JP4844771B2 - 単結晶引下げ方法、当該方法に供せられる坩堝及び引下げ装置 - Google Patents

単結晶引下げ方法、当該方法に供せられる坩堝及び引下げ装置 Download PDF

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Description

本発明は、所謂レーザ用光学素子、非線形光学素子、医療用シンチレータ、圧電素子、超磁歪素子、等に用いられる、酸化物、フッ化物、金属合金等の単結晶を製造する装置に関する。より詳細には、坩堝下端に設けられた孔より原材料融液を引き出しつつ所望の結晶材料を得る引下げ法、特に、ファイバー状単結晶を得る所謂マイクロ引下げ(μ-pD)法と称呼される単結晶製造方法、当該製造方法に用いられる坩堝、及び単結晶引下げ装置に関する。
加熱溶融された原材料を保持する坩堝の下端部に引き出し孔を形成し、当該孔から漏出する原材料融液に対して結晶核(以降シードと称する。)を接触させ、孔からの原材料の漏出に伴って該シードを引下げることにより、該シードを核として成長する単結晶を得る、所謂引下げ法(特許文献1〜3参照)が知られている。当該方法により得られる単結晶は、結晶径が従来から知られるCZ法に代表される所謂引き上げ法等により得られる単結晶と比較して得られる結晶の径はより小さくなる。しかし、結晶成長に要する時間が短く、且つCZ法と比較して安価に結晶性に優れた単結晶が得られる方法であるとして、現在実際の製造装置としてのハード面での改変、及び各種単結晶への適用の検討が為されている。
当該引下げ法において、より結晶性が高いファイバー状の結晶が得られ且つ結晶の成長速度を高く保てる方法として、所謂マイクロ引下げ法が存在する。当該方法を用いて、エキシマレーザ用の光学材料に使用されるフッ化カルシウム等のフッ化物単結晶、或いはアルミナ、カルシア等の酸化物単結晶、更には所謂ターフェノールDに例示される超磁歪材料向け単結晶の製造条件が検討されている。
特開2003−095783号公報 特開平11−278994号公報 特開平04−280891号公報
上述したマイクロ引下げ法においては、種々の材料を用いて棒状の単結晶の製造が一般的に行われている。しかし、実際に得られる単結晶が棒形状に限定される場合、当該単結晶を用いて製品を得ようとすると、当該製品に応じた形状になるように当該単結晶に対し後加工を施すことが必要となる。例えば、シンチレータ素子等の被覆材、或いは被覆材の集合体にこの単結晶を使用したい場合には、実際に後加工によってこのような形状を得ることは困難である。このため、単結晶製造時である引下げ操作の段階において、中空状の円筒或いは角筒の形状からなる単結晶を得ようとする試みが行われている。具体例として、引用文献3には、円筒形状の単結晶を製造するための構成が開示されている。即ち、所謂中空パイプ状の部材を用いて円形の隙間を形成し、該隙間から原材料融液を引き出して円筒形状の単結晶を得ている。また、該隙間から漏れ出した原材料融液に対して、平板状のシードを当該隙間全域に対して均等に接触させ、この状態で、シードを引下げることによって好適に単結晶の育成状態を得ようとしている。なお、ここで述べるシードとは、原材料融液に接触した状態で該原材料融液が結晶化する際に、その結晶方位を定める所謂種結晶と総称される部材を指す。
原材料融液に対して単にシードを接触させることは容易である。しかし、接触したシードが原材料融液に対して固液境界領域である所謂メニスカスを形成し、当該メニスカスが所定の範囲に均等に発生した状態を得ること、及びこれを維持することは実際には困難である。特に接触すべき領域が平面内に広がる形状である場合、その全域で好適に接触した状態を得ることは難しい。具体的には、シードと原材料融液との接触点及びその近傍を目視し、適切な接触状態が得られるまで、シード−原材料融液間の接触、更には微量のシードの引下げを何度も繰り返す等、操作者の技術に依存することが知られている。従って、引用文献3に開示される構成の場合、坩堝の環状の開口から漏出する原材料融液について、その環状を維持したまま当初から単結晶の引下げ・育成を好適に行うことは事実上困難であった。また、環状の開口近傍にメニスカスが生成される影響から、その全域から均等に原材料融液が漏出する状況を再現性良く得ることも、実際には困難であった。
