JP5251737B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、画像形成装置に関し、さらに詳しくは、消色可能なインクあるいは現像剤を対象とした消色機構に関する。
近年、OA化の普及により各種情報のデータ処理量が急速に増大する傾向にあり、それら情報の出力のために用いられる印刷機や複写機などは、記録媒体としての紙の消費量も増加し、いわゆる資源保護の観点において問題があるとされている。
そこで、電子写真記録やインクジェット方式による印字記録などでは、消色可能な現像剤、特にトナーやインクを用いることにより、記録媒体の繰り返し使用を可能にすることが提案されている(例えば、特許文献1,2)。
特許文献1には、温度に依存して色調が可逆的に変化する可逆性熱記録インクを用いた画像形成装置が開示されており、特許文献2には、熱により消色可能なインクを使用し、該インクで形成された画像をヒートローラやサーマルヘッドを用いて加熱することにより消色することができるプリンターが開示されている。
一方、消色後に新たな記録を行うようにした構成としては、上記特許文献2と同様に、記録媒体の移動方向上流側に加熱源を設け、加熱源により消色された後、再度記録ヘッドにより記録を行うようにした構成も提案されている(例えば、特許文献3)。
特許文献3には、発色剤、顕色剤、消色剤を溶媒中に溶解又は分解させたインクを用い、40°以下での常温で発色剤と顕色剤との化学結合により発色し、100°以上の高温により上記化学結合が崩壊することで顕色剤と消色剤との化学結合を起こさせて無色化させて、改めて記録を可能にする構成が開示されている。
上記特許文献に開示されている構成においては、画像の消色により記録媒体の再利用が可能となる利点がある反面、画像の形成形態によっては次のような問題がある。
画像の形成形態としては、記録媒体として用いられる記録紙の片面だけでなく、両面を対象とする場合がある。
一方、記録紙の両面に担持されている画像のうちで片面の画像のみを消色することもあり、この場合には、対象となる片面からの加熱により片面での画像の消色を行うことになる。
しかし、片面からの加熱によって記録紙の裏面にも熱が伝わることから、裏面に担持されている画像にも熱の影響が及び、顕色剤徒渉食材との化学結合が発生して消色される虞がある。このため、記録紙の片面に担持されている画像のみを消去して新たな記録を行おうとしても、両面で消色が発生して白紙状態に戻ってしまうこともある。
本発明の目的は、上記従来の画像形成装置、特に消色可能なトナーやインクを用いた場合に、記録媒体の両面に画像が担持されている場合に、片面あるいは両面のいずれかを選択して消色することにより所望する面での消色・再生記録が行える構成を備えた画像形成装置を提供することにある。
この目的を達成するため、本発明は次の構成よりなる。
(1)発色および消色の可逆反応が可能な顕像剤を用いて記録媒体の表裏両面への画像形成が可能な画像形成装置において、
前記記録媒体の搬送路を挟んで対向する加熱ローラおよび加圧手段を備え、
前記加圧手段は、前記加熱ローラに対向して前記記録媒体を挟持搬送可能な位置と、該加熱ローラから離れて該記録媒体の挟持搬送を行わない位置とに変位可能であり、前記記録媒体の片面に担持されている画像の消色時には、前記挟持搬送が可能な位置に移動する際に、該記録媒体の厚さに対応する間隙を持たせて前記加熱ローラとの対向関係を設定されることを特徴とする画像形成装置。
(2)発色および消色の可逆反応が可能な顕像剤を用いて記録媒体の表裏両面への画像形成が可能な画像形成装置において、
前記記録媒体の搬送路を挟んで対向する加熱ローラおよび加圧手段と、
前記加圧手段側に設けられて前記加熱ローラに対する該加圧手段との対向間隙を検知するギャップ検知手段と、
前記加圧手段側に設けられて該加圧手段を前記加熱ローラに対して前記記録媒体の挟持搬送位置と該挟持搬送を行わない位置とに接離させるギャップ調整手段と、
前記加圧手段側に設けられて、前記加熱ローラに対する該加圧手段の対向間隙を検知するギャップ検知手段が入力側に接続され、出力側には前記ギャップ調整手段が接続されているギャップ制御部とを備え、
前記ギャップ制御部は、前記記録媒体の片面に担持されている画像の消色時には、前記加圧手段を前記記録媒体の挟持搬送位置に変位させる変位量として、前記記録媒体の厚さに対応する間隙を持たせた対向間隔を設定して前記加熱ローラに対向させるように前記ギャップ調整手段を駆動制御することを特徴とする画像形成装置。
(3)前記加圧手段には加圧ローラが用いられ、該加圧ローラにはヒータが内蔵されていることを特徴とする(2)に記載の画像形成装置。
(4)前記加熱ローラおよび加圧手段として、電子写真方式を用いる場合に装備される定着装置に用いられている加熱ローラおよび加圧ローラが用いられることを特徴とする(1)乃至(3)の何れかに記載の画像形成装置。
(5)発色および消色の可逆反応が可能な顕像剤を用いて記録媒体の表裏両面への画像形成が可能な画像形成装置において、
前記記録媒体の搬送路を挟んで両側に加熱機能および冷却機能を選択可能な部材を配置したことを特徴とする画像形成装置。
(6)前記加熱機能および冷却機能を選択可能な部材には、加熱空気あるいは冷却空気を前記記録媒体に供給する送風装置が備えられていることを特徴とする(5)に記載の画像形成装置。
(7)前記記録媒体の搬送路には、電子写真方式による作像部と印字方式による作像部とが設けられ、各作像部の間には前記顕像剤の消色部が設けられていることを特徴とする(5)又は(6)に記載の画像形成装置。
(8)前記電子写真方式の作像部には、加熱機能を有する部材として、定着装置に装備されている加熱部材が用いられることを特徴とする(7)に記載の画像形成装置。
(9)前記電子写真方式の作像部には、冷却機能を有する部材として、定着装置に装備されている加熱部材と対向する部材が用いられることを特徴とする(7)に記載の画像形成装置。
(10)前記記録媒体には、消色可能であることを識別する識別部が設けられていることを特徴とする(1)乃至(7)の何れかに記載の画像形成装置。
