JP4661728B2 - 光ピックアップ - Google Patents

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Description

本発明は、光ディスクに情報信号の記録し、光ディスクに記録された情報信号の再生を行うために用いられる光ピックアップに関する。
従来、情報信号の記録媒体として、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクが用いられ、この種の光ディスクに情報信号の記録を行い、あるいは光ディスクに記録された情報信号の再生を行うための光ディスク装置があり、この光ディスク装置には、光ディスクの半径方向へ移動され、この光ディスクに対して光ビームを照射する光ピックアップが設けられている。
光ピックアップには、対物レンズ駆動装置が設けられており、この対物レンズ駆動装置によって、その可動部に保持された対物レンズを光ディスクの信号記録面に離間・近接する方向であるフォーカス方向にフォーカスコイルによって動作させてフォーカス調整を行うとともに、対物レンズを光ディスクの略半径方向であるトラッキング方向にトラッキングコイルによって動作させてトラッキング調整を行う。
また、対物レンズ駆動装置は、フォーカス方向及びトラッキング方向に垂直な方向であるタンジェンシャル方向(ジッター方向)の軸回りの回転方向であるチルト方向にチルトコイルによって動作させてチルト調整を行い、対物レンズを介して光ディスクに照射される光ビームのスポット調整を行い、対物レンズを介して光ディスクに照射される光ビームのスポットが光ディスクの記録トラックに集光されるようにしている。
かかる光ピックアップ200の対物レンズ駆動装置201は、図15及び図16に示すように、可動部202に設けられた対物レンズ204,205をディスクに正対させて駆動するために、多くの場合、フォーカスコイル212a〜212d及びトラッキングコイル211a,211bが支持部203から支持アーム206により片持ち支持された可動部202の前後の側面に設けられている。
また、この光ピックアップ200において、各コイル211a,211b,212a〜212dには、図17に示すDSP220により決定された駆動電流が供給される。DSP220は、フォーカスコイル用の制御演算部222と、トラッキングコイル用の制御演算部223とを有する。制御演算部222は、マトリックスアンプ221を介して供給されたフォーカスエラー信号FEに基づいてフォーカス用のドライブ電流を駆動増幅回路224を介してフォーカスコイル212a〜212dに供給する。制御演算部223は、マトリックスアンプ221を介して供給されたトラッキングエラー信号TEに基づいてトラッキング用のドライブ電流を駆動増幅回路225を介してトラッキングコイル211a,211bに供給する。尚、マトリックスアンプ221は、光ピックアップに設けられた光学ディテクタ219により、光ディスク102の信号記録面での反射光を受光した光量に基づいて、FE,TE等の各種信号を検出する。
光ピックアップ200は、各コイル211a,211b,212a〜212dに対向して設けられたマグネット213,214により形成された磁界と、各コイルに供給される電流によりフォーカス方向、トラッキング方向に可動部202及びこれに設けた対物レンズを変位することが可能である。
光ピックアップ200において、可動部202の前後の側面に設けられた駆動コイルの推力に差が生じてしまった場合には、フォーカス方向Fの軸回り方向の回転力、トラッキング方向Tの軸回り方向の回転力が生じてしまう。これらの回転力によるローリングYro,Zroにより、フォーカス方向、トラッキング方向、チルト方向の伝達特性に悪影響を及ぼし、サーボ回路を不安定にするという問題点があった。
さらに、光ピックアップ200において、フォーカスコイル212a〜212d又はトラッキングコイル211a,211bの配置ずれ、厚み違い、巻き乱れ等のばらつき、すなわち配置誤差及び製造誤差による可動部202の前後の側面に設けられた駆動コイルの推力に差が生じてしまった場合や、質量のアンバランスによる回転軸のずれ、すなわち、フォーカスコイル212a〜212dの駆動推力の中心又はトラッキングコイル211a,211bの駆動推力の中心と、可動部202の重心位置とのずれにより回転力(ローリングトルク)が発生してしまった場合には、これらにより発生するローリングYro、Zroにより、フォーカス方向、トラッキング方向、チルト方向の伝達特性に悪影響を及ぼし、サーボ回路を不安定にするという問題点があった。
特に、従来のCD,DVDに加えて青紫色半導体レーザによる波長400〜415nm程度の光源を用いたさらに高密度記録が可能な高密度記録光ディスクに対応した3波長互換のために対物レンズを複数個搭載した光ピックアップに用いられる対物レンズ駆動装置においては、回転中心とレンズ取り付け位置を合わせることが不可能であるため、ローリングYro,Zroの影響は非常に大きく、サーボ回路の安定化が非常に困難となっている。
ここで、フォーカスコイルの推力によって生じるローリングYroについて、図15を用いて具体的に説明する。
前側フォーカスコイル212a,212bと後側フォーカスコイル212c、212dは、直列に接続され同じ大きさの電流が供給されているが、対向するマグネット213,214との間隔(ギャップ)g10,g20に差がある等の場合には前後フォーカスコイルによる駆動力(推力)の差が生じてしまい、対物レンズ駆動装置には回転力f3が生じ、トラッキング方向Tの軸回り方向のローリングYroが発生してしまうこととなる。
また、対物レンズ駆動装置がフォーカス方向F、トラッキング方向Tにストロークすると、対向するマグネット213,214とコイル212a〜212dの距離が変化するためYroの発生量は、フォーカスストローク、トラッキングストロークに依存して変化する。例えば、フォーカス方向にストロークした場合には、ストローク前に前側フォーカスコイルと後側フォーカスコイルと、それぞれに対向するマグネットとの間隔が等しい場合においても、前側フォーカスコイル212a,212bと対向するマグネット213との間隔が大きくなり、後側フォーカスコイル212c、212dと対向するマグネット214との間隔が小さくなり、前後のフォーカスコイルによる推力の差が生じてしまうため、上述のローリングYroが発生してしまう。
次に、トラッキングコイルの推力によって生じるローリングZroについて、図16を用いて具体的に説明する。
前側トラッキングコイル211aと後側トラッキングコイル211bは、直列に接続され同じ大きさの電流が供給されているが、対向するマグネット213との間隔(ギャップ)g10、g20に差がある等の場合には前後トラッキングコイルによる駆動力(推力)の差が生じてしまい、対物レンズ駆動装置には回転力f4が生じ、フォーカス方向Fの軸回り方向のローリングZroが発生してしまうこととなる。
また、対物レンズ駆動装置がフォーカス方向F、トラッキング方向Tにストロークすると、対向するマグネット213,214とコイル211a,211bの距離が変化するためZroの発生量は、フォーカスストローク、トラッキングストロークに依存して変化する。例えば、トラッキング方向にストロークした場合には、ストローク前に前側トラッキングコイル211aと後側トラッキングコイル211bと、それぞれに対向するマグネット213,214との間隔(ギャップ)が等しい場合においても、前側トラッキングコイル211aと対向するマグネット213との間隔が大きくなり、後側トラッキングコイル211bと対向するマグネット214との間隔が小さくなり、前後トラッキングコイルによる推力の差が生じてしまうため、上述のローリングZroが発生してしまう。
さらに、図15及び図16を用いて説明したローリングYro、Zroの他にも、フォーカスコイル212a〜212dやトラッキングコイル211a,211bの配置ずれ、厚み違い、巻き乱れ等のばらつきにより、駆動推力の作用点がずれることによって、回転の軸に対するトルクである回転力が変化して、前後のコイルによりこの回転力が相殺しない場合ローリングYro、Zroが発生してしまう。
さらにまた、各コイル212a〜212d,211a,211bの重量や、これらを可動部に一体化するための接着剤、はんだ等のばらつきにより可動部202の重量配分が変化すると、可動部の重心であるところの上述した回転の軸自体が移動してしまい、前後のコイルの駆動推力から重心までの距離が変化することによって回転力が変化することにより、ローリングYro,Zroが発生してしまう。
特開2001−134963号公報
本発明の目的は、レンズホルダがフォーカス方向及び/又はトラッキング方向に変位した場合にも、レンズホルダの一方側に設けられたフォーカスコイル又はトラッキングコイルの駆動推力と、他方側に設けられたフォーカスコイル又はトラッキングコイルの駆動推力とに差が生じることを防止して、この駆動推力の差によりトラッキング方向又はフォーカス方向の軸回り方向に発生するローリング等の揺動による不要共振を抑えて高いサーボ安定性を有する光ピックアップを提供することにある。
この目的を達成するため、本発明に係る光ピックアップは、回転駆動される光ディスクの信号記録面に光ビームを集光する対物レンズが取り付けられ、上記対物レンズの光軸と平行なフォーカス方向と、上記対物レンズの光軸方向と直交するトラッキング方向とに移動されるレンズホルダと、上記レンズホルダに対して上記フォーカス方向及び上記トラッキング方向と直交するタンジェンシャル方向に間隔を有して配置される支持体と、上記レンズホルダと上記支持体とをそれぞれ連結し、上記レンズホルダを上記支持体に対して上記フォーカス方向及び上記トラッキング方向に移動可能に支持する弾性支持部材と、上記レンズホルダの上記タンジェンシャル方向の一方の側面及び他方の側面に設けられ、それぞれフォーカス方向に駆動力を発生させるフォーカスコイルと、上記レンズホルダの上記タンジェンシャル方向の一方の側面及び他方の側面に設けられ、それぞれトラッキング方向に駆動力を発生させるトラッキングコイルと、上記一方及び他方の側面に設けられた上記フォーカスコイル及び上記トラッキングコイルに対向して配置されるマグネットと、上記一方の側面に設けられたトラッキングコイルと、上記他方の側面に設けられたトラッキングコイルとに、それぞれ独立して駆動電流を供給する駆動電流供給手段とを備え、上記一方の側面に設けられたトラッキングコイルと、上記他方の側面に設けられたトラッキングコイルとには、それぞれ上記レンズホルダの上記フォーカス方向及び上記トラッキング方向の位置に応じて決定された駆動電流が供給される。
