JP2008176897A - 光ピックアップ及び光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑な調整工程を設けることなく、高いサーボ安定性を有する光ピックアップ及び光ディスク装置を提供する。
【解決手段】レンズホルダをフォーカス方向F及びトラッキング方向Tに移動可能に支持する支持体3と、支持体3をベース8に対して支持する弾性支持部材4とを備え、弾性支持部材4は、支持体3のトラッキング方向Tの一方側を支持する第1及び第2の支持部41a,41bと、支持体3のトラッキング方向Tの他方側を支持する第3及び第4の支持部41c,41dとを有し、第1及び第2の支持部41a,41bは、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられ、第3及び第4の支持部41c,41dは、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられる。
【選択図】図5

Description

本発明は、光ディスクに情報信号の記録し、光ディスクに記録された情報信号の再生を行うために用いられる光ピックアップ及びこれを用いた光ディスク装置に関する。
従来、情報信号の記録媒体として、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクが用いられ、この種の光ディスクに情報信号の記録を行い、あるいは光ディスクに記録された情報信号の再生を行うために光ピックアップが用いられている。
このような光ピックアップは、光源から出射された光ビームを光ディスクの記録面上に合焦させるため、対物レンズをその光軸方向であるフォーカス方向に移動させるフォーカス用アクチュエータを備え、さらに、光ビームが光ディスクに設けた記録トラックを追従するようにするため、対物レンズをその光軸と直交する平面方向でのトラッキング方向に移動させるトラッキング用アクチュエータとを備えている。すなわち、光ピックアップは、対物レンズをフォーカス方向とトラッキング方向との互いに直交する2軸方向に駆動変位させる2軸アクチュエータを備えている。
また、光ディスクの高記録密度化に伴って、光ディスクの記録面に形成される光スポットの形状をより正確な円形とするため、フォーカス方向及びトラッキング方向への変位に加えて、対物レンズの光軸を光ディスクの傾きに追従して傾けるチルト方向への駆動変位を可能とした3軸アクチュエータを備えた光ピックアップも提案されている。
上述した2軸又は3軸アクチュエータを備える光ピックアップとして、図19に示すような複数の対物レンズ221,222を搭載したレンズホルダ202と、このレンズホルダ202を複数の支持アーム206を介してフォーカス方向F及びトラッキング方向Tに移動可能に支持する支持体203と、この支持体203をベースに対して弾性支持する弾性支持部材204とを備える光ピックアップ201がある。尚、2軸に対物レンズを駆動変位させる場合においては、弾性支持部材204を設けず、支持体203を完全に固定するように構成してもよい。
かかる光ピックアップ201は、例えば、レンズホルダ202に図示しないフォーカスコイルとトラッキングコイルとが取り付けられ、これらのコイルの対向面に図示しないマグネットが取り付けられ、これらのコイルに通電することで発生する電磁力によりフォーカス及びトラッキング動作を行う。さらに、対物レンズの光軸を光ディスクの半径方向の傾きに追従して傾ける所謂ラジアルチルト用のコイル及びマグネットを取り付け、このコイルに通電することで発生する電磁力により弾性支持部材204を変形させることによりラジアルチルト方向Ti1への駆動変位も可能とする。
ここで、かかる光ピックアップの固有振動数は、一般的に2kHz〜5kHzであり、かかる光ピックアップにおいて、固有振動による伝達特性の乱れがサーボ安定性を阻害する可能性があり、すなわち、このような固有振動による共振が発生することによるサーボ特性の劣化が問題となっていた。
従来の光ピックアップにおいて、このような問題を解消するために、マグネットの位置等を調整することで固有振動を抑えて、フォーカス方向、トラッキング方向等の各方向の駆動力を安定させるように構成していたが、この調整として極めて高い精度が要求されるため、組立工程、調整工程が複雑となっていた。
特開平9−44879号公報
本発明の目的は、複雑な調整工程を設けることなく、固有振動を抑えて高いサーボ安定性を有する光ピックアップ及び光ディスク装置を提供することにある。
この目的を達成するため、本発明に係る光ピックアップは、回転駆動される光ディスクの信号記録面に光ビームを集光する対物レンズが取り付けられ、上記対物レンズの光軸と平行なフォーカス方向と、上記対物レンズの光軸方向と直交するトラッキング方向とに移動されるレンズホルダと、上記レンズホルダに対して上記フォーカス方向及び上記トラッキング方向と直交するタンジェンシャル方向に間隔を有して配置され、上記レンズホルダを上記フォーカス方向及び上記トラッキング方向に移動可能に支持する支持体と、上記支持体をベースに対して支持する弾性支持部材とを備え、上記弾性支持部材は、上記支持体のトラッキング方向の一方側を支持する第1及び第2の支持部と、上記支持体のトラッキング方向の他方側を支持する第3及び第4の支持部とを有し、上記第1及び第2の支持部は、上記支持体を支持する一端側から上記ベースに固定される他端側に向かって互いの間隔を上記タンジェンシャル方向に拡げるように傾斜して設けられ、上記第3及び第4の支持部は、上記支持体を支持する一端側から上記ベースに固定される他端側に向かって互いの間隔を上記タンジェンシャル方向に拡げるように傾斜して設けられている。
また、本発明に係る光ディスク装置は、光ディスクを保持して回転駆動する駆動手段と、上記駆動手段によって回転駆動する光ディスクに対し情報信号の記録又は再生行う光ビームを照射するとともに、上記光ディスクから反射される反射光ビームを検出する光ピックアップとを有する光ディスク装置であり、この光ディスク装置に用いる光ピックアップとして、上述したようなものを用いたものである。
本発明は、サーボ特性を劣化させることなく固有振動を抑えるための複雑な調整工程を省くことができ、工程の簡素化、低コスト化を実現するとともに良好なサーボ特性を得ることを可能とする。
以下、本発明を適用した光ピックアップを用いた光ディスク装置について、図面を参照して説明する。
本発明を適用した光ディスク装置101は、図1に示すように、CD、DVD、CD−R、DVD±R、DVD−RAM等の光記録媒体としての光ディスク102を回転駆動する駆動手段としてのスピンドルモータ103と、光ピックアップ1と、光ピックアップ1をその半径方向に移動させる駆動手段としての送りモータ105とを備えている。ここで、スピンドルモータ103は、システムコントローラ107及び制御回路部109により所定の回転数で駆動するように制御されている。
信号変復調部及びECCブロック108は、信号処理部120から出力される信号の変調、復調及びECC(エラー訂正符号)の付加を行う。光ピックアップ1は、システムコントローラ107及び制御回路部109からの指令に従って回転する光ディスク102の信号記録面に対して光ビームを照射する。このような光ビームの照射により光ディスク102に対する情報信号の記録が行われ、光ディスクに記録された情報信号の再生が行われる。
また、光ピックアップ1は、光ディスク102の信号記録面から反射される反射光ビームに基づいて、後述するような各種の光ビームを検出し、各光ビームから得られる検出信号を信号処理部120に供給するように構成されている。
信号処理部120は、各光ビームを検出して得られる検出信号に基づいて各種のサーボ用信号、すなわち、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号を生成し、さらに、光ディスクに記録された情報信号であるRF信号を生成する。また、再生対象とされる記録媒体の種類に応じて、制御回路部109、信号変調及びECCブロック108等により、これらの信号に基づく復調及び誤り訂正処理等の所定の処理が行われる。
ここで、信号変調及びECCブロック108により復調された記録信号が、例えばコンピュータのデータストレージ用であれば、インタフェース111を介して外部コンピュータ130等に送出される。これにより、外部コンピュータ130等は光ディスク102に記録された信号を再生信号として受け取ることができるように構成されている。
また、信号変調及びECCブロック108により復調された記録信号がオーディオ・ビジュアル用であれば、D/A、A/D変換器112のD/A変換部でデジタル/アナログ変換され、オーディオ・ビジュアル処理部113に供給される。そして、このオーディオ・ビジュアル処理部113でオーディオ・ビデオ信号処理が行われ、オーディオ・ビジュアル信号入出力部114を介して外部の撮像・映写機器に伝送される。
光ピックアップ1には、送りモータ105が接続されている。光ピックアップ1は、送りモータ105の回転によって光ディスク102の径方向に送り操作され、光ディスク102上の所定の記録トラックまで移動される。スピンドルモータ103の制御と、送りモータ105の制御と、光ピックアップ1の対物レンズをその光軸方向のフォーカス方向F及び光軸方向と直交するトラッキング方向Tへ移動変位させるアクチュエータの制御は、それぞれ制御回路部109により行われる。
すなわち、制御回路部109は、スピンドルモータ103の制御を行い、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号に基づいてアクチュエータの制御を行う。
また、制御回路部109は、信号処理部120から入力されるフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、RF信号などに基づいて、後述するトラッキングコイル11a〜11c及びフォーカスコイル12a〜12d(図4参照)に供給するための駆動信号(駆動電流)をそれぞれ生成するように構成されている。
また、レーザ制御部121は、光ピックアップ1におけるレーザ光源を制御するものである。
尚、ここでフォーカス方向Fとは、光ピックアップ1の対物レンズ21,22(図2参照)の光軸方向をいい、タンジェンシャル方向Tzとはフォーカス方向Fと直交する方向であって光ディスク装置101の円周のタンジェンシャル方向Tzと平行する方向をいい、トラッキング方向Tとはフォーカス方向F及びタンジェンシャル方向Tzと直交する方向をいう。また、対物レンズ21,22の光軸と、この光軸を通り光ディスク102の半径方向(トラッキング方向T)に延在する仮想線とのなす角度が90度に対してずれている差分の角度をラジアル方向のチルト角という。また、対物レンズ21,22の光軸と、この光軸を通りタンジェンシャル方向Tzに延在する仮想線とのなす角度が90度に対してずれている差分の角度をタンジェンシャル方向のチルト角という。
また、光ディスク装置101には、スピンドルモータ103に装着された光ディスク102の傾きを検出する傾き検出センサが設けられている。傾き検出センサによって検出された検出信号は、制御回路部109に供給される。制御回路部109は、傾き検出信号に基づいてチルト角制御信号を出力し、後述する第1及び第2の駆動手段5,6に供給する。第1及び第2の駆動手段5,6は、チルト角制御信号に応じた駆動電流により対物レンズ21,22を駆動変位させてチルト角の調整を行う。
次に、本発明が適用された光ピックアップ1について詳細に説明する。
光ピックアップ1は、波長を異にする複数種類の光ビームを選択的に用いて情報信号の記録又は再生が行われる複数種類の光ディスク102に対して、情報信号の記録及び/又は再生を行う光ディスク装置に用いられるものであり、具体的には、波長400〜410nm程度の光ビームを用いて情報信号の記録又は再生が行われる第1の光ディスクと、波長650〜660nm程度の光ビームを用いて情報信号の記録又は再生が行われる第2の光ディスクと、波長760〜800nm程度の光ビームを用いて情報信号の記録又は再生が行われる第3の光ディスクとに対して情報信号の記録及び/又は再生を行うものとして説明する。
尚、以下では、光ピックアップ1を異なる3種類の光ディスクに対して、情報信号の記録及び/又は再生を行うものとして説明するが、これに限られるものではなく、異なる複数種類又は1種類の光ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行うものであってもよい。
本発明が適用された光ピックアップ1は、上述した異なる波長の複数種類の光ビームを出射する光源としての半導体レーザと、光ディスク102の信号記録面から反射される反射光ビームを検出する光検出素子としてのフォトダイオードと、半導体レーザからの光ビームを光ディスク102に導くとともに、光ディスク102で反射した光ビームを光検出素子に導く光学系とを有している。
この光ピックアップ1は、図2及び図3に示すように、光ディスク装置101の筐体内で光ディスク102の半径方向に移動可能に設けられた取り付け基台上に設けられている。
また、光ピックアップ1は、図2乃至図4に示すように光源から出射された光ビームを集光して光ディスクに照射する複数の対物レンズ21,22を支持するレンズホルダ2と、レンズホルダ2からタンジェンシャル方向Tzに間隔をおいて配置され取り付け基台に取り付けられた支持体3とを備える。この第1及び第2の対物レンズ21,22は、光ピックアップ1の光学系の一部を構成している。