(11)前記記録媒体に設けられている消色可能であることを識別する識別部は、該記録媒体の搬送路に設けられている検知手段により検知されて消色制御の可否判断に用いられることを特徴とする(10)に記載の画像形成装置。
(12)発色および消色の可逆反応が可能な顕像剤を用いて記録媒体の表裏両面への画像形成が可能な画像形成装置において、
前記記録媒体の搬送路を挟んで対向する加熱ローラおよび加圧手段を備え、
前記加圧手段は、前記加熱ローラに周方向に沿って配置された一対のローラで構成され、前記加熱ローラに対して独立して選択的に圧接、離間制御されることを特徴と画像形成装置。
(13)前記加圧手段に用いられる一つの加圧ローラは、前記加熱ローラとは別に設けられている冷却部材に対して独立して圧接・離間制御可能であることを特徴とする(12)に記載の画像形成装置。
(14)前記一対の加圧ローラにはヒータが内蔵されていることを特徴とする(12)又は(13)に記載の画像形成装置。
本発明によれば、両面への画像形成が行われる記録媒体の片面での画像の消色が可能となる。つまり、加熱ローラに対向して設けられている加圧手段は、加熱ローラからの熱の影響を受けない状態を設定されることにより、加熱ローラと対向する記録媒体の裏面が加熱されるのを防止することができるので、裏面での画像が消色されないままで片面のみの画像を消色することができる。また、加圧手段には、加熱源が設けられることにより、記録媒体の表裏両面での消色を可能にすることができる。
さらに本発明においては、記録媒体の片面での消色作業に際して、記録媒体の搬送路を挟んで両側に加熱機能および冷却機能を選択可能な温度制御部材を設けることにより、片面への加熱と共に反対側の面への冷却作用によって記録媒体での消色面の裏面への伝熱を阻止して片面での消色を確実に行うことができる。
また本発明においては、加圧手段として加熱ローラの周方向に沿って独立して圧接・離間が可能な一対の加圧ローラを設けることにより、一方の加圧ローラが記録媒体の挟持搬送に用いられているときに他方の加圧ローラが離間する関係とすることにより、一対の加圧ローラを交互に加熱ローラ側に当接させて加圧ローラを新たな冷却部材として用いることができるので、片面消色を行う記録媒体を連続して搬送した場合でも消色面と反対側の面が加熱されるのを抑制して片面の消色を確実に行わせることができる。
本発明による画像形成装置に用いられる消色装置の構成を説明するための模式図である。 図1に示した消色装置に適用される構成を説明するための模式図である。 図1に示した消色装置の使用態位を説明するための模式図である。 図1に示した消色装置に用いられる制御部で実施される作用を説明するためのフローチャートである。 図1に示した消色装置の変形例を説明するための模式図である。 図1に示した消色装置の要部変形例を説明するための模式図である。 図6に示した構成に用いられる加熱・冷却に用いられる構成の一例を説明するための模式図である。 図7に示した加熱・冷却のうちで、加熱を行う構成の一例を説明するための模式図である。 図7に示した加熱・冷却機能を持たせた部材の変形例を示す模式図である。 図6に示した消色装置を用いた画像形成装置の変形例を示す模式図である。 図6に示した消色装置を用いた画像形成装置のさらに他の例を示す模式図である。 図9または図10に示した画像形成装置を用いた場合の消色・再生記録の内容を説明するための図である。 消色装置における片面消色を実行する際の加熱温度と冷却温度による消色状態の実験結果を示す表図である。 図13に示した条件と異なる条件を用いた消色状態の実験結果を示す表図である。 図1および図6に示した消色装置の要部変形例を説明するための模式図である。 本発明の別の実施形態による消色装置の構成を説明するための模式図である。 図16に示した構成に用いられ得る加圧ローラの一態様を示す模式図である。 図16に示した構成に用いられる加圧ローラの他の態様を示す模式図である。 図16に示した構成に用いられる加圧ローラの待機状態を示す模式図である。 図16に示した構成に用いられる加圧ローラが1枚目の記録紙を消色する場合の態様を示す模式図である。 図16に示した構成に用いられる加圧ローラが1枚目以降の記録紙を消色する場合の態様を示す模式図である。 図19乃至20に示した加圧ローラの作用を説明するためのフローチャートである。 図16に示した構成に用いられる加圧ローラの冷却構造を説明するための模式図である。 図23に示した構成における加圧ローラの待機状態を示す模式図である。 図23に示した構成における加圧ローラによる1枚目の記録紙の消色を行う状態を示す模式図である。 図23に示した構成における加圧ローラによる1枚目以降の記録紙を対象とした消色を行う状態を示す模式図である。
以下、図面により本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明による画像形成装置に用いられる消色装置の構成を模式図であり、同図において消色装置100は、図2に示されているように、記録媒体として用いられる記録紙の搬送路を挟んで対向する加熱ローラ101と加圧ローラ102とを備えた定着装置が用いられている。従って、この場合に用いられる顕像剤としては、トナーが対象となっている。
消色装置100として用いられる定着装置は、記録紙の搬送路の一方側に位置する加熱ローラ101に対して加圧ローラ102がバネなどの弾性体103を用いて圧接する構成とされており、これにより記録紙を挟持搬送しながら加熱ローラ101によって記録紙Sに担持されているトナー像(便宜上、図2では、未定着画像と称している)を加熱定着する。
一方、図1において消色装置100は、加圧手段として用いられる加圧ローラ102が、加熱ローラ101に対する対向状態を制御されるようになっている。
図1において加圧ローラ102には、加熱ローラ101との間の対向間隙を調整するためのギャップ調整手段104が設けられている。