本発明は、レンズホルダの一方の側面に設けられたトラッキングコイルと、他方の側面に設けられたトラッキングコイルとに、レンズホルダのフォーカス方向及びトラッキング方向の位置に応じて決定される駆動電流を独立して供給することにより、一方の側面に設けられたトラッキングコイルによる駆動推力と、他方の側面に設けられたトラッキングコイルによる駆動推力とに差が生じてしまうことを防止して、駆動推力の差により発生する揺動動作による不要共振を抑えて高いサーボ安定性を得ることができる。
以下、本発明を適用した光ピックアップを用いた光ディスク装置について、図面を参照して説明する。
本発明の参考例に係る光ディスク装置101は、図1に示すように、CD、DVD、CD−R、DVD±R、DVD−RAM等の光記録媒体としての光ディスク102を回転駆動する駆動手段としてのスピンドルモータ103と、光ピックアップ1と、光ピックアップ1をその半径方向に移動させる駆動手段としての送りモータ105とを備えている。ここで、スピンドルモータ103は、システムコントローラ107及び制御回路部109により所定の回転数で駆動するように制御されている。
信号変復調部及びECCブロック108は、信号処理部120から出力される信号の変調、復調及びECC(エラー訂正符号)の付加を行う。光ピックアップ1は、システムコントローラ107及び制御回路部109からの指令に従って回転する光ディスク102の信号記録面に対して光ビームを照射する。このような光ビームの照射により光ディスク102に対する情報信号の記録が行われ、光ディスクに記録された情報信号の再生が行われる。
また、光ピックアップ1は、光ディスク102の信号記録面から反射される反射光ビームに基づいて、後述するような各種の光ビームを検出し、各光ビームから得られる検出信号を信号処理部120に供給するように構成されている。
信号処理部120は、各光ビームを検出して得られる検出信号に基づいて各種のサーボ用信号、すなわち、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号を生成し、さらに、光ディスクに記録された情報信号であるRF信号を生成する。また、再生対象とされる記録媒体の種類に応じて、制御回路部109、信号変復調部及びECCブロック108等により、これらの信号に基づく復調及び誤り訂正処理等の所定の処理が行われる。
ここで、信号変復調部及びECCブロック108により復調された記録信号が、例えばコンピュータのデータストレージ用であれば、インタフェース111を介して外部コンピュータ130等に送出される。これにより、外部コンピュータ130等は光ディスク102に記録された信号を再生信号として受け取ることができるように構成されている。
また、信号変復調部及びECCブロック108により復調された記録信号がオーディオ・ビジュアル用であれば、D/A、A/D変換器112のD/A変換部でデジタル/アナログ変換され、オーディオ・ビジュアル処理部113に供給される。そして、このオーディオ・ビジュアル処理部113でオーディオ・ビデオ信号処理が行われ、オーディオ・ビジュアル信号入出力部114を介して外部の撮像・映写機器に伝送される。
光ピックアップ1には、送りモータ105が接続されている。光ピックアップ1は、送りモータ105の回転によって光ディスク102の径方向に送り操作され、光ディスク102上の所定の記録トラックまで移動される。スピンドルモータ103の制御と、送りモータ105の制御と、光ピックアップ1の対物レンズをその光軸方向であるフォーカス方向及び光軸方向と直交するトラッキング方向へ移動変位させるアクチュエータの制御は、それぞれ制御回路部109により行われる。
すなわち、制御回路部109は、スピンドルモータ103の制御を行い、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号に基づいてアクチュエータの制御を行う。
また、制御回路部109は、信号処理部120から入力されるフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、RF信号などに基づいて、後述するトラッキングコイル11a,11b及びフォーカスコイル12a〜12dに供給するための駆動信号(駆動電流)をそれぞれ生成するように構成されている。
また、レーザ制御部121は、光ピックアップ1におけるレーザ光源を制御するものである。
尚、ここでフォーカス方向Fとは、光ピックアップ1の対物レンズ21,22(図3参照)の光軸方向をいい、タンジェンシャル方向Tzとはフォーカス方向Fと直交する方向であって光ディスク装置101の円周のタンジェンシャル方向と平行する方向をいい、トラッキング方向Tとはフォーカス方向F及びタンジェンシャルTz方向と直交する方向をいう。また、対物レンズ21,22の光軸と、この光軸を通り光ディスク102の半径方向に延在する仮想線とのなす角度が90度に対してずれている差分の角度をラジアル方向のチルト角という。
また、光ディスク装置101には、スピンドルモータ103に装着された光ディスク102の傾きをジッター量等に基づいて検出する傾き検出部が設けられている。傾き検出部によって検出された検出信号は、制御回路部109に供給される。制御回路部109は、傾き検出信号に基づいてチルト角制御信号を出力し、後述する駆動手段5に供給する。駆動手段5は、チルト角制御信号に応じた駆動電流により対物レンズ21,22を駆動変位させてチルト角の調整を行う。
次に、本発明の参考例に係る光ピックアップ1について詳細に説明する。
光ピックアップ1は、波長を異にする複数種類の光ビームを選択的に用いて情報信号の記録又は再生が行われる複数種類の光ディスク102に対して、情報信号の記録及び/又は再生を行う光ディスク装置に用いられるものであり、具体的には、波長400〜410nm程度の光ビームを用いて情報信号の記録又は再生が行われる第1の光ディスクと、波長650〜660nm程度の光ビームを用いて情報信号の記録又は再生が行われる第2の光ディスクと、波長760〜800nm程度の光ビームを用いて情報信号の記録又は再生が行われる第3の光ディスクとに対して情報信号の記録及び/又は再生を行うものとして説明する。
尚、以下では、光ピックアップ1を異なる3種類の光ディスクに対して、情報信号の記録及び/又は再生を行うものとして説明するが、これに限られるものではなく、異なる複数種類又は1種類の光ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行うものであってもよい。
光ピックアップ1は、上述した異なる波長の複数種類の光ビームを出射する光源としての半導体レーザと、光ディスク102の信号記録面から反射される反射光ビームを検出する光検出素子としてのフォトダイオードと、半導体レーザからの光ビームを光ディスク102に導くとともに、光ディスク102で反射した光ビームを光検出素子に導く光学系とを有している。
また、光ピックアップ1は、図2に示すように、上述した光学系を配置し、光ディスク装置101の筐体内で光ディスク102の半径方向に移動可能に設けられた取り付け基台9と、この取り付け基台9上に配置された対物レンズ駆動装置7とを有する。取り付け基台9は、その両端部に軸受部10a,10bを有し、この軸受部10a,10bがそれぞれ図示しないガイド軸に摺動自在に支持されている。取り付け基台9に設けられた図示しないラック部材がリードスクリューに螺合され、送りモータによってリードスクリューが回転されると、ラック部材がリードスクリューの回転方向に応じた方向へ送られ、光ピックアップ1が光ディスク102の半径方向へ移動される。
また、光ピックアップ1は、図2乃至図5に示すように光源から出射された光ビームを集光して光ディスクに照射する複数の対物レンズ21,22を支持するレンズホルダ2と、レンズホルダ2からタンジェンシャル方向Tzに間隔をおいて配置され取り付け基台に取り付けられた支持体3とを備える。この第1及び第2の対物レンズ21,22は、光ピックアップ1の光学系の一部を構成している。ここで、レンズホルダ2及び支持体3は、後述する弾性支持部材4、駆動手段5及び支持アーム6a〜6fとともに、可動部としてのレンズホルダ2に保持された対物レンズ21,22を光ディスクの信号記録面に対して、フォーカス方向に動作させてフォーカス調整を行い、トラッキング方向に動作させてトラッキング調整を行うとともに、チルト方向に動作させてチルト調整を行うことを可能とする対物レンズ駆動装置7を構成し、対物レンズを介して光ディスクの所定の記録トラックに光ビームを集光するとともに、この集光されたスポット調整を行うことを可能とする。
ここで、第1の対物レンズ21は、例えば、波長を650〜660nmとする光ビームと波長を760〜800nmとする光ビームとを第2又は第3の光ディスクに集光させるために用いられ、第2の対物レンズ22は、波長を400〜410nmとする光ビームを第1の光ディスクに集光させるために用いられる。また、第1及び第2の対物レンズ21,22は、タンジェンシャル方向Tzに並列して配置されている。ここで、第1の対物レンズ21は、後述する支持アーム6a〜6fの固定部側である支持体3側に位置して設けられ、第2の対物レンズ22は、レンズホルダ2の先端側に位置して設けられる。
尚、光ピックアップ1では、タンジェンシャル方向Tzに並んで配置される複数の対物レンズ21,22を備えるように構成したが、対物レンズの数及び配置はこれに限られるものではなく、例えば複数の対物レンズをラジアル方向に配置するように構成してもよく、また、1つの対物レンズを備えるように構成してもよい。
レンズホルダ2は、図3及び図4に示すように、第1及び第2の対物レンズ21,22の外周面側を囲むように設けられ、第1及び第2の対物レンズ21,22を対物レンズの光軸と平行なフォーカス方向Fと、光軸と直交するトラッキング方向Tとに移動可能に支持している。
レンズホルダ2のフォーカス方向F及びトラッキング方向Tに直交するタンジェンシャル方向Tzに相対向する側面には、図3、図4及び図5に示すように、光ディスク102の略半径方向であるトラッキング方向Tに駆動力を発生させる第1及び第2のトラッキングコイル11a,11bと、光ディスク102に近接及び離間する方向であるフォーカス方向Fに駆動力を発生させる第1乃至第4のフォーカスコイル12a,12b,12c,12dとが取り付けられている。ここで、第1のトラッキングコイル11a並びに第1及び第2のフォーカスコイル12a,12bは、レンズホルダ2の一方の側面である先端側の側面に設けられており、第2のトラッキングコイル11b並びに第3及び第4のフォーカスコイル12c,12dは、レンズホルダ2の他方の側面である基端部側の側面に設けられている。
