JP5240971B2 - 高炭素鉄鋼レール部材及びその硬化処理方法 - Google Patents

高炭素鉄鋼レール部材及びその硬化処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、激しい衝撃力が繰り返し加えられる鉄鋼材料、例えば、鉄道線路で使用されるレール頭部等の高炭素鉄鋼部材に関し、特に、表面硬化処理を行うことで、表面損傷発生を抑制することができる表面硬化層を有する高炭素鉄鋼レール部材、及び表面に硬化層を形成するための硬化処理方法に関する。
従前においては、0.5〜1.0質量%の炭素を含有する高炭素鉄鋼材料で形成されたレール頭部を、加熱と冷却などの熱処理によって硬化処理をする方法として、圧縮空気による硬化熱処理方法が存在した。
この硬化処理方法は、図9に示すように、案内レール104上に配置されている駆動装置付台車103の上にレール1を乗せ、レール1を乗せた駆動装置付台車103を前進させることにより、レール1がレール頭部加熱部101とその先方に配置されたレール頭部冷却部102の下方を通過し、通過に際して加熱及び冷却が行われるようにするものである。
すなわち、レール頭部加熱部101に導かれたレール1の頭部は、レール頭部加熱部101を通過中に約1000℃まで加熱され、引き続き、加熱されたレール1の頭部はレール頭部冷却部102に導かれ圧縮空気による強制空冷が行われる。強制空冷による冷却は、水冷のように急冷することなく、レール頭部表面の温度が800℃から500℃の間では3〜5℃/秒の比較的ゆっくりとした冷却速度で行われる。これにより、レール1の頭部表面から内部にかけてパーライト組織が微細化され、所望の硬さとすることができる。
例えば、0.85質量%の炭素を含有している高炭素鉄鋼材料の表面は、ショア硬さで約HS55になる。その硬さはレール1の内部に向かって順次低減し、表面から深さ10mmの内部ではショア硬さで約HS48になる。
このような硬化熱処理方法によって形成された高炭素鉄鋼材料から成るレール1の硬さは、炭素の含有量が多くなるに従い硬くなり、例えば1.0質量%の炭素を含有している高炭素鉄鋼材料の表面硬さは、ショア硬さで約HS58になる。
しかしながら、上述した硬化熱処理による微細パーライト組織の硬さはショア硬さでHS58〜60が限界で、これ以上炭素含有量を増やすと、レールの金属組織中に鋳物のように炭素が析出して脆くなるので好ましくない。
また、硬化熱処理時の冷却速度を5℃/秒以上にするとより硬化するが、これは硬くて脆いマルテンサイト組織が微細パーライト組織内に生成する為で、この組織の発生はレール1の靱性を低下させるので好ましくない。
上記の他に、レール1の表面にアルミニウム(Al)やタングステン(W)等の炭化物を付着・浸透させることによる表面硬化方法があるが、これらの方法では表面層のみの硬化であるので、表面摩耗等には効果はあるが、激しい衝撃力を繰り返し受ける箇所に適用しても効果はなかった。
すなわち、激しい衝撃力を繰り返し受ける箇所には、表面が硬く、かつ、内部も表面と同等の高い硬さが必要となる。
上述の硬化熱処理を行って硬化したレール1を、例えば、鉄道線路で使用される図10の固定型クロッシング105のウイングレール107に使用した場合、欠線部分108を列車車輪109が渡る際に、列車車輪109がウイングレール乗り移り部110に衝撃を加えるため、この部分に凹みやキレツが発生するという問題があった。
同様の凹みやキレツは、列車車輪109が図10の矢印の反対側から進行した時にノーズレール乗り移り部111にも発生するという問題もあった。
このため、列車車輪109が高速で固定型クロッシング105の欠線部分108を乗り移った際に生じる激しい衝撃によっても、凹みやキレツが生じないウイングレール107やノーズレール106の開発が望まれていた。
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、高炭素鉄鋼材料に対して、硬化熱処理により生成した微細パーライト金属組織をさらに超微細化することにより、ショア硬さで最大HS80まで硬化させた超硬化層を形成することができる高炭素鉄鋼レール部材、及びその硬化処理方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため本発明の高炭素鉄鋼レール部材(請求項1)は、硬化熱処理された0.5〜1.0質量%の炭素を含有する高炭素鉄鋼レール部材に対して、その表面を機械的手段で叩いて表面から1mm以上の深い範囲を塑性変形させることで硬化させた後に、塑性変形により生じた凸部を切削した平坦なショア硬さHS55〜80の超硬化層を表面に形成して成ることを特徴としている。
