JP3879059B2 - ナノ結晶構造金属材料の製造方法及びナノ結晶構造金属材料 - Google Patents

ナノ結晶構造金属材料の製造方法及びナノ結晶構造金属材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面層にナノ結晶構造を有する金属材料の製造方法及び表面層にナノ結晶構造を有するナノ結晶構造金属材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属材料の結晶組織を制御し、材料にさまざまな優れた性質を与える方法は、従来広く用いられてきたものである。これまで結晶組織の制御に新しいプロセスが導入される毎に、優れた材料が次々と生み出されており、今後もさらに新しいプロセスを工夫して導入することにより、一段と優れた材料を生み出す可能性を秘めている。
【0003】
近年では、金属材料の結晶組織をナノメータ(nm、10−9m)を単位として用いるのが適当なサイズ、例えば100nm以下に微細化した、いわゆるナノ結晶組織を得ることにより、従来には得られなかった優れた性質、例えば超高強度などが見出されている。ナノ結晶組織を持つ金属材料を得る方法としては、金属材料を一旦アモルファス状態にし、このアモルファス状態からの結晶化を行なってナノ結晶組織を得る方法が知られている。
【0004】
金属材料をアモルファス状態にする方法としては、金属材料の溶融液を高速急冷する方法やスパッタ製膜などの方法が用いられる。金属原子の配列をアモルファスの状態にすると、結晶状態の金属では得られない特異な性質が得られ、高強度、耐食性、高透磁率などの優れた性質を有する金属材料を得ることができることが知られている。このアモルファス状態の金属材料を低温で熱処理することによって、ナノメータ(nm、10−9m)サイズの微細な結晶、即ちナノ結晶を析出させることができ、こうすることによってアモルファス金属よりもさらに優れた性質、例えば高強度を示す金属材料や、磁気特性の優れた金属磁性材料(例えば特開平1−110707号公報または特許第1944370号公報参照)などが得られる。
【0005】
このように、金属材料をアモルファスの状態にし、次いで低温熱処理を行ってナノ結晶を析出させる方法は、従来の方法では得られなかった優れた性質や機能を金属材料に付与できる方法として注目すべきものである。しかしながら、この方法を用いて金属材料を実用に供するにあたっては、以下に述べるような解決を要する課題がある。
【0006】
まず、金属材料のアモルファス状態を得る方法として、上記した金属材料の溶融液の高速急冷やスパッタ製膜などの方法があるが、これらの方法は高速急冷の方法や膜形成の方法によるものであるため、広く一般の形状の成形体や構造物をこの方法で得るには、その形状や寸法などに大きな制約がある。
【0007】
また金属材料をアモルファス状態にし、これにナノ結晶を析出させる方法としては、上記した方法のほかに、次のような方法が知られている。すなわち、金属材料の粉末をボールミルなどで処理し、材料表面層に強加工を施すことにより、材料をアモルファス化し、次にこの材料を熱処理することによって、ナノ結晶の析出した金属粉末を得るものである。このようにして作製された金属粉末は、そのままアモルファス金属の合金粉末として用いるだけでなく、加圧成形して広く一般の形状の成形体や構造物として使用できることが望ましい。この目的で十分な強度を有する成形体を得るためには、この粉末を高温で加圧成形したり、あるいはこの成形体に溶接を行って、所定の構造物を製作することが必要となる。
【0008】
ところが、アモルファス金属の合金粉末をこのような高温の工程を経過させると、粉末のナノ結晶構造は消失し、大きな結晶組織に変化してしまう。このため、ナノ結晶を析出させた金属粉末からはナノ結晶組織の特徴を生かした成形体や構造物を得ることが困難であるという問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで金属材料の成形体や構造物に対してナノ結晶構造の形成を可能にする、従来の方法とは別の新しい方法が開発されることが望まれる。また金属材料にナノ結晶構造を形成することができた場合には、その加工条件が制約されることから、その対策が望まれる。これは材料がナノ結晶構造化された場合に、これに加工を施すことにより、ナノ結晶を消失させてしまうなどして、その優れた性質や機能を損ねてしまう可能性が高いからである。例えば材料がナノ結晶構造化され高強度になると、加工自体が困難になるほか、例え加工ができたとしてもこの加工によって材料強度を低下させてしまうことが多い。従ってナノ材料に結晶構造を持たせるにあたっては、加工が制約されるという点に対し、対策が必要である。