ここで、第1の対物レンズ21は、例えば、波長を400〜410nmとする光ビームを第1の光ディスクに集光させるために用いられ、第2の対物レンズ22は、波長を650〜660nmとする光ビームと波長を760〜800nmとする光ビームとを第2又は第3の光ディスクに集光させるために用いられる。また、第1及び第2の対物レンズ21,22は、タンジェンシャル方向Tzに並列して配置されている。ここで、第1の対物レンズ21は、後述する支持アーム7a〜7dの固定部側である支持体3側に位置して設けられ、第2の対物レンズ22は、レンズホルダ2の先端側に位置して設けられる。
尚、光ピックアップ1では、タンジェンシャル方向Tzに並んで配置される複数の対物レンズ21,22を備えるように構成したが、対物レンズの数及び配置はこれに限られるものではなく、例えば複数の対物レンズをラジアル方向(トラッキング方向T)に配置するように構成してもよく、また、1つの対物レンズのみを備えるように構成してもよい。
レンズホルダ2は、図2及び図3に示すように、第1及び第2の対物レンズ21,22の外周面側を囲むように設けられ、第1及び第2の対物レンズ21,22を対物レンズの光軸と平行なフォーカス方向Fと、光軸と直交するトラッキング方向Tとに移動可能に支持している。
レンズホルダ2のフォーカス方向F及びトラッキング方向Tに直交するタンジェンシャル方向Tzに相対向する側面には、図2、図3及び図4に示すように、光ディスク102の略半径方向であるトラッキング方向Tに駆動力を発生させる第1乃至第3のトラッキングコイル11a,11b,11cと、光ディスク102に近接及び離間する方向であるフォーカス方向Fに駆動力を発生させる第1乃至第4のフォーカスコイル12a,12b,12c,12dとが取り付けられている。ここで、第1及び第2のトラッキングコイル11a,11b並びに第1及び第2のフォーカスコイル12a,12bは、レンズホルダ2の一方の側面である先端側の側面に設けられており、第3のトラッキングコイル11c並びに第3及び第4のフォーカスコイル12c,12dは、レンズホルダ2の他方の側面である基端部側の側面に設けられている。また、第1及び第2のフォーカスコイル12a,12bは、トラッキング方向Tに並んで一対に配置され、第3及び第4のフォーカスコイル12c,12dは、トラッキング方向Tに並んで一対に配置される。また、第1及び第4のフォーカスコイル12a,12dは、トラッキング方向Tの一方の側に配置され、第2及び第3のフォーカスコイル12b,12cは、トラッキング方向Tの他方の側に配置されている。
レンズホルダ2のトラッキング方向Tに離間した両側面には、それぞれフォーカス方向Fに間隔をおいて一対ずつの支持アーム7a,7b及び支持アーム7c、7dを支持するアーム支持部24が設けられている。この支持アーム7a〜7dは、レンズホルダ2を支持体3に対してフォーカス方向T及びトラッキング方向Tに移動可能に支持するレンズホルダ支持手段として機能する。
そして、レンズホルダ2と図示しない取り付け基台との間には、図2及び図3に示すように、ヨーク18が配設されている。ヨーク18は、ベース8に取り付けられ取り付け基台に固定されている。このヨーク18のほぼ中央部には、第1及び第2の対物レンズ21,22に入射する光ビームを透過するための開口部が設けられている。
ヨーク18のタンジェンシャル方向Tzの両側には、図2及び図3に示すように、第1及び第2の対物レンズ21,22を挟んで相対向するように一対のヨーク片18a,18bが立ち上がり形成される。各ヨーク片18a,18bの相対向する面には、第1及び第2のマグネット13A,13B、並びに第3のマグネット14が取り付けられている。ここで、第1及び第2のマグネット13A,13Bは、可動部側すなわちレンズホルダ2の先端側に配置され、第3のマグネット14は、固定部側すなわち支持体3側に配置されている。
第1及び第2のマグネット13A,13Bは、図2、図3及び図4(a)に示すように、レンズホルダ2に対してタンジェンシャル方向Tzに対向して配置され、それぞれの領域内で磁化方向をタンジェンシャル方向Tzのいずれか一方に向けて着磁された第1乃至第3の分割領域13c,13d,13e、第4乃至第6の分割領域13f,13g,13hを有する。
ここで、第1乃至第3の分割領域13c〜13eにおいて、第1の分割領域13cは、略矩形状に形成され、そのレンズホルダ2側の面がN極となるように着磁されている。第2の分割領域13dは、略矩形状に形成され、第1の分割領域13cのトラッキング方向Tに隣接して配置され、第1の分割領域13cと反対方向に着磁され、すなわち、そのレンズホルダ2側の面がS極となるように着磁されている。第3の分割領域13eは、略矩形状に形成され、第1の分割領域13cのフォーカス方向Fに隣接して配置され、第1の分割領域13cと反対方向に着磁され、すなわち、そのレンズホルダ2側の面がS極となるように着磁されている。第4乃至第6の分割領域13f〜13hは、それぞれ、フォーカス方向Fに対して、第1乃至第3の分割領域13c〜13eと対称形状となるように形成、配置及び着磁されている。
尚、上述した第1及び第2のマグネット13A,13Bの第1乃至第4の分割領域のS極、N極は、これに限られるものではなく、例えば、逆であってもよい。
第3のマグネット14は、図2、図3及び図4(b)に示すように、レンズホルダ2に対して第1及び第2のマグネット13A,13Bと反対側にタンジェンシャル方向Tzに対向して配置され、それぞれの領域内で磁化方向をタンジェンシャル方向Tzのいずれか一方に向けて着磁された第7乃至第10の分割領域14a,14b,14c,14dを有する。
ここで、第7乃至第10の分割領域14a〜14dは、それぞれ略矩形状とされており、第7の分割領域14aと第8の分割領域14bとがトラッキング方向Tに隣接して配置され、第9の分割領域14cが第7の分割領域14aのフォーカス方向Fに隣接して配置され、第10の分割領域14dが第8の分割領域14bのフォーカス方向Fに隣接して配置され、第7及び第10の分割領域14a,14dがそのレンズホルダ2側の面がN極となるように着磁され、第8及び第9の分割領域14b,14cがそのレンズホルダ2側の面がS極となるように着磁されている。
尚、上述した第3のマグネット14の第7乃至第10の分割領域のS極、N極は、逆であってもよい。
上述したように、第1乃至第3のマグネット13A,13B,14は、レンズホルダ2の相対向する側面にそれぞれ取り付けられたトラッキングコイル11a〜11c及びフォーカスコイル12a〜12dに相対向されており、対向して配置される各コイルに所定の磁界を与える。
トラッキングコイル11a〜11cは、図4(a)及び図4(b)に示すように、それぞれ、第1のマグネット13Aの第1及び第2の分割領域13c,13dと、第2のマグネット13Bの第4及び第5の分割領域13f,13gと、第3のマグネット14の第7及び第8の分割領域14a,14bと、に対向する位置に配置され、これらの分割領域により形成された磁界と、各コイルに流される電流の向き、大きさとにより、トラッキング方向Tに駆動力を発生させる。
フォーカスコイル12a〜12dは、図4(a)及び図4(b)に示すように、それぞれ、第1のマグネット13Aの第1及び第3の分割領域13c,13eと、第2のマグネット13Bの第4及び第6の分割領域13f,13hと、第3のマグネット14の第7及び第9の分割領域14a,14cと、第3のマグネット14の第8及び第10の分割領域14b,14dと、に対向する位置に配置され、これらの分割領域により形成された磁界と、各コイルに流される電流の向き、大きさとにより、フォーカス方向Fに駆動力を発生させる。
このように、トラッキングコイル11a,11b、フォーカスコイル12a,12bに第1及び第2のマグネット13A,13Bが対向され、トラッキングコイル11c、フォーカスコイル12c,12dに第3のマグネット14が対向されることにより、各トラッキングコイル11a〜11cにトラッキング用の駆動電流が供給されると、各トラッキングコイルに供給された駆動電流と各マグネット13A,13B,14からの磁界との相互作用によってレンズホルダ2をトラッキング方向Tに駆動変位させ、各フォーカスコイル12a〜12dにフォーカス用の駆動電流が供給されると、フォーカスコイルに供給された駆動電流と各マグネット13A,13B,14からの磁界との相互作用によってレンズホルダ2をフォーカス方向Fに駆動変位させる。
その結果、レンズホルダ2に支持された第1及び第2の対物レンズ21,22が、フォーカス方向F又はトラッキング方向Tに駆動変位され、第1及び第2の対物レンズ21,22を介して光ディスク102に照射される光ビームが光ディスク102の信号記録面に合焦するように制御されるフォーカス制御が行われ、光ビームが光ディスク102に形成された記録トラックを追従するように制御されるトラッキング制御が行われる。
支持体3は、図2及び図3に示すように、レンズホルダ2に対してトラッキング方向Tに沿った長さと、フォーカス方向Fに沿った高さとを有している。
支持体3のトラッキング方向Tに離間した両側面には、それぞれフォーカス方向Fに間隔をおいて一対ずつの支持アーム7a,7b及び支持アーム7c,7dを支持するアーム支持部31が設けられている。支持体3の背面側には、図示しないプリント配線基板が取り付けられている。このプリント配線基板には、制御回路部109からフォーカス用の駆動電流とトラッキング用の駆動電流が供給される。
そして、レンズホルダ2のトラッキング方向Tにおける両側のアーム支持部24と、支持体3のトラッキング方向Tにおける両側のアーム支持部31とは、それぞれ一方及び他方の一対ずつの支持アーム7a,7b,7c,7dで連結されている。一方及び他方の各支持アーム7a,7b,7c,7dは、図2に示すように、フォーカス方向Fに間隔をおいて互いに平行に設けられ、支持体3に対してレンズホルダ2をフォーカス方向Fとトラッキング方向Tとに移動可能に支持している。これら各支持アーム7a,7b,7c,7dは、導電性を有するとともに、弾性を有する線状部材により構成されている。
支持体3の一方の側に配設された一対の支持アーム7a,7bは、そのレンズホルダ2側の端部が、フォーカスコイル12a〜12dに設けられた接続端子に半田付けなどで接続され、支持体3側の端部が、プリント配線基板に設けた導電パターンに接続されている。これにより、制御回路部109からのフォーカス用の駆動電流が支持アーム7a,7bを介してフォーカスコイル12a〜12dに供給される。
同様に、支持体3の他方の側に配設された支持アーム7c,7dは、そのレンズホルダ2側の端部が、トラッキングコイル11a〜11cに設けられた接続端子に半田付けなどで接続され、支持体3側の端部が、プリント配線基板に設けた導電パターンに接続されている。これにより、制御回路部109からのトラッキング用の駆動電流が支持アーム7c,7dを介してトラッキングコイル11a〜11cに供給される。
尚、ここでは、4本の支持アーム7a〜7dを設けることで、レンズホルダ2を移動可能に支持するレンズホルダ支持手段として機能させるとともに、駆動電流供給手段として機能させたが、支持アームの数はこれに限られるものではなく、駆動線等の他の駆動電流供給手段を設けるようにしてもよい。例えば、支持アームを2本追加、又は他の駆動線等を追加することで、後述のように、フォーカスコイル12a〜12dのうち選択された2つのフォーカスコイルと、残りの2つのフォーカスコイルとにそれぞれ独立した駆動電流を供給するように構成してもよく、さらに、支持アーム又は他の駆動線を追加することで、各フォーカスコイル12a〜12dにそれぞれ独立した駆動電流を供給するように構成してもよい。
第1及び第2の対物レンズ21,22が取り付けられたレンズホルダ2は、支持アーム7a〜7dの延長方向において、第1及び第2の対物レンズ21,22の光軸間の中間部分の両側を支持アーム7a〜7dによって支持されている。すなわち、レンズホルダ2は、第1及び第2の対物レンズ21,22の光軸間の中間部分の両側に設けたアーム支持部24に支持アーム7a〜7dの先端部を固定することによって、少なくともフォーカス方向F及びトラッキング方向Tの2軸方向に変位可能に支持される。
尚、レンズホルダ2の支持アーム7a〜7dの先端部によって支持される位置には、トラッキングコイル11a〜11c及びフォーカスコイル12a〜12dを取り付けたレンズホルダ2の重心の両側に位置することが望ましい。このような位置が支持されることにより、第1及び第2の対物レンズ21,22は、捩れ等を生じさせることなくフォーカス方向F及びトラッキング方向Tに安定して変位可能となる。
そして、本発明を適用した光ピックアップ1は、図2に示すように、左右一対ずつの支持アーム7a〜7dを介してレンズホルダ2を支持した支持体3をベース8に対して傾動可能に支持する弾性支持部材4と、弾性支持部材4に傾動可能に支持された支持体3を光ディスク102の傾きに応じてタンジェンシャル方向Tzを軸とした軸回り方向であるラジアルチルト方向Ti1に傾斜させる第1の駆動手段5と、弾性支持部材4に傾動可能に支持された支持体3を光ディスク102の傾きに応じてトラッキング方向(ラジアル方向)Tを軸とした軸回り方向であるタンジェンシャルチルト方向Ti2に傾斜させる第2の駆動手段6とを備える。
そして、弾性支持部材4は、少なくとも第1乃至第4の支持部を有し、この第1乃至第4の支持部は、トラッキング方向(ラジアル方向)Tから見て支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられている。
また、弾性支持部材4は、フォーカス方向Fと、トラッキング方向Tと、タンジェンシャル方向Tzとを軸とした3軸のそれぞれの回転方向の固有振動モードにおける固有振動数が、光ディスク102の回転周波数より大きく、且つレンズホルダ2を駆動変位したときのサーボ安定性を阻害しない程度に小さい周波数となるように形成されている。尚、以下では、例えば、回転周波数80Hz程度(光ディスクの回転数:5000rpm)として、サーボ制御に用いられる周波数帯域が1.5kHz〜40kHz程度として説明するが本発明を適用した光ピックアップを構成する弾性支持部材はこれに限られるものではない。すなわち、弾性支持部材は、後述する具体的構成により、所望の周波数が得られるものであり、サーボ制御に用いられる周波数帯域より小さい周波数で、且つ、回転周波数より大きい周波数となるように構成されるものである。尚、ここで、サーボ制御に用いられる周波数帯域とは、サーボ特性を安定させるための条件が厳しい領域である。
