JP2009177125A - 光電変換素子用材料、光電変換素子、有機太陽電池及び装置 - Google Patents

光電変換素子用材料、光電変換素子、有機太陽電池及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光電変換素子に用いた場合に変換効率が高く低分子系である光電変換素子用材料を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表されることを特徴とする光電変換素子用材料。
Figure 2009177125

[(式中、R〜R10はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルコキシ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基である。R〜R、R〜Rはそれぞれ、互いに結合して環を形成してよい。R〜R10のうち少なくとも一つは、所定のアミノ基である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、光電変換素子用材料、これを用いた光電変換素子、有機太陽電池及びこれらを用いた装置に関する。
光電変換素子は、光信号を電気信号に変換するフォトダイオードや撮像素子、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池に代表されるように、光入力に対して電気出力を示す装置である。
光電変換素子の一種に太陽電池があり、この太陽電池は、化石燃料の枯渇問題や地球温暖化問題を背景に、クリーンエネルギー源として近年大変注目されてきており、研究開発が盛んに行なわれるようになってきた。
太陽電池の一種として、色素増感太陽電池(所謂グレッツエルセル)があるが、溶液を用いるため、長時間の使用に際して液漏れする等の欠点を有していた。
そこで、このような欠点を克服するため、電解質溶液を固体化して全固体型の色素増感太陽電池を模索する研究も最近なされているが、多孔質チタニアの細孔に有機物をしみ込ませる技術は難易度が高く、再現性よく高変換効率が発現できるセルは完成していないのが現状である。
一方、n層、p層ともに有機薄膜からなる有機太陽電池は、全固体型のため液漏れ等の欠点がなく、作製が容易であり、稀少金属であるルテニウム等を用いないこと等から最近注目を集め、精力的に研究がなされている。
有機太陽電池は、最初メロシアニン色素等を用いた単層膜で研究が進められてきたが、p層/n層の多層膜にすることで変換効率が向上することが見出され、それ以降多層膜が主流になってきている。このとき用いられた材料はp層として銅フタロシアニン(CuPc)、n層としてペリレンイミド類(PTCBI)であった。
Figure 2009177125
その後、p層とn層の間にi層(p材料とn材料の混合層)を挿入して積層を増やすことにより、変換効率が向上することが見出された。しかしこのとき用いられた材料は、依然としてフタロシアニン類とペリレンイミド類である。
またその後、p/i/n層を何層も積層するというスタックセル構成によりさらに変換効率が向上することが見出されたが、このときの材料系はフタロシアニン類とC60であった。
一方、高分子を用いた有機太陽電池では、p材料として導電性高分子を用い、n材料としてC60誘導体を用いてそれらを混合し、熱処理することによりミクロ層分離を誘起してヘテロ界面を増やし、変換効率を向上させるという、所謂バルクヘテロ構造の研究が主に行なわれてきた。ここで用いられてきた材料系はおもに、p材料としてP3HTと呼ばれる可溶性ポリチオフェン誘導体、n材料としてPCBMと呼ばれる可溶性C60誘導体であった。
Figure 2009177125
このように、有機太陽電池では、セル構成及びモルフォロジーの最適化により変換効率の向上がもたらされてきた。
しかし、CuPcは金属錯体であるため結晶性が強く、成膜条件の細かい制御が困難である。
さらに、難溶性のため合成修飾が容易で無く、分子量制限もあるため、新規材料としての合成アプローチに不適である。
また、P3HTは高分子であるため、分子量分布を保持している。低分子系に比べて蒸着精製が困難であるため、高純度化が困難である。合成修飾が容易で無く、成膜性にも難がある。
このような背景から、低分子系の有機太陽電池の開発が望まれている。
つまり、低分子系であるため合成修飾が容易であり、純度確認や耐久性にも優れると考えられる。
また、材料のレパートリーが広く、材料組合せによる高性能化が期待できる。即ち、太陽電池に必要な各機能を分離させた上で、分子設計が可能である。
このような要望から、例えば、特許文献1又は2に開示されているように、アミン系化合物を用いた有機太陽電池が開発されている。
しかし、特許文献1又は2に記載された有機太陽電池では、いずれも太陽光スペクトルに対する吸収特性が充分でなく、キャリア移動度も低いため、光電変換特性は低いものであった。
一般に有機太陽電池の動作過程は、(1)光吸収及び励起子生成、(2)励起子拡散、(3)電荷分離、(4)キャリア移動、(5)起電力発生の素過程からなっている。
特許文献1又は2に記載されている有機太陽電池は、光吸収不足のため励起子生成数が少なく、キャリア移動度が低いため、励起子生成過程及びキャリア移動過程が律速となり、高い変換効率は達成できなかった。
特開平06−085294号公報 特開平06−104467号公報
本発明は、光電変換素子に用いた場合に変換効率が高く低分子系である光電変換素子用材料を提供することを課題とする。
また、変換効率の高い光電変換素子及び有機太陽電池を提供することを課題とする。
さらに、変換効率の高い光電変換素子又は有機太陽電池を用いた装置を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、アミン化合物にアントラセン等に代表される縮合環を導入することによって、主に可視吸収特性が向上し、この化合物を光電変換素子に用いた場合、高い光電変換効率がもたらされることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の光電変換素子用材料等が提供される。
1.下記式(1)で表されることを特徴とする光電変換素子用材料。
Figure 2009177125
[(式中、R〜R10はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルコキシ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基である。R〜R、R〜Rはそれぞれ、互いに結合して環を形成してよい。R〜R10のうち少なくとも一つは、下記式(2)で表されるアミノ基である。)
Figure 2009177125
(Ar及びArはそれぞれ独立にC〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。)]
2.下記式(3)で表されることを特徴とする光電変換素子用材料。
Figure 2009177125
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。
Ar及びArはそれぞれ独立に、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。)
3.下記式(4)で表されることを特徴とする光電変換素子用材料。
Figure 2009177125
(式中、R〜R、R、R10はそれぞれ独立に、水素、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。
Ar及びArはそれぞれ独立に、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。)
4.下記式(5)で表されることを特徴とする光電変換素子用材料。
Figure 2009177125
(式中、R〜R、R〜Rはそれぞれ独立に、水素、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。
Ar〜Arはそれぞれ独立に、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。)
5.前記Rが下記式(6)で表される芳香環であることを特徴とする1〜3のいずれかに記載の光電変換素子用材料。
Figure 2009177125
(式中、R11〜R15はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基である。R11〜R15はそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
6.前記式(6)のR11〜R15のうち、少なくともひとつが下記式(7)で表される置換基であることを特徴とする5に記載の光電変換素子用材料。
Figure 2009177125
(式中、R16〜R20、Q及びQはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、シアノ、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルコキシ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基である。R16〜R20はそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
7.前記Rが下記式(8)で表される複素芳香環であることを特徴とする2又は3に記載の光電変換素子用材料。
Figure 2009177125
(式中、Xは酸素、硫黄又はセレンであり、R21〜R23はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基である。R21〜R23はそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。nは1〜6の整数である。
8.前記R及びR10の少なくとも1つが下記式(6)で表される芳香環であることを特徴とする3に記載の光電変換素子用材料。
Figure 2009177125
(式中、R11〜R15はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基である。R11〜R15はそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
9.Ar〜Arのうち、少なくとも1つが下記式(6)で表される芳香環であることを特徴とする4に記載の光電変換素子用材料。
Figure 2009177125
(式中、R11〜R15はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基である。R11〜R15はそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
10.有機太陽電池用材料であることを特徴とする1〜9のいずれかに記載の光電変換素子用材料。
11.上記1〜9のいずれかに記載の光電変換素子用材料のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする光電変換素子。
12.1又は2以上の層が、10に記載の光電変換素子用材料を含むことを特徴とする有機太陽電池。
13.上記11に記載の光電変換素子又は12に記載の有機太陽電池を有することを特徴とする装置。
本発明によれば、特定構造のアミン化合物を用いることで、高効率の変換特性を示す光電変換素子が得られる。
また、特定構造のアミン化合物を用いることで、変換効率の高い光電変換素子及び有機太陽電池が得られる。
さらに、特定構造のアミン化合物を用いることで、変換効率の高い光電変換素子又は有機太陽電池を用いた装置が得られる。
以下、本発明に係る光電変換素子用材料、光電変換素子、有機太陽電池、装置について説明する。