本発明は以上の状況に鑑みて為されたものであって、所謂中空の形状からなる単結晶について、製造装置の操作者によらず好適且つ安定的に製造可能となる単結晶の引下げ方法、及び当該方法に好適な坩堝或いは引下げ装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る単結晶の引下げ方法は、原材料及び原材料の融液を内部に保持可能な本体部と、本体部の内部と連通して原材料融液が漏出可能な漏出孔と、を有する坩堝の漏出孔から漏出した原材料融液にシードを接触させ、シードを鉛直方向に延在する所定の引下げ軸に沿って引き下げることによって単結晶を得る単結晶の引下げ方法であって、漏出孔が開口する開口端面に、原材料融液と濡れ性の良い材料からなるパターンであって、単結晶の断面形状に対応するパターンを構成する平面状の展進部を有し、展進部は、展進部の法線が引下げ軸に対して所定角度傾斜するように配置される傾斜面内に延在し、パターンは、傾斜面内において最も高くなる領域と最も低くなる領域とを有し、パターンに含まれる各面は傾斜面に沿って配置され、漏出孔の開口は最も高くなる領域に設けられたところの、坩堝、及び展進部と対応するパターンを有し且つ所定角度傾斜することによって鉛直方向において最も高くなる領域と最も低くなる領域とを有するシードタッチ面を有し、原材料融液が結晶化する際の結晶方位を定めるシード、を用いる引下げ方法であり、坩堝の漏出孔の開口より原材料融液を漏出させ、漏出した原材料融液を展進部の最も低い領域まで濡れ広がらせ、シードタッチ面における最も高くなる領域を展進部の最も低くなる領域に対して所定間隔離れた位置まで近接させて、シードタッチ面における最も高くなる領域を展進部における最も低くなる領域に存在する原材料融液に接触させ、シードタッチ面を展進部との間に所定間隔を維持した状態で展進部の延在面と平行に移動させて、シードタッチ面における最も高い領域と展進部における最も高い領域とを対向させ、シードタッチ面と展進部との間の全域にメニスカスを生成させ、引下げ方向にシードを引き下げて単結晶を育成する、ことを特徴としている。
なお、上述した単結晶の引下げ方法に関しては、メニスカスを生成させる際の原材料融液の温度T1は、シードタッチ面を平行移動させる際の原材料融液の温度T2よりも低く設定されることが好ましい。また、シードタッチ面を平行移動させる際に、シードタッチ面はパターンの形状に沿って平行移動を実施することが好ましい。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る単結晶引下げ方法に供せられる坩堝は、底部が閉塞された筒状の本体部における内部空間に原材料融液を保持し、内部空間から漏出される原材料融液にシードを接触させて所定の引下げ軸に沿ってシードを引下げることによって単結晶を得る引下げ装置に用いられる坩堝であって、底部が閉塞された筒状の内部空間と、内部空間から底部を介して外部空間に至る漏出孔と、原材料融液と濡れ性の良い材料からなるパターンであって、単結晶の断面形状に対応するパターンを構成する平面状の展進部と、を有し、展進部は、展進部の法線が本体部の中心軸に対して所定角度傾斜するように配置される傾斜面内に延在し、パターンは、傾斜面内において最も高くなる領域と最も低くなる領域とを有し、パターンに含まれる各面は傾斜面に沿って配置され、漏出孔の開口は最も高くなる領域に設けられることを特徴としている。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る単結晶の引き下げ装置は、上述した坩堝を備え、更に、坩堝を捲回して配置されて高周波電流が導通可能であって前記高周波電流に高周波磁界を生成可能な加熱コイルと、原材料融液が結晶化する際の結晶方位を定めるシードを保持し、鉛直方向に延在する所定の引下げ軸に沿ってシードを引下げるシード保持具と、を有し、加熱コイルは、一部分において展進部の法線と一致する中心軸となる領域を有する、或いは法線と中心軸とが一致するように傾斜可能であることを特徴としている。なお、当該単結晶の引下げ装置にあっては、シード保持具を坩堝の展進部と平行に移動可能なシードタッチ面駆動ユニットを更に有することが好ましい。
本発明によれば、中空形状からなる単結晶の引下げ法において、原材料融液に対して種結晶となるシードを接触させる所謂シードタッチを、確実、安定的、且つ再現性良く実施することが可能となる。より詳細には、本発明によれば、坩堝における開口形成面(後述する展進部表面)とシードとの互いの先端部であって、引下げ軸方向での互いの投影領域が重なり合う僅かな領域で為されることから、初期段階のシードタッチは容易かつ確実に実施することが可能となる。また、開口形成面とシードタッチ面とを互いに平行に形成し、この初期段階のシードタッチ後に開口形成面に対して一定間隔を維持してシードタッチ面を平行移動させ、開口形成面に濡れ広がった原材料融液の表面張力を利用して原材料融液とシードタッチ面全面との接触状態を得ている。従って、この接触状態も容易且つ確実に得ることが可能となり、複雑且つ内部に空隙を有するシードタッチ面であって、その全域について原材料融液に対するシードタッチを確実に行うことが可能となる。
