図1〜図9は、本発明に係るピックアップ装置の第一の実施形態に関するものを示す図、図10,図11は、本発明に係るディスク装置の第一の実施形態に関するものを示す図である。
図1〜図9は、本発明に係るピックアップ装置の第一の実施形態を分かり易く説明するために、便宜上、描かれた図とされている。また、図10,図11は、本発明に係るディスク装置の第一の実施形態を分かり易く説明するために、便宜上、描かれた図とされている。各図について詳しく説明すると、図1〜図7は、ピックアップ装置2のアクチュエータ80を構成するアクチュエータ主体部70の回動中心軸貫通部75側からアクチュエータ主体部70を側面視したときのピックアップ装置2のアクチュエータ主体部70を示す説明図である。図1〜図7は、線状支持部材61,62,63,64,65,66の延設方向に略沿った側からアクチュエータ主体部70を眺めた状態を示す側面図である。
先ず、光ピックアップ装置2およびその制御方法について説明する。
この光ピックアップ装置2(図1,図10)は、ディスク200(図10)等の各種メディア200に対しレーザ光Aを絞り込ませて照射させる合成樹脂製もしくはガラス製の第一対物レンズ11(図1)および合成樹脂製もしくはガラス製の第二対物レンズ12を備える。この光ピックアップ装置2は、一対の対物レンズ11,12を備えている。
光ピックアップ装置2は、各種光ディスク200(図10)等の各種メディア200に記録されたデータ、情報、信号を再生させたり、書込み可能もしくは書換え可能な各種光ディスク200等の各種メディア200にデータ、情報、信号を記録させたりするものとされている。また、光ピックアップ装置2は、例えば、「CD」(Compact Disc)(商標)系列のメディアと、「DVD」(登録商標)(Digital Versatile Disc)系列のメディアと、「HD DVD」(High Definition DVD)(登録商標)系列のメディアと、「Blu-ray Disc」(登録商標)系列のメディアとに対応したものとされる。光ピックアップ装置2は、例えば、上記各種メディア200からなる群から選ばれる少なくとも一種のメディア200に対応したものとされている。具体的に説明すると、光ピックアップ装置2は、上記複数の何れかのメディア200に対応したものとされている。光ピックアップ(optical pickup)または光ピックアップ装置(optical pickup unit)は、例えば「OPU」と略称される。また、メディア(media)とは、例えば、データ、情報、信号などが保存されるディスク等を意味する。また、対物レンズ(objective lens)は、「OBL」と略称される。
また、このOPU2(図1)は、略矩形平板状の一枚の天壁21と、天壁21に略直交する略矩形平板状の四枚の側壁22,23,24,25と、を有し、二つのOBL11,12が略矩形平板状の天壁21に装着される略矩形箱状をした2ピース構造の合成樹脂製のレンズホルダ20を備える。例えば、略矩形平板状の前後一対の両側壁22,25が略平行に向かい合わせられると共に、略矩形平板状の左右一対の両側壁23,24が略平行に向かい合わせられ、且つ、前後一対の両側壁22,25に対して左右一対の両側壁23,24が略直交して位置し、さらに、各側壁22,23,24,25に略直交する略矩形平板状の一枚の天壁21が各側壁22,23,24,25の上側に位置することで、略矩形箱状をしたレンズホルダ20が構成される。
また、このOPU2は、複数のOBL11,12を有するレンズホルダ20を駆動させるための差動アクチュエータ80を構成し、略矩形箱状をしたレンズホルダ20の互いに向かい合う略矩形横長平板状の両側壁22,25の略両端部26,27に前後左右一対ずつ装着され、複数のOBL11,12を有するレンズホルダ20をOBL11,12の光軸方向Dfに略沿って駆動させたり揺動方向Dtに略沿って駆動させたりする略矩形環状の第一フォーカス/チルトコイル31および略矩形環状の第一フォーカス/チルトコイル31に略並設された略矩形環状の第二フォーカス/チルトコイル32を備える。
また、このOPU2は、複数のOBL11,12を有するレンズホルダ20を駆動させるための差動アクチュエータ80を構成し、略矩形箱状をしたレンズホルダ20の互いに向かい合う両側壁22,25の略中央部28に前後一対装着されて、略矩形環状の第一フォーカス/チルトコイル31と、略矩形環状の第二フォーカス/チルトコイル32との間に略並設され、複数のOBL11,12を有するレンズホルダ20を光ディスクの半径方向Drに略沿って駆動させる略矩形環状のトラッキングコイル33を備える。
ここで各方向について説明すると、OBL11,12の光軸方向Dfに略沿った方向とされるフォーカス方向Dfが例えば第一方向とされる。また、光ディスクの半径方向Drに略沿った方向とされるトラッキング方向Drが例えば第二方向とされる。また、OBL11,12等を有するレンズホルダ20等の揺動方向Dtに略沿った方向とされるチルト方向Dtが例えば第三方向とされる。また、フォーカス方向Dfとトラッキング方向Drとに直交する方向とされるタンジェンシャル方向Dcが例えば第四方向とされる。なお、この明細書における各方向等の定義は、各種光ディスクに対応するOPU2や、各種光ディスクが内装されるOPU2を備えた光ディスク装置1等を説明するための便宜上の定義とされている。
アルミニウム材料もしくはアルミニウム合金材料などの軽金属を含む材料が用いられて、コイル31,32,33を構成する素線が形成される。また、軽量化が図られ易い銅クラッドアルミ線が用いられ、これにエナメル材などの絶縁材が被覆された融着性エナメル付銅クラッドアルミ線(CCAW:Copper-Clad Aluminum Wire)が用いられて、各駆動用コイル31,32,33が構成される。融着性エナメルCCAWは、導線主体部を構成するアルミニウム、アルミニウム合金材と、導線主体部の外層部を構成する銅材と、銅材の外周部を構成するエナメル材などの絶縁材および/または融着材と、を備えて構成される(何れも図示せず)。絶縁材により形成される皮膜は、例えば、ポリウレタン樹脂、B種はんだ付けエナメル樹脂、はんだ付けポリエステルイミド樹脂などが用いられて形成される。また、融着材による皮膜は、例えば、アルコール接着型樹脂、熱風接着型樹脂などが用いられて形成される。アルミニウム材料もしくはアルミニウム合金材料などの軽金属を含むコイル用素線として、例えば東京特殊電線社製:エナメル銅クラッドアルミ線などが挙げられる。
OPU2の設計/仕様などにより、例えば、コイル31,32,33に代えて、他の形
態のコイル(図示せず)が用いられてもよい。例えば、コイル(31,32,33)として、ガラス層部や、エポキシ樹脂層部などの樹脂層部などを備える基板に、回路導体が鍍金処理されて構成されたコイルが用いられてもよい。例えば、このようなコイルとされるプリントコイルが用いられてもよい。なお、この明細書における符号に付けられた括弧(
)は、図示等されたものと若干異なるものを説明するために、便宜上、用いられている。プリントコイル(31,32,33)が用いられることにより、コイル(31,32,33)は、レンズホルダ(20)に装着され易くなる。基板に回路導体が鍍金処理されて構成されたコイル(31,32,33)が用いられることにより、レンズホルダ(20)に対するコイル(31,32,33)の装着作業は行われ易くなる。レンズホルダ(20)に対するコイル(31,32,33)の装着作業が行われ易くなることにより、OPU(2)の組立作業は、容易に行われる。OPU(2)の組立作業が容易に行われることにより、OPU(2)の価格低減化が図られる。プリントコイルとして、例えば旭化成エレクトロニクス社製:FPコイル(登録商標)などが挙げられる。
また、このOPU2は、略矩形箱状をしたレンズホルダ20の互いに向かい合う略矩形平板状の左右両側壁23,24に装備され、レンズホルダ20を弾性支持する六本の略線状をした金属製の支持部材61,62,63,64,65,66いわゆる略線状をした金属製のサスペンションワイヤ61,62,63,64,65,66を備える。例えば、OPU2を構成するレンズホルダ20等のチルト回動中心軸貫通部75側からレンズホルダ20等を側面視した際に、略線状の各サスペンションワイヤ61,62,63,64,65,66は、OBL11,12の光軸方向Dfに略沿った方向とされるフォーカス方向Dfと、光ディスクの半径方向Drに略沿った方向とされるトラッキング方向Drと、に直交する方向とされるタンジェンシャル方向Dcたとえばチルト回動中心軸延伸方向Dcに略沿って延設される。また、略線状の各サスペンションワイヤ61,62,63,64,65,66は、例えば、燐青銅、ベリリウム銅製の導線が用いられて形成される。
OPU2のレンズホルダ20に装備された左右六本のサスペンションワイヤ61,62,63,64,65,66に、駆動信号、制御信号等とされる電気が流されることにより、OPU2のレンズホルダ20に装備されて各サスペンションワイヤ61,62,63,64,65,66に通電可能に接続された前後六個のコイル31,31,32,32,33,33に、駆動信号、制御信号等とされる電気が流される。
このOPU2は、複数の上記OBL11,12と、複数ピース構造の上記レンズホルダ20と、複数の上記第一フォーカス/チルトコイル31と、複数の上記第二フォーカス/チルトコイル32と、複数の上記トラッキングコイル33と、複数の上記サスペンションワイヤ61,62,63,64,65,66と、を有するアクチュエータ可動主体部70を備える。
OPU2のアクチュエータ80を構成するアクチュエータ可動主体部70のチルト回動中心軸貫通部75側からアクチュエータ可動主体部70が側面視されたときに、アクチュエータ可動主体部70は、左右略対称に構成されると共に、アクチュエータ可動主体部70は、前後略対称に構成されている。
アクチュエータ可動主体部70を構成するレンズホルダ20の略矩形横長平板状第一側壁22の略中央に、略矩形環状をした前側のトラッキングコイル33が装備されると共に、前側のトラッキングコイル33を挟んで前側のトラッキングコイル33の左右両側に、略矩形環状をした前側の第一フォーカス/チルトコイル31および略矩形環状をした前側の第二フォーカス/チルトコイル32が装備されている。
また、アクチュエータ可動主体部70を構成するレンズホルダ20の略矩形横長平板状
第二側壁25の略中央に、略矩形環状をした後側のトラッキングコイル33が装備されると共に、後側のトラッキングコイル33を挟んで後側のトラッキングコイル33の左右両側に、略矩形環状をした後側の第一フォーカス/チルトコイル31および略矩形環状をした後側の第二フォーカス/チルトコイル32が装備されている。
前側の第一フォーカス/チルトコイル31と、前側の第二フォーカス/チルトコイル32と、後側の第一フォーカス/チルトコイル31と、後側の第二フォーカス/チルトコイル32と、は、略同形状をした略正方形状の略矩形環状に構成されている。また、前側のトラッキングコイル33と、後側のトラッキングコイル33と、は、略同形状をしたやや縦長の略矩形環状に構成されている。
