JP2005298879A - 表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法を提供する。
【解決手段】金属製品の表層部の平均結晶粒径を1μm以下に微細結晶させた金属製品の製造方法であって、前記金属製品の表面を、10〜500Hzの周波数にて加振させた振動端子で、0.01kW以上の仕事率にて打撃することを特徴とする表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法。好ましくは、前記微細結晶化させた層が、溶接継手の溶接止端部近傍における溶接金属部および/または溶接熱影響部に形成される。
【選択図】図1
【解決手段】金属製品の表層部の平均結晶粒径を1μm以下に微細結晶させた金属製品の製造方法であって、前記金属製品の表面を、10〜500Hzの周波数にて加振させた振動端子で、0.01kW以上の仕事率にて打撃することを特徴とする表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法。好ましくは、前記微細結晶化させた層が、溶接継手の溶接止端部近傍における溶接金属部および/または溶接熱影響部に形成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法に関する。
海洋構造物、船舶、橋梁、自動車、産業機械、家庭電器製品、医療器械などの金属製品は、様々な分野で用いられて、他の材料に比べて強度とコスト面において優れており、産業上重要な役割を果たしている。
しかし、金属製品に要求される高強度性、耐疲労性、耐磨耗性などの特性は、金属製品全体ではなく、特に、表層部分において重要な特性であり、必ずしも、製品全体にこのような特性を持たせる必要はない場合も多い。
しかし、金属製品に要求される高強度性、耐疲労性、耐磨耗性などの特性は、金属製品全体ではなく、特に、表層部分において重要な特性であり、必ずしも、製品全体にこのような特性を持たせる必要はない場合も多い。
そこで、金属材料の表層部の結晶組織を制御し、材料にさまざまな優れた性質を与える方法が広く用いられている。これまで結晶組織の制御に新しいプロセスが導入される毎に、優れた材料が次々と生み出されており、今後もさらに新しいプロセスを工夫して導入することにより、一段と優れた材料を生み出す可能性を秘めている。
近年では、金属材料の結晶組織をナノメータ(nm、10-9m)を単位として用いるのが適当なサイズ、例えば数100nm以下に微細化した、いわゆるナノ結晶組織を得ることにより、従来は得られなかった優れた性質、例えば超高強度性などを得ることができる。ナノ結晶組織を持つ金属材料を得る方法としては、金属材料を一旦アモルファス状態にし、このアモルファス状態からの結晶化を行って微細結晶組織を得る方法が知られている。
近年では、金属材料の結晶組織をナノメータ(nm、10-9m)を単位として用いるのが適当なサイズ、例えば数100nm以下に微細化した、いわゆるナノ結晶組織を得ることにより、従来は得られなかった優れた性質、例えば超高強度性などを得ることができる。ナノ結晶組織を持つ金属材料を得る方法としては、金属材料を一旦アモルファス状態にし、このアモルファス状態からの結晶化を行って微細結晶組織を得る方法が知られている。
金属材料をアモルファス化する方法としては、金属材料の溶融液を高速急冷
する方法やスパッタ製膜などの方法が用いられる。金属原子の配列をアモルファスの状態にすると、結晶状態の金属では得られない特異な性質が得られ、高強度、耐食性,高透磁率などの優れた性質を有する金属材料を得ることができることが知られている。このアモルファス状態の金属材料を低温で熱処理することによって、微細メータ(nm、10-9m)サイズの微細な結晶、即ち微細結晶を析出させることができ、こうすることによってアモルファス金属よりもさらに優れた性質、例えば超高強度を示す金属材料や、磁気特性の優れた金属材料(例えば特開平1−110707号公報または特許第1944370号公報参照)などが得られる。