【0010】
本発明はこうした従来技術の問題点を解決し、ナノ結晶組織を有する金属材料の新規な製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、金属材料の表面層にショットピーニングなどの冷間加工を行って、表面層を強加工し、続いてこの金属材料を低温で熱処理することにより、表面層にナノ結晶を析出させることができることを見出し、これについて研究を重ねた結果、本発明をなすに至ったものである。
【0012】
本発明のナノ結晶構造金属材料の製造方法は、金属材料成形体または構造物の表面層を超音波ショットピーニング処理しアモルファス状態を得る超音波ショットピーニング工程と、この超音波ショットピーニングされた金属材料の表面層を前記金属材料の融点の絶対温度Tに対し0.5T以下の絶対温度下で熱処理することにより1nm以上100nm以下のナノ結晶を析出させナノ結晶構造を有する表面層を得るナノ結晶析出工程とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
本発明において冷間加工による強加工は、冷間で金属材料表面層の結晶配列を十分に乱すものであって、その具体的手段としては後に詳細に記した各手段を用いることができる。
【0014】
また本発明において上記表面層の冷間強加工後の低温熱処理は、処理された金属表面層の原子が大きくは移動しない温度で熱処理することにより、ナノ結晶を生成させるとともに、表面を安定化させるもので、その温度や時間などの条件については、対象となる金属材料および冷間強加工の条件に対し、適切な処理条件を適宜選択すればよい。その温度条件としては、Tを絶対温度で表した融点として、通常の再結晶温度として0.5T以下の温度を選択し、また処理温度が低温の場合ほど長時間の処理を行えばよい。例えば純アルミニウムでは、温度が室温(約20℃、293K)ないし70℃(343K)で、処理時間は1分ないし5時間である。このとき、温度と時間を変えることにより、ナノ結晶のサイズを制御することが可能となる。こうした条件よりも熱処理温度が低温度であったり、熱処理時間が短か過ぎると、ナノ結晶化が十分でなく、また金属表面層の安定化得られないし、こうした条件よりも熱処理温度が高温度であると、析出する結晶が成長しナノ結晶組織が得られない。
【0015】
本発明においてナノ結晶はナノメータサイズ、即ち10−9mサイズの微細な結晶であり、その粒子径の具体的な範囲は、その示す性質から1〜100nm、より好ましくは3〜30nmである。
【0016】
本発明によれば、加工後に金属材料の表面層をナノ結晶構造処理することができるので、ナノ結晶構造処理の後の加工を省くことができるので、加工によってナノ結晶構造が乱されたり消失したりするのを未然に防ぐことができる。そして各種金属部品や構造物を高強度化したり、磁性を制御したりすることができ、金属材料表面層を高機能化することができる。
【0017】
本発明のナノ結晶構造金属材料の製造方法においては、金属材料の表面層が強加工された状態が、アモルファス状態であることが好ましい。
【0018】
本発明において、金属材料の表面層が強加工された状態は、アモルファス状態に限定され.るものではないが、アモルファス状態にすることにより、金属材料の組織の均一性を高め、ナノ結晶生成の均一析出が容易になる。
【0019】
また本発明のナノ結晶構造金属材料の製造方法において、金属材料表面層の冷間強加工工程としては、各種の冷間熱処理方法が利用できるが、その中でもショットピーニングによる処理が特に好ましい。ショットピーニングによれば、数多くの小粒子が金属材料表面に衝突して、一様に強加工処理され、ナノ結晶粒子の析出に適した金属表面を得ることができる。
【0020】
ショットピーニングにおける放射粒子の加速方法としては、従来より用いられている方法のほか、超音波振動による加速を用いることができる。超音波振動による放射粒子の加速方法を用いれば、加速エネルギーが精密に制御でき、過度の衝撃を与えることなく、一様に強加工処理された金属材料表面を得ることができる。従って例えば微小な金属部品表面の強加工処理に用いることができる。
