JP5240253B2 - エレベータの管制運転装置 - Google Patents
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Description
図1はこの発明の実施の形態1におけるエレベータのロープ横揺れ検出装置を用いたエレベータの制御装置を示すブロック構成図、図2はこの発明の実施の形態1において用いられるエレベータのロープ横揺れ検出装置の基本原理である建物のゆっくりした横揺れで生じるロープの横揺れを示す説明図、図3はこの発明の実施の形態1において用いられるエレベータのロープ横揺れ検出装置の基本原理である建物変位とロープ横振幅との関係を示す説明図、図4は建物振幅一定の場合における建物変位の包絡線とロープ横振幅の関係を示す説明図、図5は時間とともに変動する建物振幅における建物変位の包絡線とロープ横振幅の関係を示す説明図、図6はこの発明の実施の形態1におけるエレベータのロープ横揺れ検出装置を用いたエレベータの管制運転装置の管制運転のレベル値を算出する過程を示すブロック図、図7はこの発明の実施の形態1におけるエレベータのロープ横揺れ検出装置を用いたエレベータの管制運転装置の管制運転例を説明するためのフローチャートである。
図2において、12は建物に設けられた昇降路、13はエレベータのかご、14はエレベータ機械室に設けられた巻上機、15は巻上機14に巻き掛けられた主ロープで、かご13と釣合いおもり(図示せず)を連結する。16は釣合いロープで、かご13と釣合いおもり(図示せず)を連結する。17はガバナロープ、18は制御ケーブルである。
長周期地震あるいは強風時の建物揺れは、図2に示すように、ほぼ建物の1次固有振動モードでの揺れとなる。そして、その振幅は、建物の揺れる周期に比べて十分ゆっくりと変化する。そこで、建物は一定振幅の正弦波振動であると仮定して、建物の揺れにより生じるロープの横振動(揺れ)を求める。ここで、ロープ横振動は、減衰のない弦振動と考
ここで、変数の定義は以下に示す通りである。
端点位置での重み付けである。
以上より、(6)式あるいは(8)式を用いて、ロープの横振幅を求めることができる。こうして得られたロープ横振幅を用いることにより、図1に示すエレベータのロープ横揺れ検出装置を用いた制御装置の構成で、図7に示す管制運転を行うことができる。
もし、エレベータが走行中の場合は(ステップS8)、最寄階に停止し(ステップS9)、ドアを開き乗客を降車させる動作を実施する(ステップS10)。ステップS11で
は、ロープ横振幅(揺れ)が増大することはないため、最寄階停止を継続する。あるいは、より安全な状態とするために、予め設定しておいた退避階に移動し停止しても良い。この場合、地震が収まり、ロープ横揺れが走行に支障のないレベルまで小さくなったことを確認できれば、一定時間後に通常走行状態に自動復帰する(ステップS12)。
一方、ステップS11で最寄階において、ロープと建物が共振する場合((1)式で
走行可能と判断し、ロープの横振幅が増大しないように、低速で退避階に移動し、退避階で自動復帰する(ステップS15→ステップS16→ステップS18)。エレベータが停止中の場合は、ドアを開けて乗客を降車させる動作を実施後、走行中の場合と同様の処理を行う。
ープの揺れにより走行するのは危険と判断し、退避運転は行わずにレベル2に移行する。この場合、自動復帰は行わず、点検運転実施後に手動復帰とする(ステップS14)。なお
方向に動いていることから、ロープ振幅は増大しないと判断できる。そこで、退避運転を継続し、退避階で停止した後、自動復帰する。
ステップS16)、ロープの横振幅が大きく、走行するのは危険と判断して退避運転を中止して非常停止する。この場合は、点検運転実施後に手動復帰とする(ステップS17)。また、レベル3動作により階床間で停止し、もしかご内に乗客が取り残されている場合は、通常の地震管制運転において、高感知器が急行ゾーンで動作するのと同じ処理とする。すなわち、非常停止後、管理人室に通報し、かご内ボタンを押すことにより、低速運転で最寄階まで移動する。この場合、かごは退避階に近付く方向の最寄階に移動する。
最寄階あるいは退避階で停止した状態から、自動復帰するまでの時間を設定するために、エレベータ停止後はレベル0の監視モードに移行する。レベル0解除になった段階で、
揺れは収まったと考えられるため、自動復帰する。もし、タイマカウント中に、再びレベ
上記のレベル2、レベル3動作で点検運転実施後に手動復帰としているが、これを、自動点検を実施し、異常が検知されなければ自動復帰するように変更しても良い。