ギャップ調整手段104は、支点ピン104Aを支点とするL字状の揺動リンクで構成されており、揺動端の一方には加熱ローラ101に対する加圧ローラ102の対向間隙、いわゆる、ギャップを検知するためのストロークセンサなどが用いられるギャップ検知手段105が対向して配置されており、揺動端の他方には揺動駆動用の偏心カム106がその周縁を当接させて配置されている。
ギャップ調整手段104は、偏心カム106の回転位相に応じて揺動することができ、図3に示すように、加熱ローラ101から離れて記録紙Sの挟持搬送を行わない状態(図3(A)参照)、記録紙Sの厚さに応じた間隙(図1においては符号δで示され、図3においては、シート厚と表示してある)を以って、加熱ローラ101に対向して記録紙Sの挟持搬送ができる状態(図3(B)参照)、そして、加熱ローラ101に直接度当接して記録紙の挟持搬送が行える状態(図3(C)参照)が選択されるようになっている。
ギャップ調整手段104として用いられる揺動リンクの揺動端のうちで加圧ローラ102側に位置する揺動端には、加圧ローラ102の支軸102Aが挿通される長穴が形成されており、揺動した際に加熱ローラ101に対する加圧ローラ102の接離方向の移動を可能にしている。
偏心カム106は、駆動モータ107によって回転位相制御が行われるようになっており、その回転位相は、駆動モータ107を出力側に接続されているギャップ制御手段108により設定される。
ギャップ制御手段108は、入力側にギャップ検知手段105および加熱ローラ101の表面温度を検知する温度センサ109が接続され、出力側に駆動モータ107が接続されている。
ギャップ制御手段108では、記録紙に担持されている画像の消色作業が選択された場合、加熱ローラ101の表面温度が、画像に用いられている顕像剤を消色可能な温度に達した時点で加圧ローラ102を記録紙の厚さに対応した間隙を以って、加熱ローラ101側に加圧ローラ102を変位させるようになっている。
この場合の記録紙の厚さは、図示しない操作パネルにおいて入力される記録紙の種類やあるいは、記録紙の搬送路に設けられた図示しない厚さ検知センサからの情報等が用いられる。
消色に必要な加熱ローラ101の表面温度が設定されると、駆動モータ107がギャップ制御手段108からの信号により回転位相量(回転量)を設定され、この回転に連動してギャップ調整手段104が揺動することにより加圧ローラ102が記録紙Sの挟持搬送が可能な位置で加熱ローラ101に当接しない状態で対向する。
これにより、加圧ローラ102は、加熱ローラ101側の温度が消色可能な温度に達するまでの間、加熱ローラ101に対向することがないので、加熱ローラ101からの熱の影響を受けにくい状態とされる。このように消色可能な温度に達するまで加熱ローラ101が加圧ローラ102と対向あるいは当接することがないので、加圧ローラ102側に熱を奪われるということがなく、これによって加熱ローラ101側での温度の立ち上がりを早めることができる。
一方、加圧ローラ102は、加熱ローラ101側での表面温度が消色可能な温度に達した時点で加熱ローラ101と対向するので、それまで対向する場合と違って、加熱ローラ101からの熱の影響を受けないで済む。しかも、対向した場合には、記録紙の厚さに対応した間隙を設定されて対向するので、記録紙の挟持搬送を行う際にも、加圧ローラ102に対して加熱ローラ101からの熱伝導が起こりにくいので、加熱ローラ101側からの熱の影響を受けにくい状態とされる。
これにより、記録紙Sの片面を対象として消色する場合に、記録紙の裏面での温度上昇が少なくされて片面のみを対象とする消色作業が可能となる。
図4は、ギャップ制御手段108による作用を説明するためのフローチャートであり、同図において、イニシャライズ時には加圧ローラ102が加熱ローラ101から離れた状態とされている(ST1)。
消色装置100は、動作モードが入力されると、そのモード判別が行われ、消色作業であるかあるいは通常の画像形成時での定着作業であるかが判別される(ST2)。
ステップST2の判別結果において消色作業である場合には、消色装置100の加熱ローラ101が消色可能な温度に設定され、その温度が監視される(ST3,4)。
加熱ローラ101の表面温度が消色可能な温度に達すると、ギャップ制御手段108において設定された回転量に応じて駆動モータ107が駆動されて偏心カム106が回転され、ギャップ調整手段104の揺動によって加圧ローラ102が記録紙Sの厚さに対応する間隙を以って加熱ローラ101側に対向する(ST6)。
加熱ローラ101に対して加圧ローラ102が対向すると、これらローラにより挟持搬送される記録紙Sは、その片面、つまり、加熱ローラ101に対向する面に担持されている画像が消色される。
消色対象となる画像を担持した面と反対側の面では、加熱ローラ101に対して温度が低い状態で加圧ローラ102が接触しているので、片面のみの温度上昇により画像が消色されることになる。
一方、通常の定着作業時には、加熱ローラ101が加熱定着温度に設定され、その温度が監視される(ST8,9)。
加熱定着温度に達すると、前述したと同様にギャップ調整手段104によって加圧ローラ102が加熱ローラ101側に対向するが、この場合には、加圧ローラ102が加熱ローラ101に直接当接される(ST10)。両方のローラが互いに当接して記録紙の挟持搬送できる状態とされると、定着作業の準備が完了したことが通知される(ST11)。
以上のような実施形態においては、記録紙の片面のみを対象として消色作業を行う場合に、消色に用いられる加熱ローラが加圧ローラと離れた状態で加熱されるので、温度の立ち上がりを早められる共に、加圧ローラへの熱伝導が起こりにくいので、加圧ローラが不用意に温度上昇することがない。本実施形態では、消色可能な温度として、60°〜80°であることが望ましく、また、消色対象となる画像を担持している片面と消色対象でない画像を担持している反対側の面との温度差は、30°〜40°とすることが望ましく、上述したように、加圧ローラ102を加熱ローラに対して消色作業時に直接接触させないようにすることでこの温度条件が容易に得られる。
