することが可能である。
上述したように、シリコン組成物は、随意的に、架橋化共触媒Dを含む。該架橋化共触媒Dは、金属が錫以外のものである有機金属化合物である。例えば、架橋化共触媒Dの金属としては、亜鉛、チタン、アルミニウム、ビスマス、ジルコニウム、ボロン、及び、これらの混合物から選択される。
架橋化共触媒Dは、以下の形態で規定される:
− 式(II) [L]cM1[(OCH2CH2dOR54-cのモノマーD1.1で構成される基から選択される金属M1の有機誘導体D1:
(式(II)において、
・Lは、例えば、アセチルアセトン、β−ケトエステル、マロン酸エステル又はアセチルイミンに由来する種類の配位子のような、π結合の関与を有する又は有さないσ−ドナー配位子を表し;
・cは、0、1、2、3又は4を表し;
・M1は、チタン、ジルコニウム及びそれらの混合物から選択される金属であり;
・R5基は、それぞれ同一又は異なっており、それぞれ直鎖又は分岐した炭素数1〜12のアルキル基を表し;
・dは、0、1又は2を表し;
・dが0のとき、R5は炭素数2〜12のアルキル基であり、dが1又は2のとき、R5は炭素数1〜4のアルキル基である。);
及び、cが多くて3であり、R5が上述したdが0のときの意味を有する式(II)のモノマーD1.1の部分加水分解によって生じるポリマーD1.2;
− 式(III) M2(R6COO)vのポリカルボキシレートD2.1、及び、式(IV) (L)eM2(OR7v-eの金属アルコキシド及び/又はキレートD2.2で構成される基から選択される、金属M2の有機誘導体D2:
(前記式において、
・R6基は、それぞれ同一又は異なっており、それぞれ直鎖又は分岐した炭素数1〜20のアルキル基を表し;
・R7は、上記式(V)のR5で示した意味を有し;
・Lは、例えば、アセチルアセトン、β−ケトエステル、マロン酸エステル又はアセチルイミンに由来する種類の配位子のような、π結合の関与を有する又は有さないσ−ドナー配位子を表し;
・M2は、亜鉛、アルミニウム、ビスマス、ボロン、及びそれらの混合物から選択される5価の金属であり;
・eは、0〜5を表す。)
好ましくは、共触媒Dは、少なくとも1種の有機誘導体D1と少なくとも1種の有機誘導体D2との組み合わせで構成される。以下は限定されないが、以下の選択が特に好ましい:
− 金属M1として、チタン;
− 金属M2として、亜鉛、アルミニウム又はそれらの混合物。
随意的な架橋化共触媒Dにおいて、式(II)の有機誘導体D1.1におけるR5の例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル及びドデシル基が挙げられ、式(II)の有機誘導体D1.1におけるLの例として、アセチルアセトネート配位子が挙げられる。
式(II)のモノマーD1.1の具体例として、エチルチタネート又はジルコネート、プロピルチタネート又はジルコネート、イソプロピルチタネート又はジルコネート、ブチルチタネート又はジルコネート、2−エチルヘキシルチタネート又はジルコネート、オクチルチタネート又はジルコネート、デシルチタネート又はジルコネート、ドデシルチタネート又はジルコネート、β−メトキシエチルチタネート又はジルコネート、β−エトキシエチルチタネート又はジルコネート、β−プロポキシエチルチタネート又はジルコネート、式M1[(OCH2CH22OCH34のチタネート又はジルコネート、ビス(イソプロピル)及びビス(アセチルアセトネート)チタネート又はジルコネート、ビス(ブチル)及びビス(アセチルアセトネート)チタネート又はジルコネートが挙げられる。特により価値のある金属モノマー化合物D1.1は、単独で又は混合して得られる以下の生成物である:エチルチタネート、プロピルチタネート、イソプロピルチタネート及びブチル(n−ブチル)チタネート。
モノマーD1.1の部分加水分解から得られるポリマーD1.2の具体例としては、以下のものが挙げられる:イソプロピル、ブチル又は2−エチルヘキシルチタネート又はジルコネートの部分加水分解で生じるポリマーD1.2。
再度、硬化触媒Dに関しては、式(III)及び(IV)の誘導体D2.1及びD2.2におけるR6及びR7の例として、プロピル、イソプロピル、ブチル(n−ブチル)、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル及びドデシル基が挙げられ、式(IV)の有機誘導体D2.2におけるLの例として、アセチルアセトネート配位子が挙げられる。