レンズホルダ2のトラッキング方向Tに離間した両側面には、それぞれフォーカス方向Fに間隔をおいて設けられる支持アーム6a,6b,6c及び支持アーム6d,6e,6fを支持するアーム支持部24が設けられている。この支持アーム6a〜6fは、レンズホルダ2を支持体3に対してフォーカス方向及びトラッキング方向に移動可能に支持する弾性支持部材として機能する。
そして、レンズホルダ2と図示しない取り付け基台との間には、図3に示すように、ヨーク18が配設されている。ヨーク18は、ベース8に取り付けられ取り付け基台に固定されている。このヨーク18のほぼ中央部には、第1及び第2の対物レンズ21,22に入射する光ビームを透過するための開口部が設けられている。
ヨーク18のタンジェンシャル方向Tzの両側には、図3に示すように、第1及び第2の対物レンズ21,22を挟んで相対向するように一対のヨーク片18a,18bが立ち上がり形成される。各ヨーク片18a,18bの相対向する面には、第1及び第2のマグネット13,14が取り付けられている。ここで、第1のマグネット13は、可動部側すなわちレンズホルダ2の先端側に配置され、第2のマグネット14は、固定部側すなわち支持体3側に配置されている。
第1のマグネット13は、図3及び図6(a)に示すように、レンズホルダ2に対してタンジェンシャル方向Tzに対向して配置され、それぞれの領域内で磁化方向をタンジェンシャル方向Tzのいずれか一方に向けて着磁された第1乃至第4の分割領域13a,13b,13c,13dを有する。
ここで、第1の分割領域13aは、略矩形状に形成され、そのレンズホルダ2側の面がN極となるように着磁されている。第2の分割領域13bは、第1の分割領域13aのフォーカス方向Fに隣接する部分と、トラッキング方向Tに隣接する部分とを有し、第1の分割領域13aのフォーカス方向の一方及びトラッキング方向の一方を包囲するように形成され、第1の分割領域13bと反対方向に着磁され、すなわち、そのレンズホルダ2側の面がS極となるように着磁されている。第3及び第4の分割領域13c,13dは、それぞれ、フォーカス方向Fに対して、第1及び第2の分割領域13a,13bと対称形状となるように着磁されている。
尚、上述した第1のマグネット13の第1乃至第4の分割領域のS極、N極は、これに限られるものではなく、例えば、逆であってもよい。
第2のマグネット14は、図3及び図6(b)に示すように、レンズホルダ2に対して第1のマグネット13と反対側にタンジェンシャル方向Tzに対向して配置され、第1のマグネット13と同一形状の分割領域である第5乃至第8の分割領域14a,14b,14c,14dを有する。
尚、上述した第2のマグネット14の第5乃至第8の分割領域のS極、N極は、逆であってもよい。
上述したように、第1乃至第2のマグネット13,14は、レンズホルダ2の相対向する側面にそれぞれ取り付けられたトラッキングコイル11a,11b及びフォーカスコイル12a〜12dに相対向されており、対向して配置される各コイルに所定の磁界を与える。
トラッキングコイル11a,11bは、図6(a)及び図6(b)に示すように、それぞれ、第1のマグネット13の第2及び第4の分割領域13b,13dのトラッキング方向Tに隣接する部分と、第2のマグネット14の第6及び第8の分割領域14b,14dのトラッキング方向Tに隣接する部分と、に対向する位置に配置され、これらの分割領域により形成された磁界と、各コイルに流される電流の向き、大きさとにより、トラッキング方向Tに駆動力を発生させる。
フォーカスコイル12a〜12dは、図6(a)及び図6(b)に示すように、それぞれ、第1のマグネット13の第1及び第2の分割領域13a,13bのフォーカス方向Fに隣接する部分と、第1のマグネット13の第3及び第4の分割領域13c,13dのフォーカス方向Fに隣接する部分と、第2のマグネット14の第5及び第6の分割領域14a,14bと、第2のマグネット14の第7及び第8の分割領域14c,14dと、に対向する位置に配置され、これらの分割領域により形成された磁界と、各コイルに流される電流の向き、大きさとにより、フォーカス方向Fに駆動力を発生させる。
このように、トラッキングコイル11a、フォーカスコイル12a,12bに第1のマグネット13が対向され、トラッキングコイル11b、フォーカスコイル12c,12dに第2のマグネット14が対向されることにより、各トラッキングコイル11a,11bにトラッキング用の駆動電流が供給されると、各トラッキングコイルに供給された駆動電流と各マグネット13,14からの磁界との相互作用によってレンズホルダ2をトラッキング方向Tに駆動変位させ、各フォーカスコイル12a〜12dにフォーカス用の駆動電流が供給されると、フォーカスコイルに供給された駆動電流と各マグネット13,14からの磁界との相互作用によってレンズホルダ2をフォーカス方向Fに駆動変位させる。
その結果、レンズホルダ2に支持された第1及び第2の対物レンズ21,22が、フォーカス方向F又はトラッキング方向Tに駆動変位され、第1及び第2の対物レンズ21,22を介して光ディスク102に照射される光ビームが光ディスク102の信号記録面に合焦するように制御されるフォーカス制御が行われ、光ビームが光ディスク102に形成された記録トラックを追従するように制御されるトラッキング制御が行われる。
支持体3は、図3及び図4に示すように、レンズホルダ2に対してトラッキング方向Tに沿った長さと、フォーカス方向Fに沿った高さとを有している。
支持体3のトラッキング方向Tに離間した両側面には、それぞれフォーカス方向Fに間隔をおいて支持アーム6a,6b,6c及び支持アーム6d,6e,6fを支持するアーム支持部31が設けられている。支持体3の背面側には、図示しないプリント配線基板が取り付けられている。このプリント配線基板には、制御回路部109からフォーカス用の駆動電流とトラッキング用の駆動電流が供給される。
そして、レンズホルダ2のトラッキング方向Tにおける両側のアーム支持部24と、支持体3のトラッキング方向Tにおける両側のアーム支持部31とは、それぞれ一方及び他方の支持アーム6a〜6fで連結されている。一方及び他方の各支持アーム6a〜6fは、図3乃至図5に示すように、フォーカス方向Tに間隔をおいて互いに平行に設けられ、支持体3に対してレンズホルダ2をフォーカス方向Fとトラッキング方向Tとに移動可能に支持している。これら各支持アーム6a〜6fは、導電性を有するとともに、弾性を有する線状部材により構成されている。
また、光ピックアップ1の対物レンズ駆動装置7において、これらの各支持アーム6a〜6fは、後述するDSP60により決定された駆動電流をフォーカスコイル12a〜12d及びトラッキングコイル11a,11bに供給する駆動電流供給手段として機能する。ここで、駆動電流供給手段となる各支持アーム6a〜6fは、フォーカスコイルのうち、レンズホルダ2の一方の側面である先端側の側面に設けられたフォーカスコイル12a,12b(以下、「前側フォーカスコイル12a,12b」ともいう。)と、レンズホルダ2の他方の側面である基端部側の側面に設けられたフォーカスコイル12c,12d(以下、「後側フォーカスコイル12c,12d」ともいう。)とに、それぞれ独立して異なる駆動電流を供給するとともに、トラッキングコイル11a,11bにトラッキング用の駆動電流を供給するように構成されている。
すなわち、支持アーム6a,6dは、そのレンズホルダ2側の端部が、フォーカスコイル12a、12bに設けられた接続端子に半田付けなどで接続され、支持体3側の端部が、プリント配線基板に設けた導電パターンに接続されている。これにより、制御回路部109からのフォーカス用の駆動電流が支持アーム6a,6dを介してフォーカスコイル12a、12bに供給される。
また、支持アーム6b,6eは、そのレンズホルダ2側の端部が、フォーカスコイル12c,12dに設けられた接続端子に半田付けなどで接続され、支持体3側の端部が、プリント配線基板に設けた導電パターンに接続されている。これにより、制御回路部109からのフォーカス用の駆動電流が支持アーム6b,6eを介してフォーカスコイル12c、12dに供給される。
また、支持アーム6c,6fは、そのレンズホルダ2側の端部が、トラッキングコイル11a、11bに設けられた接続端子に半田付けなどで接続され、支持体3側の端部が、プリント配線基板に設けた導電パターンに接続されている。これにより、制御回路部109からのトラッキング用の駆動電流が支持アーム6c,6fを介してトラッキングコイル11a,11bに供給される。
尚、ここでは、6本の支持アーム6a〜6fを設けることで、レンズホルダ2を移動可能に支持する弾性支持部材として機能させるとともに、駆動電流供給手段として機能させたが、支持アームの数はこれに限られるものではなく、給電線等の他の駆動電流供給手段を設けるようにしてもよい。
そして、レンズホルダ2のタンジェンシャル方向Tzの一方の側面に設けられた前側フォーカスコイル12a,12bと、他方の側面に設けられた後側フォーカスコイル12c,12dとには、それぞれレンズホルダ2のフォーカス方向F及びトラッキング方向Tの位置に応じて決定された駆動電流が供給される。
ここで、この前側フォーカスコイル12a,12bと、後側フォーカスコイル12c,12dとに供給される駆動電流を決定する制御回路部109に設けられたDSP60について図7を用いて説明する。
DSP60は、信号処理部120に設けられたマトリックスアンプ61を介して供給されたフォーカスエラー信号FEに基づいてフォーカスドライブ電流Fdを算出する第1の制御演算部63と、このマトリックスアンプ61を介して供給されたトラッキングエラー信号TEに基づいてトラッキングドライブ電流Tdを算出する第2の制御演算部64とを有する。尚、マトリックスアンプ61は、光ピックアップ1に設けられた光学ディテクタ23により、光ディスク102の信号記録面から反射される反射光ビームを受光した光量に基づいて、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE等の各種検出信号を検出する。
