JP5240003B2 - 単結晶引下げ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、所謂レーザ用光学素子、非線形光学素子、医療用シンチレータ、圧電素子、超磁歪素子、等に用いられる、酸化物、フッ化物、金属合金等の単結晶を製造する装置に関する。より詳細には、坩堝下端に設けられた孔より溶融材料を引き出しつつ所望の結晶材料を得る引下げ法、特に、ファイバー状単結晶を得る所謂マイクロ引下げ(μ-pD)法と称呼される単結晶製造方法に用いられる単結晶引下げ装置に関する。
加熱溶融された原材料を保持する坩堝の下端部に引き出し孔を形成し、当該孔から漏出する原材料融液に対して結晶核(以降シードと称する。)を接触させ、孔からの原材料の漏出に伴って該シードを引下げることにより、該シードを核として成長する単結晶を得る、所謂引下げ法(特許文献1〜3参照)が知られている。当該方法により得られる単結晶は、結晶径が従来から知られるCZ法に代表される所謂引き上げ法等により得られる単結晶と比較して得られる結晶の径はより小さくなる。しかし、結晶成長に要する時間が短く、且つCZ法と比較して安価に結晶性に優れた単結晶が得られる方法であるとして、現在実際の製造装置としてのハード面での改変、及び各種単結晶への適用の検討が為されている。
当該引下げ法において、より結晶性が高いファイバー状の結晶が得られ且つ結晶の成長速度を高く保てる方法として、所謂マイクロ引下げ法が存在する。当該方法を用いて、エキシマレーザ用の光学材料に使用されるフッ化カルシウム等のフッ化物単結晶、或いはアルミナ、カルシア等の酸化物単結晶、更には所謂ターフェノールDに例示される超磁歪材料向け単結晶の製造条件が検討されている。
特開2003−095783号公報 特開2006−206351号公報 特表2006−347789号公報
マイクロ引下げ方法は所謂高品位な単結晶が得られ、特許文献1に示すように坩堝に設けられた孔の形状を利用して該単結晶の形状制御を行う方法が知られている。また、原材料融液の孔からの好適な引き出し状態を得るために、該融液とこれが通過する坩堝孔を構成する材料との濡れ性を考慮することも知られている。このように坩堝材質を考慮することで好適な引き出し条件が得られる反面、坩堝に設けられた孔から溶融原材料を漏出される或いは引き出して単結晶を得ることから、該単結晶の表面状態に対して孔内部、或いは孔周囲の状態が影響を及ぼす可能性がある。このような影響により単結晶表面に凹凸等が形成された場合には、その表面に後加工を施して好適な表面状態を形成することが必要となる。しかしながら、得ようとする単結晶によってはこの後加工自体が困難になることがあり得る。また、このような後加工は、実際の使用に供せられる単結晶の小径化、当該後加工の存在による工程の増加、コストの上昇を招いてしまう。
本発明は以上の状況に鑑みて為されたものであり、ファイバー状単結晶の表面状態を好適に制御し得、後加工の必要性が無い単結晶の製造を可能とするマイクロ引下げ法用の単結晶製造装置の提供を目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係るファイバー状単結晶の製造装置は、高周波を導通可能な高融点材料からなり、内部に原材料融液を保持可能であって該原材料融液を内部より引出し可能な孔を底部に有する坩堝と、該坩堝を捲回して配置されて高周波を坩堝に対して放射する加熱コイルと、原材料融液が結晶化する際の結晶方位を定めるシードを保持し、坩堝の孔を通る所定の引下げ軸に沿ってシードを引き下げるシード保持具と、を有し、該孔の開口部における孔の周囲には、原材料融液が孔から引出される際の原材料融液の所定の引下げ軸に垂直な平面内での拡径挙動を抑制する挙動抑制部材が配置されること、を特徴としている。
なお、上述したファーバー状単結晶の引下げ装置において、該挙動抑制部材は、坩堝における孔が開口する端部から該開口を捲回すように坩堝より突出する鍔状部材であることが好ましい。この場合、該鍔状部材は坩堝と同一材料からなり、坩堝の一部分として形成されることが好ましい。更に、該鍔状部材は、突出方向の軸線と所定の引下げ軸とを含む平面での断面において、突出する先端部が頂部となる三角形状となることがより好ましい。或いは、該挙動抑制部材は、原材料融液に当接する坩堝の内面に対して、表面粗さを異ならせることによって構成されても良い。或いは、該挙動抑制部材は、原材料融液に当接する坩堝の内面の原材料融液に対する濡れ性と相反する濡れ性を有する部材から構成されることとしても良い。なお、前述したこれら挙動抑制部材は、ファイバー状結晶における結晶方位を特定可能なオリフラを形成するオリフラ形成部を有しても良い。或いは、該挙動抑制部材は、坩堝における孔が開口する端面の外周に沿って配置されることとしても良い。或いは、該挙動抑制部材は坩堝における孔の開口の内周に沿って配置されることとしても良い。更に、これら装置において、シード保持具の所定の引下げ軸に沿った可動域における上端部は坩堝の内部空間に位置することとするとより好ましい。
本発明によれば、表面状態が平滑且つ所望の形状を有するファイバー状単結晶を容易且つ確実に得ることが可能となる。より詳細には、本発明によれば、原材料融液の表面張力、或いは孔或いはその周辺において該原材料融液と接する坩堝等の表面材質と該前材料融液との濡れ性、に起因する該原材料融液の不安的な挙動を抑制することが可能となる。従って、このような不安的な挙動に起因するファイバー状単結晶表面の形状異常を抑制し、後加工を必要としない所望の形状に加工することが可能となる。
また、本発明によれば、孔の開口端の構成材料と原材料融液との濡れ性が大きい場合、該孔開口端での原材料融液の広がりを特定範囲で区画し、該孔開口端でのファイバー状単結晶の断面形状を規定することが可能となる。或いは、本発明によれば、孔の開口端の構成材料と原材料融液との濡れ性が小さい場合、該濡れ性の向上を行う等、原材料融液が該孔開口端で不安定な挙動を生じさせる可能性を抑制し、該孔開口端でのファイバー状単結晶の断面形状を規定することが可能となる。具体的には、開口端に対して、開口内周側に断面が下方に凸の三角錐の所謂内側鍔部を形成することにより、開口端から突出した原材料融液に対する所謂はじきの効果を抑制することを可能としている。また、同時に、自己発熱型の坩堝による加熱の程度を該内側鍔部において抑制して粘度低下に伴う濡れ性の低下という効果を得ている。これにより、開口端を出た原材料融液に対する坩堝からのはじきの影響を抑制して、所望の形状のファイバー状単結晶を得ることを可能としている。また、本発明によれば、孔開口端の周囲において表面粗さの異なる領域を設け、当該領域との孔の開口との境界において原材料融液と坩堝等の材質との濡れ性を物理的に異ならせても良い。即ち、濡れ性を物理的な手法により制御して原材料融液のメニスカスを安定化し、該孔開口端での原材料融液の不要な広がりを防止して、これによりファイバー状単結晶の断面形状の安定化するという効果が得られる。これら効果を更に好適に利用することによって、単結晶生成時に例えば結晶方位等を示す所謂オリフラを同時形成行うことも可能となる。