有機誘導体D2の具体例として、亜鉛ジオクトエート、トリブチルボレート、ビスマスカルボキシレート及びアルミニウムアセチルアセトネートが挙げられる。より価値のあるD2化合物は、単独で又は混合して得られる以下の生成物である:亜鉛ジオクトエート、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムブトキシド(直鎖又は分岐)。
特に、架橋化共触媒Dは、テトラブチルチタネート、亜鉛ビス(2−エチルヘキサノエート)、亜鉛ビス(オクトエート)、アルミニウムアセチルアセトネート、トリブチルボレート、ビスマスカルボキシレート、テトラプロピルジルコネート及びそれらの混合物から選択される。
本発明の単一成分のシリコン組成物は、1又はそれ以上の助剤Iを含んでいても良い。助剤Iは、例えば、POSオイルAの重量で100部に対して、
− 随意的に、0.1〜10部の接着剤I1;及び、
− 随意的に、抗真菌薬I2、殺菌剤I3、不活性有機希釈剤I4(例えば、特に、高沸点オイルカット、トルエン、キシレン、ヘプタン、揮発油、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン)、例えば、質量%が約200g/molの炭素数10〜30の分岐又は非分岐アルキル残渣を有するアルキルベンゼン属に属する可塑剤I5、チキソトロープ剤I6、安定剤I7(例えば、特に、鉄又はセリウムオクトエート、酸化セリウム、水酸化セリウム、酸化鉄、酸化物CaO、及び、酸化物MgOのような鉄又はセリウム有機酸塩)、及び、有色顔料I8で形成された基から得られる少なくとも1種の化合物の有効量;
を有している。
接着剤の存在は、必ずしも必要ではない。使用の際には、接着剤I1は、好ましくは、(1)シリコン原子に結合した加水分解可能型の群及び(2)イソシアネート、エポキシ、アルケニル、イソシアヌレート及び(メタ)アクリレートから選択された群で置換される有機物群の両方を有するオルガノシリコン化合物から選択される。
接着剤I1を示す下記式5により、該オルガノシリコン化合物が以下のように規定される。
Figure 0005261395
(ここで、R8は、
− −(CH23−Si(OCH33
− 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GLYMO);
− ビニルトリメトキシシラン(VTMS);
− メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO);
− 及び、それらの混合物である。)
本発明によれば、単一成分のシリコン組成物は、
− 1〜50重量%、好ましくは、3〜25重量%の無機充填剤B;
− 0.01〜5重量%、好ましくは、0.1〜2重量%の架橋化剤C;
− 0〜5重量%、好ましくは、0.1〜2重量%の架橋化共触媒D;
− 0〜30重量%、好ましくは、5〜15重量%の樹脂E;
− 0〜1重量%、好ましくは、0〜0.1重量%の機能化触媒F;
− 0〜10重量%、好ましくは、0〜5重量%のアルコキシ官能性シラン及び/又はアルキルポリシリケートG;
− 0〜30重量%、好ましくは、5〜20重量%の不活性ポリジオルガノシロキサンH;
− 0〜20重量部の助剤I;及び
− POSオイルAが少なくとも45重量%、好ましくは、少なくとも55重量%であるとき、100重量%のPOSオイルAの残部;
を含む。
特に好ましくは、共触媒Dが存在しているとき、触媒Cのモルに対する共触媒Dの金属のモルを示すモル比D/Cは1/1〜4/1である。
本発明に係る組成物は、湿気の存在下、室温、特に5〜35℃で硬化する。硬化(又は架橋化)は、組成物の外側から内側方向へ起こる。表皮がまず形成され、その後、架橋化が内部へ続いて生じる。表皮で覆う時間は、分岐カルボン酸タイプの架橋化触媒が存在しているほうが、単に有機金属共触媒のみが存在しているときより速い。
これらの組成物は、建設業、自動車産業、電気及び電子産業においても当てはまるが、種々の材料(金属、PVCやPMMA等のプラスチック、天然又は合成ゴム、木、段ボール、陶器、レンガ、ガラス、石、コンクリート、石造建築成分)の接合や結合等の複数の用途に用いられる。
本発明の他の態様によれば、本発明の別の主題(第2の主題)は、種々の基材に接着し、上記単一成分のシリコン組成物の架橋化及び硬化によって得られる無錫エラストマーである。
本発明に係る単一成分の無錫シリコン組成物は、撹拌器を備え、必要であれば真空吸引され、随意に空気を水分を含まないガス、例えば窒素ガスで置換される密閉反応器によって、湿気の存在下で製造される。
