JP4343422B2 - 加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、未定着画像又は定着画像を担持した記録媒体に加熱処理を施すための加熱装置及び加熱装置を備える画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
未定着画像、または定着画像を担持したシート状の記録媒体を、互いに圧接された定着部材(定着体)と加圧部材(加圧体)の間に形成されたニップ部に通紙しながら、加熱体の熱により定着部材を介して、前記記録媒体に加熱処理を施す加熱装置は、一般的に、画像の定着装置、あるいは記録媒体の表面性改質装置等として広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
連続通紙モードでの紙間の長さは、通常、装置のプリントスピード(ppm)によって選択されたスループットと、それを満たすのに必要なプロセススピードから決ってくる。
【0004】
ここで、プロセススピードは原理上、プリントスピード(ppm)を保証できるスピード以上であればいくら速くてもよい。すなわち、同じプリントスピード(ppm)の装置であっても、プロセススピードは違うのが普通であり、このため装置によって紙間の長さも異なってくる。
【0005】
例えば、プロセススピードが速く、スループットが遅い装置と、プロセススピードが遅く、スループットが速い装置では、前者よりも後者の方が紙間の長さが短くなる。
【0006】
逆にいえば、紙間の長さしだいで、プロセススピードの遅い装置で速いプリントスピードを出すことも可能ということである。
【0007】
ところで一般的に、プロセススピードは、遅いほど装置の耐久性能や高画質化において有利であると考えられている。
【0008】
特に近年においては、画像形成装置の高速化および高画質化の傾向はより顕著になってきており、この点から前記したようなプロセススピードの遅い装置で、速いプリントスピードを達成することが、より強く求められてきている。
【0009】
したがって、従来ではかなりマージンをとって設定されていた紙間の長さは、ほぼ限界まで短く設定されるのが当たり前になりつつある。
【0010】
紙間の長さは、記録媒体(以下、記録材と記す)の搬送速度のばらつきや、記録材センサの検知誤差等から、記録材搬送能力的に最低限必要な長さが決ってくる。
【0011】
しかし、記録材搬送に関して問題なくても、紙間の長さを定着装置の加圧体としての加圧ローラーの周長よりも短くすることは、定着性の観点からは好ましいことではない。
【0012】
通常、定着装置は、搬送されてきた記録材に熱エネルギーを付与することで定着動作を行なう。
【0013】
記録材の定着性を保証するのに必要な熱エネルギーは、定着ヒーターからだけではなく、加圧ローラーからのものも含めた総合的な量で規定されている。
【0014】
加圧ローラーに自己発熱能力がない場合、記録材の搬送に伴い加圧ローラーの熱は記録材に奪われるため、記録材一枚通紙中で加圧ローラーの表面温度は、徐々に低下していく。これを補完するのが、記録材を間に介さないことにより、定着ヒーターの熱がほぼそのまま加圧ローラーに伝達する紙間であり、紙間中において定着ヒーターによって加圧ローラーが暖められることで、加圧ローラーの表面温度が上昇し、次の記録材へ加圧ローラーから供給する熱量が確保される。
【0015】
しかしながら、紙間の長さが加圧ローラーの周長よりも短いと、紙間において加圧ローラーを一周に渡って暖めることができなくなる。このため、前の記録材の加熱時に熱を奪われ、そのまま温度が低くなっている部分が加圧ローラー周上に生じることになり、ここに対応する箇所が、次の記録材の加熱時には供給熱量不足で、定着不良になるという問題が発生するのである。
【0016】
この問題を回避する方法として、加圧ローラー径を小さくするということも考えられるが、これは加圧ローラーの軸の強度ダウン、弾性部の肉厚が薄くなることによる加熱ニップ幅の縮小、加圧ローラーの蓄熱能力の減少等の、別の、より深刻な問題を生じさせる恐れがある。
【0017】
