JP5243891B2 - 光電変換素子用材料、光電変換素子、有機太陽電池及び装置 - Google Patents
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Description
光電変換素子の一種に太陽電池があり、この太陽電池は、化石燃料の枯渇問題や地球温暖化問題を背景に、クリーンエネルギー源として近年大変注目されてきており、研究開発が盛んに行なわれるようになってきた。
太陽電池の一種として、色素増感太陽電池(所謂グレッツエルセル)があるが、溶液を用いるため、長時間の使用に際して液漏れする等の欠点を有していた。
有機太陽電池は、最初メロシアニン色素等を用いた単層膜で研究が進められてきたが、p層/n層の多層膜にすることで変換効率が向上することが見出され、それ以降多層膜が主流になってきている。このとき用いられた材料はp層として銅フタロシアニン(CuPc)、n層としてペリレンイミド類(PTCBI)であった。
またその後、p/i/n層を何層も積層するというスタックセル構成によりさらに変換効率が向上することが見出されたが、このときの材料系はフタロシアニン類とC60であった。
しかし、CuPcは金属錯体であるため結晶性が強く、成膜条件の細かい制御が困難である。
さらに、難溶性のため合成修飾が容易で無く、分子量制限もあるため、新規材料としての合成アプローチに不適である。
また、P3HTは高分子であるため、分子量分布を保持している。低分子系に比べて蒸着精製が困難であるため、高純度化が困難である。合成修飾が容易で無く、成膜性にも難がある。
つまり、低分子系であるため合成修飾が容易であり、純度確認や耐久性にも優れると考えられる。
また、材料のレパートリーが広く、材料組合せによる高性能化が期待できる。即ち、太陽電池に必要な各機能を分離させた上で、分子設計が可能である。
しかし、特許文献1又は2に記載された有機太陽電池では、いずれも太陽光スペクトルに対する吸収特性が充分でなく、キャリア移動度も低いため、光電変換特性は低いものであった。
特許文献1又は2に記載されている有機太陽電池は、光吸収不足のため励起子生成数が少なく、キャリア移動度が低いため、励起子生成過程及びキャリア移動過程が律速となり、高い変換効率は達成できなかった。
また、変換効率の高い光電変換素子及び有機太陽電池を提供することを課題とする。
さらに、変換効率の高い光電変換素子又は有機太陽電池を用いた装置を提供することを課題とする。
1.下記式(1)で表されることを特徴とする光電変換素子用材料。
2.下記式(3)で表されることを特徴とする光電変換素子用材料。
Ar1及びAr2はそれぞれ独立に、C1〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C2〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C6〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C3〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。)
3.下記式(4)で表されることを特徴とする光電変換素子用材料。
Ar1及びAr2はそれぞれ独立に、C1〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C2〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C6〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C3〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。)
4.下記式(5)で表されることを特徴とする光電変換素子用材料。
Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に、C1〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C2〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C6〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C3〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。)
5.前記R5が下記式(6)で表される芳香環であることを特徴とする1〜3のいずれかに記載の光電変換素子用材料。
6.前記式(6)のR11〜R15のうち、少なくともひとつが下記式(7)で表される置換基であることを特徴とする5に記載の光電変換素子用材料。
7.前記R5が下記式(8)で表される複素芳香環であることを特徴とする2又は3に記載の光電変換素子用材料。
8.前記R5及びR10の少なくとも1つが下記式(6)で表される芳香環であることを特徴とする3に記載の光電変換素子用材料。
9.Ar1〜Ar4のうち、少なくとも1つが下記式(6)で表される芳香環であることを特徴とする4に記載の光電変換素子用材料。
10.有機太陽電池用材料であることを特徴とする1〜9のいずれかに記載の光電変換素子用材料。
11.上記1〜9のいずれかに記載の光電変換素子用材料のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする光電変換素子。
12.1又は2以上の層が、10に記載の光電変換素子用材料を含むことを特徴とする有機太陽電池。
13.上記11に記載の光電変換素子又は12に記載の有機太陽電池を有することを特徴とする装置。
また、特定構造のアミン化合物を用いることで、変換効率の高い光電変換素子及び有機太陽電池が得られる。
さらに、特定構造のアミン化合物を用いることで、変換効率の高い光電変換素子又は有機太陽電池を用いた装置が得られる。
尚、発明を実施するための最良の形態の記載により、本発明の技術的範囲が制限されることはない。
1.原料が入手し易く、合成法も簡便である
2.材料の分子量が比較的小さい方が、昇華精製、蒸着成膜が容易であること
3.湿式成膜の場合には、材料の溶媒への溶解度を高める置換基であること
1.原料が入手し易く、合成法も簡便で収率も比較的高いことが多いこと
2.材料の分子量が比較的小さい方が、昇華精製、蒸着成膜が容易であること
3.ビニル基は、移動度の高い導電性ユニットであるため、光電流取り出しに有利と考えられること
1.原料が入手し易く、合成法も簡便であること
2.材料の分子量が比較的小さい方が、昇華精製、蒸着成膜が容易であること
3.湿式成膜の場合には、材料の溶媒への溶解度を高める置換基であること