また、本発明によれば、原材料融液を開口形成面全域に濡れ広がらせた後に、該開口形成面における軸方向最下端から原材料融液が滴ることを防止するようにシードを接触させたうえでメニスカス(固液境界部)を生成している。従って、余剰の原材料融液によるメニスカスの生成に対する悪影響が無くなり、好ましいメニスカスの形成状態が得られることとなる。また、本発明によれば、開口形成面に形成された原材料融液が濡れ広がる展進部を鉛直方向に関して高い領域から低い領域に傾斜するように展進部のパターン形成を行っており、開口形成面に対する原材料融液の濡れ広がりを重力の作用方向に従うように行わせることとしている。従って、原材料融液は容易且つ確実に開口形成面全域に対して濡れ広がることとなる。
また、本発明によれば、加熱コイルの中心軸を傾けることによって、本発明に係る単結晶の引下げ方法の実施に際して、引下げ軸に対して傾斜させて形成された開口形成面における面内の温度均一性を高めることが可能となる。従って、開口形成面と平行なメニスカスを安定的に生成することが可能となる。また、本発明によれば、上述したように、開口形成面とシードタッチ面とが所定の間隔を維持するように該シードタッチ面を平行移動させ、原材料融液の表面張力を利用してメニスカスの生成領域の拡大を図っている。ここで、開口形成面に坩堝開口は設計上傾斜面である開口端面の最上部に配置することは不可能であり、該傾斜面上坩堝開口より軸方向において高い位置に存在する領域に対して原材料融液を濡れ広げることは材料によっては困難となる。しかし、本発明の如く、先に原材料融液が付着したシードタッチ面が坩堝の開口形成面と重なるように平行移動し、且つ原材料融液の濡れ性を利用することによって、シードタッチ面の平行移動後に当該領域にも原材料融液を濡れ広がらせることが可能となる。従って、シードタッチ面の形状に応じた、例えば中空領域を有する端結晶を容易に得ることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る坩堝の特徴部分を抽出し、これを模式的に示した図である。 本発明の他の実施形態に係る坩堝における展進部を正面から見た図であって、原材料融液の濡れ広がり時の特定の段階を模式的に示す図である。 図2Aに示す坩堝における展進部を正面から見た図であって、原材料融液の濡れ広がり時の特定の段階を模式的に示す図である。 図2Aに示す坩堝における展進部を正面から見た図であって、原材料融液の濡れ広がり時の特定の段階を模式的に示す図である。 図2Aに示す坩堝における展進部を正面から見た図であって、原材料融液の濡れ広がり時の特定の段階を模式的に示す図である。 本発明の更なる実施形態に係る坩堝における展進部を正面から見た図であって、原材料融液の濡れ広がり時の特定の段階を模式的に示す図である。 図3Aに示す坩堝における展進部を正面から見た図であって、原材料融液の濡れ広がり時の特定の段階を模式的に示す図である。 図3Aに示す坩堝における展進部を正面から見た図であって、原材料融液の濡れ広がり時の特定の段階を模式的に示す図である。 図3Aに示す坩堝における展進部を正面から見た図であって、原材料融液の濡れ広がり時の特定の段階を模式的に示す図である。 単結晶の製造工程を示すフロー図である。 図4に示すステップS1に対応する実際の装置の状態を模式的に示す図である。 図4に示すステップS2に対応する実際の装置の状態を模式的に示す図である。 図4に示すステップS3に対応する実際の装置の状態を模式的に示す図である。 図4に示すステップS4及びステップS5に対応する実際の装置の状態を模式的に示す図である。 図4に示すステップSS6及びステップS7に対応する実際の装置の状態を模式的に示す図である。 図4に示すステップS8に対応する実際の装置の状態を模式的に示す図である。 シードの平行移動を行う構成を簡略して示す側面外略図である。 本発明に係る単結晶の引下げ方法の実施に好適な引下げ装置の概略構成を示す図である。 図7に示す構成において、当該装置の特徴部分を抽出して示す図である。 図8に示す構成において、実際にコイルを傾けた状態を示す図である。 図8に示す構成において、実際にコイルを傾けた状態を示す図である。
以下に図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。まず、本発明の一実施形態に係る単結晶の引下げ方法において用いる坩堝について、当該坩堝における原材料融液を漏出させる開口部、及び該開口部が形成される開口形成面の近傍を模式的に図1に示す。図1は坩堝の底部領域を、原材料融液の漏出孔(単結晶の引下げ方向)に沿って切断した場合の切断面と、当該漏出孔が開口する開口端面を当該端面の法線に対向する方向から見た状態を示している。なお、本実施形態では断面形状が枠状の角管形状からなる単結晶の育成を目的とする場合を例示する。本発明の一実施形態において、坩堝11は、下端部が閉鎖される管状の本体部(不図示)と、該本体部の中心軸Cに対して平行に延在して該本体部の内部空間を坩堝11の底部外に連通させる漏出孔11aと、該該漏出孔を頂部とする錐形状を有し本体部と該漏出孔とを繋ぎ軸方向連結部11bと、を有する。