したがって、従来の装置では、搬送能力的には多大なマージンであっても、プロセススピードを速くして加圧ローラー一周分以上の紙間を確保するか、定着不良の問題を内在させたまま、無理に紙間を縮めるかの二者択一が迫られていたのである。
【0018】
本発明は、上記後者の場合において、紙間が加圧ローラー(加圧体)の周長よりも短く、連続プリントの二枚以降で紙間中に加圧ローラーが全周暖められないことで発生する定着性(加熱性)のムラを改善することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本出願における第一の発明では、記録媒体を互いに圧接された定着体及び加圧体の間に形成されたニップ部に、前記加圧体の回動とともに通過せしめながら、前記定着体により加熱処理を施し、前記定着体を目標温度に制御する制御手段を有する加熱装置において、複数の記録媒体の連続加熱処理におけるN+1番目の記録媒体加熱処理中での前記定着体の目標温度は、その記録媒体先端から長さSの範囲が、それ以降の範囲よりも高く設定され、
〔長さS〕=〔前記加圧体一周分の長さ〕−〔N番目の記録媒体後端からN+1番目の記録媒体先端までの間隔〕
であることを特徴とする加熱装置。
【0020】
また、第二の発明では、固定支持された加熱体にフィルム部材を介して加圧体を接触させ、前記フィルム部材と前記加圧体の間に形成された圧接ニップ部に記録媒体を導入し、回動する前記フィルム部材と一緒に前記記録媒体を走行移動させることで、前記加熱体の熱エネルギーを前記記録媒体に付与して加熱処理を施し、前記加熱体の温度を検知する温度検知体を備えて前記加熱体を目標温度に制御する制御手段を有する加熱装置において、複数の記録媒体の連続加熱処理におけるN+1番目の記録媒体加熱処理中での前記加熱体目標温度は、その記録媒体先端から長さFの範囲が、それ以降の範囲よりも高く設定され、
〔長さF〕=〔前記フィルム部材一周分の長さ〕−〔N番目の記録媒体後端からN+1番目の記録媒体先端までの間隔〕
であることを特徴とする。
【0021】
要するに本発明は、ニップ部で記録媒体を挟持搬送させて記録媒体に加熱処理を施す加熱装置において、紙間が加圧体の周長よりも短く、連続プリントの二枚以降で紙間中に加圧体が全周暖められないことで発生する定着性(加熱性)のムラを改善するべく、記録媒体の先端部より加圧体の周長から紙間の長さを引いた分の長さまで、定着温度を高くして、紙間で加圧体が暖まった部分と暖められなかった部分の熱量を補うものである。
【0022】
これにより、第一の発明においては、加圧体の周長よりも、N番目の記録媒体後端からN+1番目の記録媒体先端までの間隔が短い、すなわち加圧体の周長よりも紙間の長さが短く、加圧体が紙間で一周に渡って暖められずに周上に温度の低い部分が生じても、その部分の定着不良を防止し、全体に渡って良好な定着性を維持することが可能になる。
【0023】
また、第二の発明においてはフィルム部材の周長よりも、N番目の記録媒体後端からN+1番目の記録媒体先端までの間隔が短い、すなわちフィルム部材の周長よりも紙間の長さが短く、フィルム部材が紙間で一周に渡って暖められずに周上に温度の低い部分が生じても、その部分の定着不良を防止し、全体に渡って良好な定着性を維持することが可能になる。
【0024】
したがって、紙間を搬送能力的に限界まで短くすることができるようになり、遅いプロセススピードで、より速いプリントスピードの画像形成装置を得ることができる。
【0025】
これは、高画質、高耐久性能の画像形成装置の実現において、きわめて有効である。
【0026】
【発明の実施の形態】
[実施例1]
以下に本発明を図示の実施例に基づいて説明する。
【0027】
(1)画像形成装置例
図1は本実施例における画像形成装置の概略構成模型図である。本例の画像形成装置は、電子写真プロセス利用のレーザープリンターであり、最大記録材幅がLETTERサイズで、プロセススピード45mm/sec、A4サイズ紙を8枚/分で出力する装置である。プリント指令が装置に入力されると、下記のような作像動作が実行される。
【0028】
