JP5255794B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、有機電界発光素子に関する。
近年、有機電界発光素子(有機EL素子)を用いた発光装置が開発されている。図6は、有機EL素子1の構成を概略的に示している。ガラス等の基板2上に、陽極3、有機EL層8(正孔輸送層4、発光層5、及び電子輸送層6)、陰極7等が積層されている。図中、隔壁、絶縁膜、封止部材等は省略されている。両極3,7の引出配線(端子)を介して外部の配線と接続し、電界を印加することにより、電極3,7間に挟まれた領域の発光層5において正孔と電子が再結合して発光する。
カラー表示が可能な表示装置を製造する場合は、例えば、基板上に陽極をストライプ状に形成した後、陽極上に赤(R)、緑(G)、青(B)に対応した有機EL層が繰り返し現れるように有機EL材料でパターニングを行う。次いで、有機EL層上に陰極を形成し、さらに、各電極の端子(外部接続端子)に制御配線、信号配線等の外部配線を接続する。これにより、RGBに対応した有機EL素子が並んで画素を構成し、カラー表示を行うことができる。
発光層を構成する材料は、発光効率が良いこと、キャリア輸送性が良いこと、成膜性が良いことなどの条件が要求され、発光材料だけで構成される場合があるほか、発光材料のほかに、発光せずに電荷輸送性を有するホスト材料等を混ぜて構成される場合もある。
また、発光層は、その構成材料に濃度勾配を持たせることにより、発光効率の向上や長寿命化などを図った発光素子が提案されている(例えば特許文献1〜4参照)。しかし、実際に発光層におけるキャリアバランスを緻密に制御して発光層全体で発光させることにより発光効率及び耐久性を向上させる有機EL素子は見当たらない。
特開2001−155862号公報 特開2001−189193号公報 特開2004−6102号公報 特開2002−313583号公報
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、発光層の広い範囲で発光することにより、発光効率及び耐久性が向上した有機電界発光素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では以下の有機電界発光素子が提供される。
<1> 陽極と陰極との間に少なくとも発光層を含む有機層が挟まれた有機電界発光素子であって、前記発光層中に、電子輸送性の発光材料、正孔輸送性のホスト材料、及び電気的に不活性な材料を含み、前記電子輸送性の発光材料の濃度が、前記陰極側から前記陽極側に向けて漸減し、かつ、前記電気的に不活性な材料の濃度が、前記陰極側から前記陽極側に向けて漸減していることを特徴とする有機電界発光素子。
> 前記発光層の前記陽極側界面付近の領域における前記電子輸送性の発光材料の濃度が、前記発光層の陰極側界面付近の領域における前記電子輸送性の発光材料の濃度に対して0質量%以上50質量%以下であることを特徴とする<1>記載の有機電界発光素子。
> 前記発光層中における前記電子輸送性の発光材料の濃度が、前記陽極側界面付近の領域で0質量%以上10質量%以下であることを特徴とする<1>又は記載の有機電界発光素子。
> 前記電気的に不活性な材料が、最高占有軌道と最低非占有軌道とのエネルギー差Egが4.0eV以上の有機材料であることを特徴とする<1>〜<>のいずれかに記載の有機電界発光素子。
> 前記有機材料が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする<>に記載の有機電界発光素子。
一般式(1) L−(Ar)
(一般式(1)中、Arは下記一般式(2)で表される基、Lは3価以上のベンゼン骨格を表し、mは3以上の整数を表す。);
Figure 0005255794


(一般式(2)中、Rは置換基を表し、Rが複数存在する場合、互いに同じでも異なっていてもよい。n1は0〜9の整数を表す。)。
> 前記有機材料が、シロキサン化合物であることを特徴とする<>に記載の有機電界発光素子。
> 前記電気的に不活性な材料が、無機誘電体材料であることを特徴とする<1>〜<>のいずれかに記載の有機電界発光素子。
> 前記無機誘電体材料が、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化珪素、および炭化珪素の中から選ばれることを特徴とする<>に記載の有機電界発光素子。
> 前記発光材料が燐光発光材料であることを特徴とする<1>〜<>のいずれかに記載の有機電界発光素子。
10> 発光スペクトルのピーク波長が430nmから480nmの間であることを特徴とする<1>〜<>のいずれかに記載の有機電界発光素子。
本発明によれば、発光層の広い範囲で発光することにより、発光効率及び耐久性が向上した有機電界発光素子が提供される。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係る有機電界発光素子について説明する。
本発明者の知見によると、発光層にホスト材料と発光材料を用いた有機EL素子において、正孔輸送性を示すホスト材料と、電子輸送性を示す発光材料を用いた典型構成の場合、発光層内の発光分布は、電子輸送層(ETL)側に寄った分布であることが実験的に示された。これは、発光層内のキャリアバランスが正孔過多、電子不足の状態にあるためであり、このような局所発光は発光効率の低下、発光負荷集中による耐久性の悪化を引き起こすと考えられる。
このようなETL側局所発光に対し、正孔輸送性を示すホスト材料と、電子輸送性を示す発光材料を用い、発光材料の濃度を高めることで発光層により多くの電子を注入できるとも考えられる。ところが、電子輸送性を示す発光材料を高濃度とした発光層では、正孔輸送層(HTL)側と電子輸送層(ETL)側の両方に寄った発光分布が観測されてしまう。すなわち、発光層中の電子輸送性の発光材料の濃度を高めると、電子が発光層に注入されるものの、注入された電子は再結合に寄与することなくHTL側界面付近まで移動してしまい、結果として界面付近での局所発光の問題を解決することができないと考えられる。
そこで、本発明者はさらに研究を重ねた結果、発光層中に、電子輸送性の発光材料、正孔輸送性のホスト材料、及び電気的に不活性な材料を含み、前記電子輸送性の発光材料の濃度を、陽極側よりも陰極側で高くすることで、発光層における発光分布が膜厚方向の全体にわたって発光する分布に近づき、発光効率及び耐久性を向上させることができることを見出した。
図1は、本発明に係る有機EL素子の構成の一例を示している。本発明に係る有機EL素子10は、支持基板12上において、陽極14と陰極18との間に少なくとも発光層を含む有機層16が挟まれており、発光層中に、電子輸送性の発光材料、正孔輸送性のホスト材料、及び電気的に不活性な材料を含み、電子輸送性の発光材料の濃度が、陰極18側から陽極14側に向けて漸減している。
<支持基板>
有機EL素子10を形成するための支持基板12は、有機EL素子10を支持することができる強度、光透過性等を有するものであれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。例えば、ジルコニア安定化イットリウム(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。
支持基板12としてガラスを用いる場合、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。ソーダライムガラスを用いる場合には、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。
有機材料からなる支持基板12を用いる場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。特にプラスチック製の支持基板12を用いる場合には、水分や酸素の透過を抑制するため、支持基板12の片面又は両面に透湿防止層又はガスバリア層を設けることが好ましい。透湿防止層又はガスバリア層の材料としては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物を好適に用いることができる。透湿防止層又はガスバリア層は、例えば、高周波スパッタリング法などにより形成することができる。
また、熱可塑性の支持基板を用いる場合には、更に必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