OPU2のアクチュエータ80を構成するアクチュエータ可動主体部70のチルト回動中心軸貫通部75側からアクチュエータ可動主体部70が例えば透視されたと仮定されたときに、前側の第一フォーカス/チルトコイル31と、後側の第一フォーカス/チルトコイル31と、が略重なり合う。また、そのときに、前側の第二フォーカス/チルトコイル32と、後側の第二フォーカス/チルトコイル32と、が略重なり合う。また、そのときに、前側のトラッキングコイル33と、後側のトラッキングコイル33と、が略重なり合う。
また、アクチュエータ可動主体部70を構成するレンズホルダ20の左側の一側壁23近傍に、三本の一側のサスペンションワイヤ61,62,63が配備されると共に、アクチュエータ可動主体部70を構成するレンズホルダ20の右側の他側壁24近傍に、三本の他側のサスペンションワイヤ64,65,66が配備されている。三本の一側のサスペンションワイヤ61,62,63と、三本の他側のサスペンションワイヤ64,65,66と、は、左右略均等にレンズホルダ20に配設されている。
また、アクチュエータ可動主体部70を構成するレンズホルダ20の天壁21に、左右略均等となるように一対のOBL11,12が配設されている。一対のOBL11,12は、前側の第一側壁22と、後側の第二側壁25と、の略中間に位置する。
このようにOPU2のアクチュエータ80を構成するアクチュエータ可動主体部70が構成されることにより、安定性に優れバランスのとれたOPU2のアクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70が構成される。これにより、例えば制振性に優れるOPU2のアクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70が構成される。
また、このOPU2は、アクチュエータ80を構成する六枚の磁石製の磁性部材たとえばマグネット(図示せず)を備える。マグネットの取付構造や、OPU2の設計/仕様等により、例えば永久磁石材料が用いられて各マグネットが形成される。例えば安価で保磁力が大きく減磁され難いフェライト磁石が用いられてマグネットが形成される。また、マグネットの取付構造や、OPU2の設計/仕様等により、OPU2に用いられる磁石は、例えば、クロム、アルミニウム、ニッケル、コバルトなどの合金元素が鉄などに添加された例えば合金とされ、焼入硬化、析出硬化などによって、保持力と、残留磁束密度の高い永久磁石特性とをもったものとされ、また、圧延加工などの成形加工が可能なものとされる。また、例えば一面側の一方側に正極部が形成されると共に一面側の他方側に負極部が形成された二極一個の駆動用マグネットが用いられる。なお、マグネットの取付構造や、OPU2の設計/仕様等により、例えば磁性部材として、一極/二極マグネットや、二極以上着磁された多極着磁マグネットが用いられてもよい。
また、このOPU2は、アクチュエータ80を構成する少なくとも一つの金属製の磁性連結部材いわゆる金属製のヨーク(図示せず)を備える。「ヨーク」とは、例えば磁気的
な連結を構造的に支持したものを意味する。また、「ヨーク」は、磁石などの磁性部材から生じる磁力の漏れを少なくさせるものとされている。このヨークは、ヨークとしての機能を備えたフレームいわゆるフレーム・ヨークとして形成されている。「フレーム」とは、例えば、枠や、枠組みや、骨組みを意味する。フレーム・ヨークは、ヨークとしての機能を備えたフレームとして形成されている。
このOPU2は、複数の上記マグネットと、上記ヨークと、を有するアクチュエータ固定主体部(図示せず)を備える。
左右略対称に並設された第一フォーカス/チルトコイル31と、第二フォーカス/チルトコイル32と、トラッキングコイル33と、に対応して、例えば少なくとも二つ以上の磁性部材このましくは三つの磁性部材が左右略対称に並設される。また、左右略対称に並設された例えば少なくとも二つ以上の磁性部材このましくは三つの磁性部材に対応して、ヨークが左右略対称に形成される。
このようにOPU2のアクチュエータ80を構成するアクチュエータ固定主体部が構成されることにより、OPU2のアクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70は、バランスよく安定して駆動させられる。これにより、例えばOPU2のアクチュエータ80を構成するアクチュエータ可動主体部70の制振性が向上する。
また、このOPU2は、光ディスク200(図10)にレーザ光Aを照射させる少なくとも一つの発光素子4いわゆるレーザダイオード(LD:laser diode)を備える。例えば、波長が約350〜450nm(ナノメータ)、基準とされる波長が略405nmの青紫色レーザ光Aを出射可能な「HD DVD」用および/または「Blu-ray Disc」用の0.2〜500mW(ミリワット)のレーザ光AがLD4から出射される。また、例えば、波長が約630〜685nm、基準とされる波長が略635nmまたは650nmの赤色レーザ光Aを出射可能な「DVD」用の0.2〜500mWのレーザ光AがLD4から出射される。また、例えば、波長が約765〜830nm、基準とされる波長が略780nmの赤外レーザ光Aを出射可能な「CD」用の0.2〜500mWのレーザ光AがLD4から出射される。このLD4は、例えば複数種類の波長のレーザ光Aを出射可能な特殊なLD4として構成される。
LD4から例えば0.2以上500mW以下、具体的には0.5以上400mW以下の出力値のレーザ光Aが出射される。例えば0.2mW未満の出力値のレーザ光Aとされた場合、光ディスク200に照射されたのちに反射され光検出器6に届くレーザ光Aの光量が不足する。光ディスク200の各データ等を再生させるときには、例えば0.5以上20mW以下程度という数〜数十mWの出力値のレーザ光Aで十分とされる。光ディスク200に各データ等を書き込むときには、数十〜数百mWの出力値のレーザ光Aが必要とされる。例えば光ディスク200に高速で各データ等を書き込むときには、400mWや500mW等という高い出力値のパルスレーザ光Aが必要とされることがある。
また、このOPU2は、光ディスク200の信号部210から反射されたレーザ光Aを受光する少なくとも一つの光検出器6いわゆるPD(photo detector)またはPDIC(photo diode IC)6を備える。PDIC6は、例えば四分割タイプ等の複数分割された回折格子(図示せず)を透過したメインビーム(0次光)に対応する平面視略矩形のメイン受光部(図示せず)と、回折格子を透過することで回折分岐された一対のサブビーム(±1次回折光束)に対応する一対の平面視略矩形のサブ受光部(図示せず)との三つの受光部を少なくとも備えて構成される。平面視略矩形のメイン受光部は、略均等に四分割されて平面視略矩形の四つのセグメントを備える。また、平面視略矩形のサブ受光部は、略均等に四分割されて平面視略矩形の四つのセグメントを備える。このように、複数の平面視
略矩形のセグメントを備えた複数分割タイプの各受光部を有するPDIC6が、OPU2に装備される。
PDIC6は、光ディスク200の信号面部210から反射されたレーザ光Aを受けて、その信号を電気信号に変え、光ディスク200の信号面部210に記録されたデータ、情報、信号を検出するためのものとされている。また、PDIC6は、光ディスク200の信号面部210から反射されたレーザ光Aを受けて、その信号を電気信号に変え、OPU2を構成するOBL11,12付レンズホルダ20のサーボ機構(図示せず)を動作させるためのものとされている。OPU2により、光ディスク200に記録されたデータ/情報/信号が読み出されたり、光ディスク200にデータ/情報/信号が書き込まれたりするときに、PDIC6の各受光部に各レーザ光Aが照射されることにより、光ディスク200のメイン情報信号や、光ディスク200に対するフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号が検出される。
OPU2における光ディスク200の集光スポットBのフォーカシング検出法として、例えば差動非点収差法に基づいた検出法等が挙げられる。差動非点収差法とは、例えば、非点収差をもった光学系で結像した点像ひずみを検出することにより、集光スポットBの変位を検出する方法とされる。このOPU2における集光スポットBのフォーカシング検出法は、例えば差動非点収差法に基づいた検出法とされる。なお、フォーカシング検出法として、例えばナイフエッジ法などの他の検出法が用いられてもよい。
また、OPU2における光ディスク200の集光スポットBのトラッキング検出法として、例えば差動プッシュプル(DPP:differential push-pull)法に基づいた検出法等が挙げられる。差動プッシュプル法とは、例えば、データ読書き用のメインビームと、位置ずれの補正信号を検出する二つのサブビームとにより、集光スポットBの変位を検出する方法とされる。このOPU2における集光スポットBのトラッキング検出法は、例えば差動プッシュプル法に基づいた検出法とされる。なお、トラッキング検出法として、例えば位相差法などの他の検出法が用いられてもよい。
また、このOPU2は、光ディスク装置1の制御部100の演算部110に各種制御を行わせるプログラムや、OPU2に必要とされる係数、最適補償パラメータ等が記憶された記憶部8を備える。ソフトウェア等により実施される各機能は、光ディスク装置1の制御部100の演算部110がアクセス可能な記憶部8に格納されている。光ディスク装置1の制御部100の演算部110は、フラッシュROMなどの記憶部8に記憶されたプログラムに基づいて、各種の制御/動作を行わせるものとして構成されている。「ROM」は、「read-only memory」の略称である。記憶部8として、例えばフラッシュメモリ(flash memory)が用いられる。また、この記憶部8は、例えば記憶回路部として構成される。
記憶部8について詳しく説明すると、記憶部8として、例えばEEROM(Electrically Erasable ROM)などのROMが挙げられる。ROMとは、読出し専用メモリを意味する。EEROMは、記憶された情報を電気的に消去可能なものとされている。EEROMは、例えばバッテリバックアップ電源が不要とされたいわゆる不揮発性メモリである。
記憶部8について具体的に説明すると、記憶部8として、例えばEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)などのROMが挙げられる。EEPROMとは、電気的に内容を書き換えることが可能なROMを意味する。EEPROMは、いわゆる不揮発性メモリである。EEPROMの変更が行われるときには、通常の電圧よりも高い電圧により行われる。また、EEPROMは、記憶された情報を電気的に消去可能なものとされている。