また、本発明によれば、シードを原材料融液に接触させて引下げ工程を開始する所謂シードタッチに関して、そのタイミング等のシードタッチに関連する諸条件を一定にすることが可能となる。従って、原材料融液の孔開口端での挙動によって不均一になりがちであってシードタッチの条件を安定化させることが可能となる。特にシードタッチの際のシードと原材料融液の引下げ端部との位置関係を常に一定に保持することが可能となる。このため、従来目視が必須であったシードタッチ等の単結晶引下げ工程において求められる操作を自動化することが可能となり、ファイバー状単結晶製造装置としての実用性が大幅に高められる。また、シードタッチの条件が安定化すること、及び上述したファイバー状単結晶の表面状態が改善されるということとにより、成長開始の初期領域から実用に耐え得るファイバー単結晶が得られる。従って、原材料の有効活用が為され、単結晶製造装置としての生産性を向上することも可能となる。
従来構成である坩堝の下端部及び該坩堝から引下げられた単結晶の一部を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る、引下げ装置に供せられる坩堝の構造の主要部を図1と同様の様式にて示す図である。 図2Aに示す実施形態の変形例を示す図である。 図2Aに示す実施形態の他の変形例を示す図である。 図2Bに示す実施形態において、原材料融液の性質に応じた坩堝鍔部の第一の改変様式を示す図である。 図2Bに示す実施形態において、原材料融液の性質に応じた坩堝鍔部の第二の改変様式を示す図である。 図2Bに示す実施形態において、原材料融液の性質に応じた坩堝鍔部の第三の改変様式を示す図である。 図2Bに示す実施形態において、原材料融液の性質に応じた坩堝鍔部の第四の改変様式を示す図である。 従来構成である坩堝の下端部及び該坩堝から引下げられた単結晶の一部を模式的に示す図である。 本発明の第二の実施形態に係る、引下げ装置に供せられる坩堝の構造の主要部を図1と同様の様式にて示す図である。 図5Aに示す実施形態の変形例を示す図である。 図5Aに示す実施形態の他の変形例を示す図である。 図5に示す実施形態において坩堝と原材料融液との濡れ性が悪い場合に想定される状態を模式的に示す図である。 図6に示す状態の現出に対する対処方法を説明する図である。 図6に示す状態の現出に対する対処方法についてその手順の一を示す図である。 図6に示す状態の現出に対する対処方法についてその手順の二を示す図である。 断面三角形のファイバー状単結晶を得るための坩堝開口の形状を模式的に示す図である。 断面五角形のファイバー状単結晶を得るための坩堝開口の形状を模式的に示す図である。 断面六角形のファイバー状単結晶を得るための坩堝開口の形状を模式的に示す図である。 断面U字形状のファイバー状単結晶を得るための坩堝開口の形状を模式的に示す図である。 断面十字形状のファイバー状単結晶を得るための坩堝開口の形状を模式的に示す図である。 断面が角部を丸くした矩形状のファイバー状単結晶を得るための坩堝開口の形状を模式的に示す図である。 単一の操作により2本のファイバー状単結晶を得るための坩堝構成を下端部側から見た様式にて示す図である。 単一の操作により3本のファイバー状単結晶を得るための坩堝構成を下端部側から見た様式にて示す図である。 単一の操作により4本のファイバー状単結晶を得るための坩堝構成を下端部側から見た様式にて示す図である。 本発明の実施形態に係る、坩堝を搭載する引下げ装置について、該装置の主要構成を側面から見た状態での概略構成を示す図である。 本発明に係る引下げ装置の具体的構成について、該装置の主要部構成を示す側面図である。
本発明の一実施形態について、以下に図面を参照して説明する。なお、本発明の実施形態の説明に供する以下の図面では、本発明の特徴的構成である坩堝の底面近傍と該底面に設けられた開口から引き出される原材料融液の部分についてのみ抽出し且つこれを拡大して示す。図1は、本発明との比較として従来の坩堝とその下端部から引き出されて成長するファイバー状単結晶の軸方向断面を模式的に示す図であって、坩堝に対して濡れ性の大きい材料の引下げを実施した場合を示している。なお、本明細書において、原材料融液の雫を坩堝の孔開口部と同じ材質且つ表面状態からなる平板状の板材上に存在させた場合の所謂接触角について、当該接触角が90°以上となる場合を濡れ性の低い材料と定義し、90°未満となる場合を濡れ性の高い材料として述べることとする。
ここで、同図において、坩堝11の下端部には孔11aが設けられているが、図に示す形態では坩堝11の下端から孔部11aの開口領域に、引下げ時に単結晶の径を安定させるための円筒部11bが配置されている。なお、以下の図1〜図2Cに示す形態では、円柱状(所謂ファイバー状或いは棒状)の単結晶を得ることを目的として、孔11aが円筒内面から構成され且つ開口が円形状を有する場合を例示している。坩堝11の内部には溶融状態の原材料9、即ち原材料融液9が存在している。原材料融液9が濡れ性の大きい材料の場合、同図に模式的に示すように原材料融液9はその濡れ性の大きさゆえに円筒部11bの端面表面を伝い且つ外周表面を這い登るような事象を示す。単結晶部9aの成長部分9bの成長軸に垂直な断面の形状は、この這い登り部分の影響を受ける。このため、当該断面は円筒部11bの開口端部の面の形状、大きさを超えて拡大し、形状制御されていない這い上がり領域に準じた外形を形成することとなる。このため、当該構成より得られるファイバー状単結晶の外径を正確に、或いは再現性良く所望の形状とすることは容易ではない。
本発明では、このように単結晶の外径に影響を与える円筒部11bの孔11a周りの端面に対して、原材料融液の濡れ広がる領域を規制する構成を配している。より具体的な実施形態を図2Aに示す。なお、同実施形態及び図2B及び2Cに示す実施形態と同様に、同図2Aは図1と同様の様式にて、本発明の一実施形態である坩堝11の端部及び同端部から成長するファイバー状単結晶を示している。また、図1に示す構成と同様の構成要素については同じ参照符号を用いることとする。図2Aに示す坩堝11では、円筒部11bの開口端面に対して、該円筒部11bの軸に対して垂直な平面において端面外径を拡大させた所謂鍔状のフランジ部11cが配置されている。当該フランジ部11cの存在によって該円筒部11bを這い登る原材料融液の量は抑制され、これに伴って結晶外表面に影響し得る不安定に開口端近傍に存在する原材料融液が減少し、外表面の状態のよりファイバー状単結晶が得られる。