支持基板12の形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機EL表示素子10の用途、目的等に応じて適宜選択することができる。一般的には、支持基板12の形状としては、取り扱い性、有機EL素子の形成容易性等の観点から、板状であることが好ましい。支持基板12の構造は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。また、支持基板12は、単一部材で構成されていてもよいし、2つ以上の部材で構成されていてもよい。
なお、有機EL素子による発光装置には、一般的に、発光層から発せられた光を支持基板12側から取り出すボトムエミッション方式と、支持基板12の反対側から取り出すトップエミッション方式があり、本発明はいずれの方式も採用することができる。トップエミッション方式の有機EL発光装置を製造する場合には、支持基板12側から発光を取り出す必要がないため、例えば、ステンレス、Fe、Al、Ni、Co、Cuやこれらの合金等の金属基板やシリコン基板を用いることができる。金属製の支持基板であれば、厚みが薄くても、強度が高く、大気中の水分や酸素に対して高いガスバリア性を有するものとなる。なお、金属製の支持基板を用いる場合には、支持基板12と下部電極14との間に電気絶縁性を確保するための絶縁膜を設けておく必要がある。
<有機EL素子>
本発明に係る有機EL素子10は、例えば以下のような層構成を採用することができるが、これらに限定されず、目的等に応じて適宜決めればよい。
・陽極/発光層/陰極
・陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極
通常は、支持基板12側の電極(下部電極)14を陽極とし、封止基板(不図示)側の電極(上部電極)18を陰極とするが、下部電極を陰極、上部電極を陽極とすることもできる。以下の説明においては支持基板12上に陽極14から順次形成していく構成について説明するが、支持基板12上に陰極から逆に形成することも可能である。
−陽極−
陽極14は、有機EL層16に正孔を供給する電極としての機能を有するものであれば、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機EL素子10の用途、目的等に応じて公知の電極材料から適宜選択することができる。
陽極14を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、又はこれらの混合物が好適に挙げられる。具体例として、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられる。この中で好ましいのは導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からはITOが好ましい。
陽極14を形成する方法としては、例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式が挙げられ、陽極14を構成する材料との適性等を考慮して適宜選択すればよい。例えば、陽極材料としてITOを用いる場合には、直流又は高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等に従って陽極14を形成することができる。
陽極14を形成する位置は、有機EL素子10の用途、目的等に応じて適宜選択することができ、支持基板12の全体に形成してもよいし、一部に形成してもよい。
陽極14を形成する際のパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよい。また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等を行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
陽極14の厚みは、陽極14を構成する材料等に応じて適宜選択すればよいが、通常は10nm〜50μm程度であり、50nm〜20μmが好ましい。
また、陽極14の抵抗値は、有機EL層16に確実に正孔を供給するために、10Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。
陽極側から光を取り出す場合は、その光透過率は60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。透明陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述があり、ここに記載されている事項を本発明でも適用することができる。例えば、耐熱性の低いプラスチック製の支持基板を用いる場合は、ITO又はIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明陽極が好ましい。
−有機層−
有機層(有機EL層)16は、陽極14と陰極18の間に挟まれ、少なくとも発光層を含む構成とする。有機層16を構成する発光層以外の層としては、前述したように、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。好ましい層構成として、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されている態様が挙げられ、さらに、例えば正孔輸送層と発光層との間、又は、発光層と電子輸送層との間に、電荷ブロック層等を有していてもよい。陽極14と正孔輸送層との間に正孔注入層を有してもよく、陰極18と電子輸送層との間には電子注入層を有してもよい。また、各層は複数の二次層に分かれていてもよい。
有機層16を構成する各層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法等いずれによっても好適に形成することができる。
−発光層−
発光層は、電界印加時に、陽極14、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極18、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
本発明に係る有機EL素子10は、いずれの層構成とする場合でも、発光層中に、電子輸送性の発光材料、正孔輸送性のホスト材料、及び電気的に不活性な材料を含み、電子輸送性の発光材料の濃度を、陽極側よりも陰極側で高くする。ここで、電子輸送性の発光材料とは、正孔輸送性よりも電子輸送性が高く、かつ、発光する材料であり、正孔輸送性のホスト材料とは、電子輸送性よりも正孔輸送性が高く、かつ、発光しない材料である。また、電気的に不活性な材料とは、電荷輸送性(電子輸送性及び正孔輸送性)を有さず、かつ、発光しない材料であり、バインダとも呼ばれる。
図2は、本発明に係る有機EL素子の発光層における濃度分布の一例(第1の態様)を示している。この発光層は、電子輸送性の発光材料、正孔輸送性のホスト材料、及び電気的に不活性な材料(バインダ)から構成されており、電子輸送性の発光材料の濃度は陰極側から陽極側に向けて漸減している。一方、正孔輸送性のホスト材料の濃度は陽極側から陰極側に向けて漸減しており、また、バインダの濃度は厚さ方向で一定となっている。
このような濃度分布を有する発光層とすれば、発光層における発光分布が膜厚方向の全体にわたって発光する分布に近づき、発光効率及び耐久性を向上させることができる。発光分布が膜厚方向の全体にわたって発光する分布に近づく理由の一つとしては、電子輸送性の発光材料の濃度が陽極側よりも陰極側で高くなっているため、陰極側から発光層に注入された電子は、陽極側に進むにつれて移動が抑制され、発光層の中央部でも再結合して発光することによるものと考えられる。さらに、発光層には電気的に不活性な材料(バインダ)が含まれている。バインダは電荷輸送性を有しないものであるが、発光材料の分散剤として機能するとともに、ホスト材料による正孔輸送性を抑制する働きをする。そのため、陽極側から発光層に注入された正孔の移動が抑制され、電子との再結合は、発光層の陰極側に移動する前に陽極側及び中央部でも電子と再結合し易いことも考えられる。このように、発光層中に電子輸送性の発光材料、正孔輸送性のホスト材料、及び電気的に不活性な材料を含み、主に、発光層において電子輸送性の発光材料の濃度が陰極側から陽極側に向けて漸減していることと、バインダを含有していることの相乗効果により、電子と正孔が、発光層の端部付近のみならず、発光層の中間部付近でも再結合し易くなり、発光層全体で効率的に発光することになる。これにより、陰極側に寄った発光分布が大きく改善され、発光効率が向上するとともに、発光負荷集中が抑制され、耐久性が向上するものと考えられる。