すなわち、給紙カセット10から給紙された記録材(記録媒体)は給紙ガイド7に導かれて、やがて搬送路上にある、トップセンサ13のレバーを倒し、記録材の先端がトップセンサ13位置を通過したことが検知される。やがて、記録材は感光ドラム1下の転写器6に達する。感光ドラム1上には、一次帯電ローラー11によって一様均一な帯電がなされた後、レーザー走査露光装置3よりでた画像信号に対応した光Lによって潜像が形成される。この潜像は現像装置2によって選択的にトナーが付着させられ顕像となって転写器6へと送られる。転写器6では記録材の背面からトナーと逆の電界を加えることで記録材の上にトナー像が転写される。以上が、記録材(記録媒体)に画像を形成担持させる作像手段である。
【0029】
トナー像をのせた記録材は搬送ガイドに導かれて、定着手段としての定着装置(定着器)12へと達する。
【0030】
(2)定着装置12
本実施例の定着装置12は図2に示す概略断面図のような構成で、いわゆるフィルム加熱方式を用いた加熱装置(特開平4−44075〜44083号公報等)である。
【0031】
加熱体としてのセラミックヒーター36(以下ヒーター36と略称する)をヒーターホルダー31に固定支持させ、これを定着フィルム17を介して加圧体としての加圧ローラー20に不図示の加圧手段によって圧接する。定着フィルム17は加圧ローラー20の回転駆動によって従動回転し、ニップNに導入された記録材Pを搬送する。33はヒーター36の温度を検出し、温度制御を行うための温度検知素子(温度検知体)である。
【0032】
ヒーター36は、例えば、基板37にアルミナ(Al)または窒化アルミニウム(AlN)を用い、基板37上に銀・パラジウムからなる抵抗体を厚膜印刷し所望の抵抗値を有する発熱体パターン38を形成する。更に発熱体上に保護層・定着フィルムとの摺動層としてのガラス層39を形成する。発熱体形成面の裏側に温度検知素子(サーミスタ)33を接着固定しヒーター温度をモニターし、そのモニター温度情報が制御回路部(制御手段)100に入力する。制御回路部100はヒーター温度(定着ニップ部温度)を所定温度(目標温度)に維持するためにACドライバ101を制御してAC電源102からヒーターの発熱体38への通電量を制御する。ヒーター36の発熱体38への通電量(供給電力)はPI(比例・積分)制御に基づき、位相制御・波数制御等の周知の手段によりきめ細かく電力供給が行われる。
【0033】
記録材Pの上の未定着トナー像tは、定着装置12で印加された熱および圧力によって記録材Pに固着する。t′は定着トナー像である。記録材Pの後端がトップセンサ13(図1)の位置を通過すると、トップセンサ13のレバーが元に戻り、記録材後端がトップセンサ13の位置を通過したことが検知される。
【0034】
連続プリントにより、続いて次の記録材Pが搬送されてくると、再びトップセンサ13が倒れ、記録材Pの先端を検知する。前の記録材Pの後端から次の記録材Pの先端までの距離、又は所要時間は、「紙間」と呼ばれ、画像形成装置のプロセススピードと単位時間当りの給紙枚数(スループット)によって決まってくる。
【0035】
定着装置12は上記のように無端帯状の定着フィルム17、加圧体たる円柱状の回転自在な加圧ローラー20、加熱体たるセラミックヒーター36等から構成され、加圧ローラー20の回転駆動にともなって定着フィルム17が従動回転する。ヒーター36は、上記のように所定の定着温度に制御され、ニップNにおいて、フィルム17を介して熱エネルギーを記録材Pに付与する。
【0036】
(3)ヒーター36の温調温度制御
本実施例の装置では、加圧ローラー20は直径φ12mmの芯金21の周囲にシリコーンゴム等の弾性部材22を厚さ4mm、すなわちローラー直径φ20mmとなるように形成したものを用いている。
【0037】
さて、本実施例の装置は、スループット8ppmであるから、A4用紙通紙時は紙間は40.5mmになる。これは加圧ローラー20の周長62.83mmよりも短く、紙間で加圧ローラー一周に渡って、熱エネルギーを供給することはできない。
【0038】
すなわち、連続プリント(加熱装置においては、複数の記録媒体の連続加熱処理)を行った時、2枚目以降では、加圧ローラー20には、紙間で暖められた部分と、前の記録材Pのプリントで温度が低下した部分が混在していることになる。
【0039】