また、記憶部8として、例えばEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などのROMが挙げられる。EPROMとは、記憶の消去・書込みを何度でも行うことが可能とされるROMを意味する。EPROMは、記憶が消去されるときに、読出し時と異なる特殊な方法で行われるものとされている。
このOPU2(図1)は、上記アクチュエータ可動主体部70と、上記アクチュエータ固定主体部と、上記LD4と、上記PDIC6(図10)と、上記EEROM8と、を備え、光ディスク200の信号の読出し及び/又は光ディスク200に信号の書込みが可能とされた差動フォーカス・チルト方式のOPU2として構成されている。
また、この光ディスク装置1は、例えば図1〜図7等に示す何れかの上記OPU2を装備可能なものとされている。
また、この光ディスク装置1(図10)は、演算を正確で迅速に行う制御部100を備える。例えば光ディスク装置1のシステム制御部100は、演算を正確で迅速に実行可能なデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP:digital signal processor)100を構成するものとされている。DSPとは、例えば主にデジタル信号処理に特化されたマイクロプロセッサを意味する。
光ディスク装置1のシステム制御部100は、例えばシステム制御用マイクロコンピュータを構成するものとされている。システム制御用マイクロコンピュータは、例えば中央演算装置を意味するシステムコントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータなどとされ、光ディスク装置1における全般のシステム制御を司る制御部とされる。システム制御部100が備える各機能は、ソフトウェア、ファームウェア等のいわゆるプログラムにより実現される。
光ディスク装置1のシステム制御部100には、例えばDSPを構成するデジタル信号処理回路部を含んだチップが装備される。デジタル信号処理回路部を有するDSPが用いられることにより、例えば演算部110等における高速演算処理が実行可能となる。DSPが用いられることにより、信号処理が行われるときに、例えばSN(signal/noise)比が略90dB(デシベル)以上とされ、ノイズの影響が回避され易くなり、また、周辺の雰囲気温度などによる影響も抑制され易くなる。このようなことから、光ディスク装置1のシステム制御部100にDSPが用いられることにより、精度の高い演算処理等が高速で行われる。
また、この光ディスク装置1は、演算を正確で迅速に行う中央演算部110いわゆるCPU(central processing unit)110を備える。中央演算部110は、例えばMPU(micro processing unit)として構成されていてもよい。
また、この光ディスク装置1は、DSP100のCPU110に各種制御を行わせるプログラム等が記憶された第一記憶回路部111を備える。ソフトウェア等により実施される各機能は、DSP100のCPU110がアクセス可能な第一記憶回路部111に格納されている。DSP100のCPU110は、フラッシュROMなどの第一記憶回路部111に記憶されたプログラムに基づいて、各種の制御/動作を行わせるものとして構成されている。第一記憶回路部111として、例えばフラッシュメモリが用いられる。第一記憶回路部111について詳しく説明すると、第一記憶回路部111として、例えばEEROMなどのROMが挙げられる。また、第一記憶回路部111として、例えばEEPROMなどのROMが挙げられる。また、第一記憶回路部111として、例えばEPROMなどのROMが挙げられる。
また、この光ディスク装置1は、例えばDSP100のCPU110に入力される係数、最適補償パラメータ等の各種値を記憶・消去可能な第二記憶回路部112を備える。第二記憶回路部112として、例えばRAM(random access memory)が用いられた。RAMとは、記憶場所や順序に関係することなく略同一時間でデータにアクセスできる記憶装置を意味する。DSP100のCPU110により、RAMなどの第二記憶回路部112の動作が制御される。第二記憶回路部112は、例えばDSP100のCPU110にて信号データ等の複雑な計算が行われる場合に、各種信号データ等を一時的に保存するとき等に用いられる。
このDSP100は、例えば、上記CPU110と、複数の上記記憶回路部111,112いわゆるROM111およびRAM112と、を備えて構成される。
また、この光ディスク装置1は、DSP100のCPU110から出力された駆動/制御信号が入力され、OPU2に装備された各コイル31,32,33(図1〜図7)に駆動/制御信号を供給するコイル駆動回路部120(図10)いわゆるドライバ120を備える。
次に、アルゴリズムが用いられて、差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70の姿勢制御等が実行可能なOPU2および光ディスク装置1ならびにそれらの制御方法について説明する。アルゴリズム(algorithm)とは、例えば演算手順または処理手順等を意味する。
上述した如く、この差動フォーカス・チルト方式のOPU2は、差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70を構成する複数のコイル31,32,33を少なくとも備えている。
このように構成された差動フォーカス・チルト方式のOPU2を用いて、OPU2を構成する差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70の姿勢制御等を実行させるOPU2の制御方法は、次の通り行われる。
例えば、アルゴリズムが用いられて、各駆動信号が算出されたのちに、各駆動信号が差動フォーカス・チルト方式のOPU2に入力される。これにより、上記各問題の発生が回避される。
アルゴリズムが用いられて、OPU2の差動アクチュエータ80に送られる駆動信号が算出される。アルゴリズムに基づき、差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70の第一フォーカス/チルトコイル31に送られる駆動信号が算出される。また、アルゴリズムに基づき、差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70の第二フォーカス/チルトコイル32に送られる駆動信号が算出される。また、アルゴリズムに基づき、差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70のトラッキングコイル33に送られる駆動信号が算出される。
アルゴリズムが用いられて算出される各駆動信号が差動フォーカス・チルト方式のOPU2に入力されることにより、例えば差動フォーカス・チルト方式のOPU2を構成する個々の差動アクチュエータ80において、その製造工程における誤差によって生じるOPU2のアクチュエータ可動主体部70の例えばIO不良の発生が回避される。又は、OPU2の差動アクチュエータ80の動作時において、複数のコイル31,32,33を備えたアクチュエータ可動主体部70のローリングの発生が回避される。OPU2を駆動させる駆動用プログラムXにアルゴリズムが付加され、アルゴリズムが用いられて各駆動信号
の計算が行われることにより、前記各問題の発生が回避される。
この明細書におけるIO(incremental object)とは、例えば物に力をゆっくりかけっ放しにさせたときに物に生じる静的な傾きを意味する。また、この明細書におけるローリング(rolling)とは、例えばローリング固有振動数とされたときの共振状態を意味する。
各コイル31,32,33等を備えるアクチュエータ80を作動させるときのアルゴリズムについて以下に詳しく説明する。差動フォーカス・チルト方式のOPU2のアクチュエータ80を駆動させるときに用いられる一般的な駆動信号FO1,FO2,TRの配分の伝達マトリックスいわゆる基本マトリックスは、下式(A)に基づいて定められる。下式(A)は、例えば行列式とされている。
上記式(A)に基づいて、差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70の第一フォーカス/チルトコイル31に送られる駆動信号FO1が算出される。また、上記式(A)に基づいて、差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70の第二フォーカス/チルトコイル32に送られる駆動信号FO2が算出される。また、上記式に基(A)づいて、差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70のトラッキングコイル33に送られる駆動信号TRが算出される。
上記式(A)に基づく演算が行われることにより、OPU2のアクチュエータ可動主体部70のIO不良や、OPU2におけるアクチュエータ可動主体部70のローリングの発生は、回避される。フォーカス方向Df、トラッキング方向Dr、チルト方向Dtの三方向の駆動力を最適に配分させるために、OPU2を駆動させる駆動用プログラムXにて上記式(A)に基づく補償アルゴリズムが用いられることにより、OPU2の差動アクチュエータ80に送られる各駆動信号FO1,FO2,TRが算出される。上記式(A)に基づいて、差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70の第一フォーカス/チルトコイル31に送られる駆動信号FO1と、第二フォーカス/チルトコイル32に送られる駆動信号FO2と、トラッキングコイル33に送られる駆動信号TRとが算出されるので、前記各問題の発生は回避される。
この光ディスク装置1は、例えば図1〜図7等に示す何れかの上記OPU2と、上記CPU110(図10)、上記ROM111、上記RAM112を有し、上記式(A)に基づく演算を正確で迅速に行う上記DSP100と、上記ドライバ120と、を備えて構成される。
このように構成された光ディスク装置1を用いて、OPU2を構成する差動アクチュエータ80(図1〜図7)のアクチュエータ可動主体部70の姿勢制御等を実行させる光ディスク装置1の制御方法は、上記式(A)に基づいて行われる。
例えば、ソフトウェアX(図11)にフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、補正チルト量信号TILTが入力され、ソフトウェアXによって、上記式(A)に基づく演算が行われることにより、各駆動信号FO1,FO2,TRが出力される。
上記式(A)に基づく演算を正確で迅速に行うDSP100を備えた光ディスク装置1が構成され、ソフトウェアXによって式(A)の演算処理を行う光ディスク装置1の制御方法が実行されることにより、例えば差動フォーカス・チルト方式のOPU2を構成する個々の差動アクチュエータ80において、その製造工程における誤差によって生じるOPU2のアクチュエータ可動主体部70の例えばIO不良の発生が回避される。
