JP5241542B2 - 未加硫ゴムシートの製造装置及び未加硫ゴムシートの製造方法 - Google Patents

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本発明は、インスレーションカレンダーを用いて製造される未加硫ゴムシート(IL)の製造装置及び未加硫ゴムシートの製造方法に関する。
タイヤのインナーライナ形成などに使用される未加硫ゴムシートは、高温度の未加硫ゴムを、図5のようにカレンダー部aを通過させた後、クーリング部cにおいて冷却ドラムbを用いて冷却して形成され、その後ワインダ部dに巻取られるようになっている(例えば、特許文献1)。
そして、製造された未加硫ゴムシートに、例えばチェーファがアセンブルされた後、タイヤ成形に使用される。
かかる未加硫ゴムシート製造のパスライン中では、従来各部間で未加硫ゴムシートが弛むことがないよう、未加硫ゴムシートに張力が加わるように各部の未加硫ゴムシートの移動速度の速度比を設定する必要があるとされ、カレンダー部aに比べてワインダ部dの移動速度が速くなるように、例えば、カレンダー部:クーリング部:ワインダ部=100:101:103に設定されている。
しかしながら、このような速度比の下で製造された未加硫ゴムシートは、時間の経過と共にシュリンクし、製造したのちチェーファをアセンブルするまでの時間が短ければ、アセンブル後もシュリンクが起きる。図6は従来の未加硫ゴムシートの製造装置(インスレーションカレンダー)におけるワインダ部でサンプリングした未加硫ゴムシートのシュリンク量(%)(サンプル長さに対するシュリンクした長さの割合)の一例を示しており、図6に示した例ではシュリンク量は、約5%/h(3600sec)、約5.5%/3hとなる。なお、未加硫ゴムシートはブチルゴムA製のシートとタイガムB製のシートのダブリング品である。
そして、このように未加硫ゴムシートの製造後に5%程度のシュリンクが発生する場合には、チェーファをアセンブルした未加硫ゴムシートに、図7のようにチェーファS100に波打ち現象が発生する。即ち製造後の未加硫ゴムシートSのシュリンクが終わらないうちに、チェーファアセンブル装置で未加硫ゴムシートSにチェーファをアセンブルすると、アセンブル時から成形時までの間に未加硫ゴムシートSがシュリンク(例えば、アセンブル時の未加硫ゴムシート長:成形時の未加硫ゴムシート長=100:97)するのに対して、チェーファS100の長さは100のまま変化しないため、図7(a)のようにアセンブル時にはフラットであったチェーファS100は、成形時には図7(b)のように波打ち状態となり、「波打ち品」としてアウトプットされてしまい、未加硫ゴムシートのスクラップやタイヤ構成部材の成形段階での製造ロスが多く発生する、即ち未加硫ゴムシートジョイントアウト率(ILジョイントアウト率)が高いという問題がある。
上記の問題を解決するため、チェーファのアセンブル前にチェーファにプレテンションを加えたり、未加硫ゴムシートの養生時間を充分設ける等の対策が行われてきたが、多額の設備投資や養生スペース等を必要とするため、何れも適当な対策とは言えなかった。
そこで、本発明は、多額の設備投資や養生スペース等を必要とせずに製造段階で未加硫ゴムシートのシュリンクの発生を緩和してILジョイントアウト率を低減させた未加硫ゴムシートの製造装置及び製造方法を提供することを課題とする。
特開2008−137361号公報
本発明者は、上記の課題の解決に鑑み、製造後のシュリンクの緩和方法について検討した結果、従来、製造後にシュリンクすることが当然と考えられていたものを、未加硫ゴムシートの製造ラインの各部の速度比に工夫を加えて巻取り前に強制的にシュリンクさせることにより、製造後のシュリンクを緩和することが可能であり、「波打ち」の発生を低減すことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に係る未加硫ゴムシートの製造装置は、
高温度の未加硫ゴムをシート状に加工して未加硫ゴムシートを形成するカレンダー部と、前記未加硫ゴムシートを冷却ドラムを用いて冷却するクーリング部と、冷却された前記未加硫ゴムシートを巻取るワインダ部とを備え、
前記クーリング部は、前クーリング部と前クーリング部の下流に配置される後クーリング部とにより構成され、
前記前クーリング部の未加硫ゴムシートの移動速度は、前記カレンダー部の未加硫ゴムシートの移動速度とほぼ等しく、