する方法やスパッタ製膜などの方法が用いられる。金属原子の配列をアモルファスの状態にすると、結晶状態の金属では得られない特異な性質が得られ、高強度、耐食性,高透磁率などの優れた性質を有する金属材料を得ることができることが知られている。このアモルファス状態の金属材料を低温で熱処理することによって、微細メータ(nm、10-9m)サイズの微細な結晶、即ち微細結晶を析出させることができ、こうすることによってアモルファス金属よりもさらに優れた性質、例えば超高強度を示す金属材料や、磁気特性の優れた金属材料(例えば特開平1−110707号公報または特許第1944370号公報参照)などが得られる。
このように、金属材料をアモルファスの状態にし、次いで低温熱処理を行って微細結晶を析出させる方法は、従来の方法では得られなかった優れた性質や機能を金属材料に付与する方法として注目すべきである。しかしながら、この方法を用いた金属材料を実用に供するに当たっては、以下に述べるような問題点があった。
まず、アモルファス状態の金属材料を得る方法としては、前述の金属材料の溶融液の高速急冷やスパッタ製膜に方法があるが、これらの方法は高速急冷や膜形成を行うため、広く一般の形状の成形体や構造物などの金属製品に適用することが困難であり、その形状や寸法などに大きな制約があった。
また、金属材料をアモルファス状態にし、これに微細結晶を析出させる方法としては、前述の方法のほかに、次のような方法が知られている。すなわち、金属材料の粉末をボールミルなどで処理し、材料表面層に強加工を施すことにより、材料をアモルファス化し、次にこの材料を熱処理することによって、微細結晶の析出した金属粉末を得るものである。このようにして作製された金属粉末は、そのままアモルファス金属の合金粉末として用いるだけでなく、加圧成形して広く一般の形状の成形体や構造物などの金属製品として使用することが望ましい。この目的で十分な強度を有する成形体を得るためには、この粉末を高温で加圧成形し、あるいはこの成形体に溶接を行って、所定の構造物を製作することが必要になる。
まず、アモルファス状態の金属材料を得る方法としては、前述の金属材料の溶融液の高速急冷やスパッタ製膜に方法があるが、これらの方法は高速急冷や膜形成を行うため、広く一般の形状の成形体や構造物などの金属製品に適用することが困難であり、その形状や寸法などに大きな制約があった。
また、金属材料をアモルファス状態にし、これに微細結晶を析出させる方法としては、前述の方法のほかに、次のような方法が知られている。すなわち、金属材料の粉末をボールミルなどで処理し、材料表面層に強加工を施すことにより、材料をアモルファス化し、次にこの材料を熱処理することによって、微細結晶の析出した金属粉末を得るものである。このようにして作製された金属粉末は、そのままアモルファス金属の合金粉末として用いるだけでなく、加圧成形して広く一般の形状の成形体や構造物などの金属製品として使用することが望ましい。この目的で十分な強度を有する成形体を得るためには、この粉末を高温で加圧成形し、あるいはこの成形体に溶接を行って、所定の構造物を製作することが必要になる。
ところが、アモルファス金属の合金粉末をこのような高温の工程を通過させると、粉末の微細結晶組織は消失し、大きな結晶組織に変化してしまう。このため、微細結晶を析出させた金属粉末からは微細結晶組織の特徴を生かした成形体や構造物などの金属製品を得ることはできなかった。
なお、例えば、特許文献3に、溶接継手部に超音波振動を与えることによって、疲労強度を向上させる方法が開示されているが、このような振動を金属製品の表層部の微細結晶化に利用することは全く開示されていない。
また、特許文献3に用いる、超音波振動装置は、特殊な装置や電源を必要とするため、設備コストおよび操業コストが高いという問題点があった。
特開平1−110707号公報
特許第1944370号公報
米国特許第6,171,415号明細書
なお、例えば、特許文献3に、溶接継手部に超音波振動を与えることによって、疲労強度を向上させる方法が開示されているが、このような振動を金属製品の表層部の微細結晶化に利用することは全く開示されていない。
また、特許文献3に用いる、超音波振動装置は、特殊な装置や電源を必要とするため、設備コストおよび操業コストが高いという問題点があった。