また、本発明方法(請求項2)は、高炭素鉄鋼レール部材の表面に対しての硬化処理方法であって、次の工程を含むことを特徴としている。
硬化熱処理工程。この工程は、0.5〜1.0質量%の炭素を含有する高炭素鉄鋼レール部材の表面に対して熱処理を施すことでパーライト組織を微細化して表面硬さをショア硬さHS45〜60まで硬化させるものである。
硬化層形成工程。この工程は、前記硬化熱処理工程で硬化された高炭素鉄鋼レール部材の表面を機械的手段で叩くことにより塑性変形させ、表面から深さ1mm以上の範囲の微細パーライト金属組織をさらに微細化することによりショア硬さで更にHS10〜20硬化させた超硬化層を表面に形成するものである。
請求項3は、請求項2の高炭素鉄鋼レール部材の硬化処理方法において、前記硬化熱処理工程後で前記硬化層形成工程前に、硬化熱処理工程硬化された高炭素鉄鋼レール部材の表面を400℃でプレスして一定間隔で凹ませるプレス工程を有することを特徴としている。
請求項4は、請求項3の高炭素鉄鋼レール部材の硬化処理方法において、前記プレス工程後で硬化層形成工程前に、プレス工程で凹ませることにより塑性変形させた際に生じた凹凸の凸部を切削する切削工程を有することを特徴としている。
請求項5は、請求項2又は請求項3の高炭素鉄鋼レール部材の硬化処理方法において、硬化層形成工程の後に、硬化層形成工程における機械的手段で叩くことにより塑性変形させた際に生じた凹凸の凸部を切削する切削工程を有することを特徴としている。
本発明方法によれば、熱処理等で硬化されたパーライト組織を持つ高炭素鉄鋼材料の表面を
機械的方法で打撃を与えて塑性変形させ、より強固な硬化層を表面から内部にかけて形成させることにより、高炭素鉄鋼レール部材の表面に激しい衝撃力が繰り返し加えられても凹みとキレツの発生を抑制することができる。
したがって、本発明方法で作製した高炭素鉄鋼レール部材を固定クロッシングのウイングレールやノーズレールに使用した場合、それらのレールが列車車輪から激しい衝撃を受けても凹みやキレツの発生を抑制し、固定クロッシングの耐用寿命を延ばすことができる。
本発明に係る高炭素鉄鋼レール部材は、硬化熱処理された0.5〜1.0質量%の炭素を含有する高炭素鉄鋼材料に対して、その表面を機械的手段で叩いて塑性変形させることで、表面から深さ1mm以上の範囲の微細パーライト金属組織を微細化し、ショア硬さでHS55〜80に硬化させた超硬化層を表面に形成して構成される。機械的手段には、後述するように、表面に対して振動する特殊機械式電動ハンマーが使用される。
この高炭素鉄鋼レール部材は、既に高炭素鉄鋼材料の表面に対して熱処理が施されてパーライト組織を微細化して表面硬さをショア硬さHS45〜60まで硬化させた材料(硬化熱処理された材料)に対して、その表面を機械的手段で叩いて更にHS10〜20硬化させる硬化層形成工程のみを施す場合と、高炭素鉄鋼材料に対して硬化熱処理工程と硬化層形成工程とを一連の処理工程で行う場合とがある。
以下、硬化熱処理工程と硬化層形成工程とを一連の処理工程で行う高炭素鉄鋼レール部材の硬化処理方法の実施形態の一例について、図面を参照しながら説明する。
高炭素鉄鋼レール部材の硬化処理方法は、図1に示すように、レール1が搬送される方向に沿って、レール1の表面を加熱する加熱装置2、レール1の表面を空冷する空冷装置2−1、レール1の表面温度を測定する温度測定装置3、レール1の表面をプレス圧子6でプレスする特殊プレス5、レール表面を切削するための予備研削刃8を有する予備金属研削機7、レール1の頭部を冷却するレール頭部冷却装置9、ハンマー押さえ12で固定されてレール表面を叩くためのハンマー圧子11を有する特殊機械式電動ハンマー10、レール表面を切削する切削刃14を有する金属研削機13が設置されることで行われる。
