JP5259039B2 - 硬化型樹脂組成物 - Google Patents

硬化型樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5259039B2
JP5259039B2 JP2004119082A JP2004119082A JP5259039B2 JP 5259039 B2 JP5259039 B2 JP 5259039B2 JP 2004119082 A JP2004119082 A JP 2004119082A JP 2004119082 A JP2004119082 A JP 2004119082A JP 5259039 B2 JP5259039 B2 JP 5259039B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
calcium carbonate
resin
acid
surface area
specific surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004119082A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004331963A (ja
Inventor
良二 内海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maruo Calcium Co Ltd
Original Assignee
Maruo Calcium Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maruo Calcium Co Ltd filed Critical Maruo Calcium Co Ltd
Priority to JP2004119082A priority Critical patent/JP5259039B2/ja
Publication of JP2004331963A publication Critical patent/JP2004331963A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5259039B2 publication Critical patent/JP5259039B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

本発明は、非金属石鹸からなる表面処理剤を用いて表面処理した填料を配合してなる硬化型樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、優れたチキソ性、耐スランプ性を有し、かつこれまでにない優れた貯蔵安定性、接着性を有する、シーラント、接着剤又は塗料用の硬化型樹脂組成物に関するものである。
従来、この種の表面処理炭酸カルシウム填料としては、例えば、脂肪酸エステルで表面処理された炭酸カルシウムが、湿気硬化1液型樹脂組成物において優れたチキソ性及び耐スランプ性を付与し、且つ良好な貯蔵安定性を付与することが報告されている(特許文献1参照)。また、脂肪酸エステルで表面処理された特定比表面積の炭酸カルシウムが配合された、2液混合性、押出し性、チキソ性、耐スランプ性が良好な2成分型硬化性樹脂組成物が報告されている(特許文献2参照)。更に、脂肪酸を乳化剤又は界面活性剤を使用することなく湿式表面処理された表面処理炭酸カルシウムが、硬化型樹脂組成物において優れたチキソ性、耐スランプ性並びに良好な貯蔵安定性を付与することが報告されている(特許文献3参照)。更にまた、飽和脂肪酸の金属石鹸、不飽和脂肪酸の金属石鹸、脂環属カルボン酸の金属石鹸で湿式処理されるとともに、アルカリ金属含有量が1.0-3mol/100gCaCO3 以下である表面処理炭酸カルシウムが、硬化型樹脂組成物において優れたチキソ性、耐スランプ性並びに良好な貯蔵安定性を付与することが報告されている(特許文献4参照)。
これらに記載されている樹脂組成物は、それぞれ目的とする物性を備えているものの、要求物性が益々厳しくなりつつある今日では、いずれも貯蔵安定性や接着性が必ずしも十分とは言い難く、更なる改良が要求されている。
他方、有機ポリイソシアネートと、特定の硬化剤と、金属ハロゲン化物、ルイス酸、有機スズ、および4級アンモニウム塩からなる群から選択される少なくとも1つとを含有する硬化性組成物が、触媒の溶解性が上がり、低い温度で活性化することができ、中温、短時間で硬化することが報告されている(特許文献5参照)。
しかしながら、上記4級アンモニウム塩はカチオンであり、該4級アンモニウム塩を硬化調整剤(触媒)として樹脂組成物に配合し、短時間で硬化する(速硬性)ことを目的とするものであり、樹脂に配合されて優れたチキソ性、耐スランプ性を有し、かつ、優れた貯蔵安定性、接着性を有する樹脂組成物を提供し得る表面処理炭酸カルシウム填料、及びそれを配合してなる樹脂組成物については何ら記載されていない。
特許第2652044号公報 特開平11−246780号公報 特許第3151196号公報 特開2001−158863公報 特開2003−12750公報
本発明は、従来の技術の上記問題点を解消し、硬化型樹脂組成物を与え得る、表面処理された炭酸カルシウム填料を配合してなる優れたチキソ性、耐スランプ性、貯蔵安定性、接着性等を有する、シーラント、接着剤又は塗料用の硬化型樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究した結果、非金属石鹸からなる表面処理剤を用いて表面処理した表面処理炭酸カルシウムを硬化型樹脂組成物に配合することにより、従来の脂肪酸アルカリ石鹸、樹脂酸アルカリ石鹸、アルキルベンゼンスルホン酸等の界面活性剤、脂肪酸エステルで表面処理された炭酸カルシウムに比べ、硬化型樹脂組成物の貯蔵安定性を顕著に向上させるとともに、優れたチキソ性、耐スランプ性のみならず、優れた接着性を付与できることを見いだし、更に、接着剤や塗料においても同様の効果を付与できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明の請求項1に係る発明は、非金属石鹸からなる表面処理剤を用いて表面処理した炭酸カルシウムからなる填料を、ポリウレタン樹脂、ポリサルファイド樹脂、シリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、変成アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、及びアクリル樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種に配合してなる、シーラント、接着剤又は塗料用硬化型樹脂組成物を内容とする。