該本体部及び軸方向連結部11bにより形成される内部空間には、原材料或いはこれを溶解させて得られる原材料融液9が保持される。即ち、換言すれば、当該坩堝11は底部が閉塞された筒状の内部空間と、該内部空間から底部を介して外部空間に至る漏出孔11aと、該底部の外部空間側に形成された原材料融液と濡れ性の良い材料からなり所望のパターンを構成する平面状の展進部11dと、より構成される。また、該漏出孔11aが開口する開口端面11c(即ち展進部11d)は、その法線Hが前述した坩堝11の中心軸Cに対して所定角度αで傾くように構成されている。なお、当該中心軸Cは、引下げ方向でもある鉛直方向と一致して配置されることが好ましい。また、重力を利用して原材料融液の漏出を図る関係から所定の引下げ軸は鉛直方向と一致することが好ましいが、例えば結晶方位を傾ける等、目的に応じて引下げ軸を鉛直方向に対して傾けることも可能である。
本例では、断面枠状の角管形状の単結晶を得ようとしている。このため、開口端面11cには、当該断面形状に対応するパターンである枠状の原材料融液の展進部11dが形成されている。当該展進部11dは、中心軸Cに沿った投影形状が得ようとする単結晶の枠形状と一致している。なお、本形態では、展進部11dは、原材料融液9に対して所謂濡れ性の良い材料を用いて形成された所望の平面形状を、開口端面11d表面に露出させることで得ている。しかしながら、例えば当該展進部11dを該法線H方向に突出させる様式で形成し、この突出面を原材料融液が濡れ広がる構成としても良い。即ち、原材料融液9が、当該展進部11d表面上に限定された状態で、速やかに濡れ広がる状態が得られれば良い。また、漏出孔11aの開口端面11cでの開口部は、中心軸を鉛直に配置した状態において、展進部11cにおける最も高くなる領域に形成される。以上の構成を有することによって、坩堝11の開口端面11dから漏出した原材料融液9は、重力の作用によって、展進部11d表面の最上部(最も高くなる領域)から最下部(最も低くなる領域)に向かい速やかに濡れ広がり、所定のパターンとなる形状(この場合枠形状)に展開する。
なお、本発明において、原材料融液9と展進部11dとの濡れ性の良否を当該展進部11dの特徴の一つとして定義している。ここで、原材料融液の雫を坩堝の孔開口部と同じ材質且つ表面状態からなる平板状の板材上に存在させた場合の所謂接触角について、当該接触角が90°以上となる場合を濡れ性の低い材料と定義し、90°未満となる場合を濡れ性の高い材料として述べることとする。
図2A〜2Dは、図1に示す形態の坩堝であって傾斜方向が図中一点鎖線Tに沿って展進部11dが配置された場合の原材料融液9の濡れ広がる状態を模式的且つ段階的に示している。なお、本例では、当該傾斜方向は枠形状の一方の角部から対向する角部に向かうように配置される。原材料融液9が漏出孔11aから漏出する前の段階を図2Aに示す。当該状態において漏出孔11aがから原材料融液9の漏出が始まる。漏出した原材料融液9は濡れ性の良い展進部11d上に優先的に濡れ広がり始め、図2B、更には図2Cに示し状態に至る。なお、漏出孔11aの開口位置は、構造上開口端面11cにおいて鉛直方向で最も高くなる開口端面11cの端部に配置することは事実上不可能である。しかし、本発明では、便宜上該開口部は展進部11dにおいて(形成可能な)最も高い位置に形成されるとして述べる。図2Cに示した状態を経た後、原材料融液9は展進部11dにおける最下端に至る。ここで、原材料融液9と展進部11を構成する材料との濡れ性が十分に大きい場合には、この濡れ性の効果によって、開口よりも高い位置に存在する展進部11dの領域にまで原材料融液は濡れ広がる。しかし濡れ性に応じて、重力の影響からある程度以上の濡れ広がりが困難な場合も考えられる。本形態で、後述するシードタッチ面における上端部と当該領域とが対向する位置までシードタッチ面を移動させることにより、原材料融液9の表面張力を利用して当該領域まで原材料融液9の展開を行うこととしている。
図3A〜3Dは、断面形状が環状となる管形状の単結晶を得ようとする場合について、図2A〜2Dと同様の様式にて原材料融液9が濡れ広がる状態を模式的且つ段階的に示している。本例では、展進部11dは環状のパターンを有する。なお、これら図3A〜3Dも、開口端面11cの傾斜方向が図中一点鎖線Tに沿うように展進部11dが配置された場合を示している。また、図2A等と比較して同一の構成については同一の参照符号を用いて説明する。原材料融液9が漏出孔11aから漏出する前の段階を図3Aに示す。当該状態において漏出孔11aがから原材料融液9の漏出が始まる。漏出した原材料融液9は濡れ性の良い展進部11d上に優先的に濡れ広がり始め、図3B、更には図3Cに示し状態に至る。その後、後述するシードタッチ面を展進部11dと対向する位置に移動させることにより、図3Dに示すように展進部11dの前面に対して原材料融液9が濡れ広がった状態が得られる。この状態が得られた後、実際にシードタッチ面の鉛直方向への引下げが実行され、管状単結晶の育成が実行される。