本発明は、前述のような従来技術の問題点を解決し、表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は前述の課題を解決するために鋭意検討の結果なされたもので、金属製品の表面を振動端子で打撃する衝撃処理を施すことにより、表層部を強加工して表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法を提供するものであり、その要旨とするところは特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
(1)金属製品の表層部の平均結晶粒径を1μm以下に微細結晶させた金属製品の製造方法であって、前記金属製品の表面を、10〜500Hzの周波数にて加振させた振動端子で、0.01kW以上の仕事率にて打撃することを特徴とする表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法。
(2)前記微細結晶化させた層が、溶接継手の溶接止端部近傍における溶接金属部および/または溶接熱影響部に形成されることを特徴とする(1)に記載の表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法。
(3)前記振動端子が棒状であり、該棒の先端部の断面積が0.01mm2以上、100mm2以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法。
(1)金属製品の表層部の平均結晶粒径を1μm以下に微細結晶させた金属製品の製造方法であって、前記金属製品の表面を、10〜500Hzの周波数にて加振させた振動端子で、0.01kW以上の仕事率にて打撃することを特徴とする表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法。
(2)前記微細結晶化させた層が、溶接継手の溶接止端部近傍における溶接金属部および/または溶接熱影響部に形成されることを特徴とする(1)に記載の表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法。
(3)前記振動端子が棒状であり、該棒の先端部の断面積が0.01mm2以上、100mm2以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法。
本発明によれば、金属製品の表面を振動端子で打撃する衝撃処理を施すことにより、表層部を強加工して表層部に表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法を提供することができ、産業上有用な著しい効果を奏する。
本発明の実施の形態について、図1乃至図3を用いて詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法における第1の実施形態を示す図である。
図1において、1は振動装置、2は振動端子を示す。
まず、図1に示すように、金属製品の表面を、振動端子2で打撃する。
振動装置1を用いて、振動端子2の先端部を振動させながら金属製品の表面を10〜500Hzの周波数にて加振させた振動端子2で、0.01kW以上の仕事率にて打撃することによって、金属製品の表層部の平均結晶粒径を1μm以下に微細結晶化させることができる。
金属製品の表面を打撃することによって、微細結晶化するメカニズムは、10〜500Hzの周波数にて加振させた振動端子2で、0.01kW以上の仕事率にて打撃することによって、金属表面が加工発熱し、この加工発熱が逃げない断熱状態で繰返し打撃加工することによって、熱間鍛造と同じような効果を生じるものと考えられる。
<第1の実施形態>
図1は、表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法における第1の実施形態を示す図である。
図1において、1は振動装置、2は振動端子を示す。
まず、図1に示すように、金属製品の表面を、振動端子2で打撃する。
振動装置1を用いて、振動端子2の先端部を振動させながら金属製品の表面を10〜500Hzの周波数にて加振させた振動端子2で、0.01kW以上の仕事率にて打撃することによって、金属製品の表層部の平均結晶粒径を1μm以下に微細結晶化させることができる。