なお、当該フランジ部11cは、加工の容易性及びフランジ部の強度維持の観点において優れる。しかし、僅かであってもこのフランジ部11cの外周面を這い登る原材料融液が存在することから、外径制御の点ではやや劣る。即ち、這い登る原材料融液をほぼ無くすという観点からは、この外周面の存在自体を無くすることが好ましい。図2Bに示す実施形態は当該観点に立って構成されている。即ち、本実施形態では、軸方向に沿った断面において、断面が三角形となり外周が線状となるように該鍔部11dが形成されている。換言すれば、本形態では、円筒部11bの開口端面から軸方向に離れるに従って、外周径が減少するような様式にて、開口端面において最大の外周径を有する鍔部11dが形成されることとしている。本形態によれば、この外周径の減少率を適切に定めることによって円筒部11bを這い登る原材料融液をほぼ無くすことが可能となる。従って、結晶の外表面の状態が平滑であって且つ所望の外径を有、結晶品位に優れたファイバー状単結晶を安定的に得ることが可能となる。
図2A及び2Bに示す形態においては、開口端面の外周部に対して原材料融液の濡れ性に作用して物理的に融液の濡れ広がる領域を制御することによって結晶の高品位化を図っている。しかしながら、原材料融液の濡れ広がる範囲を制御する方法は当該様式に限らない。図2Cにこの濡れ広がる範囲を制御する他の形態を示す。図2Cに示す実施形態では、原材料融液が濡れ広がって問題になる領域、具体的には円筒部11bの外周面であって開口端面から繋がる領域に対して、原材料融液に対して濡れ性が劣るような材料のコーティング11eを施している。これにより、原材料融液9の円筒部11bの這い登りは抑制され、円筒部端面の外径に応じたファイバー状単結晶が得られる。なお、本形態では、原材料融液の濡れ広がりを避けたい領域にコーティング11eを施すこととしている。しかし、例えばこれら部材の表面に対して加工を施して、表面粗さを異ならせる等することによって、これら領域間に対して濡れ性の相違をもたらすこととしても良い。また、当該コーティング11e或いはこれに準ずる構造を、開口端面に配置することとしても良い。
ここで、鍔部11dの変形例について図面を参照して説明する。図3A〜3Dは、鍔部11dの三角形状の断面において原材料融液9が接触可能な辺と引下げ方向とのなす角を異ならせた場合を示している。なお、これら図中には図1等における円筒部11b及び鍔部11dに対応する構成のみについて、軸方向断面及びこれらを下方から見た平面状態を模式的に示しており、且つ角柱状のファイバー状単結晶の育成を目的とする坩堝11の一部を示している。濡れ性の大きい材料として、坩堝11の材質に対して、上述した接触角が90°以上の原材料融液9が考えられる。この場合、これら図中に示すように、鍔部11dを開口端面の外周側に配置し、且つ接触角が小さくなるに従って、図に示すなす角を大きくしていくことが好ましい。また、得られるファイバー状単結晶の成長軸に垂直な断面の形状は、これら図中における坩堝開口部を下方から見た状態の形状と一致する。
次に、ファイバー状単結晶の材料として、その融液が濡れ性の小さいものである場合、具体的には前述した接触角が90°以上となる場合に対する本発明の第二の実施形態について述べる。ここで、本実施形態について述べる前に、従来の坩堝を用いた場合のファイバー状単結晶の育成様式について説明する。なお、以下の図4〜図5Cに示す形態では、円柱状(所謂棒状或いはファイバー状)の単結晶を得ることを目的として、孔11aが円筒内周から構成され且つ開口が円形状を有する場合を例示している。また、以下に述べる図4、図5A、図5B及び図5Cについては、坩堝11及び原材料融液9等を図1と同様の様式にてこれら事例を示している。更に、図4には、比較参照のため、これまで最も多く用いられている上述した円筒部11bを有さない形状を示す。また、図1等に示した構成等と同一の構成に対しては、同一の参照符号を用いてこれら構成を示すこととする。濡れ性の小さな原材料融液9の場合、孔11aを通過する際に、原材料融液9に対しては孔11aの内壁より遠ざけられる力、所謂斥力が加えられる。孔11aの開口を出ることで原材料融液9に対するこの斥力は突然なくなる。このため、原材料融液9は開口の直上で働く斥力によって孔部11a内の原材料融液9の一部は、斥力の働かない開口外に押し出され、結果として単結晶部9aの外径を拡大させることとなる。即ち、粘性の低い原材料融液9の孔11aの通過はこの斥力によって一時的に加速された状態のようになる。この原材料融液9の流れは、下方で待つ単結晶部9a上端部によって孔11a通過の勢いがせき止められ、結果として単結晶部9aの上端部に原材料融液9が溜まった状態となってしまう。従って、この部分によって単結晶部9の外形等が律速されてしまうこととなる。また、該原材料融液における拡径した領域のすぐ上部に坩堝11の開口端面が存在することから、当該端面からも斥力を受ける。該拡径した領域は、この斥力によって潰されて該拡径部分を更に大きくしてしまう。この押し出される原材料融液9の量は、その濡れ性、孔部11aの内壁の状態、開口の角部の処理状態、引き出し速度等に影響され、これを詳細且つ結晶の全周において均等に制御することは困難と思われる。
本形態では、以上述べた濡れ性に起因する斥力の孔部11a開口での急変が単結晶の外径に与える影響を抑制するために、開口周囲より軸方向下方に突き出する第二の鍔部11fを配している。より具体的な実施形態を図5Aに示す。なお、同実施形態及び図5B及び5Cに示す実施形態と共に、同図5Aは図4と同様の様式にて、本発明の第二の実施形態である坩堝11の端部及び同端部から成長するファイバー状単結晶を示している。図5Aに示す坩堝11では、円筒部11bの開口端面に対して、該円筒部11bの内周面を軸方向端面側で延長させ、軸方向の断面形状が当該延長部を一辺として頂部が延長端部と一致する三角形を構成する第二の鍔部11fを配している。当該第二の鍔部11fにおいては、上述した開口から出た原材料融液9に対して斥力を与える開口端面が存在しなくなり、当該面から受けていた斥力の影響がまず除外される。