この製造のために、バッチモード又は連続モードで操作され、次のことを可能にする装置を用いるのが良い:
− 湿気の存在下でよく以下のものを混合すること:
・ステップ1では、以下の成分:アルコキシ官能性POSオイルAのPOSオイルA'又はA''前駆体、アルコキシ官能性POS樹脂Eの樹脂E'又はE''(随意)前駆体、随意のオレフィンのアルコキシシラン(シランG1であってもよい)、及び/又は、アルキルポリシリケートG2、機能化触媒F、不活性POSH(随意);
・その後のステップ2では、成分B(随意)、C、I(随意)、H(随意)及びD(随意)を加えたステップ1からの反応混合物;及び
− 以下の製造工程中の様々なときに存在する揮発性物質(機能化反応の際に生じる、低分子量ポリマー及びアルコール)を排除すること:
・上述のステップ1の間、及び/又は
・上述のステップ2の間、及び/又は
・最後のステップ3の間。
もちろん、該製造工程を実行するために、該成分を導入する他の可能な手順も存在する。例えば、以下の手順も可能である:
・ステップ1:該ステージにおける揮発性物質の排除と共にあるA'+随意のE'+G+F随意のD+B;及び
・ステップ2:C+G+随意のI+随意のD+D。
装置の例としては、スローディスパーサー;パドル、シャフト、アーム又はアンカーミキサー;プラネタリーミキサー、フックミキサー、シングルスクリュー又はマルチスクリュー成形機が挙げられる。
この製造における各ステップは、それぞれ10〜110℃、好ましくは、15〜90℃の範囲の温度で実施される。
ステップ1は、機能化反応を完全に又は選択された操作条件下で最大限の機能化を達成するために十分な時間(例えば10秒〜10分間)実施される。
ステップ2は、均質な組成物を得るために十分な時間(例えば10秒〜30分間)実施される。
ステップ3は、一般に、20×102〜900×102Paの減圧下で、揮発性物資を全て排除するために十分な時間(例えば10秒〜1時間)実施される。
本発明は、本発明によるもの又はそうではないものに対応して、良好な又はそうではない特性を備えることとなった、架橋化されたエラストマーを生じるアルコキシタイプの単一成分の組成物の製造を記載した以下の実施例により、より良く理解される。
(調製1:非触媒基剤(ペースト)の合成)
粘度が約80000mPa.sの464gのα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサンオイルA'と、19.25gのビニルトリエトキシシラン(VTEO)架橋剤G1とを、冷却下、“butterfly''(バタフライ)単軸ミキサーのチャンバーへ設けた。反応物全体を200rpmで2分間混ぜ合わせた。続いて、機能化触媒F、すなわち、3重量%のエタノール性水酸化カリウムを2g導入した。機能化反応は、400rpmの撹拌により5分間行った。次に、31gの比表面積150〜200m2/gの処理済み焼成シリカ(Degussa社のR104)Bを、混合物中で完全に分散させるために適度の撹拌率(160rpmで1分)において導入し、その後、より速く撹拌(400rpmで4分)した。これにより、比較的粘性が高く流動性が高くない粘弾性流体が得られた。得られたペーストを真空引きによりガス抜きし(50mbar未満、130rpmで6分)、続いて、密閉容器へ入れて保存した。
(調製2:該ペーストへの触媒の添加)
大気中の湿気の存在下で架橋するエラストマーを得るために、凝縮触媒C及び随意的な架橋化共触媒Dを、上記調製1で得られたペーストに添加した。種々の触媒の比較を行うため、Hauschild社のソリッドタイプのスピードミキサーのラピッドミキサーで撹拌させ(2000rpmで20秒を2回)、0.7gの触媒を49.3gのペーストへ添加した。
種々の触媒Cは、2−エチルヘキサン酸、オクタン酸、2−エチル酪酸、イソ酪酸、及び、無水酢酸である。種々の共触媒Dは、ブチルチタネート、及び、亜鉛ビス(2−エチルヘキサノエート)である。触媒Cと共触媒Dとの種々の混合物も、以下のようなものについて試験した:
− ブチルチタネートと2−エチルヘキサン酸とを、モル比1/1で混合した混合物;
− ブチルチタネートと2−エチルヘキサン酸とを、モル比2/1で混合した混合物;
− ブチルチタネートと2−エチルヘキサン酸とを、モル比1/2で混合した混合物;
− ブチルチタネートと2−エチル酪酸とを、モル比2/1で混合した混合物;
− ブチルチタネートとイソ酪酸とを、モル比2/1で混合した混合物;