次に、具体的な単結晶の育成方法の一実施形態について以下に述べる。図4は単結晶の育成手順をフローチャートにより示したものであり、図5A〜図5Fは図1と同様の様式により、図4に示すフローチャートにおいて示される各工程での状態を模式的に示している。まず、ステップS1において、坩堝11内部に原材料を投入し、図5Aに示すように坩堝11を囲むように配置された加熱コイル17に所謂高周波を印加して坩堝11の加熱を行う。坩堝11の加熱により溶融された原材料が原材料融液9として漏出孔11aを介して展進部11dに至り、ステップS2で述べるように展進部11d上を濡れ広がる。図5Bに示すように、濡れ広がった原材料融液9が展進部11dにおける下端部に達するまで、当該状態を維持する。その後、展進部11dの表面と平行に形成されて、該展進部11dに対して平行移動可能なシードタッチ面7aについて、最も高い位置に存在する領域を展進部11dにおいて最も低い位置に存在する領域と対向させ、所謂ポイントタッチを行う(ステップS3及び図5C)。即ち、該ポイントタッチでは、展進部11dから所定距離離れて配置されるシードタッチ面7aに対して、展進部11dの最も低い位置に至った原材料融液9が接触した状態を得る。なお、上述したように、シードタッチ面7は展進部11dと平行になるように先に述べた展進部法線Hと対向する法線を有し、展進部11dと同じ形状を有する。また、該シードタッチ面7aを平行移動させることによって、例えば枠形状からなる展進部11dの場合には、当該枠形状に対してシードタッチ面7aの枠形状が向かい合うこととなる。即ち、シードタッチ面7aは、展進部11dと同様に引下げ軸に対して所定角度傾斜した傾斜面を構成し、展進部11dと相対した状態において互いのパターンが完全に対向する形状を有する。
図5Cにしめすポイントタッチが成立した後、図5Dに示すように展進部11dの傾斜に沿うようにシードタッチ面7aを平行移動させる(ステップS4)。なお、実際の当該平行移動に際しては、図6に簡略して示す構成が用いられる。シードタッチ面7aを有するシード7は、鉛直方向に延在するシード保持具8によって支持される。該シード保持具8は傾斜補正ユニット5により支持される。傾斜補正ユニット5は鉛直方向に対してシードタッチ面7aと同じ法線を有した傾斜面5aを有し、シード保持具移動用モータ4によってシード保持具8を傾斜面5aに沿って移動させる。これら構成はシードタッチ面駆動ユニットとして総称される。ここで述べた構成の機能によって、シードタッチ面7aは上述した平行移動を行う。当該平行移動は、シードタッチ面7aにおいて最も高い位置に存在する領域が展進部11dにおける最も高い位置に存在する領域と対向することによって停止される。この平行移動の際、展進部11dとシードタッチ面7aとは常に所定の間隔を維持している。しかし部分的に原材料融液9がシードタッチ面7aと接触していること、及び当該所定間隔が表面張力の影響によって展進部11dとシードタッチ面7aとの両者に接触した状態を保持可能な間隔に設定されていること、により、シードタッチ面7aの平行移動に伴って該両者に接触する領域が順次拡大してゆく。即ち、シードタッチ面7aは原材料融液9に接触した状態を維持しながら、換言すれば接触する領域を拡大させながら、上述した平行移動を行う。従って、以上の操作によって、シードタッチ面7aと展進部7とが完全に対向した状態において、これら両者の間全域に原材料融液9が挟まれたような状態となり、ステップS5に示す全面シードタッチが完了する。
ステップS6に示すように、原材料融液9とシードタッチ面7aとの接触状態の安定化を図るために、所定時間この状態を維持する。これによりシードタッチ面7aと展進部11dとの間にメニスカス9aが生成される(図5E参照)。メニスカス9aが生成された後、ステップS7に述べるようにシード7の引下げを開始し、ステップS8に述べるように単結晶9bの育成を実施する(図5E及び図5F)。なお、引下げ操作時においては、原材料融液9が坩堝11の内部から適宜供給されることから、当初全面のシードタッチによって得られた接触部分たるメニスカス9bの位置や形状は引下げ時においても維持される。所定量の引下げ操作が完了し、所定長さの単結晶の育成が完了した後、ステップS9に述べる単結晶9bの冷却、及びステップS10に述べる単結晶の9bの取出しが行われる。以上の操作の実施により、例えば断面が田の字状の、内部に空隙を有する複雑な断面形状を有する単結晶の育成が可能となる。