また、本形態における坩堝11は、該坩堝11の外周を捲回するように配置された不図示の加熱コイルから供給される所謂高周波によって発熱しており、この熱によって原材料の融解及び融液状態の維持を図っている。通常この加熱コイルは坩堝11の本体の円筒部を捲回するように配置され、第二の鍔部11fはこの加熱コイルに囲まれた領域から外れて存在する。このため、加熱コイルから伝えら得る高周波は本体円筒部より低下し、加熱の度合いが低くなる。更に加熱コイルからの距離も離れるために、伝えられる高周波も減衰して加熱の効率が低下する。また、高周波による所謂誘導発熱は、高周波誘導が生じる対象物の体積に依存する。このため、先端部に至るほど加熱領域から離れ、加熱効率が低下し、且つ肉厚が薄くなる第二の鍔部11fにおいては、先端部に至るにつれて発熱量が低下し、坩堝11との連結部から先端部に至るまでに、該第二の鍔部11fにおいて温度勾配が発生する。原材料融液9の濡れ性の発現は当該原材料融液9の粘度に依存し、該粘度は原材料の融点近傍での温度変化に大きく依存する。本発明では、上述したような温度勾配を発現させることによって第二の鍔部11fが形成する開口から外部に引き出される際の原材料融液9の粘度を低下させ、これにより濡れ性の発現を抑制している。また、上述したように、この円筒部11b及び第二の鍔部11fの存在は、原材料融液9に対して比較的急峻な温度勾配領域を付与している。これによって固液境界面(メニスカス)9bがこれら構成によって形成される円筒状空間内に位置することとなる。従って、当該領域通過時において、単結晶部9aの外形等はこの円筒状空間の内壁によって規定されることとなる。
当該効果と先に述べた坩堝開口端面を無くして該端面からの斥力の影響を排除した効果との相乗効果により、本発明では坩堝11から引き出される原材料融液9について、径方向の変化をほぼ無くすことが可能となる。即ち、当該第二の鍔部11fを配することにより、開口より引き出された原材料融液9が径方向に広がる挙動が発現できない状況を得ることが可能となる。従って、得られるファイバー状単結晶における外周形状は、図3に示す構成より得られたものと比較して、孔部11aの開口により準じたものとなり、結晶の外表面の状態が平滑であって且つ所望の外径を有して、結晶品位に優れたファイバー状単結晶を安定的に得ることが可能となる。
なお、図5Aに示す実施形態における第二の鍔部11fでは、先端部に至る過程で、加熱コイルからの距離の拡大、加熱コイルの効果的な加熱領域からの隔離、及び発熱体積の減少の三つの影響を全て受ける。このため、温度勾配が大きくなりすぎて、原材料融液9と単結晶部9aとの境界部分である固液境界領域9bの位置が坩堝11側によりすぎて極端な場合に第二の鍔部11fの上部に位置し、引下げが困難となってしまう場合も考えられる。この場合、図5Bに示すように、円筒部11bの開口の内周面から連続的に開口径が大きくなるように第二の鍔部11bを形成して、図5Aとは逆向きの断面三角形状となるように第二の鍔部11fを構成しても良い。当該構成の場合、加熱コイルからの距離の拡大する程度を図5Aに示す形態より抑えることとなり、温度勾配をなだらかにして成長部分9bの配置を坩堝11から離す方向にシフトさせることが可能となる。
図5A及び5Bにおいては、開口端面を無くすることによって原材料融液の濡れ性により該開口端面より原材料融液9に加えられる斥力を漸減させ、かつ第二の鍔部11fにおいて温度勾配を設けて濡れ性を抑制させ、且つ固液強化領域9bの位置を制御することによって引き出される原材料融液の径の広がりを物理的に制御することによって結晶の高品位化を図っている。しかしながら、原材料融液に対する斥力の好適な漸減を制御する方法は当該様式に限らない。図5Cに開口端面で生じる斥力の低減する他の形態を示す。図5Cに示す実施形態では、原材料融液に対して斥力を加える孔部11aの内壁の開口に近い領域及び開口端面に対して、原材料融液に対して濡れ性が向上するような材料のコーティング11gを施している。これにより、原材料融液9に対する円筒部11bの内壁からの斥力が開口部を境に急変することが無くなり、且つ円筒部11fの長さを特定の値とすることによって、固液境界領域9bを該円筒部11b内部に安定的に形成することが可能となり、円筒部開口の内径に応じたファイバー状単結晶が得られる。なお、本形態では、原材料融液に対する斥力の付加を避けたい領域にコーティング11gを施すこととしているが、例えばこれら部材の表面に対して加工し、例えば表面粗さを異ならせる等することによって、これら領域間に対して濡れ性の相違をもたらすこととしても良い。また、坩堝開口近傍に当該領域を配することによって、前述した加熱対象となる部分の厚さ変化を設ければ、温度勾配も同時に発現させることとなり濡れ性の発現を抑制する効果も得られる。
以上述べたように、本発明では、坩堝の内面等に対して原材料融液の濡れ性が大きくなる組み合わせの場合には、坩堝の孔の開口が形成される外部端面に対して、孔の周囲、より具体的には端面周囲に対して開口を捲回するように鍔状部材を配置する、表面粗さを内面等と異ならせた領域を配置する、或いは濡れ性の異なる部材を配置することとしている。これら構成は、所定の引下げ軸に垂直な平面内での原材料融液の拡径挙動を抑制するための挙動抑制部材として作用する。また、堝の内面等に対して原材料融液の濡れ性が小さくなる組み合わせの場合には、坩堝の孔の開口の内周面から連続した端面内周或いは端面に対して、該開口を捲回するように鍔状部材を配置する、表面粗さを内面等と異ならせた領域を配置する、或いは濡れ性の異なる部材を配置することとしている。これら構成は、先に述べた濡れ性が大きい組み合わせの場合と同様に、所定の引下げ軸に垂直な平面内での原材料融液の拡径挙動を抑制するための挙動抑制部材として作用する。即ち、上述した実施形態に示した鍔状部材、濡れ性を異ならせた領域等は、所定の引下げ軸に垂直な平面内での原材料融液の拡径挙動を抑制するための挙動抑制部材に包含される。なお、鍔状部材については、いずれの組み合わせの場合であっても孔が開口する端部において該開口を捲回するように配置されることについては同様であり、その埋設端においてのみ異なる。また、形状としては何れの組み合わせの場合であっても、該鍔状部材の突出方向の軸線と前記所定の引下げ軸とを含む平面での断面において、突出する先端部が頂部となる所謂三角形状となることが好ましい。当該形状であれば、鍔状部材の頂部において、融液の伝わり或いは融液に対する斥力の付加の何れについてもこれを防止する効果が好適に得られる。また、濡れ性の異なる材料を配置する場合、例えば濡れ性が大きく接触角が90°以上となる組み合わせの場合、該濡れ性と相反する濡れ性が小さく接触角が90°未満となる組み合わせとなる材料を用いることが好ましい。