紙間中、記録材Pが定着ニップNに突入する直前まで、加圧ローラー20は直にヒーター36によって暖められており、突入と同時にこの予熱が行われなくなる。したがって、記録材Pの先端部分に必ず、加圧ローラー20の予熱がない部分が当たることになり、それは本実施例の場合、加圧ローラー20の周長63.83mmから紙間40.5mmを引いた23.33mmである。この部分は従来では、加圧ローラー20の温度が低く、その分、紙に付与する熱エネルギーが少ないため、他の部分と比べて、定着性が悪くなっていた。
【0040】
本実施例では、制御回路部100により、この加圧ローラー温度が低い記録材の先端部分に対して、他の部分よりもヒーター36の温調温度(定着体又は加熱体の目標温度)を高くしてやり、定着性の悪化を防止する。
【0041】
図3は本実施例の定着装置に用いられる、ヒーター36の温調温度の制御の模式図である。
【0042】
非連続プリント時、すなわちプリント1枚目のヒーター36の温調温度は、記録材一枚に渡って、先端から後端まで同じ温度を維持する。
【0043】
これに対し、連続プリントで、まったくのウエイトなしに次の記録材Pが搬送されてきた場合、ヒーター36は2枚目以降の記録材Pの先端からSmmまでの範囲の温調温度を、Smm以降の温調温度よりも高くする。Sは加圧ローラーが紙間で予熱されない長さであり、
S=(加圧ローラーの周長)−(紙間の長さ)
である。
加圧ローラーの周長は、加圧体の一周分の長さである。紙間の長さは、N番目の記録媒体の後端からN+1番目の記録媒体の先端までの間隔である。すなわち、複数の記録媒体の連続加熱処理におけるN+1番目の記録媒体の加熱処理中での定着体又は加熱体の目標温度は、その記録媒体の先端から長さSの範囲が、それ以降の範囲よりも高く設定される。
【0044】
A4サイズ用紙の場合、本実施例ではS=23.33(mm)になる。
【0045】
具体的には、定着温度を例えばH1とH2の2種類用意し、記録材先端部23.33mm相当部に対してH1の温度を用い、記録材が定着ニップNを先端から23.33mm通過したタイミングでH2の温度に切り替える。これをタイミングチャートで表したのが図3である。H1>H2であり、本実施例では、例えばH1=195℃、H2=190℃とする。これは連続プリント中であれば、以降のプリントでも同様に行う。このように定着温度を切り替える制御を行うことで、加圧ローラー表面近傍の蓄熱量の差を補完することができ、加圧ローラー一周分に渡って、均一で良好な定着性を得ることができる。
【0046】
上記の例はA4用紙通紙時の場合であるが、スループットが一定であれば、当然記録材Pのサイズによって、紙間の長さは変化するため、異なるサイズの記録材Pでは加圧ローラー20の非予熱部の長さも変わってくる。また、A4サイズの記録材Pであっても給紙のタイミング等の条件によって、連続プリントであっても、常に紙間が一定となるとは限らない。すなわち紙間時の加圧ローラー20の非予熱部は記録材Pの搬送状況によって、変化する可能性がある。
【0047】
したがって実際の装置では、定着温度の切り替えタイミングとしては、単純に先端部から、ある一定長さ(時間)とするのではなく、紙間の長さの不定性をあらかじめ考慮して、以下のような制御を行うことが必要である。
【0048】
記録材Pが給紙され、やがて、記録材Pの後端がトップセンサ13位置を通過すると、記録材Pの搬送によって倒されていたトップセンサ13のレバーが元に戻り、記録材後端がトップセンサ13の位置を通過したことが制御回路100で検知される。そして再び次の記録材Pがトップセンサ13を倒し、記録材の先端が検知されるまでの時間が紙間になる。制御回路100はこのトップセンサ13の倒立に応じて、ヒーター36の定着温度を切り替えるタイミングを決定する。
【0049】
制御回路100は、まず、トップセンサ13が記録材Pの後端を検知し、次の記録材の先端を検知するまでの時間Tを計測する。そして、この時間Tと加圧ローラー一周に要する時間Pとの差St=P−Tを計算する。そして、次に記録材Pの先端が定着ニップNに突入するタイミングに合わせて、定着温度をH1に切り替えるのだが、このH1を継続する時間をSt(sec)とする。紙間が加圧ローラー一周に要する時間よりも長く、Stの値がマイナスになっている場合は定着温度をH1には切り替えない。
【0050】
