JP5243488B2 - ドアヒンジ - Google Patents

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Description

本発明はドア及びドア枠の一方に取り付けられてドア及びドア枠の他方に設けられたピボット孔に嵌合されるピボット軸を備えるドアヒンジに関する。
この種のドアヒンジでは、ドアのドア枠への取付作業を容易且つ安全に行うことができるようにするために、ドアの上端部に取り付けられたドアヒンジのピボット軸を一旦ドア内に引き込んでおき、ピボット軸とドア枠に設けられたピボット孔との位置を整合させた後に、バネの付勢力を利用してピボット軸を突出させてピボット孔に挿入するようにしたものがある(特許文献1及び2参照)。
実公平6−10066号 特開2007−146362号
上記のようなドアヒンジにおいては、ピボット軸を受け入れるピボット孔の直径が、ピボット軸の直径と略同じとされ、ドアの回動の際にガタツキが生じないようにしている。このため、ピボット軸とピボット孔との整合が正確でないと、バネの付勢力によって突出されたピボット軸がピボット孔の縁に係合して該ピボット孔内に適正に挿入されないことが生じうる。この場合、突出したピボット軸はピボット孔の設けられているドア上部枠に係合されることになるために、作業者がピボット軸の不完全な装着をすぐには気づかない場合があり、このため、その後で、ドアが倒れて作業者が怪我をしたりする虞がある。
本発明はこのような点に鑑み、ピボット軸を確実且つ適正にピボット孔内に挿入できるようにするドアヒンジを提供することを目的とする。
本発明に係るドアヒンジは、ドア(以下に述べる実施形態においては参照符号Dで示す)及びドア枠(F)の一方に固定されるフレーム(66)と、
該フレーム(66)に取り付けられて、ドア及びドア枠の他方に設けられるピボット孔(40a)内に同軸状に嵌合するための突出位置(図1)と、該突出位置から該フレーム(40a)に向けて軸線方向で引き込められた引き込み位置(図2)との間で変位可能なピボット軸(20)であって、筒状の大径軸部(20a)と、該大径軸部内に当該大径軸部の軸線方向で変位可能に設定された小径軸部(20b)とからなるピボット軸(20)と、
該フレーム(66)に第1枢軸線(70x)のまわりで回動可能に取り付けられた第1基端(70a)と該大径軸部に連接された第1連接端(70b)とを有し、該大径軸部(20a)を該突出位置にする第1作動位置(図1)と、該大径軸部を該引き込み位置にする第1待機位置(図2)との間で回動可能とされた第1レバー部材(70)と、
該第1レバー部材(70)を該第1基端(70a)の周りで該第1待機位置(図2)から該第1作動位置(図1)に付勢する第1バネ部材(72)と、
該フレーム(66)に第2枢軸線(74x)の周りで回動可能に取り付けられた第2基端(74a)と該小径軸部(20b)に連接された第2連接端(74b)とを有し、該小径軸部(20b)を該突出位置にする第2作動位置(図1)と、該小径軸部(20b)を該引き込み位置にする第2待機位置(図2)との間で回動可能とされた第2レバー部材(74)と、
該第2レバー部材を該第2基端の周りで該第2待機位置(図2)から該第2作動位置(図1)に付勢する第2バネ部材(76)と、
該第1及び第2レバー部材(70,74)に係合して、該第1及び第2バネ部材(72,76)の付勢力に抗して、該第1及び第2レバー部材(70,74)をそれぞれ第1及び第2待機位置に保持する保持位置と、該第1及び第2レバー部材(70,74)を係合解除して、該第1及び第2レバー部材(70,74)がそれぞれ、第1及び第2作動位置に回動するのを許容する解放位置との間で変位可能な操作部材(78)とを有する駆動装置と
を有するドアヒンジを提供する。