前記後クーリング部の未加硫ゴムシートの移動速度は、前記カレンダー部の未加硫ゴムシートの移動速度よりも遅く、
前記ワインダ部の未加硫ゴムシートの移動速度は、前記カレンダー部の未加硫ゴムシートの移動速度よりも遅く、且つ前記後クーリングの未加硫ゴムシートの移動速度よりも速く移動するように構成されていることを特徴とする。
本発明の未加硫ゴムシートの製造方法は、
高温度の未加硫ゴムをシート状に加工して未加硫ゴムシートを形成するカレンダー工程と、前記未加硫ゴムシートを冷却ドラムを用いて冷却するクーリング工程と、冷却された前記未加硫ゴムシートを巻取る巻取り工程とを備え、
前記クーリング工程は、前クーリング工程と後クーリング工程とを備え、
前記前クーリング工程での未加硫ゴムシートの移動速度を、前記カレンダー工程での未加硫ゴムシートの移動速度とほぼ等しく、
前記後クーリング工程での未加硫ゴムシートの移動速度を、前記カレンダー工程での未加硫ゴムシートの移動速度よりも遅く、
前記巻取り工程での未加硫ゴムシートの移動速度を、前記カレンダー工程での未加硫ゴムシートの移動速度よりも遅く、且つ前記後クーリング工程での未加硫ゴムシートの移動速度よりも速く設定して未加硫ゴムシートを製造することを特徴とする。
本発明によれば、多額の設備投資や養生スペース等を必要とせずに製造後の未加硫ゴムシートのシュリンクの発生を緩和して、ILジョイントアウト率を低減させた未加硫ゴムシートの製造装置及び製造方法を提供できる。
本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムシートの製造装置の概要を示す正面図である。 本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムシートの製造装置の概要を示す斜視図である。 カレンダー部から採取した未加硫ゴムシートの経過時間とシュリンク量の関係の一例を示すグラフである。 本発明の一実施の形態における製造後の経過時間と未加硫ゴムシートのシュリンク量の関係の一例を示すグラフである。 従来の未加硫ゴムシートの製造装置の概要を示す正面図である。 従来の未加硫ゴムシートの製造における製造後の経過時間と未加硫ゴムシートのシュリンク量の関係の一例を示すグラフである。 チェーファの波打ち現象を模式的に示す図である。
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
1.製造工程中における未加硫ゴムシートのシュリンクの調査
最初に、図5に示した構成の従来の製造装置を用いて未加硫ゴムシートのシュリンクに対するゴムの要素と製造ラインの要素の影響を調査した結果を説明する。調査は、カレンダー部から採取した未加硫ゴムシートのシュリンク量を測定し、前記図6に示したワインダ部から採取した未加硫ゴムシートのシュリンク量の測定結果と比較することにより行った。
(1)カレンダー部から採取した未加硫ゴムシートのシュリンク量の測定
カレンダー部を通過した直後のブチルゴムAとタイガムBの2種類のゴムからなる未加硫ゴムシートを採取し、シュリンク量を測定した。測定結果を図3に示す。
(2)測定結果と考察
図3より、カレンダー部から採取した未加硫ゴムシートのシュリンク量は、ブチルゴムAについては約1.5%/3h、タイガムBについては約3.5%/3hであることが分かる。また、ワインダ部から採取した未加硫ゴムシートのシュリンク量は前記した通り約5.5%/3hである。図3と図6に示した測定結果から、ワインダ部から採取した製造後の未加硫ゴムシートのシュリンクにはゴムの要素と製造ラインの要素、具体的にはゴムの性質とインストレーションカレンダーにおける各部の速度比の影響が合わさったものであり、製造ラインを工夫すれば、シュリンクを低減できることが分かった。そして、この調査結果を基に、未加硫ゴムシートの製造装置に改良を加えることによりシュリンクの低減を図った。以下具体的に説明する。
2.本実施の形態に係る未加硫ゴムシートの製造装置の説明
(1)未加硫ゴムシートの製造装置の構成
最初に図面を用いて本実施の形態に係る未加硫ゴムシートの製造装置について説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムシートの製造装置の概要を示す正面図、図2は本発明の一実施の形態に係る未加硫ゴムシートの製造装置の概要を示す斜視図である。