1.原料が入手し易く、合成法も簡便であること
2.比較的アルキル部位が短いので、良質な単結晶となりやすいこと
3.無置換体の結晶配向を変化させるものの、比較的整った結晶配向を取り易いこと
1.原料が入手し易く、合成法も簡便であること
2.分子量が比較的小さい方が、昇華精製、蒸着成膜が容易であること
1.原料が入手し易く、合成法も簡便で収率も比較的高いこと
2.チオフェンは、移動度の高い導電性ユニットであり、光電流取り出しに有利と考えられること
Ar1及びAr2は互いに結合して環を形成してもよい。
Ar1及びAr2はそれぞれ独立に、C1〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C2〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C6〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C3〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。
尚、C1〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C2〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C6〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C3〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基の具体例は、上述した式(1)のR1等と同様である。
R11〜R15はそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。
尚、C1〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、乃至、C3〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基の具体例は、上述した式(1)のR1等と同様である。
R21〜R23はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C1〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C2〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C6〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C3〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基である。
尚、C1〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、乃至、C3〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基の具体例は、上述した式(1)のR1等と同様である。
R21〜R23はそれぞれ、互いに結合して環を形成してもよい。nは1〜6の整数である。
Ar1及びAr2はそれぞれ独立に、C1〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C2〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C6〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C3〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。
Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に、C1〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C2〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C6〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C3〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。
光電変換素子は、入射した光の量に応じて電気的出力を発生する素子をいい、光検出器と光起電力素子とがある。
光検出器は、受光素子と呼ばれ、光信号を取り扱う素子である。光検出器は、光信号の検出感度と応答速度とが重要である。光検出器は、例えば、光導電セルや撮像管に代表される光導電形をとる。
光起電力素子は、太陽電池のことで、光エネルギーを電気に変換する素子で、エネルギー変換効率が重要である。光起電力素子は、例えば、フォトダイオード、太陽電池等、光起電力形をとる。
また、光起電力素子に用いることで、エネルギー変換効率を向上させる。
本実施形態に係る有機太陽電池のセル構造は、一対の電極の間に上記第1〜4の光電変換素子用材料を含有する構造であれば特に限定されるものでない。例えば、安定な絶縁性基板上に下記の構成を有する構造が挙げられる。
(2)下部電極/p層/n層/上部電極
(3)下部電極/p層/i層(又はp材料とn材料の混合層)/n層/上部電極
(4)下部電極/p材料とn材料の混合層/上部電極
上記(2)、(3)の構成において、p層とn層を置換した構成でもよい。
(5)下部電極/バッファー層/p層/n層/上部電極
(6)下部電極/p層/n層/バッファー層/上部電極
(7)下部電極/バッファー層/p層/n層/バッファー層/上部電極
以下、各構成部材について簡単に説明する。
特に制限はなく、公知の導電性材料を使用できる。例えば、p層と接続する電極としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)や金(Au)、オスミウム(Os)、パラジウム(Pd)等の金属が使用でき、n層と接続する電極としては、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、カルシウム(Ca)、白金(Pt)、リチウム(Li)等の金属やMg:Ag、Mg:InやAl:Li等の二成分金属系,さらには上記P層と接続する電極例示材料が使用できる。
また、上部電極の厚さは10nmから1μmであることが好ましい。
有機化合物層は、p層、p材料とn材料の混合層又はn層のいずれかであり、有機物による単層構成である。具体的には、下部電極/上述した本発明の光電変換素子用材料の単独層/上部電極、下部電極/本発明の光電変換素子用材料と、後述するn層材料又はp層材料の混合層/上部電極等の構成が挙げられる。