このドアヒンジでは、ピボット軸(20)が大径軸部(20a)と小径軸部(20b)とから構成され、これら大径軸部(20a)と小径軸部(20b)とがそれぞれ別々にピボット孔(40a)に嵌合されるようになされているので、ピボット軸(20)とピボット孔(40a)との軸線方向での整合が完全でなく、大径軸部(20a)のピボット孔(40a)内への嵌合が適正でない場合でも、小径軸部(20b)がピボット孔(40a)内に嵌合するのが可能とすることができる。ピボット孔(40a)への小径軸部(20b)だけの嵌合がなされている場合には、ドアが倒れることはなく、また、ドアを回動した場合にその動きにガタツキが生じるために、ピボット軸のピボット孔への嵌合が適正でないことが分かり、その時点でドアの位置を調整することで、大径軸部(20a)がピボット孔(40a)内に嵌合するようにすることができる。
具体的には、該操作部材(78)が、該第1及び第2レバー部材(70,74)の間の位置で、該フレーム(66)に第3枢軸線(78x)の周りで回動可能に取り付けられ、該操作部材(78)が、該保持位置にあるときに、それぞれ、該第1及び第2レバー部材(70,74)に係合して、該第1及び第2レバー部材(70,74)をそれぞれ該第1及び第2待機位置に保持する第1及び第2係合部(78e,78f)を有し、該操作部材(78)を該保持位置から該解放位置に向けて回動したときに、該第1及び第2係合部(78e,78f)がそれぞれ該第1及び第2レバー部材(70,74)から係合解除される構成とすることができる。
操作部材を第1及び第2レバー部材間でこのような配置することにより、第1及び第2レバーの操作及び当該駆動装置の構造を簡単にすることが可能となる。
より具体的には、該第1及び第2レバー部材(70,74)間に設けられた連接リンク(82)を有し、該第1及び第2レバー部材(70,74)の一方を、その作動位置から待機位置に向けて戻すように回動されたときに、該連接リンク(2)が該第1及び第2レバー部材(70,74)の他方を、その作動位置から待機位置に戻すように回動するようになされており、該操作部材(78)が該待機位置に戻された第1及び第2レバー部材(70,74)に対して該保持位置となるように構成することができる。
第1及び第2レバー部材(70,74)の一方を作動位置から待機位置に戻すことにより、第1及び第2レバー部材(70,74)及び操作部材(78)を、ピボット軸(20)が引き込み位置に保持された当初の状態に戻るようにするものである。
より具体的には、該解放位置とされた該操作部材(78)を、該保持位置に向けて付勢する第3バネ部材(78h)を有し、該第1及び第2レバー部材(70,74)がそれぞれ、該作動位置から該待機位置に向けて回動されるときに、該第1及び第2レバー部材の少なくとも該一方が該操作部材(78)に係合して該操作部材(78)を該第3バネの付勢力(78h)に抗して該解放位置に向けて回動しながら該第1及び第2レバー部材が該待機位置に向けて回動され、該第1及び第2レバー部材(70,74)が該待機位置に戻されることに伴って、該操作部材が該保持位置となるようにすることができる。
第3バネ部材によって、操作部材の保持位置での、第1及び第2レバー部材とのガタツキのない係合をはかるものである。
本発明に係るドアヒンジの具体的な構成としては、該ピボット軸(20)の該突出位置から該引き込み位置に向かう方向に沿って順に、該第2枢軸線(74x)、該第3枢軸線(78x)及び該第1枢軸線(70x)が相互に間隔をあけて該引き込み位置に向かう方向とは直角をなす方向に延び、相互に平行になるように設定され、
該第1レバー部材は、該第1枢軸線(70x)方向で相互に間隔をあけて、相互に並行にして一対設けられ、
該第2レバー部材は、該第2枢軸線(74x)方向で相互に間隔をあけて、相互に並行にして一対設けられ、
該大径軸部(20a)は、その直径方向で該大径軸部(20a)から相互に反対方向に突出し、該第1レバー部材(70)に連接される一対の連接ピン(20e)と、該一対の連接ピン(20e)から該突出位置方向に離れた位置から該大径軸部(20a)の軸線方向で延びる一対のスロット(20d)とを有し、
該大径軸部(20a)内に設定された該小径軸部(20b)は該小径軸部(20b)からその直径方向で相互に反対方向に突出し該大径軸部(20a)の該一対のスロット(20d)を通して外側に延びそれぞれ対応する該第2レバー部材(74)に連接される一対の連接ピン(20c)を有し、
当該ドアヒンジ(10)が更に、該大径軸部(20a)の外側に設定され、一端が、該小径軸部(20b)から突出する該一対の連接ピン(20c)に連接され、他端が第1レバー部材(70)と摺動可能に係合する連接リンク(82)を有し、