尚、発明を実施するための最良の形態の記載により、本発明の技術的範囲が制限されることはない。
(第1の光電変換素子用材料)
本発明の第1の光電変換素子用材料は、下記式(1)で表される。
Figure 2009177125
式(1)中、R〜R10はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルコキシ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基である。
〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基は、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよい。具体例としては、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、2−エチルヘキシル、3,7−ジメチルオクチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、ノルボルニル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ベンジル、α,α−ジメチルベンジル、2−フェニルエチル、1−フェニルエチル等が挙げられる。
好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、シクロヘキシル等である。これらの基が好ましいのは、以下の理由による。
1.原料が入手し易く、合成法も簡便である
2.材料の分子量が比較的小さい方が、昇華精製、蒸着成膜が容易であること
3.湿式成膜の場合には、材料の溶媒への溶解度を高める置換基であること
〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基は、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよい。それらの具体例としては、ビニル、プロペニル、ブテニル、オレイル、エイコサペンタエニル、ドコサヘキサエニル、2−フェニルビニル、2,2−ジフェニルビニル、1,2,2−トリフェニルビニル、2−フェニル−2−プロペニル等が挙げられる。好ましくは、ビニル、2,2−ジフェニルビニル等である。
「ビニル、2,2−ジフェニルビニル」が好ましいのは、以下の理由による。
1.原料が入手し易く、合成法も簡便で収率も比較的高いことが多いこと
2.材料の分子量が比較的小さい方が、昇華精製、蒸着成膜が容易であること
3.ビニル基は、移動度の高い導電性ユニットであるため、光電流取り出しに有利と考えられること
〜C40の置換もしくは無置換のアルコキシ基は、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよい。それらの具体例としては、メトキシ、エトキシ、1−プロピルオキシ、2−プロピルオキシ、1−ブチルオキシ、2−ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、シクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、1−アダマンチルオキシ、2−アダマンチルオキシ、ノルボルニルオキシ、トリフルオロメトキシ、ベンジロキシ、α,α−ジメチルベンジロキシ、2−フェニルエトキシ、1−フェニルエトキシ等が挙げられる。
好ましくは、メトキシ、エトキシ、ter−ブチルオキシ等である。これらの基が好ましいのは、以下の理由による。
1.原料が入手し易く、合成法も簡便であること
2.材料の分子量が比較的小さい方が、昇華精製、蒸着成膜が容易であること
3.湿式成膜の場合には、材料の溶媒への溶解度を高める置換基であること
〜C40の置換もしくは無置換のアリールオキシ基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよく、それらの具体例としては、後述するアリール基が酸素を介して結合した置換基が挙げられる。好ましくは、フェノキシ、ナフトキシ、フェナントリルオキシ等である。これらが好ましいのは、原料が入手し易く、合成法も簡便だからである。
〜C40の置換もしくは無置換のアルキルチオ基は、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよい。それらの具体例としては、メチルチオ、エチルチオ、1−プロピルチオ、2−プロピルチオ、1−ブチルチオ、2−ブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、オクチルチオ、デシルチオ、ドデシルチオ、2−エチルヘキシルチオ、3,7−ジメチルオクチルチオ、シクロプロピルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ、1−アダマンチルチオ、2−アダマンチルチオ、ノルボルニルチオ、トリフルオロメチルチオ、ベンジルチオ、α,α−ジメチルベンジルチオ、2−フェニルエチルチオ、1−フェニルチルチオ等が挙げられる。
好ましくは、メチルチオ、エチルチオ、ter−ブチルチオ等である。これらの基が好ましいのは、以下の理由による。
1.原料が入手し易く、合成法も簡便であること
2.比較的アルキル部位が短いので、良質な単結晶となりやすいこと
3.無置換体の結晶配向を変化させるものの、比較的整った結晶配向を取り易いこと
〜C40の置換もしくは無置換のアリール基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよい。それらの具体例としては、フェニル、2−トリル、4−トリル、4−トリフルオロメチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−シアノフェニル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、ターフェニリル、3,5−ジフェニルフェニル、3,4−ジフェニルフェニル、ペンタフェニルフェニル、4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニル、フルオレニル、1−ナフチル、2−ナフチル、9−アントリル、2−アントリル、9−フェナントリル、1−ピレニル、クリセニル、ナフタセニル、コロニル等が挙げられる。
好ましくは、フェニル、4−ビフェニリル、1−ナフチル、2−ナフチル、9−フェナントリル等である。これらの基が好ましいのは、以下の理由による。
1.原料が入手し易く、合成法も簡便であること
2.分子量が比較的小さい方が、昇華精製、蒸着成膜が容易であること
〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基は、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよい。それらの具体例としては、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ピラゾール、ベンズピラゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、ピリジン、ピラジン、トリアジン、キノリン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール等が挙げられる。
好ましくは、フラン、チオフェン、ピリジン等である。これらの基が好ましいのは、以下の理由による。
1.原料が入手し易く、合成法も簡便で収率も比較的高いこと
2.チオフェンは、移動度の高い導電性ユニットであり、光電流取り出しに有利と考えられること
上述した置換基のうち、R〜R10は、水素、ハロゲン、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、又はC〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基が好ましい。
〜R又はR〜Rはそれぞれ、互いに結合して環を形成してよい。
本発明において、R〜R10のうち少なくとも一つは、下記式(2)で表されるアミノ基である。
Figure 2009177125
式(2)において、Ar及びArはそれぞれ独立にC〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基である。尚、これらの基の具体例は、上述した式(1)のR等と同様である。
上記の置換アリール基の例に加えて、Ar及びArは窒素含有置換基を有するものでもよい。例えば、下記式で表される基が挙げられる。
Figure 2009177125
式中、Arはフェニレン、ビフェニレン、アントラセニレン等、2価の芳香族基であり、Ar及びArはそれぞれ、上述したC〜C40の置換もしくは無置換のアリール基である。
Ar及びArは互いに結合して環を形成してもよい。
(第2の光電変換素子用材料)
本発明の第2の光電変換素子用材料は、式(3)で表される。
Figure 2009177125
式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。
Ar及びArはそれぞれ独立に、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。
尚、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基の具体例は、上述した式(1)のR、式(2)のAr等と同様である。
第2の光電変換素子用材料では、Rが下記式(6)で表される芳香環であることが好ましい。
Figure 2009177125
式中、R11〜R15はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基である。
尚、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基の具体例は、上述した式(1)のR等と同様である。
11〜R15はそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。
また、上記式(6)のR11〜R15のうち、少なくともひとつが下記式(7)で表される置換基であることが好ましい。
Figure 2009177125
式中、R16〜R20、Q及びQはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、シアノ、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルコキシ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基である。R16〜R20はそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。
尚、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、乃至、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基の具体例は、上述した式(1)のR等と同様である。
また、第2の光電変換素子用材料では、Rが下記式(8)で表される複素芳香環であってもよい。
Figure 2009177125
式中、Xは酸素、硫黄又はセレンである。
21〜R23はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基である。
尚、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、乃至、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基の具体例は、上述した式(1)のR等と同様である。