有機化合物層の厚さは、1nmから10μmが好ましく、5nmから0.2μmの範囲がさらに好ましい。
本発明の光電変換素子用材料をp層に用いるときは、n層は特に限定されないが、電子受容体としての機能を有する化合物が好ましい。例えば、有機化合物であれば、C60等のフラーレン誘導体、カーボンナノチューブ、ペリレン誘導体、多環キノン、キナクリドン等、高分子系ではCN−ポリ(フェニレン−ビニレン)、MEH−CN−PPV、−CN基又はCF3基含有ポリマー、それらの−CF3置換ポリマー、ポリ(フルオレン)誘導体、の材料を挙げることができる。中でも、電子の移動度が高い材料であることが好ましい。さらに、好ましくは、電子親和力が小さい方が好ましい。このように電子親和力の小さい材料をn層として組み合わせることで充分な開放端電圧を実現することができる。
n層の厚さは、1nmから10μmが好ましく、5nmから0.2μmの範囲がさらに好ましい。
i層の厚さは、1nmから10μmが好ましく、5nmから0.2μmの範囲がさらに好ましい。
一般に、有機太陽電池セルは総膜厚が薄いことが多く、そのため上部電極と下部電極が短絡し、セル作製の歩留まりが低下することが多い。このような場合には、バッファー層を積層することによってこれを防止することが好ましい。
バッファー層に好ましい化合物としては、膜厚を厚くしても短絡電流が低下しないようにキャリア移動度が充分に高い化合物が好ましい。例えば、低分子化合物であれば下記に示すNTCDAに代表される芳香族環状酸無水物等が挙げられ、高分子化合物であればポリ(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン:ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)、ポリアニリン:カンファースルホン酸(PANI:CSA)等に代表される公知の導電性高分子等が挙げられる。
バッファー層の厚さは、1nmから10μmが好ましく、5nmから0.2μmの範囲がさらに好ましい。
基板は、機械的、熱的強度を有し、透明性を有するものが好ましい。例えば、ガラス基板及び透明性樹脂フィルムがある。透明性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリプロピレン等が挙げられる。
基板の厚さは、0.05mmから5cmが好ましく、0.5mmから0.5cmの範囲がさらに好ましい。
このことから上記したように各層の膜厚は、1nmから10μmの範囲が好ましく、5nmから0.2μmの範囲がさらに好ましい。
また、添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等を挙げられる。
例えば、上述した実施形態に係る有機太陽電池を用いた装置としては、時計、携帯電話、モバイルパソコン等がある。
本発明の有機太陽電池は軽量かつ柔軟であることから、これらの装置に用いた場合に、装置の設計を容易にし、軽量化等を図ることができる。
尚、本発明の有機太陽電池を直列及び/又は並列につなぐ構成を採用すれば、より大きな電力を取り出すことも可能である。
本発明に係る光検出器は軽量かつ柔軟であることから、これらの装置に用いた場合に、装置の設計を容易にし、軽量化等を図ることができる。
このようにして得られた固体(2g)を240℃、2.6×10−4Paで3時間昇華精製することにより黄色固体(1.7g)を得た。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):δ6.87−6.90(2H,m),7.12−7.60(17H,m),7.70(2H,d,J=9Hz),8.20(4H,d,J=9Hz)
・FDMS:計算値 C32H33N2=421
実測値 m/z=421(M+,100)
・HPLC:純度98.8%(検出波長254nm:面積%)
ガラス転移点(Tg):95℃
最大吸収波長(λmax):424nm
イオン化ポテンシャル(Ip):5.83eV(10nW,薄膜)
Ar雰囲気下、フェニルリチウム/ヘキサン溶液(1.1M,46.0ml,50mmol,3.0eq)を無水トルエン(40ml)に滴下した後、−40℃に冷却した。2−クロロ−アントラキノン(4.0g,16.0mmol)を加えて、室温で4時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を添加した。分液ロートを用いて、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、溶媒を留去し暗赤色油状物を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+50%ジクロロメタン、続いてジクロロメタン、最後にジクロロメタン+3%メタノール)で精製して、黄色固体として中間体(1)「2−クロロ−9,10−ジヒドロキシ−9,10−ジフェニルアントラセン」(4.5g,71%)を得た。分析結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):δ2.98(1H,s),2.99(1H,s),7.00−7.10(10H,m),7.31(1H,d,J=8Hz),7.36−7.38(2H,m),7.58−7.60(1H,m)7.63−7.66(3H,m)
Ar雰囲気下、中間体(1)(4.5g,11.0mmol)、ヨウ化カリウム(5.6g,34.0mmol,3.0eq)、ホスフィン酸ナトリウム一水和物(1.8g,17.0mmol,KIに対し0.5eq)を酢酸(50ml)に懸濁し、1.5時間還流した。反応混合物を純水(100ml)で希釈、ろ過後、メタノール(70ml)で洗浄を行い、淡黄色固体として中間体(2)「2−クロロ−1,9−ジフェニルアントラセン」(3.8g,95%)を得た。分析結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):δ7.25(1H,dd,J=9Hz,J=2Hz),7.35−7.37(2H,m),7.47(4H,d,J=6Hz),7.57−7.71(10H,m)
Ar雰囲気下、中間体(2)(3.8g,10.0mmol)、ジフェニルアミン(2.1g,12.0mmol,1.2eq)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.14g,0.15mmol,3%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(1.3g,14mmol,1.4eq)を無水トルエン(40ml)に懸濁し、トリ(t−ブチル)ホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.08ml,0.25mmol,Pdに対し0.8eq)を加えて10時間還流した。