該第2レバー部材(74)を、その作動位置から待機位置に向けて戻すように回動されるときに、該連接リンク(82)が押し下げられて該第1レバー部材(70)をその作動位置から待機位置に戻すようにすることができる。
この場合、該操作部材(78)を該保持位置から該解放位置に向けて回動するときに、先ず、該操作部材(78)が第2レバー部材(74)との係合解除がなされ、次に第1レバー部材(70)との係合解除がなされるようにすることが好ましい。第1レバー部材(70)が第2レバー部材(74)よりも早く係合解除されると、第1レバー(70)は連接リンク(82)を介して第2レバー部材(74)に作用し、該第2レバー部材(74)の操作部材(78)からの係合解除を妨げるようになるのを回避するためである。
以下、添付図面に基づき本発明に係るドアヒンジの実施形態につき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るドアヒンジの使用例を示す正面図であり、ドアに装着したドアヒンジのピボット軸がドア上部枠に設けたピボット孔内に挿入された状態を示している。 図2は図1と同様の図であり、ドアヒンジのピボット軸をドア上部枠に設けたピボット孔内に挿入する前の状態を示す。 図3は図2の状態にあるピボットピンの斜視図であり、分かりやすくするために一部を想像線で示し、また、一部を省略して示してある。 図4は、上記ドアヒンジにおけるピボット軸の分解斜視図である。 図5は、図4のピボット軸を斜視図で示し、突出位置とされた場合の小径軸部を想像線で示してある。 図6は、図2の状態にあるドアピボットにおけるピボット軸を駆動するための駆動装置の第1及び第2レバー部材及び操作部材を示しており、第1及び第2レバー部材が待機位置、操作部材が保持位置にある状態を示している。 図7は、図6に示した駆動装置の操作部材の平面視である。 図8は、図6と同様の図であるが、操作部材に付勢力を与える第3バネ部材の設定状態を示す図である。 図9は、図6の状態にあった操作部材を時計方向に回動して、操作部材と第2レバー部材との係合が解除されて、第2レバー部材が作動位置に回動した状態を示している。 図10は、操作部材が図9の状態よりも更に回動されて、操作部材と第1レバー部材との係合も解除されて、第2レバー部材も作動位置に回動された状態を示している。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係るドアヒンジ10はピボット軸20を有しており、ドアDに取り付けられて、ピボット軸20を、細長いプレート部材50によってドア上部枠Fに取り付けられている筒状のピボット受け40のピボット孔40aに嵌合するようにされている。但し、これは、本発明に係るドアヒンジ10の一使用例であり、ドアヒンジ10をドア上部枠Fに取り付け、ピボット受け40をドアDに取り付けて使用することもできる。
ピボット軸20は、以下に述べるように、ピボット孔40aの内径と略同じ直径とされて該ピボット孔40a内に嵌合される大径軸部20aと、該大径軸部20aよりも小径とされた小径軸部20bとからなり、全体として、ピボット孔40aに嵌合した突出位置(図1)と、該突出位置から下方に引き込められた引き込み位置(図2)との間で変位可能とされている。
ドアヒンジ10は、図1及び図2に示すように、当該ドアヒンジ10をドアDに固定するための細長いプレート部材60と、該プレート部材60に固定され、ピボット軸20を摺動可能に収納する短い筒状のガイド部材62と、該プレート部材60の下面にネジ留めされて下方に延び、ピボット軸20を突出位置と引き込み位置との間で駆動する駆動装置80を支持する一対の支持脚部材64(図3)とからなるフレーム66を有する。
ピボット軸20の大径軸部20aは当該ピボット軸20の軸線方向で延びる筒状とされ、小径軸部20bはこの大径軸部20a内に軸線方向で摺動可能に収納されている。小径軸部20bには、図4に示すように、その下端近くに連接ピン20cが該小径軸部の直径方向で貫通するように設けられている。大径軸部20aは、図4及び図5に示すように、小径軸部20bの連接ピン20cを外側に通すためのスロット20dが、該大径軸部の直径方向で対向する位置に、該大径軸部20aの軸線方向に沿って設けられている。また、大径軸部20aには、その下端近くに連接ピン20eが、該小径軸部の直径方向で貫通するように設けられている。大径軸部20a及び小径軸部20bは、以下に述べる駆動装置80によって、ガイド部材62(図1、図2)に沿って上下方向で駆動されるようになっている。