21〜R23はそれぞれ、互いに結合して環を形成してもよい。nは1〜6の整数である。
(第3の光電変換素子用材料)
本発明の第3の光電変換素子用材料は、下記式(4)で表される。
Figure 2009177125
式中、R〜R、R、R10はそれぞれ独立に、水素、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。
Ar及びArはそれぞれ独立に、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。
尚、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、乃至、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基の具体例は、上述した式(1)のR、式(2)のAr等と同様である。
第3の光電変換素子用材料においても、第2の光電変換素子用材料と同様に、Rが上記式(8)で表される複素芳香環であることが好ましい。
また、R及びR10の少なくとも1つが上述した式(6)で表される芳香環であってもよい。
(第4の光電変換素子用材料)
本発明の第4の光電変換素子用材料は、下記式(5)で表される。
Figure 2009177125
式中、R〜R、R〜Rはそれぞれ独立に、水素、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。
Ar〜Arはそれぞれ独立に、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。
尚、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、乃至、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基の具体例は、上述した式(1)のR、式(2)のAr等と同様である。
第4の光電変換素子用材料では、Ar〜Arのうち、少なくとも1つが上記式(6)で表される芳香環であることが好ましい。
以下に本発明の光電変換素子用材料の具体例を示す。尚、本発明は、下記具体例に限定されないことはいうまでもない。
Figure 2009177125
(Meはメチル基である。)
Figure 2009177125
Figure 2009177125
本発明の光電変換素子用材料では、上記式(1)〜(3)、(5)に表されるように、アミン化合物にアントラセン等の縮合環を導入している。これにより、主に可視光の吸収特性が向上する。従って、この光電変換素子用材料を光電変換素子に用いることにより、高い光電変換効率が得られる。特に、有機太陽電池用の材料として好適である。
本発明の光電変換素子用材料は、公知の合成方法により得ることができる。具体的な合成例は実施例にて説明する。
続いて、本発明の光電変換素子について説明する。
光電変換素子は、入射した光の量に応じて電気的出力を発生する素子をいい、光検出器と光起電力素子とがある。
光検出器は、受光素子と呼ばれ、光信号を取り扱う素子である。光検出器は、光信号の検出感度と応答速度とが重要である。光検出器は、例えば、光導電セルや撮像管に代表される光導電形をとる。
光起電力素子は、太陽電池のことで、光エネルギーを電気に変換する素子で、エネルギー変換効率が重要である。光起電力素子は、例えば、フォトダイオード、太陽電池等、光起電力形をとる。
本発明の光電変換素子は、上述した本発明の光電変換素子用材料のうち、少なくとも1つを含む。上記第1〜4の光電変換素子用材料のうち、いずれか1つを単独で用いることも可能であり、また、上記第1〜4の光電変換素子用材料を2つ以上混合した混合物の状態で使用することもできる。
また、本発明の光電変換素子には、上記第1〜4の光電変換素子用材料のうちのいずれか1つと他の物質との混合物の状態でも用いることも可能であり、上記第1〜4の光電変換素子用材料を2つ以上と、他の物質を混合した状態でも使用することが可能である。
本発明の光電変換素子用材料を光検出器に用いることで、光信号の検出感度が向上することが期待される。
また、光起電力素子に用いることで、エネルギー変換効率を向上させる。
以下、本発明に係る光電変換素子の一実施形態として、有機太陽電池について説明する。
本実施形態に係る有機太陽電池のセル構造は、一対の電極の間に上記第1〜4の光電変換素子用材料を含有する構造であれば特に限定されるものでない。例えば、安定な絶縁性基板上に下記の構成を有する構造が挙げられる。
(1)下部電極/有機化合物層/上部電極
(2)下部電極/p層/n層/上部電極
(3)下部電極/p層/i層(又はp材料とn材料の混合層)/n層/上部電極
(4)下部電極/p材料とn材料の混合層/上部電極
上記(2)、(3)の構成において、p層とn層を置換した構成でもよい。
また、必要に応じて、電極と有機層の間にバッファー層を設けてもよい。具体例として、上記構成(1)にバッファー層を設けた場合、下記構造を有する構造が挙げられる。
(5)下部電極/バッファー層/p層/n層/上部電極
(6)下部電極/p層/n層/バッファー層/上部電極
(7)下部電極/バッファー層/p層/n層/バッファー層/上部電極
本発明に係る光電変換素子用材料は、例えば、有機化合物層、p層、n層、i層、p材料とn材料の混合層、バッファー層に使用できる。
本実施形態に係る有機太陽電池では、電池を構成するいずれかの部材に本発明の光電変換素子用材料を含有しておればよく、本発明の光電変換素子用材料を含まない部材や混合材料については、太陽電池で使用される公知の部材を使用することができる。
以下、各構成部材について簡単に説明する。
1.下部電極、上部電極
特に制限はなく、公知の導電性材料を使用できる。例えば、p層と接続する電極としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)や金(Au)、オスミウム(Os)、パラジウム(Pd)等の金属が使用でき、n層と接続する電極としては、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、カルシウム(Ca)、白金(Pt)、リチウム(Li)等の金属やMg:Ag、Mg:InやAl:Li等の二成分金属系,さらには上記P層と接続する電極例示材料が使用できる。
尚、高効率の光電変換特性を得るためには、太陽電池の少なくとも一方の面は太陽光スペクトルにおいて充分透明にすることが望ましい。透明電極は、公知の導電性材料を使用して、蒸着やスパッタリング等の方法で所定の透光性が確保するように設定する。受光面の電極の光透過率は10%以上とすることが望ましい。一対の電極構成の好ましい構成は、電極部の一方が仕事関数の大きな金属を含み、他方は仕事関数の小さな金属を含んでいるように構成することである。
下部電極の厚さは10nmから1μmであることが好ましい。
また、上部電極の厚さは10nmから1μmであることが好ましい。
2.有機化合物層
有機化合物層は、p層、p材料とn材料の混合層又はn層のいずれかであり、有機物による単層構成である。具体的には、下部電極/上述した本発明の光電変換素子用材料の単独層/上部電極、下部電極/本発明の光電変換素子用材料と、後述するn層材料又はp層材料の混合層/上部電極等の構成が挙げられる。
有機化合物層の厚さは、1nmから10μmが好ましく、5nmから0.2μmの範囲がさらに好ましい。
3.p層、n層、i層
本発明の光電変換素子用材料をp層に用いるときは、n層は特に限定されないが、電子受容体としての機能を有する化合物が好ましい。例えば、有機化合物であれば、C60等のフラーレン誘導体、カーボンナノチューブ、ペリレン誘導体、多環キノン、キナクリドン等、高分子系ではCN−ポリ(フェニレン−ビニレン)、MEH−CN−PPV、−CN基又はCF基含有ポリマー、それらの−CF置換ポリマー、ポリ(フルオレン)誘導体、の材料を挙げることができる。中でも、電子の移動度が高い材料であることが好ましい。さらに、好ましくは、電子親和力が小さい方が好ましい。このように電子親和力の小さい材料をn層として組み合わせることで充分な開放端電圧を実現することができる。
また、無機化合物であれば、n型特性の無機半導体化合物を挙げることができる。具体的には、n−Si、GaAs、CdS、PbS、CdSe、InP、Nb、WO、Fe等のドーピング半導体及び化合物半導体、また、二酸化チタン(TiO)、一酸化チタン(TiO)、三酸化二チタン(Ti)等の酸化チタン、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等の導電性酸化物が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくは、酸化チタン、特に、二酸化チタンを用いるのが好ましい。
本発明の光電変換素子用材料をn層に用いるときは、p層は特に限定されないが、正孔受容体としての機能を有する化合物が好ましい。例えば有機化合物であれば、N,N’−ビス(3−トリル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(mTPD)、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPD)、4,4’,4’’−トリス(フェニル−3−トリルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)等に代表されるアミン化合物、フタロシアニン(Pc)、銅フタロシアニン(CuPc)、亜鉛フタロシアニン(ZnPc)、チタニルフタロシアニン(TiOPc)等のフタロシアニン類、オクタエチルポルフィリン(OEP)、白金オクタエチルポルフィリン(PtOEP)、亜鉛テトラフェニルポルフィリン(ZnTPP)等に代表されるポルフィリン類、高分子化合物であれば、ポリヘキシルチオフェン(P3HT)、メトキシエチルヘキシロキシフェニレンビニレン(MEHPPV)等の主鎖型共役高分子類、ポリビニルカルバゾール等に代表される側鎖型高分子類等が挙げられる。
本発明の光電変換素子用材料をi層として用いるときは、上記p層化合物もしくはn層化合物と混合してi層を形成してもよいが、本発明の光電変換素子用材料を単独でi層として用いることもできる。その場合のp層もしくはn層は、上記例示化合物のいずれも用いることができる。
p層の厚さは、1nmから10μmが好ましく、5nmから0.2μmの範囲がさらに好ましい。
n層の厚さは、1nmから10μmが好ましく、5nmから0.2μmの範囲がさらに好ましい。
i層の厚さは、1nmから10μmが好ましく、5nmから0.2μmの範囲がさらに好ましい。
4.バッファー層
一般に、有機太陽電池セルは総膜厚が薄いことが多く、そのため上部電極と下部電極が短絡し、セル作製の歩留まりが低下することが多い。このような場合には、バッファー層を積層することによってこれを防止することが好ましい。
バッファー層に好ましい化合物としては、膜厚を厚くしても短絡電流が低下しないようにキャリア移動度が充分に高い化合物が好ましい。例えば、低分子化合物であれば下記に示すNTCDAに代表される芳香族環状酸無水物等が挙げられ、高分子化合物であればポリ(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン:ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)、ポリアニリン:カンファースルホン酸(PANI:CSA)等に代表される公知の導電性高分子等が挙げられる。
Figure 2009177125