反応混合物をシリカゲルに通してろ別し、溶媒留去して黄色油状物を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+5%ジクロロメタン、続いて+33%ジクロロメタン)で精製後、黄色固体として化合物(B)「2−ジフェニルアミノ−9,10−ジフェニルアントラセン」(3.7g,74%)を得た。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):δ6.99(2H,t,J=8Hz),7.07(4H,d,J=8Hz),7.10−7.40(13H,m),7.47−7.58(8H,m)
・FDMS:計算値 C38H27N=497
実測値 m/z=497(M+,100)
・HPLC:純度99.0%(検出波長254nm:面積%)
・Tg:85℃
・λmax:429nm
Ar雰囲気下、9−ブロモ−10−(4−ホルミルフェニル)アントラセン(6.1g,17.0mmol)、ベンジルホスホン酸ジエチル(4.6g,20.0mmol,1.2eq)をジメチルスルホキシド(50ml)に懸濁し、水浴で冷却した。カリウムt−ブトキシド(2.5g,22mmol,1.1eq)を加えて室温で7時間撹拌した。反応混合物を水浴で冷却し、純水(10ml)を加えた。生じた固体をろ別後、純水とメタノールにより洗浄を行い、溶媒留去して黄色固体を得た。これを、トルエン(30ml)から再結晶して黄色板状晶として中間体(3)「9−ブロモ−10−(4−(2−フェニルエテニル)フェニル)アントラセン」(5.5g,74%)を得た。分析結果を以下に示す。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):δ7.30−7.42(9H,m),7.56−7.60(4H,m),7.69−7.73(4H,m)
Ar雰囲気下、中間体(3)(3.0g,6.9mmol)、ジフェニルアミン(1.4g,8.3mmol,1.2eq)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.09g,0.09mmol,3%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(1.0g,10mmol,1.5eq)を無水トルエン(30ml)に懸濁し、トリ(t−ブチル)ホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.05ml,0.16mmol,Pdに対し0.8eq)を加えて8時間還流した。
反応混合物をシリカゲルに通してろ別し、溶媒留去して黄色油状物を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+5%ジクロロメタン、続いて+33%ジクロロメタン)で精製後、黄色固体として化合物(D)「9−ジフェニルアミノ−10−(4−(2−フェニルエテニル)フェニル)アントラセン」(3.3g,91%)を得た。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):δ6.89(2H,t,J=8Hz),7.12−7.20(8H,m),7.28−7.43(9H,m),7.49(2H,d,J=8Hz),7.59(2H,d,J=8Hz),7.75(2H,d,J=8Hz),7.77(2H,d,J=8Hz),8.19(2H,d,J=9Hz)
・FDMS:計算値 C40H29N=523
実測値 m/z=523(M+,100)
・HPLC:純度99.0%(検出波長254nm:面積%)
・Tg:118℃
・λmax:429nm
反応混合物をシリカゲルに通してろ別し、溶媒留去して黄色油状物を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+5%ジクロロメタン、続いて+33%ジクロロメタン)で精製後、黄色固体として化合物(D)「9−ジフェニルアミノ−10−(4−ビフェニル)アントラセン」(2.9g,91%)を得た。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):δ6.88(2H,t,J=7Hz),7.13−7.20(7H,m),7.32−7.41(6H,m),7.52(2H,t,J=7Hz),7.56(2H,d,J=8Hz),7.76−7.82(4H,m),7.77(2H,d,J=8Hz),8.20(2H,d,J=8Hz)
・FDMS:計算値 C38H27N=497
実測値 m/z=497(M+,100)
・HPLC:純度99.8%(検出波長254nm:面積%)
・Tg:119℃
・λmax:426nm
反応混合物をシリカゲルに通してろ別し、溶媒留去して褐色個体を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+5%ジクロロメタン、続いて+33%ジクロロメタン)で精製後、トルエンから再結晶し、緑色針状晶として化合物(H)「N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(10−フェニルアントラセン−9−イル)ベンジジン」(6.1g,78%)を得た。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):δ6.86−6.94(2H,m),7.12−7.60(38H,m)7.70(2H,d,J=8Hz),8.18(2H,d,J=8Hz)
・FDMS:計算値 C64H44N2=840
実測値 m/z=840(M+,100)
・HPLC:純度98.5%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:438nm
・Ip:5.23eV(500nW,粉末)
5.50eV(10nW,薄膜)
反応混合物をシリカゲルに通してろ別し、溶媒留去して褐色固体オイルを得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+10%ジクロロメタン、続いて+20%ジクロロメタン)で精製して化合物(F)「9,10−ビス(ジ(m−トリル)アミノ)アントラセン」(2.8g,55%)を得た。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):δ2.20(12H,s),6.71(4H,d,J=7Hz),6.87(4H,d,J=6Hz),6.88(4H,s),7.02(4H,t,J=8Hz),7.3−7.4(4H,m),8.1−8.2(4H,m).