図3は、本発明に係る有機EL素子の発光層における濃度分布の他の例(第2の態様)を示している。この発光層も、電子輸送性の発光材料、正孔輸送性のホスト材料、及び電気的に不活性な材料(バインダ)を含み、電子輸送性の発光材料の濃度が、陰極側から陽極側に向けて漸減し、さらに、バインダの濃度も陰極側から陽極側に向けて漸減している。このように、発光層において電子輸送性の発光材料の濃度だけでなく、バインダの濃度も陰極側から陽極側に向けて漸減していれば、バインダによる効果は陽極側では小さく、陰極側では大きくなる。これにより、陽極側から発光層に注入された正孔は、陽極側から陰極側に近づくほど移動が遅くなり、局所発光が一層抑制され、発光効率及び耐久性をさらに向上させることができる。
発光層を構成する各材料の濃度分布については、電子輸送性の発光材料の濃度が陰極側から陽極側に向けて漸減していれば特に限定されないが、例えば発光層の陰極側において電子輸送性の発光材料の濃度が低過ぎると発光層中に電子が十分注入されず、逆に高過ぎると濃度消光や会合発光が生じて効率低下や色度悪化を招くおそれがある。また、発光層の陽極側において電子輸送性の発光材料の濃度やバインダの濃度が高く、正孔輸送性のホスト材料の濃度が低過ぎると、発光層中に正孔が十分注入されず、発光強度の低下を招くおそれがある。
上記のような観点から、発光層の陰極側界面付近の領域における電子輸送性の発光材料の濃度(質量%)は、好ましくは5〜100%であり、より好ましくは10〜80%であり、特に好ましくは15〜70%である。一方、発光層の陽極側界面における電子輸送性の発光材料の濃度(質量%)は、好ましくは0〜10%であり、より好ましくは0〜7%であり、特に好ましくは0〜5%である。
また、発光層の陽極側界面付近の領域における電子輸送性の発光材料の濃度が、発光層の陰極側界面付近の領域における電子輸送性の発光材料の濃度に対して0質量%以上50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、0質量%以上20質量%以下である。
なお、本願明細書において、「発光層の陰極側界面付近の領域」とは、発光層の陰極側界面から発光層全体の厚みの10%の厚みの領域を指すものと定義され、「発光層の陽極側界面付近の領域」とは、発光層の陽極側界面から発光層全体の厚みの10%の厚みの領域を指すものと定義される。また、その領域における濃度とは、その領域における平均濃度を指すものとして定義される。さらに、「発光層の陰極側(陽極側)界面付近の領域」における各材料の濃度は、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)、エッチングX線光電子分光分析(XPS/ESCA)などの方法によって測定することができる。
また、電子輸送性の発光材料は、十分な発光強度を得ること、濃度消光を防ぐことなどの観点から、発光層中に5〜50質量%含有されることが好ましく、10〜30質量%含有されることがより好ましい。
また、発光層中の正孔輸送性のホスト材料の濃度は、上記のような観点から、電子輸送性の発光材料の濃度とは逆に、陽極側から陰極側に向けて漸減していることが好ましい。発光層の陰極側界面付近の領域における正孔輸送性のホスト材料の濃度(質量%)は、好ましくは0〜10%であり、より好ましくは0〜7%であり、特に好ましくは0〜5%である。一方、発光層の陽極側界面付近の領域における正孔輸送性のホスト材料の濃度(質量%)は、好ましくは5〜100%であり、より好ましくは10〜80%であり、特に好ましくは15〜70%である。
また、正孔輸送性のホスト材料は、キャリアバランスなどの観点から、発光層中に5〜90質量%含有されることが好ましく、10〜70質量%含有されることがより好ましい。
さらに、発光層中の電気的に不活性な材料(バインダ)の濃度は、上記のような観点から、陰極側から陽極側に向けて一定であるか、漸減していることが好ましく、電子輸送性の発光材料の濃度と同様に、陰極側から陽極側に向けて漸減していることがより好ましい。発光層の陰極側界面付近の領域における電気的に不活性な材料(バインダ)の濃度(質量%)は、好ましくは0〜95%であり、より好ましくは10〜90%であり、特に好ましくは20〜85%である。一方、発光層の陽極側界面付近の領域における電気的に不活性な材料(バインダ)の濃度(質量%)は、好ましくは0〜95%であり、より好ましくは0〜90%であり、特に好ましくは0〜85%である。
また、電気的に不活性な材料(バインダ)は、バインダによる効果を十分得るため、発光層中に1〜90質量%含有されることが好ましく、10〜80質量%含有されることがより好ましい。
発光層中の電子輸送性の発光材料の濃度の漸減の仕方は特に限定されず、例えば、陰極側から陽極側に向けて直線状又は曲線状に連続的に漸減してもよいし、段階的に漸減してもよい。また、例えば発光層内で減少する濃度傾斜の場合に、層内で局部的に濃度が増加している領域があっても総体的に減少する濃度傾斜を有していれば本願の意図する範囲内である。なお、局所的な発光による発光負荷を回避し、発光層全体にわたってより均一に発光させる観点から、発光層中の電子輸送性の発光材料は、図2及び図3に示されるように、陰極側から陽極側に向けて直線状に連続的に濃度が低減していることが好ましい。
また、発光層中の正孔輸送性のホスト材料又は電気的に不活性な材料が濃度分布を有する場合も、発光層の厚さ方向に直線状又は曲線状に連続的に低減又は増加してもよいし、段階的に漸減又は漸増してもよい。
次に、発光層を構成する各材料等についてより具体的に説明する。
(A)電子輸送性の発光材料
本発明に係る発光層中の発光材料は、電子輸送性であれば、蛍光発光材料でも、燐光発光材料であっても良い。
(a)燐光発光材料
燐光発光材料としては、一般に、遷移金属原子又はランタノイド原子を含む錯体を挙げることができる。
遷移金属原子としては、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、及び白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、及び白金であり、更に好ましくはイリジウム、白金である。
ランタノイド原子としては、例えばランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、およびルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、及びガドリニウムが好ましい。
錯体の配位子としては、例えば、G.Wilkinson等著,Comprehensive Coordination Chemistry,Pergamon Press社1987年発行、H.Yersin著,「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer−Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社1982年発行等に記載の配位子などが挙げられる。
具体的な配位子としては、好ましくは、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、芳香族炭素環配位子(例えば、シクロペンタジエニルアニオン、ベンゼンアニオン、またはナフチルアニオンなど)、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、またはフェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)、カルボン酸配位子(例えば、酢酸配位子など)、アルコラト配位子(例えば、フェノラト配位子など)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子であり、より好ましくは、含窒素ヘテロ環配位子である。
上記錯体は、化合物中に遷移金属原子を一つ有してもよいし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であってもよい。異種の金属原子を同時に含有していてもよい。