本装置は、カレンダー部1と、クーリング部2と、冷却された未加硫ゴムシートSを巻取るワインダ部3と、これらを制御する図外の制御部を備え、各部の駆動手段(電動機)は前記制御部で制御される。
カレンダー部1は、高温度の未加硫ゴムを圧延して未加硫ゴムシートSを形成するものであって、それぞれが一対のカレンダーロール11を有する第一及び第二のカレンダー装置12、13を備え、A配合の未加硫ゴムを第一カレンダー装置12で圧延して第一未加硫ゴムシートS1を形成し、B配合の未加硫ゴムを第二カレンダー装置13で圧延して第二未加硫ゴムシートS2を形成する。
クーリング部2は、前クーリング部21と前クーリング部21の下流に配置される後クーリング部22とを有する。
前クーリング部21では第一及び第二の未加硫ゴムシートS1、S2を重ね合わせると共に冷却する。前クーリング部21の冷却ドラム21aはプルロールとして用いられ、カレンダー装置12、13から第一及び第二の未加硫ゴムシートS1、S2を引き出して後クーリング部21に未加硫ゴムシートSを送り出す。前クーリング部21には未加硫ゴムシートSに対する保持力を確保するための保持ロール21bが冷却ドラム21aに付設されている。
後クーリング部22は冷却ドラム22a、22bを上下2列で配列して構成され、未加硫ゴムシートSを上列の冷却ドラム22aと下列の冷却ドラム22bとの間を折り返しながら移動させることにより、未加硫ゴムシートSの表裏両面を冷却ドラム22a、22bに交互に接触させて均一に冷却を行う。
本実施の形態における前クーリング部21と後クーリング部22は、従来のクーリング部cを前後に分けてそれぞれ別個に冷却ドラムの速度の調整ができるようになっている。
製造後の未加硫ゴムシートSにはチェーファがアセンブルされる。また、未加硫ゴムシートSはA配合の未加硫ゴムの第一未加硫ゴムシートS1とB配合の未加硫ゴムの第二未加硫ゴムシートS2のダブリング品である。
ワインダ部3は搬送コンベア31と巻取りロール32とで構成され、搬送コンベア31上を搬送される未加硫ゴムシートSを巻取りロール32で巻取る。
(2)各部における未加硫ゴムシートの移動速度
本装置では、製造中に未加硫ゴムシートSを強制的にシュリンクさせることができるように、カレンダー部1のカレンダー装置による第一及び第二の未加硫ゴムシートS1、S2の移動速度をワインダ部3による未加硫ゴムシートSの移動速度よりも速く設定している。具体的には、カレンダー部1のカレンダー装置12、13による未加硫ゴムシートSの移動速度を100として、以下のように各部の速度比が設定されている。
イ.前クーリング部の未加硫ゴムシートの移動速度
前クーリング部21の冷却ドラム21aによる未加硫ゴムシートSの移動速度は、カレンダー部1のカレンダー装置12、13による未加硫ゴムシートS1、S2の移動速度とほぼ同じ速度である。
なお、ここでいう「ほぼ同じ速度」とは、両方の部における未加硫ゴムの移動速度が等しいかまたは、カレンダー部1と前クーリング部21の間で未加硫ゴムシートに緩みが生じて冷却ドラムに未加硫ゴムシートSが巻込まれることがなく、且つ未加硫ゴムが実質的に伸びるような大きな張力が加わらないように両方の部における未加硫ゴムシートSの移動速度が接近していることを指す。具体的には、カレンダー部1と前クーリング部21aにおける未加硫ゴムシートの移動速度の比が100:101のような場合を指す。なお、前記具体例で示したように、前クーリング部21aにおける未加硫ゴムシートの移動速度の方が僅かに速いことが好ましい。
ロ.後クーリング部の未加硫ゴムシートの移動速度
後クーリング部22の冷却ドラム22a、22bによる未加硫ゴムシートSの移動速度は、カレンダー部1の未加硫ゴムシートS1、S2の移動速度より遅い。具体的には、例えばカレンダー部1と後クーリング部22における未加硫ゴムシートの移動速度の比が100:97である。
前記したように、前クーリング部21における未加硫ゴムシートの移動速度をカレンダー部1における移動速度とほぼ等しくし、且つ後クーリング部22における未加硫ゴムシートの移動速度をカレンダー部1の移動速度に比べて遅くすることによって、前クーリング部21と後クーリング部22との間の未加硫ゴムシートSに弛みを発生させるようにしている。これにより未加硫ゴムシートSを前後のクーリング部21、22間で冷却しながら強制的にシュリンクさせることができる。