・FDMS:計算値 C64H44N2=568
実測値 m/z=568(M+,100)
・HPLC:純度98.1%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:460nm
・FDMS:計算値 C50H33N3=675
実測値 m/z=675(M+,100)
・HPLC:純度99.3%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:414nm
窒素雰囲気下、カルバゾール(7.6g,46mmol)、4−ヨードアニリン(10g,46mmol)、ヨウ化第一銅(0.09g,0.47mmol,1%Cu)、1,2−ジアミノシクロヘキサン(0.6ml,5.0mmol,10eq.to Cu)、無水リン酸カリウム(21g,99mmol,2.2eq.)を無水ジオキサン(45ml)に溶かし、20時間還流した。反応混合物をトルエン(200ml)で希釈し、不溶物をろ別して除いた。ろ液から溶媒を留去して得られた黒色オイルをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+33%酢酸エチル)で精製して淡褐色ペースト状固体(11.4g,96%)を得た。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):3.80(2H,bs),6.82(2H,d,J=9Hz),7.22−7.32(6H,m),7.36−7.40(2H,m),8.12(2H,d,J=8Hz).
窒素雰囲気下、N−(4−アミノフェニル)カルバゾール(11.8g,46mmol)、ブロモベンゼン(7.2g,46mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.42g,0.46mmol,2%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(6.2g,65mmol,1.4eq.)を無水トルエン(100ml)に溶かし、トリt−ブチルホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.22ml,0.72mmol,0.8eq.to Pd)を加えて、室温で9時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルパッドを通してろ別し、ろ液を濃縮して得られた濃褐色オイルをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+17%ジクロロメタン、続いてヘキサン+33%ジクロロメタン)で精製して黄色ペースト状固体(12.7g,83%)を得た。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):5.79(1H,bs),6.99(1H,t,J=8Hz),7.13−7.20(4H,m),7.24−7.41(10H,m),8.13(2H,d,J=8Hz).
窒素雰囲気下、N−(4−アニリノフェニル)カルバゾール(3.6g,11mmol,1.2eq.)、9−フェニル−10−ブロモアントラセン(3.0g,9.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.08g,0.09mmol,2%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(1.2g,13mmol,1.4eq.)を無水トルエン(40ml)に溶かし、トリt−ブチルホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.04ml,0.13mmol,0.8eq.to Pd)を加えて、100℃で9時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルパッドを通してろ別し、ろ液を濃縮して得られた濃褐色オイルをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+17%ジクロロメタン、続いてヘキサン+33%ジクロロメタン)で精製して黄色固体(2.8g,85%)を得た。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):6.96(1H,t,J=7Hz),7.24−7.63(23H,m),7.76(2H,d,J=9Hz),8.11(2H,d,J=7Hz),8.29(2H,d,J=9Hz).
・FDMS:計算値 C44H30N2=586
実測値 m/z=586(M+,100)
・HPLC:純度99.7%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:425nm
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):6.96(1H,t,J=7Hz),7.24−7.59(23H,m),7.78(2H,d,J=7Hz),7.85(4H,d.J=9Hz),8.11(2H,d,J=8Hz),8.30(2H,d,J=9Hz).