− ブチルチタネートとオクタン酸とを、モル比2/1で混合した混合物;
− ブチルチタネートと無水酢酸とを、モル比2/1で混合した混合物。
(調製3:非触媒基剤(ペースト)の合成)
粘度が約50000mPa.sの1113gのα,ω−ジヒドロキシル化ポリジメチルシロキサンオイルA'と、46.20gのビニルトリエトキシシラン(VTEO)架橋剤G1とを、冷却下、“butterfly''(バタフライ)単軸ミキサーのチャンバーへ設けた。反応物全体を200rpmで2分間混ぜ合わせた。続いて、機能化触媒F、すなわち、4重量%のリチウム一水和物のメタノール溶液を4.8g導入した。機能化反応は、400rpmの撹拌により10分間行った。次に、36gの比表面積150m2/gの焼成シリカ(Degussa社のAerosil 150)Bを、混合物中で完全に分散させるために適度の撹拌率(160rpmで10分)において導入し、その後、より速く撹拌(400rpmで4分)した。これにより、比較的粘性が高く流動性が高くない粘弾性流体が得られた。得られたペーストを真空引きによりガス抜きし(50mbar未満、130rpmで6分)、続いて、密閉容器へ入れて保存した。
(調製4:該ペーストへの触媒の添加)
大気中の湿気の存在下で架橋するエラストマーを得るために、凝縮触媒C及び共触媒Dを、上記調製3で得られたペーストに添加することが必要となった。本発明に係る触媒及び共触媒と、有機チタン化合物のみに基づく市販触媒との比較を行うため、ラピッドミキサーで撹拌させ(2000rpmで20秒を2回)、3.8mmolのチタン触媒を100gの該ペーストに添加した。
種々の触媒は:
− ブチルチタネート及び2−エチルヘキサン酸のモル比2/1の混合物(本発明に対応)、及び
− チタニウムテトラキス(2−エチルヘキサノレート)(DuPont社のTyzor TOTという名の市販触媒)である。
(特性)
各組成物の触媒活性及び反応性は、持続時間が増加するように制御された条件下で架橋した2mm厚フィルムに係るショア(A)硬さの長時間にわたる変化により評価した。硬さ測定の前に、該フィルムをカットし、デュロメーター下、3層に積層した。制御温度及び湿度測定条件は、以下の通りである:
− 温度:23±2℃;及び
− 湿度:50±5%。
測定結果は、後述の表に示す。例1〜6は、調製2で得られたペーストを用いている。例7及び8は、調製4で得られたペーストを用いている。
(例1:ブチルチタネートの触媒作用(制御))
エラストマーはブチルチタネートにより非常にゆっくり硬化したことが観察された。
(例2:炭素数8のカルボン酸の触媒作用)
ブチルチタネートを、特に、2−エチルヘキサン酸のような炭素数8のカルボン酸に置き換えると、硬化反応速度がより増した。
(例3:ブチルチタネート及び2−エチルヘキサン酸の相乗効果による触媒作用)
ブチルチタネート及び2−エチルヘキサン酸の組み合わせにより、それらを別々で使用したものより、架橋化反応速度が増した。
混合物中の2つの成分のモル比も重要であり、検討した3つのモル比のうち、1モルの2−エチルヘキサン酸に対して2モルのブチルチタネートを合わせたものが最も反応速度が速かった。
(例4:ブチルチタネート及び分岐酪酸の相乗効果による触媒作用)
2−エチルヘキサン酸の代わりに、分岐酪酸(2−エチル酪酸及びイソ酪酸)を同様の比率でブチルチタネートと共に用いることができ、且つ、それにより同様の触媒作用を得ることができる。
(例5:ブチルチタネート及びオクタン酸の相乗効果による触媒作用)
ブチルチタネート及びオクタン酸の相乗効果について、2−エチルヘキサン酸との効果と比べるとより低反応率であった。
(例6:ブチルチタネート及び無水酢酸の相乗効果による触媒作用)
無水酢酸のような酸無水物をブチルチタネートと共に用いることができ、それにより1日の終わりにはエラストマーが硬化し得る。
(例7:ブチルチタネート及び2−エチルヘキサン酸の相乗効果による触媒作用)
本試験は、硬さについて観察された硬化反応速度が、チタニウムテトラキス(2−エチルヘキサノレート)より、ブチルチタネート及び2−エチルヘキサン酸混合物に係るものの方が速いことを示した。
(例8:チタニウムテトラキス(2−エチルヘキサノレート)の触媒作用)
エラストマーはチタニウムテトラキス(2−エチルヘキサノレート)により非常にゆっくり硬化したことが観察された。
Figure 0005261395
Figure 0005261395
Figure 0005261395