本発明の請求項2に係る発明は、非金属石鹸が、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、及び樹脂酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸のアンモニウム塩及びアミン塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の硬化型樹脂組成物を内容とする。
本発明の請求項3に係る発明は、表面処理された炭酸カルシウムのBET比表面積Swが3〜100m2 /gであり、下記式(1)により算出される単位比表面積当たりの表面処理剤量Asが0.20〜7.50mg/m2 である請求項1又は2に記載の硬化型樹脂組成物を内容とする。
As=Tg/Sw [mg/m2 ] 式(1)
Sw:窒素吸着法によるBET比表面積 [m2 /g]
Tg:200℃〜500℃の表面処理炭酸カルシウム1g当たりの熱減量[mg/g]
本発明の請求項に係る発明は、湿気硬化型である請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化型樹脂組成物を内容とする。
本発明の表面処理炭酸カルシウム填料に配合してなる硬化型樹脂組成物は、優れたチキソ性、耐スランプ性、貯蔵安定性、接着性等を有する。
本発明に使用される炭酸カルシウムについては特に制限はなく、例えばCa(OH) 2 の水スラリーにCO2 ガスを導入して生成させる沈降製炭酸カルシウム、石灰石を機械的に粉砕、分級して得られる重質炭酸カルシウムのいずれの炭酸カルシウムでも差し支えない。一般的には沈降製炭酸カルシウムの方が、より微細な粒子が得られやすい点で好ましく用いることができる。
本発明において表面処理剤として用いられる非金属石鹸については特に限定されるものではないが、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、及び樹脂酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸のアンモニウム塩またはアミン塩が好ましく用いることができる。飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、樹脂酸については特に制限はないが、できるだけ炭素数の多い方が好ましく、例えば硬化型樹脂組成物に使用した場合、貯蔵安定性に加え、高チキソ性、耐スランプ性を兼ね備えることができるので、炭素数が8以上であるのが好ましい。
具体的には、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、2−エチル酪酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、ネオデカン酸、イソトリデカン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、牛脂ステアリン酸、パーム核脂肪酸、ヤシ脂肪酸、パーム脂肪酸、パームステアリン酸、牛脂脂肪酸、大豆脂肪酸、部分硬化パーム核脂肪酸、部分硬化ヤシ脂肪酸、部分硬化牛脂脂肪酸、部分硬化大豆脂肪酸、極度硬化パーム核脂肪酸、極度硬化ヤシ脂肪酸、極度硬化牛脂脂肪酸、極度硬化大豆脂肪酸などの飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸及び飽和不飽和混合脂肪酸が挙げられ、これらの酸のアンモニウム塩またはアミン塩、ナフテン酸などの脂環族カルボン酸のアンモニウム塩またはアミン塩、アビエチン酸、ピマル酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸などの樹脂酸のアンモニウム塩またはアミン塩が挙げられる。これらは単独もしくは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記の内で好ましいものとしては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、牛脂ステアリン酸、パーム核脂肪酸、部分硬化パーム脂肪酸、極度硬化パーム脂肪酸、ヤシ脂肪酸、部分硬化ヤシ脂肪酸、極度硬化ヤシ脂肪酸、パーム脂肪酸、パームステアリン酸、牛脂脂肪酸、部分硬化牛脂脂肪酸、極度硬化牛脂脂肪酸、大豆脂肪酸、部分硬化大豆脂肪酸、極度硬化大豆脂肪酸、ナフテン酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸などの飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、樹脂酸から選ばれる酸のアンモニウム塩またはアミン塩が挙げられる。
また、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、樹脂酸から選ばれる酸のアミン塩として使用される水溶性アミン化合物としてはアルキル置換アミンとアルカノールアミンが挙げられる。具体的には、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたアミン化合物としては、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミンが挙げられ、炭素数1〜3のアルカノール基で置換されたアルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、イソプロパノールアミンが挙げられ、炭素数1〜4のアルキル基及び炭素数1〜3のアルカノール基で置換されたアルキルアルカノールアミンとしては、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミンが挙げられる。その他の水溶性アミン化合物としては、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパンなどが挙げられ、それらの中でも、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン又はトリエタノールアミンが一般的で好ましく用いることができ、特に、トリエタノールアミンが最も好適に用いることができる。