【0021】
また本発明のナノ結晶構造金属材料の製造方法において、金属材料表面層の強加工工程が、メカニカルアロイングを伴うものであってもよい。
【0022】
このために、金属表面の強加工を行なうためのショットピーニング粒子などの処理媒体の材料組成の選択や、強加工を行なう環境のガス組成の選択を行なうことができる。
【0023】
このようにして、金属材料表面層の強加工工程において、メカニカルアロイングを伴うようにすれば、金属材料表面のナノ結晶構造にさまざまな機能を付与することができる。
【0024】
また本発明のナノ結晶構造金属材料の製造方法において、低温で熱処理してナノ結晶を析出させる工程が、アモルファス相とナノ結晶相とを共存させた状態にするものであってもよい。アモルファス相とナノ結晶相とを共存させることにより、アモルファス相のみ、あるいはナノ結晶相のみの場合とは異なる機能を持たせることができる。例えばアモルファス相とナノ結晶相とを共存させることにより、アモルファス相単独、あるいはナノ結晶相単独の場合よりも高い強度を得ることが可能である。
【0025】
また本発明のナノ結晶構造金属材料の製造方法においては、金属材料表面層の冷間加工工程を脱酸素下で行うことができる。脱酸素下で行なうことにより、処理される金属材料表面の不要な酸化を防ぐことができる。
【0026】
さらに本発明のナノ結晶構造金属材料の製造方法は、アルミニウムまたはアルミニウム合金に適用することができる。軽量のアルミニウムまたはアルミニウム合金にナノ結晶構造を付与することによって、高強度化でき、軽量で高強度のアルミニウムあるいはアルミニウム合金を得ることができ、幅広い応用が可能である。
【0027】
本発明のナノ結晶構造金属は、成形加工後の金属材料の表面層を超音波ショットピーニングしアモルファス状態を得た後、この金属材料の融点の絶対温度Tに対し0.5T以下の絶対温度下で熱処理することにより1nm以上100nm以下のナノ結晶を析出させて得られるナノ結晶構造を表面層に有することを特徴とするものである。
【0028】
材料の表面層をナノ結晶構造にすることにより、材料にいろいろな機能を付与することができる。例えば材料の表面層をナノ結晶構造にすることにより、材料を高強度化することができる。これは材料に加わる外力か、その表面層に加わるため、表面層を強化しておくことが有効であり、また外から加わる曲げ応力に対しても、表面層において応力が最大となることからも、表面層の強化が材料の強化に有効であるからである。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に、図を用い、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
【0030】
図1は、本発明のナノ結晶構造金属材料の製造方法における主要な工程を示した流れ図である。図1において、金属素材11は、成形・加工工程12にて、鋳造、鍛造、研磨、熱処理などの所要の加工をまず行う。
【0031】
この加工工程12の後に、表面層冷間加工工程13にて、ショットピーニングなどの表面層に対する冷間の強加工処理を行い、表面層を強加工の状態にする。この金属材料表面層の強加工の状態は、長周期の原子配列を持たないアモルファスの状態が好ましいが、アモルファス状態に限らず、金属材料結晶の原子配列が十分に乱され、結晶としての性質を失った状態であればよく、例えば転位が移動できない程度に原子配列が乱された状態であればよい。
【0032】
上記金属材料表面層の強加工の後に、低温熱処理工程14にて、低温の熱処理を用い、強加工された表面層にナノ結晶を生成させる。こうすることにより、表面層にナノ結晶構造を形成して、ナノ結晶構造を保有するナノ結晶化成形体や構造物15を得ることができる。
【0033】
本発明において、金属材料の表面層を冷間加工して強加工の状態にする方法としては、ショットピーニングが特に適している。図2はショットピーニングの一実施形態を模式的に示した図である。図2において、図示していない加圧ガス供給源からガス配管21を経て絞り弁22を介してガス加圧された加圧容器23に貯えられた小粒子24を、その供給口25からガス流に乗せてパイプ26に供給し、このパイプ26に接続されたノズル27から噴射し、これを金属材料28の表面に放射することにより、この表面層を冷間加工するものである。ここで用いるガス流は、ガス配管21により絞り弁29を介して供給されるものが用いられる。