以上の構成により、建物の変位あるいは加速度情報とかご位置情報から、ロープの横振幅(揺れ)量を推定し、この値に応じてロープの横振幅(揺れ)を抑えるための退避運転を安全に行うことができる。これにより、ロープの横振幅(揺れ)によるエレベータ機器の損傷を防ぐとともに、早期に通常運転に復帰することができる。
図8はこの発明の実施の形態2において用いられるエレベータのロープ横揺れ検出装置によるロープが共振するかご位置を示す説明図である。図中、12は昇降路、13はかご、14は巻上機、15は主ロープ、16は釣合いロープ、17はガバナロープ、25は釣合いおもり、26は退避階である。また、27はかご側主ロープが共振するかご位置、28は釣合いおもり側主ロープが共振するかご位置、29は釣合いロープが共振するかご位置、30はガバナロープが共振するかご位置をそれぞれ示す。
昇降路12内には図8に示すように、主ロープ15、釣合ロープ16、ガバナロープ17などの複数のロープが存在する。それぞれのロープが建物振動と共振する位置は、ロープにかかる張力、ロープ長さ等によって決まるため、図8の斜線部で示すように、異なるかご位置となる。なお、図8(a)は、かご側主ロープが共振した場合の模式図、図8(b)は、ガバナロープが共振した場合の模式図である。これより、ロープ毎に、昇降路機器と接触するまでの接触限界距離dが異なることがわかる。
そのため、最も接触距離の短いロープ(例えば図8(b)のガバナロープ)を基準に、かご停止位置によらずに、一律にロープ揺れの許容推定量となるレベル値(L0〜L3)を設定すれば、最も安全な管制運転を実現できる。
しかしながら、この方法では、図8(a)の場合に、図8(b)で決まる接触限界距離dに対しては、まだ余裕があるにも関わらず、管制運転に移行することになり、サービスの低下を招く。
そこで、実施の形態2では、各ロープで、許容できるロープの振幅量が異なることに着目し、対象ロープ毎に、ロープ横振動の推定値であるレベル値(L0〜L3)を変えるようにする。すなわち、かごが図8(b)で示す位置に停止している場合は、ガバナロープの接触限界距離dを元に、レベル値を決める。そのため、建物が揺れ始めた初期の段階から、エレベータは、管制運転を開始する。
一方、図8(a)で示す位置にかごが静止している場合は、かご側主ロープの接触限界距離dを元に、レベル値を決める。そのため、図8(b)のエレベータが管制運転に移行した後も、図8(a)のエレベータは、通常運転をしばらく継続した後、管制運転に移行する。
このように、かご位置によって共振するロープの種類が異なることを利用し、共振するロープの接触限界距離dを用いて、管制運転動作のレベル値を決定する。
これにより、かご位置毎に管制運転に移行するタイミングを変更されることになり、運転効率を落とすことなく、安全にエレベータを退避させることができる。
なお、各階毎に決まる接触限界距離dやレベル値(L0〜L3)は、図1の記憶装置3に、ロープ情報10として保存される。
Claims (5)
- 地震発生後、ロープ横揺れ量が第1の設定値を超えると判断し、次にエレベータが走行中と判断した場合は、最寄階に停止し、かごドアを開くとともに、
かごドアを開いた後、停止した最寄階においてロープと建物が共振すると判断し、かつロープ揺れ量が前記第1の設定値より高い第2の設定値を超えないと判断した場合は、設定した退避階への退避運転を開始する運転手段を備え、
前記運転手段は、退避運転の開始後にロープ揺れ量が前記第2の設定値を越えても退避運転を継続することを特徴とするエレベータの管制運転装置。 - 前記運転手段は、かごドアを開いた後、ロープ揺れ量が前記第2の設定値を超えたと判断し、その後、ロープ揺れ量が前記第1の設定値より低い第0の設定値を超えないと判断した場合は、通常運転に復帰することを特徴とする請求項1に記載のエレベータの管制運転装置。
- 前記運転手段は、かごドアを開いた後、ロープ揺れ量が前記第2の設定値を超えたと判断した場合は、退避運転を行わずに手動復帰することを特徴とする請求項1に記載のエレベータの管制運転装置。
- 前記運転手段は、かごドアを開いた後、ロープ揺れ量が前記第2の設定値を超えたと判断した場合は、退避運転を行わずに点検運転を実施後、手動復帰することを特徴とする請求項1に記載のエレベータの管制運転装置。
- 前記運転手段は、前記設定した退避階へ到着後、ロープ揺れ量が前記第1の設定値より低い第0の設定値を超えないと判断した場合は、通常運転に復帰することを特徴とする請求項1に記載のエレベータの管制運転装置。
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