Claims (17)

  1. 湿度の無い状態での保存中でも安定で、水分が存在する状態で重縮合反応を経由してエラストマーを与える架橋が可能な単一成分の無錫シリコン組成物であって、
    前記組成物は:
    − 少なくとも1種の架橋可能なアルコキシ官能性ポリオルガノシロキサンオイルA;及び、
    2−エチルヘキサン酸、オクタン酸、2−エチル酪酸、イソ酪酸、これらのカルボン酸由来の無水物、無水酢酸及びこれらの混合物から選択される架橋触媒Cを含み、
    前記ポリオルガノシロキサンオイルAが下記一般式(I)の直鎖シリコンオイルを含み、
    Figure 0005261395
    又は、式(R 1 2 SiO 2/2 のシロキシ単位Dが、式R 1 SiO 3/2 のシロキシ単位T及び/又は式SiO 4/2 のシロキシ単位Qで置換され、シロキシ単位T及びQの数がシリコン原子の数の100分の1以下である直鎖のシリコンオイルを含み、式(I)において、
    1 基は、互いに同一又は異なっており、それぞれ飽和又は不飽和、置換又は非置換、脂肪族、環状又は芳香族の、一価の炭素数1〜13の炭化水素に基づく基を表し;
    f 基は、互いに同一又は異なっており、それぞれ式R 2 O−(CH 2 CH 2 O) b −(ここで、R 2 基は互いに同一又は異なっており、それぞれ炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル又は炭素数3〜8のシクロアルキルを表し、bは0又は1である)の基を表し;
    3 基は、互いに同一又は異なっており、それぞれ酸素原子又は炭素数1〜4の2価の飽和脂肪族炭化水素に基づく基を表し;
    nは、前記ポリオルガノシロキサンオイルAに25℃で動的粘度10 3 〜10 6 mPa.sを与えるのに十分な値であり;
    aは0又は1であり、
    前記架橋触媒Cが、2−エチルヘキサン酸、オクタン酸、2−エチル酪酸、イソ酪酸、これらのカルボン酸由来の無水物、無水酢酸及びこれらの混合物から選択され、
    さらに前記組成物は、以下の成分を含まない、又は、1種又は数種を随意的に含む無錫シリコン組成物:
    − 少なくとも1種の無機充填剤B;
    − 架橋化共触媒Dとして、金属が錫以外のものである、少なくとも1種の有機金属化合物;
    − 少なくとも1種の架橋可能なアルコキシ官能性ポリオルガノシロキサン樹脂E;
    − 前記ポリオルガノシロキサンオイルA及び/又は樹脂Eの製造の間に用いる機能化触媒Fの残余分;
    − 少なくとも1種のアルコキシ官能性シラン及び/又は少なくとも1種のアルキルポリシリケートG;
    − 重縮合に関して不活性な、少なくとも1種のポリジオルガノシロキサンH;及び、
    − 少なくとも1種の助剤I。
  2. 前記R1基は、互いに同一又は異なっており、炭素原子数1〜13のアルキル又はハロアルキル基;炭素原子数5〜13のシクロアルキル又はハロシクロアルキル基;炭素原子数2〜8のアルケニル基;炭素原子数6〜13の単環式のアリル又はハロアリル基;及び、アルキル鎖員の炭素原子数が2〜3であるシアノアルキル基;から選択され、
    前記R2基は、互いに同一又は異なっており、それぞれ炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐のアルキルを表し、
    前記R3基は、互いに同一又は異なっており、それぞれ酸素原子、又は、メチレン、エチレン、プロピレン及びブチレン基から選択される基を表す、
    請求項に記載の組成物。
  3. 前記R1基は、互いに同一又は異なっており、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n―ヘキシル、フェニル、ビニル及び3,3,3−トリフルオロプロピル基から選択され、
    前記Rf基は、互いに同一又は異なっており、エトキシ及びプロポキシ基から選択され、
    前記R3基は、互いに同一又は異なっており、それぞれ酸素原子、又は、メチレン、エチレン、プロピレン及びブチレン基から選択された基を表す、
    請求項に記載の組成物。
  4. 前記R1基がメチル基で、前記Rf基がエトキシ基で、前記R3基が酸素原子である請求項に記載の組成物。
  5. 前記無機充填剤Bが、酸性又は中性の無機充填剤、又は、酸性及び/又は中性の無機充填剤の混合物である請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  6. 前記無機充填剤Bが、シリカ材、又は、非シリカ材である請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  7. 前記無機充填剤Bが、コロイド状シリカ、焼成シリカ、燻蒸したシリカ又は沈殿したシリカの粉末、珪藻土の非晶質シリカ、破砕石英、及び、これらの混合物、又は、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、膨張蛭石、非膨張蛭石、処理炭酸カルシウム、酸化亜鉛、雲母、滑石、酸化鉄、硫酸バリウム、消石灰、及び、それらの混合物から選択される請求項に記載の組成物。