これらの中でも、発光材料の具体例としては、例えば、US6303238B1、US6097147、WO00/57676、WO00/70655、WO01/08230、WO01/39234A2、WO01/41512A1、WO02/02714A2、WO02/15645A1、WO02/44189A1、特開2001−247859、特願2000−33561、特開2002−117978、特開2002−225352、特開2002−235076、特願2001−239281、特開2002−170684、EP 1211257、特開2002−226495、特開2002−234894、特開2001−247859、特開2001−298470、特開2002−173674、特開2002−203678、特開2002−203679、特開2004−357791、特願2005−75340、特願2005−75341等の特許文献に記載の燐光発光化合物などが挙げられる。
(b)蛍光発光材料
蛍光性の発光性ドーパントとしては、一般には、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ピラン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピラリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、シクロペンタジエン、スチリルアミン、芳香族ジメチリディン化合物、縮合多環芳香族化合物(アントラセン、フェナントロリン、ピレン、ペリレン、ルブレン、又はペンタセンなど)、8−キノリノールの金属錯体、ピロメテン錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン、およびこれらの誘導体などを挙げることができる。
また、電子輸送性の発光材料は、好ましくは、その電子親和力(Ea)が2.5eV以上3.5eV以下であり、イオン化ポテンシャル(Ip)が5.7eV以上7.0eV以下の電子輸送性の発光材料である。
具体的には、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、及びルテシウム錯体が挙げられ、より好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、又は白金錯体であり、最も好ましくは白金錯体である。
白金錯体を以下に例示するが、本発明はこれらに限定されものではない。
Figure 0005255794
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なお、発光材料として燐光発光材料を用いる燐光素子は、一般的に、高電流領域での効率が低下する、いわゆるロールオフ現象が生じやすい。特に、正孔輸送性を示すホスト材料と、電子輸送性を示す青色燐光発光材料を用いた典型構成の青色燐光有機EL素子における発光層内の発光分布は、通常、発光層内のキャリアバランスが正孔過多、電子不足の状態となり易い。しかし、本発明に係る有機EL素子は、発光層内における正孔と電子のキャリアバランスが均等に近い状態となるため、発光層全体において電子と正孔とが再結合して発光することができる。従って、本発明に係る有機EL素子は、発光材料として燐光発光材料を用い、ロールオフ現象が生じ易い燐光素子とした場合でも、高電流領域における発光効率の低下を効果的に抑制することができ、特に、発光スペクトルのピーク波長が430nmから480nmの間にある青色燐光の有機EL素子に適用した場合に顕著な効果を奏することができる。
(B)正孔輸送性のホスト材料
本発明の発光層を構成するホスト材料としては、正孔輸送性のホスト材料を用いる。
このような正孔輸送性のホスト材料は、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、イオン化ポテンシャルIpが5.1eV以上6.4eV以下であることが好ましく、5.4eV以上6.2eV以下であることがより好ましく、5.6eV以上6.0eV以下であることが更に好ましい。また、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、電子親和力Eaが1.2eV以上3.1eV以下であることが好ましく、1.4eV以上3.0eV以下であることがより好ましく、1.8eV以上2.8eV以下であることが更に好ましい。
具体的には、例えば、以下の材料を挙げることができる。
ピロール、カルバゾール、アザカルバゾール、インドール、アザインドール、ピラゾール、イミダゾール、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマチオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、及びそれらの誘導体等が挙げられる。
中でも、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、芳香族第三級アミン化合物、またはチオフェン誘導体が好ましく、特に分子内にカルバゾール骨格および/またはインドール骨格および/または芳香族第三級アミン骨格を複数個有するものが好ましい。更には、カルバゾール骨格および/またはインドール骨格を有するものが好ましい。
このような正孔輸送性ホストとしての具体的化合物としては、例えば下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0005255794

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(C)電気的に不活性な材料(バインダ)
発光層に含まれる電気的に不活性な材料は、有機材料及び無機材料のいずれも用いることができる。
発光層に含まれる電気的に不活性な材料は、最高占有軌道と最低非占有軌道とのエネルギー差Egが4.0eV以上の有機材料が好ましく、より好ましくは該Egが4.1eV以上(a)5.0eV以下、さらに好ましくは4.2eV以上5.0eV以下である。該Egが4.0eV以上であれば、正孔及び/又は電子が不活性材料に入ることを防ぎ、キャリア移動度をより適正に保つことができ、発光効率及び耐久性をより高めることができる。
電気的に不活性な有機材料としては、芳香族炭化水素化合物から好適に選択することができ、その一つの化合物群として、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
一般式(1) L−(Ar)
一般式(1)中、Arは下記一般式(2)で表される基、Lは3価以上のベンゼン骨格を表し、mは3以上の整数を表す。
Figure 0005255794
一般式(2)中、Rは置換基を表し、Rが複数存在する場合、互いに同じでも異なっていてもよい。n1は0〜9の整数を表す。
別の好ましい化合物群は、下記一般式(3)で示される化合物である。
Figure 0005255794
一般式(3)中、Rは置換基を表し、Rが複数存在する場合、互いに同じでも異なっていてもよい。n2は0〜20の整数を表す。
まず、一般式(1)について詳細に説明する。
一般式(1)に含まれるLは3価以上のベンゼン骨格を表す。Arは一般式(2)で表される基を表し、mは3以上の整数を表す。mは好ましくは3以上6以下であり、さらに好ましくは3または4である。
次に、一般式(2)で表される基について説明する。
一般式(2)に含まれるRは置換基を表す。ここで置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルなど)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、及び3−ペンテニルなど)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなど)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、及びアントラニルなど)などが挙げられる。
また、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、及びジトリルアミノなど)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、及び2−エチルヘキシロキシなど)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、及び2−ナフチルオキシなど)、ヘテロアリールオキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、及びキノリルオキシなど)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、及びピバロイルなど)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなど)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなど)などが挙げられる。