制御回路100が以上のような制御を行うことで、より正確に加圧ローラー20の非予熱部に相当する部分に対して、ヒーターの定着温度を高くすることができる。
【0051】
或は、ヒーター36の定着温度の切り替えタイミングは、上記例とは異なる構成でもよい。例えば、記録材Pの後端が定着ニップNを抜けると同時に定着温度H1に移行し、次の記録材Pの突入後Stの時間経過の後にH2に戻る、といった構成をとることもできる。
【0052】
むろん、紙間の温調温度は任意の値をとることができ、例えば、装置の過昇温防止のため、定着温度H2より低い値にすることもできる。そのような場合は、H1の値もそれに合わせて任意に決めることができる。
【0053】
ところで、定着装置に用いられる定着温度は、従来でも常に一種類で一定というわけではなく、装置への通紙状況・熱的状態に応じて、変化させる構成のものもある。定着装置は連続通紙を行うことで、だんだん内部に熱が蓄積されていくため、ある程度連続プリントを行った時には、1枚目と同じ定着温度は必要なくなるのである。
【0054】
したがって、例えば、表1に示したように通紙枚数に応じて、定着温度を段階的に下げていく構成がとられている場合もある。このような装置の場合も、例えば、表2に示したように、それぞれの段階に対して、2種類の定着温度を用意して、切り替えを行うように本実施例を適用すればよい。データーテーブルとして、本実施例では、定着温度をダイレクトに指定しているが、例えば、紙の先端部のみ、通常の定着温度よりも一律5deg定着温度をアップするといったような構成にすることもできる。
【0055】
或は、表3に示したように、各段階に応じて、定着温度H1とH2の差が異なるようにしてもよい。
【0056】
連続プリントが進み、定着装置が暖まるほど、この系の熱的状態は飽和していくため、紙間において加圧ローラー20の表面に発生する温度差は少なくなる。したがって、連続通紙枚数が多くなるほど、定着温度H1とH2の差を少なくなる方が、より、理にかなった構成であるといえる。
【0057】
また、これまでフィルム加熱方式の加熱装置を例に記述してきたが、いわゆる熱ローラー方式の加熱装置に本発明を適用することができるのはいうまでもない。熱ローラー方式の加熱装置とは例えば、図4に示すような構成であり、ハロゲンヒーター50を内包した定着体である定着ローラー51と加圧体である加圧ローラー52を不図示の加圧手段によって互いに加圧することで形成されるニップ部に記録材を搬送導入するとともに、ハロゲンヒーター50に電力を供給して発熱させ、その熱を定着ローラー51を介して記録材に伝える方式である。53は定着ローラー51の温度検知素子(サーミスタ)であり、その温度検知情報が制御回路100に入力し、その温度検知情報に基づいて、定着ローラー51の温度が所定の定着温度に温調維持されるように、ハロゲンヒーター50への供給電力制御がなされる。
【0058】
【表1】
Figure 0004343422
【0059】
[実施例2]
ハロゲンヒーター等により等方位性をもって常に定着ローラー全周を加熱する熱ローラー方式と異なり、フィルム加熱方式では、ヒーター36は定着ニップNにおいてしか定着フィルム17を加熱できない。したがって、フィルム加熱方式においては、定着フィルム17にも加圧ローラー20と同様に、紙間において予熱部と非予熱部が発生して、温度差ができる。これは加圧ローラー20ほどではないにしろ、記録材P上に定着性のムラをつくる。
【0060】
そこで本実施例では前述実施例1の加圧ローラー20の非予熱部に対応させた定着温度を切り替えに、さらに定着フィルム17の非予熱部にも着目して、定着フィルム17の紙間での非予熱部Fに対して、加圧ローラー20の非予熱部Sを組み合わせた三段階の定着温度切り替えを行う。
【0061】
ここでF=(定着フィルム周長)−(紙間の長さ)である。
定着フィルム周長は、フィルム部材の一周分の長さである。紙間の長さは、N番目の記録媒体の後端からN+1番目の記録媒体の先端までの間隔である。すなわち、複数の記録媒体の連続加熱処理におけるN+1番目の記録媒体の加熱処理中での前記加熱体の目標温度は、その記録媒体の先端から長さFの範囲が、それ以降の範囲よりも高く設定される。
【0062】