これまで一般的に使用されている脂肪酸ナトリウム石鹸、脂肪酸カリウム石鹸、樹脂酸アルカリ石鹸、アルキルベンゼンスルホン酸等の界面活性剤を表面処理剤として用い表面処理された表面処理炭酸カルシウム填料を、例えば1成分型ウレタンシーラントに配合した場合、該表面処理剤に起因するNa(ナトリウム)およびK(カリウム)の影響や、界面活性剤の親水性の影響により、貯蔵安定性が悪くなるという問題が発生する。これらアルカリ金属を水洗により除去すれば実用的な貯蔵安定性が得られるが、大量の洗浄水と除去設備が必要となり、コスト的な問題が内在している。また、洗浄によってアルカリ金属を完全に除去するのは難しく、より高度な物性を要求される今日では、1液型シーラントにおける貯蔵安定性が不十分である。一方、脂肪酸単独で表面処理した場合においても、水可溶性の塩に比べれば表面処理状態が良いとは言えない。これに対して、本発明では水洗の必要がなく、また、処理剤は水可溶性であるため、表面処理状態も良好である。
また、脂肪酸エステルを表面処理として使用した場合、貯蔵安定性は良好であるが、炭酸カルシウムとの結合力が弱いため、脂肪酸エステルが配合中に溶け出し、悪影響を及ぼす場合がある。これに対し、本発明の非金属石鹸は、炭酸カルシウム表面との結合力が強いため、配合中への溶出もなく、貯蔵安定性に有効である。
非金属石鹸はそのまま、又は、例えば、非金属石鹸を温水に溶かし混合撹拌することにより非金属石鹸の水溶液として使用される。
表面処理の方法としては、沈降製炭酸カルシウムの場合は気液反応であるため、調整した非金属石鹸を沈降製炭酸カルシウムの水スラリー中に加え撹拌するか、沈降製炭酸カルシウムの含水ケーキ中に混練することにより表面処理するのが好ましい。また、水スラリー中または含水ケーキ中にあらかじめアンモニア水溶液もしくはアミン化合物を添加しておき、均一に撹拌、混合した後に飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸及び樹脂酸を投入しても同様の効果が得られる。飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸及び樹脂酸を投入した後にアンモニア水溶液もしくはアミン化合物を添加してもよい。もちろん同時に投入しても差し支えない。重質炭酸カルシウムの場合は乾式で粉砕することが多いので、乾式で表面処理するのが好ましい。例えばヘンシェルミキサー等の加熱・撹拌装置を使用するのがよい。
水スラリー中で表面処理する場合の沈降製炭酸カルシウムの水スラリーは、濃度10〜300gCaCO3 /Lが好ましい。濃度が10gCaCO3 /Lより低いと生産性の面で不利となり、一方、300gCaCO3 /Lより高いと水スラリーの粘度が高くなり作業性が悪くなる。また、非金属石鹸水溶液の濃度は、0.5〜30%(酸換算)が好ましい。非金属石鹸水溶液の濃度が0.5%より低いと多量の水が必要となり生産性の面で不利となり、一方、30%より高いと非金属石鹸水溶液の粘度が高くなり、均一に溶解されにくくなるため処理状態が悪くなるおそれがある。
水スラリー中で表面処理する場合の表面処理温度については、好ましくは20〜98℃、より好ましくは40〜90℃、更に好ましくは50〜80℃である。表面処理温度が20℃より低いと、炭酸カルシウムへの吸着結合が起こりにくくなり、表面処理が不均一になるため好ましくない。また、98℃より高いと、本発明の効果は十分得られるが、煮沸するおそれがあり危険であるばかりでなく、耐圧性装置を準備する必要があるので好ましくない。
また、含水ケーキ、もしくは乾式処理の場合、好ましくは20〜150℃、より好ましくは40〜130℃、更に好ましくは50〜120℃である。表面処理温度が20℃より低いと、炭酸カルシウムへの吸着結合が起こりにくくなり、表面処理が不均一になるおそれがあるため好ましくない。また、150℃より高いと、非金属石鹸が熱劣化し、変質するおそれがあるため好ましくない。
表面処理前の原料となる炭酸カルシウム、および非金属石鹸を表面処理剤として用いて表面処理した炭酸カルシウムは、窒素吸着法によるBET法で測定した場合の比表面積Swが3〜100m2 /gが好ましく、8〜60m2 /gがより好ましく、10〜40m2 /gがさらに好ましい。比表面積が3m2 /gより小さい(粒子が大きい)と、たとえ非金属石鹸を表面処理剤として表面処理した炭酸カルシウムを配合した樹脂組成物であっても、優れた貯蔵安定性、接着性は得られるものの、チキソ性が不十分となる場合がある。また、比表面積が100m2 /gより大きい(粒子が小さい)と、粒子の凝集が強く、たとえ非金属石鹸を表面処理剤として用いて表面処理したとしても、樹脂組成物中での分散性が悪くなり、目的とする十分な性能が発揮されない場合がある。通常、表面処理前後で比表面積は若干下がる傾向にあるが、十分に分散されていればほぼ同じ比表面積となる。
また、非金属石鹸の表面処理量については、下記式(1)により示されるように、単位比表面積当たりの表面処理剤量As[mg/m2 ]を炭酸カルシウムの比表面積(粒度)Swに応じて変量するのが好ましい。なお、ここでは便宜上、Swは表面処理後の炭酸カルシウムの比表面積を用いることとする。
As=Tg/Sw [mg/m2 ] 式(1)
Sw:窒素吸着法によるBET比表面積 [m2 /g]
Tg:200℃〜500℃の表面処理炭酸カルシウム1g当たりの熱減量[mg/g]
一般には、上記式(1)において、Asは0.20〜7.50mg/m2 程度が適当であるが、好ましくは0.80〜7.00mg/m2 、より好ましくは1.50〜6.00mg/m2 が適当である。0.20mg/m2 未満では表面処理の効果が不十分となる傾向があり、一方、7.50mg/m2 を越えると経済的に不利である。
尚、本発明において、Swは下記試験方法により測定された表面処理炭酸カルシウムのBET比表面積である。
[試料の調整方法]
ガラスセルに試料を300mg仕込み、フローデガッサーにて窒素を導通させがら180℃で1時間前処理を行った後、常温で冷却して測定試料とする。
[BET比表面積の測定方法]
BET比表面積計(NOVA2000、ユアサアイオニクス社製)にて1点法にて測定。
また、本発明において、Tgは下記試験方法により測定された200℃〜500℃の表面処理炭酸カルシウム1g当たりの熱減量である。
[熱減量の測定方法]
熱分析装置(TG8110、リガク社製)を用い、直径10mmの試料パン(白金製)に表面処理炭酸カルシウム100mgを採取し、昇温速度15℃/minで常温から510℃まで昇温させたときの200℃〜500℃の熱減量を測定し、表面処理炭酸カルシウム1g当たりの熱減量(mg/g)を求める。