しかも、加圧ローラが加熱ローラと対向した際には、記録紙の厚さに応じた間隙を設定されて対向するので直接接触した場合と違って、加熱ローラからの熱伝導を受けにくい状態を維持して消色対象となる記録紙の面と反対側の面が温度上昇するのを防止することができる、これにより、記録紙の両面に画像が形成されている場合に、その片面のみを対象として消色することが可能となる。
また、本実施形態においては、消色装置として、電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置を用いて加圧ローラの対向関係を設定するだけで消色作業を行うことができるので、特別な消色装置を新たに設置する必要がなく、画像形成装置が不用意に大型化するのを防止することができる。
なお、ギャップ調整手段104の構成としては、図5に示す構成を用いることも可能である。
図5において、(A)に示す構成は、偏心カム106を加圧ローラ102の軸受け102Aに直接当接させる(図中、符号Pで示す位置で当接)構成であり、(B)に示す構成は、加圧ローラ102が加熱ローラ101に対して進退可能なユニット110に設けられ、このユニット110を偏心カム106によって変位させる構成である。
一方、上述したように、加圧ローラ102のギャップ調整によって記録紙の片面を対象とした画像の消色を行う場合とは別に、表裏両面での消色作業を行う場合と対象として、本実施形態では、加圧ローラ102の内部にヒータを設け、そのヒータの温度を消色可能な温度に設定することで記録紙の表裏両面での画像の消色作業を行うことができる。
次に、本発明の別実施形態について説明する。
本実施形態の特徴は、第1に、消色対象となる画像を担持している記録媒体の面を加熱し、その裏面を冷却することにあり、第2に、消色後の記録、いわゆる、白紙状態に戻された記録紙の面に記録が行えるようにしたことにあり、第3に、記録媒体が消色可能なものであるかを判断できるようにしたことにある。
図6は、第1の特徴を説明するために、画像形成装置に用いられる消色部である消色装置200を示しており、同図において消色装置200は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置が用いられている。
この構成を対象として第1の特徴について説明すると次の通りである。
定着装置内で記録媒体として用いられる記録紙Sの搬送路を挟んで一方の面には、熱ローラ定着方式において用いられる加熱ローラ201が、そして他方の面には上記定着方式に用いられる加圧ローラが冷却ローラ202としてそれぞれ配置されている。
この構成においては、加熱ローラ201と加圧ローラ202とが記録紙Sの搬送路を挟んで対向しており、記録紙Sの挟持搬送ができるようになっている。
この構成において記録紙の片面を消色対象とする場合には、加熱ローラ201が消色可能な温度に設定される一方、冷却ローラ202は、加熱ローラ201との温度差が30°〜40°となる温度に設定される。
これにより、加熱ローラ201に接触する記録紙Sは、加熱ローラ201からの加熱を受ける一方、これと反対の面が消色温度に達しないように冷却されるので、片面のみが消色される
ところで、記録紙には、その表面に細かな凹凸があり、加熱ローラ201および冷却ローラ202に対して一様な接触状態が得られないことがある。
図7は、このような場合を対象とした加熱に用いられる構成の一例を示しており、同図において、記録紙Sの表裏各面には、温空気および冷却空気を供給する構成が設けられている。なお、図7において符号R1は、記録紙搬送用ローラを示しており、これらローラ間の距離は、記録紙の搬送方向長さよりも短くされている。
このような温空気や冷却空気を供給して記録紙の各面を対象とした温度制御を行う部材の構成としては、図8において温空気を供給する場合でいうと、ヒータ204の近傍に配置された送風ファン205が用いられる。冷却空気を供給する構成も同様に送風ファンを用いることができ、この場合の冷却空気は画像形成装置の外気等が用いられる。
しかし、送風ファン205を用いた温空気および冷却空気の供給に際しては、それぞれ機能によって異なるヒータや外気取り入れなどの特別な構造が必要となる。
そこで、本実施形態では、単一部材で加熱冷却ができる部材を用いることも可能である。
図9は、この場合の構成を示しており、同図において発熱源および冷却源には印加電流の方向を切り換えることで上記機能が切り替わるペルチェ素子207が用いられている。ペルチェ素子207は、送風ファン205の送風路に臨出する面を持ち、この面での発熱、冷却の機能を選択する。
ペルチェ素子207によって生成された温空気や冷却空気は送風ファン205によって記録紙に供給され、記録紙の片面での消色が可能となる。このような構成によれば、記録紙の表面に凹凸がある場合でも温風を表面全域に行き渡らせることができるので、片面での温度ムラの発生を防止することができる、しかも、ペルチェ素子207を用いた場合には、温風と冷却風とを瞬時に切り換えることができるので、ヒータのみを用いた場合と違って、連続して搬送される記録紙毎に消色作業面が変化した場合の対処が簡単に行える。
送風ファンで供給される温空気は、記録紙の片面を対象とした消色作業時に供給されるようになっており、消色作業を行わない場合には送風ファン205を停止するようになっている。
次に、本実施形態の第2の特徴について説明する。第2の特徴は、消色により白紙状態に戻された記録紙に改めて記録を行えるようにしたことにある。
図10は、この特徴を説明するための実施形態の一つを示す図であり、同図に示す画像形成装置は、顕像剤として、発色および消色の可逆反応が可能なインクを用いるインクジェットプリンタ250である。
図10においてインクジェットプリンタ250には、筐体に設けられている手差しトレイ251と排紙トレイ252との間で構成されている記録紙の搬送路において、インクジェットヘッド253に記録紙が至る前の位置に消色部としての消色装置200が設けられている。