本実施例の定着装置は、実施例1と同様であり、定着フィルム17の周長は75.4mmである。
【0063】
前述実施例1と同様にトップセンサ13により、紙間の長さ(時間)を検出すると、A4通紙時、これは実施例1と同じく40.5mmである。したがってこの場合、定着フィルム17の紙間での非加熱部に相当する部分Fは、記録材先端から(75.4mm−40.5mm)=34.9mmである。これに実施例1のように加圧ローラー20の非予熱部S=23.33mmに対応させた定着温度切り替えを組み合わせる。
【0064】
まず、先端から23.33mmに定着温度H1を用い、次に23.33mm通過した時点で定着温度H3に切り替える。そして記録材Pが定着ニップNに突入してから34.9mm通過したところで定着温度H2に切り替え、以降その記録材一枚中は、この温度で定着動作を行う。
【0065】
ここでH1>H3>H2であり、本実施例では例えばH1=195℃、H2=190℃、H3=191℃とする。記録材先端から23.33mmは加圧ローラー20、定着フィルム17とも紙間中に予熱されない部分があたるため、最も定着温度を高くし、記録材先端23.33mmから34.9mmまでの間は、定着フィルム17のみが予熱されていない部分にあたるため、HIよりも若干温度を下げている。
【0066】
むろん、本実施例においても、実施例1と同様に紙間の長さを計測して、それに応じてH1、H2、H3の温調を行うタイミングを決定することはいうまでもない。例えば、紙間の長さが加圧ローラー周長よりも長く、定着フィルム周長よりも短い場合、加圧ローラー20の非予熱部は存在しなくなるため記録材先端でH1には入らず、H3で温調を行い、〔(定着フィルム周長)−(紙間の長さ)〕分だけこれを続ける。
【0067】
ところで、これまでは定着フィルム17の周長が加圧ローラー20の周長よりも長い場合について記述してきたが、当然、定着フィルム17の周長が加圧ローラー20の周長よりも短い場合も有り得る。この場合も、上記例と同様に、H1→H3→H2の温調切り替えで対応できることは自明であろう。
【0068】
H1は定着フィルム17と加圧ローラー20両方の非予熱分を補完する温度であり、H3の温度が、定着フィルム17の非予熱分を補うか、加圧ローラー20の非予熱分を補うかの違いだけである。
【0069】
そのような観点から、定着フィルム17と加圧ローラー20の周長を同じくすれば、温調切り替えはH1とH2のみで、H3は不要となるため、制御の簡略化という点できわめて有用である。
【0070】
また、本実施例では、加圧ローラー20を用いた構成について記述してきたが、加圧ブレード等の固定加圧体を用いた場合、加圧ローラー20の非予熱部は存在しないため、定着フィルム17についてのみ考慮して温調切り替えを行えば良いことはいうまでもない。
【0071】
[その他]
本発明の加熱装置は、実施例の画像加熱定着装置としてばかりでなく、その他、定着画像を担持した記録材を加熱して表面性(つや等)を改質する像加熱装置、
仮定着する像加熱装置等として、またシート状物を給紙して加熱乾燥処理・ラミネート処理する等の加熱装置として広く使用できる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、記録媒体を互いに圧接された定着体及び加圧体の間に形成されたニップ部に、前記加圧体の回動とともに通過せしめながら、前記定着体により加熱処理を施し、前記定着体を目標温度に制御する制御手段を有する加熱装置において、加圧体の周長よりも、N番目の記録媒体後端からN+1番目の記録媒体先端までの間隔が短い、すなわち加圧の周長よりも紙間の長さが短く、加圧が紙間で一周に渡って暖められずに周上に温度の低い部分が生じても、その部分の加熱不良を防止し、画像加熱定着装置にあっては、全体に渡って良好な定着性を維持することが可能になった。
【0073】