レール1は、駆動装置(図示せず)が装着された台車15,15上に載置され、案内レール16上を台車15が前方に一定速度で移動することで搬送され、上述した加熱装置2、温度測定装置3、特殊プレス5の下を順次通過するようになっている。
レール1は、0.5〜1.0質量%の炭素を含有する高炭素鉄鋼材料から構成されている。加熱装置2は、レール1の頭部をバーナー火炎等で1000℃まで加熱することができる装置である。空冷装置2−1は、1000℃まで加熱されたレール1の頭部を冷却速度3〜5℃/秒(800〜500℃)で空冷することができる装置である。
温度測定装置3は、空冷装置2−1によるレール1の頭部の冷却温度を測定し、レール温度が400℃より高い場合や低い場合に空冷装置2−1に供給する空気圧や量を制御装置4により調整することにより、空冷装置2−1での冷却温度を一定(400℃)に保つように制御されている。すなわち、空冷装置2−1を通過したレール1の頭部は400℃となっている。
したがってレール1は、加熱装置2と冷却装置2−1を通過することで、その頭部表面に対して熱処理が施され、パーライト組織を微細化して表面硬さをショア硬さHS45〜60まで硬化させることができる(硬化熱処理工程)。
硬化熱処理により微細化したパーライト組織の延性は増加する。加熱温度と、硬さ・延性の関係は、図2に示すように、硬化熱処理により微細化したパーライト組織は300℃以上になると硬さの低下が始まる。硬さの低下程度は400℃ではショア硬さで約HS1、500℃では約HS2である。一方、延性は300℃以上からやや増加して400℃でピークになり、以後低下する。
このように硬さの低下が最小で、延性が増加する400℃においては、後述する硬化熱処理後に行われる特殊プレス5によりレール表面をプレスして凹ませ塑性変形させる際に、レール1のキレツ発生を防止することができる。
続いて、硬化熱処理されたレール1は、特殊プレスの下に導かれる。特殊プレスはその先端に昇降可能なプレス圧子6が装着されているので、400℃まで加熱されたレール1の表面をプレス圧子6で上方よりプレスすることによりレール1の表面に凹みを形成する(プレス工程)。
特殊プレス5によりレール1の表面に形成された凹み17は、図3に示すように、レール1の表面に、隣り合う凹み17間に生じる突起18の先端19が、プレス圧子6により潰れないように一定の間隔で形成されるようにする。
凹み17の深さは、レール1の凹み底面から3mm以上の部位が硬化するように決められる。また、プレス圧子6は、図4に示すように、先端は丸形状、その側面は円錐台形をしており、硬さはHS80程度のものを使用することで、レール1の表面に容易に凹みを作成することができるように構成されている。
特殊プレス5のプレス圧子6を使用してレールに対してプレス処理を行った場合、硬さが向上する深さの具体的な数値についての実験例を説明する。炭素含有量(0.6及び0.85の2種)と、硬さ(凹み成形前の表面のシェア硬さ(HS))の異なるレールを400℃に加熱してプレス処理を施した場合、凹み17の深さ(3.0mm、5.0mm、8.0mm)と、凹み17の底面からの硬化深さの関係は、表1に示すようになる。
例えば、0.85質量%の炭素を含有して硬化熱処理により表面硬さがショア硬さでHS55になったレール1に、円錐台形の角度θ(図4)が10度で、先端直径7mmの平底のプレス圧子5を使用して、深さ5mmの凹み17を形成すると、表1より、凹み17の底から深さ約4.5mmまでの硬さが上昇する。
表1の全体からは、凹み17の深さが大きい程、また、レールの硬さが低い程、凹み17の底面からの硬化深さ(硬さが向上した深さ)は深くなることがわかる。ただし、炭素含有量が0.85質量%の材料を使用し、凹み17の深さを8.0mmとした場合、キレツが発生する。
Figure 0005240971
この凹み17は、凹み17の底面からの最大硬化深さが3mm以上になるように形成される。このように形成した凹み17の硬さ分布は、図5に示すように、角部と中央部では同じではない。図5は、0.85質量%の炭素を含有し、硬化熱処理により表面がショア硬さHS55になったレール1に凹み17を加工した場合の各部位の硬さ分布を示したものである。この内、Aは、表面下4.5mmから深さ方向への硬さ分布、Bは凹み角部の深さ方向への硬さ分布、Cは凹み中央の深さ方向への硬さ分布である(図3のA,B,Cを参照)。凹み17が形成された時にレール1に生じた塑性変形の程度が凹み17の角と中央部とで異なるため、BとCの部位では硬さ分布が異なる。複数の凹み17を形成する場合は、図3に示す突起部18の突起先端19の高さが変わらないように一定の間隔で形成される。これは、凹み17の底面の硬化形状を同一にするためである。