インクジェットプリンタ250においては、給紙部254から繰り出された記録紙が搬送路において搬送される過程においてインクジェットヘッド253により印字され、排紙トレイ252に向け搬送される。なお、図中、符号255は、両面への画像形成の際に用いられる記録紙反転機構を示している。
このような構成を対象とした消色装置200は、インクジェットヘッド253に至る記録紙を対象としてその片面の消色作業を行うようになっている。
このような構成においては、消色対象となる画像を片面に担持している記録紙が消色装置200において消色作業を受け、その後、インクジェットヘッド253において白紙状態に戻った記録紙に対して再度改めて印字記録される。
この場合の印字記録は、例えばピエゾ素子を用いたインク飛翔方式によるインクジェットヘッドが用いられる。
この構成によれば、白紙状態に戻った記録紙に対して改めて記録を行うことができるので、新規な記録紙を準備することなく記録紙の再利用が可能となる。
一方、上述した消色装置200による記録紙の再生に関しては、例えば、電子写真方式による画像形成後に消色作業を行い、その後、白紙状態に戻った記録紙に対して再度記録するようにする場合もある。
図11は、この場合の構成を示しており、同図に示す画像形成装置300は、図10に示した場合と同様に、筐体に設けられている手差しトレイ251と排紙トレイ252との間に構成される記録紙の搬送路を備え、この搬送路には、潜像担持体として用いられる感光体ドラム303を含む電子写真方式の作像部とインクジェットヘッド(便宜上、図10に示した符号253を用いる)を備えた印字方式による作像部が設けられており、各作像部の間に消色装置200が設けられている。なお、電子写真方式による作像部の構成は図示しないが、感光体ドラム303の周囲に配置された帯電装置、書き込み装置、現像装置およびクリーニング装置が設けられ、記録紙の搬送路を挟んで感光体ドラム303と対向する位置に転写装置が設けられている周知の構成が用いられている。
電子写真方式において用いられる顕像剤は、発色および消色の可逆反応が可能なトナーを含む現像剤が用いられ、この場合の消色装置200は、図6に示した定着装置が用いられる。
この構成において、電子写真方式の作像部において記録紙の片面に形成された画像が消色装置200において片面を対象として消色され、白紙状態に戻った記録紙に対してインクジェットヘッド253によって新たな記録が行われる。
この場合の消色装置200は、加熱ローラ201の設定温度が定着時と消色時とで切り換えられるようになっている。
以上の構成においては、画像を消色することで書き換えが行えることになり、片面書き換えの用途として、次に挙げる場合がある。
両面印刷したテキストの表紙だけを内容変更する場合がある。その他、店舗の案内用カードなどにも適用でき、この場合には、表面に地図、裏面に担当者や予約時間などを記入するようにしておけば、地図のみの書き換えや担当者あるいは予約時間の変更時に書き換えが行える。このような書き換えには、(1)フルカラーリライトの用途、(2)EP+リライトの用途がある。
図10に示した構成においては、シアン、イエロー、マゼンタの3色インクを用いてフルカラーの書き換えを行うことができるので、文字情報だけでなく、絵や画像も書き換えられる。フルカラー書き換え用途の一例を挙げると、フィットネスクラブでは個人メニューを随時書き換える会員カード、ゲームセンターのカードゲームなどに使用できる。書き換え可能なプリンターとしての用途は幅広いものが得られる。
図11に示した構成においては、電子写真とインクジェットとの組み合わせによる書き換えが行えるので、例えば、図12に示すように、多品種少量生産の工場で部品点数と組立てる順番を記した作業指示書等を対象とした用途がある。
図12において、フォーマット部分(図12(A−1))を電子写真で印刷しておき、必要な部品点数、組み付け順をリライトインクで印刷する(図12(A−2)。工場では部品と作業指示書を1セットとし、部品の組み立てを行う。部品の組み立てが終わったら、消去モードにし書き換えを行うようにする。
一方、図12(B)には、顕像剤として用いられる可逆反応可能なインクを用いる場合の用途の一例を示しており、同図においては、加熱により消色、冷却により発色する熱可逆性インクを用いる場合に、マスキングを施す用途が示されている。同図に示す用途には、例えば、学校や塾でのテストの問題部分と回答欄とを備えたテスト件答案用紙として用いる場合である。この場合には、図6に示した消色装置200に用いられるローラ201,202は、図6に示した場合と違って、加熱、冷却いずれの機能をも設定可能な構成とされている。マスキング部分に熱消色性インクを用い、基の原稿部分は電子写真や友情のインクジェットで形成しておく。
また、本実施形態に用いられるインクとしては、次の特性を備えたものが用いられる。 図10に示した消去装置200とインクジェットヘッド253とを組み合わせた画像形成装置を対象とした場合には、インクジェットヘッド253から吐出することを対象として、インクの粘度は10mPa・sec以下、平均粒径が100nm以下とされることが好ましい。なお、インクは、常温で発色しており、所定の温度(変色点)を境として高温側の温度域で消色状態となるインクを使用する。消色する温度(変色点)が電子写真の定着温度以下であるインクを用いるとインクを消去する装置として定着ローラを用いることができる。消色温度は60度から80度であることが好ましい。
具体例としては、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載された物がある。
図13,14は、熱消色インクで両面印字を行った原稿を図6に示した熱ロール定着方式による定着装置を消色装置として用いた場合に、加熱、冷却の各ローラの設定温度を変化し、表面、裏面における消去状態を実験した結果を示す表図である。なお、図13,14において、塗りつぶした部分の結果は、片面のみを完全に消色できる条件を示している。
この実験は次の条件が用いられている。
普通紙:TYPE6200、厚紙:359g/m
インク:パイロット社製蛍光マーカー「フリクションライン」イエロー