  8. 前記無機充填剤Bが、焼成シリカ粉末、随意的に、少なくとも1種のオルガノシリコン化合物で表面処理された焼成シリカ粉末を含む請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  9. 前記架橋化共触媒Dが、亜鉛、チタン、アルミニウム、ビスマス、ジルコニウム、ボロン、及び、これらの混合物から選択される請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  10. 前記架橋化共触媒Dが、テトラブチルチタネート、亜鉛ビス(2−エチルヘキサノエート)、亜鉛ビス(オクトエート)、アルミニウムアセチルアセトネート、トリブチルボレート、ビスマスカルボキシレート、テトラプロピルジルコネート及びそれらの混合物から選択される請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  11. 架橋触媒Cのモルに対する共触媒Dの金属のモルを示すモル比D/Cが、1/1〜4/1である請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
  12. 前記POS樹脂Eが、
    式(R13SiO1/2のシロキシ単位M、式(R12SiO2/2のシロキシ単位D、式R1SiO3/2のシロキシ単位T、及び、式SiO4/2のシロキシ単位Qから選ばれる少なくとも2種の異なるシロキシ単位、単位T又はQを有するこれらのシロキシ単位の少なくとも1種を有しており、
    − R1基は、互いに同一又は異なっており、それぞれ飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、脂肪族、環式又は芳香族の、炭素原子数が1〜13の1価の炭化水素に基づく基を表し、
    − 少なくとも1のR1基がRf基で置換されており、該Rf基は互いに同一又は異なっており、それぞれ式R2O−(CH2CH2O)b−のアルコキシ基を表し、該式において、R2基は互いに同一又は異なっており、それぞれ炭素原子数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル、又は、炭素数3〜8のシクロアルキルを表し、bは0又は1である、
    請求項1〜11のいずれかに記載の組成物。
  13. 前記樹脂Eは、0.1〜10重量%のRfを有する請求項1〜12のいずれかに記載の組成物。
  14. − 1〜50重量%の無機充填剤B;
    − 0.01〜5重量%の架橋触媒C;
    − 0〜5重量%の架橋化共触媒D;
    − 0〜30重量%の樹脂E;
    − 0〜1重量%の機能化触媒F;
    − 0〜10重量%のアルコキシ官能性シラン及び/又はアルキルポリシリケートG;
    − 0〜30重量%の不活性ポリジオルガノシロキサンH;
    − 0〜20重量部の助剤I;及び
    前記ポリオルガノシロキサンオイルAが少なくとも45重量%であるとき、100重量%の前記ポリオルガノシロキサンオイルAの残部;
    を含む請求項1〜13のいずれかに記載の組成物。
  15. 前記ポリオルガノシロキサンオイルA及び随意の前記POS樹脂Eが、
    − 機能化触媒Fの存在下、アルコキシ官能性ポリオルガノシロキサンオイルA又はEの前駆体のヒドロキシル化されたポリオルガノシロキサンA’又はE’の≡Si−OH単位と、アルコキシシランのアルコキシ基との凝縮;又は、
    − アルコキシ官能性ポリオルガノシロキサンオイルA又はEの前駆体の水素化ポリオルガノシロキサン前駆体A''又はE''の≡Si−H単位と、オレフィンのアルコキシシランのオレフィン基との付加;又は、
    − アルコキシ官能性ポリオルガノシロキサンオイルA又はEの前駆体のポリオルガノシロキサンA'''又はE'''の不飽和オーガニック単位と、ヒドロゲンアルコキシシランの水素基との付加;
    によって製造される請求項1〜14のいずれかに記載の組成物。
  16. 前記ポリオルガノシロキサンオイルAが、機能化触媒Fの存在下での、エトキシシランとの、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサンオイルA’の機能化によって製造される請求項1〜15のいずれかに記載の組成物。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の単一成分のポリオルガノシロキサン組成物の架橋化及び硬化によって得られた無錫シリコンエラストマー。
JP2009535746A 2006-11-09 2007-11-09 エラストマーに架橋し得る単一成分の無錫シリコン組成物 Expired - Fee Related JP5261395B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR0609785A FR2908420A1 (fr) 2006-11-09 2006-11-09 Composition silicone monocomposante sans etain reticulable en elastomere
FR06/09785 2006-11-09
PCT/EP2007/062165 WO2008055985A1 (fr) 2006-11-09 2007-11-09 Composition silicone monocomposante sans etain reticulable en elastomere