金属製品の表面を打撃することによって、微細結晶化するメカニズムは、10〜500Hzの周波数にて加振させた振動端子2で、0.01kW以上の仕事率にて打撃することによって、金属表面が加工発熱し、この加工発熱が逃げない断熱状態で繰返し打撃加工することによって、熱間鍛造と同じような効果を生じるものと考えられる。
振動端子2の周波数の限定理由は、周波数を10Hz以上とするのは、10Hz未満では、打撃による熱の断熱効果が得られないからであり、また周波数を500Hz以下とするのは、比較的入手が簡単な機械的な振動装置によって得られる周波数が500Hz以下だからである。
振動端子2の仕事率を0.01kW以上とするのは、0.01kW未満では、打撃処理に要する処理時間が長くかかり過ぎるからである。
本発明においては、振動装置の種類は問わないが、例えば、シリンダに供給する圧縮空気の流れ方向を交互に切替えることによって、このシリンダを振動させる装置や、モータの先端にモータの回転軸から偏芯した重りを設けて回転させることによって、この重りを振動させる装置が好ましい。
このような、エア駆動やモータ駆動の振動装置およびその駆動源は比較的入手が容易であり、従来提案されていた超音波振動装置に比べて著しく設備コストおよび操業コストを低減することができる。
また、振動端子2は、図1に示すような棒状であり、該棒の先端部の被金属製品と接触する断面積は小さすぎると処理時間が長くなる一方で、断面積が大き過ぎると微細化効果が十分でないため、0.01mm2以上、100mm2以下にすることが好ましい。
なお、図1に示す実施形態では、振動端子2は単数であるが、複数の振動端子を設けてもよい。
振動端子2の仕事率を0.01kW以上とするのは、0.01kW未満では、打撃処理に要する処理時間が長くかかり過ぎるからである。
本発明においては、振動装置の種類は問わないが、例えば、シリンダに供給する圧縮空気の流れ方向を交互に切替えることによって、このシリンダを振動させる装置や、モータの先端にモータの回転軸から偏芯した重りを設けて回転させることによって、この重りを振動させる装置が好ましい。
このような、エア駆動やモータ駆動の振動装置およびその駆動源は比較的入手が容易であり、従来提案されていた超音波振動装置に比べて著しく設備コストおよび操業コストを低減することができる。
また、振動端子2は、図1に示すような棒状であり、該棒の先端部の被金属製品と接触する断面積は小さすぎると処理時間が長くなる一方で、断面積が大き過ぎると微細化効果が十分でないため、0.01mm2以上、100mm2以下にすることが好ましい。
なお、図1に示す実施形態では、振動端子2は単数であるが、複数の振動端子を設けてもよい。
本発明においては、微細結晶化させた層が、溶接継手の溶接止端部近傍における溶接金属部および/または溶接熱影響部に形成されることが好ましい。
溶接構造物において、最も疲労破壊の危険性が高いのは、応力集中の起こりやすい溶接継手の溶接止端部近傍における溶接金属部や溶接熱影響部であり、それら溶接金属部や溶接熱影響部の結晶粒径は、被溶接物である金属部品の母材の結晶粒径と比べると一般に著しく大きいことが知られている。金属製品におけるこれらの箇所の表層部の平均結晶粒径を1μm以下に微細化することによって、構造物全体の疲労強度を最も効果的に向上させることができる。
本発明において、金属製品における表層部の結晶粒とは、金属結晶の面方位が揃っている単位をいい、その中に数個のサブグレインが含まれる場合であっても面方位が揃っていれば、一つの結晶粒とする。
溶接構造物において、最も疲労破壊の危険性が高いのは、応力集中の起こりやすい溶接継手の溶接止端部近傍における溶接金属部や溶接熱影響部であり、それら溶接金属部や溶接熱影響部の結晶粒径は、被溶接物である金属部品の母材の結晶粒径と比べると一般に著しく大きいことが知られている。金属製品におけるこれらの箇所の表層部の平均結晶粒径を1μm以下に微細化することによって、構造物全体の疲労強度を最も効果的に向上させることができる。
本発明において、金属製品における表層部の結晶粒とは、金属結晶の面方位が揃っている単位をいい、その中に数個のサブグレインが含まれる場合であっても面方位が揃っていれば、一つの結晶粒とする。
また、衝撃処理は、冷間で行う。冷間でなく、再結晶化温度やそれ以上の温度で行うと、粒子サイズの大きな結晶が生じるため、微細結晶組織を得ることが困難だからである。従って、衝撃処理の温度は金属材料の再結晶温度よりも十分低い温度とする必要がある。