ハ.ワインダ部の未加硫ゴムシートの移動速度
ワインダ部3の未加硫ゴムシートSの移動速度は、カレンダー部1の未加硫ゴムシートS1、S2の移動速度より遅く、且つ後クーリング部22の未加硫ゴムシートSの移動速度より速い。具体的には、カレンダー部1と後クーリング部22とワインダ部3の未加硫ゴムシートの移動速度の比は、例えば100:97:98.5である。
前記のように、ワインダ部3の未加硫ゴムシートSの移動速度は、カレンダー部1の未加硫ゴムシートS1、S2の移動速度より遅いため、未加硫ゴムシートを強制的にシュリンクさせることを妨げることがない。また、ワインダ部3の未加硫ゴムシートSの移動速度は、後クーリング部の未加硫ゴムシートSの移動速度より速いため、ワインダ部3の巻取りロールの手前で未加硫ゴムシートに緩みが生じてシワが発生するのを防ぐことができる。
このように、本実施の形態では、各部の速度比が例えば、カレンダー部:前クーリング部:後クーリング部:ワインダ部=100:101:97:98.5であるため、未加硫ゴムシートを巻取る前に強制的にシュリンクさせると共に、支障なく巻取ることができる。
3.本実施の形態の装置を用いた未加硫ゴムシートSの製造方法の説明
(1)カレンダー工程
本工程では、予め熱入れされ、且つ混練されて可塑化された未加硫ゴムが高温度状態で、例えば図外の搬入コンベア等から第一及び第二のカレンダー装置12、13に投入される。第一及び第二のカレンダー装置12、13に投入された未加硫ゴムを圧延して第一及び第二の未加硫ゴムシートS1、S2を形成する。
(2)前クーリング工程
本工程では、第一及び第二の未加硫ゴムシートS1、S2を重ね合わせると共に冷却しながら未加硫ゴムシートSを後クーリング部2に移動させる。また、前クーリング部21による未加硫ゴムシートSの移動速度を、例えばカレンダー部1による未加硫ゴムシートSの移動速度よりも僅かに速くすることにより、未加硫ゴムシートSを僅かな力で引っ張りながら移動させる。
(3)後クーリング工程
本工程では、後クーリング部22の冷却ドラムによる未加硫ゴムシートSの移動速度を、前クーリング部21の冷却ドラムによる未加硫ゴムシートSの移動速度よりも遅くすることにより、前クーリング部21と後クーリング部22との間の未加硫ゴムシートSに弛みを発生させる。
(4)巻取り工程
冷却された未加硫ゴムシートSを巻取る。また、ワインダ部3の未加硫ゴムシートの移動速度を、後クーリング部22による未加硫ゴムシートSの移動速度よりも僅かに速くすることにより、未加硫ゴムシートSを僅かな力で引っ張りながら巻取る。
その後は、図外のチェーファアセンブル装置において、未加硫ゴムシートSにチェーファを圧着ローラにより圧着する。
以上のように、本実施の形態に係る未加硫ゴムシートSの製造装置及び製造方法においては、
(イ)速度比を制御して巻取り前に強制的にシュリンクを発生させることにより、製造後の未加硫ゴムシートSのシュリンクが緩和されてILジョイントアウト率が低減することができる。またチェーファのアセンブル精度を向上させることができる。
(ロ)また、ILジョイントアウト率が低減できるため、未加硫ゴムシートSのリジェクト率を低減することができる。
(ハ)本実施の形態では、従来1つであったクーリング部を前クーリング部2と後クーリング部2に分け、各クーリング部における未加硫ゴムシートの移動速度をそれぞれ別個に調整する構成を採用しているため、従来設備に簡易な改良を加えるだけであり、多額の設備投資や養生スペース等を必要としない。
4.各部における未加硫ゴムシートの移動速度の検討の実験例
次に各部における未加硫ゴムシートの移動速度の速度比について検討した実験の一例を以下に示す。
(1)実験方法
図1に示した構成のインスレーションカレンダーを用いて未加硫ゴムシートの製造を行った。表1に実験におけるカレンダー部1の未加硫ゴムシートの移動速度を100とした時の各部の移動速度を示す。なお、実験で使用した未加硫ゴムS1、S2の厚さは、それぞれ0.90mm、0.55mmであり、作製した未加硫ゴムシートSの厚さは、1.45mmである。
Figure 0005241542
(2)実験結果と考察
製造後のシュリンク量(%)(シュリンクの比率)