即ち、本発明においては、坩堝11に対して所定方向に傾斜し且つ所定の平面形状からなる原材料融液9の濡れ性が良い領域である展進部11dを有した開口端面11cを下端面に配置している。また、同時に、展進部11d内において、水平方向に延在する面を形成しないように構成し、且つ鉛直方向において最も高い位置に存在する領域と最も低い位置に存在する領域とを配置し、更に該高い位置から該低い位置までは高さが直線状に推移するする構成している。また、坩堝11内部から該開口端面11cに原材料融液9を漏出させる漏出孔11aの開口部を最も高い位置に存在する領域に配置している。当該条件を満たすことによって、重力を利用して展進部11dに対して原材料融液9をその全面に濡れ広がらせることが可能となる。また、本発明では、シードタッチ面7aを傾斜した展進部11dと平行となるように傾斜させ、且つこの傾斜面の形状が展進部11dの形状と一致するようにし、更にシードタッチ面7aと展進部11dとの間隔を原材料融液9の表面張力によってこれら両者に接触した状態を維持可能な所定の間隔としている。当該条件を満たすシードタッチ面7の最も高い位置となる領域をまず展進部11dの最も低い位置となる領域に存在する原材料融液9と接触させ、この接触状態を維持してシートタッチ面7aをその傾斜面と平行に移動させることにより、シードタッチ面7a全域に対して原材料融液9が均等に且つ安定して接触した状態を得ることが可能となる。当該状態を維持しつつ所定の引下げ条件で引下げ操作を実施することによって、複雑且つ中空の断面を有する単結晶であっても容易に育成することが可能となる。
なお、上述した実施形態において、メニスカス9aの形成のために原材料融液が保持される際の温度を第一の設定温度T1とし、所謂ポイントタッチが為される際の原材料融液の設定温度を第二の設定温度T2とした場合、T1<T2なる条件を満たすことが必要である。即ち、原材料融液9を展進部11dに濡れ広がらせる場合には、原材料融液9の所謂粘性を下げるために融液温度を高く維持するほうが好ましい。これに対してメニスカス9aの形成温度は、所謂共晶温度となる場合が殆どであり従って、上記条件が満たされる必要がある。また、上述した実施形態では、シード7が所定の傾斜面に沿って直線状に移動する場合のみを例示している。しかし、例えば得ようとする単結晶の断面が比較的単純な形状の場合、シードタッチ面が7aの移動方向が常に低い位置から高い位置に移動する方向となっていれば、当該形状に沿うようにシードを移動させることとしても良い。これにより確実に全域でのシードタッチを為すことが可能となる。
次に、本発明に係る単結晶の引下げ方法の実施に対して好適な引下げ装置について説明する。先に一実施形態について述べた引下げ方法にあっては、坩堝11の開口端面11cが水平面(鉛直方向)に対して傾斜して配置されている。このため、従来の水平面内において温度の均一性を維持してきた構成では、開口端面11cの面内において適当な均熱領域が得られないと考えられる。以下に述べる引下げ装置は、このような状況に鑑みて案出されている。図7は、本発明の一実施形態に係る引下げ装置1の主要部分の概略構成を模式的に示している。該引下げ装置1は、引下げ軸を中心として、坩堝11、アフターヒータ13、保温チューブ15、加熱コイル17、チューブステージ19、ステージホルダー16、シード保持具8、及び保持具チャック18を有する。また、これら構成は、減圧及び内部空間に対する特定のガスを供給することが可能な真空槽43の内部に配置される。加熱コイル17は、先に述べたように坩堝11に対して高周波を発し、当該坩堝11を所定の温度まで発熱させる。より詳細には、高周波電流が導通可能であって、高周波電流を流すことによって高周波磁界を生成し、該高周波磁界による誘導加熱によってその内部に配置される導電性の物体を加熱する。保温チューブ15は坩堝11より放射される熱量を抑制し、更に放射熱を坩堝11に対して戻す役割を有する。また、アフターヒータ13は引下げ操作時における坩堝11近傍であって、実際に単結晶が育成される空間に対する加温と温度の安定化を図るために用いられる。チューブステージ19は、これら坩堝11、アフターヒータ13、及び保温チューブ15を、真空槽42内で支持する。また、ステージホルダー16は、チューブステージ19の高さを調整し、該チューブステージ19に支持される諸構成を加熱コイル17に対して所定の位置(高さ)に維持する。前述したシード7は引下げ軸上に配置されるシード保持具8によって、当該引下げ軸上に保持される。また、保持具チャック18は、シード保持具8を後述する引下げ駆動部に連結する。