又は、OPU2の差動アクチュエータ80の動作時において、OBL11,12や、第一フォーカス/チルトコイル31、第二フォーカス/チルトコイル32、トラッキングコイル33等の各コイル31,32,33を有するアクチュエータ可動主体部70のローリングの発生が回避される。OPU2を駆動させる駆動用プログラムXに、上記式(A)に基づく補償アルゴリズムが付加され、補償アルゴリズムが用いられて各駆動信号FO1,FO2,TRの計算が行われることにより、前記各問題の発生が回避される光ディスク装置1およびその制御方法の提供が可能となる。
上記式(A)に基づく演算が光ディスク装置1のDSP100によって正確で迅速に行われる。これにより、OPU2のアクチュエータ可動主体部70のIO特性や、OPU2のアクチュエータ可動主体部70のローリング抑制特性が補償された光ディスク装置1およびその制御方法の提供が可能となる。
次に、光ピックアップ装置2およびその制御方法についてより具体的に説明する。
図1は、OPU2を構成するアクチュエータ可動主体部70のチルト回動中心軸貫通部75側からアクチュエータ可動主体部70を側面視したときに、第一フォーカス/チルトコイル31と第二フォーカス/チルトコイル32とトラッキングコイル33との複数の並設されたコイル31,32,33に対応して複数の磁性部材(図示せず)が並設されることにより構成されたOPU2のアクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70を示す説明図である。
例えばこのOPU2(図1)は、各種光ディスク200(図10)に対しレーザ光Aを絞り込ませて照射させる第一OBL11(図1)および第二OBL12と、複数のOBL11,12を有するレンズホルダ20をOBL11,12の光軸方向Dfに略沿って駆動させたり揺動方向Dtに略沿って駆動させたりする第一フォーカス/チルトコイル31および第二フォーカス/チルトコイル32と、複数のOBL11,12を有するレンズホルダ20を光ディスク200(図10)の半径方向Drに略沿って駆動させるトラッキングコイル33(図1)と、を備え、光ディスク200(図10)の信号の読出し及び/又は光ディスク200に信号の書込みが可能とされた差動フォーカス・チルト方式のOPU2として構成されている。
このように構成された差動フォーカス・チルト方式のOPU2を用いて、OPU2を構成する差動アクチュエータ80(図1)のアクチュエータ可動主体部70の姿勢制御等を実行させるOPU2(図1,図10)の制御方法は、次の通り行われる。
先ず、第一フォーカス/チルトコイル31に入力される駆動信号をFO1と定める。また、第二フォーカス/チルトコイル32に入力される駆動信号をFO2と定める。また、トラッキングコイル33に入力される駆動信号をTRと定める。また、光ディスク200の信号面部210に対してOBL11,12の光軸方向Dfに略沿ったレーザ光Aの焦点ずれが生じたときに、PDIC6等の光検出器6により検出されるフォーカスエラー信号をFEと定める。また、光ディスク200の信号面部210に対して光ディスク200の半径方向Drに略沿ったレーザ光Aの焦点ずれが生じたときに、PDIC6等の光検出器6により検出されるトラッキングエラー信号をTEと定める。また、光ディスク200の信号面部210に対してレーザ光Aの焦点角度ずれが生じたときに、OBL11,12の角度ずれを補正させる補正チルト量信号をTILTと定める。
このように各信号が定義されたときに、差動アクチュエータ80を作動させる各駆動信号FO1,FO2,TRについて説明すると、第一フォーカス/チルトコイル31に入力される駆動信号FO1は、下式(1)に基づいて定められる。また、第二フォーカス/チルトコイル32に入力される駆動信号FO2は、下式(2)に基づいて定められる。また、トラッキングコイル33に入力される駆動信号TRは、下式(3)に基づいて定められる。
(但し、各式中の係数A11,A12,A13,A14,A21,A22,A23,A24,A31,A32,A33,A34は、任意の数値とされる。)
上記各式(1)、式(2)、式(3)に基づいて定められる各駆動信号FO1,FO2,TRが、差動フォーカス・チルト方式のOPU2に入力されることにより、例えば差動フォーカス・チルト方式のOPU2を構成する個々の差動アクチュエータ80において、その製造工程における誤差によって生じるOPU2のアクチュエータ可動主体部70の例えばIO不良の発生が回避される。又は、OPU2の差動アクチュエータ80の動作時において、OBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70のローリングの発生が回避される。OPU2が大量生産されるときに、個々の差動アクチュエータ80の性能等に「ばらつき」が生じることがあっても、例えば上記OPU2のアクチュエータ制御方法が行われることにより、OPU2に生じる各不具合が解消される。
例えば通常の駆動信号FO1,FO2,TRの配分式について説明すると、通常のOPU2の上記式(A)または上記式(1)における各係数A13,A14は、零(0(ゼロ))とされる。また、そのときの上記式(1)における駆動信号FO1は、例えば下式(4)に基づいて定められる。
また、通常のOPU2の上記式(A)または上記式(2)における各係数A23,A24は、零(0)とされる。また、そのときの上記式(2)における駆動信号FO2は、例えば下式(5)に基づいて定められる。
また、通常のOPU2の上記式(A)または上記式(3)における各係数A31,A32,A34は、零(0)とされる。また、そのときの上記式(3)における駆動信号TRは、例えば下式(6)に基づいて定められる。
例えば、OPU2のアクチュエータ可動主体部70のチルト回動中心軸貫通部75側からアクチュエータ可動主体部70を側面視した際に、第一フォーカス/チルトコイル31および第二フォーカス/チルトコイル32に働く電磁力の合力点部71とされるフォーカス/チルト着力点部71と、トラッキングコイル33に働く電磁力の中心部72とされるトラッキング着力点部72と、アクチュエータ可動主体部70の重心部73と、アクチュエータ可動主体部70がチルト回動するときの中心部74とされる回動中心部74とが全て略一致されていることが好ましい。
しかしながら、OPU2の設計/仕様や、OPU2を構成する各部品の精度や、OPU2の組立精度などにより、OPU2のアクチュエータ可動主体部70のチルト回動中心軸貫通部75側からアクチュエータ可動主体部70を側面視した際に、OPU2のアクチュエータ可動主体部70におけるフォーカス/チルト着力点部71、トラッキング着力点部72、重心部73、回動中心部74を全て精度よく一致させることは困難なこととされていた。
そのような場合のOPU2においても、光ディスク装置1のOPU2のアクチュエータ可動主体部70にIO不良やローリングが発生されないようにするために、OBL11,12の光軸方向Dfに略沿った方向とされるフォーカス方向Dfと、光ディスクの半径方向Drに略沿った方向とされるトラッキング方向Drと、OBL11,12の揺動方向Dtに略沿った方向とされるチルト方向Dtとの三軸方向に対応する通常の駆動信号FO1,FO2,TRの配分式に一部変更を加える。例えば必要に応じて上記配分式の一部を一時的に変更させる。
このようにすることで、OPU2の製造工程において各種誤差等によって生じるOPU2のアクチュエータ可動主体部70に例えばIO不良が発生しても、OPU2が不良品として取り扱われることなく、OPU2は使用可能なものとして取り扱われる。これにより、OPU2の歩留り低下が回避される。OPU2の歩留り低下が回避されるので、例えばOPU2の価格低減化が図られる。また、OPU2の歩留り低下が回避されることに伴い、光ディスク装置1の価格低減化が図られる。
また、OPU2の差動アクチュエータ80の動作時において、OBL11,12、コイル31,32,33等を有するアクチュエータ可動主体部70のローリングの発生が回避
される。従って、動作特性が向上されたOPU2およびその制御方法の提供が可能となる。また、OPU2の動作特性が向上されることに伴い、動作特性が向上された光ディスク装置1およびその制御方法の提供が可能となる。
なお、便宜上、二点破線の丸印を用いて、側面視されたOPU2のアクチュエータ可動主体部70のフォーカス/チルト着力点部71、トラッキング着力点部72、重心部73、回動中心部74、及びチルト回動中心軸貫通部75を示した。また、便宜上、二点破線の矢印を用いて、OPU2のアクチュエータ可動主体部70を駆動させたりアクチュエータ可動主体部70の姿勢を安定させたりするための各コイル31,32,33に働かせる力を示した。
図2は、OPU2を構成するアクチュエータ可動主体部70のチルト回動中心軸貫通部75側からアクチュエータ可動主体部70を側面視したときに、アクチュエータ可動主体部70のトラッキングコイル33に働く電磁力の中心部72とされるトラッキング着力点部72が、アクチュエータ可動主体部70の重心部73よりも上側に位置する状態を示す説明図、図3は、同じくOPU2を構成するアクチュエータ可動主体部70のチルト回動中心軸貫通部75側からアクチュエータ可動主体部70を側面視したときに、トラッキングコイル33に働く電磁力の中心部72とされるトラッキング着力点部72が、アクチュエータ可動主体部70の重心部73よりも下側に位置する状態を示す説明図である。便宜上、アクチュエータ可動主体部70の重心部73と、トラッキング着力点部72とが離されて図示されているが、実際には、アクチュエータ可動主体部70の重心部73と、トラッキング着力点部72との距離は少ない。
第一OBL11と、第二OBL12と、第一フォーカス/チルトコイル31と、第二フォーカス/チルトコイル32と、トラッキングコイル33と、六本の各サスペンションワイヤ61,62,63,64,65,66とがレンズホルダ20に装着されて、例えばアクチュエータ可動主体部70が構成される。
例えば、光ディスクの半径方向Drに略沿った方向とされるトラッキング方向Drに略沿って、OBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70を駆動させるときに、アクチュエータ可動主体部70のチルト回動中心軸貫通部75側からアクチュエータ可動主体部70を側面視した際に、アクチュエータ可動主体部70がチルト回動するときの中心部74とされる回動中心部74と、第一フォーカス/チルトコイル31および第二フォーカス/チルトコイル32に働く電磁力の合力点部71とされるフォーカス/チルト着力点部71と、アクチュエータ可動主体部70の重心部73とが略一致され、且つ、アクチュエータ可動主体部70の重心部73と、トラッキングコイル33に働く電磁力の中心部72とされるトラッキング着力点部72とが一致しない場合に、上記各式(A)、式(1)、式(2)、式(3)の係数A14,A24,A31,A32,A34に零(0)が入力され、係数A11,A12,A21,A22,A33に零を除く任意の数値が入力されると共に、係数A13,A23に零を除く任意の数値が入力される。そのときの係数A13に対する係数A23は、正負逆の数値とされ、且つ、そのときの正数と負数との絶対値は、略一致している。