以上のように、本発明の表面処理剤を用いて表面処理を行い、その後常法に従い、脱水、乾燥、粉砕等の工程を経て粉末化されるが、本発明の表面処理剤を用いることを除いては特に制限されず、表面処理の方法も湿式、乾式のいずれでもよい。
上記の如くして得られる表面処理炭酸カルシウム填料は、特に、シーラント、接着剤、塗料等の硬化型樹脂組成物に有用である。シーラントでは、例えば、ポリウレタン、ポリサルファイド、シリコーン、変成シリコーン、ポリイソブチレン、アクリル、変成アクリル、アクリルウレタン、ブチルゴム、エポキシ、フッ素系の各樹脂等が例示される。接着剤としては、上記シーラントに例示されるものに加えて、ユリア、フェノール、ポリエステル、酢酸ビニル等の各樹脂が例示される。塗料用としては、アルキド、アクリル、酢酸ビニル、ウレタン、シリコーン、フッ素系の各樹脂、スチレン、メラミン、エポキシの各樹脂等が例示される。これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
本発明の表面処理炭酸カルシウム填料を、シーラント、接着剤、塗料に配合することにより、優れたチキソ性、耐スランプ性はもちろんのこと、さらに優れた貯蔵安定性、接着性を付与することができる。
本発明の表面処理炭酸カルシウム填料の配合量は、用途によって適宜設定すればよい。シーラントの場合は、シーリング材の種類にもよるが、例えばポリウレタン樹脂や変成シリコーン樹脂の場合は樹脂100重量部に対して通常10〜200重量部、好ましくは20〜150重量部程度が適当である。塗料や接着剤の場合は樹脂100重量部に対して通常2〜100重量部、好ましくは5〜80重量部程度が適当である。貯蔵安定性については水分が大きく影響するため、使用する前に乾燥させると、より一層確実なものとなる。乾燥条件としては、例えば100℃前後で数時間オーブン等で放置すればよい。いずれの場合も配合部数が少なすぎるとチキソ性や耐スランプ性の効果が期待できず、一方、多すぎると貯蔵安定性や接着性に悪影響を与える。
また、本発明の表面処理炭酸カルシウム填料は、アクリルプラスチゾルにも有用である。プラスチゾルに配合することにより、優れた密着性が得られる。
本発明の表面処理炭酸カルシウムの配合量は、樹脂100重量部に対して通常1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部程度である。
本発明の表面処理炭酸カルシウム填料は、必要に応じ、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、樹脂酸、又はそのアルカリ石鹸、金属石鹸、その他ABS等の界面活性剤、脂肪酸エステルを差し支えない程度に併用することもできる。飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、樹脂酸を併用する場合、併用比率は3/4未満が好ましく、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、樹脂酸のアルカリ石鹸、金属石鹸を併用する場合、併用比率は1/2未満が好ましく、ABS等の界面活性剤を併用する場合、併用比率は1/3未満が好ましい。脂肪酸エステルを併用する場合、併用比率は3/4未満が好ましい。これらの範囲を越えると、貯蔵安定性が悪くなる等の問題が発生するおそれがあるため好ましくない。
以下、実施例、比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制約を受けるものではない。
実施例1
濃度160gCaCO3 /L、温度70℃に調整したBET比表面積20m2 /gの沈降製炭酸カルシウムの水スラリー10Lに対して、温度90℃で濃度10%(ステアリン酸換算)に調整したステアリン酸アンモニウム水溶液を800g加えて炭酸カルシウムスラリーと共に強撹拌した。この炭酸カルシウムスラリーを脱水、乾燥、粉砕してBET比表面積19m2 /gの表面処理炭酸カルシウム粉体を得た。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
実施例2
実施例1で、ステアリン酸アンモニウムをパルミチン酸アンモニウムに変える以外は全て実施例1と同様とした。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
実施例3
実施例1で、ステアリン酸アンモニウムをラウリン酸アンモニウムに変える以外は全て実施例1と同様とした。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
実施例4
実施例1で、ステアリン酸アンモニウムをラウリン酸トリエタノールアミンに変える以外は全て実施例1と同様とした。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
実施例5
実施例1で、ステアリン酸アンモニウムをラウリン酸ジエタノールアミンに変える以外は全て実施例1と同様とした。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
実施例6
実施例1で、ステアリン酸アンモニウムをラウリン酸トリエチルアミンに変える以外は全て実施例1と同様とした。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
実施例7
実施例1で、ステアリン酸アンモニウムを牛脂脂肪酸アンモニウム(脂肪酸のアルキル組成:C12 3%、C14 4%、C16 24%、C16F1 4%、C18 17%、C18F1 40%、C18F2 8%、以下同じ)に変える以外は全て実施例1と同様とした。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
実施例8
実施例1で、ステアリン酸アンモニウムをパーム脂肪酸アンモニウム(脂肪酸のアルキル組成:C12 10%、C14 4%、C16 38%、C16F1 −、C18 4%、C18F1 36%、C18F2 8%)に変える以外は全て実施例1と同様とした。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
実施例9
実施例1で、ステアリン酸アンモニウムをオレイン酸アンモニウムに変える以外は全て実施例1と同様とした。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
実施例10