また、DSP60は、第1の制御演算部63で算出したフォーカスドライブ電流Fdからレンズホルダ2のフォーカス位置zを算出するフォーカス位置演算部65と、第2の制御演算部64で算出したトラッキングドライブ電流Tdからレンズホルダ2のトラッキング位置yを算出するトラッキング位置演算部66と、フォーカス位置演算部65とトラッキング位置演算部66とで算出されたレンズホルダ2のフォーカス位置及びトラッキング位置に基づいて、前側フォーカスコイル12a,12bと、後側フォーカスコイル12c,12dとに供給する駆動電流を決めるための係数K(z、y)を決定するフォーカス差動係数演算部67とを有する。
尚、ここで、zは、レンズホルダ2のフォーカス方向Fの位置を示すものであり、yは、レンズホルダ2のトラッキング方向Tの位置を示すものであり、K(z,y)は、レンズホルダ2がz、yの位置にあるときの前側及び後側フォーカスコイルに供給するフォーカス用のドライブ電流を決定するための差動係数を示すものである。
フォーカス作動係数演算部67により決定される係数K(z、y)は、駆動電流を印加することによって前側フォーカスコイル12a,12bと後側フォーカスコイル12c,12dとの推力ずれによって生じるローリングYroを相殺するように設定されている。
フォーカス作動係数演算部67は、この係数K(z、y)を算出するとともに、この係数K(z,y)と、供給されたフォーカスドライブ電流Fdとに基づいて、次式(1)で算出される前側フォーカスコイル用のドライブ電流Iffを後述する駆動増幅回路73を介して前側フォーカスコイル12a,12bに供給し、次式(2)で算出される後側フォーカスコイル用のドライブ電流Ifrを後述する駆動増幅回路72を介して後側フォーカスコイル12c,12dに供給する。
Iff=K(z、y)×Fd ・・・(1)
Ifr={1−K(z,y)}×Fd ・・・(2)
フォーカス作動係数演算部67で決定される係数K(z,y)は、レンズホルダ2のフォーカス位置z及びトラッキング位置yに基づいて決定される。具体的には、あらかじめ、各コイル12a〜12d及び各マグネット13,14の位置から形成されるフォーカスコイル12a〜12dの推力ずれをシミュレーション等の計算により算出しておいたものをフォーカス位置及びトラッキング位置(z、y)により選出する。尚、この係数K(z,y)は、0.4〜0.6程度の範囲で設定される。
また、ここでは、レンズホルダ2の位置に応じた最適な係数を計算により算出しておいたものを用いるように構成したが、実験により算出していたものを用いるようにしてもよい。実験的に係数K(z,y)を求める場合には、フォーカスドライブ電流Fdからフォーカスエラー信号、又はレンズホルダ2のフォーカス方向Fの変位までの伝達関数を測定する。この測定結果のYro共振周波数のゲイン及び位相を見ることで調整が可能である。
この伝達関数は、図8に示すように、Yroが相殺できていない場合には、図中の破線L11,L12若しくは一点鎖線L21,L22のようにゲイン及び位相に乱れが生じている。ここで、Kを変化させると、ローリングYroの位相はプラス(+)からマイナス(−)に若しくはその逆に変化していくため、ローリングYroの位相まわりを見ながらK(z、y)値を適切な値に設定し、実線L31,L32で示すような特性にすればよい。また、このKは、フォーカスストローク量(z)、トラッキングストローク量(y)に応じて変化する。よって、フォーカスストローク位置z、トラッキングストローク位置yそれぞれの場合のK(z,y)として算出しておくのが望ましい。
ここで、実験的に係数K(z,y)を算出した場合には、レンズホルダ2の位置に応じて変化するフォーカスコイル12a〜12dの推力ずれのみならず、フォーカスコイル12a〜12dの配置ずれ等の配置誤差、及び、厚み違い、巻き乱れ等の製造誤差により発生するこれらのコイルによる前後の推力ずれ、及び各種部品の製造誤差等による質量のアンバランス、すなわちフォーカスコイル12a〜12dの駆動推力の中心とレンズホルダ2の重心とのずれにより発生するトラッキング方向Tの軸回り方向の回転力を含めた前後のフォーカスコイル12a〜12dの推力ずれによるローリングYroを抑えることができる。
換言すると、前側フォーカスコイル12a,12bと、後側フォーカスコイル12c,12dとには、レンズホルダの位置に応じて変化する前後のコイルに対するマグネットによる磁界の影響による駆動力の差、フォーカスコイルの配置誤差及び製造誤差による前後のコイルの駆動力の差、又は各コイルの駆動推力の中心とレンズホルダの重心とのずれにより発生するトラッキング方向の軸回り方向の回転力、のいずれか一又はこれらの複数の要因を打ち消すように決定された駆動電流が供給されることで、ローリングYroを抑えることができる。
また、制御回路部109には、DSP60により決定、調整された各ドライブ電流を増幅して各コイルに供給する第1乃至第3の駆動増幅回路71,72,73が設けられている。第1の駆動増幅回路71は、第2の制御演算部64から供給されたトラッキングドライブ電流Tdを増幅してトラッキングコイル11a,11bに供給する。第2の増幅回路72は、フォーカス差動係数演算部67で算出されたドライブ電流Ifrを増幅して後側フォーカスコイル12c,12dに供給する。第3の増幅回路73は、フォーカス差動係数演算部67で算出されたドライブ電流Iffを増幅して前側フォーカスコイル12a,12bに供給する。
以上のように、前側フォーカスコイル12a,12bと、後側フォーカスコイル12c,12dとにレンズホルダ2の位置に応じて決定された駆動電流が独立して供給されることとなり、前側フォーカスコイル12a,12bと、後側フォーカスコイル12c,12dとによる駆動力の差により発生するローリングYroを抑えることが可能となる。
また、光ピックアップ1の対物レンズ駆動装置7において、第1及び第2の対物レンズ21,22が取り付けられたレンズホルダ2は、支持アーム6a〜6fの延長方向において、第1及び第2の対物レンズ21,22の光軸間の中間部分の両側を6a〜6fによって支持されている。すなわち、レンズホルダ2は、第1及び第2の対物レンズ21,22の光軸間の中間部分の両側に設けたアーム支持部24に支持アーム6a〜6fの先端部を固定することによって、少なくともフォーカス方向F及びトラッキング方向Tの2軸方向に変位可能に支持される。
尚、レンズホルダ2の支持アーム6a〜6fの先端部によって支持される位置には、トラッキングコイル11a,11b及びフォーカスコイル12a〜12dを取り付けたレンズホルダ2の重心の両側に位置することが望ましい。このような位置が支持されることにより、第1及び第2の対物レンズ21,22は、捩れ等を生じさせることなくフォーカス方向F及びトラッキング方向Tに安定して変位可能となる。
そして、光ピックアップ1は、左右一対ずつの支持アーム6a〜6fを介してレンズホルダ2を支持した支持体3をベース8に対して傾動可能に支持する弾性支持部材4と、弾性支持部材4に傾動可能に支持された支持体3を光ディスク102の傾きに応じてタンジェンシャル方向Tzを軸とした軸回り方向であるチルト方向に傾斜させる駆動手段5とを備える。
そして、弾性支持部材4は、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔を拡げるように傾斜して設けられた板状の一対の脚片41,41を有しており、この脚片41,41により、支持体3をベース8に対してタンジェンシャル方向Tzを軸とした軸回り方向であるチルト方向(所謂ラジアルチルト方向)に傾動可能に支持するものである。
弾性支持部材4は、一対の脚片41,41の一端側が支持体取付部材44を介して支持体3に取り付けられ、他端側がベース取付部材45を介してベース8に取り付けられる。弾性支持部材4は、このように支持体取付部材44及びベース取付部材45により支持体3及びベース8に固定されて、支持体3をベース8に対して傾動可能に支持する。ここで、弾性支持部材4とベース取付部材45とは、インサート成形又は差し込んで接着等により固定されることで一体に固定されている。
駆動手段5は、支持体3の下面に取り付けられるチルト用のコイル51と、このコイル51に対向してベース8に取り付けられるチルト用の二極着磁マグネット52とから構成される。二極着磁マグネット52は、平板状に形成されており、ベース8上に接着剤等により固定されている。
弾性支持部材4は、チルト用コイル51が接合された支持体取付部材44に図示しない支持体取付片を差し込まれることでチルト用コイル51と一体化されるとともに、支持体取付片を支持体3の下面側に接合して固定ねじにより螺合されることにより支持体3に固定される。弾性支持部材4は、支持体取付片上に支持体3を載置して固定されるとともに、ベース取付部材45がベース8に固定されることにより、支持体3をベース8に対して傾動可能に支持する。
この弾性支持部材4並びに上述した支持体3及び支持アーム6a〜6fは、レンズホルダ2をフォーカス方向F及びトラッキング方向Tに移動可能に支持する変位支持機構として機能する。
二極着磁マグネット52は、図3及び図4に示すように、第1及び第2の対物レンズ21,22のフォーカス方向F及びトラッキング方向Tに垂直なタンジェンシャル方向Tzを分極線としてN極とS極が配置されるように固定される。また、弾性支持部材4は、各脚片41と支持体取付片との連結部とされている折り曲げ部が、タンジェンシャル方向Tzと平行となるように固定される。
ところで、弾性支持部材4を構成する一対の脚片41,41は、図3及び図4に示すように、支持体取付片側からベース取付部材45側に向かって間隔が広がるように傾斜して設けられている。そして、互いに傾斜された一対の脚片41,41は、支持体取付片上に支持された支持体3側に向かって延長した仮想線の交点と同じ高さに対物レンズ21,22の重心の高さが略一致するように形成されている。したがって、弾性支持部材4は、全体で台形状に形成されている。
また、二極着磁マグネット52は、これら一対の脚片41,41の間でコイル51と対向するようにしてベース8上に固定される。
そして、チルト用のコイル51に駆動電流が供給されると、コイル51に流れる電流と、二極着磁マグネット52の磁界との作用により、二極着磁マグネット52に対してコイル51を動かす力、すなわち、ベース8に対して弾性支持部材4及びこれに支持された支持体3を駆動する力が発生する。弾性支持部材4は、板ばね等の弾性部材により形成され、一対の非平行な脚片41,41を有し、全体で台形状をなす弾性支持部材4で支持されているので、駆動力を受けたとき、弾性支持部材4の形状に倣ってその姿勢が可変される。