具体的には、光ピックアップ全体の、タンジェンシャル方向Tzを軸とした軸回り方向の固有振動モードにおける固有振動数Xro1、トラッキング方向Tを軸とした軸回り方向の固有振動モードにおける固有振動数Yro1、フォーカス方向Fを軸とした軸回り方向の固有振動モードにおける固有振動数Zro1がそれぞれ80Hz〜1500Hzとなるように弾性支持部材4が形成されている。
ここで、タンジェンシャル方向Tzを軸とした軸回り方向の固有振動モードにおける固有振動数としては、タンジェンシャル方向Tzから見て可動部であるレンズホルダ2の回転方向(傾斜方向)と同方向に支持体3が回転(傾斜)するモード(図11(a)参照)における上述の固有振動数Xro1と、これに対し、タンジェンシャル方向Tzから見てレンズホルダ2の回転(傾斜)方向と反対方向に支持体3が回転(傾斜)するモード(図11(b)参照)における固有振動数Xro2とがある。この固有振動数Xro1が、上述のように80Hz〜1500Hzとなるように構成されることで高いサーボ安定性を実現する。なお、固有振動数Xro2が80Hz〜1500Hzの範囲内であることは要求されないが、この範囲内であればさらに高いサーボ安定性を実現する。
また、トラッキング方向Tを軸とした軸回り方向の固有振動モードにおける固有振動数としては、トラッキング方向Tから見て可動部であるレンズホルダ2の回転方向と同方向に支持体3が回転するモード(以下、「回転モード」ともいう。)(図12(a)参照)における上述の固有振動数Yro1と、これに対し、トラッキング方向Tから見てレンズホルダ2の回転方向と反対方向に支持体3が回転するモード(以下、「タンジェンシャル方向の併進モード」ともいう。)(図12(b)参照)における固有振動数Yro2とがある。この固有振動数Yro1が、上述のように80Hz〜1500Hzとなるように構成されることで高いサーボ安定性を実現する。また、固有振動数Yro2が、1.5kHz(1500Hz)以上とされることで弾性支持部材自体のタンジェンシャル方向Tzの剛性を高めることができ望ましい。ここで、このタンジェンシャル方向の併進モードにおいては、レンズホルダ2の回転及び変位にしたがって、弾性支持部材4がレンズホルダ2の変位方向と同方向に併進して変位されるとともに、弾性支持部材4に支持された支持体3がレンズホルダ2の回転方向と反対方向に回転(傾斜)することとなる。
そして、このタンジェンシャル方向の併進モードの固有振動数Yro2が1.5kHzとされた弾性支持部材4は、弾性支持部材4自体のレンズホルダ2に対してタンジェンシャル方向Tzである併進方向の剛性が高くなることを意味するものである。すなわち、固有振動数Yro2が1.5kHz以上とされた弾性支持部材4は、レンズホルダ2がフォーカス方向F及び/又はトラッキング方向Tに駆動された際の、弾性支持部材4に支持された支持体3及びレンズホルダ2のタンジェンシャル方向Tzの変位を抑えることを実現する。
また、フォーカス方向Fを軸とした軸回り方向の固有振動モードにおける固有振動数としては、フォーカス方向Fから見て可動部であるレンズホルダ2の回転方向(傾斜方向)と同方向に支持体3が回転(傾斜)するモードにおける上述の固有振動数Zro1と、これに対し、フォーカス方向Fから見てレンズホルダ2の回転方向(傾斜方向)と反対方向に支持体3が回転(傾斜)するモードにおける固有振動数Zro2とがある。この固有振動数Zro1が、上述のように80Hz〜1500Hzとなるように構成されることで高いサーボ安定性を実現する。尚、固有振動数Zro2は、サーボ安定性には大きな影響を与えない。
具体的には、弾性支持部材4は、図3、図5及び図6に示すように、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をトラッキング方向Tに拡げるように傾斜して設けられた板状の一対の脚片41,41を有しており、この脚片41,41により、支持体3をベース8に対してタンジェンシャル方向Tzを軸とした軸回り方向であるラジアルチルト方向Ti1に傾動可能に支持するものである。
また、一対の脚片41、41は、図6に示すように、それぞれの一端側に延長した仮想延長線の交点O1のトラッキング方向T及びフォーカス方向Fの位置が、レンズホルダ2に加えられるトラッキング方向Tの駆動力の駆動中心のトラッキング方向T及びフォーカス方向Fの位置と略同じ位置となるように形成されている。ここで、トラッキング方向Tの駆動力の駆動中心の位置は、第1乃至第3のトラッキングコイル11a〜11cの駆動力を合わせた駆動合力の中心の位置をいい、ここでは、駆動合力の中心の位置のトラッキング方向T及びフォーカス方向Fの位置は、ここでは第3のトラッキングコイル11cのトラッキング方向T及びフォーカス方向Fの駆動中心の位置と同じとなるようにされており、すなわち第3のトラッキングコイル11cの中心位置と同じとされている。
弾性支持部材4の一対の脚片41,41は、図5、図7及び図8に示すように、それぞれ板バネ部材、すなわち、弾性を有する例えば金属等からなる板状の部材からなり、切り抜き42,42が形成されることにより、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向けて形成される複数の支持片部41a〜41dが形成されるとともに、ベース8に固定される他端側に連接される舌片部41e,41fが形成される。
ここで、複数の支持片部41a〜41dは、上述した第1乃至第4の支持部として機能する。すなわち、支持片部41a,41bは、支持体3のトラッキング方向Tの一方側を支持する第1及び第2の支持部として機能し、支持片部41c,41dは、支持体3のトラッキング方向Tの他方側を支持する第3及び第4の支持部として機能する。
そして、この複数の支持片部41a〜41dのうち、そのタンジェンシャル方向Tzの両側に位置して設けられる第1及び第2の支持部として機能する支持片部41a,41bは、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かってタンジェンシャル方向Tzの互いの間隔を拡げるように傾斜して形成されている。また、複数の支持片部41a〜41dのうち、そのタンジェンシャル方向Tzの両側に位置して設けられる第3及び第4の支持部として機能する支持片部41c,41dは、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かってタンジェンシャル方向Tzの互いに間隔を拡げるように傾斜して形成されている。よって、弾性支持部材4は、この複数の支持片部41a〜41dにより、支持体3をベース8に対してトラッキング方向Tを軸とした軸回り方向であるタンジェンシャルチルト方向Ti2に傾動可能に支持するものである。
換言すると、一般的に上述のような一端側から他端側に向けて互いの間隔をトラッキング方向に拡げるように傾斜して設けられた一対の脚片からなる弾性支持部材では、その一対の脚片に切り抜きが形成されていない場合や、切り抜きが形成されていたとしても支持片部がタンジェンシャル方向に同じ間隔で平行に形成されていた場合に、この弾性支持部材により支持される支持体にタンジェンシャル方向に駆動力が発生されたとき、支持体をタンジェンシャル方向に平行移動させてしまう。これに対して、上述した構成とされた弾性支持部材4は、後述のタンジェンシャルチルトコイル53及び第5のマグネット54等によりタンジェンシャル方向Tzの駆動力を支持体3に発生させることで、それぞれ非平行とされた、タンジェンシャル方向Tzの一方の側に位置して設けられる41a,41cと、タンジェンシャル方向Tzの他方の側に位置して設けられる41b,41dとに異なる方向から力を加えるような状態となり異なる変形をさせることで、弾性支持部材4に支持された支持体3と、この支持体3に支持されたレンズホルダ2とを、タンジェンシャルチルト方向Ti2に変位させることを可能とする。
また、複数の支持片部41a〜41dは、タンジェンシャル方向Tzの両端に位置して設けられる、支持片部41a,41b及び支持片部41c,41dの一端側に向けた図7に示す仮想延長線の交点O2のフォーカス方向Fの位置が、対物レンズ21,22の主点の位置と略同じ位置になるように形成されている。尚、ここでは、支持片部41a,41bの一端側に向けた仮想延長線の交点と、支持片部41c,41dの一端側に向けた仮想延長線の交点とのフォーカス方向Fの位置は一致するようにされており、対物レンズ21の主点及び対物レンズ22の主点の位置は一致するようにされている。
また、第1乃至第4の支持部として機能する複数の支持片部41a〜41dは、上述したように配置される一対の脚片41,41に設けられていることから、タンジェンシャル方向Tzから見て支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をトラッキング方向Tに拡げるように傾斜して設けられる。
すなわち、複数の支持片部41a〜41dのうち、第1及び第3の支持部として機能する支持片部41a,41cは、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かってトラッキング方向Tの互いの間隔を拡げるように傾斜して形成されている。また、複数の支持片部41a〜41dのうち、第2及び第4の支持部として機能する支持片部41b,41dは、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かってトラッキング方向Tの互いの間隔を拡げるように傾斜して形成されている。このように、弾性支持部材4は、この複数の支持片部41a〜41dにより、支持体3をベース8に対してタンジェンシャル方向Tzを軸とした軸回り方向であるラジアルチルト方向Ti1に傾動可能に支持するものである。
このように、弾性支持部材4は、上述のように、一対の脚片41を支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向けてトラッキング方向Tの互いの間隔を拡げるように傾斜して設けていることから支持体3をベース8に対してラジアルチルト方向Ti1に傾動可能に支持するとともに、一対の脚片41に設けられたタンジェンシャル方向Tzの両側に位置して設けられる支持片部41a,41b及び支持片部41c,41dが、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向けてそれぞれタンジェンシャル方向Tzの互いの間隔を拡げるように傾斜して形成されていることから支持体3をベース8に対してタンジェンシャルチルト方向Ti2に傾動可能に支持する。
すなわち、弾性支持部材4の一対の脚片41,41には、図8に示すように、一端側から他端側に向けて形成される一対の切り抜き部42a,42bと、この一対の切り抜き部42a,42bに直交するタンジェンシャル方向Tzに形成されこの一対の切り抜き部42a,42bを連結する切り抜き部42cとからなる切り抜き42,42が形成される。そして、一方の脚片41は、この切り抜き42により形成される第1及び第2の支持片部41a,41bと、第1の舌片部41eとを有する。他方の脚片41は、この切り抜き42により形成される第3及び第4の支持片部41c,41dと、第2の舌片部41fとを有する。また、脚片41の支持体3に取り付けられる一端側と、ベース8に取り付けられる他端側とには、それぞれ支持体3及びベース8に固定ネジにより取り付けるためのネジ孔43が設けられている。
弾性支持部材4は、上述のような支持片部41a〜41dが形成された脚片41を所定の角度で設けることにより、フォーカス方向F、トラッキング方向T、ラジアルチルト方向Ti1及びタンジェンシャルチルト方向Ti2の各方向に対して適切な固有振動数とすることができ、各方向に対して良好な駆動変位を可能とし、不要共振を低減して良好なサーボ特性を可能とするものである。また、この弾性支持部材4の一対の脚片41,41に形成された第1及び第2の舌片部41e,41fに、不要共振のゲインを低減するためのダンプ剤を付与されるように構成してもよい。
尚、ここでさらに、ベース8に取り付けられたヨーク18のヨーク片18bと、支持体3との対向する面にダンプ剤を設けるように構成してもよく、このダンプ剤を設けた場合には、さらに不要共振のゲインを低減できる。また、このベース8と支持体3との間に設けられるダンプ剤は、これに限られるものではなく、ベース8と一体に立ち上げられた部材又はベース8に固定される部材と支持体3との間に設けるように構成してもよく、また、ベース8と支持体3の下部との間に設けるように構成してもよい。
尚、ここでは、弾性支持部材4の脚片41に、ベース8に固定される他端側に連接される舌片部41e,41fを形成するように構成したが、支持体3を支持する一端側に連接される舌片部を形成するように構成してもよい。
弾性支持部材4は、一対の脚片41,41の一端側が支持体3の脚片取付部44に取り付けられ、他端側がベース8の脚片取付部45に取り付けられる。弾性支持部材4は、このように支持体3及びベース8に固定されて、支持体3をベース8に対して傾動可能に支持する。ここで、弾性支持部材4は、脚片取付部44及び脚片取付部45に固定ネジにより一体に固定されている。尚、ここでは、ネジ孔43及び固定ネジにより固定するように構成したが、これに限られるものではなく、接着剤等により固定してもよく、インサート成形等により一体に固定するように構成してもよい。