実施例3で、BET比表面積20m2 /gをBET比表面積100m2 /gに変える以外は全て実施例3と同様とした。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体のBET比表面積は95m2 /gであった。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
実施例11
実施例3で、BET比表面積20m2 /gをBET比表面積10m2 /gに、ラウリン酸アンモニウム水溶液800gを1120gに変える以外は全て実施例3と同様とした。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体のBET比表面積は10m2 /gであった。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
実施例12
実施例11で、ラウリン酸アンモニウム水溶液1120gを560gに変える以外は全て実施例11と同様とした。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体のBET比表面積は10m2 /gであった。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
実施例13
実施例11で、ラウリン酸アンモニウム水溶液1120gを160gに変える以外は全て実施例11と同様とした。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体のBET比表面積は10m2 /gであった。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
実施例14
実施例13で、BET比表面積10m2 /gをBET比表面積4m2 /gに変える以外は全て実施例13と同様とした。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体のBET比表面積は4m2 /gであった。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
実施例15
実施例11で、BET比表面積10m2 /gをBET比表面積40m2 /gに変える以外は全て実施例11と同様とした。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体のBET比表面積は38m2 /gであった。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
実施例16
実施例7で、牛脂脂肪酸アンモニウム水溶液800gを560gに変える以外は全て実施例7と同様とした。得られた表面処理炭酸カルシウム粉体のBET比表面積は19m2 /gであった。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
比較例1
実施例1で、ステアリン酸アンモニウムをステアリン酸ナトリウムに変える以外は全て実施例1と同様とした。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
比較例2
実施例1で、ステアリン酸アンモニウムをパルミチン酸ナトリウムに変える以外は全て実施例1と同様とした。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
比較例3
実施例1で、ステアリン酸アンモニウムをラウリン酸ナトリウムに変える以外は全て実施例1と同様とした。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
比較例4
実施例1で、ステアリン酸アンモニウムを牛脂脂肪酸ナトリウムに変える以外は全て実施例1と同様とした。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
比較例5
実施例1で、ステアリン酸アンモニウムをステアリン酸カリウムに変える以外は全て実施例1と同様とした。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
比較例6
実施例1で、ステアリン酸アンモニウムをアビエチン酸カリウムに変える以外は全て実施例1と同様とした。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
比較例7
比較例4で、牛脂脂肪酸ナトリウム水溶液800gを1120gに変える以外は全て比較例4と同様とした。該粉体の熱減量Tg、単位比表面積当たりの表面処理剤量Asを表1に示す。
Figure 0005259039
実施例17〜31、比較例7〜12
実施例1〜15、比較例1〜6で得られた表面処理炭酸カルシウム填料を110℃×5時間乾燥させた後、下記試験方法(1) にて1成分型ウレタンシーラントを作成し、その物性を評価した。結果を表2に示す。
(試験方法(1) :1成分型ウレタンシーラント)
[配合]
樹脂(タケネートL1004、武田薬品工業株式会社製) 150重量部
表面処理炭酸カルシウム填料 100重量部
[混練方法]
上記配合物を小型ニーダーで混練して湿気硬化一液型シーリング材を作成した。
[粘度測定方法]
B8U型粘度計(東機産業株式会社製)を使用した。ローターはNo.7を使用した。
[貯蔵安定性試験方法]
カートリッジに充填し、60℃のオーブン中に1週間放置した。
[耐スランプ性試験方法]
シーラント作成後、20℃×1日貯蔵後に垂直に施工した状態を下記の基準により目 視で判定した。
○:耐スランプ性が良好である。
×:耐スランプ性が不良である。
Figure 0005259039
表2から、本発明の実施例1〜15の表面処理炭酸カルシウム填料を配合した実施例17〜31の湿気硬化1成分型ウレタンシーラントは、増粘率が小さいことより貯蔵安定性が良いことがわかる。一方、比較例1〜6の表面処理炭酸カルシウム填料を配合した比較例7〜12の湿気硬化1成分型ウレタンシーラントは、貯蔵後(60℃×7日)にゲル化した。
実施例32〜46、比較例13〜18
実施例1〜15、比較例1〜6で得られた表面処理炭酸カルシウム填料粉体を下記試験方法(2) にて2成分型変成シリコーンシーラントを作成し、その物性を評価した。結果を表3に示す。
(試験方法(2) :2成分型変成シリコーンシーラント)
[配合]
基剤:樹脂(MSポリマーS203、鐘淵化学工業株式会社製) 100重量部
可塑剤DOP(株式会社ジェイ・プラス社製) 50重量部