ところで、弾性支持部材4は、ねじれに対しては剛性を持つように所定の幅を有する。そして、弾性支持部材4は支持体取付片が支持体3に固定され、各脚片41の端部がベース取付部材45を介してベース8に固定されることで、駆動力を受けたときに各脚片41,41が弓なりに弾性変形することができる。また、脚片41,41と支持体取付片との間の連結部となる折り曲げ部も弾性変形することができる。
次に、上述したような支持体3を駆動する駆動手段5を備えた光ピックアップ1の動作を説明する。
光ピックアップ1は、駆動手段5のコイル51に給電がされていない状態では、弾性支持部材4が変形することなく中立状態にある。このとき、弾性支持部材4は、レンズホルダ2に支持された第1及び第2の対物レンズ21,22が水平となるように形状等が設定されている。
この状態において、コイル51に駆動電流が供給されると、二極着磁マグネット52の磁界中のコイル51に電流が流れることで、支持体3を二極着磁マグネット52の延在方向であるトラッキング方向Tに沿って略水平方向に駆動する力が発生する。支持体3は、非平行な一対の脚片41,41を有する台形の弾性支持部材4により支持されているので、駆動力を受けたとき、支持体3の姿勢が弾性支持部材4の形状に倣って制御される。
すなわち、支持体3を略水平方向に駆動する力が加わると、弾性支持部材4の一方の脚片41はベース8の平面に対する角度が小さくなる方向に弾性変形し、他方の脚片41はベース8の平面に対する角度が大きくなる方向に弾性変形する。これにより、支持体3は、タンジェンシャル方向Tzの軸回り方向であるチルト方向に傾斜する。
支持体3は、6本の支持アーム6a〜6fによりレンズホルダ2を支持しているので、支持体3が傾斜することで、レンズホルダ2が傾斜する、これにより、所定の制御信号に応じた駆動電流をコイル51に供給することで、レンズホルダ2に支持された第1及び第2の対物レンズ21,22の光軸を、光ディスクの反り等に対応させて傾斜させるチルト角の制御を行うことができる。支持体3の傾斜の方向は、コイル51に供給される駆動電流の向きで切り換えられる。また、支持体3の傾斜の角度は、コイル51に供給される駆動電流電圧値により所定の角度に調整できる。
このように、駆動手段5は、チルト用のコイル51に駆動電流を流すことで、支持体3をチルト方向に傾斜させる駆動力を支持体3に付与することができ、支持体3に支持されたレンズホルダ2及び対物レンズ21,22を傾斜させることができる。したがって、光ディスクの反り等に応じて、対物レンズ21,22を傾けることができる。
以上のように、支持体3を駆動する駆動手段5を設けてレンズホルダ2を傾斜させる構成とすれば、光ディスクの傾斜を検出する手段を設けることで、個々の光ディスクの反り等に対応した量だけ第1及び第2の対物レンズ21,22を傾動させて、第1及び第2の対物レンズ21,22の光軸が光ディスクの面に対して垂直となるように補正できる。これにより、光ディスクの信号記録面に光ビームが集光されて形成される光スポットの形状を常に適正なものとできる。また、人手によりレンズホルダ2の傾きを調整する作業も不要となる。
次に、レンズホルダ2のフォーカス制御及びトラッキング制御について説明する。フォーカスコイル12a〜12dに再生信号から生成したフォーカス制御信号に応じた駆動電流が供給されると、フォーカスコイル12a〜12dに流れる電流と、ヨーク18及びヨーク片18a,18bと、これらヨーク片18a,18bに支持されたマグネット13,14とによって形成された磁界との作用により生ずる力で、レンズホルダ2を駆動電流の向きに応じて、第1及び第2の対物レンズ21,22の光軸方向と平行な上昇あるいは下降させる方向の力が生じる。レンズホルダ2は、6本の支持アーム6a〜6fの一端部に支持されているので、昇降する方向の力を受けると、スピンドルモータ103によって回転される光ディスク102に対して平行な姿勢を保ったまま上下に昇降する。これにより、対物レンズ21,22が光軸に沿った方向にフォーカス制御され、対物レンズ21,22からの光スポットが光ディスクのトラック上に合焦点される。
また、トラッキングコイル11a,11bに再生信号から生成したトラッキング制御信号に応じた駆動電流が供給されると、このコイル11a,11bに流れる電流と、ヨーク18及びヨーク片18a,18bと、これらヨーク片18a,18bに支持されたマグネット13,14とによって形成された磁界との作用により生ずる力で、レンズホルダ2を電流の向きに応じて、スピンドルモータ103によって回転される光ディスク102の内周方向、又は光ディスク102の外周方向へ移動させる力が生じる。レンズホルダ2は、6本の支持アーム6a〜6fの一端部に支持されているので、光ディスク102の平面と平行な方向に移動する方向の力を受けると、光ディスク102に形成された記録トラックの法線方向とほぼ平行な方向に移動変位する。これにより第1及び第2の対物レンズ21,22が光ディスク102の径方向に移動制御されるトラッキング制御が行われ、第1及び第2の対物レンズ21,22から出射された光ビームが所望の記録トラックをトレースすることができる。
以上のように構成された対物レンズ駆動装置7及びこれを用いた光ピックアップ1は、フォーカスコイル12a〜12d及びトラッキングコイル11a,11b並びにマグネット13,14を備えることにより、支持アーム6a〜6fを弾性変位させて、レンズホルダ2に保持された対物レンズ21,22をフォーカス方向F及びトラッキング方向Tに駆動変位させることができる。
また、対物レンズ駆動装置7及び光ピックアップ1は、チルト用コイル51及び二極着磁マグネット52を備えることにより、弾性支持部材4を弾性変位させて、支持体3及びレンズホルダ2に保持された対物レンズ21,22をタンジェンシャル方向Tzを軸とした軸回り方向であるチルト方向に駆動変位させることができる。
また、対物レンズ駆動装置7及び光ピックアップ1は、対物レンズ21,22を少ない駆動電流により安定して駆動制御することができる光ピックアップ1を用いた光ディスク装置は、省電力化を実現できるばかりか、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号及びチルト制御信号に応じて対物レンズ21,22の正確に駆動変位することができ、情報信号の記録又は再生特性の向上を実現できる。
ところで、光ピックアップ1において、レンズホルダ2のタンジェンシャル方向Tzを軸とした軸回り方向に発生するローリングXro、トラッキング方向Tを軸とした軸回り方向に発生するローリングYro、及びフォーカス方向Fを軸とした軸回り方向に発生するローリングZro等の不要共振が発生すると、サーボ特性の劣化等が問題となる。
この不要共振の発生する要因の一つとして、上述した図15及び図16に示すように、レンズホルダ2のタンジェンシャル方向Tzの一方の側面及び他方の側面に設けられたフォーカスコイル及びトラッキングコイルと、それぞれに対向するマグネットとの距離に差がある場合に、その前後のフォーカスコイルによる駆動推力の差が生じてしまい、トラッキング方向Tの軸回りのローリングYroが発生してしまい、また、その前後のトラッキングコイルによる駆動推力の差が生じてしまい、フォーカス方向Fの軸回りのローリングZroが発生してしまう。
また、不要共振の発生する要因としては、レンズホルダ2をフォーカス方向Fに駆動したときに、図9に示すように、レンズホルダ2が円弧状に移動することにより、レンズホルダ2に設けられたフォーカスコイル12a,12b及びトラッキングコイル11aと、支持体3から遠い側である先端側のマグネット13(以下、「前側マグネット13」ともいう。)とのギャップg12、すなわち間隔が広くなり、フォーカスコイル12c,12d及びトラッキングコイル11bと、支持体3に近い側である基端部側のマグネット14(以下、「後側マグネット14」ともいう。)とのギャップg22、すなわち間隔が狭くなることが挙げられる。尚、図9において、破線で示される状態は、レンズホルダ2がフォーカス方向Fに駆動されていない状態を示し、この状態における前側マグネット13と前側のフォーカスコイル12a,12b及びトラッキングコイル11aとのギャップg11と、後側マグネット14と後側のフォーカスコイル12c,12d及びトラッキングコイル11bとのギャップg21とは等しいものとする。また、図9中Gは、レンズホルダ2の重心を示すものである。
すなわち、例えば、フォーカスコイル12a,12bと、これと対向するマグネット13との間隔が広くなる方向に変化することで、これらの各コイル12a,12bに対する磁界の強さが小さくなり、フォーカスコイル12c,12dと、これに対向するマグネット14との間隔が狭くなる方向に変化することで、これらの各コイル12c,12dに対する磁界の強さが大きくなり、前側のフォーカスコイル12a,12bによる駆動推力が小さくなり、後側のフォーカスコイル12c,12dによる駆動推力が大きくなり、前後の駆動推力のバランスがくずれて回転力f1が発生し、ローリングYro等の不要共振が発生するおそれがある。
また、不要共振の発生する要因としては、レンズホルダ2をトラッキング方向Tに駆動したときに、図10に示すように、レンズホルダ2が円弧状に移動することにより、レンズホルダ2に設けられたフォーカスコイル12a,12b及びトラッキングコイル11aと、支持体3から遠い側である前側マグネット13とのギャップg13が広くなり、フォーカスコイル12c,12d及びトラッキングコイル11bと、支持体3に近い側である後側マグネット14とのギャップg23が狭くなることが挙げられる。尚、図10において、破線で示される状態は、レンズホルダ2がトラッキング方向Tに駆動されていない状態を示し、この状態における前側のマグネット13と前側のフォーカスコイル12a,12b及びトラッキングコイル11aとのギャップg11と、後側のマグネット14と後側のフォーカスコイル12c,12d及びトラッキングコイル11bとのギャップg21とは等しいものとする。また、図10中Gは、レンズホルダ2の重心を示すものである。
すなわち、例えば、トラッキングコイル11aと、これと対向するマグネット13との間隔が広くなる方向に変化することで、トラッキングコイル11aに対する磁界の強さが小さくなり、トラッキングコイル11bと、これと対向するマグネット14との間隔が狭くなる方向に変化することでトラッキングコイル11bに対する磁界の強さが大きくなり、前側のコイル11aによる駆動推力が小さくなり、後側のコイル11bによる駆動推力が大きくなり、前後の駆動推力のバランスがくずれて回転力f2が発生し、ローリングZro等の不要共振が発生するおそれがある。