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010509424A JP2010509424A (ja) 2010-03-25
JP5261395B2 true JP5261395B2 (ja) 2013-08-14

Family

ID=38121747

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009535746A Expired - Fee Related JP5261395B2 (ja) 2006-11-09 2007-11-09 エラストマーに架橋し得る単一成分の無錫シリコン組成物

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20100234510A1 (ja)
EP (1) EP2089461A1 (ja)
JP (1) JP5261395B2 (ja)
KR (1) KR101135918B1 (ja)
CN (2) CN101743271A (ja)
FR (1) FR2908420A1 (ja)
WO (1) WO2008055985A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8518269B2 (en) 2011-03-30 2013-08-27 Crystal Lagoons (Curacao) B.V. Method and system for treating water used for industrial purposes
US8790518B2 (en) 2006-11-21 2014-07-29 Crystal Lagoons (Curacao) B.V. Process to maintain large clean recreational water bodies

Families Citing this family (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102257037B (zh) * 2008-11-25 2013-06-12 蓝星有机硅法国公司 具有胍结构的化合物及其作为有机聚硅氧烷缩聚催化剂的用途
EP2492323A1 (en) 2011-02-23 2012-08-29 Akzo Nobel Coatings International B.V. Biofouling resistant composition
WO2013012977A1 (en) 2011-07-20 2013-01-24 Dow Corning Corporation Zinc containing complex and condensation reaction catalysts, methods for preparing the catalysts, and compositions containing the catalysts
US9388316B2 (en) 2011-08-18 2016-07-12 Akzo Nobel Coatings International B.V. Fouling-resistant composition comprising sterols and/or derivatives thereof
WO2013036546A2 (en) 2011-09-07 2013-03-14 Dow Corning Corporation Titanium containing complex and condensation reaction catalysts, methods for preparing the catalysts, and compositions containing the catalysts
EP2753663B1 (en) 2011-09-07 2020-01-08 Dow Silicones Corporation Zirconium containing complex and condensation reaction catalysts, methods for preparing the catalysts, and compositions containing the catalysts
WO2013052585A2 (en) 2011-10-04 2013-04-11 Dow Corning Corporation Iron(iii) containing complex and condensation reaction catalysts, methods for preparing the catalysts, and compositions containing the catalysts
US9139699B2 (en) 2012-10-04 2015-09-22 Dow Corning Corporation Metal containing condensation reaction catalysts, methods for preparing the catalysts, and compositions containing the catalysts
WO2013071078A1 (en) 2011-11-10 2013-05-16 Momentive Performance Materials, Inc. Moisture curable organopolysiloxane composition
EP2791265A4 (en) 2011-12-15 2016-01-13 Momentive Performance Mat Inc HUMIDITY-CURABLE POLYORGANOSILOXANE COMPOSITIONS
JP6297498B2 (ja) 2011-12-15 2018-03-20 モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク 湿気硬化性オルガノポリシロキサン組成物
KR20140116887A (ko) * 2011-12-29 2014-10-06 모멘티브 퍼포먼스 머티리얼즈 인크. 수분 경화성 오가노폴리실록산 조성물
WO2013101755A1 (en) 2011-12-29 2013-07-04 Momentive Performance Materials, Inc. Moisture curable organopolysiloxane composition
PT2961805T (pt) 2013-02-26 2017-03-08 Akzo Nobel Coatings Int Bv Composições anti-incrustantes com um polímero ou oligómero flourado contendo oxialquileno
EP2774672A1 (de) * 2013-03-04 2014-09-10 Nitrochemie Aschau GmbH Katalysator für die Vernetzung von Siliconkautschukmassen
EP2774673A1 (de) * 2013-03-04 2014-09-10 Nitrochemie Aschau GmbH Katalysator für die Vernetzung von Siliconkautschukmassen
TW201434882A (zh) 2013-03-13 2014-09-16 Momentive Performance Mat Inc 可濕氣固化之有機聚矽氧烷組成物
JP2016521309A (ja) 2013-05-10 2016-07-21 モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク 非金属触媒室温湿気硬化性オルガノポリシロキサン組成物
EP3077468B1 (en) 2013-12-03 2018-02-28 Akzo Nobel Coatings International B.V. A method for coating an aged coating layer on a substrate, and a coating composition suitable for use in this method
TWI663236B (zh) * 2014-10-16 2019-06-21 Dow Silicones Corporation 聚矽氧組合物及具有由該組合物製得之壓敏性黏著層的壓敏性黏著膜
CN105153760B (zh) * 2015-08-26 2018-01-26 中国科学院化学研究所 一种采用聚硅氮烷室温改性的填料及其制备方法与应用
CN105489418B (zh) * 2015-12-31 2017-09-01 宝鸡市晨光真空电器有限责任公司 用于户外高压真空断路器的固封式极柱模块的固封工艺
CN109355058A (zh) * 2016-04-27 2019-02-19 宁波高新区夏远科技有限公司 一种单组分脱醇型室温硫化硅橡胶的制备方法
GB2558971A (en) * 2016-12-16 2018-07-25 Formformform Ltd Silicone elastomer composition
CN110168025A (zh) 2017-01-17 2019-08-23 阿克佐诺贝尔国际涂料股份有限公司 污垢释放涂料组合物,涂覆有此涂料组合物的基材,以及此涂料组合物的用途
WO2018178319A1 (fr) * 2017-03-29 2018-10-04 Elkem Silicones France Sas Composition silicone reticulant par polyaddition utile pour le surmoulage de pieces
CN107325719A (zh) * 2017-06-06 2017-11-07 东莞市百思兰鞋材科技有限公司 一种无氟防水剂
US20200308420A1 (en) 2017-12-14 2020-10-01 Akzo Nobel Coatings International B.V. Substrate coated with a multi-layer coating system and a process for controlling aquatic biofouling on man-made objects using such multi-layer coating system
SG11202100108SA (en) 2018-07-13 2021-02-25 Akzo Nobel Coatings Int Bv Tie-coat composition
KR20230157484A (ko) 2021-03-30 2023-11-16 아크조노벨코팅스인터내셔널비.브이. 오염 제어 코팅 조성물