ここで、坩堝11に対して濡れ性の小さい原材料融液9を用いてファイバー状単結晶を得ようとする場合、原材料融液9が坩堝内壁面によって所謂はじかれた状態となる。このため、この濡れ性が特に小さい場合には、図6に示すように原材料融液9が孔部11a内に進入せず、引下げを行うことが事実上困難となる場合が想定される。この様な場合、シードをその先端の保持したシード保持具を原材料融液9に接触するまで当該孔部11a内に挿入し、その後該シードを引下げることによって当該シードと結合した原材料融液9を当該孔部11aから外部空間に引出すことで結晶育成は実施できると考えられる。しかし、このようなシードと原材料融液9との接触の有無、或いは接触状態の適否は、坩堝11によって覆われた空間内での事象であるためにこれを直接確認することは困難と思われる。このため、当接動作の後に一旦シードを孔部11aの外部まで引下げ、そこでこの接触の有無等を確認した後に具体的な引下げ操作に入る方法が考えられる。しかしながら、このような工程はオペレータの目視を必須とし、且つやり直しを行うことも十分に考慮される必要がある。このような工程はファイバー状単結晶の育成の自動化を為す上で大きな課題となる可能性がある。また、上述したように円筒部11b内に固液境界領域9bを形成する様式の場合、この部分の目視確認は事実上不可能となる。
そこで、本実施形態では、坩堝に対して濡れ性が低く重力等の作用によって外部流出が特に困難な原材料融液を用いる場合の引下げ操作開始の条件を次のように定めている。具体的な条件の定め方について図7を参照して説明する。なお、図6と同様に図7、及び後述する図8A及び8Bは、関連する構成を図1等と同様の様式にて示すものである。通常、坩堝11に対して濡れ性の小さい原材料融液であっても、例えば下端面が平面である坩堝の場合、重力の影響により当該原材料融液は該下端面に倣った下液面を形成すると想定される。しかし、下端面が下方に突出する円錐形状を構成し且つ該円錐形状の頂部において前述した孔部11aと連通するような構成の場合、該円錐形状の頂部にまで該下液面が至らない場合が考えられる。
このため、孔部11aを介してシード保持具8によりシード7を坩堝11内部に挿入してシード7を原材料融液9に接触させる所謂シードタッチの操作を行う場合、坩堝11における円筒形状部の下面まで当該シード7の挿入を行うことが好ましい。即ち、理想的には坩堝11の開口から当該円筒形状部の下端部までの距離d2だけ、シード保持具8の上方移動幅を確保する必要がある。なお、濡れ性の値及び原材料融液9の比重によってではあるが、通常は円錐形状の頂部近傍までは原材料融液9の下液面は達していると想定される。また、必要以上に原材料融液9中にシード7を挿入した場合、引下げ初期時にシード保持具8と原材料融液9との接触によって結晶の異常成長が生じる可能性もある。従って、通常は前述した距離d2は、坩堝11の開口から孔11aの坩堝11内部側の開口までの距離d1に置き換えて、当該距離シード保持具8を移動させて前述したシードタッチを行うことが好ましいと考えられる。即ち、シート保持具8の移動幅の上端は坩堝の内部の空間内に設定され、より詳細には前述した距離d1以上を満足する位置に設定されることが好ましい。
なお、距離d1をベースにシードタッチを行う場合、濡れ性が極端に小さい原材料融液と坩堝との組み合わせの場合、シードの接触の不適切となる恐れがある。このような場合には、原材料を融解する以前の段階においてシードを原材料に対して接触した状態とし、当該状態から原材料の融解を行うこととしても良い。当該工程ついて図8A及び8Bにその手順を模式的に示す。図8Aにおいて坩堝11の内部には融解前の原材料9’が収容されている。また、シード7は、引下げ方向に伸縮可能なシード保持具8によって坩堝11内の原材料9’に接触する位置に保持されている。当該状態から原材料9’の融解を行う。シード7と原材料融液9とは本来同材質に近く濡れ性が非常に大きい組み合わせとなる。従って、この融解の操作によって、原材料融液9は確実にシード7と接触した状態を形成する。当該状態から図8Bに示すようにシード保持具8を引下げることにより、シードタッチと固液境界領域9bの円筒部11b内での形成が達成され、安定的なファイバー状単結晶の育成を実施することが可能となる。なお、原材料9’とシード7とは各々固体であることから、原材料9’の融解初期時において各々の位置が動いて接触状態が取れなくなる恐れもある。このような場合の対処として、例えば接着剤等によってシード7を原材料9’に対して接着固定しても良い。また、予めシード保持具8が坩堝11内に挿入される挿入深さ(開口からの進入深さ)d3は前述したd1及びd2に対してd1≦d3<d2であることが好ましい。当該条件を満たすことにより、安定して両者共に溶融することが可能となる。なお、接着剤には例えば公知のエポキシ形のものを用いれば、原材料を融解する際の加熱によって当該接着剤は燃焼、消散することから、ファイバー状単結晶に対する該接着剤の影響は実質的には存在しないと考えられる。
また、上述したシードと原材料融液とを接触させる所謂シードタッチの他の形態として、原材料と同様にシードも予め融解しておき、当該融解状態にあるシードを坩堝11内部に挿入する様式としても良い。この場合、予め挿入深さをd3として定め、シード7の融解後に挿入を行うと良い。溶融状態にあるシード7を原材料融液に接近させた場合、仮に接近が不十分で距離的には接触が成り立たない条件であっても、融液間の表面張力により両融液が引き合って安定的なシードタッチを行うことが可能となる。特に、上述した鍔状部材を配置した坩堝の場合、鍔上部材における温度勾配の影響によってシードタッチの位置を厳密に制御しなければ、ファイバー状単結晶の育成初期時に該結晶と原材料融液との固液境界面を安定的に維持することが困難となる。上述したようにシードタッチを安定的に実施することを担保することにより、鍔状部材の存在によらず育成初期からのファイバー状単結晶の安定的な育成を行うことが可能となる。即ち、第二の実施形態で述べた坩堝構造とすることにより、表面状態に優れた高品位なファイバー状単結晶を得ることが可能となる。また、当該坩堝構造に付加して、シードタッチ時のシード保持具8の動作範囲を距離d1或いはd2を加味した範囲とすることにより、安定的に該ファイバー状単結晶を得ることも可能となる。更に、シード7を原材料9’に対して予め接触固定しておき、これらを共に融解する構成とすることにより、更に再現性良く高品位なファイバー状単結晶が得られる。