駆動装置80は、一対の支持脚部材64を水平に通る第1枢軸線70x(図1、図2)のまわりで回動可能に取り付けられた第1基端70aと大径軸部20aの連接ピン20eの端部に連接された第1連接端70bとを有し、大径軸部20aを突出位置にする第1作動位置(図1)と、大径軸部20aを引き込み位置にする第1待機位置(図2)との間で回動可能とされた一対の第1レバー部材70(図3)と、該一対の第1レバー部材70を、それぞれ、第1基端70aの周りで第1待機位置(図2)から第1作動位置(図1)に向けて付勢する一対の第1バネ部材72と、一対の支持脚部材64を水平に通る第2枢軸線74xの周りで回動可能に取り付けられた第2基端74aと、小径軸部20bの連接ピン20cの端部に連接された第2連接端74bとを有し、小径軸部20bを突出位置(図1)にする第2作動位置と、小径軸部20bを引き込み位置(図2)にする第2待機位置との間で回動可能とされた一対の第2レバー部材74(図3)と、該第2レバー部材74を、それぞれ、第2基端74aの周りで第2待機位置(図2)から第2作動位置(図1)に付勢する一対の第2バネ部材76と、図6乃至図9に示すように、一対の持脚部材64を水平に通る第3枢軸線78xのまわりで回動可能に取り付けられ、第1及び第2レバー部材70,74に係合して、第1及び第2バネ部材72,76の付勢力に抗して、第1及び第2レバー部材70,74をそれぞれ第1及び第2待機位置(図2)に保持する保持位置と、第1及び第2レバー部材70,74から係合解除されて、第1及び第2レバー部材70,74がそれぞれ、第1及び第2作動位置(図1)に回動するのを許容する解放位置との間で回動可能な操作部材78とを有する。更に、駆動装置80は、図1乃至図3に示すように、平面視でU字状とされて大径軸部20aに沿って該大径軸部20aの軸線方向で延びる連接リンク82を有している。この連接リンク82は、中央部分82aの両側縁から大径軸部20aの両側に相互に並行に延びる一対の連接部82bが、それぞれ、その上端部分において連接ピン20cの端部に枢着され、下端部分において第1レバー70の第1連接端70bの上縁に摺動可能に係合しており、それにより、第2レバー部材74の下方の動きを第1レバー部材70に伝達することができるようにしている。
具体的には、第1レバー部材70は、該第1レバー部材70に固定され、第1枢軸線70xを中心軸線として両端が一対の支持脚部材64に回転可能に支持された第1シャフト70cを有している。第1バネ部材72は、第1シャフト70cの回りに巻かれた捻りバネとされており、その一端が第1レバー部材70に隣接した位置で、第1シャフト70cに平行に設定され、両端が一対の脚部材64に支持された第1保持ピン70dに係合され、他端が第1レバー部材70の下側縁70eに係合されている。また、図示の例では、第1レバー部材70は、該第1レバー部材70に隣接して第1シャフト70cに固定されたカム部材70fを有しており、該カム部材70fは、後述するように、操作部材78によって係合及び係合解除されることにより、第1レバー部材70がそれぞれ、第1待機位置(図2)及び第1作動位置(図1)になるようにされている。この実施形態においては、第1レバー部材70とカム部材70fとを別体のものとして用意されているが、これらは一体に形成することができる。第1レバー部材70の第1連接端70bにはL字状の開口70gが設けられており、該開口70g内に大径軸部20aの連接ピン20eが嵌合されて連接されている。