また、バッファー層には、励起子が電極まで拡散して失活してしまうのを防止する役割を持たせることも可能である。このように励起子阻止層としてバッファー層を挿入することは、高効率化のために有効である。励起子阻止層は陽極側、陰極側のいずれにも挿入することができ、両方同時に挿入することも可能である。この場合、励起子阻止層として好ましい材料としては、例えば有機EL用途で公知な正孔障壁層用材料又は電子障壁層用材料等が挙げられる。正孔障壁層として好ましい材料は、イオン化ポテンシャルが充分に大きい化合物であり、電子障壁層として好ましい材料は、電子親和力が充分に小さい化合物である。具体的には有機EL用途で公知な材料であるバソクプロイン(BCP)、バソフェナントロリン(BPhen)等が陰極側の正孔障壁層材料として挙げられ、また同じく有機EL用途で公知な材料であるIr(ppz)等が陽極側の電子障壁層材料として挙げられる。
Figure 2009177125
さらに、バッファー層には、上記n層材料として例示した無機半導体化合物を用いてもよい。また、p型無機半導体化合物としてはCdTe、p−Si、SiC、GaAs、WO等を用いることができる。
バッファー層の厚さは、1nmから10μmが好ましく、5nmから0.2μmの範囲がさらに好ましい。
5.基板
基板は、機械的、熱的強度を有し、透明性を有するものが好ましい。例えば、ガラス基板及び透明性樹脂フィルムがある。透明性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリプロピレン等が挙げられる。
基板の厚さは、0.05mmから5cmが好ましく、0.5mmから0.5cmの範囲がさらに好ましい。
本実施形態に係る有機太陽電池の各層の形成は、真空蒸着、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法やスピンコーティング、ディップコート、キャスティング、ロールコート、フローコーティング、インクジェット等の湿式成膜法のいずれの方法も適用することができる。
膜厚は特に限定されるものではないが、適切な膜厚に設定する必要がある。一般に有機薄膜の励起子拡散長は短いことが知られているため、膜厚が厚すぎると励起子がヘテロ界面に到達する前に失活してしまうため光電変換効率が低くなる。膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生してしまうため、充分なダイオード特性が得られないため、変換効率が低下する。
このことから上記したように各層の膜厚は、1nmから10μmの範囲が好ましく、5nmから0.2μmの範囲がさらに好ましい。
乾式成膜法の場合、公知の抵抗加熱法が好ましく、混合層の形成には、複数の蒸発源からの同時蒸着による成膜方法が好ましい例として挙げられる。さらに好ましくは、成膜時に基板温度を制御することが挙げられる。
湿式成膜法の場合、各層を形成する材料を、適切な溶媒に溶解又は分散させて発光性有機溶液を調整し、薄膜を形成するが、その溶媒は各層を形成する材料を適切に溶解又は分散させることができれば特に限定されない。例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン系炭化水素系溶媒や、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、メタノールやエタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘキサン、オクタン、デカン、テトラリン等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶媒等が挙げられる。なかでも、炭化水素系溶媒又はエーテル系溶媒が好ましい。また、これらの溶媒は単独で使用しても複数混合して用いてもよい。尚、使用可能な溶媒は、これらに限定されるものではない。
本実施形態に係る有機太陽電池における有機材料を用いた薄膜層は、成膜性向上、膜のピンホール防止等のため適切な樹脂や添加剤を使用してもよい。使用の可能な樹脂としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース等の絶縁性樹脂及びそれらの共重合体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の光導電性樹脂、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂を挙げられる。
また、添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等を挙げられる。
本発明に係る装置は、上述した本発明の光電変換素子を用いた装置であればよい。
例えば、上述した実施形態に係る有機太陽電池を用いた装置としては、時計、携帯電話、モバイルパソコン等がある。
本発明の有機太陽電池は軽量かつ柔軟であることから、これらの装置に用いた場合に、装置の設計を容易にし、軽量化等を図ることができる。
尚、本発明の有機太陽電池を直列及び/又は並列につなぐ構成を採用すれば、より大きな電力を取り出すことも可能である。
また、本発明の光検出器を用いた装置としては、光学センサーシステム、撮像素子として光検出器を利用した撮像装置(例えば、デジタルカメラやデジタルビデオ等)がある。
本発明に係る光検出器は軽量かつ柔軟であることから、これらの装置に用いた場合に、装置の設計を容易にし、軽量化等を図ることができる。
以下、実験例について説明する。尚、実験例により本発明の範囲が限定されないことはいうまでもない。
[光電変換素子用材料]
合成例1 化合物(A)の合成
Figure 2009177125
Ar雰囲気下、9−ブロモ−10−フェニルアントラセン(5.0g,15.0mmol)、ジフェニルアミン(3.1g,18.0mmol,1.2eq)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.21g,0.23mmol,3%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(2.0g,18mmol,1.2eq)を無水トルエン(60ml)に懸濁し、トリ(t−ブチル)ホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.11ml,0.36mmol,Pdに対し0.8eq)を加えて8時間還流した。
反応混合物をシリカゲルに通してろ別し、溶媒留去して褐色固体を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ジクロロメタン+25%ヘキサン、続いてジクロロメタンのみ)で精製後、エタノール(150ml)とトルエン(30ml)の混合溶媒から再結晶し、黄色針状晶として化合物(A)「9−フェニル−10−ジフェニルアミノアントラセン」(4.9g,78%)を得た。
このようにして得られた固体(2g)を240℃、2.6×10−4Paで3時間昇華精製することにより黄色固体(1.7g)を得た。
この黄色固体の核磁気共鳴測定(HNMR)、電解離脱質量分析(FDMS)、液体クロマトグラフィ(HPLC)の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):δ6.87−6.90(2H,m),7.12−7.60(17H,m),7.70(2H,d,J=9Hz),8.20(4H,d,J=9Hz)
・FDMS:計算値 C3233=421
実測値 m/z=421(M,100)
・HPLC:純度98.8%(検出波長254nm:面積%)
また、物性は以下のとおりである。
ガラス転移点(Tg):95℃
最大吸収波長(λmax):424nm
イオン化ポテンシャル(Ip):5.83eV(10nW,薄膜)
合成例2 化合物(B)の合成
Figure 2009177125
中間体(1)の合成
Ar雰囲気下、フェニルリチウム/ヘキサン溶液(1.1M,46.0ml,50mmol,3.0eq)を無水トルエン(40ml)に滴下した後、−40℃に冷却した。2−クロロ−アントラキノン(4.0g,16.0mmol)を加えて、室温で4時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を添加した。分液ロートを用いて、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、溶媒を留去し暗赤色油状物を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+50%ジクロロメタン、続いてジクロロメタン、最後にジクロロメタン+3%メタノール)で精製して、黄色固体として中間体(1)「2−クロロ−9,10−ジヒドロキシ−9,10−ジフェニルアントラセン」(4.5g,71%)を得た。分析結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):δ2.98(1H,s),2.99(1H,s),7.00−7.10(10H,m),7.31(1H,d,J=8Hz),7.36−7.38(2H,m),7.58−7.60(1H,m)7.63−7.66(3H,m)
中間体(2)の合成
Ar雰囲気下、中間体(1)(4.5g,11.0mmol)、ヨウ化カリウム(5.6g,34.0mmol,3.0eq)、ホスフィン酸ナトリウム一水和物(1.8g,17.0mmol,KIに対し0.5eq)を酢酸(50ml)に懸濁し、1.5時間還流した。反応混合物を純水(100ml)で希釈、ろ過後、メタノール(70ml)で洗浄を行い、淡黄色固体として中間体(2)「2−クロロ−1,9−ジフェニルアントラセン」(3.8g,95%)を得た。分析結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):δ7.25(1H,dd,J=9Hz,J=2Hz),7.35−7.37(2H,m),7.47(4H,d,J=6Hz),7.57−7.71(10H,m)
化合物(B)の合成
Ar雰囲気下、中間体(2)(3.8g,10.0mmol)、ジフェニルアミン(2.1g,12.0mmol,1.2eq)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.14g,0.15mmol,3%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(1.3g,14mmol,1.4eq)を無水トルエン(40ml)に懸濁し、トリ(t−ブチル)ホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.08ml,0.25mmol,Pdに対し0.8eq)を加えて10時間還流した。
反応混合物をシリカゲルに通してろ別し、溶媒留去して黄色油状物を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+5%ジクロロメタン、続いて+33%ジクロロメタン)で精製後、黄色固体として化合物(B)「2−ジフェニルアミノ−9,10−ジフェニルアントラセン」(3.7g,74%)を得た。
これを、エタノール(30ml)とトルエン(50ml)の混合溶媒から再結晶して黄色針状晶(1.8g)を得た。このようにして得られた固体(1.7g)を300℃、1.1×10−2Paで8時間昇華精製することにより橙黄色固体(1.6g)を得た。分析結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):δ6.99(2H,t,J=8Hz),7.07(4H,d,J=8Hz),7.10−7.40(13H,m),7.47−7.58(8H,m)
・FDMS:計算値 C3827N=497
実測値 m/z=497(M,100)
・HPLC:純度99.0%(検出波長254nm:面積%)
・Tg:85℃
・λmax:429nm
合成例3 化合物(C)の合成
Figure 2009177125
中間体(3)の合成