【0034】
ショットピーニングに用いる小粒子24の材料組成は、小粒子の衝突で金属材料表面に適切な衝撃力が与えられるように、小粒子の硬度や比重を考慮して選択される。その材料としては、金属合金のほか、酸化物、窒化物、ホウ化物、その他の金属間化合物など、幅広い材料から選択することがができる。また冷間処理される金属材料と小粒子の構成成分との間のメカニカルアロイングの効果を考慮して小粒子の材料組成を選択することができる。
【0035】
またショットピーニングに用いる小粒子24の形状は、金属材料の表面層に塑性変形を与えても傷をつけたり損傷を与えたりしないという観点から、球状あるいは滑らかな表面形状を持つものが好ましく用いられる。
【0036】
またショットピーニングに用いる小粒子24のサイズとしては、加速に適した大きさであって、加速した小粒子の衝突によって金属材料の表面層に塑性変形を与えて原子の結晶配列を乱すことにより、アモルファス化するのに適した大きさを選べばよい。
【0037】
金属材料の表面に投射するショットピーニング粒子の運動量や運動エネルギーの大きさとしては、粒子が金属材料の表面に衝突して塑性変形により結晶配列を乱すことができる大きさを必要とし、他方で粒子が金属材料の表面に衝突しても割れなどの破壊現象が発生しない範囲であることが好ましい。ショットピーニング粒子の運動量や運動エネルギーの大きさとしては、このような範囲の値をピーニング処理される金属材料の性質に応じて適宜選択すればよい。
【0038】
こうしたショットピーニングを用いれば、製品の表面形状が複雑なものであっても、これに小粒子を放射することによって、その表面層を冷間加工することが可能である。
【0039】
ショットピーニングを行う際の粒子の加速方法としては、上記のガス流を用いてノズルから噴射する方法のほか、インペラーなど回転を用い遠心力によって小粒子を加速する方法や、後に実施例で述べるような超音波加振装置を用いて小粒子の加速を行う方法などを用いることができる。
【0040】
ガス流を用いてノズルから噴射する方法やインペラーなどの回転を用い遠心力による小粒子の加速を用いる方法を用いたショットピーニングを用いれば、比較的大きな金属材料であっても処理が可能であり、他方で超音波加振装置を用いて小粒子の加速を行う方法によれば、微小形状の金属材料の成形体の表面層を精密にショットピーニング処理することができる。このようにして、冷間強加工する対象に応じて、さまざまのショットピーニング方法を選択して用いることができる。
【0041】
また本発明において、金属材料の表面層を冷間加工により、強加工状態を得る工程には、ショットピーニングだけでなく、他の方法を用いることができる。例えば金属材料表面層の冷間加工により強加工状態を得る工程として、ハンマーで打つことによって加圧し、塑性変形を起こす方法を用いてもよい。この場合にハンマーが金属材料表面を打つときのハンマーの面を微細な凹凸を有する面にしておき、ハンマーで打つことによって、粒子のショットピーニング放射を受けた場合と同様な応力が加わるようにし、さらにこのハンマー打ちを金属材料表面上で掃引し、金属材料表面の所定の個所を一様に強加工するようにすることができる。
【0042】
本発明において、金属材料の表面層を加工して強加工する工程は冷間で行う。この強加工の工程を冷間でなく再結晶化温度やそれ以上の温度で行うと、強加工によって結晶配列の失われた層の再結晶化が急速に進み、粒子サイズの大きな結晶が生じるため、ナノ結晶組織を得ることが困難である。従って冷間処理の温度は金属材料の再結晶温度よりも十分に低い温度であることが必要である。
【0043】
この冷間の強加工では、発熱が伴う。そこで例えば必要に応じ冷間加工時に金属材料に対して冷却を行うなどして、発熱によって金属材料の表面層が再結晶温度に近づかないようにすることができる。
【0044】
本発明のナノ結晶構造金属材料の製造方法においては、冷間処理を行って、まず金属の表面付近を強加工の状態にする。ここで冷間処理による金属表面付近の強加工の状態としては、先にも述べたように、金属材料結晶の原子配列が十分に乱された状態であって、例えば転位が移動できない程度に原子配列が乱された状態であればよい。長周期の原子配列を持たないアモルファスの状態はその好ましい状態であるといえる。