また、固定支持された加熱体にフィルム部材を介して加圧体を接触させ、前記フィルム部材と前記加圧体の間に形成された圧接ニップ部に記録媒体を導入し、回動する前記フィルム部材と一緒に前記記録媒体を走行移動させることで、前記加熱体の熱エネルギーを前記記録媒体に付与して加熱処理を施し、前記加熱体の温度を検知する温度検知体を備えて前記加熱体を目標温度に制御する制御手段を有する加熱装置において、フィルム部材の周長よりも、N番目の記録媒体後端からN+1番目の記録媒体先端までの間隔が短い、すなわちフィルム部材の周長よりも紙間の長さが短く、フィルム部材が紙間で一周に渡って暖められずに周上に温度の低い部分が生じても、その部分の加熱不良を防止し、画像加熱定着装置にあっては、全体に渡って良好な定着性を維持することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 画像形成装置例の概略構成模型図
【図2】 フィルム加熱方式の定着装置の概略構成を示す横断面模型図
【図3】 ヒーター温調制御温度の模式図
【図4】 熱ローラー方式の定着装置の概略構成を示す横断面模型図
【符号の説明】
P・・記録材、1・・感光ドラム、2・・現像装置、3・・レーザー走査露光装置、6・・転写器、7・・給紙ガイド、10・・給紙カセット、11・・帯電ローラー、12・・定着装置、13・・トップセンサ、17・・定着フィルム、20・・加圧ローラー、21・・芯金、22・・弾性部材、31・・ヒーターホルダー、33・・温度検知素子、36・・ヒーター(加熱体)、N・・加熱ニップ

Claims (4)

  1. 記録媒体を互いに圧接された定着体及び加圧体の間に形成されたニップ部に、前記加圧体の回動とともに通過せしめながら、前記定着体により加熱処理を施し、前記定着体を目標温度に制御する制御手段を有する加熱装置において、
    複数の記録媒体の連続加熱処理におけるN+1番目の記録媒体加熱処理中での前記定着体の目標温度は、その記録媒体先端から長さSの範囲が、それ以降の範囲よりも高く設定され、
    〔長さS〕=〔前記加圧体一周分の長さ〕−〔N番目の記録媒体後端からN+1番目の記録媒体先端までの間隔〕
    であることを特徴とする加熱装置。
  2. 固定支持された加熱体にフィルム部材を介して加圧体を接触させ、前記フィルム部材と前記加圧体の間に形成された圧接ニップ部に記録媒体を導入し、回動する前記フィルム部材と一緒に前記記録媒体を走行移動させることで、前記加熱体の熱エネルギーを前記記録媒体に付与して加熱処理を施し、前記加熱体の温度を検知する温度検知体を備えて前記加熱体を目標温度に制御する制御手段を有する加熱装置において、
    複数の記録媒体の連続加熱処理におけるN+1番目の記録媒体加熱処理中での前記加熱体目標温度は、その記録媒体先端から長さFの範囲が、それ以降の範囲よりも高く設定され、
    〔長さF〕=〔前記フィルム部材一周分の長さ〕−〔N番目の記録媒体後端からN+1番目の記録媒体先端までの間隔〕
    であることを特徴とする加熱装置。
  3. 固定支持された加熱体にフィルム部材を介して加圧体を接触させ、前記フィルム部材と前記加圧体の間に形成された圧接ニップ部に記録媒体を導入し、回動する前記フィルム部材及び前記加圧体と一緒に前記記録媒体を走行移動させることで、前記加熱体の熱エネルギーを前記記録媒体に付与して加熱処理を施し、前記加熱体の温度を検知する温度検知体を備えて前記加熱体を目標温度に制御する制御手段を有する加熱装置において、
    複数の記録媒体の連続加熱処理におけるN+1番目の記録媒体加熱処理中での前記加熱体目標温度は、その記録媒体先端から長さSの範囲が、それ以降の範囲よりも高く設定され、
    〔長さS〕=〔前記加圧体一周分の長さ〕−〔N番目の記録媒体後端からN+1番目の記録媒体先端までの間隔〕
    であるとともに、
    その記録媒体先端から長さFの範囲が、それ以降の範囲よりも高く設定され、
    〔長さF〕=〔前記フィルム部材一周分の長さ〕−〔N番目の記録媒体後端からN+1番目の記録媒体先端までの間隔〕
    であることを特徴とする加熱装置。
  4. 記録媒体に画像を形成担持させる作像手段と、画像を形成担持させた記録媒体に加熱処理を施す加熱手段を有する画像形成装置において、前記加熱手段が請求項1から3の何れかに記載の加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
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