図13,14からいえることは、記録紙の表面と裏面とで温度差が30°〜40°の範囲であれば、片面のみの消去が行えるということである。なお、ローラから紙に熱が伝わることを考慮すると、冷却側のローラは低温である方がよいが、温度差は大きいほど差を維持することが難しくなるので、消去面の温度は消去開始温度にできるだけ近いほうが好ましい。
次に、第3の特徴について説明する。
第3の特徴は、記録紙の面に担持されている画像が消色可能な画像であるかどうかを識別できる識別部が設けられていることにある。これは、消色可能な画像であることを判断できるようにすることで、記録紙のリサイクルを促進することを目的としている。
識別部は、記録紙の面のうちで消色可能な顕像剤による画像担持面に対して、消色可能な顕像剤を用いた画像形成時に形成され、片面を対象としてあるいは表裏各面を対象として設けられる。
表裏各面に設ける場合には、各面での識別内容が異なるようにしておくことが、誤ってリライトするのを防止する上で望ましい。
このような識別部を設けることで、排出される記録紙の識別部を目視により確認することができ、消色可能な顕像剤によって画像形成された記録紙と消色できない顕像剤により画像形成された記録紙とが混在しているような場合の分別が可能となる。このように、分別ができることにより、消色によってリサイクルできる記録紙が不用意に廃棄されるのを防止することができる。さらに、消色可能な顕像剤によって表裏各面に画像形成された記録紙である場合には、上述したように識別内容を異ならせることによって、片面の消色後に裏面の消色作業に移行させることができる。
一方、目視以外に、画像形成装置内で識別部の検知に基づき分別のための判別を行い、その分別結果に応じて記録紙を搬送するようにしても良い。
図15(A)は、表裏各面に識別部が設けられている場合を対象とする構成を示しており、同図において、消色装置200に対して記録紙が導入される側には、搬送路を挟んで記録紙の表裏各面の識別部を検知するセンサ310,311が設けられている。各検知センサ310,311は、図示しないが、消色装置200から排出された記録紙の搬送路を切り換える部材の態位を設定する制御部に接続されている。
このような構成においては、片面での消色を行うために記録紙が消色装置200に搬送される一方、検知結果において裏面も消色可能な場合には、反転搬送路に向け記録紙を搬送して裏返した後、消色装置により裏面を対象とした消色作業を行うようにする。このように、表裏各面が消色対象となっている場合に表裏各面での識別部の内容を異ならせておくだけで、片面消去の際にその面を間違えることがない。
一方、識別部の有無と同じ判別結果が得られる場合として、画像の消色状態を判別対象とすることもできる。
消色装置に導入される際には画像が残っており、消色作業後に画像が消色されて白紙となっていることを判断できれば、消色可能な顕像剤が用いられた記録紙であることを判別でき、消色装置を通過した後にも画像が残っている場合には、消色可能な顕像剤以外の顕像剤による画像が残っていると判別できる。これにより、消色可能な顕像剤が用いられた記録紙はリサイクルに用いられ、消色できなかった顕像剤が用いられた記録紙はリサイクルとは別の搬送形態に供することで分別することになる。
図15(B)は、この場合に用いられる構成を示しており、同図において消色装置200に対する記録紙の導入位置と排出位置とにはCCDカメラなどの検知センサ320,321が設けられている。
検知センサ320,321は、図15(A)に示した場合と同様に、消色装置200から排出された記録紙の搬送経路を切り換える切り換え部材の態位を設定する制御部400に接続されている。
制御部400では、消色された記録紙をインクジェットヘッド253に向け搬送する経路F1と、消色されなかった記録紙を排紙トレイ252Aに向けて搬送する経路F2とを設定するようになっている。
検知センサ320,321同士での解像結果に基づき、消色された記録紙はインクジェットヘッド253に向けて搬送されることにより、改めて記録が行えるようになり、また、消色されなかった記録紙は、排紙トレイ252Aに向け搬送されて分別される。このような分別が行えることにより、既に印字された記録紙に誤って記録が行われるような事故が防止できる。
次に本発明のさらに別の実施形態ついて説明する。
本実施形態の特徴は、連続搬送される記録紙の消色を可能にする点にある。
図16は、上記の特徴を説明するための模式図である。
図16において、消色装置500は、記録紙の搬送路を挟んで対向する加熱ローラ501および加圧手段として用いられる加圧ローラ502,502’を備えている。
加圧手段としての加圧ローラ502,502’は、加熱ローラ501の周方向に沿って配置されている一対のローラであり、支点軸502A、502A’を基端として揺動可能なリンクレバー503,503の揺動端において回転可能に支持されている、
リンクレバー503,503’は、揺動端側と加熱ローラ501の軸支部との間に配置されている牽引可能な引っ張りバネ505,505’によって加圧ローラ502,502’を加熱ローラ501に対して圧接させる習性が付与されており、この習性による加熱ローラ501との当接状態が偏心カム504,504’のカムプロフィールによって変化されるようになっている。
偏心カム504,504’は、リンクレバー503,503’に対してそれぞれ設けられて、図示しない駆動モータによって回転位相(回転量)を制御されるようになっており、回転位相に応じて加圧ローラ502,502’を独立して加熱ローラ501に対し圧接および離間制御するようになっている。なお、図において、符号600は、レジストローラを示し、符号601,602は、記録紙の搬送ガイドをそれぞれ示している。
リンクレバー503,503’は、偏心カム504,504’の独立した回転位相設定によって、図17および図18に示すように、加熱ローラ501に対して交互に当接することができるようになっている。