重質炭酸カルシウム(スーパーS、丸尾カルシウム株式会社製) 30重量部
表面処理炭酸カルシウム填料 120重量部
硬化剤:オクチル酸スズ(ネオスタンU−28、日東化成株式会社製) 15重量部
ラウリルアミン(和光純薬一級試薬) 5重量部
可塑剤DOP(株式会社ジェイ・プラス社製) 55重量部
炭酸カルシウム(カルファイン 200M 、丸尾カルシウム株式会社製)
75重量部
[混練方法]
1リットルのカップ(内径100mm、深さ120mm)に基剤配合成分を秤取り、遊星式脱泡混練機(クラボウ株式会社製/KK−500)にて、混練条件9−9−6で予備混合し、カップの壁面に付着した填料をかきおとした後、混練条件9−9−30で混練した。同じく、硬化剤配合成分も同じ条件で混練した。なお、上記混練条件「a−b−c」は、aは公転条件、bは自転条件を示し、cは時間を示しc×10秒を意味する。
[シーラント粘度測定方法]
基剤/硬化剤をそれぞれ100g/10gの比率で1リットルのカップに秤取り、へらで3分間手練りした後、上記[混練方法]と同様に、遊星式脱泡混練り機にて、混練条件9−4−6で混練した。混練物の粘度をB8U型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて(ロータはNo.7)測定した。
[接着性試験]
基剤/硬化剤=10/1の比率で十分に混合脱泡後、JIS A5757 6.11引張応力及び伸び試験に基づいてH型を作成し、下記の基準により接着性の評価を行った。被着体はアルミ板、プライマーはUM2(サンスター技研株式会社製)をそれぞれ使用した。
○:材料破壊
△:一部界面剥離
×:界面剥離
[貯蔵安定性試験]
基剤を内径50mm、深さ15mmの容器に入れ、温度80℃、湿度90%の雰囲気中に保存した。そして、指先で基剤表面に触れた際、増粘およびゲル化により基剤が指先に付着しなくなるまでに要した日数を数えた。
Figure 0005259039
表3から、本発明の実施例1〜15の表面処理炭酸カルシウム填料を配合した実施例32〜46の2成分型変成シリコーンシーラントは、接着性に優れ、また貯蔵安定性も良好であることがわかる。
実施例47〜61、比較例19〜24
実施例1〜15、比較例1〜6で得られた表面処理炭酸カルシウム填料を下記試験方法(3) にて焼き付け塗料を作成し、その物性を評価した。結果を表4に示す。
(試験方法(3) :焼き付け塗料)
[配合]
〈ミルベース〉
アルキド樹脂(ベッコゾールET-3300-60X 、大日本インキ化学工業株式会社製)
42重量部
メラミン樹脂(スーパーベッカミンJ-820-60、大日本インキ化学工業株式会社製)
18重量部
酸化チタン(タイペークR-820 、石原産業株式会社製) 120重量部
表面処理炭酸カルシウム填料 18重量部
キシレン 52重量部
ガラスビーズ(2〜3mmφ) 120重量部
〈レットダウン〉
アルキド樹脂(ベッコゾールET-3300-60X 、大日本インキ化学工業株式会社製)
132重量部
メラミン樹脂(スーパーベッカミンJ-820-60、大日本インキ化学工業株式会社製)
56重量部
450mlのマヨネーズ瓶にミルベースを秤取り、ペイントコンディショナー(レッドデビル社)で60分間分散させた。その後、レットダウンを追加し、さらに30分間混合した。
[分散粒度測定方法]
塗料の分散粒度を0〜100μmのグラインドゲージにて測定した。
[塗料粘度測定方法]
作成した塗料を20℃の恒温槽中に1昼夜放置した後、BM型粘度計(東機産業株式会社製)にて測定した。ロータはNo.3ロータを使用した。
[KU値]
ストーマ粘度計にて測定した。
[耐沸騰水試験]
幅50mm、長さ100mm、厚み2mmのガラス板を塗料中に浸けて塗布した後、120℃のオーブン中で30分間焼き付けした。それを沸騰した水中に浸け、10分後と30分後の塗膜の表面を観察した。
Figure 0005259039
表4から、本発明の実施例1〜15の表面処理炭酸カルシウム填料を配合した実施例47〜61の焼き付け塗料で形成された塗膜は、ガラス板に対する密着性(接着性)が良いことがわかる。
実施例62〜76、比較例25〜30
実施例1〜15、比較例1〜6で得られた表面処理炭酸カルシウム填料を110℃×5時間乾燥させた後、下記試験方法(4) にてウレタン接着剤を作成し、その物性を評価した。結果を表5に示す。
(試験方法(4) :ウレタン接着剤)
[配合]
樹脂(タケネートL−1036、三井武田ケミカル株式会社製) 100重量部
表面処理炭酸カルシウム填料 50重量部
[混練方法]
小型ニーダーで混練してウレタン接着剤を作成した。
[粘度測定方法]
BS型粘度計(東機産業株式会社製)を使用した。ロータはNo.7ロータを使用した。
[貯蔵安定性試験]
カートリッジに充填し、50℃のオーブン中に1週間放置した。
Figure 0005259039
表5から、本発明の実施例1〜15の表面処理炭酸カルシウム填料を配合した実施例62〜76のウレタン接着剤は、増粘率が小さく貯蔵安定性が良いことがわかる。
実施例77、比較例31
実施例16、比較例7の表面処理炭酸カルシウムを充填材として用いて、下記の試験方法(5) にて、アクリルゾルを作成し、その物性を評価した。結果を表6に記載する。
(試験方法(5) :アクリルゾル)
[配合]
アクリルレジン ゼオンアクリルレジンF345(新第一塩ビ工業(株)製)
250重量部
ウレタンブロックポリマー(三井武田ケミカル(株)製) 125重量部
ウレタン硬化剤(三井武田ケミカル(株)製) 7重量部
DINP 500重量部
ターペン 75重量部
充填材 400重量部
[混練方法]
それぞれの配合剤を5L万能攪拌機(ダルトン社製)にて混練し、アクリルゾルを作成した。
[密着性試験方法]
上記配合により作成したアクリルゾルを、十分に磨き仕上げした70mm×150mmの鋼板に、3mmの厚さになるように塗布し、100℃の恒温槽で30分焼き付け硬化させ、15分間常温に曝して冷却させたのち、更に130℃で30分、冷却15分を2回繰り返し、それぞれ冷却後に、硬化皮膜を爪で剥がして密着性を確認した。
◎:密着性に極めて優れ、剥がそうとすると皮膜が破断する。
○:密着性に優れ、剥がそうとするには、かなりの力が必要である。
△:剥がそうとする際の力は、上記○の場合よりも小さい。
×:密着性が悪く、わずかな力で剥離する。
Figure 0005259039
叙上のとおり、本発明の表面処理炭酸カルシウム填料が配合された硬化型樹脂組成物、優れたチキソ性、耐スランプ性、貯蔵安定性、接着性、密着性等を有する。