なお、上述した実施形態では、得ようとする単結晶の形状が円柱状或いは角柱状の場合の坩堝形状或いは坩堝開口について述べている。しかしながら、上述した第一及び第二の実施形態に例示される本発明により、所望の外形状を有するファイバー状単結晶を得ることが可能となる。このような所望の種々の形状の単結晶を得る場合の坩堝11の開口の形状を図9A〜9Eに例示する。図9Aは三角柱の、図9Bは五角柱の、図9Cは六角柱の、図9Dは断面略U字形状の、図9Eは断面十字形状の、図9Fは断面が角部の丸められた矩形状の単結晶を各々得ようとする開口形状を示している。また、本発明は一坩堝について一本の単結晶を得ようとする構成に限定されない。開口を含む坩堝下面の図として図10A〜10Cに示すように複数のファイバー状単結晶を同時に育成することとしても良い。図10Aは二本の単結晶を育成するための坩堝の形態であり、図10Bは三本の単結晶を育成するための坩堝の形態であり、図10Cは四本の単結晶を育成するための坩堝の形態を各々示している。また、ファイバー状単結晶は引下げ方向と垂直な面内において所定結晶方位を有している。この結晶方位は後工程との関係上常に明確にしておくことが求められる。本発明においては、鍔部11d或いは第二の鍔部11fに対して該ファイバー状単結晶における結晶方位に応じたノッチ、切欠き等の加工部を形成することとしている。本発明によれば、鍔部11d等によりファイバー状単結晶の外径は当該鍔部11dによって規定される外形に従うものが得られる。従って、ノッチ等はファイバー状単結晶の外形に対して方向性を規定する明確なマークを形成することとなる。
次に、以上述べた実施形態に示した坩堝を有する単結晶引下げ装置について説明する。図11は、当該引下げ装置の主要部であって、該装置の結晶引下げ方向に沿った断面構成を示している。該引下げ装置1は、主たる構成として、坩堝11、アフターヒータ13、加熱チューブ15、ワークコイル17、チューブステージ19、坩堝ステージ21、インナーチューブ23、アウターチューブ25、第一の上下調整機構27、及び第二の上下調整機構29を有している。引下げ装置1は、高周波誘導によって材料の加熱、溶融を行っている。高周波は、内部に冷却用の水等を導通可能な金属製のチューブを所定の内径を有するコイル状に形成したワークコイル17を介して、加熱源等に伝達される。原材料が保持され且つ溶融される坩堝11は、底面(下端面)が閉止された円筒形状を有しており、カーボン或いは高融点金属(例えば、Re、Ir、W、Ta、Mo、Pt、或いはこれらの合金)から構成される。なお、具体的な坩堝11の形状についてはすでに詳述しているのでここでの説明は省略する。坩堝11は、ワークコイル17と同軸であって且つワークコイル17の長手方向における中央部分に配置される。
なお、本実施形態において、坩堝11内部の原材料が効率的に使用可能となるように、該下端面は、細孔が設けられる中央部が最も凸となる円錐形に形成されている。また、結晶の引下げ方向は後述する坩堝11等の軸方向と一致している。坩堝11の下方には、坩堝11の下端と当接して該坩堝11を支持する、円筒形状のアフターヒータ13が配置される。アフターヒータ13は、坩堝と同様の材料より構成されており、坩堝11と同軸となるように配置されている。原材料加熱時において、該アフターヒータ13も高周波誘導によって発熱し、坩堝11の下端より漏洩する原材料を加熱可能としている。また、アフターヒータ13の長さは、ワークコイル17の長手方向において中央部に配置される坩堝11と該アフターヒータ13とを当接させて配置した際に、ワークコイル17における有効加熱領域に該アフターヒータ13が収容されるように設定されている。該アフターヒータ13の設置により引下げ方向における均熱領域が拡大可能となり、結晶育成の条件をより広範なものとすることが可能となる。また、本実施形態において、アフターヒータ13は、その下端において、円環状の坩堝ステージ21の上面によって支持されている。坩堝ステージ21は、セラミックス、石英等、加熱に用いる高周波に対して絶縁性を有する材料から構成されている。
坩堝ステージ21は、下面において、該ステージ21と同様の材料からなる円筒状のインナーチューブ23の上端部によって支持されている。これら坩堝11、アフターヒータ13、坩堝ステージ21及びインナーチューブ23は、同軸となるように配置されており、結晶の引下げ操作は該軸に沿って行われる。また、インナーチューブ23の下端部は第二の上下調整機構29と連結されており、該調整機構29によって軸方向に上下動可能とされている。本装置において、高周波によって発熱する主たる構成として加熱チューブ15が存在する。加熱チューブ15は、坩堝11の外径よりも大きな内径を有し且つワークコイル17の内径よりも小さな外径を有する円筒形状からなり、高周波を導通可能なカーボン或いは高融点金属(例えば、Re、Ir、W、Ta、Mo、Pt、或いはこれらの合金)から構成されている。該加熱チューブ15は、坩堝11を内部側に収容し、且つ外周側にワークコイル17が存在するようにこれらと同心関係となるように配置される。また、加熱チューブ15の長さは、ワークコイル17の長手方向における有効加熱領域から該チューブ15が僅かにはみ出す程度に設定されている。
加熱チューブ15は、下端部において円環状のチューブステージ19の上面と当接し、該チューブステージ19によって支持される。チューブステージ19の円環内径は坩堝ステージ21の外径よりも大きく設定されており、これらステージが独立して軸方向に移動する際に相互に干渉することを防止している。チューブステージ19は、セラミックス、石英等、加熱に用いる高周波に対して絶縁性を有する材料から構成されている。また、チューブステージ19は、下面において、該ステージ19と同様の材料からなる円筒状のアウターチューブ25の上端部によって支持されている。これら加熱チューブ15、チューブステージ19及びアウターチューブ25は、坩堝11等と同軸となるように配置されており、内部側において、坩堝11、アフターヒータ13、坩堝ステージ21及びインナーヒータ23を収容している。また、アウターチューブ25の下端部は第一の上下調整機構27と連結されており、該調整機構27によって軸方向に上下動可能とされている。
なお、加熱チューブ15を介して坩堝11及びアフターヒータ13に伝達される高周波も存在し、本構成においては坩堝11及びアフターヒータ13自体も発熱する。これら発熱源と加熱チューブ15により得られた均熱領域とを好適に相関させることにより、引下げ方向に長く且つ引下げ方向と垂直な平面において広範な均熱領域を得ることが可能となる。また、ワークコイル17より放射される高周波を効率的に熱に変換することが可能となり、原材料をより高い温度まで加熱することが可能となる。本装置においては、加熱チューブ15と、坩堝11及びアフターヒータ13とからなる構成とを、各々独立して引下げ軸方向に移動可能としている。結晶育成の条件を考慮した場合、例えば、坩堝11の孔から引下げ方向に形成される均熱領域の長さを適宜改変する必要が生じることが考えられる。本装置においては、第一の上下調整機構27と第二の上下調整機構29の少なくともいずれかを駆動させることによって、該均熱領域の長さ、より正確には均熱領域に対する結晶育成部位の配置を、簡易且つ迅速に改変することが可能となる。