このような構成において、記録紙が搬送される前の待機時には、図19に示すように、記録紙の搬送方向下流側に位置する加圧ローラ502のみが加熱ローラ501に当接する態位が設定されている。このときの加熱ローラ501は、熱源の発熱を行わないが、予備加熱のために発熱させるようにしても良い。
一方、片面消色を行う記録紙が搬送される場合には、図20に示すように、待機時に加熱ローラ501から離間していた加圧ローラ502’が加熱ローラに当接する。
加圧ローラ502’が加熱ローラ501に当接するタイミングは、加熱ローラ501の表面温度が消色可能な温度に達した時点であり、さらには、加圧ローラ502’の表面温度が消色不能な温度に達した時点とされている。
このようなタイミングによって加熱ローラ501に加圧ローラ502’が当接するときには、記録紙の片面に当接する加熱ローラ501は消色温度により消色作業が行えると共に、加圧ローラ502’は、加熱ローラ501に対して温度差を持ち、その温度も消色不能な温度であるので、記録紙の片面のみを対象とした消色が行えることになる。つまり、加圧ローラ502あるいは502’は、記録紙の消色作業が開始されるまでの間、加熱ローラ501から離間することにより、加熱ローラ501からの熱の影響を受けにくいので、記録紙の片面と反対側の面での温度上昇を来すことがなく、これにより、記録紙の片面のみを対象とした消色作業が確実に行えることになる。
上述した場合の消色温度および消色不能温度としては、図13,14に示した実験結果から、それぞれ130°、56°に設定することが望ましいが、圧背粒でのニップ幅や線速などにより変化するので、その温度は適宜条件設定することも可能である。
図20に示した状態において搬送された記録紙の片面を対象とした消色作業が終了し、記録紙が消色装置500から排出された後、連続して片面を対象とする消色作業が行われる記録紙が搬送されると、図21に示すように、それまで加熱ローラ501に当接していた加圧ローラ502’が離れ、その代わりにそれまで離間していた加圧ローラ502が加熱ローラ501に当接させられる。このときの当接タイミングは、先の記録紙の片面消色の場合と同様である。
このように、連続して搬送されてくる記録紙の片面を対象として消色作業を行う場合には、一対で設けた加圧ローラを交互に加熱ローラと当接させるようにすることで、単一の加圧ローラを加熱ローラに当接する場合と違って、加圧ローラ側での冷却効果が高められる。これにより、加熱ローラからの加熱による熱が記録紙の片面と反対側に伝わった場合でも、加圧ローラによる冷却作用によってその面が消色不能な状態を維持されることになるので、記録紙の片面のみを対象とした消色作業が確実に行えることになる。
図22は、このような連続して搬送される記録紙の片面を対象とした消色作業を説明するためのフローチャートを示している。
図22において、消色モードの判別が行われ(ST10)、その結果において片面を対象とする消色作業が選択されると、加熱ローラ501の回転駆動および加熱が開始され(ST11)、加熱ローラ501の表面温度(図では消色可能温度と表示されている)が監視されるとともに、加圧ローラ側の表面温度が監視される。監視対象となる温度は、加熱ローラ501側では消色可能な温度であり、加圧ローラ側では消色不能温度(図では、消色不能温度と表示されている)が対象となる(ST12,13)。
加熱ローラおよび加圧ローラ側での温度が所定温度に達すると、レジストローラが駆動開始されて記録紙が搬送を開始されるとともに、加圧ローラが加熱ローラ501に当接する(ST14)。この場合の状態は、図20において説明したとおりである。
1枚目の記録紙の片面を対象とした消色作業が監視され(ST15)、全ての記録紙の片面(図では全ページと表示されている)を対象とした消色作業の進行状態が監視され(ST16)、終了していない場合には、加圧ローラの当接切り換えが行われて再度、搬送されてくる記録紙の片面を対象とした消色作業が繰り返される。この場合の状態は、図21において説明したとおりである。
全ての記録紙の片面を対象とした消色作業が完了すると、加熱ローラ501の加熱が停止され、加圧ローラ502,502’は、図19に示した待機状態に戻される(ST17)。また、全ての記録紙の片面を対象とした消色作業が完了していない場合には、前述したように、加圧ローラの交互の当接切り換えが全ての記録紙の消色作業が完了するまで繰り返される。
以上のような構成においては、連続して搬送されてくる記録紙の片面を対象とした消色作業を行う場合に、加熱ローラに対して交互に加圧ローラを当接させることにより、加圧ローラ側での消色不能温度への移行が早められる。つまり、加熱ローラから離れていることにより、加熱ローラからの熱の影響を受けにくいので、消色不能温度への移行が早められる。これにより、次の記録紙の片面を対象とする消色作業に移るまでの時間を短縮することができる。
次に、上述した一対の加圧ローラの冷却機能を向上させるための構成を説明する。
図23は、一対の加圧ローラ502,502’が接離可能な冷却ローラ700を設けた構成が示されている。
冷却ローラ700は、加熱ローラ501から離れた加圧ローラ502,あるいは502’が当接可能な位置に配置されており、当接した加圧ローラの表面温度を消色不能温度に設定できるようになっている。
冷却ローラ700は、加熱ローラ501の駆動源に連動して回転できる構成とされており、これにより、当接した加圧ローラの表面を周方向に沿って偏りなく冷却することができるようになっている。
図24乃至図26は、冷却ローラ700を設けた場合を対象として、図19乃至図21に示した待機状態から、片面を対象とする消色作業を行う記録紙が連続して搬送されてくる状態での加圧ローラと冷却ローラとの当接状態を示す図である。
一方、記録紙の片面を対象とする消色作業に加えて、両面を対象とする消色作業に対しても一つに加圧ローラを用いた構成を適用することができる。
この場合には、一対の加圧ローラにヒータを内蔵させ、加熱ローラおよび加圧ローラの両者が消色可能温度に達した時点で互いに当接させることにより、搬送される記録紙の表裏両面を対象とした消色作業が可能となる。この場合には、加圧ローラに加熱ローラでの冷却機能はないので、連続して搬送される記録紙毎に加圧ローラを加熱ローラに当接切り換えする必要はない。