真空槽43の底面には、所謂ベローズ43aがシード保持具8と同軸で配置される。保持具チャック18の下端部を該ベローズ43aの内部空間を介して、ベローズ43aの下端に固定されたθテーブル47に固定される。該θテーブル47の下部にはYテーブル49及びXテーブル51が取り付けられており、保持具チャック18及びシード保持具8を介してシード7に対して引下げ軸周りの回転、当該引下げ軸に垂直なY方向の移動、及び引下げ軸及びY方向各々に垂直なX方向の移動の各動作を与える。また、これら構成は一体としてZ軸調整機構53に支持されており、Z軸である引下げ軸方向での微小移動が可能となっている。また、θテーブル47、Yテーブル49、及びXテーブル51は、一体として引下げ軸方向に延在する引下げガイド55に対して摺動可能に固定され、引下げモータ57によって当該引下げガイド55に沿って一定速度でのシード7の引下げを可能としている。また真空槽43には不図示ののぞき窓が設けられており、当該のぞき窓を介して前述したメニスカス9aの状態が観察できるようになっている。例示する装置にあっては、この視野の中心軸を観察軸と一致させるように、当該のぞき窓の外部にCCDカメラ59が配置されている。
次に上述した引下げ装置1に加えられた本発明における特徴的構成である加熱コイル旋回機構について説明する。図8は、図7に示した構成より加熱コイル17、坩堝11、及びシード保持具8のみを抽出した正面図と、これら構成及び加熱コイル17に付随して設けられた加熱コイル旋回機構60を含めた側面図とを同一図面として描いたものである。加熱コイル旋回機構60は、同軸ケーブル61、第一の連結部63、第二の連結部65、軸受フランジ67、ベアリング機構69、軸受クランパー71、及び回転駆動源73を有する。同軸ケーブル61は真空槽43の壁に設けられた貫通穴を介して真空槽43の内部に先端部が挿入されている。ベアリング機構69は真空槽43の外部で同軸ケーブル61を回転可能に支持する。また、該ベアリング機構69は、軸受フランジ67及び軸クランパー71によって真空槽43に対して固定されており、これら構成によって真空槽43の気密性が保たれている。同軸ケーブル61によって真空槽43内に持ち込まれた不図示の高周波伝達用のケーブルは第一の連結部63及び第二の連結部65各々を介して、加熱コイル17の両端部に接続される。当該同軸ケーブル61には、公知のギア、モータ等から構成される回転駆動源73が接続されており、当該回転駆動源73によって同軸ケーブル61は中心軸周りの回転が可能となっている。
同軸ケーブル61の中心軸、即ち加熱コイル旋回機構60における加熱コイル17の旋回中心は、坩堝11における漏出孔11aの開口部と一致している。実際に、加熱コイル17の旋回動作を行った場合の状態を、主要構成のみを抜粋して右回りの旋回の場合を図9Aに、左回りの旋回の場合を図9Bに示す。このように加熱コイル旋回機構60を引下げ装置1に加えることによって、従来加熱コイルの中心軸に垂直な平面に配置された均熱領域を該中心軸に対して傾けることが可能となる。従って、上述した引下げ方法を実施する際に、展進部11dの延在方向と平行に均熱帯を配置させることが可能となる。これにより展進部11dに対して平行にメニスカス9aを形成することが可能となり、好適な引下げ操作を実行することが可能となる。
なお、上述した実施形態では加熱コイル旋回機構60として、同軸ケーブル61を回転させる様式を採用している。しかし、真空損43内の真空度の維持、或いは実際の旋回量の大きさ等の観点から、公知の種々の構成によって当該旋回機構を構築することとしても良い。また、本実施形態では加熱コイル17を旋回させる様式を用いている。しかしながら、実際の単結晶の育成においては、育成しようとする単結晶の形状に応じて坩堝11の形状は決まってしまい。単結晶に応じて坩堝11を交換する必要がある。従って、加熱コイル17とは別個に坩堝11に応じた均熱帯を形成可能な補助的な第二の加熱コイルを配することとしても良い。当該第二の加熱コイルを引下げ軸に傾けて配置することによって、上記実施形態と同様の効果が期待できる。また、加熱コイル17自体の形状を坩堝11との関係で予め定めておき、坩堝11交換時に当該加熱コイル17を対応するものと交換することとしても良い。即ち、加熱コイル17において、一部分が屈曲して中心軸が折れ曲がる形状とし、この折れ曲がった部分における中心軸が展進部11dの法線と一致する形態となっていれば上記条件を満たすことが可能であると考えられる。従って、本装置における加熱コイルは、一部分において該展進部11dの法線と一致する中心軸となる領域を有する、或いはその中心軸が該法線と一致することができるように加熱コイル旋回機構60により傾斜可能であるとして定義されることが好ましい。
以上述べたように、本発明によれば、所謂中空の形状からなる単結晶の製造工程において、製造装置の操作者によらず好適且つ安定的なシードタッチを行うことが可能となる。従って、断面形状が複雑且つ空隙を有する単結晶であっても、再現性よく製造することが可能となる。