なお、上述した実施形態において、シードを保持する治具、該治具を引下げ方向に沿って上下動させる構成、坩堝孔より漏洩する原材料融液の固液境界面を観察するのぞき窓等の構成を省略している。しかし、上述の実施形態においては、単に説明の容易化のためにこれら構成が省略されたものであり、実際にはこれら構成要素が配置されている。また、得ようとする結晶によっては、雰囲気中の酸素分圧の低減、或いは特定のガスからなる雰囲気環境の形成等が必要な場合があり、上述した各構成は、内部空間の減圧、ガス置換等が可能な、密閉された空間内部に配置されることが好ましい。また、本実施形態において各構成は円筒状或いは円環状の形状からなることとしているが、本発明はこれら形状に限定されず、前述したように、引下げ方向に垂直な断面(端面)の形状を得ようとするファイバー状単結晶の外形状に応じて種々に改変可能である。この場合、各々の構成が引下げ方向と平行な所定の軸に対して全て同心となるように配置された際に、各々の構成間に形成される間隔が略一定に保たれれば良い。また、インナーチューブ及びアウターチューブは円筒形状の部材であるとしているが、これらを単なる棒状の部材とし、坩堝ステージ及びチューブステージをこれら棒状の部材によって支持することとしても良い。
また、加熱チューブは一体のみ用いることとしているが、各々内外径の異なる複数のチューブを入れ子式に重ね、これらを一体として用いることとしても良い。また、この場合各々のチューブの長さを異ならせ、これにより均熱領域を変化させても良い。この場合、同一径であってワークコイルに対して長さの短いチューブを複数用意し、これらをワークコイルの長手方向において間隔をあけて配置する構成としても良い。或いは、加熱チューブの外側に配置される保温チューブを複数のチューブからなることとし、前述した加熱チューブと同様の変形を施しても良い。これらチューブ構成の改変により、均熱領域の拡大、加熱効率の改善、特定部位の高温加熱化等、種々の効果の促進を選択的に進めることも可能となる。また、アフターヒータを無くし、加熱チューブに対してアフターヒータの働きを担わせることとしても良い。
また、本実施形態においては、第一及び第二の上下調整機構を用いることとしている。しかしながら、本発明は当該形態に限定されない。具体的には、何れか一方の調整機構のみを配することによっても、均熱領域の調整効果を得ることは可能である。また、更なる実施形態において保温チューブを加熱チューブと同じチューブステージにて支持することとしているが、これを各々独立したステージにより支持することとし、各々のステージを独立して上下調整可能としても良い。また、保温チューブ及び加熱チューブの長さを略同一とし、更にワークコイルの長さをこれら長さより僅かに小さく設定しているが、これら長さも適宜改変されて良い。例えば、ワークコイルの長さを図示した形状より下方に延長し、それ以上に加熱チューブの長さを下方に延長しても良い。これにより加熱チューブにアフターヒータの作用を担わせることが可能となり、アフターヒータを除去することが可能となる。本発明において、坩堝11は、内部に収容する原材料を溶融する際の温度に対して耐性を有する高融点材料であって、ワークコイル17から放出される高周波によって発熱可能となるような該高周波を導通可能な材料から構成されることを要する。従って、上述したように高融点金属から構成されることが好ましいが、例えばセラミックス表面、或いは内部に高周波が導通可能なるような材料の添加、層形成等を施してこれを形成しても良い。従って、該坩堝は高周波を導通可能な高融点材料から構成されるとして定義されることが好ましい。また、同様の理由から、加熱チューブ15、アフターヒータ13についても高周波を導通可能な高融点材料から構成されるとして定義されることが好ましい。
また、上述したように、各々の構成が円筒である必要がないことから、各々の構成は筒状として定義されることが好ましい。また、形状が円筒でなくなった場合、結晶引下げ方向である所定の軸と各々の構成の中心軸を幾何学的に一致させることが好ましいが、実際の各構成は明確な中心軸を得ることが困難となる場合も考えられ、該中心軸と一致させられるべき各構成の軸は、略中心軸として把握されることが好ましい。また、アフターヒータには結晶育成における固液境界面を観察するのぞき穴等を有する必要があり、該のぞき穴の形成条件によっては正確な意味での筒形状とは異なる可能性もある。従って、アフターヒータの形状は略筒状として把握されることが好ましい。また、第一の上下調整機構及び第二の上下調整機構は、坩堝ステージとチューブステージとを所定の軸方向において各々を相対的に移動可能であれば良い。従って、これら構成は、一体として坩堝ステージとチューブステージとを相対移動させる調整機構として把握されることが好ましい。
次に、本発明を具現化した引下げ装置について図面を参照して述べる。なお、先の実施形態及び装置構成例において述べた構成と同一の作用効果を呈する構成については同一の参照符号を用いることとして、詳細な説明についてはこれを省略することとする。図12は、本実施例に係る引下げ装置を正面から見た場合の構成を示す部分的な断面図を含む正面図である。上述した装置構成例と同様、当該引下げ装置1は、結晶の引下げ軸を軸心として、ワークコイル17、加熱チューブ15、坩堝11、アフターヒータ13、チューブステージ19、坩堝ステージ21、アウターチューブ25及びインナーチューブ23を有している。アウターチューブ25及びインナーチューブ23は、各々アウターチューブ支持台35及びインナーチューブ支持台37によって各々支持されている。これら構成は、真空槽43の内部に全て配置されている。また、坩堝11の軸方向下方には、同一の軸上を駆動可能なシード保持具39と、該シード保持具39を駆動可能に支持する不図示の引下げ機構部が配置される。
真空槽43は、上下面各々が楕円形を短軸方向に切断して得られる形状を有した略柱状の槽からなり、平面となる側面は開口面43aとされている。開口面43aには不図示のドアが開閉自在に取り付けられており、開口面43aの外周部分と不図示のドアとの当接部分に配置される不図示のシール部材によって該真空槽43内部の密閉性が保たれている。真空槽43は、その底面において鉛直方向に略延在する小径のベローズ43bの上面と連結されている。また、ベローズ43bは下端部において不図示のXYテーブルの表面に密着固定されており、真空槽43、ドア、ベローズ43b及びXYテーブルの上面により真空空間が形成される。該真空空間は不図示の排気系15と接続されており、該排気系によって当該空間内部の排気を行い、当該空間の減圧、及び圧力制御が行われる。