これにより、例えば、光ディスクの半径方向Drに略沿った方向とされるトラッキング方向Drに略沿ってOPU2のOBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70を駆動させるときに、OPU2のOBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70にローリングが生じるということは、回避される。
詳しく説明すると、アクチュエータ可動主体部70のチルト回動中心軸貫通部75側からアクチュエータ可動主体部70を側面視した際に、アクチュエータ可動主体部70がチ
ルト回動するときの中心部74とされる回動中心部74と、第一フォーカス/チルトコイル31および第二フォーカス/チルトコイル32に働く電磁力の合力点部71とされるフォーカス/チルト着力点部71と、アクチュエータ可動主体部70の重心部73とが略一致され、且つ、アクチュエータ可動主体部70の重心部73と、トラッキングコイル33に働く電磁力の中心部72とされるトラッキング着力点部72とが一致しない場合に、トラッキング方向Drに略沿ってOPU2のOBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70を駆動させるときに、アクチュエータ可動主体部70の重心部73に対し、トラッキング着力点部72が上下方向すなわちOBL11,12の光軸方向Dfに沿ってずらされていることが原因で、OPU2のOBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70にローリングが生じようとされた場合に、上記式(A)または上記式(1)の係数A13に零を除く任意の数値を入力させると共に、上記式(A)または上記式(2)の係数A23に零を除く任意の数値を入力させ、そのときの係数A13に対する係数A23を正負逆の数値とさせ、且つ、そのときの正数と負数との絶対値を略一致させることにより、第一フォーカス/チルトコイル31に補正された駆動信号FO1が入力されると共に、第二フォーカス/チルトコイル32に補正された駆動信号FO2が入力されて、OBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70にローリングが生じるということが回避される。
具体例を用いて説明すると、そのときの駆動信号FO1は、例えば下式(7)に基づいて定められる。
また、そのときの駆動信号FO2は、例えば下式(8)に基づいて定められる。
また、そのときの駆動信号TRは、例えば下式(9)に基づいて定められる。
上記式(A)または上記式(7)において、駆動信号FO1を求めるためにトラッキングエラー信号TEに掛け合わせられる係数A13は、例えば−0.1とされるが、この係数A13の数値は参考値とされている。また、上記式(A)または上記式(8)において、駆動信号FO2を求めるためにトラッキングエラー信号TEに掛け合わせられる係数A23は、例えば+0.1とされるが、この係数A23の数値は参考値とされている。OPU2等の設計/仕様等により、係数A13,A23等の各係数に入力される数値や、係数A13,A23等の各係数の正数、負数の関係は、適宜変更される。
図4は、OPU2を構成するアクチュエータ可動主体部70のチルト回動中心軸貫通部75側からアクチュエータ可動主体部70を側面視したときに、アクチュエータ可動主体部70がチルト回動するときの中心部74とされる回動中心部74が、トラッキングコイル33に働く電磁力の中心部72とされるトラッキング着力点部72よりも上側に位置する状態を示す説明図である。便宜上、アクチュエータ可動主体部70の回動中心部74と、トラッキング着力点部72とが離されて図示されているが、実際には、アクチュエータ可動主体部70の回動中心部74と、トラッキング着力点部72との距離は少ない。
例えば、光ディスクの半径方向Drに略沿った方向とされるトラッキング方向Drに略沿って、OBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70を駆動させるときに、アクチュエータ可動主体部70のチルト回動中心軸貫通部75側からアクチュエータ可動主体部70を側面視した際に、アクチュエータ可動主体部70の重心部73と、第一フォーカス/チルトコイル31および第二フォーカス/チルトコイル32に働く電磁力の合力点部71とされるフォーカス/チルト着力点部71と、トラッキングコイル33に働く電磁力の中心部72とされるトラッキング着力点部72とが略一致され、且つ、トラッキング着力点部72と、アクチュエータ可動主体部70がチルト回動するときの中心部74とされる回動中心部74とが一致しない場合に、上記各式(A)、式(1)、式(2)、式(3)の係数A14,A24,A31,A32,A34に零(0)が入力され、係数A11,A12,A21,A22,A33に零を除く任意の数値が入力されると共に、係数A13,A23に零を除く任意の数値が入力される。そのときの係数A13に対する係数A23は、正負逆の数値とされ、且つ、そのときの正数と負数との絶対値は、略一致している。
これにより、OPU2のアクチュエータ可動主体部70のIO特性が改善される。
詳しく説明すると、アクチュエータ可動主体部70のチルト回動中心軸貫通部75側からアクチュエータ可動主体部70を側面視した際に、アクチュエータ可動主体部70の重心部73と、第一フォーカス/チルトコイル31および第二フォーカス/チルトコイル32に働く電磁力の合力点部71とされるフォーカス/チルト着力点部71と、トラッキングコイル33に働く電磁力の中心部72とされるトラッキング着力点部72とが略一致され、且つ、トラッキング着力点部72と、アクチュエータ可動主体部70がチルト回動するときの中心部74とされる回動中心部74とが一致しない場合に、トラッキング方向Drに略沿ってOPU2のOBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70を駆動させるときに、トラッキング着力点部72に対し、アクチュエータ可動主体部70の回動中心部74が上下方向すなわちOBL11,12の光軸方向Dfに沿ってずらされていることが原因で、OPU2のアクチュエータ可動主体部70のIO特性が悪い場合に、上記式(A)または上記式(1)の係数A13に零を除く任意の数値を入力させると共に、上記式(A)または上記式(2)の係数A23に零を除く任意の数値を入力させ、そのときの係数A13に対する係数A23を正負逆の数値とさせ、且つ、そのときの正数と負数との絶対値を略一致させることにより、第一フォーカス/チルトコイル31に補正された駆動信号FO1が入力されると共に、第二フォーカス/チルトコイル32に補正された駆動信号FO2が入力され、その結果、第一フォーカス/チルトコイル31に入力される駆動信号FO1と、第二フォーカス/チルトコイル32に入力される駆動信号FO2とに差がもたされる。従って、OPU2のアクチュエータ可動主体部70のIO特性が改善される。
具体例を用いて説明すると、そのときの駆動信号FO1は、例えば下式(10)に基づいて定められる。
また、そのときの駆動信号FO2は、例えば下式(11)に基づいて定められる。
また、そのときの駆動信号TRは、例えば下式(12)に基づいて定められる。
図5は、OPU2を構成するアクチュエータ可動主体部70のチルト回動中心軸貫通部75側からアクチュエータ可動主体部70を側面視したときに、第一フォーカス/チルトコイル31と第二フォーカス/チルトコイル32とトラッキングコイル33との三つの並設されたコイル31,32,33に対応して三極磁性部材が並設されることにより構成されたOPU2のアクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70を示す説明図である。
例えば、略矩形箱状をしたレンズホルダ20の互いに向かい合う両側壁22,25の両端部26,27に、第一フォーカス/チルトコイル31と、第二フォーカス/チルトコイル32とが位置すると共に、第一フォーカス/チルトコイル31と、第二フォーカス/チルトコイル32との間に、トラッキングコイル33が位置し、並設された第一フォーカス/チルトコイル31と、第二フォーカス/チルトコイル32と、トラッキングコイル33との三つのコイル31,32,33に対応して、三極マグネット(図示せず)が並設されて構成されたOPU2のアクチュエータ80において、アクチュエータ可動主体部70のチルト回動中心軸貫通部75側からアクチュエータ可動主体部70を側面視した際に、第一フォーカス/チルトコイル31および第二フォーカス/チルトコイル32に働く電磁力の合力点部71とされるフォーカス/チルト着力点部71と、トラッキングコイル33に働く電磁力の中心部72とされるトラッキング着力点部72と、アクチュエータ可動主体部70がチルト回動するときの中心部74とされる回動中心部74と、アクチュエータ可動主体部70の重心部73とが略一致されている場合について説明する。
このような場合において、光ディスクの半径方向Drに略沿った方向とされるトラッキング方向Drに略沿って、OBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70を駆動させるときに、上記各式(A)、式(1)、式(2)、式(3)の係数A31,A32,A34に零が入力され、係数A11,A12,A21,A22,A33に零を除く任意の数値が入力されると共に、係数A13,A23に零を除く任意の数値が入力され、そのときの係数A13に対する係数A23は、正負逆の数値とされ、且つ、そのときの正数と負数との絶対値は、略一致され、さらに、係数A14,A24に零を除く任意の略一致した数値が入力される。
これにより、例えば、光ディスクの半径方向Drに略沿った方向とされるトラッキング方向Drに略沿ってOPU2のOBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70を駆動させるときに、OPU2のOBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70にローリングが生じるということは、回避される。