1:引下げ装置、 4:シード保持具移動用モータ、 5:傾斜補正ユニット、 7:シード、 8:シード保持具、 9:原材料融液、 11:坩堝、 13:アフターヒータ、 15:保温チューブ、 16:ステージホルダー、 18:保持具チャック、 19:チューブステージ、 43:真空槽、 47:θテーブル、 49:Yテーブル、 51:Xテーブル、 53:Z軸調整機構、 55:引下げガイド、 57:引下げモータ、 59:CCDカメラ、 60:加熱コイル旋回機構、 61:同軸ケーブル、 63:第一の連結部、 65:第二の連結部、 67:軸受フランジ、 69:ベアリング機構、 71:軸受クランパー、 73:回転駆動源

Claims (6)

  1. 原材料及び原材料の融液を内部に保持可能な本体部と、前記本体部の内部と連通して前記原材料融液が漏出可能な漏出孔と、を有する坩堝の前記漏出孔から漏出した前記原材料融液にシードを接触させ、前記シードを鉛直方向に延在する所定の引下げ軸に沿って引き下げることによって単結晶を得る単結晶の引下げ方法であって、
    前記漏出孔が開口する開口端面に、前記原材料融液と濡れ性の良い材料からなるパターンであって、前記単結晶の断面形状に対応するパターンを構成する平面状の展進部を有し、
    前記展進部は、前記展進部の法線が前記引下げ軸に対して所定角度傾斜するように配置される傾斜面内に延在し、
    前記パターンは、前記傾斜面内において最も高くなる領域と最も低くなる領域とを有し、前記パターンに含まれる各面は前記傾斜面に沿って配置され、前記漏出孔の開口は前記最も高くなる領域に設けられたところの、前記坩堝、及び
    前記展進部と対応するパターンを有し且つ前記所定角度傾斜することによって鉛直方向において最も高くなる領域と最も低くなる領域とを有するシードタッチ面を有し、前記原材料融液が結晶化する際の結晶方位を定める前記シード、を用いる引下げ方法であり、
    前記坩堝の前記漏出孔の前記開口より前記原材料融液を漏出させ、
    前記漏出した前記原材料融液を前記展進部の前記最も低い領域まで濡れ広がらせ、
    前記シードタッチ面における前記最も高くなる領域を前記展進部の前記最も低くなる領域に対して所定間隔離れた位置まで近接させて、前記シードタッチ面における最も高くなる領域を前記展進部における最も低くなる領域に存在する前記原材料融液に接触させ、
    前記シードタッチ面を前記展進部との間に前記所定間隔を維持した状態で前記展進部の延在面と平行に移動させて、前記シードタッチ面における最も高い領域と前記展進部における最も高い領域とを対向させ、
    前記シードタッチ面と前記展進部との間の全域にメニスカスを生成させ、
    前記引下げ方向に前記シードを引き下げて単結晶を育成する、ことを特徴とする単結晶の引下げ方法。
  2. 前記メニスカスを生成させる際の前記原材料融液の温度T1は、前記シードタッチ面を平行移動させる際の前記原材料融液の温度T2よりも低く設定されることを特徴とする請求項1に記載の単結晶の引下げ方法。
  3. 前記シードタッチ面を平行移動させる際に、前記シードタッチ面は前記パターンの形状に沿って前記平行移動を実施することを特徴とする請求項1或いは2何れかに記載の引下げ方法。
  4. 底部が閉塞された筒状の本体部における内部空間に原材料融液を保持し、前記内部空間から漏出される前記原材料融液にシードを接触させて所定の引下げ軸に沿って前記シードを引下げることによって単結晶を得る引下げ装置に用いられる坩堝であって、
    底部が閉塞された筒状の前記内部空間と、
    前記内部空間から前記底部を介して外部空間に至る漏出孔と、
    前記原材料融液と濡れ性の良い材料からなるパターンであって、前記単結晶の断面形状に対応するパターンを構成する平面状の展進部と、を有し、
    前記展進部は、前記展進部の法線が前記本体部の中心軸に対して所定角度傾斜するように配置される傾斜面内に延在し、
    前記パターンは、前記傾斜面内において最も高くなる領域と最も低くなる領域とを有し、
    前記パターンに含まれる各面は前記傾斜面に沿って配置され、前記漏出孔の開口は前記最も高くなる領域に設けられることを特徴とする単結晶引下げ装置用の坩堝。
  5. 請求項4に記載の坩堝と、
    前記坩堝を捲回して配置されて高周波電流が導通可能であって前記高周波電流によって高周波磁界を生成可能な加熱コイルと、
    前記原材料融液が結晶化する際の結晶方位を定めるシードを保持し、鉛直方向に延在する所定の引下げ軸に沿って前記シードを引下げるシード保持具と、を有し、
    前記加熱コイルは、一部分において前記展進部の前記法線と一致する中心軸となる領域を有する、或いは前記法線と前記中心軸とが一致するように傾斜可能であることを特徴とする単結晶の引下げ装置。
  6. 前記シード保持具を前記坩堝の展進部と平行に移動可能なシードタッチ面駆動ユニットを更に有することを特徴とする請求項5に記載の単結晶の引下げ装置。
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