以上のように構成された弾性支持部材4は、支持体3のトラッキング方向Tの一方側を支持する第1及び第2の支持部として支持片部41a,41bと、支持体3のトラッキング方向Tの他方側を支持する第3及び第4の支持部として支持片部41c,41dとを有し、第1及び第2の支持部としての支持片部41a,41bが支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられ、第3及び第4の支持部としての支持片部41c,41dが支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられる構成、すなわち、少なくとも第1乃至第4の支持部を有し、この第1乃至第4の支持部がトラッキング方向Tから見て支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられる構成とすることで、上述した各方向の固有振動モードにおける固有振動数Xro1、Yro1,Zro1を低くするとともに、トラッキング方向Tを軸とした軸回り方向の固有振動モードのうちタンジェンシャル方向の併進モードにおける固有振動数Yro2を例えば1500Hz(1.5kHz)程度以上とすることを可能とし、これにより、例えば、固有振動数Xro1,Yro1,Zro1を例えば1500Hz程度より下げることで、サーボ制御に用いられる周波数より低い周波数とすることができ、サーボ制御により発生する固有振動による共振を防止することを可能とするとともに固有振動数Yro2を1.5Hz程度以上とすることで、併進方向の剛性を高くすることができ、これによりタンジェンシャル方向Tzの変動を少なくすることができる。このように、弾性支持部材4は、光ピックアップのサーボ特性を劣化させることなく固有振動を抑えるための複雑な調整工程を省くことができ、工程の簡素化、低コスト化を実現するとともに光ピックアップの良好なサーボ特性を可能とする。
また、以上のように構成された弾性支持部材4は、光ディスクに対して情報の記録及び再生を行う光ピックアップにおいて、複雑な構成を設けることなく対物レンズを保持したレンズホルダ2のフォーカス方向F、トラッキング方向T並びにラジアルチルト方向Ti1及びタンジェンシャルチルト方向Ti2への安定した変位を可能とし、光ピックアップ及び光ディスク装置における収差を十分に低減することを可能とする。
すなわち、上述した従来の光ピックアップ201等では、フォーカス方向F及びトラッキング方向Tへの駆動変位に加えて、対物レンズの光軸を光ディスクの半径方向の傾きに追従して傾ける所謂ラジアルチルト方向Ti1への駆動変位を可能としていたが、その一方で、近年、複数波長に対応するためや、記録速度を向上させるために、収差をさらに厳しく管理することが求められ、対物レンズの光軸を光ディスクの円周方向の傾きに追従して傾ける所謂タンジェンシャルチルト方向への駆動変位を可能とする光ピックアップが望まれていた。しかし、従来の光ピックアップでは、このように収差を厳しく管理するために、対物レンズをレンズホルダに取り付ける際の製造許容値を極限まで厳しくしてタンジェンシャルチルト方向へのスキュー調整を行ったり、収差を低減するための液晶素子を設けること等により対応していた。また、フォーカス方向、トラッキング方向及びラジアルチルト方向に加えてタンジェンシャルチルト方向にも対物レンズを駆動する所謂4軸アクチュエータを有する光ピックアップも提案されているが、従来のものは対物レンズ及びこれを設けたレンズホルダを支持する具体的な支持方式が明確とされておらず、フォーカス方向、トラッキング方向、ラジアルチルト方向及びタンジェンシャルチルト方向の全ての方向への良好な駆動変位を可能とするものではなくサーボ特性や各方向の変位量の精度の観点から問題が多く、実現性の低いものであった。さらに、駆動方法が複雑で複数の広帯域(高い周波数特性を持つ)ドライバICを必要とする等の問題があった。
このような問題をも解決する光ピックアップ1を構成する弾性支持部材4は、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をトラッキング方向Tに拡げるように傾斜して設けられた一対の脚片41を有し、この一対の脚片41が、複数の支持片部41a〜41dを有し、この複数の支持片部41a〜41dのうちタンジェンシャル方向Tzの両側に位置して設けられる支持片部41a,41bが、一端側から他端側に向かって互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられており、また、タンジェンシャル方向Tzの両側に位置して設けられる支持片部41c,41dが、一端側から他端側に向かって互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられていることにより、支持体3をラジアルチルト方向Ti1及びタンジェンシャルチルト方向Ti2に傾動可能に弾性支持することを可能とする。
尚、ここでは、弾性支持部材4は、フォーカス方向F、トラッキング方向T、ラジアルチルト方向Ti1及びタンジェンシャルチルト方向Ti2に対物レンズを駆動可能な所謂4軸アクチュエータを有する光ピックアップ1に用いられる弾性支持部材として用いられるものとして説明したが、上述の光ピックアップのサーボ特性を劣化させることなく固有振動を抑えるための複雑な調整工程を省くことができ、工程の簡素化、低コスト化を実現すると共に光ピックアップの良好なサーボ特性を可能とする効果については、例えば、フォーカス方向F、トラッキング方向T及びラジアルチルト方向Ti1に対物レンズを駆動可能な所謂3軸アクチュエータを有する光ピックアップとして用いられた場合や、フォーカス方向F及びトラッキング方向Tに対物レンズを駆動可能な所謂2軸アクチュエータを有する光ピックアップとして用いられた場合にも、同様の効果を発揮することを可能とする。
弾性支持部材4は、剛体である支持体3を弾性体である各支持片部41a〜41dで弾性支持する構成、及びこの支持体3を介して支持アーム7a〜7dによりレンズホルダ2を弾性支持する構成により、レンズホルダ2を支持体3に対してフォーカス方向F及びトラッキング方向Tに変位可能に支持するとともに、この支持体3及びこれに支持されたレンズホルダ2をベース8に対してラジアルチルト方向Ti1及びタンジェンシャルチルト方向Ti2に変位可能に支持すること、すなわち、レンズホルダ2をフォーカス方向F、トラッキング方向T、ラジアルチルト方向Ti1及びタンジェンシャルチルト方向Ti2の4軸に駆動させることを可能とし、さらに、上述の剛体である支持体3を弾性体である支持片部41a〜41dで弾性支持することにより問題となる固有振動を上述のような各支持片部41a〜41dが少なくともトラッキング方向Tから見て支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かってタンジェンシャル方向Tzの間隔を拡げるように傾斜して設けられる構成とすることでサーボ特性の劣化の防止を可能とする。
また、弾性支持部材4は、切り抜き42が形成されることにより、すなわち、切り抜き42により形成された上述した第1乃至第4の支持片部41a〜41dにより支持体3を支持する構成とすることで、サーボ制御により発生する固有振動による共振を防止することを可能とする。
また、弾性支持部材4は、舌片部41e,41fを設けることにより、ダンピング機能が付加されており、タンプが効くことにより不要共振を防止して良好なサーボ制御を可能とする。
さらに、弾性支持部材4は、上述のように、舌片部41e,41fにダンプ剤を設けた場合には、このように固有振動数を下げることで、ダンプ剤の効果を高めることができ、不要共振のゲインを低減し、共振レベルを下げることでサーボ制御を容易にする。また、上述のように、ベース8と支持体3との間にもダンプ剤を設けた場合には、弾性支持部材4は、固有振動を下げることで、このダンプ剤の効果を高めることができ、共振レベルを下げてサーボ制御を容易にすることができる。
また、弾性支持部材4は、切り抜き42を形成する際に、第1乃至第4の支持片部41a〜41dの幅方向の寸法を小さくしすぎないように調整することで、各方向の固有振動数を光ディスクの回転周波数より高い周波数とすることができ、光ディスクを回転させるスピンドルモータからの振動による共振を防止することを可能とする。
また、弾性支持部材4は、図6を用いて上述したように、一対の脚片41,41の一端側に設けた延長線の交点O1のトラッキング方向T及びフォーカス方向Fの位置が、レンズホルダ2に加えられるトラッキング方向Tの駆動力の駆動中心の位置、すなわち、第3のトラッキングコイル11cの中心位置と略同じ位置となるように形成されていることから、トラッキング方向Tに駆動したときのローリング及びレンズの傾き(スキュー)を抑えることができる。
また、弾性支持部材4は、図7を用いて上述したように、タンジェンシャル方向Tzの両端に位置して設けられる支持片部41a〜41dの一端側に向けた延長線の交点O2のフォーカス方向Fの位置が、対物レンズ21,22の主点の位置と略同じ位置となるように形成されていることから、タンジェンシャルチルト方向Ti2に駆動したときの対物レンズ21,22の中心位置である主点位置のタンジェンシャル方向Tzの変位量を少なくすることができ、すなわち、このようにレンズシフト量を少なくすることができるので良好なサーボ特性を得ることができる。
尚、本発明を適用した光ピックアップを構成する弾性支持部材は、上述の図5及び図8に示す弾性支持部材4に限られるものではなく、例えば、図9に示すように一枚の板バネ部材に折り曲げ部を形成することで構成してもよい。尚、図9を用いて説明する弾性支持部材60は、上述した弾性支持部材4の脚片41とネジ孔43が設けられていないことを除いて同様の形状を有する脚片41,41を有するものとして、その構成については詳細な説明を省略する。
図9に示す弾性支持部材60は、所定の形状となるように幅方向の長さが異なる帯状の板バネ部材を折り曲げて形成したもので、支持体3に固定される支持体取付片64と、支持体取付片64の両端から延長されるとともに、上述と同様の構成とされた一対の脚片41,41と、これらの一対の脚片の先端部から延長されたベース8に取り付けるためのベース取付片65とが設けられている。支持体取付片64及びベース取付片65には、貫通穴64a,65aが設けられており、固定ネジによりそれぞれ支持体3及びベース8に固定される。
以上のように構成された弾性支持部材60は、上述した弾性支持部材4と同様に、少なくとも第1乃至第4の支持部として支持片部41a〜41dを有し、この第1乃至第4の支持部がトラッキング方向Tから見て支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられる構成とすることで、上述した各方向の固有振動モードにおける固有振動数Xro1、Yro1,Zro1を低くするとともに、トラッキング方向Tを軸とした軸回り方向の固有振動モードのうちタンジェンシャル方向の併進モードにおける固有振動数Yro2を例えば1500Hz(1.5kHz)程度以上とすることを可能とし、これにより、サーボ制御により発生する固有振動による共振を防止することを可能とするとともに、併進方向の剛性を高くしてタンジェンシャル方向Tzの変動を少なくすることができ、光ピックアップのサーボ特性を劣化させることなく固有振動を抑えるための複雑な調整工程を省くことができ、工程の簡素化、低コスト化を実現するとともに光ピックアップの良好なサーボ特性を可能とする。
また、弾性支持部材60は、上述した弾性支持部材4と同様に、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をトラッキング方向Tに拡げるように傾斜して設けられた一対の脚片41を有し、この一対の脚片41が、複数の支持片部41a〜41dを有し、タンジェンシャル方向Tzの両側に位置して設けられる支持片部41a,41b、及び支持片部41c,41dがそれぞれ、一端側から他端側に向かって互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられていることにより、支持体3をラジアルチルト方向Ti1及びタンジェンシャルチルト方向Ti2に傾斜可能に弾性支持することを可能とする。
尚、本発明を適用した光ピックアップを構成する弾性支持部材は、上述の図5及び図9に示す弾性支持部材4,60に限られるものではなく、例えば、図10に示すように構成してもよい。
図10に示す弾性支持部材70は、支持体3をベース8に対してラジアルチルト方向Ti1及びタンジェンシャルチルト方向Ti2に傾動可能に支持するものである。弾性支持部材70は、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かってタンジェンシャル方向Tzに互いの間隔を拡げるように傾斜して設けられた板状の一対の脚片71,71を有しており、この脚片71,71により、支持体3をベース8に対してトラッキング方向Tを軸とした軸回り方向であるタンジェンシャルチルト方向Ti2に傾動可能に支持するものである。
弾性支持部材70の一対の脚片71,71は、図10に示すように、それぞれ板バネ部材からなり、切り抜き72,72が形成されることにより、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向けて形成される複数の支持片部71a〜71dが形成されるとともに、ベース8に固定される他端側に連接される舌片部71e,71fが形成される。