例えば、略矩形箱状をしたレンズホルダ20の互いに向かい合う両側壁22,25の両端部26,27に、第一フォーカス/チルトコイル31と、第二フォーカス/チルトコイル32とが位置すると共に、第一フォーカス/チルトコイル31と、第二フォーカス/チルトコイル32との間に、トラッキングコイル33が位置し、並設された第一フォーカス/チルトコイル31と、第二フォーカス/チルトコイル32と、トラッキングコイル33との三つのコイル31,32,33に対応して、三極マグネット(図示せず)が並設されて構成されたOPU2のアクチュエータ80においては、光ディスクの半径方向Drに略沿った方向とされるトラッキング方向Drに略沿って、OPU2のトラッキングコイル33を有するアクチュエータ可動主体部70を駆動させるときに、OBL11,12の光軸方向Dfに略沿った方向とされるフォーカス方向Dfに略沿って、第一フォーカス/チルトコイル31と、第二フォーカス/チルトコイル32とに不要な駆動力が生じることが懸
念されていた。
しかしながら、トラッキング方向Drに略沿ってOPU2のOBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70を駆動させるときに、OPU2のOBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70にローリングが生じようとされた場合に、上記各式(A)、式(1)、式(2)、式(3)の係数A31,A32,A34に零を入力させ、係数A11,A12,A21,A22,A33に零を除く任意の数値を入力させると共に、係数A13,A23に零を除く任意の数値を入力させ、そのときの係数A13に対する係数A23を正負逆の数値とさせ、且つ、そのときの正数と負数との絶対値を略一致させ、さらに、上記式(A)または上記式(1)の係数A14に零を除く任意の数値を入力させると共に、上記式(A)または上記式(2)の係数A24に零を除く任意の数値を入力させ、且つ、係数A14,A24を略一致した数値とさせて、上記式(A)または上記式(1)に示す駆動信号FO1を第一フォーカス/チルトコイル31に入力させると共に、上記式(A)または上記式(2)に示す駆動信号FO2を第二フォーカス/チルトコイル32に入力させることにより、第一フォーカス/チルトコイル31に生じる不要な駆動力と、第二フォーカス/チルトコイル32に生じる不要な駆動力とが互いに取り消されるようにキャンセルされる。従って、OPU2のOBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70にローリングが生じるということは、回避される。
具体例を用いて説明すると、そのときの駆動信号FO1は、例えば下式(13)に基づいて定められる。
また、そのときの駆動信号FO2は、例えば下式(14)に基づいて定められる。
また、そのときの駆動信号TRは、例えば下式(15)に基づいて定められる。
上記式(A)において、係数A13,A23に入力させる数値として正負逆の数値を設定させたり、上記式(10)および上記式(11)または上記式(13)および上記式(14)の如く、係数A13,A23に入力させる数値として正負逆の数値を設定させたりすると、アクチュエータ80を構成するコイル31,32,33、OBL11,12、レンズホルダ20等を備えたアクチュエータ可動主体部70のIO特性が向上する。また、係数A13,A23に入力させる数値として正負逆の数値を設定させると、アクチュエータ80を構成するコイル31,32,33およびOBL11,12付のレンズホルダ20のトラッキング駆動が行われるときに、適正なローリングモーメントがアクチュエータ80を構成するコイル31,32,33およびOBL11,12付のレンズホルダ20に付与される。従って、アクチュエータ80を構成するコイル31,32,33およびOBL11,12付のレンズホルダ20におけるIO不良やローリングは、抑制される。
図6は、OPU2を構成するアクチュエータ可動主体部70のチルト回動中心軸貫通部75側からアクチュエータ可動主体部70を側面視したときに、アクチュエータ可動主体部70がチルト回動するときの中心部74とされる回動中心部74が、アクチュエータ可
動主体部70の重心部73よりも左側に位置する状態を示す説明図である。便宜上、アクチュエータ可動主体部70の回動中心部74と、重心部73とが離されて図示されているが、実際には、アクチュエータ可動主体部70の回動中心部74と、重心部73との距離は少ない。
例えば、アクチュエータ可動主体部70の重心部73と、トラッキングコイル33に働く電磁力の中心部72とされるトラッキング着力点部72と、第一フォーカス/チルトコイル31および第二フォーカス/チルトコイル32に働く電磁力の合力点部71とされるフォーカス/チルト着力点部71とが略一致され、且つ、フォーカス/チルト着力点部71と、アクチュエータ可動主体部70がチルト回動するときの中心部74とされる回動中心部74とが一致しない場合について説明する。
OBL11,12の光軸方向Dfに略沿った方向とされるフォーカス方向Dfに略沿って、OBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70を駆動させるときに、上記各式(A)、式(1)、式(2)、式(3)の係数A13,A14,A23,A24,A31,A32,A34に零が入力され、係数A12,A22,A33に零を除く任意の数値が入力されると共に、係数A11,A21に零を除く任意の数値が入力され、そのときの係数A11に対して係数A21に差をもたせて係数A11と係数A21とを不一致とさせつつ略近似した数値とさせる。
これにより、OPU2のアクチュエータ可動主体部70のIO特性が改善される。
アクチュエータ可動主体部70のチルト回動中心軸貫通部75側からアクチュエータ可動主体部70を側面視した際に、アクチュエータ可動主体部70の重心部73と、トラッキングコイル33に働く電磁力の中心部72とされるトラッキング着力点部72と、第一フォーカス/チルトコイル31および第二フォーカス/チルトコイル32に働く電磁力の合力点部71とされるフォーカス/チルト着力点部71とが略一致され、且つ、フォーカス/チルト着力点部71と、アクチュエータ可動主体部70がチルト回動するときの中心部74とされる回動中心部74とが一致しない場合に、フォーカス方向Dfに略沿ってOPU2のOBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70を駆動させるときに、フォーカス/チルト着力点部71に対し、アクチュエータ可動主体部70の回動中心部74が左右方向すなわち光ディスクの半径方向Drに沿ってずらされていることが原因で、OPU2のアクチュエータ可動主体部70のIO特性が悪い場合に、上記式(A)または上記式(1)の係数A11に零を除く任意の数値を入力させると共に、上記式(A)または上記式(2)の係数A21に零を除く任意の数値を入力させ、そのときの係数A11に対して係数A21に差をもたせて係数A11と係数A21とを不一致とさせつつ略近似した数値とさせることにより、第一フォーカス/チルトコイル31に補正された駆動信号FO1が入力されると共に、第二フォーカス/チルトコイル32に補正された駆動信号FO2が入力され、その結果、第一フォーカス/チルトコイル31に入力される駆動信号FO1と、第二フォーカス/チルトコイル32に入力される駆動信号FO2とに差がもたされる。従って、OPU2のアクチュエータ可動主体部70のIO特性が改善される。
具体例を用いて説明すると、そのときの駆動信号FO1は、例えば下式(16)に基づいて定められる。
また、そのときの駆動信号FO2は、例えば下式(17)に基づいて定められる。
また、そのときの駆動信号TRは、例えば下式(18)に基づいて定められる。
図7は、OPU2を構成するアクチュエータ可動主体部70のチルト回動中心軸貫通部75側からアクチュエータ可動主体部70を側面視したときに、トラッキングコイル33に働く電磁力の中心部72とされるトラッキング着力点部72が、アクチュエータ可動主体部70の重心部73よりも下側に位置すると共に、アクチュエータ可動主体部70がチルト回動するときの中心部74とされる回動中心部74が、アクチュエータ可動主体部70の重心部73およびトラッキング着力点部72よりも下側に位置する状態を示す説明図である。
便宜上、アクチュエータ可動主体部70のトラッキング着力点部72と、重心部73とが離されて図示されているが、実際には、アクチュエータ可動主体部70のトラッキング着力点部72と、重心部73との距離は少ない。また、便宜上、アクチュエータ可動主体部70の回動中心部74と、重心部73および/またはトラッキング着力点部72とが離されて図示されているが、実際には、アクチュエータ可動主体部70の回動中心部74と、重心部73および/またはトラッキング着力点部72との距離は少ない。
また、図8は、OPU2のOBL11,12等を有するアクチュエータ可動主体部70に生じるローリング周波数とゲイン(gain:利得)との関係を示し、コイル31,32,33等を有するアクチュエータ可動主体部70のローリング周波数が低周波数であるときの状態を示す波形図、図9は、同じくOPU2のOBL11,12等を有するアクチュエータ可動主体部70に生じるローリング周波数とゲインとの関係を示し、コイル31,32,33等を有するアクチュエータ可動主体部70のローリング周波数が高周波数であるときの状態を示す波形図である。
例えば、OBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70を駆動させるときに、アクチュエータ可動主体部70のチルト回動中心軸貫通部75側からアクチュエータ可動主体部70を側面視した際に、アクチュエータ可動主体部70がチルト回動するときの中心部74とされる回動中心部74と、アクチュエータ可動主体部70の重心部73と、トラッキングコイル33に働く電磁力の中心部72とされるトラッキング着力点部72とが一致しない場合であって、OBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70にローリングが生じようとされたときに、上記各式(A)、式(1)、式(2)、式(3)の係数A31,A32,A34に零が入力され、係数A11,A12,A21,A22,A33に零を除く任意の数値が入力され、係数A13,A23に零を除く任意の数値が入力されると共に、係数A14,A24に零を除く任意の数値が入力され、OBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70のローリング周波数により、係数A13,A23に入力される数値を変化させる。
OBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70のローリング周波数によって、係数A13,A23に入力される数値を変化させることにより、OBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70のローリング周波数によって、OPU2のアクチュエータ可動主体部70のIO特性が補償されたり、OPU2のOBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70のローリング抑制特性が補償されたりする。