Claims (4)

  1. 非金属石鹸からなる表面処理剤を用いて表面処理した炭酸カルシウムからなる填料を、ポリウレタン樹脂、ポリサルファイド樹脂、シリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、変成アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、及びアクリル樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種に配合してなる、シーラント、接着剤又は塗料用硬化型樹脂組成物。
  2. 非金属石鹸が、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、及び樹脂酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸のアンモニウム塩及びアミン塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の硬化型樹脂組成物。
  3. 表面処理された炭酸カルシウムのBET比表面積Swが3〜100m2 /gであり、下記式(1)により算出される単位比表面積当たりの表面処理剤量Asが0.20〜7.50mg/m2 である請求項1又は2に記載の硬化型樹脂組成物。
    As=Tg/Sw [mg/m2 ] 式(1)
    Sw:窒素吸着法によるBET比表面積 [m2 /g]
    Tg:200℃〜500℃の表面処理炭酸カルシウム1g当たりの熱減量[mg/g]
  4. 湿気硬化型である請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化型樹脂組成物。
JP2004119082A 2003-04-14 2004-04-14 硬化型樹脂組成物 Expired - Lifetime JP5259039B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004119082A JP5259039B2 (ja) 2003-04-14 2004-04-14 硬化型樹脂組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003108745 2003-04-14
JP2003108745 2003-04-14
JP2004119082A JP5259039B2 (ja) 2003-04-14 2004-04-14 硬化型樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004331963A JP2004331963A (ja) 2004-11-25
JP5259039B2 true JP5259039B2 (ja) 2013-08-07