第2レバー部材74は、該第2レバー部材74に固定され、第2枢軸線74xを中心軸線として両端が一対の脚部材64に回転可能に支持された第2シャフト74cを有している。第2バネ部材76は、第2シャフト74cの回りに巻かれた捻りバネとされており、その一端が第2レバー部材74に隣接した位置で、第2シャフト74cに平行に設定され、両端が一対の脚部材64に支持された第2保持ピン74dに係合され、他端が第2レバー部材74の下側縁74eに係合されている。また、図示の例では、第2レバー部材74は、カム突起部(または係合部)74hを有しており、該カム突起部74fは、後述するように、操作部材78によって係合及び係合解除されることにより、第2レバー部材74がそれぞれ、第1待機位置(図2)及び第1作動位置(図1)になるようにされている。第2レバー部材74の第2連接端74bにはL字状の開口74gが設けられており、該開口74g内に小径軸部20bの連接ピン20cが嵌合されて連接されている。カム突起部74fは、第1レバー部材70の場合と同様に、第2レバー部材74と別体に用意して、該第2レバー部材74に隣接して固定したカム部材に形成することも可能である。
操作部材78は、該操作部材78に固定され、第3枢軸線78xを中心軸線として両端が一対の脚部材64に回転可能に支持された第3シャフト78cを有している。図7に示すように、該操作部材78は平面視でU字状にされており、相互に間隔をあけて第3シャフト78cに固定された一対の操作部分78dを有している。各操作部分78dは、図6乃至図9に示すように、その上下位置に配置されている第1及び第2レバー部材70,74と作用的に連接されている。すなわち、操作部分78dは、カム突起部(または係合部)78e、78fを有しており、これらカム突起部78e、78fは、第1及び第2レバー部材70,74が図6,図8に示す待機位置にあるときに、第1レバー部材70に第1シャフト70cを介して固定されているカム部材70fのカム突起部(または係合部)70hの係止突起面70i及び第2レバー部材74のカム突起部74hの係止突起面74iにそれぞれ係合して、第1及び第2シャフト70c、74cの周りでそれぞれ(図6で見て)時計方向に付勢されている第1及び第2レバー部材70,74を待機位置に保持する。第3シャフト78cの端面に形成されている+溝に図示しないスクリュードライバの先端を係合して、第3シャフト78cを時計方向に回転すると、操作部材78が時計方向に回転されて、先ず、カム突起部78fが第2レバー部材74のカム突起部74hの係止突起面74iから外れ、それに伴い、第2レバー部材74が第2バネ部材76によって時計方向に回動されて図1及び図9に示す作動位置となり、小径軸部20bが図1に示す突出位置となる。この状態では、第2レバー部材74の上縁に設けられた係止突起74jが第2保持ピン74dに係合して、第2レバー部材74が更に時計方向に回動するのを阻止している。第3シャフト78cが更に時計方向に回転されると、操作部材74のカム突起部78eがカム部材70fのカム突起部70hの係止突起面70iから外れ、第1レバー部材70が第1バネ部材72によって時計方向に回動されて図2及び図10に示す作動位置となり、大径軸部20aが図1に示す突出位置となる。この状態では、カム部材70fのカム突起部70hが第1保持ピン70dに係合して、第1レバー部材70が更に時計方向に回動するのを阻止している。大径軸部20a及び小径軸部20bが突出位置となった状態で、スクリュードライバを第3シャフト78cから外すと、操作部材78は、第3シャフト78cの周りに回されて一端が該操作部材78の中央部78gに係合され、他端が第1保持ピン70dに係合された第3バネ部材78hによって時計方向に付勢されるが、カム突起部78eがカム部材70fの外周面に係合して図6に示す位置よりは僅かに時計方向に回動された位置に保持される。この状態において、第2シャフト74cの端面に設けられた+溝にスクリュードライバの先端を係合して反時計方向に回転すると、第2レバー部材74のカム突起部74hが操作部材78のカム突起部78fと係合して該操作部材78を時計方向に回動すると共に、連接リンク82を介して第1レバー部材70を反時計方向に回動する。これにより第2レバー部材74のカム突起部74hが操作部材78のカム突起部78fを乗り越えて反時計方向に動き、また、第1レバー部材70と一体に反時計方向に回動するカム部材70fのカム突起部70hが操作部材78のカム突起部78eを乗り越えて反時計方向に動き、それによって、操作部材78のカム突起部78e,78fがカム部材70fの係止突起面70i及び第2レバー部材74のカム突起部74hの係止突起面74iと係合するようになり、第1及び第2レバー部材70,74が図2,図6に示す待機位置に保持される状態となる。