さらに、上述した消色装置としては、電子写真方式の定着装置を用いることも可能であり、この場合には、定着装置に用いられる加熱ローラに設定される定着温度よりも低い温度で消色が可能なトナーを用いることにより、定着ローラの温度制御のみで定着機能と消色機能とを兼備することが可能となり、装置の大型化を防止し、かつ、低コスト化が図れる。
100,200 消色装置
101,201,501 加熱ローラ
102,202,502,502’ 加圧ローラ
105 ギャップ検知手段
106 偏心カム
108 ギャップ制御手段
700 冷却ローラ
S 記録紙
特開2005−263895号公報 特許第3286214号 特開2001−302954号公報

Claims (14)

  1. 発色および消色の可逆反応が可能な顕像剤を用いて記録媒体の表裏両面への画像形成が可能な画像形成装置において、
    前記記録媒体の搬送路を挟んで対向する加熱ローラおよび加圧手段を備え、
    前記加圧手段は、前記加熱ローラに対向して前記記録媒体を挟持搬送可能な位置と、該加熱ローラから離れて該記録媒体の挟持搬送を行わない位置とに変位可能であり、前記記録媒体の片面に担持されている画像の消色時には、前記挟持搬送が可能な位置に移動する際に、該記録媒体の厚さに対応する間隙を持たせて前記加熱ローラとの対向関係を設定されることを特徴とする画像形成装置。
  2. 発色および消色の可逆反応が可能な顕像剤を用いて記録媒体の表裏両面への画像形成が可能な画像形成装置において、
    前記記録媒体の搬送路を挟んで対向する加熱ローラおよび加圧手段と、
    前記加圧手段側に設けられて前記加熱ローラに対する該加圧手段との対向間隙を検知するギャップ検知手段と、
    前記加圧手段側に設けられて該加圧手段を前記加熱ローラに対して前記記録媒体の挟持搬送位置と該挟持搬送を行わない位置とに接離させるギャップ調整手段と、
    前記加圧手段側に設けられて、前記加熱ローラに対する該加圧手段の対向間隙を検知するギャップ検知手段が入力側に接続され、出力側には前記ギャップ調整手段が接続されているギャップ制御部とを備え、
    前記ギャップ制御部は、前記記録媒体の片面に担持されている画像の消色時には、前記加圧手段を前記記録媒体の挟持搬送位置に変位させる変位量として、前記記録媒体の厚さに対応する間隙を持たせた対向間隔を設定して前記加熱ローラに対向させるように前記ギャップ調整手段を駆動制御することを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記加圧手段には加圧ローラが用いられ、該加圧ローラにはヒータが内蔵されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記加熱ローラおよび加圧手段として、電子写真方式を用いる場合に装備される定着装置に用いられている加熱ローラおよび加圧ローラが用いられることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置。
  5. 発色および消色の可逆反応が可能な顕像剤を用いて記録媒体の表裏両面への画像形成が可能な画像形成装置において、
    前記記録媒体の搬送路を挟んで両側に加熱機能および冷却機能を選択可能な部材を配置したことを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記加熱機能および冷却機能を選択可能な部材には、加熱空気あるいは冷却空気を前記記録媒体に供給する送風装置が備えられていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記記録媒体の搬送路には、電子写真方式による作像部と印字方式による作像部とが設けられ、各作像部の間には前記顕像剤の消色部が設けられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
  8. 前記電子写真方式の作像部には、加熱機能を有する部材として、定着装置に装備されている加熱部材が用いられることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記電子写真方式の作像部には、冷却機能を有する部材として、定着装置に装備されている加熱部材と対向する部材が用いられることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  10. 前記記録媒体には、消色可能であることを識別する識別部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の画像形成装置。
  11. 前記記録媒体に設けられている消色可能であることを識別する識別部は、該記録媒体の搬送路に設けられている検知手段により検知されて消色制御の可否判断に用いられることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 発色および消色の可逆反応が可能な顕像剤を用いて記録媒体の表裏両面への画像形成が可能な画像形成装置において、
    前記記録媒体の搬送路を挟んで対向する加熱ローラおよび加圧手段を備え、
    前記加圧手段は、前記加熱ローラに周方向に沿って配置された一対のローラで構成され、前記加熱ローラに対して独立して選択的に圧接、離間制御されることを特徴と画像形成装置。
  13. 前記加圧手段に用いられる一つの加圧ローラは、前記加熱ローラとは別に設けられている冷却部材に対して独立して圧接・離間制御可能であることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記一対の加圧ローラにはヒータが内蔵されていることを特徴とする請求項12又は13に記載の画像形成装置。
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