そして、この複数の支持片部71a〜71dのうち、そのトラッキング方向Tの両側に位置して設けられる支持片部71a,71bが、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かってトラッキング方向Tの互いの間隔を拡げるように傾斜して形成され、また、トラッキング方向Tの両側に位置して設けられる支持片部71c,71dが、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かってトラッキング方向Tの互いの間隔を拡げるように傾斜して形成されている。よって、弾性支持部材70は、この複数の支持片部71a,71dにより、支持体3をベース8に対してタンジェンシャル方向Tzを軸とした軸回り方向であるラジアルチルト方向Ti1に傾動可能に支持するものである。
以上のように構成された弾性支持部材70は、上述した弾性支持部材4,60と同様に、支持体3のトラッキング方向Tの一方側を支持する支持部として支持片部71a,71cと、支持体3のトラッキング方向Tの他方側を支持する支持部として支持片部71b,71dとを有し、支持片部71a,71cが支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられ、支持片部71b,71dが支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられる構成、すなわち、少なくとも第1乃至第4の支持部として支持片部71a〜71dを有し、この第1乃至第4の支持部がトラッキング方向Tから見て支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられる構成とすることで、上述した各方向の固有振動モードにおける固有振動数Xro1,Yro1,Zro1を低くするとともに、トラッキング方向Tを軸とした軸回り方向の固有振動モードのうちタンジェンシャル方向の併進モードにおける固有振動数Yro2を例えば1500Hz(1.5kHz)程度以上とすることを可能とし、これにより、サーボ制御により発生する固有振動による共振を防止することを可能とするとともに、併進方向の剛性を高くしてタンジェンシャル方向Tzの変動を少なくすることができ、光ピックアップのサーボ特性を劣化させることなく固有振動を抑えるための複雑な調整工程を省くことができ、工程の簡素化、低コスト化を実現するとともに光ピックアップの良好なサーボ特性を可能とする。
また、弾性支持部材70は、上述した弾性支持部材4,60と同様に、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられた一対の脚片71を有し、この一対の脚片71が、複数の支持片部71a〜71dを有し、トラッキング方向Tの両側に位置して設けられる支持片部71a,71b、及び支持片部71c,71dがそれぞれ、一端側から他端側に向かって互いの間隔をトラッキング方向Tに拡げるように傾斜して設けられていることにより、支持体3をラジアルチルト方向Ti1及びタンジェンシャルチルト方向Ti2に傾斜可能に弾性支持することを可能とする。
ここで、上述した弾性支持部材4を備える光ピックアップ1の各方向を軸とした軸回り方向の固有振動モードにおける固有振動数Xro1,Xro2,Yro1,Yro2,Zro1,Zro2のシミュレーションの結果を図11、図12及び図13に示す。
図11(c)は、タンジェンシャル方向Tzを軸とした軸回り方向の固有振動モードのうち、図11(a)に示すように、可動部であるレンズホルダ2の回転方向と同方向に支持体3が回転する固有振動モードにおける、図5に示す弾性支持部材4の固有振動の状態のシミュレーション結果である。また、図11(d)は、タンジェンシャル方向Tzを軸とした軸回り方向の固有振動モードのうち、図11(b)に示すように、可動部であるレンズホルダ2の回転方向と反対方向に支持体3が回転する固有振動モードにおける、図5に示す弾性支持部材4の固有振動の状態のシミュレーション結果である。
尚、図11(a)及び図11(b)において、GT20,GT21,GT30,GT31は、レンズホルダ2及び支持体3のタンジェンシャル方向Tzを軸とした軸回り方向の傾斜状態を示すための仮想線を示すものであり、GT20は、レンズホルダ2の傾斜状態を示す基準線として駆動変位する前のレンズホルダ2の重心付近を通ってトラッキング方向Tに向けられた仮想線を示し、GT21は、レンズホルダ2が駆動変位した状態におけるGT20で示した仮想線が傾斜した状態の当該仮想線を示し、GT30は、支持体3の傾斜状態を示す基準線として駆動変位する前の支持体3の重心付近を通ってトラッキング方向Tに向けられた仮想線を示し、GT31は、支持体3が駆動変位した状態におけるGT30で示した仮想線が傾斜した状態の当該仮想線を示すものである。
図12(c)は、トラッキング方向Tを軸とした軸回り方向の固有振動モードのうち、図12(a)に示すように、可動部であるレンズホルダ2の回転方向と同方向に支持体3が回転する固有振動モード(回転モード)における、図5に示す弾性支持部材4の固有振動の状態のシミュレーション結果である。また、図12(d)は、トラッキング方向Tを軸とした軸回り方向の固有振動モードのうち、図12(b)に示すように、可動部であるレンズホルダ2の回転方向と反対方向に支持体3が回転するとともに、支持体3を支持する弾性支持部材4がレンズホルダ2のタンジェンシャル方向Tzの変位方向と併進して変位する固有振動モード(タンジェンシャル方向の併進モード)における、図5に示す弾性支持部材4の固有振動の状態のシミュレーション結果である。
尚、図12(a)及び図12(b)において、GF20,GF21,GF30,GF31は、レンズホルダ2及び支持体3のトラッキング方向Tを軸とした軸回り方向の傾斜状態を示すための仮想線を示すものであり、GF20は、レンズホルダ2の傾斜状態を示す基準線として駆動変位する前のレンズホルダ2の重心付近を通ってフォーカス方向Fに向けられた仮想線を示し、GF21は、レンズホルダ2が駆動変位した状態におけるGF20で示した仮想線が傾斜した状態の当該仮想線を示し、GF30は、支持体3の傾斜状態を示す基準線として駆動変位する前の支持体3の重心付近を通ってフォーカス方向Fに向けられた仮想線を示し、GF31は、支持体3が駆動変位した状態におけるGF30で示した仮想線が傾斜した状態の当該仮想線を示すものである。
図13(c)は、フォーカス方向Fを軸とした軸回り方向の固有振動モードのうち、図13(a)に示すように、可動部であるレンズホルダ2の回転方向と同方向に支持体3が回転する固有振動モードにおける、図5に示す弾性支持部材4の固有振動の状態のシミュレーション結果である。また、図13(d)は、フォーカス方向Fを軸とした軸回り方向の固有振動モードのうち、図13(b)に示すように、可動部であるレンズホルダ2の回転方向と反対方向に支持体3が回転する固有振動モードにおける、図5に示す弾性支持部材4の固有振動の状態のシミュレーション結果である。
尚、図13(a)及び図13(b)において、GT22,GT23,GT32,GT33は、レンズホルダ2及び支持体3のフォーカス方向Fを軸とした軸回り方向の傾斜状態を示すための仮想線を示すものであり、GT22は、レンズホルダ2の傾斜状態を示す基準線として駆動変位する前のレンズホルダ2の重心付近を通ってトラッキング方向Tに向けられた仮想線を示し、GT23は、レンズホルダ2が駆動変位した状態におけるGT22で示した仮想線が傾斜した状態の当該仮想線を示し、GT32は、支持体3の傾斜状態を示す基準線として駆動変位する前の支持体3の重心付近を通ってトラッキング方向Tに向けられた仮想線を示し、GT33は、支持体3が駆動変位した状態におけるGT32で示した仮想線が傾斜した状態の当該仮想線を示すものである。
まず、図5に示すように構成された弾性支持部材4は、図11(c)、図11(d)、図12(c)、図12(d)、図13(c)及び図13(d)に示すような固有振動の状態となる結果が得られた、各固有振動モードの固有振動数として、Xro1=135(Hz)、Xro2=281(Hz)、Yro1=686(Hz)、Yro2=2200(Hz)=2.2(kHz)、Zro1=833(Hz)、Zro2=10.7(kHz)である。尚、このときの、フォーカスのf0がFcsf0=44Hzであり、トラッキングのf0がTrkf0=49Hzであった。
このシミュレーションの結果にも示されているように、上述の構成とされた弾性支持部材4は、各方向の固有振動モードにおける固有振動数Xro1、Yro1、Zro1を低下させてサーボ制御に用いられる周波数より低い周波数とすることができるとともに、光ディスクの回転周波数より高い周波数とすることができる。また、上述の構成とされた弾性支持部材4は、上述の固有振動数Xro1,Yro1,Zro1を下げるとともに、タンジェンシャル方向の併進モードにおける固有振動数Yro2を2.2kHzと高くすることで併進方向の剛性を高めてタンジェンシャル方向への変位による変動を少なくすることをも可能とする。
図11〜図13のシミュレーション結果で示すように、弾性支持部材4を備える光ピックアップ1では、第1乃至第4の支持部となる支持片部41a〜41dが少なくともトラッキング方向Tから見て支持体3を支持する一端側から他端側に向かって互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられる構成とすることで、固有振動数Xro1,Yro1,Zro1を低くするとともに、タンジェンシャル方向の偏心モードにおける固有振動数Yro2を高い周波数にして弾性支持部材4自体のタンジェンシャル方向の剛性を高くしてタンジェンシャル方向Tzの変動を少なく抑えることができ、複雑な調整工程等を設けることなく、良好なサーボ特性を実現する。
第1の駆動手段5は、図2及び図3に示すように、支持体3のトラッキング方向Tの一方の側面に設けられるラジアルチルト用のラジアルチルトコイル51と、ベース8から立ち上げられる取付部8aに設けられるラジアルチルト用の第4のマグネット52とからなる。この第4のマグネット52は、図14(a)に示すように、所謂二極着磁マグネットであり、それぞれ、平板状に形成されており、取付部8aに接着剤等により固定されている。このように、ラジアルチルトコイル51及び第4のマグネット52は、レンズホルダ2及び支持体3のトラッキング方向Tの中心位置に対して一方の側面側にトラッキング方向Tに離間した位置に設けられる。尚、支持体3のトラッキング方向Tの他方の側面には、このラジアルチルトコイル51を設けたことによる支持体3の重量バランスをとるために、ベース8から立ち上げられる取付部8bに取り付けられるバランサ55が設けられている。
ラジアルチルト用の第4のマグネット52は、図2、図3及び図14(a)に示すように、第1及び第2の対物レンズ21,22のフォーカス方向Fに直交する方向を分極線としてN極とS極が配置されるように固定される。
そして、ラジアルチルトコイル51に駆動電流が供給されると、ラジアルチルトコイル51に流れる電流と、ラジアルチルト用の第4のマグネット52の磁界との作用により、第4のマグネット52に対してラジアルチルトコイル51を動かす力、すなわち、ベース8に対して支持体3及びこれを支持する弾性支持部材4を駆動する力が発生する。このとき、ラジアルチルトコイル51を動かす力は、フォーカス方向Fに発生する。弾性支持部材4は、上述のように板ばね部材により形成され、一対の非平行な脚片41,41を有し、全体で台形状をなす弾性支持部材4で支持されているので、レンズホルダ2及び支持体3のトラッキング方向Tの中心位置に対してトラッキング方向Tに離間した位置に設けられたラジアルチルトコイル51にフォーカス方向Fに発生する駆動力を受けたとき、弾性支持部材4の形状に倣って支持体3をラジアルチルト方向Ti1に傾斜するようにその姿勢が可変される。
ところで、弾性支持部材4は、ねじれに対して所定の剛性を持つように所定の形状で形成されるとともに、脚片取付部44を介して支持体3に固定され、脚片取付部45ベース8に固定されることで、駆動力を受けたときに各脚片41,41が弓なりに弾性変形することができる。
尚、ここでは、第1の駆動手段5として、支持体3の一方の側面に設けられるラジアルチルトコイル51と、これに対応した第4のマグネット52とを設けるように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、支持体3の他方の側面側にコイル及びマグネットを追加して、すなわち、支持体3のトラッキング方向の両側面にそれぞれ設けられるラジアルチルトコイルと、それぞれに対応したマグネットとを設けるようにし、一方の側面に設けられたラジアルチルトコイルと、他方の側面に設けられたラジアルチルトコイルとを駆動する力を、それぞれフォーカス方向の逆向きに発生させることで、支持体3をラジアルチルト方向に傾動するように構成してもよい。
また、ここでは、第1の駆動手段5として、支持体3にフォーカス方向Fの駆動力を発生させるラジアルチルトコイル51及び第4のマグネット52を設けるように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、支持体3にトラッキング方向Tの駆動力を発生させるラジアルチルトコイル及びラジアルチルト用のマグネットを設けることにより、弾性支持部材4に支持された支持体3及びレンズホルダ2をラジアルチルト方向Ti1へ傾動させるように構成してもよい。
第2の駆動手段6は、図3及び図14(b)に示すように、支持体3の底面であってベース8の上面に対向する位置に設けられるタンジェンシャルチルト用のタンジェンシャルチルトコイル53と、ベース8の上面側に臨まされて設けられるタンジェンシャルチルト用の第5のマグネット54とからなる。この第5のマグネット54は、支持体3の底面に対向する位置に設けられ、図14(b)に示すように、所謂二極着磁マグネットであり、平板状に形成されており、ベース8の取付部8cに接着剤等により固定されている。
タンジェンシャルチルト用の第5のマグネット54は、図14(b)に示すように、トラッキング方向Tを分極線としてN極とS極が配置されるように固定される。