また、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなど)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなど)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなど)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなど)などが挙げられる。
スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなど)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、及びフェニルスルファモイルなど)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、及びフェニルカルバモイルなど)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなど)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなど)、ヘテロアリールチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、及び2−ベンズチアゾリルチオなど)などが挙げられる。
スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなど)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなど)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなど)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなど)などが挙げられる。
ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子として、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子などを有し、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、及びアゼピニル基など)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなど)などが挙げられる。
は、複数存在する場合、互いに同じでも異なっていてもよく、これらは互いに結合して環を形成してもよい。また、Rは更に置換されてもよい。
n1は0から9の整数を表す。n1として好ましくは0から6の整数であり、さらに好ましくは0から3である。
続いて、一般式(3)について説明する。
一般式(3)におけるRは置換基を表す。置換基Rは、前記置換基Rと好ましい態様を含んで同義である。
n2は0から20の整数を表す。n2の好ましい範囲は0から10であり、さらに好ましくは0から5である。
以下に、一般式(1)または一般式(3)の化合物例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0005255794
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また、他の電気的に不活性な有機材料としては、シロキサン化合物から好適に選択することができる。以下に、化合物例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0005255794
一方、発光層中に含み得る電気的に不活性な無機材料としては、実質上導電性が無い無機誘電体材料であれば特に限定される事はない。
上記無機材料としては、例えば金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属ハロゲン化物、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属リン酸塩、金属硫化物、金属炭酸塩、金属ホウハロゲン化物、金属リンハロゲン化物等が使用可能である。なかでも発光材料との相溶性や、製膜適性の観点から、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、炭化珪素、酸化ゲルマニウム、二酸化ゲルマニウム、酸化スズ、二酸化スズ、酸化バリウム、フッ化リチウム、塩化リチウム、フッ化セシウム、又は塩化セシウム等が好ましい。さらに好ましくは、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化珪素、および炭化珪素である。また、硫化亜鉛(ZnS)も好適である。
上記のような(A)電子輸送性の発光材料、(B)正孔輸送性のホスト材料、及び(C)電気的に不活性な材料を用い、電子輸送性の発光材料の濃度が、陰極側から陽極側に向けて漸減するように発光層を形成する。このような発光層を形成する方法は、電子輸送性の発光材料の濃度が上記のような濃度勾配を有するように形成することができれば特に限定されず、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法等いずれを用いても良いが、共蒸着が好適である。共蒸着であれば、各材料の蒸着速度を制御することにより、発光層の厚さ方向において所望の濃度分布をつけることができる。
また、発光層の厚さは特に限定されるものではないが、発光層におけるピンホールの発生を防ぐこと、十分な発光強度を得ることなどの観点から、通常、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
−正孔注入層、正孔輸送層−
正孔注入層及び正孔輸送層は、陽極14又は陽極側から正孔を受け取り、発光層側(陰極側)に輸送する機能を有する層である。正孔注入層及び正孔輸送層は、具体的には、ピロール誘導体、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、カーボン、フェニルアゾールやフェニルアジンを配位子に有するIr錯体に代表される各種金属錯体等を含有する層であることが好ましい。
本発明の有機EL素子の正孔注入層および/または正孔輸送層は低電圧化、駆動耐久性の観点から、電子受容性ドーパントを好ましく含有することができる。
正孔注入層、あるいは正孔輸送層に導入する電子受容性ドーパントとしては、電子受容性で有機化合物を酸化する性質を有すれば、無機化合物でも有機化合物でも使用でき、具体的には、無機化合物は塩化第二鉄や塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、五塩化アンチモンなどのハロゲン化物、五酸化バナジウム、三酸化モリブデン等の金属酸化物を好適に用いることができる。
有機化合物の場合は、置換基としてニトロ基、ハロゲン、シアノ基、トリフルオロメチル基などを有する化合物、キノン系化合物、酸無水物系化合物、フラーレンなどを好適に用いることができる。
具体的にはヘキサシアノブタジエン、ヘキサシアノベンゼン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、p−フルオラニル、p−クロラニル、p−ブロマニル、p−ベンゾキノン、2,6−ジクロロベンゾキノン、2,5−ジクロロベンゾキノン、テトラメチルベンゾキノン、1,2,4,5−テトラシアノベンゼン、o−ジシアノベンゼン、p−ジシアノベンゼン、1,4−ジシアノテトラフルオロベンゼン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、p−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、o−ジニトロベンゼン、p−シアノニトロベンゼン、m−シアノニトロベンゼン、o−シアノニトロベンゼン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロナフトキノン、1−ニトロナフタレン、2−ニトロナフタレン、1,3−ジニトロナフタレン、1,5−ジニトロナフタレン、9−シアノアントラセン、9−ニトロアントラセン、9,10−アントラキノン、1,3,6,8−テトラニトロカルバゾール、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,3,5,6−テトラシアノピリジン、マレイン酸無水物、フタル酸無水物、フラーレンC60、およびフラーレンC70などが挙げられる。この他にも、特開平6−212153、同11−111463、同11−251067、特開2000−196140、同2000−286054、同2000−315580、2001−102175、同2001−160493、同2002−252085、同2002−56985、同2003−157981、同2003−217862、同2003−229278、同2004−342614、同2005−72012、同2005−166637、同2005−209643号公報等に記載の化合物を好適に用いることができる。