Ar雰囲気下、9−ブロモ−10−(4−ホルミルフェニル)アントラセン(6.1g,17.0mmol)、ベンジルホスホン酸ジエチル(4.6g,20.0mmol,1.2eq)をジメチルスルホキシド(50ml)に懸濁し、水浴で冷却した。カリウムt−ブトキシド(2.5g,22mmol,1.1eq)を加えて室温で7時間撹拌した。反応混合物を水浴で冷却し、純水(10ml)を加えた。生じた固体をろ別後、純水とメタノールにより洗浄を行い、溶媒留去して黄色固体を得た。これを、トルエン(30ml)から再結晶して黄色板状晶として中間体(3)「9−ブロモ−10−(4−(2−フェニルエテニル)フェニル)アントラセン」(5.5g,74%)を得た。分析結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):δ7.30−7.42(9H,m),7.56−7.60(4H,m),7.69−7.73(4H,m)
化合物(C)の合成
Ar雰囲気下、中間体(3)(3.0g,6.9mmol)、ジフェニルアミン(1.4g,8.3mmol,1.2eq)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.09g,0.09mmol,3%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(1.0g,10mmol,1.5eq)を無水トルエン(30ml)に懸濁し、トリ(t−ブチル)ホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.05ml,0.16mmol,Pdに対し0.8eq)を加えて8時間還流した。
反応混合物をシリカゲルに通してろ別し、溶媒留去して黄色油状物を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+5%ジクロロメタン、続いて+33%ジクロロメタン)で精製後、黄色固体として化合物(D)「9−ジフェニルアミノ−10−(4−(2−フェニルエテニル)フェニル)アントラセン」(3.3g,91%)を得た。
これを、エタノール(50ml)とトルエン(50ml)の混合溶媒から再結晶して黄色板状晶(2.5g)を得た。このようにして得られた固体(2.0g)を300℃、4.2×10−3Paで8時間昇華精製することにより橙黄色固体(1.8g)を得た。分析結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):δ6.89(2H,t,J=8Hz),7.12−7.20(8H,m),7.28−7.43(9H,m),7.49(2H,d,J=8Hz),7.59(2H,d,J=8Hz),7.75(2H,d,J=8Hz),7.77(2H,d,J=8Hz),8.19(2H,d,J=9Hz)
・FDMS:計算値 C4029N=523
実測値 m/z=523(M,100)
・HPLC:純度99.0%(検出波長254nm:面積%)
・Tg:118℃
・λmax:429nm
合成例4 化合物(D)の合成
Figure 2009177125
Ar雰囲気下、9−ブロモ−10−(4−ビフェニル)アントラセン(2.6g,6.4mmol)、ジフェニルアミン(1.3g,7.7mmol,1.2eq)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.09g,0.09mmol,3%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(0.9g,9.4mmol,1.4eq)を無水トルエン(30ml)に懸濁し、トリ(t−ブチル)ホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.05ml,0.16mmol,Pdに対し0.8eq)を加えて8時間還流した。
反応混合物をシリカゲルに通してろ別し、溶媒留去して黄色油状物を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+5%ジクロロメタン、続いて+33%ジクロロメタン)で精製後、黄色固体として化合物(D)「9−ジフェニルアミノ−10−(4−ビフェニル)アントラセン」(2.9g,91%)を得た。
これを、エタノール(40ml)とトルエン(60ml)の混合溶媒から再結晶して黄色板状晶(2.1g)を得た。このようにして得られた固体(2.0g)を300℃、1.3×10−4Paで8時間昇華精製することにより橙黄色固体(1.6g)を得た。分析結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):δ6.88(2H,t,J=7Hz),7.13−7.20(7H,m),7.32−7.41(6H,m),7.52(2H,t,J=7Hz),7.56(2H,d,J=8Hz),7.76−7.82(4H,m),7.77(2H,d,J=8Hz),8.20(2H,d,J=8Hz)
・FDMS:計算値 C3827N=497
実測値 m/z=497(M,100)
・HPLC:純度99.8%(検出波長254nm:面積%)
・Tg:119℃
・λmax:426nm
合成例5 化合物(E)の合成
Figure 2009177125
Ar雰囲気下、N,N’−ジフェニルベンジジン(2.3g,6.8mmol)9−ブロモ−10−フェニルアントラセン(5.0g,15.0mmol,2.2eq)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.21g,0.23mmol,3%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(1.7g,15mmol,2.2eq)を無水トルエン(60ml)に懸濁し、トリ(t−ブチル)ホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.10ml,0.31mmol,Pdに対し0.8eq)を加えて8時間還流した。
反応混合物をシリカゲルに通してろ別し、溶媒留去して褐色個体を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+5%ジクロロメタン、続いて+33%ジクロロメタン)で精製後、トルエンから再結晶し、緑色針状晶として化合物(H)「N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(10−フェニルアントラセン−9−イル)ベンジジン」(6.1g,78%)を得た。
このようにして得られた固体(2.0g)を300℃、7.8×10−4Paで12時間昇華精製することにより緑黄色固体(1.1g)を得た。分析結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):δ6.86−6.94(2H,m),7.12−7.60(38H,m)7.70(2H,d,J=8Hz),8.18(2H,d,J=8Hz)
・FDMS:計算値 C6444=840
実測値 m/z=840(M,100)
・HPLC:純度98.5%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:438nm
・Ip:5.23eV(500nW,粉末)
5.50eV(10nW,薄膜)
合成例6 化合物(F)の合成
Figure 2009177125
Ar雰囲気下、ジ(m−トリル)アミン(3.9g,20mmol,2.2eq)9、10−ジブロモアントラセン(3.0g,8.9mmol,2.2eq)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.41g,0.45mmol,5%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(2.4g,25mmol,1.4eq)を無水トルエン(70ml)に懸濁し、トリ(t−ブチル)ホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.22ml,0.72mmol,Pdに対し0.8eq)を加えて9時間還流した。
反応混合物をシリカゲルに通してろ別し、溶媒留去して褐色固体オイルを得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+10%ジクロロメタン、続いて+20%ジクロロメタン)で精製して化合物(F)「9,10−ビス(ジ(m−トリル)アミノ)アントラセン」(2.8g,55%)を得た。
このようにして得られた固体(2.5g)を300℃、3.3×10−4Paで8時間昇華精製することにより黄色固体(2.1g)を得た。分析結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):δ2.20(12H,s),6.71(4H,d,J=7Hz),6.87(4H,d,J=6Hz),6.88(4H,s),7.02(4H,t,J=8Hz),7.3−7.4(4H,m),8.1−8.2(4H,m).
・FDMS:計算値 C6444=568
実測値 m/z=568(M,100)
・HPLC:純度98.1%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:460nm
合成例7 化合物(G)の合成
Figure 2009177125
窒素雰囲気下、N−(4−(2−アントリル)アミノフェニル)カルバゾール(2.9g,6.6mmol)、N−(4−ブロモフェニル)カルバゾール(2.1g,6.6mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.12g,0.13mmol,2%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(0.95g,9.9mmol,1.5eq.)を無水トルエン(45ml)に溶かし、トリt−ブチルホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.03ml,0.10mmol,0.8eq.to Pd)を加えて、100℃で9時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルパッドを通してろ別し、ろ液を濃縮して得られた濃褐色オイルをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+17%ジクロロメタン、続いてヘキサン+33%ジクロロメタン)で精製して黄色固体(3.4g,76%)を得た。
このようにして得られた固体(1.2g)を380℃、4.0x10−4Paで昇華精製することにより黄色固体(1.1g)を得た。分析結果を以下に示す。
・FDMS:計算値 C5033=675
実測値 m/z=675(M,100)
・HPLC:純度99.3%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:414nm
合成例8 化合物(H)の合成
Figure 2009177125
N−(4−アミノフェニル)カルバゾールの合成
窒素雰囲気下、カルバゾール(7.6g,46mmol)、4−ヨードアニリン(10g,46mmol)、ヨウ化第一銅(0.09g,0.47mmol,1%Cu)、1,2−ジアミノシクロヘキサン(0.6ml,5.0mmol,10eq.to Cu)、無水リン酸カリウム(21g,99mmol,2.2eq.)を無水ジオキサン(45ml)に溶かし、20時間還流した。反応混合物をトルエン(200ml)で希釈し、不溶物をろ別して除いた。ろ液から溶媒を留去して得られた黒色オイルをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+33%酢酸エチル)で精製して淡褐色ペースト状固体(11.4g,96%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):3.80(2H,bs),6.82(2H,d,J=9Hz),7.22−7.32(6H,m),7.36−7.40(2H,m),8.12(2H,d,J=8Hz).