そして、タンジェンシャルチルトコイル53に駆動電流が供給されると、図15(a)及び図15(b)に示すように、タンジェンシャルチルトコイル53に流れる電流と、タンジェンシャルチルト用の第5のマグネット54に対してタンジェンシャルチルトコイル53を動かす力、すなわち、ベース8に対して支持体3及びこれを支持する弾性支持部材4を駆動する力が発生する。尚、図15(a)及び図15(b)は、タンジェンシャルチルトコイル53及び第5のマグネット54により、支持体3及びこれに支持されたレンズホルダ2をタンジェンシャルチルト方向Ti2に駆動するときの弾性支持部材4、支持体3及びこれに支持されるレンズホルダ2の変位状態のイメージを示す図であり、図中f53は、タンジェンシャルチルトコイル53に発生する駆動力を示すものである。このとき、タンジェンシャルチルトコイル53を動かす力は、タンジェンシャル方向Tzに発生する。弾性支持部材4は、上述のように板ばね部材により形成された一対の脚片41がそれぞれ一対の非平行な支持片部41a,41b及び支持片部41c,41dを有し、この支持片部41a,41b及び支持片部41c,41dがタンジェンシャル方向Tzに直交する例えばトラッキング方向Tからみて略台形状をなすような弾性支持部材4で支持されているので、タンジェンシャル方向Tzに発生する駆動力を受けたとき、弾性支持部材4の形状に倣って支持体をタンジェンシャルチルト方向Ti2に傾斜するようにその姿勢が可変される。
尚、ここでは、第2の駆動手段6として、支持体3にタンジェンシャル方向Tzの駆動力を発生させるタンジェンシャルチルトコイル53及び第5のマグネット54を設けるように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、支持体3にフォーカス方向Fの駆動力を発生させるタンジェンシャルチルトコイル及びタンジェンシャルチルト用のマグネットを設けることにより、弾性支持部材4に支持された支持体3及びレンズホルダ2をタンジェンシャルチルト方向Ti2へ傾動させるように構成してもよい。
ところで、弾性支持部材4は、ねじれに対して所定の剛性を持つように所定の形状で形成されるとともに、脚片取付部44を介して支持体3に固定され、脚片取付部45を介してベース8に固定されることで、駆動力を受けたときに各脚片41,41の各支持片部41a〜41dが弓なりに弾性変形することができる。
次に、上述したような支持体3を駆動する第1及び第2の駆動手段5,6を備えた光ピックアップ1の動作を説明する。まず、レンズホルダ2のラジアルチルト制御及びタンジェンシャルチルト制御について説明する。
光ピックアップ1は、第1及び第2の駆動手段5,6のラジアルチルトコイル51及びタンジェンシャルチルトコイル53に給電がされていない状態では、弾性支持部材4が変形することなく中立状態にある。このとき、弾性支持部材4は、レンズホルダ2に支持された第1及び第2の対物レンズ21,22が水平となるように形状等が設定されている。
ラジアルチルトコイル51に駆動電流が供給されると、第4のマグネット52の磁界中のラジアルチルトコイル51に電流が流れることで、支持体3をラジアルチルト方向Ti1に駆動する力が発生する。支持体3は、非平行な一対の脚片41,41を有する台形の弾性支持部材4により支持されているので、駆動力を受けたとき、支持体3の姿勢が弾性支持部材4の形状に倣って傾動するように制御される。
支持体3は、4本の支持アーム7a〜7dによりレンズホルダ2を支持しているので、支持体3がラジアルチルト方向Ti1に傾斜することで、レンズホルダ2がラジアルチルト方向Ti1に傾斜する。これにより、所定の制御信号に応じた駆動電流をラジアルチルトコイル51に供給することで、レンズホルダ2に支持された第1及び第2の対物レンズ21,22の光軸を、光ディスクの半径方向の反り、面振れ等に対応させて傾斜させるラジアル方向のチルト角の制御を行うことができる。支持体3の傾斜の方向は、ラジアルチルトコイル51に供給される駆動電流の向きで切り換えられる。また、支持体3の傾斜の角度は、ラジアルチルトコイル51に供給される駆動電流電圧値により所定の角度に調整できる。
このように、第1の駆動手段5は、ラジアルチルト用のラジアルチルトコイル51に駆動電流を流すことで、支持体3をラジアルチルト方向Ti1に傾斜させる駆動力を支持体3に付与することができ、支持体3に支持されたレンズホルダ2及び対物レンズ21,22を傾斜させることができる。
また、タンジェンシャルチルトコイル53に駆動電流が供給されると、第5のマグネット54の磁界中のタンジェンシャルチルトコイル53に電流が流れることで、支持体3をタンジェンシャルチルト方向Ti2に駆動する力が発生する。支持体3は、略台形状に配置され非平行な支持片部41a,41b及び支持片部41c,41dをそれぞれ有する一対の脚片41からなる弾性支持部材4により支持されているので、駆動力を受けたとき、支持体3の姿勢が弾性支持部材4の形状に倣って傾動するように制御される。
支持体3は、4本の支持アーム7a〜7dによりレンズホルダ2を支持しているので、支持体3がタンジェンシャルチルト方向Ti2に傾斜することで、レンズホルダ2がタンジェンシャルチルト方向Ti2に傾斜する。これにより、所定の制御信号に応じた駆動電流をタンジェンシャルチルトコイル53に供給することで、レンズホルダ2に支持された第1及び第2の対物レンズ21,22の光軸を、光ディスクの円周方向の反り、面振れ等に対応させて傾斜させるタンジェンシャル方向のチルト角の制御を行うことができる。支持体3の傾斜の方向は、タンジェンシャルチルトコイル53に供給される駆動電流の向きで切り換えされる。また、支持体3の傾斜の角度は、タンジェンシャルチルトコイル53に供給される駆動電流電圧値により所定の角度に調整できる。また、このような弾性支持部材4、タンジェンシャルチルトコイル53及び第5のマグネット54を設けることにより、タンジェンシャルチルト角の制御を行うことにより、複数の対物レンズを設けた場合に各対物レンズの取付精度によらず良好なスポット形状を得られ、収差を低減することが可能となる。
このように、第2の駆動手段6は、タンジェンシャルチルト用のタンジェンシャルチルトコイル53に駆動電流を流すことで、支持体3をタンジェンシャルチルト方向Ti2に傾斜させる駆動力を支持体3に付与することができ、支持体3に支持されたレンズホルダ2及び対物レンズ21,22を傾斜させることができる。
かかる光ピックアップ1において図2、図14(a)及び図14(b)に示すラジアルチルトコイル51及びタンジェンシャルチルトコイル53に供給する制御信号を得るため、例えば、光ディスク102の傾きを検出する検出装置としての傾き検出センサを設けるようにしてもよい。そして、傾き検出センサの出力に応じて、ラジアルチルトコイル51及びタンジェンシャルチルトコイル53に供給する駆動電流を制御し、レンズホルダ2を光ディスク102の反り等によるディスク面の傾きに合わせて回転させる。尚、この動作は、光ディスク102がスピンドルモータ103に最初に装着されたときに行い、再生中等は、補正されたレンズホルダ2の傾きを維持する、いわゆる静的な傾き補正を行うようにしてもよく、後述するフォーカス制御及びトラッキング制御と同様に、チルト制御信号を常時検出し、このチルト制御信号に応じて記録・再生中に動的に傾き補正を行うようにしてもよい。
以上のように、支持体3を駆動する第1及び第2の駆動手段5,6を設けてレンズホルダ2を傾斜させる構成とすれば、光ディスクの傾斜を検出する手段を設けることで、複数の対物レンズの取付角度の誤差量や、個々の光ディスクの反り、面振れ等に対応した量だけ第1及び第2の対物レンズ21,22を傾動させて、第1及び第2の対物レンズ21,22の光軸が光ディスクの面に対して垂直となるように補正できる。これにより、光ディスクの信号記録面に光ビームが集光されて形成される光スポットの形状を常に適正なものとできる。また、人手によりレンズホルダ2の傾きを調整する作業も不要となる。
尚、上述では、レンズホルダ2をラジアルチルト方向Ti1に駆動させるため、独立してラジアルチルト用のコイル51及びマグネット52からなる第1の駆動手段5と、レンズホルダ2をタンジェンシャルチルト方向Ti2に駆動させるため、独立してタンジェンシャルチルト用のコイル53及びマグネット54からなる第2の駆動手段6とを有する光ピックアップについて説明したが、本発明は、これに限られることなく、構成の簡素化及び装置の小型化の観点から、これらのチルト専用のコイル、マグネットを削除して、複数のフォーカスコイルのうち、例えば、トラッキング方向Tに並んで配置されるフォーカスコイルの駆動力に差異を設けることでラジアルチルト方向Ti1へ駆動するような構成を有するようにしてもよく、また、レンズホルダ2のタンジェンシャル方向Tzの一方の側面及び他方の側面に設けられたフォーカスコイルの駆動力に差異を設けることでタンジェンシャルチルト方向Ti2へ駆動するような構成を有するようにしてもよい。
具体的に、第1の駆動手段5に換えてフォーカスコイルの駆動力に差異を設ける場合には、複数のフォーカスコイル12a〜12dのうち、トラッキング方向Tの一方の側に設けられたフォーカスコイル12a,12dと、トラッキング方向Tの他方の側に設けられたフォーカスコイル12b,12cとに独立した駆動電流を供給するように構成する。尚、このとき、上述したように、支持アームを追加するか他の駆動線等を追加することにより、フォーカスコイルへの給電を2系統で行い、トラッキングコイルへの給電を1系統で行う。
そして、一方の側に設けられたフォーカスコイル12a,12dと、他方の側に設けられたフォーカスコイル12b,12cとに、異なる駆動電流が供給されることにより、図16に示すように、この一方及び他方のフォーカスコイルによる駆動力f12a,f12d及び駆動力f12b,f12cの差異の分だけ、レンズホルダ2をタンジェンシャル方向Tzを軸とした軸回り方向であるラジアルチルト方向Ti1へ傾動させることとなる。尚、図16では、フォーカス駆動としての成分がゼロの状態を示しているので、このフォーカスコイルには、ラジアルチルト駆動としての成分のみの駆動力が加わっているため、互いに異なる方向に駆動力が発生しているが、当然ながらこれにさらにフォーカス駆動としての成分が加わっていれば、図16に示すラジアルチルト駆動を行うとともにさらに加えられた成分によりフォーカス駆動をも行うことができる。
ここで、図16(a)及び図16(b)は、トラッキング方向Tの一方の側及び他方の側に設けられたフォーカスコイル12a,12d及びフォーカスコイル12b,12cにより、レンズホルダ2をラジアルチルト方向Ti1に駆動するときの、弾性支持部材4、支持体3及びレンズホルダ2の変位状態のイメージを示す図である。また、図16及び後述の図17中f12aは、フォーカスコイル12aに発生する駆動力を示し、f12bは、フォーカスコイル12bに発生する駆動力を示し、f12cは、フォーカスコイル12cに発生する駆動力を示し、f12dは、フォーカスコイル12dに発生する駆動力を示す。
また、第2の駆動手段6に換えてフォーカスコイルの駆動力に差異を設ける場合には、複数のフォーカスコイル12a〜12dのうち、レンズホルダ2のタンジェンシャル方向Tzの一方の側面に設けられたフォーカスコイル12a,12bと、レンズホルダ2のタンジェンシャル方向Tzの他方の側面に設けられたフォーカスコイル12c,12dとに独立した駆動電流を供給するように構成する。尚、このとき、上述したように、支持アームを追加するか他の駆動先頭を追加することにより、フォーカスコイルへの給電を2系統で行い、トラッキングコイルへの給電を1系統で行う。
そして、一方の側面に設けられたフォーカスコイル12a,12bと、他方の側面に設けられたフォーカスコイル12c,12dとに、異なる駆動電流が供給されることにより、図17に示すように、この一方の側面及び他方の側面に設けられたフォーカスコイルによる駆動力f12a,f12b及び駆動力f12c,f12dの差異の分だけ、レンズホルダ2をトラッキング方向Tを軸とした軸回り方向であるタンジェンシャルチルト方向Ti2へ傾動させることとなる。
尚、図17(a)及び図17(b)は、レンズホルダ2のタンジェンシャル方向Tzの一方の側面及び他方の側面に設けられたフォーカスコイル12a,12b及びフォーカスコイル12c,12dにより、レンズホルダ2をタンジェンシャルチルト方向Ti2に駆動するときの弾性支持部材4、支持体3及びレンズホルダ2の変位状態のイメージを示す図である。
また、第1及び第2の駆動手段5,6に換えて、各フォーカスコイルに独立した異なる駆動電流が供給されるように構成してもよく、その場合には、上述した図16及び図17を用いて説明したラジアルチルト方向Ti1及びタンジェンシャルチルト方向Ti2のいずれの方向への傾動も可能となる。このとき、フォーカスコイルへの給電を4系統で行い、トラッキングコイルへの給電を1系統で行う。
次に、レンズホルダ2のフォーカス制御及びトラッキング制御について説明する。フォーカスコイル12a〜12dに再生信号から生成したフォーカス制御信号に応じた駆動電流が供給されると、フォーカスコイル12a〜12dに流れる電流と、ヨーク18及びヨーク片18a,18aと、これらヨーク片18a,18aに支持されたマグネット13A,13B,14とによって形成された磁界との作用により生ずる力で、レンズホルダ2を駆動電流の向きに応じて、第1及び第2の対物レンズ21,22の光軸方向と平行な上昇あるいは下降させる方向の力が生じる。レンズホルダ2は、4本の支持アーム7a〜7dの一端部に支持されているので、昇降する方向の力を受けると、スピンドルモータ103によって回転される光ディスク102に対して平行な姿勢を保ったまま上下に昇降する。これにより、対物レンズ21,22が光軸に沿った方向にフォーカス制御され、対物レンズ21,22からの光スポットが光ディスクのトラック上に合焦点される。