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE623601A (ja) * 1961-10-16 1900-01-01
JPS5217540B2 (ja) * 1973-10-04 1977-05-16
US4374236A (en) * 1981-08-27 1983-02-15 Avon Products, Inc. Elastomers and process for their preparation
EG16786A (en) * 1984-03-23 1991-08-30 Clorox Co Low-temperature effective composition and delivery systems therefor
JPS61225250A (ja) * 1985-03-30 1986-10-07 Shin Etsu Chem Co Ltd 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物
US4680364A (en) * 1985-06-18 1987-07-14 General Electric Company Room temperature vulcanizable silicone compositions having improved adhesion
DE3524452A1 (de) * 1985-07-09 1987-01-15 Bayer Ag Rtv-siliconpasten mit verkuerzter aushaertungszeit
US4652624A (en) * 1986-03-03 1987-03-24 Dow Corning Corporation Room-temperature-curing silicone sealants
JP2819162B2 (ja) * 1989-08-11 1998-10-30 大三工業株式会社 ガラス容器のかすれ傷塗布剤
JP3122775B2 (ja) * 1991-10-24 2001-01-09 鐘淵化学工業株式会社 硬化性組成物
DE19515540A1 (de) * 1995-04-27 1996-10-31 Wacker Chemie Gmbh Stabilisierung von reaktiven Organopolysiloxanharzen
JP2001049072A (ja) * 1999-08-16 2001-02-20 Teijin Chem Ltd 熱可塑性樹脂組成物
JP2001192641A (ja) * 2000-01-06 2001-07-17 Dow Corning Toray Silicone Co Ltd シーリング材組成物
WO2004031300A1 (ja) * 2002-10-02 2004-04-15 Kaneka Corporation 硬化性組成物
FR2856694B1 (fr) * 2003-06-25 2006-11-24 Rhodia Chimie Sa Compositions polyorganosiloxanes (pos) monocomposantes reticulant par des reactions de polycondensation en elastomeres a temperature ambiante et en presence d'eau, et elastomeres ainsi obtenus
FR2856695B1 (fr) * 2003-06-27 2005-09-16 Rhodia Chimie Sa Composition polyorganosiloxane monocomposante reticulant en elastomere silicone
JP2005200546A (ja) * 2004-01-15 2005-07-28 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーンレジン組成物及びそれを用いた被覆物品
JP4553110B2 (ja) * 2004-04-07 2010-09-29 信越化学工業株式会社 マグネシウム合金接着用オルガノポリシロキサン組成物
JP2006051799A (ja) * 2004-07-16 2006-02-23 Denso Corp 押出成形装置及び押出成形方法
US7905950B2 (en) * 2004-08-26 2011-03-15 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Coating composition and resin multilayer body
EP1818368B1 (en) * 2004-11-11 2012-12-26 Kaneka Corporation Curable composition
FR2880030B1 (fr) * 2004-12-23 2007-02-16 Rhodia Chimie Sa Composition polyorganosiloxane monocomposante de polycondensation comprenant une charge

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8790518B2 (en) 2006-11-21 2014-07-29 Crystal Lagoons (Curacao) B.V. Process to maintain large clean recreational water bodies
US8518269B2 (en) 2011-03-30 2013-08-27 Crystal Lagoons (Curacao) B.V. Method and system for treating water used for industrial purposes

Also Published As

Publication number Publication date
KR20090085678A (ko) 2009-08-07
WO2008055985A1 (fr) 2008-05-15
CN101743271A (zh) 2010-06-16
EP2089461A1 (fr) 2009-08-19
FR2908420A1 (fr) 2008-05-16
JP2010509424A (ja) 2010-03-25
CN103937262A (zh) 2014-07-23
KR101135918B1 (ko) 2012-04-16
US20100234510A1 (en) 2010-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5261395B2 (ja) エラストマーに架橋し得る単一成分の無錫シリコン組成物
KR100715922B1 (ko) 주변 온도에서 물의 존재 하에 중축합 반응을 이용하여가교결합하여 엘라스토머를 형성하는 단일-성분폴리오르가노실록산 (pos) 조성물, 및 이와 같이 수득된엘라스토머
JP5770225B2 (ja) グアニジン構造を有する化合物及びそのオルガノポリシロキサン重縮合触媒としての使用
JP5165735B2 (ja) 室温で縮合によって架橋するシリコーン材料
JP5188185B2 (ja) 周囲温度において湿分の存在下で硬化してエラストマーになるオルガノポリシロキサン組成物
JP4159643B2 (ja) 生強度を迅速に発現するアルコキシ官能シーラント
JP5401674B2 (ja) 室温において加硫してエラストマーになることができるオルガノポリシロキサン組成物及び新規のオルガノポリシロキサン重縮合触媒
JP5470269B2 (ja) 室温でエラストマーに加硫可能なオルガノポリシロキサン組成物及びオルガノポリシロキサン重縮合のための新規触媒
JPH0621108B2 (ja) ビス(2−メトキシイソプロピル)マレエート
TW200535193A (en) Room temp solidified organic polysiloxane composition
JP2002531621A (ja) 水分の存在下に周囲温度から半透明エラストマーに硬化するオルガノポリシロキサン組成物
JPH11158381A (ja) オルガノシロキサン組成物
JP4635003B2 (ja) 架橋してシリコーンエラストマーになる1成分型ポリオルガノシロキサン組成物
JP5937754B2 (ja) 有機重合体又はオルガノポリシロキサン用硬化触媒、湿気硬化型組成物、硬化物及びその製造方法
JP2008525560A (ja) 縮合によって架橋可能であり、フィラーを含む単一成分のポリオルガノシロキサン組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120228

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120528

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120604

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121002

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20121226

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130322

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130416

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130426

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160502

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees