JPH0676623B2 - 耐表面疲労損傷性にすぐれた高強度レ−ルの製造法 - Google Patents

耐表面疲労損傷性にすぐれた高強度レ−ルの製造法

Info

Publication number
JPH0676623B2
JPH0676623B2 JP8620386A JP8620386A JPH0676623B2 JP H0676623 B2 JPH0676623 B2 JP H0676623B2 JP 8620386 A JP8620386 A JP 8620386A JP 8620386 A JP8620386 A JP 8620386A JP H0676623 B2 JPH0676623 B2 JP H0676623B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rail
cooling
rate
strength
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP8620386A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62243713A (ja
Inventor
英明 影山
和男 杉野
正善 服部
国臣 土谷
健一 狩峰
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp, Dai Ichi High Frequency Co Ltd filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP8620386A priority Critical patent/JPH0676623B2/ja
Publication of JPS62243713A publication Critical patent/JPS62243713A/ja
Publication of JPH0676623B2 publication Critical patent/JPH0676623B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はレール頭部に軟質表面層を有する耐表面疲労損
傷性にすぐれた高強度レールの製造方法に関するもので
ある。
(従来の技術) 近年の鉄道輸送は高軸重化,高速化を指向して来てお
り、これに伴ってレール頭部の摩耗や塑性変形に対する
抵抗性が強く要求されるようになって来た。
このような要求に対して、レールの高強度化が有効であ
ることはもはや公知の事実となっており、その高強度化
の方策としてたとえば特開昭50−140316号公報に開示さ
れているような、炭素鋼にSi,Mn,Ni,Cr,Mo,Tiなどの合
金元素を添加して得られる成分系を有する圧延まゝの合
金鋼レールや、特公昭55−23885号公報に報告されてい
るような特別の合金元素を添加することなく、レール頭
部を高温度に再加熱し冷却するに際し700〜550℃の温度
区間を10.5〜15℃/秒の速さで冷却制御する熱処理レー
ルがある。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、前記の高強度レールにもレールの使用条
件の変化と共に新たな問題点が発生して来た。
すなわち、海外の高軸重鉄道においては、最近特に列車
燃費向上の見地からレールに対する潤滑を強化し、摩擦
抵抗を減じる試みが本格的な実施段階を迎えている。こ
のような使用環境の変化は、耐摩耗性にすぐれ、耐塑性
変形性にすぐれた高強度レールにおいては、レール頭表
部の摩耗が塗油による潤滑で極度に抑制され、このため
レール頭表面の疲労による材質劣化層が摩耗によって取
り去られることなく蓄積し、使用初期にレール頭表面に
疲労損傷を誘発させる問題を発生させることが本発明者
らによって見出された。
レール表面損傷には2種類あり、その一つは急曲線区間
の外軌レールゲージ・コーナー部に主として生成する損
傷であり、他の一つは曲線内軌レール頭頂面に生成する
損傷である。前者のレールゲージ・コーナー部に生成す
る損傷は、急曲線区間で列車が遠心力を受けることによ
って車輪フランジ部が、レールゲージ・コーナー部に強
い力で押しつけられ、その繰り返しによって生ずる一種
の疲労損傷で、フレーキングあるいは、スポーリングと
呼ばれている。これらの損傷の連続的な生成によって騒
音,振動が生じるばかりか、有害介在物との合体により
複合横裂と呼ばれるレール折損を引き起す。
また、後者のレール頭頂面に生成する損傷は頭頂面きし
み割れハク離と呼ばれ、海外の鉱山鉄道のような重荷重
条件下では、曲線内軌側のレール頭頂面にも車輪踏面を
介して過大な負荷がかゝり表面層に塑性流動が生じる。
通常の低強度圧延まゝレールでは、塑性フローがレール
側部に張り出して異なった問題に発展するが、レール表
面層に関しては疲労による材質劣化層が摩耗によって取
り去られるため、この種の損傷はほとんど問題とならな
い。しかし高強度レールではレール頭表面の硬度が高く
摩耗が少ないため、車輪踏面との“なじみ”も悪く、頭
頂面の限定された領域で荷重を受けることにより、頭表
層に大きな疲労による材質劣化が生じる。この頭頂面の
きしみ割れも、単に表面のハク離にとゞまらず、列車走
行条件によってはレール折損を引き起す原因となる。
本発明は、上記のような要求と問題から、高強度レール
の潤滑条件下での使用初期に発生するレール表面損傷に
対して、疲労による材質劣化層を初期摩耗によって取り
去ると共に車輪との接触領域をある程度拡げることによ
り、局部的な車輪との接触で生じる表面損傷の生成を阻
止する高強度レールの製造を目的としたもので、得られ
た高強度レールは使用初期に車輪との接触を安定化した
後、レール内部の高硬度域により耐摩耗性,耐塑性変形
性を確保した耐表面疲労損傷性にすぐれたものである。
(問題点を解決するための手段) この発明の要旨とするところは、熱間圧延を終えあるい
は熱処理する目的で加熱されたオーステナイト域の高温
度の熱を保持する鋼レールの頭表部を冷却するにあた
り、800〜620℃の温度区間をレール頭部に指向し噴射す
る気体もしくは気液混合体により3〜10℃/秒の速度で
冷却して頭表面から、少なくとも2mmの深さまでから最
大8mmの深さまでのレール頭表部をパーライト変態させ
た後、引続き620℃未満〜パーライト変態終了温度区間
を4〜15℃/秒の速度でかつ前記800〜620℃の温度区間
の冷却速度より早い速度で強制冷却し、しかる後低温度
まで任意の速度で冷却することによってレール内部を微
細パーライト高強度化することを特徴とする耐表面疲労
損傷性にすぐれた高強度レールの製造法である。
以下、本発明について詳細に説明する。
転炉,電気炉などの溶解炉で溶製された溶鋼を連続鋳造
法あるいは造塊・分塊法で鋼片とし、さらに熱間圧延す
る通常の製造工程を経て製造された熱間圧延直後あるい
は圧延後一旦冷却した後熱処理する目的で再加熱してオ
ーステナイト領域の熱を保有する鋼レールを冷却するに
あたり、レール頭部に指向して噴出する気体もしくは気
体と液体を混合した気液混合体により、レール頭表部の
800〜620℃の温度区間を3〜10℃/秒の速さで冷却す
る。この制御冷却温度区間はレール頭表部のパーライト
硬度をHv330〜380に制御しようとするもので、800℃を
超える温度の冷却制御開始温度は、目的とするレール頭
表面硬度より高いパーライト組織を生成させる問題があ
り、620℃未満の低い冷却制御完了温度は、レール頭表
面軟質層の深さを8mm以上とすることになり、内部の高
硬度化が果しにくくなり、同時にこれ以上の深さは表面
軟質の目的を逸脱してしまう。またこの間の制御冷却速
度は、レール表面の軟質層深さと硬度を制御するもので
あり、3℃/秒未満の遅い冷却速度ではレール内部まで
パーライト変態が完了して、頭部全体が軟質化してしま
い、この反面10℃/秒を超える急速な冷却速度では、軟
質層の深さを2mm未満とすることになり、車輪との“な
じみ”に対する有効性が消失するばかりか、軟質部の硬
度をHv380以上とし、通常得られる熱処理レールの頭表
部硬度Hv380〜400と変化ないものとし、頭部に軟質表面
層を得ることができず、本発明が目的とするレールを製
造することができない。
さらに、この間に使用される冷媒の気体もしくは気液混
合体は、制御冷却温度範囲を所定の冷却速度で冷却する
のに最適であるためこれを用いた。また本発明において
オーステナイト領域から800℃までの温度区間の冷却速
度は、本発明が目的とする材質にさほど影響を及ぼすも
のではなく、通常の水冷・空冷などによって得られる冷
却速度によっても十分目的は達成せられる。
このような高温度域で制御冷却を施してレール頭表部に
パーライト変態を生ぜしめた後、引続き620℃未満〜パ
ーライト変態終了温度区間を4〜15℃/秒の速度で強制
冷却することによって、軟質層に接するレール内部を高
強度化する。この温度区間は微細なパーライト組織を生
成させるための強制冷却温度であって、この温度区間を
4℃/秒より遅い冷却速度では軟質部との硬度差、望ま
しくはHv10以上を確保することは出来ず、レール頭部の
耐摩耗性を劣化させる。また、150℃/秒より速い冷却
速度では軟質部との境界層にベーナイトやマルテンサイ
トなどの有害異組織を生成させてしまい、これらを機転
とした内部損傷を誘発させる。そこで軟質化処理に引続
きレール頭表部を軟質化のための冷却速度より速い4〜
15℃/秒の強制冷却速度に限定することによって、レー
ル内部を高硬度化することが出来る。このレール内部の
微細パーライト変態が終了した後は放冷,水冷の任意の
冷却方法,冷却速度の選択が可能で特に限定するもので
はない。
(発明の効果) 本発明は以上述べたように構成し、かつ作用せしめるこ
とによって、レール敷設初期にもたらされる車輪との局
部集中接触を早期に解消し、疲労ダメージの蓄積を表面
軟質化による摩耗促進で阻止せしめ、しかる後高硬度化
させたレール内部により、以降の耐摩耗性,耐塑性変形
性を改善した耐表面損傷性にすぐれた高強度レールを製
造することが出来る。
(実施例) 第1表に現行の高強度熱処理レールの代表として普通炭
素鋼レールの化学成分を示した。他の高強度熱処理レー
ルであるCrなどを微量添加した低合金鋼レールも用いら
れているが、このレールにも本発明法の適用は可能であ
る。
第2表は、本発明鋼と比較鋼のレール頭表部における80
0〜620℃間の冷却速度と620〜550℃(レール内部パーラ
イト変態終了温度)間の冷却速度を示す。
耐摩耗性および耐表面疲労損傷性を評価する目的で、第
1図に示すような硬度分布を持つ1/4モデル円板試験片
を作製し、第2図に示すレールころがり疲労試験機を用
いて試験した。モーター3によって回転を与えられるレ
ール円板試験片1に、モーター4によって回転する車輪
1/4モデル試験片2を接触させ、第3表に示す試験条件
で試験を行った。その試験結果は第4表に示すとおり、
頭表面層の硬度の高いものは摩耗量(実レールに対応さ
せるため、実際の摩耗量を4倍にした値)が少なく、繰
り返しのごく初期から微小なき裂が生成し、やがて、は
く離損傷を発生させた。一方、頭表部の硬度が低く、内
部に高硬度部が存在する場合には、微小なき裂もはく離
損傷も生成せず表面は美麗であるが、摩耗量が大きくな
ってしまう。これに対して本発明鋼は適度な摩耗により
車輪との“なじみ”が生じて、はく離損傷の発生をみな
かった。
【図面の簡単な説明】
第1図は第2表の熱処理を施すことによって得られるレ
ール頭部の断面硬度分布であり、第2図は試験に用いた
レールころがり疲労試験機の概略図である。 1…レール円板試験片、2…車輪試験片、3…モーター
(レール側)、4…強制潤滑軸受箱。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土谷 国臣 福岡県北九州市八幡東区帆柱4丁目9−5 (72)発明者 狩峰 健一 福岡県北九州市八幡東区枝光1−1−1 新日本製鐵株式会社八幡製鐵所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱間圧延を終えあるいは熱処理する目的で
    加熱されたオーステナイト域の高温度の熱を保持する鋼
    レールの頭表部を冷却するにあたり、800〜620℃の温度
    区間をレール頭部に指向し噴射する気体もしくは気液混
    合体により3〜10℃/秒の速度で冷却して頭表面から少
    なくとも2mmの深さまでから最大8mmの深さまでのレール
    頭表部をパーライト変態させた後、引続き620℃未満〜
    パーライト変態終了温度区間を4〜15℃/秒の速度でか
    つ前記800〜620℃の温度区間の冷却速度より早い速度で
    強制冷却し、しかる後低温度まで任意の速度で冷却する
    ことによってレール内部を微細パーライト高強度化する
    ことを特徴とする耐表面疲労損傷性にすぐれた高強度レ
    ールの製造法。
JP8620386A 1986-04-16 1986-04-16 耐表面疲労損傷性にすぐれた高強度レ−ルの製造法 Expired - Lifetime JPH0676623B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8620386A JPH0676623B2 (ja) 1986-04-16 1986-04-16 耐表面疲労損傷性にすぐれた高強度レ−ルの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8620386A JPH0676623B2 (ja) 1986-04-16 1986-04-16 耐表面疲労損傷性にすぐれた高強度レ−ルの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62243713A JPS62243713A (ja) 1987-10-24
JPH0676623B2 true JPH0676623B2 (ja) 1994-09-28

Family

ID=13880219

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8620386A Expired - Lifetime JPH0676623B2 (ja) 1986-04-16 1986-04-16 耐表面疲労損傷性にすぐれた高強度レ−ルの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0676623B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014189879A (ja) * 2013-03-28 2014-10-06 Jfe Steel Corp レールの冷却方法
JP2014189880A (ja) * 2013-03-28 2014-10-06 Jfe Steel Corp レールの冷却ヘッダ

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62243713A (ja) 1987-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100202251B1 (ko) 우수한 내마모성을 가지는 펄라이트강 레일 및 그 제조방법
RU2086671C1 (ru) Способ изготовления высокопрочного рельса (варианты) и высокопрочный рельс
JPH09316598A (ja) 耐摩耗性および溶接性に優れたパーライト系レールおよびその製造法
JP3513427B2 (ja) 耐摩耗性、耐内部疲労損傷性に優れたパーライト系レールおよびその製造方法
JP5326343B2 (ja) 高内部硬度レールの製造方法
JP2004315928A (ja) 耐摩耗性および耐熱き裂性に優れた高炭素鉄道車両用車輪
JPH0971844A (ja) 耐損傷性に優れた高強度ベイナイト鋼レ−ル
JP3987616B2 (ja) 耐表面損傷性および耐摩耗性に優れた高強度ベイナイト系レールの製造法
JP4598265B2 (ja) パーライト系レールおよびその製造法
JP2000199041A (ja) 耐ころがり疲労損傷性、耐内部疲労損傷性に優れたベイナイト系レ―ル
JP3631712B2 (ja) 耐表面損傷性および靭性に優れた熱処理パーライト系レールおよびその製造法
JP3063543B2 (ja) 車輪とのなじみ性に優れた高強度レールおよびその製造方法
JPH0676623B2 (ja) 耐表面疲労損傷性にすぐれた高強度レ−ルの製造法
JP2000178690A (ja) 耐摩耗性、耐内部疲労損傷性に優れたパ―ライト系レ―ルおよびその製造法
JP3649872B2 (ja) 溶接部の接合性に優れたベイナイト鋼レール
JPH09111352A (ja) 耐摩耗性に優れたパーライトレールの製造法
JPH08246101A (ja) 耐摩耗性・耐損傷性に優れたパーライト系レールおよびその製造法
JP3731934B2 (ja) 高深度高強度レールの製造法
JP2002363698A (ja) 耐ころがり疲労損傷性および耐摩耗性に優れたレールおよびその製造法
JP3254051B2 (ja) 耐表面損傷性に優れた高強度ベイナイト鋼レールの製造方法
JP3950212B2 (ja) 耐摩耗性に優れた高強度パーライト系レールの製造法
JP4408170B2 (ja) 耐摩耗性に優れたレールおよびその製造方法
JP2000290752A (ja) 耐摩耗性に優れた焼戻しマルテンサイト系レールおよびその製造法
JP3117915B2 (ja) 高耐摩耗パーライトレールの製造法
JPH0734132A (ja) 耐表面損傷性に優れた高強度・高靭性ベイナイト系レールの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term