また、トラッキングコイル11a〜11cに再生信号から生成したトラッキング制御信号に応じた駆動電流が供給されると、このコイル11に流れる電流と、ヨーク18及びヨーク片18a,18aと、これらヨーク片18a,18aに支持されたマグネット13A,13B,14とによって形成された磁界との作用により生ずる力で、レンズホルダ2を電流の向きに応じて、スピンドルモータ103によって回転される光ディスク102の内周方向、又は光ディスク102の外周方向へ移動させる力が生じる。レンズホルダ2は、4本の支持アーム7a〜7dの一端部に支持されているので、光ディスク102の平面と平行な方向に移動する方向の力を受けると、光ディスク102に形成された記録トラックの法線方向とほぼ平行な方向に移動変位する。これにより第1及び第2の対物レンズ21,22が光ディスク102の径方向に移動制御されるトラッキング制御が行われ、第1及び第2の対物レンズ21,22から出射された光ビームが所望の記録トラックをトレースすることができる。
以上のように構成された光ピックアップ1は、フォーカスコイル12a〜12d及びトラッキングコイル11a〜11c並びにマグネット13A,13B,14を備えることにより、支持アーム7a〜7dを弾性変位させて、レンズホルダ2に保持された対物レンズ21,22をフォーカス方向F及びトラッキング方向Tに駆動変位させることができる。
また、光ピックアップ1は、ラジアルチルトコイル51及び第4のマグネット52を備えることにより、弾性支持部材4を弾性変位させて、支持体3及びレンズホルダ2に保持された対物レンズ21,22をタンジェンシャル方向Tzを軸とした軸回り方向であるラジアルチルト方向Ti1に駆動変位させることができ、さらに、タンジェンシャルチルトコイル53及び第5のマグネット54を備えることにより、弾性支持部材4を弾性変位させて、支持体3及びレンズホルダ2に保持された対物レンズ21,22をトラッキング方向Tを軸とした軸回り方向であるタンジェンシャルチルト方向Ti2に駆動変位させることができる。
また、光ピックアップ1は、対物レンズ21,22を少ない駆動電流により安定して駆動制御することができる光ピックアップ1を用いた光ディスク装置は、省電力化を実現できるばかりか、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号及びチルト制御信号に応じて対物レンズ21,22の正確に駆動変位することができ、情報信号の記録又は再生特性の向上を実現できる。
以上のように、本発明を適用した光ピックアップ1は、対物レンズ21,22が取り付けられるレンズホルダ2をフォーカス方向F及びトラッキング方向Tに移動可能に支持する支持体3と、この支持体3をベース8に対して支持する弾性支持部材4とを備え、この弾性支持部材4が、支持体3のトラッキング方向Tの一方側を支持する第1及び第2の支持部として支持片部41a,41bと、支持体3のトラッキング方向Tの他方側を支持する第3及び第4の支持部として支持片部41c,41dとを有し、第1及び第2の支持部が、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられ、第3及び第4の支持部が、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられているので、タンジェンシャル方向Tz、トラッキング方向T及びフォーカス方向Fを軸としたそれぞれの回転方向の固有振動モードにおける固有振動数が所定の範囲となるようにすることができ、複雑な調整工程等を設けることなく不要共振を低減して良好なサーボ特性を得ることができる。すなわち、本発明を適用した光ピックアップ1は、上述のように、弾性支持部材4が第1乃至第4の支持部を有し、この第1乃至第4の支持部が少なくともトラッキング方向Tから見て支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられる構成とすることで、サーボ特性を劣化させることなく固有振動を抑えるための複雑な調整工程を省くことができ、工程の簡素化、低コスト化を実現するとともに良好なサーボ特性を得ることができ、さらには、光ディスクに対して情報信号の良好な記録及び/又は再生を行うことを実現する。
また、本発明を適用した光ピックアップ1は、上述のような弾性支持部材4を備えることにより、各方向の固有振動モードにおける固有振動数Xro1,Yro1,Zro1を回転周波数より大きく且つレンズホルダ2を駆動変位したときのサーボ安定性を阻害しない程度に小さい周波数となるようにするとともに、トラッキング方向Tを軸とした軸回り方向の固有振動モードのうちタンジェンシャル方向の併進モードにおける固有振動数Yro2を例えば1500Hz程度以上の低くなりすぎない範囲とすることができ、この固有振動数Yro2の範囲を規定して弾性支持部材4の併進方向であるタンジェンシャル方向Tzの剛性を高くすることにより、剛体である支持体3を弾性体である弾性支持部材4の各支持片部41a〜41dで支持する場合に発生しやすくなるタンジェンシャル方向Tzの変動をも抑えることを可能とし、全体としてサーボ特性の劣化をより低減させることができ、良好な記録再生特性を実現する。
また、本発明を適用した光ピックアップ1は、さらに、第1及び第3の支持部として支持片部41a,41cが、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をトラッキング方向Tに拡げるように傾斜して設けられるとともに、支持体3のタンジェンシャル方向Tzの一方側を支持し、第2及び第4の支持部として支持片部41b,41dが、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をトラッキング方向Tに拡げるように傾斜して設けられるとともに、支持体3のタンジェンシャル方向Tzの他方側を支持する構成を備えることにより、対物レンズ21,22を保持したレンズホルダ2のフォーカス方向F、トラッキング方向T、ラジアルチルト方向Ti1及びタンジェンシャルチルト方向Ti2への安定した変位を可能とし、各方向へ安定して駆動変位させることで収差を十分に低減することを可能とし、光ディスクに対して情報信号の良好な記録及び/又は再生を行うことを実現する。
さらに、本発明を適用した光ピックアップ1は、対物レンズ21,22が取り付けられるレンズホルダ2をフォーカス方向F及びトラッキング方向Tに移動可能に支持する支持体3と、この支持体3をベース8に対して支持する弾性支持部材4とを備え、この弾性支持部材4が、他端側に向けて互いの間隔をトラッキング方向Tに拡げるように傾斜して設けられた一対の脚片41,41を有し、この一対の脚片41,41が、それぞれ、他端側に向けて互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して形成された支持片部41a,41b及び支持片部41c,41dを有しているので、支持体3及びこの支持体3に支持されたレンズホルダ2をラジアルチルト方向Ti1及びタンジェンシャルチルト方向Ti2にも変位させることができ、簡単な構成で、対物レンズ21,22を保持したレンズホルダ2のフォーカス方向F、トラッキング方向T、ラジアルチルト方向Ti1及びタンジェンシャルチルト方向Ti2への安定した良好な変位を可能とし、レンズホルダ2及びこれに保持された対物レンズ21,22を各方向T,F,Ti1,Ti2へ駆動変位させ、すなわち高精度に4軸調整を行うことで収差を十分に低減して、良好な記録再生特性を得ることを実現する。
また、本発明を適用した光ピックアップ1は、他端側に向けて互いの間隔をトラッキング方向Tに拡げるように傾斜して設けられた一対の脚片41,41を有し、この一対の脚片41,41に切り抜き42,42が形成されることにより上述した他端側に向けて互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して支持片部41a,41b及び支持片部41c,41dが形成されるように構成したことから、各方向F,T,Ti1,Ti2の各方向に対して不要共振を低減して安定した駆動変位を実現し、良好なサーボ特性を実現するとともに、さらに、一対の脚片41,41に第1及び第2の舌片部41e,41fを設けていることからさらに不要共振を低減して良好なサーボ特性を実現することができる。
尚、上述の光ピックアップ1においては、フォーカス方向F及びトラッキング方向Tにレンズホルダ2及び対物レンズ21,22を駆動するコイル及びマグネットを設ける構成に加えて、ラジアルチルト方向Ti1及びタンジェンシャルチルト方向Ti2にレンズホルダ2及び対物レンズ21,22を駆動する第1及び第2の駆動手段5,6を設ける構成により、対物レンズの所謂4軸駆動を実現する例について説明したが、例えば、フォーカス方向F、トラッキング方向T及びラジアルチルト方向Ti1の3軸駆動を実現するように構成してもよく、この場合においても同様に、上述のように少なくともトラッキング方向Tから見てタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられる第1乃至第4の支持部を有する弾性支持部材4等を有することにより、工程の簡素化、低コスト化を実現するとともに良好なサーボ特性を得ることができ、良好な記録再生特性を得ることができる。
また、光ピックアップ1は、同様に、例えばフォーカス方向F及びトラッキング方向Tの2軸駆動を実現するように構成してもよく、この場合においても同様に、上述のように少なくともトラッキング方向Tから見てタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられる第1乃至第4の支持部を有する弾性支持部材4等を有することにより、工程の簡素化、低コスト化を実現するとともに良好なサーボ特性を得ることができ、良好な記録再生特性を得ることができる。尚、対物レンズの2軸駆動のみを可能とする光ピックアップにおいては、上述した弾性支持部材4,60,70に替えて、例えば、図18に示すように、トラッキング方向Tのみから見てタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられる第1乃至第4の支持部を有する弾性支持部材80を設けるように構成してもよい。
すなわち、図18に示す弾性支持部材80は、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側までトラッキング方向Tの間隔が等しくなるように設けられた板状の一対の脚片81,81を有している。この一対の脚片81,81は、それぞれ板バネ部材からなり、切り抜き82,82が形成されることにより、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向けて形成される複数の支持片部81a〜81dが形成されるとともに、ベース8に固定される他端側に連接される舌片部81e,81fが形成される。そして、この複数の支持片部81a〜81dのうち、そのタンジェンシャル方向Tzの両側に位置して設けられる支持片部81a,81bが、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かってタンジェンシャル方向Tzの互いの間隔を拡げるように傾斜して形成され、また、タンジェンシャル方向Tzの両側に位置して設けられる支持片部81c,81dが、支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かってタンジェンシャル方向Tzの互いの間隔を拡げるように傾斜して形成されている。
以上のように構成された弾性支持部材80は、第1乃至第4の支持部として支持片部81a〜81dを有し、この第1乃至第4の支持部がトラッキング方向Tから見て支持体3を支持する一端側からベース8に固定される他端側に向かって互いの間隔をタンジェンシャル方向Tzに拡げるように傾斜して設けられる構成とすることで、各方向の固有振動モードにおける固有振動数Xro1,Yro1,Zro1を低くするとともに、トラッキング方向Tを軸とした軸回り方向の固有振動モードのうちタンジェンシャル方向の併進モードにおける固有振動数Yro2を例えば1500Hz程度以上とすることを可能とし、これにより、サーボ制御により発生する固有振動による共振を防止することを可能とするとともに、併進方向の剛性を高くしてタンジェンシャル方向Tzの変動を少なくすることができ、光ピックアップのサーボ特性を劣化させることなく固有振動を抑えるための複雑な調整工程を省くことができ、工程の簡素化、低コスト化を実現するとともに光ピックアップの良好なサーボ特性を可能とする。この弾性支持部材80を有する光ピックアップは、工程の簡素化、低コスト化を実現するとともに光ピックアップの良好なサーボ特性を得ることができ、フォーカス方向F及びトラッキング方向Tへの2軸調整を行うことで収差を低減して、良好な記録再生特性を得ることができる。
そして、上述のような光ピックアップ1を用いた光ディスク装置101は、サーボ特性を劣化させることなく固有振動を抑えるための複雑な調整工程を省くことができ、工程の簡素化、低コスト化を実現するとともに良好なサーボ特性を得ることができ、さらには、光ディスクに対して情報信号の良好な記録及び/又は再生を行うことを実現する。
また、光ピックアップ1を用いた光ディスク装置101は、簡単な構成で、対物レンズ21,22を保持したレンズホルダ2のフォーカス方向F、トラッキング方向T、ラジアルチルト方向Ti1及びタンジェンシャルチルト方向Ti2への安定した良好な変位を可能とし、レンズホルダ2及びこれに保持された対物レンズ21,22を各方向T,F,Ti1,Ti2へ駆動変位させることで収差を十分に低減することにより、光ディスク102に対して情報信号の良好な記録及び/又は再生を行うことを実現する。