【0045】
強加工した金属材料の表面層を再結晶化処理してナノ結晶を析出させる工程は、結晶粒が大きく成長しない低温度の熱処理を用いる。熱処理温度として、材料が実際に使用される環境温度よりも高い温度を選び、十分な時間をかけて処理すれば、安定なナノ結晶構造材料を得ることができる。
【0046】
本発明において、ナノ結晶構造を構成する結晶粒子の径は、金属材料の組成や目的に応じ、適宜選択することができるが、平均径100nm以下、1nm以上が好ましい範囲である。例えばアルミ合金の強度の向上を目的とする場合には、ナノ結晶粒子の径としては100nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることがさらに好ましい。
【0047】
強加工した金属材料の表面層を再結晶化処理してナノ結晶を析出させる工程においては、強加工状態相を残さずにナノ結晶を析出させることもできるし、また強加工状態相、例えばアモルファス相とナノ結晶相とを共存させるようにすることもできる。アモルファス相とナノ結晶相とを共存させることによって、材料の強度を高め、また耐食性を高く保つことが可能である。この場合にナノ結晶構造の効果を得るために結晶相とアモルファス相の体積比は15対85以上であることが好まく、また上述のナノ結晶相とアモルファス相との共存の効果を得るために、結晶相とアモルファス相の体積比は80対20以下であることが好ましい。
【0048】
本発明のナノ結晶構造金属材料の製造方法においては、金属材料表面層の冷間加工工程が、メカニカルアロイングを伴うようにすることができる。例えば冷間加工をショットビーニングで行なう場合に、放射した粒子が金属材料表面層に衝突して金属材料表面層をアモルファス化するとともに、金属材料表面層で粒子の一部と金属材料表面層とが互いに塑性変形してこれらの間のメカニカルアロイングを生じるようにすることができる。このために放射する粒子の材料組成を選んで用い、メカニカルアロイングを伴ったアモルファス状態の金属材料の表面層をナノ結晶構造にすることにより、所望の合金組成のナノ結晶組織を得たり、あるいはナノ結晶の周囲に所望の組成を持たせたりすることができる。例えばアルミニウムを主成分とする金属材料に対するショットピーニング粒子として、マクネシウム合金を用いることにより、アルミニウムを主成分とする金属材料の表面層を、マグネシウムを含有するアルミニウム合金組成にすることが可能である。
【0049】
またメカニカルアロイングとしては、ショットピーニング粒子の成分と金属材料とが合金化するだけでなく、ショットピーニングを行う際に用いるガスと金属材料との合金化を行うことができる。例えば金属材料の鉄合金に対し、ショットピーニング時に窒素ガスを用い、窒素ガスを鉄合金の表面層に含有させ、これを低温熱処理することにより、例えば磁気特性を制御するなど、表面層のナノ結晶構造の特性制御が可能である。
【0050】
このようにして、金属材料表面層の冷間加工工程においてアモルファス化と同時にメカニカルアロイングを生じるようにすることによって、さらに優れた特性を持つナノ結晶構造合金を得ることができる。
【0051】
本発明のナノ結晶構造金属材料の製造方法は、各種の金属材料に幅広く適用することができる。特に、本発明のナノ結晶構造金属材料の製造方法をアルミニウムなどの軽合金に適用すれば、軽量かつ高強度の金属材料を得ることができる点で、大きな利点がある。
【0052】
本発明によれば、材料の鋳造、研削、研磨、溶接などによる材料の成形を終えた段階で、その材料の表面層を強加工し、低温熱処理を行って表面層をナノ結晶構造にすることにより、強化することができる。このため、材料にナノ結晶構造を保有させた後には加工を行なわないようにすることができるので、加工によってナノ結晶構造を損なうおそれがない。また材料が強化される前に加工を行うので、その加工が概ね容易であるという利点がある。
【0053】
材料に加わる外力は、その表面層に加わるので、表面層を強化しておくことが有効である。また外から加わる曲げ応力に対しても、表面層において応力が最大となることから、表面層の強化が有効である。従って材料を高強度にするためには、材料にナノ結晶構造を保有させることが有効であり、その場合に、材料全体にナノ結晶構造をもたせるほかに、本発明の方法によって材料の表面層をナノ結晶構造にすることにより、高強度を得ることができる。