N−(4−アニリノフェニル)カルバゾールの合成
窒素雰囲気下、N−(4−アミノフェニル)カルバゾール(11.8g,46mmol)、ブロモベンゼン(7.2g,46mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.42g,0.46mmol,2%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(6.2g,65mmol,1.4eq.)を無水トルエン(100ml)に溶かし、トリt−ブチルホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.22ml,0.72mmol,0.8eq.to Pd)を加えて、室温で9時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルパッドを通してろ別し、ろ液を濃縮して得られた濃褐色オイルをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+17%ジクロロメタン、続いてヘキサン+33%ジクロロメタン)で精製して黄色ペースト状固体(12.7g,83%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):5.79(1H,bs),6.99(1H,t,J=8Hz),7.13−7.20(4H,m),7.24−7.41(10H,m),8.13(2H,d,J=8Hz).
化合物(H)の合成
窒素雰囲気下、N−(4−アニリノフェニル)カルバゾール(3.6g,11mmol,1.2eq.)、9−フェニル−10−ブロモアントラセン(3.0g,9.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.08g,0.09mmol,2%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(1.2g,13mmol,1.4eq.)を無水トルエン(40ml)に溶かし、トリt−ブチルホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.04ml,0.13mmol,0.8eq.to Pd)を加えて、100℃で9時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルパッドを通してろ別し、ろ液を濃縮して得られた濃褐色オイルをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+17%ジクロロメタン、続いてヘキサン+33%ジクロロメタン)で精製して黄色固体(2.8g,85%)を得た。
このようにして得られた固体(1.67g)を340℃、1.6x10−3Paで昇華精製することにより黄色固体(1.51g)を得た。分析結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):6.96(1H,t,J=7Hz),7.24−7.63(23H,m),7.76(2H,d,J=9Hz),8.11(2H,d,J=7Hz),8.29(2H,d,J=9Hz).
・FDMS:計算値 C4430=586
実測値 m/z=586(M,100)
・HPLC:純度99.7%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:425nm
合成例9 化合物(I)の合成
Figure 2009177125
窒素雰囲気下、N−(4−アニリノフェニル)カルバゾール(1.7g,5.1mmol,1.2eq.)、9−(4−ビフェニリル)−10−ブロモアントラセン(1.7g,4.2mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.04g,0.04mmol,2%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(0.6g,6.3mmol,1.4eq.)を無水トルエン(20ml)に溶かし、トリt−ブチルホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.02ml,0.07mmol,0.8eq.to Pd)を加えて、100℃で10時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルパッドを通してろ別し、ろ液を濃縮して得られた濃褐色オイルをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+17%ジクロロメタン、続いてヘキサン+33%ジクロロメタン)で精製して黄色固体(2.3g,83%)を得た。これをエタノール(30ml)+トルエン(20ml)から再結晶して黄色針状晶(2.0g)を得た。
このようにして得られた固体(2.0g)を380℃、2.4x10−4Paで昇華精製することにより黄色固体(1.6g)を得た。分析結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):6.96(1H,t,J=7Hz),7.24−7.59(23H,m),7.78(2H,d,J=7Hz),7.85(4H,d.J=9Hz),8.11(2H,d,J=8Hz),8.30(2H,d,J=9Hz).
・FDMS:計算値 C5034=662
実測値 m/z=662(M,100)
・HPLC:純度99.5%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:428nm
合成例10 化合物(J)の合成
Figure 2009177125
窒素雰囲気下、4,4’−ジメトキシジフェニルアミン(2.7g,12mmol,1.2eq.)、9−フェニル−10−ブロモアントラセン(3.3g,9.9mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.14g,0.15mmol,3%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(1.3g,12mmol,1.2eq.)を無水トルエン(60ml)に溶かし、トリt−ブチルホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.07ml,0.24mmol,0.8eq.to Pd)を加えて、110℃で8時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルパッドを通してろ別し、ろ液を濃縮して得られた濃褐色オイルをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+17%ジクロロメタン、続いてヘキサン+33%ジクロロメタン)で精製して黄色固体(3.2g,67%)を得た。
このようにして得られた固体(1.6g)を320℃、3.9x10−4Paで昇華精製することにより黄色固体(1.4g)を得た。分析結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):3.73(6H,s),6.73(4H,d,J=8Hz),7.02(4H,d,J=8Hz),7.30−7.37(4H,m),7.46−7.48(2H,m),7.56−7.60(4H,m),7.69(2H,d,J=8Hz),8.20(1H,d,J=8Hz).
・FDMS:計算値 C3427NO=481
実測値 m/z=481(M,100)
・HPLC:純度97.8%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:456nm
合成例11 化合物(K)の合成
Figure 2009177125
2−クロロ−9,10−ビス(2−チアナフテニル)−9,10−ジヒドロキシ−9,10−ジヒドロアントラセンの合成
窒素雰囲気下、チアナフテン(5.0g,37mmol)を無水THF(60ml)に溶かしドライアイス/メタノール浴で−56℃に冷却した。これに、n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.6mol/l,23ml,37mmol)を徐々に加え、−60℃〜−20℃で1時間撹拌した。反応混合物を−45℃に冷却し、2−クロロアントラキノン(3.0g,12mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(50ml)で失活させ、有機層を分取、飽和食塩水(30ml)で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒留去して赤黄色オイルを得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+50%ジクロロメタン、続いてジクロロメタン、最後にジクロロメタン+3%メタノール)で精製して白色固体(4.3g,70%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):3.24(1H,s),3.54(1H,s),5.55(2H,s),6.53(2H,d,J=8Hz),6.75(2H,t,J=8Hz),6.94(2H,t,J=8Hz),7.30(2H,d,J=8Hz),7.49−7.59(2H,m),7.85−8.00(4H,m).
2−クロロ−9,10−ビス(2−チアナフテニル)−アントラセンの合成
2−クロロ−9,10−ビス(2−チアナフテニル)−9,10−ジヒドロキシ−9,10−ジヒドロアントラセン(4.3g,8.4mmol)、ヨウ化カリウム(4.2g,25mmol,3eq.)、ホスフィン酸ナトリウム一水和物(1.3g,12mmol)を酢酸(50ml)に溶かし、100℃で3時間撹拌した。反応混合物を水(50ml)で希釈し、固体をろ別、メタノールで洗浄して黄色固体(3.8g,95%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):7.32(1H,dd,J=9Hz,2Hz),7.41−7.53(8H,m),7.92−8.00(8H,m).
化合物(K)の合成
窒素雰囲気下、ジフェニルアミン(1.8g,11mmol,1.3eq.)、2−クロロ−9,10−ビス(2−チアナフテニル)−アントラセン(3.8g,8.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.18g,0.20mmol,5%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(1.1g,11mmol,1.4eq.)を無水トルエン(40ml)に溶かし、トリt−ブチルホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.10ml,0.33mmol,0.8eq.to Pd)を加えて、100℃で9時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルパッドを通してろ別し、ろ液を濃縮して得られた濃褐色オイルをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+17%ジクロロメタン、続いてヘキサン+33%ジクロロメタン)で精製して黄色固体(4.8g)を得た。これをエタノール(40ml)+トルエン(10ml)に懸濁させ、還流後、放冷して固体をろ別し、黄色固体(4.1g,84%)を得た。
このようにして得られた固体(3.0g)を320℃、1.3x10−3Paで昇華精製することにより黄色固体(2.6g)を得た。分析結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):6.93(2H,t,J=7Hz),7.07(4H,d,J=7Hz),7.14−7.45(14H,m),7.76(1H,d,J=7Hz),7.81(1H,s),7.83(1H,s),7.88−7.94(4H,m).