シード保持具39は、ベローズ43b内部を貫通するように配置され、その下端部がXYテーブルの上面に固定されている。XYテーブルは、シード保持具39を水平面内において直交するX、Yの2軸方向に駆動する。XYテーブルは引下げ機構により鉛直方向に上下動可能に支持されており、シード保持具39は所定の速度にて鉛直方向下方に駆動される。ワークコイル17は、不図示のシール部材が挿嵌された真空槽43に設けられた導入穴43cを介して、真空槽外部の不図示の高周波発振装置及びワークコイル用上下調節機構45に接続されている。該上下調整機構45はワークコイル17を軸方向に駆動し、ワークコイル17と坩堝11との位置関係の調節及び真空槽43内部におけるワークコイル17配置の調節を行う。このワークコイル用上下調節機構45は、公知のモータ、ボールねじ、ボールねじ軸、リニアガイド等から構成されているが、該駆動装置は本発明の主たる構成ではないことからここでの説明は省略する。
真空槽43は、坩堝5の下方に形成される溶融材料と結晶との固液境界面を異なる方向から観察可能とする不図示ののぞき窓も更に有している。のぞき窓の外部には、撮影光軸が該のぞき窓を介して上述した固液境界面の略中心部に至る撮像装置が配置されていることが好ましい。該固液境界面はワークコイル17、加熱チューブ15及びアフターヒータ13に囲まれる領域に存在する。このため、加熱チューブ17及びアフターヒータ13には、その側面に対して、該固液境界面をのぞき窓から観察可能となるように不図示の貫通穴が設けられている。アウターチューブ支持台35は、不図示のシール部材が挿嵌された真空槽43に設けられた第二の導入穴43dを介して、真空槽外部に配置された第一の上下調整機構27に接続されている。該上下調整機構27は、上述したように加熱チューブ15を軸方向に駆動し、ワークコイル17と加熱チューブ15との位置関係の調節及び加熱チューブ15と坩堝11との位置関係の調節を行う。この第一の上下調整機構27は、公知のモータ、ボールねじ、ボールねじ軸、リニアガイド等から構成されているが、該駆動装置は本発明の主たる構成ではないことからここでの説明は省略する。
インナーチューブ支持台37は、不図示のシール部材が挿嵌された真空槽43に設けられた第三の導入穴43eを介して、真空槽外部に配置された第二の上下調整機構29に接続されている。該上下調整機構29は、上述したように坩堝11及びアフターヒータ13を軸方向に駆動し、ワークコイル17と坩堝11との位置関係の調節及び加熱チューブ15と坩堝11との位置関係の調節を行う。この第二の上下調整機構29は、公知のモータ、ボールねじ、ボールねじ軸、リニアガイド等から構成されているが、該駆動装置は本発明の主たる構成ではないことからここでの説明は省略する。真空槽43には不図示のガス供給系が接続されており、当該ガス供給形を介して、結晶成長時に求められる雰囲気ガスの真空空間への導入が図られる。また上述したバルブの何れかの開度、及びガス供給量を制御することにより、結晶成長時の圧力を制御する。また、真空槽43は不図示の真空排気系に接続されるが、該真空排気系は実際の結晶成長に必要となる引下げ速度、操作圧力、到達真空度等に応じて、適宜変更されることが望ましい。また、真空槽43の形状は、坩堝、種結晶、耐火物等の交換、メンテナンス等を行うための作業空間を確保する観点から、側面が最も大きく解放可能となる形状としているが、本発明に係る真空槽の形状はこれに限定されず、加熱条件、作業性、生産性等の観点から適宜変更されることが望ましい。
以上述べたファイバー状単結晶の引下げ装置により、表面状態が平滑且つ所望の形状を有するファイバー状単結晶を容易且つ確実に得ることが可能となる。より詳細には、本発明に係る引下げ装置によれば、原材料融液の表面張力、或いは孔或いはその周辺において該原材料融液と接する坩堝等の表面材質と該前材料融液との濡れ性、に起因する該原材料融液の不安的な挙動を抑制することが可能となる。従って、このような不安的な挙動に起因するファイバー状単結晶表面の形状異常を抑制し、後加工を必要としない所望の形状に加工することが可能となる。
本発明は、欠陥の少ない高品位な、例えばシリコン、ニオブ酸リチュウム(LN)、タンタル酸リチュウム(LT)、イットリウム−アルミニュウムガーネット(YAG)、サファイヤ、共晶体、シンチレーション用結晶、ターフェノールD等のファイバー状の単結晶材料を製造する際に適用可能である。より詳細には、FZ法、ブリッジマン法、CZ法等では製造が困難であった、エレクトロニクス或いはオプトエレクトロニクス分野等で用いられる機能性材料として、或いは高温環境下等で用いられる構造材料としての繊維状、円柱状、角柱状、板状、チューブ状等に形状制御された結晶を製造する装置として使用可能である。
1:引下げ装置、 7:シード、 8:シード保持具、 9:原材料融液 11:坩堝、 13:アフターヒータ、 15:加熱チューブ、 17:ワークコイル、 19:チューブステージ、 21:坩堝ステージ、 23:インナーチューブ、 25:アウターチューブ、 27:第一の上下調整機構、 29:第二の上下調整機構、 31:保温チューブ、 35:アウターチューブ支持台、 37:インナーチューブ支持台、 39:シード保持具、 43:真空槽、 45:ワークコイル用上下調整機構

Claims (3)

  1. 高周波を導通可能な高融点材料からなり、内部に原材料融液を保持可能であって前記原材料融液を前記内部より引出し可能な孔を底部に有する坩堝と、
    前記原材料融液が結晶化する際の結晶方位を定めるシードを保持し、前記坩堝の前記孔を通る所定の引下げ軸に沿って前記シードの上下移動を行うシード保持具と、を有する、前記原材料融液からファイバー状単結晶を得る引下げ装置を用いて前記ファイバー状単結晶を育成する方法であって、
    融解されて前記原材料融液となる前の原材料段階において、前記シード保持具を予め所定量上昇させることにより前記孔を介して前記シードを前記原材料に接触させておき
    前記シードが前記原材料に接触させられた状態を維持して前記原材料の融解を行い、
    前記原材料融液が所定温度に達した段階で前記シード保持具による前記シードの降下を行うこと、を特徴とするファイバー状単結晶の育成方法。
  2. 前記シードは、前記原材料に接触した状態で接着されていることを特徴とする請求項1に記載のファイバー状単結晶の育成方法。
  3. 前記坩堝は前記孔が開口する端面から前記引下げ軸に沿って突出して、前記原材料融液の前記引下げ軸に垂直な平面内での拡径挙動を抑制する鍔状部材を有し、前記ファイバー状結晶の外径は前記鍔状部材によって制御されることを特徴とする請求項1或いは2の何れかに記載のファイバー状単結晶の育成方法。
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