【0054】
本発明のナノ結晶構造金属材料の製造方法によれば、表面層をナノ結晶構造にすることによって高強度化して外からの応力に耐えるようにし、他方でその内部を通常の金属材料の状態にして靭性を維持しておくことができ、高強度と高靭性を兼ね備えた金属材料を得ることができる。また金属材料の表面層は外部の環境にさらされることから、処理によって高強度と良好な耐環境性を付与しておくことが好ましい。
【0055】
本発明において、金属材料表面層の冷間加工による強加工は、例えば減圧下、あるいは窒素や稀ガスなどの不活性ガス下など、脱酸素下で行うことができる。このようにすれば、冷間加工時の不必要な表面層の酸化を防止し、表面層の状態を制御するのが容易になる。またすでに述べたように、ここで用いるガスを金属材料表面層とメカニカルアロイングさせることもできる。
【0056】
このように、本発明の製造方法によれば、構造物や製品の成形を終えた段階で、表面層にナノ結晶構造を保有させる処理をすることにより、その表面層を高強度化できるほか、磁気特性を制御するなどの高機能化が可能である。成形加工は処理前の加工性のよい状態で行うことができ、精密加工も困難なく行うことができるので、例えば表面層が強化された各種の金属材料成形体を比較的容易な工程により製造することができる。このほか、金属材料の表面層にナノ結晶構造を保有させたり、これにメカニカルアロイングを加えた処理を行って、高強度化のほか、原子の拡散を抑えて金属材料表面層を安定化するなど、さまざまに金属材料表面層を高機能化することができる。
【0057】
また本発明の製造方法により、アルミ合金などの軽金属を簡便な方法で高強度化することができるので、軽量かつ高機能な航空機部品や自動車部品の製造が可能であり、また義手や義足などの軽量で高強度の医療器具の製造が容易である。
【0058】
さらに本発明のナノ結晶構造金属材料の製造方法によれば、金属材料の高強度と耐疲労度を高めることがでるので、光スイッチなどの耐久性に優れる高速・大容量情報デバイスの金属部品の製造が可能である。
【0059】
(実施例)
室温、真空中にて、粒子加速に超音波を用い、金属材料に対し、ショットピーニングを行って強加工状態にした後、低温熱処理を行って表面層にナノ結晶構造を有する金属材料を得た。
【0060】
図3(A)は本実施例におけるショットピーニングを模式的に示した図である。図3(A)において、超音波振動子31によって加振された超音波振動板32で球状の小粒子33を加速し、金属材料試料34の表面に照射した。なお、このショットピーニング装置全体を真空容器35中に収容し、この真空容器35内を真空ポンプにて10−1Paまで減圧した上で、ショットピーニングを行った。
【0061】
本実施例において、超音波振動子31は周波数28kHz、10Wの出力で超音波振動板32を加振し、これによってショットピーニング用小粒子33を加速した。このショットピーニング用小粒子33には、直径が約0.75mmで重量が約7mgのサファイア球47個を用いた。この小粒子によるショットピーニング処理対象の金属材料試料34としてはアルミ板を選び、直径30mmの範囲に小粒子を放射した。
【0062】
超音波振動の条件設定には圧電素子を用いた音響センサを使用した。この音響センサをアルミ板試料34に取り付けてアコ−スティックエミッションを検出しながら、アルミ板試料34と超音波振動板32との距離を変化させ、アコースティックエミッションの最大になる距離が2mmであることを見出し、アルミ板試料34と超音波振動板32との距離をこの距離に固定し、この条件でショットピーニングを1時間行った。
【0063】
このショットピーニングの後、試料表面層部を透過型電子顕微鏡で観察したところ、処理を行ったアルミ板の表面層36の約10μmがアモルファス化していた。
【0064】
次にこの材料を50℃にて1時間の低温熱処理を行った。この低温熱処理の後、表面層の透過電子顕微鏡観察を行った結果、図3(B)に模式的に示したように、表面層36の約10μmに、数10nmのナノ結晶が、処理面の全面に均一に析出していることが確認された。
【0065】