このように、特殊プレス5では、凹み17の加工後、その突起部18を研削すると、レール1の表層には部分的に異なる硬さ分布を持つ硬化層が形成される。
次に、レール1は、予備金属研削機7の下に導かれる。ここでは、予備金属研削機7の先端に装着された予備研削刃8により、前工程の特殊プレス5で形成された凹み17の周囲の突起部18を研削し、引き続いて行われる特殊機械式電動ハンマー9での成形が支障無く行われるようにレール1の表面を平坦化する処理が行われる(硬化層形成工程前の切削工程)。
レール1が予備金属研削機7の後方に配置されたレール頭部冷却装置9の下に導かれると、圧縮空気または水をレール1の頭部に吹き付けることにより、その温度を常温まで冷却する処理が行われる。
続いて、レール1は、特殊機械式電動ハンマー押え12に装着された特殊機械式電動ハンマー10の下に導かれる。特殊機械式電動ハンマー10には、その先端にハンマー圧子11が装着され、特殊機械式電動ハンマー押え12によりハンマー圧子11をレール1の表面に押しつけられた状態でハンマー圧子11を上下に振動させることにより、レール1の表面に縦溝20を形成する処理が行われる。
すなわち、特殊機械式電動ハンマー10はその先端にハンマー圧子11が装着され、かつ、その上方から特殊機械式電動ハンマー押え12によりハンマー圧子11の先端が、ハンマー圧子11を上下に振動した時でもレール1の表面から離れないように打撃エネルギーと同等の力で押し付けられている。
その状態で図6に示す様に、レール1を移動しながらハンマー圧子11を上下に振動させて、連続した縦溝20をレール1の表面に形成する。
その結果、硬化熱処理工程で硬化された高炭素鉄鋼材料の表面をハンマー圧子10で叩くことによりレール表面を塑性変形させ、表面から深さ1mm以上の微細パーライト金属組織をさらに微細化して、縦溝19の下層にショア硬さで更にHS10〜20硬化させた表面硬化層を形成することができる(硬化層形成工程)。
具体的には、打撃周波数45Hz、ハンマー圧子11の先端直径が5mm、ハンマー圧子11の上下振動距離0.4mmで、常温にて炭素含有量(0.6、0.85、1.0の3種)と、硬さ(凹み底の最大のシェア硬さ(HS))の異なるレールに対して打撃を加えた場合、レール1の移動速度と縦溝20の底からの硬化深さの関係は表2に示すようになる。表2より、移動速度が速い程、縦溝20における底からの硬化深さ(形成される表面硬化層の深さ)は浅くなる。
Figure 0005240971
特殊機械式電動ハンマー10は、レール1の表面を均等に硬化できるように、レール幅方向に複数配置されている。
この硬化層形成工程により、特殊プレス5ではレール1の表層に形成された図5の硬さ分布A,B,Cにおける表面から1.3mmまでの部分が、図7の硬さ分布Dになり、表層に均等な硬さの表面硬化層が形成される。
次に、レール1が特殊機械式電動ハンマー押え12の後方に配置された金属切削機13の下に導かれると、金属研削機13はその先端に研削刃14が装着された装置であるので、特殊機械式電動ハンマー10により形成された凹み(縦溝20)の周囲の突起部21(塑性変形させた際に生じた微小な凹凸の凸部)を研削し、レール1の表面を所定の形状に加工する処理が行われる(硬化層形成工程後の切削工程)。
なお、上記例ではレール1を移動させるようにしたが、レール1自体を固定して、加熱装置2、温度測定装置3、特殊プレス5、予備金属研削機6、レール頭部冷却装置9、特殊機械式電動ハンマー10、金属研削機13の各装置が移動する構成であってもよい。
上述した硬化処理方法によれば、レール1の表層から約1.3mmまでの部分に図7の硬さ分布Dに示す表面硬化層が形成される。この方法では、レール1の表層における1.3〜4.0mmの部分においても硬さ分布B,Cに示すようにある程度のシェア硬さを確保できる。
また、上述の硬化処理方法におけるプレス工程を省略し、特殊機械式電動ハンマー10のみによる硬化処理を行うこともできる。この場合は、図8に示す縦溝20の表層から1.3mmの部位に表面硬化層が得られる。