図1及び図6に示すように、本実施形態においては、上述のようにして第1及び第2レバー部材70,74が作動位置から待機位置に回動されたときには、第1レバー部材70と一体のカム部材70fに形成された係止突起70jが第1保持ピン70dと係合し,また、第2レバー部材74の第2基端74aが第2保持ピン74dによって係合され、第1及び第2レバー部材70,74が必要以上に回動されないようにされている。図1及び図2等から分かるように、図で見て手前側の支持脚部材64の左側縁下方部分には、凹部64aが設けられ、また、図で見て手前側の第1レバー部材70には確認穴70kが設けられ、第1レバー部材70が図1の作動位置になったときに、確認穴70kが凹部64aと一致する位置となり、作業者は、この確認穴70kを確認することにより大径軸部20aがピボット孔40a内に確実に嵌合されたことを確認することができるようになっている。尚、図示の実施形態において、操作部材78を保持位置から解放位置に回したときに、先ず、第2レバー部材74が解放され、次に第1レバー部材70が解放されるようにしているが、第1及び第2レバー部材が同時に解放されるようにすることもできる。
以上、本発明に係るドアヒンジの実施形態を説明したが、本発明に係るドアヒンジはこれに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、第1及び第2レバー部材の上下方向での間隔を大きくとれば、大径軸部を小径軸部より先に作動位置に向けて変位するようにすることも可能である。上述の実施形態ではカム部材70fを第1レバー部材70と別部材として示したが、第1レバー部材と一体にして第1レバーの一部として構成することも可能である。また、上述の実施形態では、下にある第1レバー部材70が大径軸部20aと連接され、上にある第2レバー部材74が小径軸部20bと連接されるようにしてあるが、例えば、小径軸部と大径軸部とを待機位置から同時に作動位置に変位するようにするようにした場合には、下にある第1レバー部材70を小径軸部20aに連接させ、上にある第2レバー部材74を大径軸部20bに連接させるようにすることも可能である。
ドアD;ドア上部枠F;ドアヒンジ10;ピボット軸20;大径軸部20a;小径軸部20b;連接ピン20c;スロット20d;連接ピン20e;ピボット受け40;ピボット孔40a;プレート部材50;プレート部材60;ガイド部材62;支持脚部材64;フレーム66;第1レバー部材70;第1基端70a;第1連接端70b;第1シャフト70c;第1保持ピン70d;下側縁70e;カム部材70f;開口70g;カム突起部(または係合部)70h;係止突起面70i;係止突起70j;第1枢軸線70x;第1バネ部材72;第2レバー部材74;第2基端74a;第2連接端74b;第2シャフト74c;第2保持ピン74d;下側縁74e;カム突起部(または係合部)74f;開口74g;カム突起部74h;係止突起面74i;第2枢軸線74x;第2バネ部材76;操作部材78;第3シャフト78c;操作部分78d;カム突起部(または係合部)78e、78f;中央部78g;第3バネ78h;第3枢軸線78x;駆動装置80;連接リンク82

Claims (6)

  1. ドア及びドア枠の一方に固定されるフレームと、
    該フレームに取り付けられて、ドア及びドア枠の他方に設けられるピボット孔内に同軸状に嵌合するための突出位置と、該突出位置から該フレームに向けて軸線方向で引き込められた引き込み位置との間で変位可能なピボット軸であって、筒状の大径軸部と、該大径軸部内に当該大径軸部の軸線方向で変位可能に設定された小径軸部とからなるピボット軸と、
    該フレームに第1枢軸線のまわりで回動可能に取り付けられた第1基端と該大径軸部に連接された第1連接端とを有し、該大径軸部を該突出位置にする第1作動位置と、該大径軸部を該引き込み位置にする第1待機位置との間で回動可能とされた第1レバー部材と、