・FDMS:計算値 C4227NS=609
実測値 m/z=609(M,100)
・HPLC:純度96.3%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:454nm
合成例12 化合物(L)の合成
Figure 2009177125
9−(4−クロロフェニル)アントラセンの合成
窒素雰囲気下、9−ブロモアントラセン(5.0g,19mmol)、4−クロロフェニルボロン酸(3.7g,24mmol,1.2eq.)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.4g,0.35mmol,2%Pd)を1,2−ジメトキシエタン(70ml)に懸濁し、2M炭酸ナトリウム水溶液(7.6g,72mmol,3eq./36ml)を加えて11時間還流した。反応混合物をトルエン(200ml)で希釈し、有機層を分取、有機層を飽和食塩水(50ml)で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、シリカゲルパッドを通した後、溶媒留去して白色板状晶(5.2g,95%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):7.33−7.37(4H,m),7.43−7.47(7H,m),7.55(2H,d,J=8Hz),7.62(2H,d,J=8Hz),8.03(2H,d,J=8Hz),8.49(1H,s).
9−(4−クロロフェニル)−10−ブロモアントラセンの合成
9−(4−クロロフェニル)アントラセン(5.2g,18mmol)を無水DMF(70ml)に懸濁し、NBS(3.5g,20mmol,1.1eq)の無水DMF溶液(10ml)を加えて室温で5時間撹拌して一晩放置した。反応混合物を水(100ml)で失活させ、生じた固体をろ別、メタノールで洗浄して淡黄色固体を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+20%ジクロロメタン)で精製して淡黄色板状晶(5.7g,86%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):7.31(2H,d,J=8Hz),7.35−7.39(2H,m),7.54−7.61(6H,m),8.60(2H,d,J=8Hz).
化合物(L)の合成
窒素雰囲気下、ジフェニルアミン(2.7g,16mmol,2.2eq.)、9−(4−クロロフェニル)−10−ブロモアントラセン(2.7g,7.3mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.20g,0.22mmol,3%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(2.0g,21mmol,1.4eq.)を無水トルエン(60ml)に溶かし、トリt−ブチルホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.11ml,0.36mmol,0.8eq.to Pd)を加えて、100℃で8時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルパッドを通してろ別し、トルエン(1L)で洗浄した。ろ液を濃縮して得られた黄色個体をトルエン(120ml)から再結晶して黄色固体(2.6g,61%)を得た。
このようにして得られた固体(2.2g)を320℃、1.6x10−4Paで昇華精製することにより黄色固体(1.9g)を得た。分析結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):6.88(2H,t,J=7Hz),7.07−7.19(10H,m),7.25−7.40(18H,m),7.85(2H,d,J=8Hz),8.18(2H,d,J=7Hz).
・FDMS:計算値 C4432=588
実測値 m/z=588(M,100)
・HPLC:純度99.1%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:429nm
合成例13 化合物(M)の合成
Figure 2009177125
アルゴン雰囲気下、ジフェニルアミン(1.3g,7.5mmol,1.5eq.)、2−ブロモアントラセン(1.3g,5.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.14g,0.15mmol,3%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(0.6g,6mmol,1.2eq.)を無水トルエン(25ml)に溶かし、トリt−ブチルホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.01ml,0.08mmol,0.8eq.to Pd)を加えて、100℃で8時間撹拌した。反応混合物をろ別し、得られた個体をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+10%ジクロロメタン)で精製して淡黄色固体(1.3g,74%)を得た。
このようにして得られた固体(1.0g)を180℃、2.2x10−3Paで昇華精製することにより黄色固体(0.9g)を得た。分析結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):7.07(t,J=7Hz),7.19−7.18(4H,m),7.27−7.29(5H,m),7.38−7.40(2H,m),7.49(1H,s),7.86(2H,d,J=9Hz),7.94(1H,d,J=9Hz),8.10(1H,s),8.30(1H,s).
・FDMS:計算値 C2619N=345
実測値 m/z=345(M,100)
・HPLC:純度97.5%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:415nm
合成例14 化合物(N)の合成
Figure 2009177125
5,11−ジブロモテトラセンの合成
テトラセン(4.0g,18mmol)を無水DMF(60ml)に懸濁し、NBS(7.0g,39mmol,2.2eq.)の無水DMF溶液(15ml)を加えて室温で10時間撹拌した。反応混合物に水(100ml)を加えて失活させ、固体をろ別、水、メタノールで洗浄して赤色固体(4.0g)を得た。これをトルエン(120ml)から再結晶して赤色針状晶(2.5g,36%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):7.46−7.50(2H,m),7.55−7.60(2H,m),8.08(2H,d,J=9Hz),8.48(2H,d,J=9Hz),9.23(1H,s).
化合物(N)の合成
窒素雰囲気下、ジフェニルアミン(2.5g,15mmolg,2.4eq.)、5,11−ジブロモテトラセン(2.4g,6.2mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.17g,0.19mmol,3%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(1.7g,18mmol,1.4eq.)を無水トルエン(60ml)に懸濁し、トリt−ブチルホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.09ml,0.29mmol,0.8eq.to Pd)を加えて、100℃で10時間撹拌した。反応混合物をメタノールで希釈して固体をろ別し、水、メタノールで洗浄して橙色固体を得た。これを沸騰トルエンで洗浄して橙色固体(2.8g,80%)を得た。
このようにして得られた固体(1.8g)を320℃、6.9x10−4Paで昇華精製することにより赤色固体(1.8g)を得た。分析結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS):6.90(2H,t,J=7Hz),7.14−7.21(6H,m),7.25−7.29(4H,m),7.84−7.86(2H,m),8.04−8.06(2H,m),8.85(2H,s).
・FDMS:計算値 C4230=562
実測値 m/z=562(M,100)
・HPLC:純度98.4%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:531nm
合成例15 化合物(O)の合成
Figure 2009177125
窒素雰囲気下、N−(4−(2−アントリルアミノ)フェニル)カルバゾール(2.2g,5mmol,1eq.)、2−ブロモアントラセン(1.3g,5mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(0.06g,0.1mmol,2%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(0.72g,7.5mmol,1.4eq.)を無水トルエン(35ml)に懸濁し、トリt−ブチルホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.03ml,0.1mmol,0.8eq.to Pd)を加えて、100℃で8時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルパッドを通してろ別し、トルエン(500ml)で洗浄した。ろ液を濃縮して得られた褐色個体をトルエンで再結晶して淡黄色板状晶(1.1g,64%)を得た。
このようにして得られた固体(1.1g)を320℃、3.2x10−4Paで昇華精製することにより淡黄色固体(1.0g)を得た。分析結果を以下に示す。
・FDMS:計算値 C4630N2=610
実測値 m/z=610(M,100)
・HPLC:純度96.7%(検出波長254nm:面積%)
合成例16 化合物(P)の合成
Figure 2009177125
窒素雰囲気下、ジフェニルアミン(3.3g,20mmolg,1.2eq.)、7−ブロモベンズ[a]アントラセン(5.0g,16mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.15g,0.16mmol,2%Pd)、ナトリウムt−ブトキシド(2.2g,23mmol, 1.4eq.)を無水トルエン(45ml)に懸濁し、トリt−ブチルホスフィン/トルエン溶液(66wt%,0.08ml,0.26mmol,0.8eq.to Pd)を加えて、100℃で11時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルパッドを通してろ別し、トルエン(800ml)で洗浄した。ろ液を濃縮して得られた褐色個体をカラムクロメトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+17%ジクロロメタン、ヘキサン+33%ジクロロメタン、ヘキサン+50%ジクロロメタン)で精製して淡黄色固体(5.7g,90%)を得た。これをエタノール+トルエンで再結晶して淡黄色板状晶(4.3g)を得た。
このようにして得られた固体(3.9g)を260℃、5.7x10−4Paで昇華精製することにより淡黄色固体(3.5g)を得た。分析結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMS)δ6.86(2H,t,J=7Hz),7.10(4H,d,J=7Hz),7.15(4H,t,J=7Hz),7.44(1H,t,J=7Hz),7.50(1H,d,J=8Hz),7.55(1H,d,J=8Hz),7.59(1H,d,J=8Hz),7.67(1H,t,J=7Hz),7.77(1H,d,J=7Hz),7.97(1H,d,J=9Hz),8.15(2H,t,J=8Hz),8.85(1H,d,J=8Hz),9.24(1H,s).