例えば略200Hz(ヘルツ)付近の周波数のときをローリング周波数の低周波数とローリング周波数の高周波数との略境とした場合に、OBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70のローリング周波数が略200Hz付近の周波数以下の低周波数とされるときには、例えばOPU2のアクチュエータ可動主体部70のIO特性が補償される。また、OBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70のローリング周波数が略200Hz付近の周波数を超える高周波数とされるときには、例えばOPU2のOBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70のローリング抑制特性が補償される。
OBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70のローリング周波数に対応して、係数A13,A23を次のとおり変化させる。例えばOBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70に生じるローリング周波数が略200Hz付近の周波数とされたときに、この周波数を略境として、係数A13,A23に入力される数値を例えば±0.1や±0.2等に変化させる。
例えばOPU2のOBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70のローリング抑制特性を補償させるときには、例えば、A13に+0.1を入力させると共に、A23に−0.1を入力させる。このときの+0.1および−0.1の値を例えば補償値Q1とする。この場合、例えば、次の式(19)、式(20)、及び式(21)が、OPU2のアクチュエータ制御装置にて設定される。
また、例えばOPU2のアクチュエータ可動主体部70のIO特性を補償させるときには、例えば、A13に−0.2を入力させると共に、A23に+0.2を入力させる。このときの−0.2および+0.2の値を例えば補償値Q2とする。この場合、例えば、次の式(22)、式(23)、及び式(24)が、光ディスク装置1のOPU2のアクチュエータ制御装置にて設定される。
例えば、アクチュエータ80を構成するコイル31,32,33、OBL11,12、レンズホルダ20等を備えたアクチュエータ可動主体部70のトラッキング着力点部72と重心部73と回動中心部74とを一致させられないときに、例えば上記式(A)もしく
は上記式(1)の係数A13および上記式(A)もしくは上記式(2)の係数A23が所定数値の定数のままでは、従来のアクチュエータ80を構成するコイル31,32,33、OBL11,12、レンズホルダ20等を備えたアクチュエータ可動主体部70においては、アクチュエータ可動主体部70のIO不良およびローリング発生の両方を共に解決させることは、困難なこととされていた。従来のOPU2のアクチュエータ可動主体部70においては、IO不良またはローリング発生の何れか一方だけを解決することはできても、IO不良およびローリング発生の両方を共に解決させることは、難しかった。
しかしながら、上記式(A)もしくは上記式(1)の係数A13および上記式(A)もしくは上記式(2)の係数A23に例えば変動周波数特性を付与させることで、アクチュエータ80を構成するコイル31,32,33、OBL11,12、レンズホルダ20等を備えたアクチュエータ可動主体部70のIO不良およびローリング発生の両方を共に解決させることが可能となる。
なお、OPU2のアクチュエータ可動主体部70のローリング周波数により、上記式(A)もしくは上記式(1)の係数A13および上記式(A)もしくは上記式(2)の係数A23に入力される数値を変化させて、上記式(A)もしくは上記式(1)の係数A13および上記式(A)もしくは上記式(2)の係数A23に例えば変動周波数特性を付与させるOPU2の制御方法は、例えば図1〜図6に示すOPU2の制御方法が実行されるときにも適用させてもよい。
個々のアクチュエータ80毎に最適な補償パラメータを設定させる場合について説明する。
現状では、チルト補償のために、チルト指令値(TILT指令値)は、例えば差動プッシュプル(DPP)の最大化(DPPmax)などの評価で決定されている。これは、例えば「反り」等が生じている光ディスクに対応するためであり、例えば補正チルト量信号TILTに準定常電圧を与えて、コイル31,32,33、OBL11,12、レンズホルダ20等を備えたアクチュエータ可動主体部70を傾けさせている。
「反り」等が生じていない正規の光ディスクに対しては、例えば、略150Hz、略200Hz等の周波数を略境として、低周波数域と高周波数域との二通りでOPU2などのチューニング試験が行われ、例えば補償値Q1,Q2等をOPU2ごとに設定しておくことが可能とされる。
このようにすることで、OPU2のアクチュエータ80が作製されるときの製造ばらつきを補償させたサーボ特性が確保され、OPU2の製品特性の安定化と、OPU2の設計自由度の大幅な拡大が図られる。従って、OPU2の一層の性能向上が図られる。
また、上記OPU2の制御方法を実行させることにより、例えば従来のものの如く、実際にトラッキングコイル33をチルト部に配線しなくともよくなる。
このOPU2は、上記式(A)、式(1)、式(2)、又は式(3)に入力される上記係数A11,A12,A13,A14,A21,A22,A23,A24,A31,A32,A33,A34を記憶可能な記憶部8(図10)を備える。
上記係数A11,A12,A13,A14,A21,A22,A23,A24,A31,A32,A33,A34を記憶可能な記憶部8を備えるOPU2が構成されることにより、例えばOPU2の製造工程における誤差によって生じるOPU2の例えばIO不良の発生が回避可能とされたOPU2を提供することが可能となる。又は、上記係数A11,
A12,A13,A14,A21,A22,A23,A24,A31,A32,A33,A34を記憶可能な記憶部8を備えるOPU2が構成されることにより、例えばOPU2の動作時におけるOBL11,12のローリングの発生が回避可能とされたOPU2を提供することが可能となる。例えば上記記憶部8を備えるOPU2が光ディスク装置1に組み込まれることにより、上記各問題が容易に解決可能な光ディスク装置1が構成される。
次に、ディスク装置1およびその制御方法についてより具体的に説明する。
図10は、ディスク装置1を示すブロック図、図11は、ディスク装置1の制御部100にて駆動信号FO1,FO2,TRを算出させるときの演算処理経路を示す計算ブロック図である。
この光ディスク装置1は、例えば図1〜図7等に示す何れかの上記OPU2を装備可能なものとされている。
また、この光ディスク装置1(図10)は、上記式(A)、上記式(1)、上記式(2)、又は上記式(3)のうち、少なくとも一つの式に基づく演算を正確で迅速に行うDSP100を備える。例えば光ディスク装置1のDSP100は、上記式(A)、上記式(1)、又は上記式(2)、又は上記式(3)に基づく演算を正確で迅速に実行可能なものとされている。また、例えば光ディスク装置1のシステム制御部100は、上記式(1)、上記式(2)、又は上記式(3)のうち、任意の複数の式に基づく演算を正確で迅速に実行可能なDSP100を構成するものとされている。具体的に説明すると、光ディスク装置1のシステム制御部100は、上記式(A)、上記式(1)、上記式(2)、及び上記式(3)の全ての式に基づく演算を迅速に同時に実行可能なDSP100を構成するものとされている。
また、この光ディスク装置1は、上記式(A)、上記式(1)、上記式(2)、又は上記式(3)のうち、少なくとも一つの式に基づく演算を正確で迅速に行うCPU110を備える。
また、この光ディスク装置1は、DSP100のCPU110から出力された駆動/制御信号が入力され、OPU2に装備された各コイル31,32,33(図1〜図7)に駆動/制御信号を供給するドライバ120(図10)を備える。
この光ディスク装置1は、例えば図1〜図7等に示す何れかの上記OPU2と、上記式(A)、上記式(1)、上記式(2)、又は上記式(3)のうち少なくとも一つの式に基づく演算を正確で迅速に行う上記DSP100(図10)と、上記ドライバ120と、を備えて構成される。
このように構成された光ディスク装置1を用いて、OPU2を構成する差動アクチュエータ80(図1〜図7)のアクチュエータ可動主体部70の姿勢制御等を実行させる光ディスク装置1の制御方法は、上記式(A)、上記式(1)、上記式(2)、又は上記式(3)のうち、少なくとも一つの式に基づいて行われる。
例えば、ソフトウェアX(図11)にフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、補正チルト量信号TILTが入力され、ソフトウェアXによって、上記式(A)、上記式(1)、上記式(2)、上記式(3)に基づく演算が行われることにより、各駆動信号FO1,FO2,TRが出力される。
このように、各式(A)、式(1)、式(2)、式(3)に基づく演算を正確で迅速に
行うDSP100を備えた光ディスク装置1が構成され、ソフトウェアXによって各式(A)、式(1)、式(2)、式(3)の演算処理を行う光ディスク装置1の制御方法が実行されることにより、例えば差動フォーカス・チルト方式のOPU2を構成する個々の差動アクチュエータ80において、その製造工程における誤差によって生じるOPU2のアクチュエータ可動主体部70の例えばIO不良の発生が回避される。
又は、OPU2の差動アクチュエータ80の動作時において、OBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70のローリングの発生が回避される。上記式(A)、上記式(1)、上記式(2)、又は上記式(3)のうち、少なくとも一つの式に基づく演算として、例えば、上記式(A)、上記式(1)、又は上記式(2)、又は上記式(3)に基づく演算や、上記式(1)、上記式(2)、又は上記式(3)のうち、任意の複数の式に基づく演算や、上記式(A)、上記式(1)、上記式(2)、及び上記式(3)の全ての式に基づく演算が、光ディスク装置1のDSP100によって正確で迅速に行われる。
これにより、OPU2のアクチュエータ可動主体部70のIO特性や、OPU2のOBL11,12を有するアクチュエータ可動主体部70のローリング抑制特性が補償された光ディスク装置1およびその制御方法の提供が可能となる。