なお、上述した硬化処理方法は、鉄道線路の分岐器に使用される車輪からの衝撃を受け易いクロッシングレールやウイングレールの部材として適しているが、他の箇所で使用されるレール部材全般に用いることもできる。
本発明による高炭素鉄鋼レール部材の硬化処理方法によれば、硬化熱処理によって硬化したレール表層を機械的方法で塑性変形させて更に硬化させるため、レール1の表面に更に硬化された表面硬化層を形成することができる。
そして、この表面硬化層が形成されたレールを鉄道線路で使用される固定型クロッシングにおける、列車車輪の激しい乗り移り衝撃力を受けるウイングレールとノーズレールに使用することにより、従来発生していた列車車輪のレール乗り移り衝撃による凹みやキレツの発生を防止することができ、耐久性の向上を図ることができる。
本発明の高炭素鉄鋼レール部材の硬化処理方法を説明するための手順を示す概略説明図である。 微細パーライト組織の温度と硬さ・延性の関係を示すグラフ図である。 特殊プレスによる硬化を説明するための概略工程説明図である。 硬化処理方法で使用される特殊プレス用圧子の先端形状を示す斜視説明図である。 特殊プレスによる硬化層の硬さ分布を示すグラフ図である。 特殊機械式電動ハンマーによる硬化層の形成方法である。 特殊プレスによる硬化層と特殊機械式電動ハンマーによる硬化層の硬さ分布を説明するためのグラフ図である。 特殊機械式電動ハンマーによる硬化の分布を説明するためのグラフ図である。 レール頭部を加熱・空冷することによって硬化する硬化熱処理方法の概略説明図である。 固定型クロッシングの欠線部上を列車の車輪が通過するときの説明図である。
1 レール
2 加熱装置
2−1 空冷装置
3 温度測定装置
4 制御装置
5 特殊プレス
6 プレス圧子
7 予備金属研削機
8 予備研削刃
9 レール頭部冷却装置
10 特殊機械式電動ハンマー
11 ハンマー圧子
12 特殊機械式電動ハンマー押え
13 金属研削機
14 研削刃
15 台車
16 案内レール
17 凹み
18 突起部
19 突起先端
20 縦溝
21 突起部
101 レール頭部加熱部
102 レール頭部冷却部
103 駆動装置付台車
104 案内レール
105 固定型クロッシング
106 ノーズレール
107 ウイングレール
108 欠線部分
109 列車車輪
110 ウイングレール乗り移り部
111 ノーズレール乗り移り部

Claims (5)

  1. 硬化熱処理された0.5〜1.0質量%の炭素を含有する高炭素鉄鋼レール部材に対して、その表面を機械的手段で叩いて表面から1mm以上の深い範囲を塑性変形させることで硬化させた後に、塑性変形により生じた凸部を切削した平坦なショア硬さHS55〜80の超硬化層を表面に形成して成ることを特徴とする高炭素鉄鋼レール部材。
  2. 0.5〜1.0質量%の炭素を含有する高炭素鉄鋼レール部材の表面に対して熱処理を施すことでパーライト組織を微細化して表面硬さをショア硬さHS45〜60まで硬化させる硬化熱処理工程と、
    前記硬化熱処理工程で硬化された高炭素鉄鋼レール部材の表面を機械的手段で叩くことにより塑性変形させ、表面から深さ1mm以上の範囲の微細パーライト金属組織をさらに微細化することによりショア硬さで更にHS10〜20硬化させた超硬化層を表面に形成する硬化層形成工程と
    を具備することを特徴とした高炭素鉄鋼レール部材の硬化処理方法。
  3. 前記硬化熱処理工程後で前記硬化層形成工程前に、硬化熱処理工程硬化された高炭素鉄鋼レール部材の表面を400℃でプレスして一定間隔で凹ませるプレス工程を有する請求項2に記載の高炭素鉄鋼レール部材の硬化処理方法。
  4. 前記プレス工程後で硬化層形成工程前に、プレス工程で凹ませることにより塑性変形させた際に生じた凹凸の凸部を切削する切削工程を有する請求項3に記載の高炭素鉄鋼レール部材の硬化処理方法。
  5. 前記硬化層形成工程後に、硬化層形成工程における機械的手段で叩くことにより塑性変形させた際に生じた凹凸の凸部を切削する切削工程を有する請求項2又は請求項3に記載の高炭素鉄鋼レール部材の硬化処理方法。
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