光ピックアップ1において、レンズホルダ2の一方の側面に設けられたフォーカスコイル12a,12bと、他方の側面に設けられたフォーカスコイル12c,12dとには、それぞれ、レンズホルダ2のフォーカス方向及びトラッキング方向の位置に応じて決定された駆動電流が供給され、レンズホルダ2の位置に応じてマグネット13,14による磁界の影響により発生する駆動推力の差を打ち消し、ローリングYroの発生を防止する。
すなわち、具体的には、図9に示すような状態にレンズホルダ2が駆動された場合には、このフォーカス位置に応じた係数K(z,y)がフォーカス差動係数演算部67により算出され、係数K(z、y)に応じた駆動電流Iffが前側フォーカスコイル12a,12bに供給され、同様に、係数K(z、y)に応じた駆動電流Ifrが後側フォーカスコイル12c、12dに供給される。ここで、図9に示す位置においては、係数K(z、y)が0.5以上とされることで、前側フォーカスコイル12a,12bに供給される駆動電流が、後側フォーカスコイル12c,12dに供給される駆動電流より大きくされることで、前後の駆動推力が等しくなるようにされる。
光ピックアップ1は、レンズホルダ2の一方の側面に設けられたフォーカスコイル12a,12bと、他方の側面に設けられたフォーカスコイル12c,12dとに、レンズホルダ2のフォーカス方向及びトラッキング方向の位置(z、y)に応じて決定される駆動電流を独立して供給することにより、一方の側面に設けられたフォーカスコイル12a,12bによる駆動推力と、他方の側面に設けられたフォーカスコイル12c,12dによる駆動推力とに差が生じてしまうことを防止して、駆動推力の差により発生するローリングYroによる不要共振を抑えて高いサーボ安定性を得ることができる。すなわち、光ピックアップ1は、複雑な調整工程を設けることなく良好なサーボ特性を得ることができ、さらには、光ディスクに対して情報信号の良好な記録及び/又は再生を行うことを可能とし、振動モード励起の抑制による耐振動特性の向上及びシークの引き込み時間の短縮を可能とする。
尚、上述の光ピックアップ1において、フォーカスドライブ電流Fdに基づいてフォーカス位置演算部65によりフォーカス位置zを算出し、トラッキングドライブ電流Tdに基づいてトラッキング位置演算部66によりトラッキング位置yを算出するように構成したが、これに限られるものではなく、センサ等の計測手段によりレンズホルダ2のフォーカス位置z、トラッキング位置yを算出するようにしてもよく、また、ディテクタ23からの信号を処理することにより得られるセンターエラー信号等に基づいてトラッキング位置y等を算出するように構成してもよい。
また、本発明は、上述のような独立してチルト用のコイル51及びマグネット52からなる駆動手段5を有する光ピックアップに限られることなく、構成の簡素化及び装置の小型化の観点からチルト専用のコイル、マグネットを削除して、複数のフォーカスコイルのうち、例えばトラッキング方向Tに並んで配置されるフォーカスコイルの駆動力に差異を設けることでチルト方向へ駆動するような構成を有する所謂差動チルト方式の光ピックアップに適用してもよい。
本発明を差動チルト方式の光ピックアップに適用する場合には、図11に示すようなDSP80を用いることで、複数のフォーカスコイル12a〜12dを用いてチルト動作を可能とするとともに、前後に設けたフォーカスコイルの駆動推力の差により発生するローリングYroを抑えることが可能となる。
DSP80は、上述のDSP60と同様に、第1の制御部63、第2の制御部64、フォーカス位置演算部65、トラッキング位置演算部66及びフォーカス差動係数演算部67を有するとともに、レンズホルダ2を所定のチルト角(タンジェンシャル方向Tzを軸とした軸回り方向であるチルト方向の角度)となるように傾斜させるためのチルト成分としてのチルト用ドライブ電流(チルト信号)を生成するチルト角目標値生成部81とを有する。チルト角目標値生成部81は、ジッター(Jitter)量に基づいて所望のチルト方向の駆動力を得るためのチルト用のドライブ電流を生成する。
また、DSP80は、フォーカス差動係数演算部67で算出されたドライブ電流Iffにチルト用ドライブ電流を加算してドライブ電流Iff1を生成する第1の加算器82と、ドライブ電流Iffからチルト用ドライブ電流を減算してドライブ電流Iff2を生成する第1の減算器83と、フォーカス差動係数演算部67で算出されたドライブ電流Ifrにチルト用ドライブ電流を加算してドライブ電流Ifr1を生成する第2の加算器84と、ドライブ電流Ifrからチルト用ドライブ電流を減算してドライブ電流Ifr2を生成する第2の減算器85とを有する。
この場合、制御回路部109には、DSP60により決定、調整された各ドライブ電流を増幅して各コイルに供給する第1乃至第5の駆動増幅回路71〜75が設けられている。第1の増幅回路71は、第2の制御演算部64から供給されたトラッキングドライブ電流Tdを増幅してトラッキングコイル11a,11bに供給する。第5の増幅回路75は、第1の加算器82で算出されたドライブ電流Iff1を増幅して前側で且つトラッキング方向Tの一方に設けられたフォーカスコイル12aに供給する。第4の増幅回路74は、第1の減算器83で算出されたドライブ電流Iff2を増幅して前側で且つトラッキング方向Tの他方に設けられたフォーカスコイル12bに供給する。第3の増幅回路73は、第2の加算器84で算出されたドライブ電流Ifr1を増幅して後側で且つトラッキング方向Tの一方に設けられたフォーカスコイル12dに供給する。第2の増幅回路72は、第2の減算器85で算出されたドライブ電流Ifr2を増幅して後側で且つトラッキング方向Tの他方に設けられたフォーカスコイル12cに供給する。
以上のように、トラッキング方向Tの一方に設けられたフォーカスコイル12a,12dにチルト信号によるチルト成分が加算された電流が供給され、トラッキング方向Tの他方に設けられたフォーカスコイル12b,12cにチルト信号によるチルト成分が減算された電流が供給されるように構成することで、独立したチルトコイル及びマグネットを設けることなく、複数のフォーカスコイルを用いてチルト方向への動作を可能とする。
また、差動チルト方式の光ピックアップに適用した場合においても、上述した光ピックアップ1と同様に、前側フォーカスコイル12a,12bと、後側フォーカスコイル12c,12dとにレンズホルダ2の位置に応じて決定された駆動電流が独立して供給されることにより、前側フォーカスコイル12a,12bと、後側フォーカスコイル12c,12dとによる駆動力の差により発生するローリングYroを抑え、高いサーボ安定性を得ることができる。
尚、上述の光ピックアップ1では、前側フォーカスコイル12a,12bと後側フォーカスコイル12c,12dとにレンズホルダ2の位置に応じた駆動電流が独立して供給されるように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、前側トラッキングコイル11aと後側トラッキングコイル11bとにレンズホルダ2の位置に応じた駆動電流が独立して供給されるように構成してもよい。
次に、本発明が適用された、一方の側面に設けられたトラッキングコイル11aと、他方の側面に設けられたトラッキングコイル11bとが独立して駆動電流が供給され、それぞれレンズホルダ2のフォーカス方向F及びトラッキング方向Tの位置に応じて決定された駆動電流が供給されるようにした光ピックアップ90について説明する。尚、この光ピックアップ90は、駆動電流手段としての各支持アーム6a〜6fの機能、及び、DSPの構成を除いて、上述した光ピックアップ1と共通であり、以下の説明において、共通する部分については、共通の符号を付すとともに詳細な説明は省略する。
光ピックアップ90において、駆動電流供給手段となる各支持アーム6a〜6fは、トラッキングコイルのうち、レンズホルダ2の一方の側面である先端側の側面に設けられたトラッキングコイル11a(以下、「前側トラッキングコイル11a」ともいう。)と、レンズホルダ2の他方の側面である基端部側の側面に設けられたトラッキングコイル11b(以下、「後側トラッキングコイル11b」ともいう。)とにそれぞれ独立して異なる駆動電流を供給するとともに、フォーカスコイル12a〜12dにフォーカス用の駆動電流を供給するように構成されている。
すなわち、この光ピックアップ90において、支持アーム6a,6dは、フォーカスコイル12a〜12dに接続されており、制御回路部109からのフォーカス用の駆動電流が支持アーム6a,6dを介してフォーカスコイル12a〜12dに供給される。
また、支持アーム6b,6eは、トラッキングコイル11aに接続されており、制御回路部109からのトラッキング用の駆動電流が支持アーム6b,6eを介してトラッキングコイル11aに供給される。
また、支持アーム6c,6fは、トラッキングコイル11bに接続されており、制御回路部109からのトラッキング用の駆動電流が支持アーム6c,6fを介してトラッキングコイル11bに供給される。
そして、レンズホルダ2のタンジェンシャル方向Tzの一方の側面に設けられたレンズホルダ2の一方の側面である先端側の側面に設けられたトラッキングコイル11a(以下、「前側トラッキングコイル11a」ともいう。)と、レンズホルダ2の他方の側面である基端部側の側面に設けられたトラッキングコイル11b(以下、「後側トラッキングコイル11b」ともいう。)とには、それぞれレンズホルダ2のフォーカス方向F及びトラッキング方向Tの位置に応じて決定された駆動電流が供給される。
ここで、この前側トラッキングコイル11aと、後側トラッキングコイル11bとに供給される駆動電流を決定する制御回路部109に設けられるDSP91について図12を用いて説明する。
DSP91は、マトリックスアンプ61を介して供給されたフォーカスエラー信号TEに基づいてフォーカスドライブ電流Fdを算出する第1の制御演算部63と、マトリックスアンプ61を介して供給されたトラッキングエラー信号FEに基づいてトラッキングドライブ電流Tdを算出する第2の制御演算部64とを有する。