Family

ID=33513113

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004119082A Expired - Lifetime JP5259039B2 (ja) 2003-04-14 2004-04-14 硬化型樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5259039B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103788710A (zh) * 2014-02-12 2014-05-14 铜陵瑞莱科技有限公司 一种含轻质碳酸钙的氧化铁绿颜料

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4707497B2 (ja) * 2005-08-10 2011-06-22 丸尾カルシウム株式会社 硬化型樹脂組成物用表面処理炭酸カルシウム填料、及び該填料を含有してなる硬化型樹脂組成物
JP5305602B2 (ja) * 2007-03-13 2013-10-02 丸尾カルシウム株式会社 表面処理炭酸カルシウム及びそれを配合してなる樹脂組成物
PL2537806T3 (pl) 2010-02-15 2020-07-13 Shiraishi Kogyo Kaisha, Ltd. Obrabiany powierzchniowo węglan wapnia i zawierająca go kompozycja przypominająca pastę
JP2012162626A (ja) * 2011-02-04 2012-08-30 Yokohama Rubber Co Ltd:The 1液湿気硬化型樹脂組成物
EP2848654A4 (en) 2012-05-08 2015-08-26 Maruo Calcium SURFACE TREATED CALCIUM CARBONATE FILLER AND HARDENABLE RESIN COMPOSITION USING THIS FILLER
JP6474545B2 (ja) * 2013-12-26 2019-02-27 丸尾カルシウム株式会社 架橋性珪素基を有する硬化型樹脂組成物
JP6227102B2 (ja) * 2016-12-22 2017-11-08 丸尾カルシウム株式会社 表面処理炭酸カルシウム填料、及び該填料を配合してなる硬化型樹脂組成物
JP6227101B2 (ja) * 2016-12-22 2017-11-08 丸尾カルシウム株式会社 表面処理炭酸カルシウム填料、及び該填料を配合してなる硬化型樹脂組成物
JP2018040007A (ja) * 2017-10-25 2018-03-15 丸尾カルシウム株式会社 架橋性珪素基を有する硬化型樹脂組成物

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4927618A (en) * 1987-11-19 1990-05-22 Pfizer Inc. Process for the preparation of large surface area, finely divided precipitated calcium carbonate and filled polymeric compositions of matter containing said calcium carbonate
DE3900054A1 (de) * 1989-01-03 1990-07-12 Solvay Werke Gmbh Unterbodenschutzmasse und verfahren zu deren herstellung
JP2000345068A (ja) * 1999-06-04 2000-12-12 Shiraishi Kogyo Kaisha Ltd 充填用炭酸カルシウム
JP2002220547A (ja) * 2001-01-29 2002-08-09 Maruo Calcium Co Ltd 表面処理連鎖状炭酸カルシウム及びこれを配合してなる樹脂組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103788710A (zh) * 2014-02-12 2014-05-14 铜陵瑞莱科技有限公司 一种含轻质碳酸钙的氧化铁绿颜料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004331963A (ja) 2004-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4707497B2 (ja) 硬化型樹脂組成物用表面処理炭酸カルシウム填料、及び該填料を含有してなる硬化型樹脂組成物
JP3914219B2 (ja) 硬化型樹脂組成物用表面処理炭酸カルシウム填料、及び該填料を含有してなる硬化型樹脂組成物
JP4850522B2 (ja) 硬化型樹脂組成物用表面処理炭酸カルシウム填料、及び該填料を含有してなる硬化型樹脂組成物
KR100572141B1 (ko) 표면처리 탄산 칼슘, 그 제조 방법 및 그 탄산 칼슘을배합하여 이루어지는 수지조성물
US7709090B2 (en) Surface-treated calcium carbonate particles
JP5259039B2 (ja) 硬化型樹脂組成物
RU2616054C2 (ru) Поверхностно-модифицированный содержащий карбонат кальция минерал и его применение
JPH11349846A (ja) 表面処理炭酸カルシウム填料、その製造方法、並びに該填料を配合してなる樹脂組成物
WO1992002587A1 (en) Calcium carbonate treated with fatty acids, manufacture and use
WO2000061690A1 (en) Surface-treated calcium carbonate filler, process for producing the same, and resin composition containing the filler
KR20130087501A (ko) 염기성 시아누르산아연 미립자 및 그 제조 방법
JP3685031B2 (ja) 合成樹脂用表面処理炭酸カルシウム填料、その製造方法、並びに該填料を配合してなる樹脂組成物
US4244835A (en) Method of dispersing alpha alumina monohydrate
JP4707756B2 (ja) シーラント用表面処理連鎖状炭酸カルシウム填剤及びこれを配合してなるシーラント樹脂組成物
JP3650381B2 (ja) 表面処理炭酸カルシウム填料、その製造方法、並びに該填料を配合してなる樹脂組成物
JP5944714B2 (ja) 水酸化マグネシウム粒子、及びそれを含む樹脂組成物
JP3891784B2 (ja) 硬化型樹脂用炭酸カルシウム充填剤及び該充填剤を含有してなる硬化型樹脂組成物
WO2014036572A2 (en) Particulate products and process for manufacture thereof
JPH08231760A (ja) 表面改質重質炭酸カルシウム及び当該炭酸カルシウムを配合した塩化ビニル系樹脂組成物
JP3668544B2 (ja) 表面改質重質炭酸カルシウムとその製造方法及び水系塗料組成物
JP2003171121A (ja) 揺変性付与材
JP2652044B2 (ja) 湿気硬化一液型シーリング材用炭酸カルシウム及びそれを含有したシーリング材組成物
JP7428456B1 (ja) 表面処理炭酸カルシウムおよびそれを用いた樹脂組成物
JPH11106215A (ja) 表面処理炭酸カルシウム粉体、その製造方法並びに該粉体を配合してなる樹脂組成物
JP3176213B2 (ja) 貯蔵安定性の改良された変性シリコーン樹脂組成物及びそれからなるシーラント

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070301

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100827

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130424

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160502

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5259039

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250