    該第1レバー部材を該第1基端の周りで該第1待機位置から該第1作動位置に付勢する第1バネ部材と、
    該フレームに第2枢軸線の周りで回動可能に取り付けられた第2基端と該小径軸部に連接された第2連接端とを有し、該小径軸部を該突出位置にする第2作動位置と、該小径軸部を該引き込み位置にする第2待機位置との間で回動可能とされた第2レバー部材と、
    該第2レバー部材を該第2基端の周りで該第2待機位置から該第2作動位置に付勢する第2バネ部材と、
    該第1及び第2レバー部材に係合して、該第1及び第2バネ部材の付勢力に抗して、該第1及び第2レバー部材をそれぞれ第1及び第2待機位置に保持する保持位置と、該第1及び第2レバー部材を係合解除して、該第1及び第2レバー部材がそれぞれ、第1及び第2作動位置に回動するのを許容する解放位置との間で変位可能な操作部材とを有する駆動装置と
    を有するドアヒンジ。
  2. 該操作部材が、該第1及び第2レバー部材の間の位置で、該フレームに第3枢軸線の周りで回動可能に取り付けられ、該操作部材が、該保持位置にあるときに、それぞれ、該第1及び第2レバー部材に係合して、該第1及び第2レバー部材をそれぞれ該第1及び第2待機位置に保持する第1及び第2係合部を有し、該操作部材を該保持位置から該解放位置に向けて回動したときに、該第1及び第2係合部がそれぞれ該第1及び第2レバー部材から係合解除されるようにされている請求項1に記載のドアヒンジ。
  3. 該第1及び第2レバー部材間に設けられた連接リンクを有し、該第1及び第2レバー部材の一方を、その作動位置から待機位置に向けて戻すように回動されたときに、該連接リンクが該第1及び第2レバー部材の他方を、その作動位置から待機位置に戻すように回動するようになされており、該操作部材が該待機位置に戻された第1及び第2レバー部材に対して該保持位置となるようになされている請求項2に記載のドアヒンジ。
  4. 該解放位置とされた該操作部材を、該保持位置に向けて付勢する第3バネ部材を有し、該第1及び第2レバー部材がそれぞれ、該作動位置から該待機位置に向けて回動されるときに、該第1及び第2レバー部材の少なくとも該一方が該操作部材に係合して該操作部材を該第3バネの付勢力に抗して該解放位置に向けて回動しながら該第1及び第2レバー部材が該待機位置に向けて回動され、該第1及び第2レバー部材が該待機位置に戻されることに伴って、該操作部材が該保持位置となるようにした請求項3に記載のドアヒンジ。
  5. 該ピボット軸の該突出位置から該引き込み位置に向かう方向に沿って順に、該第2枢軸線、該第3枢軸線及び該第1枢軸線が相互に間隔をあけて該引き込み位置に向かう方向とは直角をなす方向に延び、相互に平行になるように設定され、
    該第1レバー部材は、該第1枢軸線方向で相互に間隔をあけて、相互に並行にして一対設けられ、
    該第2レバー部材は、該第2枢軸線方向で相互に間隔をあけて、相互に並行にして一対設けられ、
    該大径軸部は、その直径方向で該大径軸部から相互に反対方向に突出し、該第1レバー部材に連接される一対の連接ピンと、該一対の連接ピンから該突出位置方向に離れた位置から該大径軸部の軸線方向で延びる一対のスロットとを有し、
    該大径軸部内に設定された該小径軸部は該小径軸部からその直径方向で相互に反対方向に突出し該大径軸部の該一対のスロットを通して外側に延びそれぞれ対応する該該第2レバー部材に連接される一対の連接ピンを有し、
    該ドアヒンジが更に、該大径軸部の外側に設定され、一端が、該小径軸部から突出する一対の連接ピンに連接され、他端が第1レバー部材と摺動可能に係合する連接リンクを有し、
    該第2レバー部材方を、その作動位置から待機位置に向けて戻すように回動されるときに、該連接リンクが押し下げられて該第1レバー部材をその作動位置から待機位置に戻すようになされている請求項2に記載のドアヒンジ。
  6. 該操作部材を該保持位置から該解放位置に向けて回動するときに、先ず、第2レバー部材との係合解除がなされ、次に第1レバー部材との係合解除がなされるようにされている請求項5に記載のドアヒンジ。
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