また、DSP91は、第1の制御演算部63で算出したフォーカスドライブ電流Fdからレンズホルダ2のフォーカス位置zを算出するフォーカス位置演算部65と、第2の制御演算部64で算出したトラッキングドライブ電流Tdからレンズホルダ2のトラッキング位置yを算出するトラッキング位置演算部66と、フォーカス位置演算部65とトラッキング位置演算部66とで算出されたレンズホルダ2のフォーカス位置及びトラッキング位置に基づいて、前側トラッキングコイル11aと、後側トラッキングコイル11bとに供給する駆動電流を決めるための係数K’(z、y)を決定するトラッキング差動係数演算部92とを有する。
尚、ここで、z及びyは、上述と同様であり、K’(z,y)は、レンズホルダ2がz、yの位置にあるときの前側及び後側トラッキングコイルに供給するトラッキング用のドライブ電流を決定するための差動係数を示すものである。
トラッキング作動係数演算部92により決定される係数K’(z、y)は、駆動電流を印加することによって前側トラッキングコイル11aと後側トラッキングコイル11bとの推力ずれによって生じるローリングZroを相殺するように設定されている。
トラッキング作動係数演算部92は、この係数K’(z、y)を算出するとともに、この係数K’(z,y)と、供給されたトラッキングドライブ電流Tdとに基づいて、次式(3)で算出される前側トラッキングコイル用のドライブ電流Itfを駆動増幅回路72を介して前側トラッキングコイル11aに供給し、次式(4)で算出される後側トラッキングコイル用のドライブ電流Itrを駆動増幅回路71を介して後側トラッキングコイル11bに供給する。
Itf=K’(z、y)×Td ・・・(3)
Itr={1−K’(z,y)}×Td ・・・(4)
トラッキング作動係数演算部92で決定される係数K’(z,y)は、レンズホルダ2のフォーカス位置z及びトラッキング位置yに基づいて決定される。具体的には、あらかじめ、各コイル11a,11b及び各マグネット13,14の位置から形成されるトラッキングコイル11a,11bの推力ずれをシミュレーション等の計算により算出しておいたものをフォーカス位置及びトラッキング位置(z、y)により選出する。尚、この係数K’(z、y)は、0.4〜0.6程度の範囲で設定される。
また、上述と同様に、レンズホルダ2の位置に応じた最適な係数を計算により算出しておいたものを用いるように構成したが、実験により算出していたものを用いるようにしてもよい。実験的に係数K’(z、y)を求める場合には、トラッキングドライブ電流Tdからトラッキングエラー信号、又はレンズホルダ2のトラッキング方向Tの変位までの伝達関数を測定する。この測定結果のZro共振周波数のゲイン及び位相を見ることで調整が可能である。
この伝達関数は、図13に示すように、Zroが相殺できていない場合には、図中の破線L41,L42若しくは一点鎖線L51,L52のようにゲイン及び位相に乱れが生じている。ここで、K’を変化させると、ローリングZroの位相はプラス(+)からマイナス(−)に若しくはその逆に変化していくため、ローリングZroの位相まわりを見ながらK’(z,y)値を適切な値に設定し、実線L61,L62で示すような特性にすればよい。また、このK’は、フォーカスストローク量(z)、トラッキングストローク量(y)に応じて変化する。よって、フォーカスストローク位置z、トラッキングストローク位置yそれぞれの場合のK’(z,y)として算出しておくのが望ましい。
ここで、実験的に係数K’(z,y)を算出した場合には、レンズホルダ2の位置に応じて変化するトラッキングコイル11a,11bの推力ずれのみならず、トラッキングコイル11a,11bの配置ずれ等の配置誤差、及び、厚み違い、巻き乱れ等の製造誤差により発生するこれらのコイルによる前後の推力ずれ、及び各種部品の製造誤差等による質量のアンバランス、すなわちトラッキングコイル11a,11bの駆動推力の中心とレンズホルダ2の重心とのずれにより発生するフォーカス方向Fの軸回り方向の回転力を含めた前後のトラッキングコイル11a,11bの推力ずれによるローリングZroを抑えることができる。
換言すると、前側トラッキングコイル11aと、後側トラッキングコイル11bとには、レンズホルダの位置に応じて変化する前後のコイルに対するマグネットによる磁界の影響による駆動力の差、トラッキングコイルの配置誤差及び製造誤差による前後のコイルの駆動力の差、又は各コイルの駆動推力の中心とレンズホルダの重心とのずれにより発生するフォーカス方向の軸回り方向の回転力、のいずれか位置又はこれらの複数の要因を打ち消すように決定された駆動電流が供給されることで、ローリングZroを抑えることができる。
光ピックアップ90を用いる場合において、第1の駆動増幅回路71は、トラッキング差動係数演算部92で算出されたドライブ電流Itrを増幅して後側トラッキングコイル11bに供給する。第2の増幅回路72は、トラッキング差動係数演算部92で算出されたドライブ電流Itfを増幅して前側トラッキングコイル11aに供給する。第3の増幅回路は、第1の制御演算部63から供給されたフォーカスドライブ電流Fdを増幅してフォーカスコイル12a〜12dに供給する。
以上のように、前側トラッキングコイル11aと、後側トラッキングコイル11bとにレンズホルダ2の位置に応じて決定された駆動電流が独立して供給されることとなり、前側トラッキングコイル11aと、後側トラッキングコイル11bとによる駆動力の差により発生するローリングZroを抑えることが可能となる。
光ピックアップ90において、レンズホルダ2の一方の側面に設けられたトラッキングコイル11aと、他方の側面に設けられたトラッキングコイル11bとには、それぞれ、レンズホルダ2のフォーカス方向及びトラッキング方向の位置に応じて決定された駆動電流が供給され、レンズホルダ2の位置に応じてマグネット13,14による磁界の影響ににより発生する駆動推力の差を打ち消し、ローリングZroの発生を防止する。
すなわち、具体的には、図10に示すような状態にレンズホルダ2が駆動された場合には、このトラッキング位置に応じた係数K’(z,y)がトラッキング差動係数演算部92により算出され、係数K’(z、y)に応じた駆動電流Itfが前側トラッキングコイル11aに供給され、同様に、係数K’(z、y)に応じた駆動電流Itrが後側トラッキングコイル11bに供給される。ここで、図10に示す位置においては、係数K’(z、y)が0.5以上とされることで、前側トラッキングコイル11aに供給される駆動電流が、後側トラッキングコイル11bに供給される駆動電流より大きくされることで、前後の駆動推力が等しくなるようにされる。
本発明を適用した光ピックアップ90は、レンズホルダ2の一方の側面に設けられたトラッキングコイル11aと、他方の側面に設けられたトラッキングコイル11bとに、レンズホルダ2のフォーカス方向及びトラッキング方向の位置(z、y)に応じて決定される駆動電流を独立して供給することにより、一方の側面に設けられたトラッキングコイル11aによる駆動推力と、他方の側面に設けられたトラッキングコイル11bによる駆動推力とに差が生じてしまうことを防止して、駆動推力の差により発生するローリングZroによる不要共振を抑えて高いサーボ安定性を得ることができる。すなわち、本発明を適用した光ピックアップ90は、複雑な調整工程を設けることなく良好なサーボ特性を得ることができ、さらには、光ディスクに対して情報信号の良好な記録及び/又は再生を行うことを可能とし、振動モード励起の抑制による耐振動特性の向上及びシークの引き込み時間の短縮を可能とする。
尚、上述の光ピックアップ90において、フォーカスドライブ電流Fdに基づいてフォーカス位置演算部65によりフォーカス位置zを算出し、トラッキングドライブ電流Tdに基づいてトラッキング位置演算部66によりトラッキング位置yを算出するように構成したが、これに限られるものではなく、センサ等の計測手段によりレンズホルダ2のフォーカス位置z、トラッキング位置yを算出するようにしてもよく、また、ディテクタ23からの信号を処理することによりセンターエラー信号等に基づいてトラッキング位置y等を算出するように構成してもよい。
尚、上述の光ピックアップ1,90では、それぞれフォーカスコイル又はトラッキングコイルのレンズホルダ2の前側のコイルと後側のコイルとにレンズホルダ2の位置に応じた駆動電流が独立して供給されるように構成したが、これに限られるものではなく、フォーカスコイル及びトラッキングコイルのそれぞれのレンズホルダ2の前側のコイルと後側のコイルとにレンズホルダ2の位置に応じた駆動電流が独立して供給されるように構成してもよい。
次に、一方の側面に設けられたフォーカスコイル12a,12bと、他方の側面に設けられたフォーカスコイル12c,12dと、一方の側面に設けられたトラッキングコイル11aと、他方の側面に設けられたトラッキングコイル11bとが独立して駆動電流が供給され、それぞれレンズホルダ2のフォーカス方向F及びトラッキング方向Tの位置に応じて決定された駆動電流が供給されるようにした光ピックアップ95について説明する。尚、この光ピックアップ95は、駆動電流手段として各支持アーム6a〜6fに加えて他の給電線を追加する構成、及びDSPの構成を除いて、上述した光ピックアップ1と共通であり、以下の説明において、共通する部分については、共通の符号を付すとともに詳細な説明は省略する。
光ピックアップ95において、駆動電流供給手段は、トラッキングコイル及びフォーカスコイルのうち、レンズホルダ2の一方の側面である先端側の側面に設けられたトラッキングコイル11a(以下、「前側トラッキングコイル11a」ともいう。)と、レンズホルダ2の他方の側面である基端部側の側面に設けられたトラッキングコイル11b(以下、「後側トラッキングコイル11b」ともいう。)と、レンズホルダ2の一方の側面である先端側の側面に設けられたフォーカスコイル12a,12b(以下、「前側フォーカスコイル12a,12b」ともいう。)と、レンズホルダ2の他方の側面である基端部側の側面に設けられたフォーカスコイル12c,12d(以下、「後側フォーカスコイル12c,12d」ともいう。)とに、それぞれ独立して異なる駆動電流を供給するように構成されている。
ここで、6本の支持アーム6a〜6fを駆動電流供給手段として機能させるとともに、給電線等の他の駆動電流供給手段を設けることで、前側トラッキングコイル11a、後側トラッキングコイル11b、前側フォーカスコイル12a,12b及び後側フォーカスコイル12c,12dに、それぞれ独立してレンズホルダ2のフォーカス方向F及びトラッキング方向Tの位置に応じて決定された駆動電流が供給される。尚、支持アームを追加することにより、給電線等を新たに設けることなく追加した支持アームを駆動電流供給手段として機能させてもよい。