・FDMS:計算値 C3021N=395
実測値 m/z=395(M,100)
・HPLC:純度99.6%(検出波長254nm:面積%)
・λmax:408nm
[有機太陽電池作製と評価]
実施例1
25mm×75mm×0.7mm厚のITO透明電極付きガラス基板をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間実施した。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず下部電極である透明電極ラインが形成されている側の面上に、p層として前記透明電極を覆うようにして膜厚30nmの化合物(A)を抵抗加熱蒸着により、1Å/sで成膜した。続けて、この化合物(A)膜上にn層として膜厚60nmの下記化合物(N1)(フラーレンC60)を抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜した。さらに、連続して上部電極として金属Agを膜厚100nm蒸着させ、有機太陽電池を形成した。面積は0.5cmであった。この有機太陽電池を、AM1.5,Pin=100mW/cmの条件下でI−V特性を測定した。開放端電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、曲線因子(FF)の値と太陽電池の光電変換効率(η)を表1に示す。尚、光電変換効率は下記式によって導出した。
Figure 2009177125
Figure 2009177125
実施例2
実施例1において、化合物(A)を化合物(B)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例3
実施例2において、化合物(N1)を下記化合物(N2)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 2009177125
実施例4
実施例1において、化合物(A)を化合物(C)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例5
実施例1において、化合物(A)を化合物(D)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例6
実施例5において、化合物(N1)を化合物(N2)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例7
実施例1において、化合物(A)を化合物(E)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例8
実施例7において、化合物(N1)を化合物(N2)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例9
実施例1において、化合物(A)を化合物(F)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例10
実施例9において、化合物(N1)を化合物(N2)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
比較例1
化合物(A)の代わりにN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N.N’−ジフェニルベンジジン(下記mTPD)を用いた以外は実施例1と同様にして有機太陽電池を作製した。この有機太陽電池をAM1.5,Pin=100mW/cmの条件下でI−V特性を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2009177125
比較例2
比較例1の化合物(N1)を化合物(N2)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
比較例3
比較例1の化合物(mTPD)をジフェニルアミノアントラセン(下記DPA)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 2009177125
比較例4
比較例3の化合物(N1)を化合物(N2)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例11
実施例1において、化合物(A)を化合物(G)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例12
実施例1において、化合物(A)を化合物(H)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例13
実施例1において、化合物(A)を化合物(I)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例14
実施例1において上部電極Ag(100nm)を、BCP(10nm:バッファー層)/Al(80nm:陰極)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
Figure 2009177125
実施例15
実施例14において、化合物(A)を化合物(B)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例16
実施例14において、化合物(A)を化合物(G)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例17
実施例14において、化合物(A)を化合物(I)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例18
実施例14において、化合物(A)を化合物(J)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例19
実施例14において、化合物(A)を化合物(K)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例20
実施例14において、化合物(A)を化合物(L)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例21
実施例14において、化合物(A)を化合物(M)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例22
実施例14において、化合物(A)を化合物(N)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例23
実施例14において、化合物(N1)を化合物(N3)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
Figure 2009177125
実施例24
実施例14において、化合物(A)を化合物(O)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例25
実施例14において、化合物(A)を化合物(P)へ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
比較例5
実施例14において、化合物(A)をmTPDへ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
比較例6
実施例23において、化合物(A)をmTPDへ変更した他は、同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例26
25mm×75mm×厚さ0.7mmのITO透明電極付きガラス基板について、イソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行った後、UVオゾン洗浄を30分間行った。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず、下部電極である透明電極ラインが形成されている側の面上に、前記透明電極を覆うようにして、前記化合物Aを抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜(p層:膜厚5nm)した。続けて、この膜上に、化合物Aを0.1Å/s、化合物(N1)(C60)を0.2Å/sで共蒸着し、i層(混合比p:n=1:2、膜厚15nm)を形成した。この上に化合物(N1)(C60)を抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜(n層:膜厚45nm)し、その上に下記のバソクプロイン(BCP)を抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜(バッファー層:膜厚10nm)した。最後に、連続して対向電極として金属Alを膜厚80nmで蒸着させ、有機太陽電池を形成した。面積は0.5cmであった。
得られた有機太陽電池の性能を表3に示す。
実施例27
i層におけるp化合物とn化合物の混合比をp:n=1:1(成膜速度はそれぞれ0.2Å/s、0.2Å/s)とした以外は実施例24と同様にして有機太陽電池を作製した。得られた有機太陽電池の性能を表3に示す。
実施例28
i層におけるp化合物とn化合物の混合比をp:n=2:1(成膜速度はそれぞれ0.2Å/s、0.1Å/s)とした以外は実施例24と同様にして有機太陽電池を作製した。得られた有機太陽電池の性能を表3に示す。
Figure 2009177125
Figure 2009177125
Figure 2009177125
表1〜3からわかるように、本発明では比較例に比べ、開放端電圧、短絡電流値及び光電変換率が共に大きく向上しており、優れた太陽電池特性を示すことが明らかになった。
本発明の光電変換素子用材料は、光導電セルや撮像管等の光検出器や、フォトダイオード、太陽電池等の光起電力素子である、光電変換素子に好適に使用できる。特に、有機太陽電池に好適である。
本発明の光電変換素子は、時計、携帯電話、モバイルパソコン、光学センサーシステム、撮像素子として光検出器を利用した撮像装置(例えば、デジタルカメラやデジタルビデオ等)等に使用できる。

Claims (13)

  1. 下記式(1)で表されることを特徴とする光電変換素子用材料。
    Figure 2009177125
    [(式中、R〜R10はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルコキシ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基である。R〜R、R〜Rはそれぞれ、互いに結合して環を形成してよい。R〜R10のうち少なくとも一つは、下記式(2)で表されるアミノ基である。)
    Figure 2009177125
    (Ar及びArはそれぞれ独立にC〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。)]
  2. 下記式(3)で表されることを特徴とする光電変換素子用材料。
    Figure 2009177125
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。
    Ar及びArはそれぞれ独立に、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。)
  3. 下記式(4)で表されることを特徴とする光電変換素子用材料。
    Figure 2009177125
    (式中、R〜R、R、R10はそれぞれ独立に、水素、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。
    Ar及びArはそれぞれ独立に、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。)
  4. 下記式(5)で表されることを特徴とする光電変換素子用材料。
    Figure 2009177125
    (式中、R〜R、R〜Rはそれぞれ独立に、水素、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。
    Ar〜Arはそれぞれ独立に、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基であり、互いに結合して環を形成してもよい。)
  5. 前記Rが下記式(6)で表される芳香環であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換素子用材料。
    Figure 2009177125
    (式中、R11〜R15はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基である。R11〜R15はそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
  6. 前記式(6)のR11〜R15のうち、少なくともひとつが下記式(7)で表される置換基であることを特徴とする請求項5に記載の光電変換素子用材料。
    Figure 2009177125
    (式中、R16〜R20、Q及びQはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、シアノ、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルコキシ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基である。R16〜R20はそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
  7. 前記Rが下記式(8)で表される複素芳香環であることを特徴とする請求項2又は3に記載の光電変換素子用材料。
    Figure 2009177125
    (式中、Xは酸素、硫黄又はセレンであり、R21〜R23はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基である。R21〜R23はそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。nは1〜6の整数である。
  8. 前記R及びR10の少なくとも1つが下記式(6)で表される芳香環であることを特徴とする請求項3に記載の光電変換素子用材料。
    Figure 2009177125
    (式中、R11〜R15はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基である。R11〜R15はそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
  9. Ar〜Arのうち、少なくとも1つが下記式(6)で表される芳香環であることを特徴とする請求項4に記載の光電変換素子用材料。
    Figure 2009177125
    (式中、R11〜R15はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C〜C40の置換もしくは無置換のアルキル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアルケニル基、C〜C40の置換もしくは無置換のアリール基、C〜C40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基である。R11〜R15はそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
  10. 有機太陽電池用材料であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の光電変換素子用材料。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光電変換素子用材料のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする光電変換素子。
  12. 1又は2以上の層が、請求項10に記載の光電変換素子用材料を含むことを特徴とする有機太陽電池。
  13. 請求項11に記載の光電変換素子又は請求項12に記載の有機太陽電池を有することを特徴とする装置。
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