例えば、OPU2の製造現場/環境などの違い等により、OPU2ごとに製造ばらつきが生じると、これに伴ってOPU2ごとに必要とされる最適補償パラメータが異なることが生じる。そのような事態が生じても、OPU2のEEROM8等の記憶部8に、OPU2ごとに必要とされる最適補償パラメータを例えばOPU2の部品情報として予め記憶させ、ドライブ装置などの光ディスク装置1において、EEROM8等の記憶部8から予め記憶された最適補償パラメータをDSP100のCPU110内に読み込ませることにより、例えばOPU2ごとに必要とされる最適補償パラメータ等のチューニング作業等が不要となる。従って、OPU2ごとに必要とされる最適補償パラメータの設定作業は、容易で迅速に行われる。DSP100が備えるソフトウェア、ファームウェア等のいわゆるプログラムにより、上記光ディスク装置1の制御方法が容易で迅速に実行される。
次に、アルゴリズムが用いられて、差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70の姿勢制御等が実行可能なOPU2および光ディスク装置1ならびにそれらの制御方法についてより詳しく説明する。
上述した如く、この差動フォーカス・チルト方式のOPU2は、差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70を構成する複数のコイル31,32,33を少なくとも備えている。
このように構成された差動フォーカス・チルト方式のOPU2を用いて、OPU2を構成する差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70の姿勢制御等を実行させるOPU2の制御方法は、次の通り行われる。
例えば、少なくとも上記式(1)および上記式(2)に基づくアルゴリズムが用いられて、少なくとも上記式(1)および上記式(2)に基づいて定められる各駆動信号FO1,FO2が算出されたのちに、各駆動信号FO1,FO2が差動フォーカス・チルト方式のOPU2に入力される。これにより、上記各問題の発生が回避される。
詳しく説明すると、OPU2の差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70が駆動させられるときに、フォーカスエラー信号FEもしくはトラッキングエラー信号TEの何れか一方または両方および/または補正チルト量信号TILTに基づき、差動フォーカス・チルト方式のOPU2を駆動させる駆動用プログラムXに補償アルゴリズムが
用いられて、OPU2の差動アクチュエータ80に送られる駆動信号FO1,FO2,TRが算出される。
補償アルゴリズムに基づき、差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70の第一フォーカス/チルトコイル31に送られる駆動信号FO1が算出される。また、補償アルゴリズムに基づき、差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70の第二フォーカス/チルトコイル32に送られる駆動信号FO2が算出される。また、補償アルゴリズムに基づき、差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70のトラッキングコイル33に送られる駆動信号TRが算出される。
補償アルゴリズムが用いられて算出される各駆動信号FO1,FO2,TRが差動フォーカス・チルト方式のOPU2に入力されることにより、例えば差動フォーカス・チルト方式のOPU2を構成する個々の差動アクチュエータ80において、その製造工程における誤差によって生じるOPU2のアクチュエータ可動主体部70の例えばIO不良の発生が回避される。又は、OPU2の差動アクチュエータ80の動作時において、複数のコイル31,32,33を備えたアクチュエータ可動主体部70のローリングの発生が回避される。OPU2を駆動させる駆動用プログラムXに補償アルゴリズムが付加され、補償アルゴリズムが用いられて各駆動信号FO1,FO2,TRの計算が行われることにより、前記各問題の発生が回避される。
各コイル31,32,33等を備えるアクチュエータ80を作動させるときのアルゴリズムについて以下に詳しく説明する。差動フォーカス・チルト方式のOPU2のアクチュエータ80を駆動させるときに用いられる一般的な駆動信号FO1,FO2,TRの配分の伝達マトリックスいわゆる基本マトリックスは、下式(B)に基づいて定められる。上記式(A)と同じく、下式(B)は、例えば行列式とされている。下式(B)は、上記式(A)を分かり易く示した行列式とされている。
上記式(B)に基づいて、差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70の第一フォーカス/チルトコイル31に送られる駆動信号FO1が算出される。また、上記
式(B)に基づいて、差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70の第二フォーカス/チルトコイル32に送られる駆動信号FO2が算出される。また、上記式(B)に基づいて、差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70のトラッキングコイル33に送られる駆動信号TRが算出される。
上記式(B)に基づく演算が行われることにより、OPU2のアクチュエータ可動主体部70のIO不良や、OPU2におけるアクチュエータ可動主体部70のローリングの発生は、回避される。フォーカス方向Df、トラッキング方向Dr、チルト方向Dtの三方向の駆動力を最適に配分させるために、OPU2を駆動させる駆動用プログラムXにて上記式(B)に基づく補償アルゴリズムが用いられることにより、OPU2の差動アクチュエータ80に送られる各駆動信号FO1,FO2,TRが算出される。上記式(B)に基づいて、差動アクチュエータ80のアクチュエータ可動主体部70の第一フォーカス/チルトコイル31に送られる駆動信号FO1と、第二フォーカス/チルトコイル32に送られる駆動信号FO2と、トラッキングコイル33に送られる駆動信号TRとが算出されるので、前記各問題の発生は回避される。
この光ディスク装置1は、例えば図1〜図7等に示す何れかの上記OPU2と、上記CPU110(図10)、上記ROM111、上記RAM112を有し、上記式(B)に基づく演算を正確で迅速に行う上記DSP100と、上記ドライバ120と、を備えて構成される。
このように構成された光ディスク装置1を用いて、OPU2を構成する差動アクチュエータ80(図1〜図7)のアクチュエータ可動主体部70の姿勢制御等を実行させる光ディスク装置1の制御方法は、上記式(B)に基づいて行われる。
例えば、ソフトウェアX(図11)にフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、補正チルト量信号TILTが入力され、ソフトウェアXによって、上記式(B)に基づく演算が行われることにより、各駆動信号FO1,FO2,TRが出力される。
上記式(B)に基づく演算を正確で迅速に行うDSP100を備えた光ディスク装置1が構成され、ソフトウェアXによって式(B)の演算処理を行う光ディスク装置1の制御方法が実行されることにより、例えば差動フォーカス・チルト方式のOPU2を構成する個々の差動アクチュエータ80において、その製造工程における誤差によって生じるOPU2のアクチュエータ可動主体部70の例えばIO不良の発生が回避される。
又は、OPU2の差動アクチュエータ80の動作時において、OBL11,12や、第一フォーカス/チルトコイル31、第二フォーカス/チルトコイル32、トラッキングコイル33等の各コイル31,32,33を有するアクチュエータ可動主体部70のローリングの発生が回避される。OPU2を駆動させる駆動用プログラムXに、上記式(B)に基づく補償アルゴリズムが付加され、補償アルゴリズムが用いられて各駆動信号FO1,FO2,TRの計算が行われることにより、前記各問題の発生が回避される光ディスク装置1およびその制御方法の提供が可能となる。
上記式(B)に基づく演算が光ディスク装置1のDSP100によって正確で迅速に行われる。これにより、OPU2のアクチュエータ可動主体部70のIO特性や、OPU2のアクチュエータ可動主体部70のローリング抑制特性が補償された光ディスク装置1およびその制御方法の提供が可能となる。
上記OPU2および上記OPU2を備える光ディスク装置1は、上記各種光ディスク200にデータ/情報/信号等を記録させたり、上記各種光ディスク200のデータ/情報
/信号等を再生させたりする記録・再生装置に使用可能とされる。また、上記OPU2および上記OPU2を備える光ディスク装置1は、上記各種光ディスク200のデータ/情報/信号等を再生させる再生専用装置にも使用可能とされる。
又、上記OPU2は、例えば、コンピュータ、音響/映像機器、ゲーム機、車載機(何れも図示せず)などに組み付けられる光ディスク装置1に装備される。また、上記OPU2を備える光ディスク装置1は、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ(PC:personal computer)や、ラップトップ型PCや、デスクトップ型PCや、車載用コンピュータなどのコンピュータや、コンピュータゲーム機などのゲーム機や、CDプレーヤ/CDレコーダ、DVDプレーヤ/DVDレコーダなどの音響および/または映像機器などに装備可能とされる(何れも図示せず)。また、上記OPU2を備える光ディスク装置1は、例えば、CD系光ディスク、DVD系光ディスク、「HD−DVD」系光ディスク、「Blu-ray Disc」系光ディスク等の複数のメディア200に対応可能なものとされる。OPU2を備える光ディスク装置1は、「CD」、「DVD」、「HD−DVD」、「Blu ray Disc」などの各種光ディスク200に対応したコンピュータ、音響および/または映像機器、ゲーム機、車載機などに装備可能とされている(何れも図示せず)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、前述した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
例えば上記二つのOBL11,12が装備されたOPU2に代えて、一つのOBLが装備されたOPU(図示せず)が用いられてもよい。また、例えば2ピース構造のレンズホルダ20に代えて、1ピース構造のレンズホルダ(図示せず)が用いられてもよい。また、例えば複数種類の波長のレーザ光Aを出射可能なLD4に代えて、単一の波長のレーザ光Aを出射可能なLD(図示せず)が用いられてもよい。また、例えば略均等に四分割されて平面視略矩形の四つのセグメントを備えた平面視略矩形の受光部に代えて、略均等に二分割されて平面視略矩形の二つのセグメントを備えた平面視略矩形の受光部(図示せず)がPDICに構成されてもよい。また、例えば四分割された回折格子に代えて、二分割された回折格子や三分割された回折格子(何れも図示せず)が用いられてもよい。また、例えばトラッキングコイル33をチルト部に配線させたものに、上記OPU2の制御方法を実行させてもよい。また、例えば光ディスク装置1のDSP100にRAM112等の第二記憶回路部112が装備されることなく省略されてもよい。