図4は本実施例におけるショットピーニングと低温熱処理前後の透過電子顕微鏡による組織観察の結果を模式的に示したものである。ショットピーニングを行なう前のアルミ板母材の表面層41には大きな結晶組織411がみられたが、ショットピーニングの後のアルミ板の表面層42には、アルミ板母材表面層の大きな結晶組織による原子配列が大きく乱されて、多くの転位421が無秩序に発生した状態となっていた。これを低温熱処理した後のアルミ板表面層43には、ナノ結晶431の組織が処理面の全面に均一に形成されていることがわかった。
【0066】
【発明の効果】
本発明のナノ結晶構造金属材料の製造方法により、形状加工後の金属材料の表面層をナノ結晶構造処理することができるようになった。この結果、各種金属部品や構造物を高強度化したり、磁性を制御したりすることができ、金属材料表面層の高機能化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のナノ結晶構造金属材料の製造方法における主要な工程を示した流れ図である。
【図2】 本発明のナノ結晶構造金属材料の製造方法における表面層冷間加工工程であるショットピーニングの一実施形態を模式的に示した図である。
【図3】 本発明のナノ結晶構造金属材料の製造方法の実施例におけるショットピーニングの工程を模式的に示した図である。
【図4】 本発明のナノ結晶構造金属材料の製造方法の実施例における各工程前後の透過電子顕微鏡による組織観察の結果を模式的に示した図である。
【符号の説明】
11……金属素材、12……成形・加工工程、13……表面層冷間加工工程、14……低温熱処理工程、15……ナノ結晶構造化成形体・構造物、21……ガス配管、22,29……絞り弁、23……加圧容器、24……小粒子、25……供給口、26……パイプ、27……ノズル、28……金属材料、31……超音波振動子、32……超音波振動板、33……小粒子、34……アルミニウム材、35……真空容器、36……表面層、41……アルミ板母材の表面層、411……大きな結晶組織、42……ショットピーニング後のアルミ板の表面層、421……転位、43……低温熱処理後のアルミ板表面層、431……ナノ結晶。

Claims (6)

  1. 金属材料成形体または構造物の表面層を超音波ショットピーニング処理しアモルファス状態を得る超音波ショットピーニング工程と、
    前記超音波ショットピーニングされた金属材料の表面層を前記金属材料の融点の絶対温度Tに対し0.5T以下の絶対温度下で熱処理することにより1nm以上100nm以下のナノ結晶を析出させナノ結晶構造を有する表面層を得るナノ結晶析出工程と
    を備えたことを特徴とするナノ結晶構造金属材料の製造方法。
  2. 前記金属材料成形体または構造物の表面層の超音波ショットピーニング工程が、前記金属材料表面層と超音波ショットピーニング粒子または前記金属材料表面層と超音波ショットピーニングを行なう際に用いるガスとの間で塑性変形による合金化を伴うものであることを特徴とする請求項1記載のナノ結晶構造金属材料の製造方法。
  3. 前記金属材料成形体または構造物の表面層の超音波ショットピーニング工程を、脱酸素下で行なうことを特徴とする請求項1または2記載のナノ結晶構造金属材料の製造方法。
  4. 前記低温で熱処理してナノ結晶を析出させる工程が、アモルファス相とナノ結晶相との体積比で15対85から80対20までの範囲でアモルファス相とナノ結晶相とを共存させるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のナノ結晶構造金属材料の製造方法。
  5. 前記金属材料成形体または構造物が、アルミニウムまたはアルミニウム合金であり、前記金属材料の表面にナノ結晶を析出させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のナノ結晶構造金属材料の製造方法。
  6. 成形加工後の金属材料の表面層を超音波ショットピーニングしアモルファス状態を得た後、前記金属材料の融点の絶対温度Tに対し0.5T以下の絶対温度下で熱処理することにより1nm以上100nm以下のナノ結晶を析出させて得られるナノ結晶構造を表面層に有することを特徴とするナノ結晶構造金属材料。
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