このうちヘキサシアノブタジエン、ヘキサシアノベンゼン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、p−フルオラニル、p−クロラニル、p−ブロマニル、p−ベンゾキノン、2,6−ジクロロベンゾキノン、2,5−ジクロロベンゾキノン、1,2,4,5−テトラシアノベンゼン、1,4−ジシアノテトラフルオロベンゼン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、p−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、o−ジニトロベンゼン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロナフトキノン、1,3−ジニトロナフタレン、1,5−ジニトロナフタレン、9,10−アントラキノン、1,3,6,8−テトラニトロカルバゾール、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,3,5,6−テトラシアノピリジン、またはC60が好ましく、ヘキサシアノブタジエン、ヘキサシアノベンゼン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、p−フルオラニル、p−クロラニル、p−ブロマニル、2,6−ジクロロベンゾキノン、2,5−ジクロロベンゾキノン、2,3−ジクロロナフトキノン、1,2,4,5−テトラシアノベンゼン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、または2,3,5,6−テトラシアノピリジンがより好ましく、テトラフルオロテトラシアノキノジメタンが特に好ましい。
これらの電子受容性ドーパントは、単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。電子受容性ドーパントの使用量は、材料の種類によって異なるが、正孔輸送層材料に対して0.01質量%〜50質量%であることが好ましく、0.05質量%〜20質量%であることが更に好ましく、0.1質量%〜10質量%であることが特に好ましい。該使用量が、正孔輸送材料に対して0.01質量%未満のときには、本発明の効果が不十分であるため好ましくなく、50質量%を超えると正孔輸送能力が損なわれるため好ましくない。
正孔注入層及び正孔輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
正孔輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、5nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、正孔注入層の厚さとしては、0.1nm〜500nmであるのが好ましく、0.5nm〜400nmであるのがより好ましく、1nm〜300nmであるのが更に好ましい。
正孔注入層及び正孔輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
−電子注入層、電子輸送層−
電子注入層及び電子輸送層は、陰極18又は陰極側から電子を受け取り、発光層側(陽極側)に輸送する機能を有する層である。電子注入層及び電子輸送層は、具体的には、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
本発明の有機EL素子の電子注入層および/または電子輸送層は、低電圧化、駆動耐久性向上の観点から電子供与性ドーパントを含有することが好ましい。
電子注入層、あるいは電子輸送層に導入される電子供与性ドーパントとしては、電子供与性で有機化合物を還元する性質を有していればよく、Liなどのアルカリ金属、Mgなどのアルカリ土類金属、希土類金属を含む遷移金属や還元性有機化合物などが好適に用いられる。
金属としては、特に仕事関数が4.2eV以下の金属が好適に使用でき、具体的には、Li、Na、K、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Cs、La、Sm、Gd、およびYbなどが挙げられる。
また、還元性有機化合物としては、例えば、含窒素化合物、含硫黄化合物、含リン化合物等が挙げられる。この他にも、特開平6−212153、特開2000−196140、同2003−68468、同2003−229278、同2004−342614号公報等に記載の材料を用いることができる。
これらの電子供与性ドーパントは、単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
電子供与性ドーパントの使用量は、材料の種類によって異なるが、電子輸送層材料に対して0.1質量%〜99質量%であることが好ましく、1.0質量%〜80質量%であることが更に好ましく、2.0質量%〜70質量%であることが特に好ましい。該使用量が、電子輸送層材料に対して0.1質量%未満のときには、本発明の効果が不十分であるため好ましくなく、99質量%を超えると電子輸送能力が損なわれるため好ましくない。
電子注入層及び電子輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
電子輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、電子注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.2nm〜100nmであるのがより好ましく、0.5nm〜50nmであるのが更に好ましい。
電子注入層及び電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
−正孔ブロック層−
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。発光層と陰極側で隣接する正孔ブロック層を設けることができる。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。
正孔ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、3nm〜200nmであるのがより好ましく、5nm〜50nmであるのが更に好ましい。
正孔ブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
−陰極−
陰極18は、通常、有機層16に電子を注入する電極としての機能を有し、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機EL素子10の用途、目的等に応じて公知の電極材料の中から適宜選択することができる。陰極18を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられる。具体例としてアルカリ金属(たとえば、Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(たとえばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点から、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、陰極18を構成する材料としては、電子注入性の点で、アルカリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる点でアルミニウムを主体とする材料が好ましい。アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。なお、陰極18の材料については、例えば、特開平2−15595号公報及び特開平5−121172号公報に詳述されており、これらの公報に記載の材料は本発明においても適用することができる。