<第2の実施形態>
図2は、表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法における第2の実施形態を示す図である。
図2において、1は振動装置、2は振動端子を示す。
本実施形態においては、複数の振動端子2を束ねて用い、束ねた振動端子2の全体を上下方向と左右方向に同時に振動させる。
そのため、上下方向、左右方向それぞれの方向の振動を発生させるために、複数の振動装置1を設けている。
このように、振動端子2を、上下、左右に同時に振動させて金属製品の表面を打撃することによって、集合組織の形成が抑制され、結晶粒を等軸化させることができるので、衝撃処置を施した金属製品の表面を低温で熱処理して微細結晶を析出させることにより、表層部を微細結晶化させることができる。
なお、振動端子2は単数として、上下、左右に振動させてもよく、また、左右の振動の代わりに、振動端子を旋回または揺動させても同様の効果を得ることができる。
<第2の実施形態>
図2は、表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法における第2の実施形態を示す図である。
図2において、1は振動装置、2は振動端子を示す。
本実施形態においては、複数の振動端子2を束ねて用い、束ねた振動端子2の全体を上下方向と左右方向に同時に振動させる。
そのため、上下方向、左右方向それぞれの方向の振動を発生させるために、複数の振動装置1を設けている。
このように、振動端子2を、上下、左右に同時に振動させて金属製品の表面を打撃することによって、集合組織の形成が抑制され、結晶粒を等軸化させることができるので、衝撃処置を施した金属製品の表面を低温で熱処理して微細結晶を析出させることにより、表層部を微細結晶化させることができる。
なお、振動端子2は単数として、上下、左右に振動させてもよく、また、左右の振動の代わりに、振動端子を旋回または揺動させても同様の効果を得ることができる。
<第1および第2に共通の実施形態>
図3および図4は、本発明の表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法における打撃処理を施す範囲を例示する図である。
図3および図4において、重ね合わされた金属板3および金属板4は、溶接金属5により隅肉溶接されており、6は溶接止端部、2は振動端子を示す。
このとき、溶接継手の溶接止端部近傍における溶接金属5および/または溶接熱影響部7の近傍を振動端子2によって打撃することによって、表層部の平均結晶粒径を1μm以下に微細結晶化させた金属製品を得ることができ、溶接構造物全体の疲労強度を著しく向上させることができる。
本発明によれば、例えば、鋼構造物や鋼構造品などの金属製品として最終の形状に加工、組み立てされた後で、その表層部を微細結晶化することができるので、必要最小限で済むメリットがあるが、素材段階で本発明を適用し、構造物や鋼構造品などの金属製品に最終加工された後に、加工によって損なわれた領域のみを補修する形で適用することもできる。
図3および図4は、本発明の表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法における打撃処理を施す範囲を例示する図である。
図3および図4において、重ね合わされた金属板3および金属板4は、溶接金属5により隅肉溶接されており、6は溶接止端部、2は振動端子を示す。
このとき、溶接継手の溶接止端部近傍における溶接金属5および/または溶接熱影響部7の近傍を振動端子2によって打撃することによって、表層部の平均結晶粒径を1μm以下に微細結晶化させた金属製品を得ることができ、溶接構造物全体の疲労強度を著しく向上させることができる。
本発明によれば、例えば、鋼構造物や鋼構造品などの金属製品として最終の形状に加工、組み立てされた後で、その表層部を微細結晶化することができるので、必要最小限で済むメリットがあるが、素材段階で本発明を適用し、構造物や鋼構造品などの金属製品に最終加工された後に、加工によって損なわれた領域のみを補修する形で適用することもできる。