・FDMS:計算値 C50H34N2=662
実測値 m/z=662(M+,100)
・HPLC:純度99.5%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:428nm
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):3.73(6H,s),6.73(4H,d,J=8Hz),7.02(4H,d,J=8Hz),7.30−7.37(4H,m),7.46−7.48(2H,m),7.56−7.60(4H,m),7.69(2H,d,J=8Hz),8.20(1H,d,J=8Hz).
・FDMS:計算値 C34H27NO2=481
実測値 m/z=481(M+,100)
・HPLC:純度97.8%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:456nm
窒素雰囲気下、チアナフテン(5.0g,37mmol)を無水THF(60ml)に溶かしドライアイス/メタノール浴で−56℃に冷却した。これに、n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.6mol/l,23ml,37mmol)を徐々に加え、−60℃〜−20℃で1時間撹拌した。反応混合物を−45℃に冷却し、2−クロロアントラキノン(3.0g,12mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(50ml)で失活させ、有機層を分取、飽和食塩水(30ml)で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒留去して赤黄色オイルを得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+50%ジクロロメタン、続いてジクロロメタン、最後にジクロロメタン+3%メタノール)で精製して白色固体(4.3g,70%)を得た。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):3.24(1H,s),3.54(1H,s),5.55(2H,s),6.53(2H,d,J=8Hz),6.75(2H,t,J=8Hz),6.94(2H,t,J=8Hz),7.30(2H,d,J=8Hz),7.49−7.59(2H,m),7.85−8.00(4H,m).
2−クロロ−9,10−ビス(2−チアナフテニル)−9,10−ジヒドロキシ−9,10−ジヒドロアントラセン(4.3g,8.4mmol)、ヨウ化カリウム(4.2g,25mmol,3eq.)、ホスフィン酸ナトリウム一水和物(1.3g,12mmol)を酢酸(50ml)に溶かし、100℃で3時間撹拌した。反応混合物を水(50ml)で希釈し、固体をろ別、メタノールで洗浄して黄色固体(3.8g,95%)を得た。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):7.32(1H,dd,J=9Hz,2Hz),7.41−7.53(8H,m),7.92−8.00(8H,m).
窒素雰囲気下、ジフェニルアミン(1.8g,11mmol,1.3eq.)、2−クロロ−9,10−ビス(2−チアナフテニル)−アントラセン(3.8g,8.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.18g,0.20mmol,5%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(1.1g,11mmol,1.4eq.)を無水トルエン(40ml)に溶かし、トリt−ブチルホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.10ml,0.33mmol,0.8eq.to Pd)を加えて、100℃で9時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルパッドを通してろ別し、ろ液を濃縮して得られた濃褐色オイルをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+17%ジクロロメタン、続いてヘキサン+33%ジクロロメタン)で精製して黄色固体(4.8g)を得た。これをエタノール(40ml)+トルエン(10ml)に懸濁させ、還流後、放冷して固体をろ別し、黄色固体(4.1g,84%)を得た。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):6.93(2H,t,J=7Hz),7.07(4H,d,J=7Hz),7.14−7.45(14H,m),7.76(1H,d,J=7Hz),7.81(1H,s),7.83(1H,s),7.88−7.94(4H,m).
・FDMS:計算値 C42H27NS2=609
実測値 m/z=609(M+,100)
・HPLC:純度96.3%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:454nm
窒素雰囲気下、9−ブロモアントラセン(5.0g,19mmol)、4−クロロフェニルボロン酸(3.7g,24mmol,1.2eq.)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.4g,0.35mmol,2%Pd)を1,2−ジメトキシエタン(70ml)に懸濁し、2M炭酸ナトリウム水溶液(7.6g,72mmol,3eq./36ml)を加えて11時間還流した。反応混合物をトルエン(200ml)で希釈し、有機層を分取、有機層を飽和食塩水(50ml)で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、シリカゲルパッドを通した後、溶媒留去して白色板状晶(5.2g,95%)を得た。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):7.33−7.37(4H,m),7.43−7.47(7H,m),7.55(2H,d,J=8Hz),7.62(2H,d,J=8Hz),8.03(2H,d,J=8Hz),8.49(1H,s).