陰極18の形成方法については特に制限はなく、公知の方法に従って形成することができる。例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD法、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、陰極18を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って形成することができる。例えば、陰極18の材料として金属等を選択する場合には、その1種又は2種以上を同時に又は順次、スパッタ法等に従って陰極18を形成することができる。
陰極18の厚みは、陰極18を構成する材料や光の取り出し方向に応じて適宜選択すればよく、通常は1nm〜5μm程度である。
陰極18を形成するに際してのパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよい。また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等によって行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
陰極18の形成位置は特に制限はなく、有機層16上の全体に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
陰極18と有機EL層16との間に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで形成してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と解することもできる。誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
支持基板12上に、下部電極14、有機層16、及び上部電極18を順次形成することで、図1に示したように一対の電極14,18間に少なくとも発光層を含む有機層16が挟まれた有機EL素子10が形成される。これにより支持基板12上の電極14,18間に挟まれた発光層が発光することになる。例えば、RGBが基板12上に繰り返し並列するように各色に対応した発光層を形成すれば、両極14,18間に挟まれた発光層を含む有機EL素子が画素を構成する。
−封止等−
有機層16上に陰極18を形成した後、水分や酸素による有機EL素子の劣化を抑制するため、封止部材(保護層)により被覆して封止することが好ましい。封止部材としては、ガラス、金属、プラスチック等を用いることができる。
さらに、各電極14,18に対して、それぞれ制御配線、信号配線等の外部配線を接続する。これにより、有機EL素子による表示装置を製造することができる。
そして、上記のような方法により製造された有機EL素子は、発光層における発光分布が全体発光に近づき、発光効率及び耐久性を向上させることができる。特に青色燐光素子の場合、発光効率及び耐久性を向上させることができるほか、高電流領域における発光効率の低下を極めて効果的に抑制することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、下記の実施例及び比較例において、「x%→y%」とは、陽極側の濃度(質量%)がx%、陰極側の濃度(質量%)がy%であり、陽極側から陰極側に向けて連続的に濃度が変化していることを示す。
参考例1>
支持基板(材質:ガラス)上に陽極としてITO膜(厚さ100nm)を形成した後、真空蒸着装置(1×10−6torr)を用いて、この上に正孔注入層として2−TNATA(4,4’,4’’−トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン)と2−TNATAに対してF4−TCNQ(テトラフルオロテトラシアノキノジメタン)を1.0質量%となるように共蒸着を行い、160nmの厚さに形成した。次いで正孔輸送層としてNPD(N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン)を10nmの厚さで形成した。2−TNATA、F4−TCNQ及びNPDの構造式は下記の通りである。
Figure 0005255794
Figure 0005255794
Figure 0005255794
正孔輸送層を形成した後、発光層を積層した。発光層は、正孔輸送性のホスト材料としてmCP(N,N′−ジカルバゾリル−3,5−ベンゼン)を、電子輸送性の発光材料(青色発光材料)としてPt−1を、電気的に不活性な材料(バインダ)として化合物Aを用いて共蒸着により混合層(厚さ60nm)とした。mCP、Pt−1及び化合物Aの構造式は下記の通りである。
Figure 0005255794
Figure 0005255794
Figure 0005255794
発光層を形成する際、各構成材料の蒸着速度を変化させることで、各材料が図4(A)に示すような濃度分布を有するように形成した。具体的には、Pt−1の濃度は、陽極側界面では0%とし、陰極側界面では26%として連続的に増加させ、mCPの濃度は、陽極側界面では26%とし、陰極側界面では0%として連続的に減少させた。また、化合物A(有機バインダ)の濃度は陽極側界面から陰極側界面まで74%で一定とした。陽極側界面付近の領域における各材料の濃度は、Pt−1が1.3%、mCPが24.7%、化合物Aが74%であり、陰極側界面付近の領域では、Pt−1が24.7%、mCPが1.3%、化合物Aが74%であった。
発光層を形成した後、電子輸送層としてBAlqを40nmの厚さで形成した。BAlqの構造式は、下記の通りである。
Figure 0005255794
電子輸送層を形成した後、LiF膜を1nmの厚さで積層し、さらに陰極としてAl(厚さ100nm)を積層させた。
上記のようにしてITO陽極とAl陰極との間に発光層を含む有機層が挟まれた構成の有機EL素子を作製した。層構成、各層の厚み等は以下の通りである。
ITO(100nm)/2−TNATA+1.0%F4−TCNQ(160nm)/NPD(10nm)/26%→0%mCP+74%有機バインダ+0%→26%Pt−1(60nm)/BAlq(40nm)/LiF(1nm)/Al(100nm)
得られた有機EL素子(発光素子)の外部量子効率及び輝度半減時間を以下の方法により測定した。
<外部量子効率の測定>
作製した発光素子をKEITHLEY製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流電圧を発光素子に印加し、青色に発光させた。その発光スペクトルと光量をトプコン社製輝度計SR−3を用いて測定し、発光スペクトル、光量、及び測定時の電流から外部量子効率を計算した。
<輝度半減時間の測定>
初期輝度360cd/mで定電流駆動により連続発光させ、輝度が180cd/mとなるまでの時間(輝度半減時間)を測定した。
上記測定の結果、360cd/m時の外部量子効率は12.0%であり、輝度半減時間は1700時間であった。
参考例2>
参考例1で発光層を形成するときに用いた化合物A(有機バインダ)に代えて、酸化珪素<SiO>(無機バインダ)を用いた以外は参考例1と同様の層構成で青色発光の有機EL素子を作製した。発光層における各材料の濃度分布は図4(B)に示す。発光素子の層構成、各層の厚み等は以下の通りである。
ITO(100nm)/2−TNATA+1.0%F4−TCNQ(160nm)/NPD(10nm)/26%→0%mCP+74%無機バインダ+0%→26%Pt−1(60nm)/BAlq(40nm)/LiF(1nm)/Al(100nm)
得られた有機EL素子について、参考例1と同様の条件により(以下同様)外部量子効率及び輝度半減時間を測定した結果、360cd/m時の外部量子効率は12.5%であり、輝度半減時間は1800時間であった。
<実施例3>
発光層以外は参考例1と同様の層構成及び厚さで有機EL素子を作製した。発光層は、参考例1の場合と同様の材料を用い、各材料が図4(C)に示すような濃度分布を有するように形成した。発光素子の層構成、各層の厚み等は以下の通りである。