製造後の未加硫ゴムシートのシュリンク量(%)(シュリンクの比率)の測定結果を図4に示す。未加硫ゴムシートの移動速度が従来の標準の下では図6に示したように、約5%/hであったが、図4より本実験例では約3%/hに減少したことが分かる。このようにシュリンク量(%)を低減できたのは、各部の未加硫ゴムシートの移動速度の比を改良することにより未加硫ゴムシートの製造装置(インスレーションカレンダー)の影響をほぼ解消できたためと考えられる。
(1)実施方法
前記の実験結果を踏まえ、後クーリング部とワインダ部の移動速度の差を広げることにより後クーリング部とワインダ部間におけるしわの発生を抑制できることを確認した。この結果に基づき各部の未加硫ゴムシートの速度比を以下のように設定し、図1に示した構成のインストレーションラインを用いて厚さ1.45mmの未加硫ゴムシートの製造し、製造した未加硫ゴムに養生時間を設けることなくチェーファをアセンブルし、6台の自動成形機にてILジョイントアウト率を調べ、改良前、即ちクーリング部を前クーリング部と後クーリングに分ける前のILジョイントアウト率と比較した。なお、前クリーニング部と後クリーニング部における未加硫ゴムの長さの変化率は約1.5%、後クリーニング後の未加硫ゴムシートの温度は約40℃である。
各部の速度比
カレンダー部:前クーリング部:後クーリング部:ワインダ部=100:101:97:99.5
(2)結果と考察
製造後の未加硫ゴムシートのシュリンクの比率は約3%/hであった。表2に各自動成形機毎のILジョイントアウト率を改良前のILジョイントアウト率と併せて示す。
Figure 0005241542
表2から、改良によって自動成形機による未加硫ゴムシートの製造における各マシーン毎のILジョイントアウト率が約0.7〜1.4%低減されていることが分かる。このようにILジョイントアウト率が低減されたのは、製造後のシュリンクが緩和されたためである。
そして、このようにILジョイントアウト率が低減されることによって、未加硫ゴムシートのリジェクトが低減されると共に、リジェクト品の処理に要する費用等の経費が節減される。
1、a カレンダー部
11 カレンダーロール
12 第一カレンダー装置
13 第二カレンダー装置
2、c クーリング部
21 前クーリング部
21a、b 冷却ドラム
21b 保持ロール
22 後クーリング部
22a、22b 冷却ドラム
3、d ワインダ部
31 搬送コンベア
32 巻取りロール
S 未加硫ゴムシート
S1 第一未加硫ゴムシート
S2 第二未加硫ゴムシート

Claims (2)

  1. 高温度の未加硫ゴムをシート状に加工して未加硫ゴムシートを形成するカレンダー部と、前記未加硫ゴムシートを冷却ドラムを用いて冷却するクーリング部と、冷却された前記未加硫ゴムシートを巻取るワインダ部とを備え、
    前記クーリング部は、前クーリング部と前クーリング部の下流に配置される後クーリング部とにより構成され、
    前記前クーリング部の未加硫ゴムシートの移動速度は、前記カレンダー部の未加硫ゴムシートの移動速度とほぼ等しく、
    前記後クーリング部の未加硫ゴムシートの移動速度は、前記カレンダー部の未加硫ゴムシートの移動速度よりも遅く、
    前記ワインダ部の未加硫ゴムシートの移動速度は、前記カレンダー部の未加硫ゴムシートの移動速度よりも遅く、且つ前記後クーリングの未加硫ゴムシートの移動速度よりも速く移動するように構成されていることを特徴とする未加硫ゴムシートの製造装置。
  2. 高温度の未加硫ゴムをシート状に加工して未加硫ゴムシートを形成するカレンダー工程と、前記未加硫ゴムシートを冷却ドラムを用いて冷却するクーリング工程と、冷却された前記未加硫ゴムシートを巻取る巻取り工程とを備え、
    前記クーリング工程は、前クーリング工程と後クーリング工程とを備え、
    前記前クーリング工程での未加硫ゴムシートの移動速度を、前記カレンダー工程での未加硫ゴムシートの移動速度とほぼ等しく、
    前記後クーリング工程での未加硫ゴムシートの移動速度を、前記カレンダー工程での未加硫ゴムシートの移動速度よりも遅く、
    前記巻取り工程での未加硫ゴムシートの移動速度を、前記カレンダー工程での未加硫ゴムシートの移動速度よりも遅く、且つ前記後クーリング工程での未加硫ゴムシートの移動速度よりも速く設定して未加硫ゴムシートを製造することを特徴とする未加硫ゴムシートの製造方法。
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