9−(4−クロロフェニル)アントラセン(5.2g,18mmol)を無水DMF(70ml)に懸濁し、NBS(3.5g,20mmol,1.1eq)の無水DMF溶液(10ml)を加えて室温で5時間撹拌して一晩放置した。反応混合物を水(100ml)で失活させ、生じた固体をろ別、メタノールで洗浄して淡黄色固体を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+20%ジクロロメタン)で精製して淡黄色板状晶(5.7g,86%)を得た。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):7.31(2H,d,J=8Hz),7.35−7.39(2H,m),7.54−7.61(6H,m),8.60(2H,d,J=8Hz).
窒素雰囲気下、ジフェニルアミン(2.7g,16mmol,2.2eq.)、9−(4−クロロフェニル)−10−ブロモアントラセン(2.7g,7.3mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.20g,0.22mmol,3%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(2.0g,21mmol,1.4eq.)を無水トルエン(60ml)に溶かし、トリt−ブチルホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.11ml,0.36mmol,0.8eq.to Pd)を加えて、100℃で8時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルパッドを通してろ別し、トルエン(1L)で洗浄した。ろ液を濃縮して得られた黄色個体をトルエン(120ml)から再結晶して黄色固体(2.6g,61%)を得た。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):6.88(2H,t,J=7Hz),7.07−7.19(10H,m),7.25−7.40(18H,m),7.85(2H,d,J=8Hz),8.18(2H,d,J=7Hz).
・FDMS:計算値 C44H32N2=588
実測値 m/z=588(M+,100)
・HPLC:純度99.1%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:429nm
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):7.07(t,J=7Hz),7.19−7.18(4H,m),7.27−7.29(5H,m),7.38−7.40(2H,m),7.49(1H,s),7.86(2H,d,J=9Hz),7.94(1H,d,J=9Hz),8.10(1H,s),8.30(1H,s).
・FDMS:計算値 C26H19N=345
実測値 m/z=345(M+,100)
・HPLC:純度97.5%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:415nm
テトラセン(4.0g,18mmol)を無水DMF(60ml)に懸濁し、NBS(7.0g,39mmol,2.2eq.)の無水DMF溶液(15ml)を加えて室温で10時間撹拌した。反応混合物に水(100ml)を加えて失活させ、固体をろ別、水、メタノールで洗浄して赤色固体(4.0g)を得た。これをトルエン(120ml)から再結晶して赤色針状晶(2.5g,36%)を得た。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):7.46−7.50(2H,m),7.55−7.60(2H,m),8.08(2H,d,J=9Hz),8.48(2H,d,J=9Hz),9.23(1H,s).
窒素雰囲気下、ジフェニルアミン(2.5g,15mmolg,2.4eq.)、5,11−ジブロモテトラセン(2.4g,6.2mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.17g,0.19mmol,3%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(1.7g,18mmol,1.4eq.)を無水トルエン(60ml)に懸濁し、トリt−ブチルホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.09ml,0.29mmol,0.8eq.to Pd)を加えて、100℃で10時間撹拌した。反応混合物をメタノールで希釈して固体をろ別し、水、メタノールで洗浄して橙色固体を得た。これを沸騰トルエンで洗浄して橙色固体(2.8g,80%)を得た。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS):6.90(2H,t,J=7Hz),7.14−7.21(6H,m),7.25−7.29(4H,m),7.84−7.86(2H,m),8.04−8.06(2H,m),8.85(2H,s).
・FDMS:計算値 C42H30N2=562
実測値 m/z=562(M+,100)
・HPLC:純度98.4%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:531nm
このようにして得られた固体(1.1g)を320℃、3.2x10−4Paで昇華精製することにより淡黄色固体(1.0g)を得た。分析結果を以下に示す。
・FDMS:計算値 C46H30N2=610
実測値 m/z=610(M+,100)
・HPLC:純度96.7%(検出波長254nm:面積%)
このようにして得られた固体(3.9g)を260℃、5.7x10−4Paで昇華精製することにより淡黄色固体(3.5g)を得た。分析結果を以下に示す。
・1H−NMR(400MHz,CDCl3,TMS)δ6.86(2H,t,J=7Hz),7.10(4H,d,J=7Hz),7.15(4H,t,J=7Hz),7.44(1H,t,J=7Hz),7.50(1H,d,J=8Hz),7.55(1H,d,J=8Hz),7.59(1H,d,J=8Hz),7.67(1H,t,J=7Hz),7.77(1H,d,J=7Hz),7.97(1H,d,J=9Hz),8.15(2H,t,J=8Hz),8.85(1H,d,J=8Hz),9.24(1H,s).