なお、本発明は、金属製品の微細結晶化して改質したい領域に局所的に適用しても良いし、金属製品全体に適用してもよい。
金属製品全体に適用する場合には、金属製品を構成する鋼板などの素材にあらかじめ、本発明の衝撃処理を施し、表層を微細結晶化した素材を用いて金属製品を製造することが好ましい。
以上の表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法を用いることによって、表層部が、例えば硬度向上に伴う高耐磨耗性化 や高疲労強度化された金属製品を提供することができる。
金属製品全体に適用する場合には、金属製品を構成する鋼板などの素材にあらかじめ、本発明の衝撃処理を施し、表層を微細結晶化した素材を用いて金属製品を製造することが好ましい。
以上の表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法を用いることによって、表層部が、例えば硬度向上に伴う高耐磨耗性化 や高疲労強度化された金属製品を提供することができる。
本発明の表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法を、実際の金属製品に適用した場合を想定した実験を行った結果を表1乃至表3に示す。
表1は、金属製品を構成する素材A(A1〜A13)の化学成分および板厚を示す。
表2は、適用物、衝撃処理条件、および試験結果を示す。適用物が鋼板の場合は、試験体表面を全面打撃処理し、重ね継手、十字継手、突合継手の場合は、各継手の溶接止端部近傍の溶接金属部および溶接熱影響部を含む領域のみを打撃処理した。
*1)加工種類は、表3に示すように、振動端子として断面が丸型のピンを用いた。
*2)<処理時間>
表2における処理時間とは、金属表面100mm2当たりの処理時間を示す。
*3)<改質層の厚み>
表2における改質層の厚みとは、金属製品の微視組織が変化しており、結晶粒微細化が生じている層の表面からの厚みを示す。
*4)<1μm以下結晶粒率(%)>
表2における1μm以下結晶粒率とは、改質層において、結晶粒径が、電子顕微鏡で 判別可能であり、かつ結晶粒径が1μm以下 である領域の面積率(%)を示す。
*5)<当該表層部の改質前後での硬さ比>
表2における当該表層部の改質前後での硬さ比とは、本発明の適用前の金属製品の表層部の硬さに対する適用後の硬さの比を示す。
表1は、金属製品を構成する素材A(A1〜A13)の化学成分および板厚を示す。
表2は、適用物、衝撃処理条件、および試験結果を示す。適用物が鋼板の場合は、試験体表面を全面打撃処理し、重ね継手、十字継手、突合継手の場合は、各継手の溶接止端部近傍の溶接金属部および溶接熱影響部を含む領域のみを打撃処理した。
*1)加工種類は、表3に示すように、振動端子として断面が丸型のピンを用いた。
*2)<処理時間>
表2における処理時間とは、金属表面100mm2当たりの処理時間を示す。
*3)<改質層の厚み>
表2における改質層の厚みとは、金属製品の微視組織が変化しており、結晶粒微細化が生じている層の表面からの厚みを示す。
*4)<1μm以下結晶粒率(%)>
表2における1μm以下結晶粒率とは、改質層において、結晶粒径が、電子顕微鏡で 判別可能であり、かつ結晶粒径が1μm以下 である領域の面積率(%)を示す。
*5)<当該表層部の改質前後での硬さ比>
表2における当該表層部の改質前後での硬さ比とは、本発明の適用前の金属製品の表層部の硬さに対する適用後の硬さの比を示す。
*6 )<疲労試験結果>
鋼板ままの場合は、表1に示す板厚、幅70mm、長さ500mmの板状試験片の全面に打撃処理を施し、試験片表面を改質し、試験に供した。
重ね継手の場合は、表1に示す板厚、幅70mm、重なり部70mm、長さ500mmの重ね継手試験片を母材強度レベルと同等以上の溶接材料を用いアーク溶接により作製し、アーク溶接された重ね両端部の溶接止端部周辺を、溶接止端線を中心に溶接金属部および母材溶接熱影響部を含む幅約5mmで板幅全域にわたり打撃処理を施し、表面を改質し、試験に供した。
十字継手の場合は、表1に示す板厚、幅70mm、長さ500mmの板中央部表裏面に試験材と同材質で厚さ10mm、幅70mm、高さ50mmのリブ板を母材強度レベルと同等以上の溶接材料を用い脚長7mmでアーク溶接法により隅肉溶接し、各溶接止端部周辺を、溶接止端線を中心に溶接金属部および母材溶接熱影響部を含む幅約5mmで板幅全域にわたり打撃処理を施し、表面を改質し、試験に供した。