本発明を適用した光ピックアップを用いた光ディスク装置のブロック回路図である。 本発明を適用した光ピックアップの斜視図である。 本発明を適用した光ピックアップの分解斜視図である。 本発明を適用した光ピックアップを構成するマグネットの着磁パターンを示す図であり、(a)は、可動部側に配置される第1及び第2のマグネットのレンズホルダ側からの平面図であり、(b)は、固定部側に配置される第3のマグネットのレンズホルダ側からの平面図である。 本発明を適用した光ピックアップを構成する弾性支持部材を示す図であり、支持体を一部破断して示す弾性支持部材及び支持体の斜視図である。 本発明を適用した光ピックアップを構成する弾性支持部材を示す図であり、支持体及びベース並びにこれらに取り付けられる弾性支持部材の正面図である。 本発明を適用した光ピックアップを構成する弾性支持部材を示す図であり、支持体及びベース並びにこれらに取り付けられる弾性支持部材の側面図である。 本発明を適用した光ピックアップを構成する弾性支持部材の一の脚片の平面図である。 弾性支持部材の他の例を示す図であり、一枚の板バネ部材に折り曲げ部を形成することにより構成された例の弾性支持部材の斜視図である。 弾性支持部材のさらに他の例を示す斜視図である。 タンジェンシャル方向を軸とした軸回り方向の固有振動モードを説明し、図5に示す弾性支持部材を用いた場合の各固有振動モードにおける固有振動数のシミュレーション結果を示すための図であり、(a)は、可動部の回転方向と同方向に支持体3が回転するモードを説明するための図であり、(b)は、可動部の回転方向と反対方向に支持体3が回転するモードを説明するための図であり、(c)は、(a)に示すモードにおけるシミュレーション結果を示す図であり、(d)は、(b)に示すモードにおけるシミュレーション結果を示す図である。 トラッキング方向を軸とした軸回り方向の固有振動モードを説明し、図5に示す弾性支持部材を用いた場合の各固有振動モードにおける固有振動数のシミュレーション結果を示すための図であり、(a)は、可動部の回転方向と同方向に支持体3が回転するモードを説明するための図であり、(b)は、可動部の回転方向と反対方向に支持体3が回転するとともに、支持体3を支持する弾性支持部材4が可動部のタンジェンシャル方向の変位方向と併進して変位するモード(タンジェンシャル方向の併進モード)を説明するための図であり、(c)は、(a)に示すモードにおけるシミュレーション結果を示す図であり、(d)は、(b)に示すモードにおけるシミュレーション結果を示す図である。 フォーカス方向を軸とした軸回り方向の固有振動モードを説明し、図5に示す弾性支持部材を用いた場合の各固有振動モードにおける固有振動数のシミュレーション結果を示すための図であり、(a)は、可動部の回転方向と同方向に支持体3が回転するモードを説明するための図であり、(b)は、可動部の回転方向と反対方向に支持体3が回転するモードを説明するための図であり、(c)は、(a)に示すモードにおけるシミュレーション結果を示す図であり、(d)は、(b)に示すモードにおけるシミュレーション結果を示す図である。 本発明を適用した光ピックアップを構成するマグネットの着磁パターンを示す図であり、(a)は、ラジアルチルト用のマグネットの支持体側からの平面図であり、(b)は、タンジェンシャルチルト用のマグネットの支持体側からの平面図である。 弾性支持部材に支持された支持体及びこれに支持されたレンズホルダがタンジェンシャルチルトコイルによりタンジェンシャル方向に駆動されたときの弾性支持部材、支持体及びレンズホルダの変位状態を示す図である。 トラッキング方向の一方の側及び他方の側に設けられたフォーカスコイルに駆動力の差異を設けることにより、レンズホルダをラジアルチルト方向に駆動されたときの弾性支持部材、支持体及びレンズホルダの変位状態を示す図である。 レンズホルダのタンジェンシャル方向の一方の側面及び他方の側面に設けられたフォーカスコイルに駆動力の差異を設けることにより、レンズホルダをタンジェンシャルチルト方向に駆動されたときの弾性支持部材、支持体及びレンズホルダの変位状態を示す図である。 弾性支持部材のさらに他の例を示す斜視図である。 従来の光ピックアップの斜視図である。
符号の説明
1 光ピックアップ、 2 レンズホルダ、 3 支持体、 4 弾性支持部材、 5 第1の駆動手段、 6 第2の駆動手段、 7a〜7d 支持アーム、 8 ベース、 11a〜11c トラッキングコイル、 12a〜12d フォーカスコイル、 13A,13B,14 マグネット、 18 ヨーク、 21 第1の対物レンズ、 22 第2の対物レンズ、 41 脚片、 42 切り抜き、 51 ラジアルチルトコイル、 52 ラジアルチルト用のマグネット、 53 タンジェンシャルチルトコイル、 54 タンジェンシャルチルト用のマグネット、 101 光ディスク装置、 102 光ディスク、 103 スピンドルモータ

Claims (14)

  1. 回転駆動される光ディスクの信号記録面に光ビームを集光する対物レンズが取り付けられ、上記対物レンズの光軸と平行なフォーカス方向と、上記対物レンズの光軸方向と直交するトラッキング方向とに移動されるレンズホルダと、
    上記レンズホルダに対して上記フォーカス方向及び上記トラッキング方向と直交するタンジェンシャル方向に間隔を有して配置され、上記レンズホルダを上記フォーカス方向及び上記トラッキング方向に移動可能に支持する支持体と、
    上記支持体をベースに対して支持する弾性支持部材とを備え、
    上記弾性支持部材は、上記支持体のトラッキング方向の一方側を支持する第1及び第2の支持部と、上記支持体のトラッキング方向の他方側を支持する第3及び第4の支持部とを有し、
    上記第1及び第2の支持部は、上記支持体を支持する一端側から上記ベースに固定される他端側に向かって互いの間隔を上記タンジェンシャル方向に拡げるように傾斜して設けられ、
    上記第3及び第4の支持部は、上記支持体を支持する一端側から上記ベースに固定される他端側に向かって互いの間隔を上記タンジェンシャル方向に拡げるように傾斜して設けられている光ピックアップ。
  2. 上記第1及び第3の支持部は、上記支持体を支持する一端側から上記ベースに固定される他端側に向かって互いの間隔を上記トラッキング方向に拡げるように傾斜して設けられるとともに、上記支持体のタンジェンシャル方向の一方側を支持し、
    上記第2及び第4の支持部は、上記支持体を支持する一端側から上記ベースに固定される他端側に向かって互いの間隔を上記トラッキング方向に拡げるように傾斜して設けられるとともに、上記支持体のタンジェンシャル方向の他方側を支持する請求項1記載の光ピックアップ。
  3. 上記弾性支持部材は、上記支持体を支持し、上記支持体を支持する一端側から上記ベースに固定される他端側に向かって互いの間隔を上記トラッキング方向に拡げるように傾斜して設けられた一対の脚片を有し、
    上記一対の脚片は、それぞれ上記一端側から上記他端側に向けて形成される複数の支持片部を有し、
    上記複数の支持片部のうち上記一対の脚片のそれぞれの上記タンジェンシャル方向の両端に位置して設けられる支持片部は、上記第1乃至第4の支持部である請求項1又は請求項2記載の光ピックアップ。
  4. 上記一対の脚片は、それぞれの上記一端側に向けた延長線の交点の上記トラッキング方向及び上記フォーカス方向の位置が、上記レンズホルダに加えられる上記トラッキング方向の駆動力の駆動中心の位置と略同じ位置になるように形成されている請求項3記載の光ピックアップ。
  5. 上記複数の支持片部は、上記タンジェンシャル方向の両端に位置して設けられる支持片部の上記一端側に向けた延長線の交点の上記フォーカス方向の位置が、上記対物レンズの主点の位置と略同じ位置になるように形成されている請求項3記載の光ピックアップ。
  6. 上記一対の脚片は、それぞれ板状の部材からなり、切り抜きが形成されることにより上記複数の支持片部が形成される請求項3記載の光ピックアップ。
  7. 上記一対の脚片は、それぞれ板状の部材からなり、切り抜きが形成されることにより上記複数の支持片部が形成されるとともに、上記一端側又は上記他端側の何れか一方にのみ連接される舌片部が形成される請求項3記載の光ピックアップ。
  8. 上記支持体及び上記ベースの何れか一方に設けられるタンジェンシャルチルトコイルと、
    上記支持体及び上記ベースの他方に設けられるタンジェンシャルチルト用マグネットとを備え、
    上記タンジェンシャルチルトコイル及び上記タンジェンシャルチルト用マグネットは、上記弾性支持部材に支持された上記支持体と、上記支持体に支持された上記レンズホルダとを、上記トラッキング方向を軸とした軸回り方向へ傾動させる請求項2記載の光ピックアップ。
  9. 上記支持体及び上記ベースの何れか一方に設けられるラジアルチルトコイルと、
    上記支持体及び上記ベースの他方に設けられるラジアルチルト用マグネットとを備え、
    少なくとも上記支持体側に設けられる上記ラジアルチルトコイル又は上記ラジアルチルト用マグネットは、上記支持体の上記トラッキング方向の中心位置に対して上記トラッキング方向に離間した位置に設けられ、
    上記ラジアルチルトコイル及び上記ラジアルチルト用マグネットは、上記弾性支持部材に支持された上記支持体と、上記支持体に支持された上記レンズホルダとを、上記タンジェンシャル方向を軸とした軸回り方向へ傾動させる請求項2又は請求項8記載の光ピックアップ。
  10. 上記レンズホルダの上記タンジェンシャル方向の一方の側面及び他方の側面に設けられ、それぞれ上記フォーカス方向に駆動力を発生させるフォーカスコイルと、
    上記フォーカスコイルに対向して配置されるマグネットと、
    上記タンジェンシャル方向の一方の側面に設けられたフォーカスコイルと、上記タンジェンシャル方向の他方の側面に設けられたフォーカスコイルとに、それぞれ独立した駆動電流を供給する駆動電流供給手段とを備え、
    上記一方の側面に設けられたフォーカスコイルと、上記他方の側面に設けられたフォーカスコイルとに、異なる駆動電流が供給されることにより、上記レンズホルダを、上記トラッキング方向を軸とした軸回り方向へ傾動させる請求項2記載の光ピックアップ。
  11. 上記レンズホルダに設けられ、上記フォーカス方向に駆動力を発生させる上記トラッキング方向に並んで少なくとも一対設けられるフォーカスコイルと、
    上記フォーカスコイルに対向して配置されるマグネットと、
    上記トラッキング方向の一方の側に設けられたフォーカスコイルと、上記トラッキング方向の他方の側に設けられたフォーカスコイルとに、それぞれ独立した駆動電流を供給する駆動電流供給手段とを備え、
    上記一方の側に設けられたフォーカスコイルと、上記他方の側に設けられたフォーカスコイルとに、異なる駆動電流が供給されることにより、上記レンズホルダを、上記タンジェンシャル方向を軸とした軸回り方向へ傾動させる請求項2又は請求項10記載の光ピックアップ。
  12. 上記レンズホルダに設けられ、上記フォーカス方向に駆動力を発生させるフォーカスコイルと、
    上記レンズホルダに設けられ、上記トラッキング方向に駆動力を発生させるトラッキングコイルと、
    上記フォーカスコイル及び上記トラッキングコイルに対向して配置される一又は複数のマグネットとを備え、
    上記フォーカスコイル及び上記トラッキングコイルは、上記レンズホルダを上記フォーカス方向及び上記トラッキング方向に変位させる請求項1又は請求項2記載の光ピックアップ。
  13. 上記支持体は、剛体である請求項1又は請求項2記載の光ピックアップ。
  14. 光ディスクを保持して回転駆動する駆動手段と、
    上記駆動手段によって回転駆動する光ディスクに対し情報信号の記録又は再生を行う光ビームを照射するとともに、上記光ディスクから反射される反射光ビームを検出する光ピックアップとを有する光ディスク装置であって、
    上記光ピックアップは、回転駆動される光ディスクの信号記録面に光ビームを集光する対物レンズが取り付けられ、上記対物レンズの光軸と平行なフォーカス方向と、上記対物レンズの光軸方向と直交するトラッキング方向とに移動されるレンズホルダと、
    上記レンズホルダに対して上記フォーカス方向及び上記トラッキング方向と直交するタンジェンシャル方向に間隔を有して配置され、上記レンズホルダを上記フォーカス方向及び上記トラッキング方向に移動可能に支持する支持体と、
    上記支持体をベースに対して支持する弾性支持部材とを備え、
    上記弾性支持部材は、上記支持体のトラッキング方向の一方側を支持する第1及び第2の支持部と、上記支持体のトラッキング方向の他方側を支持する第3及び第4の支持部とを有し、
    上記第1及び第2の支持部は、上記支持体を支持する一端側から上記ベースに固定される他端側に向かって互いの間隔を上記タンジェンシャル方向に拡げるように傾斜して設けられ、
    上記第3及び第4の支持部は、上記支持体を支持する一端側から上記ベースに固定される他端側に向かって互いの間隔を上記タンジェンシャル方向に拡げるように傾斜して設けられている光ディスク装置。
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WO2011013205A1 (ja) * 2009-07-28 2011-02-03 パイオニア株式会社 対物レンズ駆動装置、光ピックアップ及び光記録再生装置
WO2011013204A1 (ja) * 2009-07-28 2011-02-03 パイオニア株式会社 対物レンズ駆動装置、光ピックアップ及び光記録再生装置

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