ここで、各コイルに供給される駆動電流を決定する制御回路部109に設けられるDSP96について図14を用いて説明する。
DSP96は、第1の制御演算部63と、第2の制御演算部64と、フォーカス位置演算部65と、トラッキング位置演算部66と、フォーカス位置演算部65とトラッキング位置演算部66とで算出されたレンズホルダ2のフォーカス位置及びトラッキング位置に基づいて、前側フォーカスコイル12a,12bと、後側フォーカスコイル12c,12dとに供給する駆動電流を決めるための係数K(z、y)を決定するフォーカス差動係数演算部67と、フォーカス位置演算部65とトラッキング位置演算部66とで算出されたレンズホルダ2のフォーカス位置及びトラッキング位置に基づいて、前側トラッキングコイル11aと、後側トラッキングコイル11bとに供給する駆動電流を決めるための係数K’(z、y)を決定するトラッキング差動係数演算部92とを有する。
光ピックアップ95を用いる場合において、第1の駆動増幅回路71は、トラッキング差動係数演算部92で算出されたドライブ電流Itrを増幅して後側トラッキングコイル11bに供給する。第2の増幅回路72は、トラッキング差動係数演算部92で算出されたドライブ電流Itfを増幅して前側トラッキングコイル11aに供給する。第3の増幅回路73は、フォーカス差動係数演算部67で算出されたドライブ電流Ifrを増幅して後側フォーカスコイル12c,12dに供給する。第4の増幅回路74は、フォーカス差動係数演算部67で算出されたドライブ電流Iffを増幅して前側フォーカスコイル12a,12bに供給する。
以上のように、前側トラッキングコイル11aと、後側トラッキングコイル11bとにレンズホルダ2の位置に応じて決定された駆動電流が独立して供給されることとなり、前側トラッキングコイル11aと、後側トラッキングコイル11bとによる駆動力の差により発生するローリングZroを抑えることが可能となる。また、前側フォーカスコイル12a,12bと、後側フォーカスコイル12c,12dとにレンズホルダ2の位置に応じて決定された駆動電流が独立して供給されることとなり、前側フォーカスコイル12a,12bと、後側フォーカスコイル12c,12dとによる駆動力の差により発生するローリングYroを抑えることが可能となる。
本発明を適用した光ピックアップ95は、レンズホルダ2の一方の側面に設けられたトラッキングコイル11aと、他方の側面に設けられたトラッキングコイル11bとに、レンズホルダ2のフォーカス方向及びトラッキング方向の位置(z、y)に応じて決定される駆動電流を独立して供給することにより、一方の側面に設けられたトラッキングコイル11aによる駆動推力と、他方の側面に設けられたトラッキングコイル11bによる駆動推力とに差が生じてしまうことを防止して、駆動推力の差により発生するローリングZroによる不要共振を抑え、また、レンズホルダ2の一方の側面に設けられたフォーカスコイル12a,12bと、他方の側面に設けられたフォーカスコイル12c,12dとに、レンズホルダ2のフォーカス方向及びトラッキング方向の位置(z、y)に応じて決定される駆動電流を独立して供給することにより、一方の側面に設けられたフォーカスコイル12a,12bによる駆動推力と、他方の側面に設けられたフォーカスコイル12c,12dによる駆動推力とに差が生じてしまうことを防止して、駆動推力の差により発生するローリングYroによる不要共振を抑える。よって、本発明を適用した光ピックアップ95は、ローリングZro,Yroによる不要共振を抑えて高いサーボ安定性を得ることができる。すなわち、本発明を適用した光ピックアップ95は、複雑な調整工程を設けることなく良好なサーボ特性を得ることができ、さらには、光ディスクに対して情報信号の良好な記録及び/又は再生を行うことを可能とし、振動モード励起の抑制による耐振動特性の向上及びシークの引き込み時間の短縮を可能とする。
尚、上述の光ピックアップ95で説明した、トラッキングコイルのレンズホルダ2の前側のコイルと後側のコイルとにレンズホルダ2の位置に応じた駆動電流が独立して供給される構成を、図11を用いて説明した複数のフォーカスコイル12a〜12dを用いてチルト動作を可能とするとともに、前後に設けたフォーカスコイルの駆動推力の差により発生するローリングを抑える構成に加えるように構成してもよい。この場合に用いられるDSPは、図11を用いて説明したDSP80の構成に加えてトラッキング差動係数演算部92を設けるように構成すればよい。そして、かかる構成とした場合には、複数のフォーカスコイルを用いてチルト方向への動作を可能とするとともに、ローリングZro、Troによる不要共振を抑えて高いサーボ安定性を得ることができる。
上述の光ピックアップ1、90、95を用いた光ディスク装置101は、レンズホルダ2の一方の側及び他方の側に設けたコイルによる駆動推力の調整を図ることによりローリングを抑えることができるので、複雑な調整工程を設けることなく良好なサーボ特性を得ることができ、光ディスクに対して情報信号の良好な記録及び/又は再生を行うことを可能とする。
本発明の参考例となる光ピックアップを用いた光ディスク装置のブロック回路図である。 本発明の参考例となる光ピックアップの斜視図である。 本発明の参考例となる光ピックアップを構成する対物レンズ駆動装置の斜視図である。 本発明の参考例となる光ピックアップを構成するレンズホルダ及び支持体の分解斜視図である。 本発明の参考例となる光ピックアップを構成するレンズホルダ及び支持体を示す斜視図である。 本発明の参考例となる光ピックアップを構成するマグネットの着磁パターンを示す図であり、(a)は、先端側に配置される第1のマグネットのレンズホルダ側からの平面図であり、(b)は、基端部側に配置される第2のマグネットのレンズホルダ側からの平面図である。 各コイルに供給する駆動電流を決定するDSPの構成を説明するためのブロック回路図である。 光ピックアップを構成する対物レンズ駆動装置の周波数特性を示す図である。 本発明の参考例となる光ピックアップにおいて、レンズホルダをフォーカス方向に駆動した状態を示す側面図である。 本発明の参考例となる光ピックアップにおいて、レンズホルダをトラッキング方向に駆動した状態を示す側面図である。 差動チルト方式の光ピックアップに適用する場合のDSPの構成を説明するためのブロック回路図である。 本発明を適用した光ピックアップのDSPの構成を説明するためのブロック回路図である。 本発明を適用した光ピックアップを構成する対物レンズ駆動装置の周波数特性を示す図である。 本発明を適用した光ピックアップの他の例における、DSPの構成を示す図である。 従来の光ピックアップを構成する対物レンズ駆動装置の可動部分の側面図である。 従来の光ピックアップを構成する対物レンズ駆動装置の可動部分の平面図である。 従来の光ピックアップのDSPの構成を説明するためのブロック回路図である。
符号の説明
、90、95 光ピックアップ、2 レンズホルダ、3 支持体、4 弾性支持部材、5 駆動手段、6a〜6f 支持アーム、7 対物レンズ駆動装置、8 ベース、11a,11b トラッキングコイル、12a〜12d フォーカスコイル、13,14 マグネット、18 ヨーク、21 第1の対物レンズ、22 第2の対物レンズ、41 脚片、51 チルトコイル、52 チルト用のマグネット、101 光ディスク装置、102 光ディスク、103 スピンドルモータ

Claims (3)

  1. 回転駆動される光ディスクの信号記録面に光ビームを集光する対物レンズが取り付けられ、上記対物レンズの光軸と平行なフォーカス方向と、上記対物レンズの光軸方向と直交するトラッキング方向とに移動されるレンズホルダと、
    上記レンズホルダに対して上記フォーカス方向及び上記トラッキング方向と直交するタンジェンシャル方向に間隔を有して配置される支持体と、
    上記レンズホルダと上記支持体とをそれぞれ連結し、上記レンズホルダを上記支持体に対して上記フォーカス方向及び上記トラッキング方向に移動可能に支持する弾性支持部材と、
    上記レンズホルダの上記タンジェンシャル方向の一方の側面及び他方の側面に設けられ、それぞれフォーカス方向に駆動力を発生させるフォーカスコイルと、
    上記レンズホルダの上記タンジェンシャル方向の一方の側面及び他方の側面に設けられ、それぞれトラッキング方向に駆動力を発生させるトラッキングコイルと、
    上記一方及び他方の側面に設けられた上記フォーカスコイル及び上記トラッキングコイルに対向して配置されるマグネットと、
    上記一方の側面に設けられたトラッキングコイルと、上記他方の側面に設けられたトラッキングコイルとに、それぞれ独立して駆動電流を供給する駆動電流供給手段とを備え、
    上記一方の側面に設けられたトラッキングコイルと、上記他方の側面に設けられたトラッキングコイルとには、それぞれ上記レンズホルダの上記フォーカス方向及び上記トラッキング方向の位置に応じて決定された駆動電流が供給される光ピックアップ。
  2. 上記一方の側面に設けられたトラッキングコイルと、上記他方の側面に設けられたトラッキングコイルとには、それぞれ上記レンズホルダの上記フォーカス方向及び上記トラッキング方向の位置に応じて変化する上記一方の側面に設けられたトラッキングコイルと、上記他方の側面に設けられたトラッキングコイルとに対する上記マグネットによる磁界の影響による駆動力の差、上記トラッキングコイルの配置誤差及び製造誤差による上記一方の側面に設けられたトラッキングコイルと上記他方の側面に設けられたトラッキングコイルとの駆動力の差、又は上記トラッキングコイルの駆動推力の中心と上記レンズホルダの重心とのずれにより発生する上記フォーカス方向の軸回り方向の回転力、のいずれか一又は複数を打ち消すように決定された駆動電流が供給される請求項記載の光ピックアップ。
  3. 上記駆動電流供給手段は、上記一方の側面に設けられたフォーカスコイルと、上記他方の側面に設けられたフォーカスコイルとに、それぞれ独立して駆動電流を供給し、
    上記一方の側面に設けられたフォーカスコイルと、上記他方の側面に設けられたフォーカスコイルとには、それぞれ上記レンズホルダの上記フォーカス方向及び上記トラッキング方向の位置に応じて決定された駆動電流が供給される請求項記載の光ピックアップ。
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