鋼板ままの場合は、表1に示す板厚、幅70mm、長さ500mmの板状試験片の全面に打撃処理を施し、試験片表面を改質し、試験に供した。
重ね継手の場合は、表1に示す板厚、幅70mm、重なり部70mm、長さ500mmの重ね継手試験片を母材強度レベルと同等以上の溶接材料を用いアーク溶接により作製し、アーク溶接された重ね両端部の溶接止端部周辺を、溶接止端線を中心に溶接金属部および母材溶接熱影響部を含む幅約5mmで板幅全域にわたり打撃処理を施し、表面を改質し、試験に供した。
十字継手の場合は、表1に示す板厚、幅70mm、長さ500mmの板中央部表裏面に試験材と同材質で厚さ10mm、幅70mm、高さ50mmのリブ板を母材強度レベルと同等以上の溶接材料を用い脚長7mmでアーク溶接法により隅肉溶接し、各溶接止端部周辺を、溶接止端線を中心に溶接金属部および母材溶接熱影響部を含む幅約5mmで板幅全域にわたり打撃処理を施し、表面を改質し、試験に供した。
突合せ継手の場合は、表1に示す板厚、幅70mm、長さ500mmの板中央部を、母材強度レベルと同等以上の溶接材料を用い、K開先、アーク溶接法にて完全溶込み溶接し、各溶接止端部周辺を、溶接止端線を中心に溶接金属部および溶接熱影響部を含む幅約5mmで板幅全域にわたり打撃処理を施し、表面を改質し、試験に供した。
それぞれの鋼板および継手試験片にてS−N線図を求め、100万回で破断する疲労強度を、次式により定義する改質前後での疲労強度の向上率によって評価した。
改質前後での疲労強度の向上率=(改質後試験片での100万回の疲労強度)/(改質前試験片での100万回の疲労強度)
No.1〜No.15 は全て本発明の条件を満足する発明例であり、鋼構造物、部品、鋼板、アルミ製品、チタン製品などの金属製品に、本発明を適用することにより、結晶粒の微細化が確認され、硬さ(耐磨耗性)、および耐疲労特性 を著しく向上させることができることが確認された。
それぞれの鋼板および継手試験片にてS−N線図を求め、100万回で破断する疲労強度を、次式により定義する改質前後での疲労強度の向上率によって評価した。
改質前後での疲労強度の向上率=(改質後試験片での100万回の疲労強度)/(改質前試験片での100万回の疲労強度)
No.1〜No.15 は全て本発明の条件を満足する発明例であり、鋼構造物、部品、鋼板、アルミ製品、チタン製品などの金属製品に、本発明を適用することにより、結晶粒の微細化が確認され、硬さ(耐磨耗性)、および耐疲労特性 を著しく向上させることができることが確認された。
1 振動装置
2 振動端子
3、4 金属板
5 溶接金属
6 溶接止端部
7 溶接熱影響部
2 振動端子
3、4 金属板
5 溶接金属
6 溶接止端部
7 溶接熱影響部
Claims (3)
- 金属製品の表層部の平均結晶粒径を1μm以下に微細結晶させた金属製品の製造方法であって、前記金属製品の表面を、10〜500Hzの周波数にて加振させた振動端子で、0.01kW以上の仕事率にて打撃することを特徴とする表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法。
- 前記微細結晶化させた層が、溶接継手の溶接止端部近傍における溶接金属部および/または溶接熱影響部に形成されることを特徴とする請求項1に記載の表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法。
- 前記振動端子が棒状であり、該棒の先端部の断面積が0.01mm2以上、100mm2以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表層部を微細結晶化させた金属製品の製造方法。
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- 2004-04-09 JP JP2004114998A patent/JP2005298879A/ja active Pending
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