・FDMS:計算値 C30H21N=395
実測値 m/z=395(M+,100)
・HPLC:純度99.6%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:408nm
実施例1
25mm×75mm×0.7mm厚のITO透明電極付きガラス基板をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間実施した。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず下部電極である透明電極ラインが形成されている側の面上に、p層として前記透明電極を覆うようにして膜厚30nmの化合物(A)を抵抗加熱蒸着により、1Å/sで成膜した。続けて、この化合物(A)膜上にn層として膜厚60nmの下記化合物(N1)(フラーレンC60)を抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜した。さらに、連続して上部電極として金属Agを膜厚100nm蒸着させ、有機太陽電池を形成した。面積は0.5cm2であった。この有機太陽電池を、AM1.5,Pin=100mW/cm2の条件下でI−V特性を測定した。開放端電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、曲線因子(FF)の値と太陽電池の光電変換効率(η)を表1に示す。尚、光電変換効率は下記式によって導出した。
実施例1において、化合物(A)を化合物(B)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例2において、化合物(N1)を下記化合物(N2)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、化合物(A)を化合物(C)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、化合物(A)を化合物(D)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例5において、化合物(N1)を化合物(N2)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、化合物(A)を化合物(E)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例7において、化合物(N1)を化合物(N2)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、化合物(A)を化合物(F)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例9において、化合物(N1)を化合物(N2)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
化合物(A)の代わりにN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N.N’−ジフェニルベンジジン(下記mTPD)を用いた以外は実施例1と同様にして有機太陽電池を作製した。この有機太陽電池をAM1.5,Pin=100mW/cm2の条件下でI−V特性を測定した。その結果を表1に示す。
比較例1の化合物(N1)を化合物(N2)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
比較例1の化合物(mTPD)をジフェニルアミノアントラセン(下記DPA)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
比較例3の化合物(N1)を化合物(N2)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、化合物(A)を化合物(G)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例1において、化合物(A)を化合物(H)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例1において、化合物(A)を化合物(I)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例1において上部電極Ag(100nm)を、BCP(10nm:バッファー層)/Al(80nm:陰極)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例14において、化合物(A)を化合物(B)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例14において、化合物(A)を化合物(G)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例14において、化合物(A)を化合物(I)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例14において、化合物(A)を化合物(J)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例14において、化合物(A)を化合物(K)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例14において、化合物(A)を化合物(L)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例14において、化合物(A)を化合物(M)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例14において、化合物(A)を化合物(N)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例14において、化合物(N1)を化合物(N3)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例14において、化合物(A)を化合物(O)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例14において、化合物(A)を化合物(P)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例14において、化合物(A)をmTPDへ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例23において、化合物(A)をmTPDへ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
25mm×75mm×厚さ0.7mmのITO透明電極付きガラス基板について、イソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行った後、UVオゾン洗浄を30分間行った。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず、下部電極である透明電極ラインが形成されている側の面上に、前記透明電極を覆うようにして、前記化合物Aを抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜(p層:膜厚5nm)した。続けて、この膜上に、化合物Aを0.1Å/s、化合物(N1)(C60)を0.2Å/sで共蒸着し、i層(混合比p:n=1:2、膜厚15nm)を形成した。この上に化合物(N1)(C60)を抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜(n層:膜厚45nm)し、その上に下記のバソクプロイン(BCP)を抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜(バッファー層:膜厚10nm)した。最後に、連続して対向電極として金属Alを膜厚80nmで蒸着させ、有機太陽電池を形成した。面積は0.5cm2であった。
得られた有機太陽電池の性能を表3に示す。
i層におけるp化合物とn化合物の混合比をp:n=1:1(成膜速度はそれぞれ0.2Å/s、0.2Å/s)とした以外は実施例24と同様にして有機太陽電池を作製した。得られた有機太陽電池の性能を表3に示す。
i層におけるp化合物とn化合物の混合比をp:n=2:1(成膜速度はそれぞれ0.2Å/s、0.1Å/s)とした以外は実施例24と同様にして有機太陽電池を作製した。得られた有機太陽電池の性能を表3に示す。
本発明の光電変換素子は、時計、携帯電話、モバイルパソコン、光学センサーシステム、撮像素子として光検出器を利用した撮像装置(例えば、デジタルカメラやデジタルビデオ等)等に使用できる。
Claims (11)
- p層に下記式(1)で表される有機太陽電池用材料のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする有機太陽電池。
- 前記式(6)のR11〜R15のうち、少なくともひとつが下記式(7)で表される置換基であることを特徴とする請求項5に記載の有機太陽電池。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機太陽電池を有することを特徴とする装置。
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