ITO(100nm)/2−TNATA+1.0%F4−TCNQ(160nm)/NPD(10nm)/100%→0%mCP+0%→74%有機バインダ+0%→26%Pt−1(60nm)/BAlq(40nm)/LiF(1nm)/Al(100nm)
得られた有機EL素子について、外部量子効率及び輝度半減時間を測定した結果、360cd/m時の外部量子効率は13.5%であり、輝度半減時間は2000時間であった。
発光層中のバインダの濃度を陰極側から陽極側に向けて漸減させることにより、発光効率及び輝度半減時間がさらに向上したと考えられる。
また、高輝度10000cd/m時の外部量子効率を測定した結果、13.1%であり、360cd/m時の外部量子効率の97%を保っていて、高輝度時の効率低下が極めて小さかった。
<比較例1>
発光層以外は参考例1と同様の層構成及び厚さで有機EL素子を作製した。発光層は、mCPとPt−1を用い、各材料が図5(A)に示すような濃度分布を有するように形成した。発光素子の層構成、各層の厚み等は以下の通りである。
ITO(100nm)/2−TNATA+1.0%F4−TCNQ(160nm)/NPD(10nm)/100%→74%mCP+0%→26%Pt−1(60nm)/BAlq(40nm)/LiF(1nm)/Al(100nm)
得られた有機EL素子について、外部量子効率及び輝度半減時間を測定した結果、360cd/m時の外部量子効率は9.1%であり、輝度半減時間は1200時間であった。
また、高輝度10000cd/m時の外部量子効率を測定した結果、8.5%であり、360cd/m時の外部量子効率の93%であって、実施例3に比べれば効率低下が大きかった。
<比較例2>
発光層以外は参考例1と同様の層構成及び厚さで有機EL素子を作製した。発光層は、mCP及びPt−1のほかに正孔輸送性のホスト材料として、下記構造式で示されるCBP(4,4’−ジカルバゾール−ビフェニル)を用い、各材料が図5(B)に示すような濃度分布を有するように形成した。
Figure 0005255794
発光素子の層構成、各層の厚み等は以下の通りである。
ITO(100nm)/2−TNATA+1.0%F4−TCNQ(160nm)/NPD(10nm)/26%→0%mCP+74%CBP+0%→26%Pt−1(60nm)/BAlq(40nm)/LiF(1nm)/Al(100nm)
得られた有機EL素子について、外部量子効率及び輝度半減時間を測定した結果、360cd/m時の外部量子効率は8.0%であり、輝度半減時間は1100時間であった。
<比較例3>
発光層以外は参考例1と同様の層構成及び厚さで有機EL素子を作製した。発光層は、参考例1と同様の材料を用いて形成したが、各材料の濃度は、図5(C)に示すように発光層の厚さ方向で一定とした。発光素子の層構成、各層の厚み等は以下の通りである。
ITO(100nm)/2−TNATA+1.0%F4−TCNQ(160nm)/NPD(10nm)/13%mCP+74%有機バインダ+13%Pt−1(60nm)/BAlq(40nm)/LiF(1nm)/Al(100nm)
得られた有機EL素子について、外部量子効率及び輝度半減時間を測定した結果、360cd/m時の外部量子効率は10.0%であり、輝度半減時間は1000時間であった。
<実施例4>
実施例3において、発光層の電子輸送性発光材料をPt−1からPt−2(緑色発光材料)に、電気的に不活性な材料(バインダ)を化合物Aから化合物Bに変更する以外は、実施例3と同様にして有機EL素子を作製した。Pt−2及び化合物Bの構造式は下記の通りである。
Figure 0005255794
Figure 0005255794
得られた有機EL素子に電圧を印加したところ緑色の発光が観測され、外部量子効率を測定した結果、500cd/m時の外部量子効率は16.5%であった。
また、高輝度10000cd/m時の外部量子効率を測定した結果、15.8%であり、500cd/m時の外部量子効率の96%を保っていて、高輝度時の効率低下が小さかった。
以上、本発明について説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。
例えば、本発明に係る有機EL素子の発光層における各構成材料の濃度分布は図2〜図4に示したものに限定されず、例えば、図7に示すように、電子輸送性の発光材料の濃度が陰極側から陽極側に向けて漸減し、電気的に不活性な材料(バインダ)の濃度は漸増し、正孔輸送性のホスト材料の濃度はほぼ均一、あるいは漸増してもよい。
また、本発明に係る有機EL素子を備えた発光装置や表示装置を製造する場合、その駆動方式は限定されず、パッシブマトリクス方式及びアクティブマトリクス方式のいずれも採用することができる。発光色も限定されず、単色表示、エリアカラー表示、フルカラー表示のいずれにも本発明を適用することができる。
本発明に係る有機EL素子の基本構成の一例を示す概略図である。 本発明に係る有機EL素子の発光層における濃度分布の一例を示す図である。 本発明に係る有機EL素子の発光層における濃度分布の他の例を示す図である。 参考例1、2、及び実施例3で作製した有機EL素子の発光層における濃度分布を示す図である。(A)参考例1 (B)参考例2 (C)実施例3 比較例1〜3で作製した有機EL素子の発光層における濃度分布を示す図である。(A)比較例1 (B)比較例2 (C)比較例3 有機EL素子の構成の一例を示す概略図である。 本発明に係る有機EL素子の発光層における濃度分布のさらに他の例を示す図である。
符号の説明
10・・・有機電界発光素子(有機EL素子)
12・・・支持基板
14・・・陽極
16・・・有機層
18・・・陰極

Claims (10)

  1. 陽極と陰極との間に少なくとも発光層を含む有機層が挟まれた有機電界発光素子であって、前記発光層中に、電子輸送性の発光材料、正孔輸送性のホスト材料、及び電気的に不活性な材料を含み、前記電子輸送性の発光材料の濃度が、前記陰極側から前記陽極側に向けて漸減し、かつ、前記電気的に不活性な材料の濃度が、前記陰極側から前記陽極側に向けて漸減していることを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 前記発光層の前記陽極側界面付近の領域における前記電子輸送性の発光材料の濃度が、前記発光層の陰極側界面付近の領域における前記電子輸送性の発光材料の濃度に対して0質量%以上50質量%以下であることを特徴とする請求項に記載の有機電界発光素子。
  3. 前記発光層中における前記電子輸送性の発光材料の濃度が、前記陽極側界面付近の領域で0質量%以上10質量%以下であることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の有機電界発光素子。
  4. 前記電気的に不活性な材料が、最高占有軌道と最低非占有軌道とのエネルギー差Egが4.0eV以上の有機材料であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
  5. 前記有機材料が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項に記載の有機電界発光素子。
    一般式(1) L−(Ar)
    (一般式(1)中、Arは下記一般式(2)で表される基、Lは3価以上のベンゼン骨格を表し、mは3以上の整数を表す。);
    Figure 0005255794


    (一般式(2)中、Rは置換基を表し、Rが複数存在する場合、互いに同じでも異なっていてもよい。n1は0〜9の整数を表す。)。
  6. 前記有機材料が、シロキサン化合物であることを特徴とする請求項に記載の有機電界発光素子。
  7. 前記電気的に不活性な材料が、無機誘電体材料であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
  8. 前記無機誘電体材料が、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化珪素、および炭化珪素の中から選ばれることを特徴とする請求項に記載の有機電界発光素子。
  9. 前記発光材料が燐光発光材料であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
  10. 発光スペクトルのピーク波長が430nmから480nmの間であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
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